前事業年度の有価証券報告書に記載した当社グループの事業等のリスクについて重要な変更はありません。
当社はロシアにおいて主に建築用・自動車用ガラス事業を行っています。2022年から発生しているロシア・ウクライナ情勢が深刻化した場合、当社グループの事業が影響を受ける可能性がありますが、ロシア事業の売上高が全社に占める割合は2%程度(2022年度実績)です。
なお、当社は2022年3月よりロシア国内におけるガラス製造窯の定期修繕を含めた投資を停止し、2023年2月にはロシア事業について譲渡の検討を開始しています。
(1) 経営成績
当社グループは、2021年2月に長期経営戦略「2030年のありたい姿」を策定しました。この戦略では、長期安定的な収益基盤となる「コア事業」と高成長分野である「戦略事業」を両輪として、最適な事業ポートフォリオへの転換を図り、継続的に経済的・社会的価値を創出することを目指します。この長期経営戦略「2030年のありたい姿」を確実に実現するため、中期経営計画 AGC plus-2023 を策定しました。当計画においては、コア事業の深化と戦略事業の探索を実現する“両利きの経営”を更に追求するとともに、サステナビリティ経営の推進とDX(デジタルトランスフォーメーション)の加速による競争力の強化を主要な戦略として設定しました。当第1四半期連結累計期間(2023年1月1日から2023年3月31日まで)においては、日本でのフッ素関連製品の製造能力増強を決定しました。一方で、ロシアでの建築ガラス、オートモーティブ事業について譲渡の検討を開始し、最適な事業ポートフォリオへの転換を着実に実行しています。
当第1四半期連結累計期間の業績においては、戦略事業では、エレクトロニクス製品の業績が順調に拡大したものの、ライフサイエンス事業における先行投資の影響を受けました。コア事業では、建築ガラスは、全ての地域で販売価格が上昇しました。オートモーティブは、半導体を中心とした部品供給不足の影響の緩和により自動車生産台数が緩やかに回復し、当社グループの出荷も増加しました。また、販売価格も上昇しました。一方で、エッセンシャルケミカルズで塩化ビニル樹脂等の販売価格が下落しました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は、為替の影響もあり前第1四半期連結累計期間比165億円 (3.5%)増の4,892億円となりました。営業利益は、前述の増収要因があったものの、製造原価の悪化、原燃材料価格の上昇から同235億円(40.7%)減の342億円となりました。税引前四半期利益は、同178億円(32.7%)減の366億円、親会社の所有者に帰属する当期四半期純利益は、同85億円(27.7%)減の221億円となりました。
<当第1四半期連結累計期間の業績>
(億円:千万円単位四捨五入)
|
売上高 |
4,892億円 |
(前第1四半期連結累計期間比 3.5%増) |
|
営業利益 |
342億円 |
(前第1四半期連結累計期間比 40.7%減) |
|
税引前四半期利益 |
366億円 |
(前第1四半期連結累計期間比 32.7%減) |
|
親会社の所有者に帰属する四半期純利益 |
221億円 |
(前第1四半期連結累計期間比 27.7%減) |
なお、営業利益(前第1四半期連結累計期間比△235億円)の主な増減要因は以下のとおりです。
|
販売数量・売値・品種構成 |
+77億円 |
|
原燃材料価格 |
△143億円 |
|
コストその他 |
△170億円 |
<報告セグメント別の概況>
(億円:千万円単位四捨五入)
|
|
売上高 |
営業利益 |
||
|
当第1四半期 連結累計期間 |
前第1四半期 連結累計期間 |
当第1四半期 連結累計期間 |
前第1四半期 連結累計期間 |
|
|
建築ガラス |
1,205 |
1,040 |
93 |
73 |
|
オートモーティブ |
1,184 |
936 |
48 |
△33 |
|
電子 |
702 |
760 |
19 |
80 |
|
化学品 |
1,410 |
1,617 |
172 |
406 |
|
ライフサイエンス |
332 |
332 |
6 |
46 |
|
セラミックス・その他 |
199 |
199 |
6 |
9 |
|
消去又は全社 |
△141 |
△157 |
△2 |
△2 |
|
合計 |
4,892 |
4,727 |
342 |
578 |
前第1四半期連結累計期間のセグメントにつきましても、変更後の報告セグメント区分に基づき作成したものを開示しております。
当第1四半期連結累計期間における各報告セグメントの業績は、以下のとおりです。
① 建築ガラス
欧米は、景気減速の影響を受けた欧州で出荷が減少しましたが、販売価格の上昇や為替の影響により前年同期に比べ増収となりました。アジアは、日本を除く地域で出荷が減少しましたが、販売価格の上昇により前年同期に比べ増収となりました。
以上の結果から、当第1四半期連結累計期間の建築ガラスの売上高は、前第1四半期連結累計期間比165億円(15.9%)増の1,205億円となりました。営業利益は、原材料価格の上昇の影響を受けたものの、販売価格の上昇などにより、同20億円(27.9%)増の93億円となりました。
② オートモーティブ
自動車用ガラスは、自動車生産台数の増加により、当社グループの出荷も増加しました。また、販売価格の上昇や品種構成の改善、為替の影響もあり、当第1四半期連結累計期間のオートモーティブの売上高は、前第1四半期連結累計期間比249億円(26.6%)増の1,184億円となりました。営業利益は、原燃材料価格等の上昇の影響を受けたものの、上記の要因により、同81億円増の48億円となりました。
③ 電子
ディスプレイは、液晶用ガラス基板およびディスプレイ用特殊ガラスの出荷が減少したことから、前年同期に比べ減収となりました。電子部材は、半導体関連製品の出荷が堅調に推移したことに加え、為替の影響などにより、前年同期に比べ増収となりました。
以上の結果から、当第1四半期連結累計期間の電子の売上高は、前第1四半期連結累計期間比57億円(7.6%)減の702億円となりました。営業利益は、前述の減収要因および液晶用ガラス基板での設備稼働率低下による製造原価の悪化、原燃材料高などの影響により、同61億円(76.3%)減の19億円となりました。
④ 化学品
エッセンシャルケミカルズは、塩化ビニル樹脂等の販売価格が下落したことから、前年同期に比べ減収となりました。パフォーマンスケミカルズは、フッ素関連製品の出荷は減少しましたが、販売価格の上昇や為替の影響により前年同期に比べ増収となりました。
以上の結果から、当第1四半期連結累計期間の化学品の売上高は、前第1四半期連結累計期間比207億円(12.8%)減の1,410億円となり、営業利益は、同234億円(57.6%)減の172億円となりました。
⑤ ライフサイエンス
ライフサイエンスは、新型コロナウイルス関連製品の特需消失に伴いバイオ医薬品の受託が減少したものの、為替の影響により、当第1四半期連結累計期間の売上高は、前第1四半期連結累計期間並みの332億円となりました。営業利益は、バイオ医薬品分野における能力増強に伴う先行費用の発生等により、前第1四半期連結累計期間比39億円(85.8%)減の6億円となりました。
各報告セグメントに属する主要な製品の種類は以下のとおりです。
|
報告セグメント |
主要製品 |
|
建築ガラス |
フロート板ガラス、型板ガラス、網入り磨板ガラス、Low-E(低放射)ガラス、装飾ガラス、 建築用加工ガラス(断熱・遮熱複層ガラス、防災・防犯ガラス、防・耐火ガラス等)等 |
|
オートモーティブ |
自動車用ガラス、車載ディスプレイ用カバーガラス等 |
|
電子 |
液晶用ガラス基板、有機EL用ガラス基板、ディスプレイ用特殊ガラス、 ディスプレイ用周辺部材、ソーラー用ガラス、産業用加工ガラス、半導体プロセス用部材、 オプトエレクトロニクス用部材、プリント基板材料、照明用製品、理化学用製品等 |
|
化学品 |
塩化ビニル、塩化ビニル原料、苛性ソーダ、ウレタン原料、フッ素樹脂、撥水撥油剤、 ガス、溶剤、ヨウ素製品等 |
|
ライフサイエンス |
合成医農薬中間体・原体、バイオ医薬品等 |
上記製品の他、当社グループは、セラミックス製品、物流・金融サービス等も扱っています。
(2) 財政状態
○資産
当第1四半期連結会計期間末の資産は、前連結会計年度末比371億円増の28,512億円となりました。これは主に、営業債権及び有形固定資産が増加したことによるものであります。
○負債
当第1四半期連結会計期間末の負債は、前連結会計年度末比355億円増の12,639億円となりました。これは主に、有利子負債が増加したことによるものであります。
○資本
当第1四半期連結会計期間末の資本は、前連結会計年度末比16億円増の15,872億円となりました。これは主に、自己株式の取得により減少した一方で、前期末比で円安になったことにより在外営業活動体の換算差額が増加したことによるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より76億円(3.6%)減少し、2,021億円となりました。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
当第1四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、301億円の収入(前年同期は603億円の収入)となりました。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
当第1四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、471億円の支出(前年同期は305億円の支出)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出等があったことによるものであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
当第1四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、58億円の収入(前年同期は8億円の支出)となりました。これは、自己株式の取得や配当金の支払等があった一方で、有利子負債の借入による収入があったことによるものであります。
(4) 対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。また、当第1四半期連結累計期間において新たな課題も発生しておりません。
(5) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費は136億円であります。なお、当第1四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。