第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは基本理念として「事業は人なり」「商いの基は品質にあり」「革新なくして未来なし」を掲げております。この理念を組織全体に浸透させ社会的責任を果たし持続的な成長を実現することにより、株主・取引先・社員・地域社会の信頼と期待にお応えできると確信しております。

 上記の理念を経営の根幹に持ちつつ事業環境の変化に対応するために革新を進めてまいります。

 

(2)目標とする経営指標

目標とする経営指標としては、ROE(自己資本利益率)の向上によって企業価値の増大を目指してまいります。第94期(2023年3月期)にROE3%以上、長期的には5%以上という目標を掲げ、その達成に向けて収益力の向上と資産効率の改善に積極的に取り組んでまいります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、長期ビジョンとしての“ありたい姿”を「人や社会とともに、環境に配慮しながら、安心・安全を提供し、未来に誇りを持って引き継いでいける、成長し続ける企業グループ」と定義いたしました。近年、外部環境の変化が加速している中でこのありたい姿を実現するためには、当社が掲げる3つの基本理念に立ち返って事業に取り組んでいくことが大切であると考え、これからも革新を求め、様々な課題に挑戦していくことが肝要であるとの思いをこめて、「Change and Challenge with You」をスローガンとする3ヵ年の中期経営計画を策定しております。中期経営計画では以下の5つの経営方針を推進してまいります。

 

(ⅰ)環境変化に適応した運営体制の構築

事業環境が大きく変わる中、改革意識と改善活動をさらに各職場へ展開して浸透させ、環境変化に伴う課題解決に柔軟に適応できる運営体制づくりを行ってまいります。生産・供給体制の最適化、事業セグメント内の相乗効果を発揮できる体制を早期に整えることで、迅速に環境変化に対応してまいります。

(ⅱ)投資効率の追求と収益体質の確立

ROEの向上のため、収益力の強化、改善活動による生産コストの削減、グループ資産運用効率の向上等に取り組んでまいります。

(ⅲ)事業の拡大と成長戦略の推進

企業として活力を維持し、既存事業の販売拡大に努め、継続的に新製品の開発を行い、成長性のある新市場と新規事業への参入、またはM&Aによりさらなる事業範囲の拡大・成長に繋がる活動を継続してまいります。

(ⅳ)社会のニーズに応える製品・サービスの展開

国内外の社会ニーズとその変化をとらえ、持続可能な開発目標(SDGs)を考慮した高品質な製品とサービスを開発・提供することで、社会に貢献してまいります。

(ⅴ)従業員の能力が最大限発揮される職場環境の構築と次世代の育成

これからの世代交代を迎える中、当社グループの成長と運営を持続させるため、新しい世代の教育にさらに取り組み、これまで蓄積されてきた技術と知識を次世代に引き継いでまいります。また、定年退職者が引き続き社会貢献できる機会を増やすため雇用延長に対応した職場づくりにも積極的に取り組んでまいります。さらに、ダイバーシティを推進しながら、個々の人材の能力を高める機会を増やし、その能力を発揮しやすい環境を整備してまいります。

 

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

上記の経営方針に基づき、次のとおり課題達成に向けて努力してまいります。

 

①ガラスびん関連事業

国内ガラスびん市場は、少子高齢化による人口減少、天候不順・自然災害等の外的な要因、また他素材容器への転換が進んでいる中、新型コロナウイルス感染症の影響が続き、需要の回復は厳しい状況にあります。さらには原燃料高騰が続いており今後の動向も見通しが難しく、値動きが激しい展開も予想されます。ガラスびん関連事業は品質確保や安定供給のために実施する溶解窯の更新が必要であり、更新後は減価償却費の増加が見込まれます。このような状況において、山村グループの主力事業としてグループ内の連携を強化しながら収益体質の確立に取り組んでまいります。そのため、販売価格の改定やSDGsに関連した提案活動、未開拓市場への拡大に取り組むと同時に、変動する需給バランスに対応した最適な製造販売体制を構築してまいります。またロボット等の省人化技術の導入や業務の外注化により人材不足やコスト削減に取り組んでまいります。開発分野に関しましては、市場と環境面のニーズに応えるため、高付加価値品の開発や脱炭素社会に向けた技術調査に取り組んでまいります。

②プラスチック容器関連事業

国内のプラスチックキャップ事業では、今後より一層市場と顧客の動向を注視し、スピーディで効率のよい生産体制を構築してまいります。またプラスチック環境問題に対応するべく環境に配慮したキャップ開発および飲食品以外の新規事業の開拓に取り組んでまいります。原料および各種資材の供給不足や価格高騰による製造コストの上昇が予想されますが、様々な取り組みにより安定調達やコスト削減を図り、販売価格の改定も含めて収益力の強化に取り組んでまいります。海外においては、子会社と連携しながら増産体制を構築し、日本への輸入やアジア全域への販売強化を目指してまいります。

③物流関連事業

物流関連事業では、幅広い事業範囲で蓄積したノウハウと機能を活かしながら、事業や営業エリアの拡大に取り組んでまいります。2021年9月に中山運送株式会社およびマルイシ運輸株式会社の株式を取得して連結子会社とし、事業規模を拡大しました。今後さらに相乗効果による新規業務の受託を図ってまいります。また、コア人材の積極的な採用と人事制度改革や社員教育等を行い、将来を担う人材の確保に努めてまいります。さらに、不採算営業所の収益改善や作業・配送の効率化等の取り組みによりコスト低減に努め、利益体質の確立を進めてまいります。

④ニューガラス関連事業

ニューガラス関連事業では、世界情勢や市場の変動の激しい中、当社の主力分野であるエレクトロニクス関連およびエネルギー関連での新製品開発や生産技術開発、生産の効率化に取り組み、グローバルに事業の拡大を目指してまいります。また、高速通信や環境関連製品等、社会のニーズに応えた差異化製品の開発に取り組んでまいります。国内子会社においては、高速通信・半導体・センサー・映像および殺菌用製品の販売拡大や新製品開発による事業拡大に取り組んでまいります。また、生産ラインの再構築により生産効率化に努めてまいります。

 

・海外事業におきましては、選別と強化を検討してまいります。米国のガラスびん製造関連会社は、当社のモニタリングを強化し適時に支援を行うことで、安定生産を目指します。また、海外ネットワークの活用により新市場開拓、製品の拡販を推進し、資材調達等の相乗効果をさらに発揮するために国内外の連携を強化してまいります。

 

・研究開発センターが運営する植物工場におきましては、オリジナルブランドの『きらきらベジ』の機能性野菜等を量販店やインターネットでの販売に注力し順調に拡大しております。研究開発におきましては、機能性野菜等の品種増に向けた取り組みや、栽培条件の改善や効率化などを継続し、より一層のオリジナル技術の確立とブランドの定着に向けた活動を強化してまいります。また、植物工場事業を行うための合弁会社である山村JR貨物きらベジステーション株式会社を2021年9月に設立いたしました。現在、2023年4月の事業開始に向けて新工場の建設を進めております。

 植物工場以外の新規技術開発として産官学連携等を活用した技術開発を進めております。新たな収益源となるよう製品化を目指し、新規事業を早期に立ち上げできるように取り組んでまいります。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。

 

(1)ガラスびん関連事業の計画について

ガラスびん関連事業の計画について、国内ガラスびんの出荷量は、ワクチン接種の普及を背景にイベントの再開や外出・外食の制限緩和等により、業界の年間出荷量は前期比103.6%と増加しましたが、引き続き宴会等の自粛、Web会議の浸透、テレワークの定着等のライフスタイルの変化や新型コロナウイルス感染症の動向、海外情勢不安による原燃料、資材の調達コスト増による経済減速が需要減退を招き、販売量が変動する可能性があります。

 

(2)プラスチック容器関連事業の計画について

プラスチックキャップについては、新型コロナウイルス感染症の動向や天候、気温により販売量が大きく変動する可能性があります。

また、新規開発製品の販売や新たな顧客への販売には、ライン適性テスト等の顧客評価に合格することが条件となっており、その評価の進捗状況によっては、販売開始時期や販売量が変動する可能性があります。

 

(3)物流関連事業の計画について

物流関連事業は、構内作業、配送の業務請負を行っておりますが、売上高の約6割が少数の大口顧客との取引によるものであり、大口顧客との契約を喪失した場合、売上高に大きく影響する可能性があります。さらには、人手不足による人員確保のための採用経費や労務費の高騰が利益圧迫の要因になる可能性があります。

 

(4)ニューガラス関連事業の計画について

ニューガラス関連事業の主要な顧客であるエレクトロニクス、エネルギー、自動車および光通信業界はグローバルなビジネスを展開しており、その技術革新のスピードは非常に速く、しかも常に低価格化対応を要求されております。当社グループでは顧客のニーズを満たす製品の迅速な開発と安定的な供給に努めておりますが、市場や顧客の製品出荷動向や低価格化により、販売量が大きく変動する可能性があります。

また、今後さらなる技術革新により一層の伸長が期待できる業界であるため、競合他社に加え新規事業者の参入意欲も旺盛であり、将来顧客が当社グループから調達先を他社に切替える可能性があります。

 

(5)海外での事業展開について

海外事業におきましては、選別と強化を検討し、東南アジア、中国、米国などの海外市場での事業を展開してまいります。これらの投資損益や持分の投資評価額、海外企業との商取引については、為替変動による影響を受ける状況にあります。このため一部取引では為替予約などのリスクヘッジを行っておりますが、為替リスクを完全に回避することは困難です。よって為替相場が急激に変動すると、当社グループの経営成績および財政状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。

また、海外諸地域、特に投資先諸国および取引先諸国の政治情勢や各種規制の動向、新たな法令の制定等は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

2020年12月に工場の稼働を開始いたしました米国のガラスびん製造関連会社において、工場の生産トラブルや消耗品等資材の納入スケジュールが大幅に遅延した場合、業績や資金調達に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)原油価格について

天然ガスや重油などのガラス溶融の燃料や、プラスチックキャップの主原料は、原油価格の動向と為替変動の影響により、仕入価格が大きく変動する可能性があります。また、原油価格の動向により物流関連事業において車両の燃料費が大きく変動する可能性があります。

事業計画においては、各種情報に基づき推測しうる範囲の価格設定をしておりますが、想定を超える価格変動が生じた場合、業績見込みが大きく変動する可能性があります。

 

(7)情報セキュリティについて

当社では、情報セキュリティ基本方針や個人情報保護方針を定め、情報セキュリティ委員会の設置、情報セキュリティ教育の実施等の各種対策を講じております。しかし、万一外部要因による不可抗力のシステムトラブル等に起因して情報流出が発生した場合、当社グループの信用を失墜させ、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(8)災害等について

当社グループの製造拠点、販売拠点は顧客との関係、サプライヤーとの関係、経営資源の有効活用等の観点から立地しております。それらの地域に大規模な地震、風水災害等不測の災害や事故が発生した場合に備え、早期に復旧できるよう体制の整備に努めております。しかし想定を超えた災害が発生した場合には、直接的な損害に加え、サプライチェーンの混乱等により、生産活動が停止し多額の損失が発生する可能性があります。

また、新型コロナウイルス感染症に対して、当社では社長執行役員を対策本部長とする新型コロナウイルス感染症対策本部を引き続き設置し、マスク着用、手洗い・アルコール消毒徹底、出張制限、在宅勤務、時差出勤、食堂の時差利用、執務室のパーティション設置、Web会議等の活用により感染拡大防止策を講じております。今後の経過によっては、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。同様の感染症は今後も発生する可能性があり、想定を超えて世界的に流行し、サプライチェーンや当社グループの従業員に影響が生じた場合は、生産活動の停止等、事業活動の継続に支障をきたし、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)環境問題について

当社は全社的な環境管理推進体制を構築し環境保全活動を推進しています。ISO14001の全社統合認証を更新し一定の成果を上げておりますが、現状大量に化石燃料を消費し、素材を製造する当社事業においては、近年ますます重要度が高まる地球環境問題解決に対する企業の社会的責任への対応、気候変動、資源循環という課題の対応に必要なコストの増加、生産体制の見直しを余儀なくされるなど、業績に影響を及ぼす可能性があります。特に気候変動については脱炭素への動きが本格化しエネルギー転換の技術革新が求められています。

 

(10)資金調達について

当社グループは、運転資金・投資資金等を金融機関からの借入等により調達しております。当社グループの経営環境が悪化する等の状況によっては、資金調達が制約される可能性や調達コストが増加する可能性があります。

当社グループの一部借入には財務制限条項が付されております。財務制限条項の詳細は、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結貸借対照表関係)※7.財務制限条項」に記載のとおりです。連結決算および単体決算それぞれにおいて、財務制限条項のいずれかに抵触することとなった場合には、期限の利益を喪失する可能性があります。なお、当連結会計年度末において一部借入に付されている財務制限条項に抵触しており、契約に定める期限の利益喪失事由に該当いたしますが、2022年3月31日付ですべての参加金融機関から期限の利益の喪失を請求する権利を放棄することについて承諾を得ております。

 

(11)人権について

当社グループは「企業活動に関する基本指針」において、基本的人権を尊重し差別的取り扱いを行わないこと、また、強制労働や児童労働を認めず人権侵害に加担しないことを謳い、当社グループ内に周知徹底を図っております。

2021年度においては、新たに「山村グループ人権方針」を制定いたしました。当該方針に基づき、国際的な人権規範を考慮しながらその取り組みを進めております。しかし、予期せぬ事態により当社グループで人権問題が発生した場合、当社グループの信用を失墜させ、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)保有資産の価値下落等について

当社グループが保有する棚卸資産、固定資産および有価証券等について、時価の著しい下落や収益性の低下等が生じた場合、減損損失や評価損等の計上により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

持分法適用関連会社であるアルガラス山村の固定資産の減損損失の認識については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。また、個別財務諸表における山村インターナショナル・カリフォルニア株式の評価損については「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

(13)繰延税金資産の回収可能性について

当社および連結子会社では、繰延税金資産について、将来の課税所得の見積りに基づいて回収可能性の判断を行っております。将来の課税所得見積り額の変更や税制改正による税率変更等が実施された場合には、繰延税金資産が減額され、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

 

① 財政状態および経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により人々の活動が制限され、厳しい状況で推移しました。感染者減少に伴い徐々に景気の持ち直しの動きが見られたものの、国内外における感染症の動向や海外情勢による下振れ懸念等、景気の先行きは不透明な状況が続いております。

 

このような中、山村グループでは3ヵ年の中期経営計画の2年目を迎えました。「人や社会とともに、環境に配慮しながら、安心・安全を提供し、未来に誇りを持って引き継いでいける、成長し続ける企業グループ」という長期ビジョンとしての“ありたい姿”に向けて、中期経営計画では「Change and Challenge with You」というスローガンの下、「環境変化に適応した運営体制の構築」「投資効率の追求と収益体質の確立」「事業の拡大と成長戦略の推進」「社会のニーズに応える製品・サービスの展開」「従業員の能力が最大限発揮される職場環境の構築と次世代の育成」という5つの経営方針を推進し、グループ一体となって業績向上に取り組んでおります。

 

こうした環境の下、セグメント売上高は、ニューガラス関連事業が減収となりましたが、ガラスびん関連事業、プラスチック容器関連事業、物流関連事業においていずれも増収となったため、当連結会計年度の連結売上高は64,291百万円(前期比12.5%増)と増収となりました。

 

利益につきましては、連結営業利益は444百万円(前期は△2,751百万円の損失)となりました。米国の関連会社において生産立ち上げが遅れたことにより損失が増加したため、持分法による投資損失は4,515百万円(前期は持分法による投資損失2,169百万円)となりました。これらの結果、連結経常利益は△4,652百万円の損失(前期は△5,478百万円の損失)となりました。特別損失に連結子会社の秦皇島方圓包装玻璃有限公司(Yamamura Glass Qinhuangdao 以下「YGQ」という。)の全持分譲渡に伴う事業整理損失引当金繰入額等を計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は、△9,651百万円の損失(前期は△5,313百万円の損失)となりました。

 

事業セグメント別の経営成績は以下のとおりです。

 

(ガラスびん関連事業)

ガラスびん関連事業では、国内ガラスびん業界の出荷量は、コロナ禍前の水準までは戻っていないものの前期よりは回復し、前期比103.6%となりました。このような中、当社の出荷量も増加し、セグメント売上高は41,089百万円(前期比10.9%増)と増収となりました。セグメント利益は、当社において生産量の増加や生産設備の集約による製造固定費の減少等により改善しましたが、YGQにおける国際海上輸送のコンテナ不足の影響による出荷量・生産量の減少等により、△687百万円の損失(前期は△3,655百万円の損失)となりました。

なお、当連結会計年度より重要性が増加したため子会社山村インターナショナル・タイランドを連結の範囲に含めております。

また、中長期的な影響を考慮し、経営資源最適化の観点から、2022年3月14日の取締役会において連結子会社のYGQの全持分を譲渡することを決定し、2022年4月20日付で当該持分譲渡を実行いたしました。

(プラスチック容器関連事業)

プラスチック容器関連事業では、前期においては新型コロナウイルス感染症の影響等により飲料用キャップの販売が減少しましたが当期は回復傾向となり、また海外子会社の販売も好調で、セグメント売上高は6,516百万円(前期比13.0%増)と増収となりました。セグメント利益は、資材コストの削減や出荷量および生産量の増加等により、443百万円(前期比173.9%増)と増益となりました。

(物流関連事業)

物流関連事業では、事業拡大のため、2021年9月に連結子会社山村ロジスティクス株式会社が中山運送株式会社およびマルイシ運輸株式会社の株式を取得し、連結子会社としました。セグメント売上高は、新規連結子会社による増加に加え、既存事業における新規業務受託および取扱い物量の増加等により、12,873百万円(前期比22.8%増)と増収となりました。セグメント利益は、作業・配送効率の改善等により、不採算営業所の損益改善が進んだ結果、497百万円(前期比12.3%増)と増益となりました。

 

(ニューガラス関連事業)

ニューガラス関連事業では、当社における電子部品用ガラスや自動車部品用ガラスの出荷および国内子会社におけるレーザー用部品やセンサー用部品の出荷が堅調に推移したものの海外子会社の高速通信用ガラス部品の出荷が減少し、セグメント売上高は3,812百万円(前期比0.5%減)と減収となりました。セグメント利益は、当社および国内子会社の出荷の増加等により29百万円(前期は△104百万円の損失)と増益となりました。

 

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,124百万円減少し、97,366百万円となりました。これは、新規連結子会社の影響等により現金及び預金が999百万円、受取手形、売掛金及び契約資産(前連結会計年度末は受取手形及び売掛金)が1,180百万円増加し、また、長期貸付金が909百万円、関係会社株式が646百万円増加したものの、持分法による投資損失により関係会社出資金が3,494百万円、売却や時価変動により投資有価証券が869百万円減少したこと等が主な要因です。

負債合計は、前連結会計年度末に比べ7,241百万円増加し、57,151百万円となりました。これは、子会社の持分譲渡に伴う事業整理損失引当金が4,757百万円、支払手形及び買掛金が697百万円増加したこと等が主な要因です。

純資産については、為替換算調整勘定が1,720百万円増加したものの、当期純損失等により利益剰余金が9,821百万円減少したため、前連結会計年度末に比べ8,365百万円減少し、40,214百万円となりました。自己資本比率は8.0ポイント低下して41.0%となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下、資金という。)は、前連結会計年度末より953百万円増加し、10,898百万円となりました。

 各活動における資金増減の内容は、以下のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

税金等調整前当期純損失(9,285百万円)等があったものの、減価償却費(4,908百万円)、事業整理損失引当金の増加(4,757百万円)、持分法による投資損失(4,515百万円)等により、5,584百万円の資金増加(前期は4,822百万円の資金増加)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

有形固定資産の取得による支出(1,763百万円)等により、1,490百万円の資金流出(前期は5,113百万円の資金流出)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

長期借入金の減少(純額で2,753百万円)やリース債務の返済(546百万円)等により、3,384百万円の資金流出(前期は2,554百万円の資金流出)となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

  生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

ガラスびん関連事業

33,544

106.9

プラスチック容器関連事業

6,764

112.9

ニューガラス関連事業

4,080

100.4

報告セグメント計

44,389

107.2

合計

44,389

107.2

 (注)1.セグメント間の内部振替後の数値によっております。

2.生産実績金額の算定基礎は販売価格です。

 

 

  仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

ガラスびん関連事業

5,902

184.1

プラスチック容器関連事業

87

121.7

ニューガラス関連事業

1

72.9

報告セグメント計

5,991

182.7

合計

5,991

182.7

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.金額は仕入価格によっております。

3.子会社山村インターナショナル・タイランドを連結の範囲に含めた影響により、ガラスびん関連事業の実績に著しい変動がありました。

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

受注高

(百万円)

前年同期比(%)

受注残高

(百万円)

前年同期比(%)

ガラスびん関連事業

31,154

104.1

7,257

99.6

プラスチック容器関連事業

6,611

116.3

1,398

111.9

ニューガラス関連事業

3,942

104.1

669

124.2

報告セグメント計

41,709

105.8

9,324

102.7

合計

41,709

105.8

9,324

102.7

 (注)生産は受注生産によるものがほとんどですが、一部見込生産もあります。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

ガラスびん関連事業

41,089

110.9

プラスチック容器関連事業

6,516

113.0

物流関連事業

12,873

122.8

ニューガラス関連事業

3,812

99.5

報告セグメント計

64,291

112.5

合計

64,291

112.5

 (注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度の連結売上高は主にガラスびん関連事業およびプラスチック容器関連事業において新型コロナウイルス感染症の影響から回復傾向にあることや連結子会社が増加したこと等により64,291百万円(前期比12.5%増)と増収となり、連結営業利益は444百万円(前期は△2,751百万円の損失)となりました。連結経常利益は、米国の関連会社において生産立ち上げが遅れたことにより持分法による投資損失が増加し△4,652百万円の損失(前期は△5,478百万円の損失)となりました。特別損失に中国ガラスびん子会社の全持分譲渡に伴う事業整理損失引当金繰入額等を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は△9,651百万円の損失(前期は△5,313百万円の損失)となり、ROE(自己資本利益率)は△21.9%となりました。

中期経営計画の最終年度である翌連結会計年度(2023年3月期)においても経営環境は従来同様の厳しい状況が続くと思われることに加え、米国関連会社の創業赤字による損失が発生いたします。業績改善が喫緊の課題と認識する中、中期経営計画とは別に事業構造改革計画を策定し、2023年3月期より着手しております。

経営成績等の詳細につきましては「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態および経営成績の状況」に記載しております。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

b. 資金需要

 当社グループの資金需要は、営業活動に係る資金支出では、原材料費、燃料費、人件費、運搬費などがあります。また、投資活動に係る資金支出では、海外への事業展開ならびに成長事業や新たな生産設備等への投資などがあります。

c. 資金調達の方法及び状況

 主に金融機関等からのシンジケートローンを含めた長期借入金を中心に、短期借入金、社債発行等により資金調達を行っております。当社の子会社については、原則として当社からの貸付により資金調達を行っております。生産設備等への投資は中期経営計画3ヵ年では減価償却相当額以内で実施していく予定です。

 資金の流動性については、資金流出により資金繰りが悪化する場合に備え、資金流出入の動向を踏まえて流動性資産を十分に保有し、適切な資金繰りを行っております。

d. 利益配分に関する基本方針

 当社は、利益の配分につきましては、業績に応じた配当を継続的に行うことを基本に、海外への事業展開や成長事業への投資計画、財政状態等を総合的に勘案しながら、積極的に株主の皆様への利益還元に努めていきたいと考えております。

 しかしながら、当事業年度の剰余金の配当につきましては、業績の状況を総合的に勘案し、誠に遺憾ながら無配とさせていただきました。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって用いた当社グループの重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

連結財務諸表で認識した金額に特に重要な影響を与える見積りおよび仮定は、以下のとおりです。

 

(繰延税金資産の回収可能性)

当社および連結子会社では、繰延税金資産について、将来の課税所得の見積りに基づいて回収可能性の判断を行っております。将来の課税所得見積り額の変更や税制改正による税率変更等が実施された場合には、繰延税金資産が減額され、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(固定資産の減損)

当社および連結子会社では、保有する固定資産について、減損兆候の有無を判断しております。

持分法適用関連会社であるアルガラス山村の固定資産の減損損失の認識については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

(有価証券の評価損)

当社および連結子会社では、有価証券の時価または実質価額の下落の有無を確認し、帳簿価額に対して著しく下落している場合は、回復の可能性が合理的に認められる場合を除いて評価損を計上しております。個別財務諸表における山村インターナショナル・カリフォルニア株式の評価損については「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

(退職給付債務および退職給付費用)

当社および一部の連結子会社では、従業員の退職給付債務および費用は割引率、昇給率、退職率、死亡率等の前提条件を用いた年金数理計算により見積られます。特に割引率は、退職給付債務および費用を決定する上で重要な前提条件であり、主に測定日時点における従業員への給付が実行されるまでの予想平均期間に応じた国債の利回りに基づき決定しております。

ただし上記の前提条件には不確実性が含まれており、前提条件と実際の結果が異なる場合、または前提条件の変更がある場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

 2022年3月14日の取締役会において、当社の連結子会社である秦皇島方圓包装玻璃有限公司の全持分を譲渡することを決議いたしました。2022年3月15日付で持分譲渡契約を締結し、2022年4月20日付で当該持分譲渡を実行しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりです。

 

5【研究開発活動】

当社グループ(当社および連結子会社)では、セグメント区分におけるガラスびん関連事業、プラスチック容器関連事業およびニューガラス関連事業において研究開発活動を進めております。いずれのセグメントにおいても、研究開発のほとんどを当社の事業部門が行っており、ガラスびん関連事業は当社ガラスびんカンパニー生産本部技術開発部、プラスチック容器関連事業は当社プラスチックカンパニー生産技術部が主に研究開発を進めております。ニューガラス関連事業においては、当社ニューガラスカンパニー開発営業統括グループが主に、ガラス系新素材の研究開発を行っております。その他、当社研究開発センターにおいて、植物工場に関連する研究開発を中心として中長期的・基礎的研究や新規事業創出のための調査・研究を行っております。

 

(1)ガラスびん関連事業

当社ガラスびんカンパニーでは、顧客満足を得るために商品開発と技術開発の推進として、ニーズに応じたガラスびん形状の追求、加飾技術による差別化と高付加価値化、検査機設備の開発と実用化による高品質化に力を入れております。同時に、将来を見据えた人材不足や技能維持向上に合わせたロボット技術開発や導入にも力を入れており、金型に離型剤を塗布する作業のロボット化に成功しております。

また、持続可能な開発目標(SDGs)への対応として、びんの軽量化のさらなる推進、カレットの利用率の向上、ガラス溶解窯のNOx低減に関する共同研究等の省エネルギー、省資源、環境負荷の低減に取り組み、循環型社会において「びん to びん」が成り立つ容器を提供することで社会貢献してまいります。加えて脱炭素社会を目指した新規技術の導入にも積極的に取り組んでまいります。

グローバル施策においてはInternational Partners in Glass Research(IPGR)にて海外ガラスびん会社と新たな製造技術の研究開発に参画し技術の進歩に努めております。また、これまで自社開発してきた生産技術の海外販売や新規技術援助先の開拓にも力を入れております。

当連結会計年度中に支出した研究開発費は、36百万円です。

 

(2)プラスチック容器関連事業

当社プラスチックカンパニーでは、ユーザビリティや環境課題への対応を主眼に置いた研究開発を行っております。

プラスチックキャップ事業は、既存の各種飲料用キャップにおいて開け易さやCO₂削減を目標に、一層の品質向上・軽量化を目指した技術開発を継続しております。また、飲料分野以外の新規キャップの開発にも取り組んでおります。

新たな事業展開を図るため、社会のサステナビリティに貢献するPET樹脂も含めた様々なプラスチック容器の研究開発に取り組んでおります。

当連結会計年度中に支出した研究開発費は、92百万円です。

 

(3)ニューガラス関連事業

当社ニューガラスカンパニーでは、エレクトロニクス関連用途(家電、情報通信機器)、環境・エネルギー用途(太陽電池、燃料電池、LED、省エネデバイス)、自動車部品等に向けたガラス、セラミックス、有機無機ハイブリッド材などの材料ならびに加工技術(生産技術、評価技術含む)の研究開発を進めております。

また、子会社山村フォトニクス株式会社とともに、今後世界的にますます市場の拡大が期待される光通信向け光学レンズ材料および部品の研究開発も進めております。

当連結会計年度中に支出した研究開発費は、100百万円です。

 

当連結会計年度中に当社グループが支出した研究開発費は、当社研究開発センターにおいて支出した120百万円とその他17百万円を含め、総額367百万円です。