当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社、以下同じ。)は、消費税及び地方消費税に係る会計処理方法につき税抜方式を採用しているため、以下の記載金額には消費税及び地方消費税は含まれておりません。
当社グループは、持続的成長と企業価値の最大化に向けて、「ライフケア」と「情報・通信」の複数の事業において、グローバルに経営を推し進めております。多岐にわたる事業を運営する中、経営資源の最適な配分により、競争力を最大化することで、業績向上に取り組んでまいります。
(1)目標とする経営指標
当社グループは、資本に対するコストを上回る利益を生んだとき、企業価値が増大し、すべてのステークホルダーにご満足いただけるものと考えております。その実現のための経営指標としてSVA(Shareholders Value Added)を導入し、効率的な経営に努めております。
(2)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
① 市場の変化への柔軟な対応と効率的な経営資源の活用
当社グループの事業領域は多岐にわたっておりますが、それぞれの市場の動向にすばやく柔軟に対応していくために、顧客のニーズを的確に把握し、競合に先んじた戦略を立案してまいります。当社グループの経営資源を適切に配分し、設備投資、事業提携、M&A、事業の撤退・縮小といった判断をタイムリーに行ってまいります。
② 新たな事業、技術の創出
企業収益を確保し、成長し続けるためには、既存事業の伸長はもとより、従来とは異なる成長分野において、当社独自の技術を開発し、新たな事業を創出していくことが重要な課題と認識しております。
世界に通用する技術や競争優位性の高い製品の開発、新規事業の開拓・創造、そして次代を担う人材の獲得・育成にさらに力を注いでまいります。そのためには、社内リソースの活用だけでなく、外部リソースを積極的に取り込むことが重要と考えており、事業提携やM&A等のあらゆる可能性を追求してまいります。
③ ライフケア事業の事業拡大
医療の現場では医師・患者双方の要求として負担軽減・治療の短時間化が望まれるようになり、低侵襲医療が加速度的に普及してきております。当社グループは、光学の知識・経験を応用したライフケア事業を戦略的成長分野と位置づけ、経営資源を積極的に投入し、先進国におけるシェアの拡大と新興国への展開によるグローバルでの事業拡大を図ってまいります。
④ 情報・通信事業の安定的な収益の確保
顧客との連携強化による技術開発、高付加価値製品の拡大、新たな製品用途の開拓により、収益性の維持、向上に努めてまいります。同時に、生産拠点の効率化、生産技術の革新によるコスト削減にも力を注いでまいります。
⑤ 省エネルギー対策及びリスク分散、危機管理対応
当社グループは、全社を挙げて省エネをはじめとする環境保全に取り組んでおります。また、リスクマネジメントの観点からも海外移転を含む製造拠点の分散化を進めてきました。社会の一員として、また供給責任という観点からも、引き続き省エネルギー対策、リスク分散、危機管理対応に積極的に取り組んでまいります。
⑥ ダイバーシティの推進
当社グループ全体においては多くの女性管理職が活躍しておりますが、日本に限定した場合、この割合は大幅に低くなっております。日本においても価値観や働き方の多様性を確保することで、優秀な人材を確保し、より効率的かつ多面的な観点から企業価値向上に資するように努めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)執行役への依存
当社グループは、経営の効率化、意思決定の迅速化を図るため、少人数の執行役で、グループ全体の経営方針や経営戦略・事業戦略の策定・決定をはじめ、事業化及び事業推進に至るまで、当社グループの事業活動上重要な役割を果たしております。このため、当社グループでは過度に執行役に依存しないよう、経営体制を整備し、経営リスクの軽減を図ることに努めるとともに、各事業分野での人材育成強化を行っておりますが、執行役に対する依存度が高いため、執行役が何らかの理由により突然当社グループの経営者としての業務を遂行できなくなった場合、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(2)為替レートの変動
当社グループでは、事業をグローバルに展開しておりますが、主要生産国の為替レートの上昇は、連結ベースでコストの上昇をもたらす可能性があります。主要販売国の為替レートの下落は、売上高の減少を起こす可能性があります。
(3)国際情勢の影響
今後、ある地域でヒト・モノ・カネの動きが異常に抑制された場合、また、当社グループが事業を行っている国々で、政治・経済又は法環境の変化、労働力の不足、ストライキ、天災地変、事故等の予期せぬ事象が起きた場合には、事業の遂行に問題が生じる可能性があります。
(4)生産材のビジネスである点
当社グループの情報・通信の製品群は、そのすべてが中間生産材・部材であり、当社製品を使用して製造される製品、さらにそれらを使用して製造されるデジタル家電製品等最終消費財の景況によって売上に影響が出る可能性があります。
(5)消費材分野におけるディスカウンターの出現と価格低下
近年、従来になかった安売り店が出現し、価格低下を引き起こしております。これら安売り店の影響が、当社グループが進めているコストダウンと高付加価値戦略で吸収しきれないほど進むと、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6)新製品開発力
当社グループでは、絶えず最先端の技術を開発するよう努めておりますが、業界と市場の変化を充分に予測できず、顧客のニーズにあった新製品をタイムリーに開発できない場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7)競合
当社グループは、多くの製品で業界トップシェアを有しておりますが、絶えず厳しい競争に晒されております。当社グループが、将来においてもその圧倒的なシェアを保持し続け、有効に競争できるという保証はなく、価格面での圧力又は有効に競争できないことによる顧客離れは、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8)生産能力
当社グループでは、各製品について、顧客の受注に応える十分な生産能力の確保に努めておりますが、なんらかの要因により、生産上の問題が発生したり新規設備の立ち上げが遅れるようなことがあれば、当社グループの業績への影響のみならず、得意先の生産・販売計画に影響を与え、競合他社のシェア拡大等の恐れがあり、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(9)新規事業
将来の成長のために新規事業は重要ですが、有望な新規事業の目途がつかない場合は当社グループの成長が計画どおり進まないおそれがあります。また、事業戦略の一環として企業買収等を行うことがありますが、買収後に予期せぬ障害が出てきて予定外の時間と費用がかかり、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(10)情報漏洩に関するリスク
当社グループでは、事業の遂行において多くの個人情報や機密情報を保有しており、情報の管理については様々な対策を講じております。しかしながら、万一、情報の流出が発生した場合には、当社グループの社会的信用の低下と損害賠償責任が発生する可能性があります。
(11)知的財産に関するリスク
当社グループでは、新製品開発や生産、販売活動を行う上で、他社の知的財産権を侵害することがないよう事前調査を徹底しておりますが、当社グループの認識の範囲外で第三者より知的財産権侵害を主張される可能性は否定できません。そのような場合、訴訟費用が発生するだけでなく、訴訟の結果によっては、当該技術を利用できない可能性や損害賠償責任が発生する可能性があります。
(12)製品の品質に関するリスク
当社グループでは、厳しい品質基準に基づき多様な製品を製造しております。しかしながら、万一、品質問題が発生し、リコールや製造物責任が問われる場合には、回収費用が発生するだけでなく、顧客の信頼を著しく損ない、製品によっては、損害賠償責任が発生する可能性があります。
なお、当社の米国子会社であるPENTAX of America,Inc.(以下、PENTAX)は、2015年4月に、PENTAX及びその関連会社が製造・販売する十二指腸内視鏡に関する情報の提供を求める召喚状を米国司法省から受領しております。PENTAXは、米国司法省に協力し召喚状への回答手続きを進めております。そしてPENTAXは、十二指腸内視鏡及びその他の内視鏡に関する事項について、米国FDAを含む米国政府機関と適宜協議し、対応しております。その動向によっては、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(13)人材確保・育成に関するリスク
当社グループの継続的な成長は、あらゆる分野における優秀な人材の確保・育成に大きく依存しております。しかしながら、雇用環境の多様化が急速に進む中で、有能な人材の流出防止や新たな人材の獲得・育成ができない場合には、当社グループの成長や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(14)資材等の調達に関するリスク
当社グループの生産活動において、原材料・部品等の一部に、その特殊性から調達先が限定されているものや調達先の代替が困難なものがあり、調達先の災害や事故、仕入価格の高騰等で、部品の安定的調達が確保できない可能性があります。その場合は、製品の出荷遅延による機会損失等が発生し、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(15)敵対的買収に伴い企業価値が損なわれるリスク
当社グループでは、経営者の責務は企業買収者から会社を防衛する策を講じることにあるのではなく、株主の付託を受けた者として、今後の企業成長を目指し、業績向上と財務体質の強化に努め企業価値を高めていくことが重要と考えております。それでも実際に敵対的買収が行われた場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(16)税務に関するリスク
当社グループを構成する事業法人は、各国の税法に準拠して税額計算し、適正な形で納税を行っております。なお、適用される各国の移転価格税制などの国際税務リスクについて細心の注意を払っておりますが、税務当局との見解の相違により、結果として追加課税が発生する可能性があります。
連結財務諸表規則等の改正(2009年12月11日 内閣府令第73号)に伴い、IFRSによる連結財務諸表の作成が認められることとなったため、第73期(自 2010年4月1日 至 2011年3月31日)よりIFRSに準拠した連結財務諸表を開示しております。
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりであります。
a. 財政状態
当連結会計年度末では、総資産は前連結会計年度末に比べて89億39百万円減少し、6,506億45百万円となりました。
非流動資産は、401億92百万円増加し、2,044億55百万円となりました。これは主として、のれんが173億2百万円、無形資産が104億51百万円、長期金融資産が82億38百万円増加したことによるものであります。なお、長期金融資産の増加は主にその他の短期金融資産の返済期日延長によるものであります。
流動資産は、491億31百万円減少し、4,461億90百万円となりました。これは主として、現金及び現金同等物が510億16百万円、その他の短期金融資産が128億33百万円減少したことによるものであります。
資本合計は、152億72百万円増加し、5,306億77百万円となりました。これは主として、利益剰余金が234億51百万円増加したことによるものであります。
親会社の所有者に帰属する持分合計は153億6百万円増加し、5,261億93百万円となりました。
負債は、242億11百万円減少し、1,199億67百万円となりました。これは主に短期有利子負債が350億12百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末の親会社所有者帰属持分比率は80.9%となり、前連結会計年度末の77.5%から3.4ポイント上昇しました。
b. 経営成績
当連結会計年度における世界経済は、米国の景気は着実に回復が続き、欧州の景気も緩やかに拡大し、中国では景気が安定的に推移するなど、全体として堅調に推移しております。日本経済についても、緩やかな回復が続いております。
そのような環境のもと、当社グループ(以下、「当社」)のライフケア事業については、ヘルスケア関連製品のメガネレンズ、コンタクトレンズともに増収、メディカル関連製品においても、眼内レンズ等において増収となり、ライフケア全体で、前連結会計年度と比べて増収となりました。
情報・通信事業においては、エレクトロニクス関連製品の半導体用マスクブランクス、液晶用フォトマスク及びハードディスク用ガラスサブストレートにおいて増収、映像関連製品も増収となり、情報・通信事業全体で、前連結会計年度と比べて増収となりました。
この結果、当連結会計年度の売上収益は5,356億12百万円と、前連結会計年度に比べて11.8%の増収となりました。
税引前当期利益は1,242億48百万円、前連結会計年度に比べて12.1%の増益となりました。
売上収益税引前当期利益率は23.2%となり、前連結会計年度並みとなりました。
当期利益は992億22百万円となり、前連結会計年度に比べて14.2%の増益となりました。
また、基本的1株当たり利益は258.46円となり、前連結会計年度に比べて36.53円増加いたしました。
資産合計親会社所有者帰属持分当期利益率(ROA)は15.2%と前連結会計年度に比べて1.8ポイント上がり、親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)は19.2%と前連結会計年度に比べて1.9ポイント上がりました。
なお、当連結会計年度、前連結会計年度ともに非継続事業はありませんので、表示の数値及び増減率はすべて継続事業によるもののみであります。
なお、IFRSに準拠した連結財務諸表は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」に記載しております。
当社グループの継続事業セグメントごとの業績は次のとおりであります。(各セグメントの売上収益は、外部顧客に対するものであります。)
(ライフケア事業)
<ヘルスケア関連製品>
メガネレンズについては、日本では、小売市場の縮小傾向が継続しておりますが、シェアの拡大により前年並みの売上を維持しました。海外市場においては、アジアの市場成長をしっかりと取り込んだことに加え、米州においては、既存事業の堅調な伸長に加え、3M社の度付き保護メガネレンズ事業及びPerformance Optics, LLCを買収した効果により大きく伸長し、全体でも前連結会計年度と比べて増収となりました。
コンタクトレンズにつきましては、専門小売店「アイシティ」の新規出店、既存店の強化による新規顧客の拡大を行ったことで、前連結会計年度と比べて増収となりました。
<メディカル関連製品>
医療用内視鏡については、アジアを中心に海外市場における販売力の強化により、全体の売上は前連結会計年度と比べて増収となりました。
白内障用眼内レンズは、日本市場において2015年に発売した新製品の販売が、引き続き好調に推移しております。また、海外においても、直販及び代理店向けの販売がともに堅調に伸長しており、前連結会計年度と比べて増収となりました。
この結果、当セグメント(ライフケア事業)の売上収益は3,528億72百万円と、前連結会計年度に比べて12.2%の増収となりました。また、セグメント利益は、買収により獲得した無形資産の償却や固定資産の減損等により、564億48百万円となりましたが、前連結会計年度に比べて3.2%の増益を維持しました。
(情報・通信事業)
<エレクトロニクス関連製品>
最終製品であるパソコンやタブレット市場の飽和状態が続き、スマートフォン市場は成長が鈍化しています。当社の半導体用マスクブランクスは、先端品における活発な研究開発需要を取り込んだことで、売上は前連結会計年度と比べて増収となりました。
液晶用フォトマスクについては、上期において熊本地震による当社生産能力減少の影響が残ったものの、下期は当社生産能力の回復が進んだこと、海外パネルメーカーによる研究開発需要の回復が進んだことで、売上は前連結会計年度と比べて増収となりました。
ハードディスク用ガラスサブストレートについては、NAND(Not AND)型フラッシュメモリの供給量不足によるHDD(Hard Disk Drive)総需要の改善に加え、当社の市場シェアが拡大したことで、売上は前連結会計年度と比べて増収となりました。
<映像関連製品>
主要な最終製品であるデジタルカメラ市場の縮小が一段落していることに加え、監視カメラや車載カメラなど新しい用途向け製品の販売拡大が貢献し、全体で増収となりました。
この結果、当セグメント(情報・通信事業)の売上収益は1,784億80百万円と、前連結会計年度に比べて11.1%の増収となりました。また、セグメント利益は699億82百万円と、前連結会計年度に比べて28.4%の増益となりました。
(その他)
その他事業は主に、情報システムサービスを提供する事業及び新規事業等であります。
当セグメント(その他)の売上収益は42億60百万円と前連結会計年度に比べて10.2%の増収となりました。セグメント利益は8億64百万円と、前連結会計年度に比べて4.2%の減益となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、為替変動による影響額△6億49百万円を含め、前連結会計年度末に比べ510億16百万円減少し、2,458億35百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動の結果得られた資金は1,354億99百万円(前連結会計年度比278億37百万円収入増)となりました。これは、税引前当期利益1,242億48百万円(前連結会計年度比134億53百万円収入増)、減価償却費及び償却費287億11百万円(前連結会計年度比10億65百万円収入減)、棚卸資産の減少高17億63百万円(前連結会計年度比10億34百万円収入増)、売上債権及びその他の債権の増加額65億62百万円(前連結会計年度比10億35百万円収入減)、仕入債務及びその他の債務の増加額40億52百万円(前連結会計年度比49億12百万円支出減)、支払法人所得税264億25百万円(前連結会計年度比1億89百万円支出減)などで資金が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動の結果使用した資金は、685億33百万円(前連結会計年度比410億26百万円支出増)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出179億74百万円(前連結会計年度比35億54百万円支出減)、子会社の取得による支出540億18百万円(前連結会計年度比476億58百万円支出増)などで資金が減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動の結果使用した資金は、1,173億33百万円(前連結会計年度比530億44百万円支出増)となりました。これは、支払配当金290億42百万円(前連結会計年度比4億6百万円支出減)、社債の償還による支出350億21百万円(前連結会計年度比350億円支出増)自己株式の取得による支出550億34百万円(前連結会計年度比200億27百万円支出増)などによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、消費税及び地方消費税に係る会計処理方法につき税抜方式を採用しているため、以下の記載金額に消費税及び地方消費税は含みません。
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績を報告セグメント(継続事業)ごとに示すと、次のとおりであります。
|
報告セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
ライフケア |
238,070 |
118.8% |
|
情報・通信 |
178,970 |
111.6% |
|
合計 |
417,040 |
115.6% |
(注)金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
b. 受注実績
当社グループは、主として需要と現有設備を勘案した見込生産のため、記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績を報告セグメント(継続事業)ごとに示すと、次のとおりであります。なお、セグメント間の取引については相殺消去しております。
|
報告セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
ライフケア |
352,872 |
112.2% |
|
情報・通信 |
178,480 |
111.1% |
|
その他 |
4,260 |
110.1% |
|
合計 |
535,612 |
111.8% |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針の要約」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は次のとおりであります。
a. 経営成績等の状況
当社グループでは、ポートフォリオ経営の考え方に基づき、光学製品で培った技術を軸として、ライフケア事業及び情報・通信事業をグローバルに展開しています。
当社グループは、世界的な高齢化の進展、新興国での経済成長による医療へのアクセス機会の改善により、市場の拡大が見込まれているライフケア事業を成長エリアとして捉え、経営資源を集中的に投入しています。
当事業においては事業体制の強化や、M&Aを通して新しい技術や顧客を獲得することにより、市場シェアを拡大させることで、各製品の成長を図っております。この方針のもと、当期において、米国のメガネレンズメーカーのM&Aを行い、当社が保有していなかった製品技術及び顧客網を獲得いたしました。また、眼内レンズ製品において、当社製品に対する旺盛な需要に応えるためにタイに工場を新設し、稼働を開始いたしました。
情報・通信事業においては高い市場シェアを持つ製品が多いものの、最終製品市場の成熟化が見込まれております。一方で成長分野もあり、ここに注力することで事業全体として、安定化を図ってまいります。
この方針のもと、当期において、データセンターのサーバーに使われるHDD用ガラスディスク基板の販売を開始いたしました。また、次世代の半導体製造技術であるEUV(Extreme Ultraviolet:極端紫外線)露光向けのマスクブランクス製品、監視カメラ向けのレンズ製品の売上収益を大きく伸ばすことができました。
以上の状況から当期において、全体として過去最高の売上収益を更新することができました。
今後、ライフケア事業での買収企業とのシナジーの早期実現、新工場の貢献などにより利益の伴った成長の実現、情報通信事業での成長分野への注力により当社グループ全体の成長を図ってまいります。
b. 資本の財源及び資金の流動性についての分析
資本政策につきましては、財務の健全性や資本効率など当社にとって最適な資本構成を追求しながら、会社の将来の成長のための内部留保の充実と、株主への利益還元との最適なバランスを考え実施していくことを基本としております。
当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は23億53百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,458億35百万円となっております。
将来の成長のための内部留保については、成長分野における、シェア拡大、未開拓市場への参入、新技術の育成・獲得のための投資に資源を優先的に充当してまいります。既存事業の成長に加え、事業ポートフォリオのさらなる充実のためのM&Aも積極的に可能性を追求してまいります。一方、安定収益事業と位置付けております「情報・通信」分野においては、競争力の源泉となる技術力のさらなる強化のための設備投資並びに次世代技術・新製品の開発に向けた開発投資を継続してまいります。
当連結会計年度においては、米国のメガネレンズメーカーのM&A等を行った結果、子会社取得による支出は540億18百万円となりました。また、当連結会計年度における設備投資については、ライフケア事業で、主にメガネレンズにおいて、生産工場における能力増強と最適化を目的とした製造設備への投資を行いました。白内障用眼内レンズにおいて、当社製品の需要増加に対応するための生産能力増強を目的とした製造設備への投資を行いました。情報・通信事業においては、主に半導体、液晶関連製品における高付加価値品の製造設備への投資、映像関連製品における製造設備の最適化投資を行いました。この結果、当連結会計年度における有形固定資産の取得による支出は179億74百万円となりました。
これらの投資のための所要資金は、自己資金にて賄っております。
c. 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報)
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
当連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
差異の主な内容及び概算額は以下のとおりであります。
(のれんの償却)
日本基準においては、のれんを償却しますが、IFRSにおいては、のれんを償却しないため、日本基準に比べ償却費が26億52百万円減少しており、減損損失が26億95百万円増加しております。
該当事項はありません。
当社グループは、将来にわたる持続的成長と企業価値の向上を目指し、長期的な視点に立った事業戦略の立案と技術開発に取り組んでおります。これまでの情報・通信分野を中心とした研究開発から、今後成長が期待されるライフケア分野へ、研究開発資源投入を強化しております。
当社グループでは、既存事業の延長線上にある次世代技術及び長期的な視点に立った次々世代の研究開発を各事業部門が手がけております。
また、新しい分野・領域の新規事業開発については、本社新事業開発部門が担当しております。
当連結会計年度のグループ全体の研究開発費の総額(継続事業)は、232億90百万円であり、主要課題及び研究成果は次のとおりであります。
(ライフケア)
眼内レンズにおいては、低侵襲の小切開手術、より簡便で合併症の低減が期待できるディスポーザブルプリロードインジェクターが主流となっております。また、光学的機能も、単焦点球面レンズから、非球面設計、トーリック(乱視矯正)、多焦点(遠視維持間の近見視力を向上)へと進歩しております。引き続き、ディスポーザブル化、光学的機能の多様化にあわせた眼内レンズ、インジェクターシステム、眼科用手術用機器の開発に努めてまいります。
内視鏡製品においては、日、米、欧の開発拠点の連携を強化し、各市場のニーズに適応した製品ラインナップの充実に取り組んでおります。一方、要素技術として、小型・高解像度の撮像デバイスの開発や微小病変部を見逃すことなく観察できる画像処理技術、容易に内視鏡を消化管内に挿入する技術、病変を確実に切除する治療用デバイスの開発を進めております。
当報告セグメントの当連結会計年度における研究開発費は、上記を含めて126億89百万円であります。
(情報・通信)
エレクトロニクス関連製品においては、半導体の一層の微細化、高集積化のニーズに対応した位相シフトマスクブランクスを開発しております。また、EUVは次世代フォトリソグラフィーの第一候補として挙げられている技術で、既存のDUV光(ArF)よりもさらに短い波長のEUV光を用いるため、より微細なパターンの露光が可能となります。高品質EUVブランクスを供給できるよう、開発を行っております。
ハードディスク用サブストレートにおいては、将来的に市場の成長が見込まれるニアラインサーバーの95mm市場向けに高剛性ガラスの開発をしております。また、HDDの高容量化を実現するために、ガラス基板の薄板化を推進しております。
映像関連製品においては、主に高屈折率ガラス及び高透過率ガラス等の高性能光学ガラス、環境負荷物質を含まないガラス等の組成開発に加え、優れた品質のガラス製品を提供するための技術開発を行っております。
モールドレンズの技術開発においては、主に一眼レフ交換レンズ用の中大口径非球面レンズの高精度化や、車載用高難度形状レンズ及び光通信向け枠付レンズの量産試作を行っております。
当報告セグメントの当連結会計年度における研究開発費は、上記を含めて88億23百万円であります。
(本社新事業開発部門)
新規事業開発は当社グループにとって中・長期的な重要課題の一つで、新規事業を立ち上げるには事業領域の選定から始まり、研究開発からマーケティング、事業化に至るまで長年の年月を要します。
世界の技術革新を視野に入れて、メガネレンズやコンタクトレンズなどの既存製品を超えた眼科領域での事業拡大、次世代の医療へ積極的に貢献するための低侵襲治療領域での事業拡大等、将来有望な成長領域を柔軟な発想で選定し、新しいベンチャー企業への出資や事業提携なども含め、企画・推進しております。
当連結会計年度は、ロボットによる低侵襲手術支援システムの開発等に資金投入しております。