<経営方針>
当社グループは、「私たちは、地球環境に配慮し、たゆまない技術開発と多様な事業活動を通じて、豊かな社会の維持・発展に貢献する企業グループを目指します。」という企業理念のもと、セメントをはじめとする各種製品の安定供給を推進するとともに、持続的発展のため、グループを挙げて事業拡大およびコスト削減等に取り組んでいく。
<事業環境>
今後のわが国経済は、通商問題の動向が世界経済に与える影響等によるリスクが存在するものの、雇用情勢の改善や政府の経済対策等の効果もあり、緩やかな回復が続いていくことが期待される。
セメント業界においては、都市部における再開発工事等が継続され、また、消費税増税後の住宅ローン減税等の対策があり、民需は、ほぼ前年並みで推移し、官公需は、公共投資が増加することが見込まれることから、内需は、増加するものと思われる。
<中期経営計画>
当社グループは、2017年度から「2017-19年度 中期経営計画」をスタートさせた。本中期経営計画では、セメント関連事業および高機能品事業の両事業分野で、市場を拡大し、安定的に成長し続ける企業グループとなることを将来目指すべき方向性とし、確実に成長の布石を打っていく。
本中期経営計画の2年目である当期の進捗状況及び最終年度に向けた今後の取り組みは、次のとおり。
高知工場における2019年4月竣工のセメント貯蔵用大型サイロの活用と赤穂工場での輸出対応に取り組むことにより、引き続き、輸出の継続的な拡大に努める。
リサイクル関連設備の増強やリサイクル品の最大限の取り込み等に取り組んでおり、引き続き、環境事業の拡大に努めるとともにセメント関連事業分野の各事業やシナジーを追求し、周辺市場を開拓する。
岐阜工場における高効率クリンカクーラーの導入等を行った。引き続き、物流合理化の拡大や設備増強等を進め、事業基盤の強化に取り組む。
引き続き、主力製品の増産対応や生産性向上に取り組む。
外部リソースの活用とともに、研究開発を強化し、新規事業・新製品の開発に取り組んでおり、引き続き、事業分野全体の継続的成長を目指す。
これらの取組により、中期的な財務目標として、ROA(総資産経常利益率)9%、ROE(自己資本当期純利益率)10%を目指している。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものである。
有価証券報告書に記載した事業の概況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがある。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものである。
当社グループの基幹事業であるセメントの国内需要は、わが国の公共投資や民間設備投資等の動向に強く影響を受けている。そのため、国内の公共投資や民間設備投資が予測を上回る急激なスピードで減少した場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性がある。しかしながら、セメントは社会資本を整備する上で欠かすことのできないものであり、中長期的には一定規模以上の需要は安定的に確保されることが予想される。また、当社グループは当面の国内需要の減少を見据え、過年度においてセメント工場閉鎖による生産体制の見直しを行うとともにさまざまなコスト削減や販売価格の改善にも取り組んでいる。
当社グループの主力製品であるセメントの製造には、石灰石、粘土、石炭等さまざまな原材料を使用している。そのため、それら原材料の価格高騰はセメント製造コストの増加を招き、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性がある。しかしながら、セメント製造の石灰石は長期にわたって当社グループの自社鉱山より安定して供給することができる体制が整っている。一方、セメント製造の石炭は、今後の情勢次第では高騰する可能性がある。当社グループは石炭の調達価格上昇によるコスト増加分は販売価格への転嫁に努め、業績への影響の軽減を図っている。
当社グループは、主力製品である各種セメントや生コンクリートについては建設業等の大口顧客やそれら建設業等の大口顧客を取引先とする販売店との取引を行っている。それら取引先等の業績が急激に悪化し、当社グループの債権について貸倒れによる損失が発生した場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性がある。そのため、当社グループは「SS(セメント・サービス・ステーション)渡し」による売掛債権圧縮や取引先に対する流動性担保の確保等を推進し与信管理を強化している。
セメント産業は装置産業であり、当社グループのセメント工場は大型設備を有している。そのため、重大故障、火災、事故、自然災害、停電その他の予期せぬ事態により、工場操業に支障を来す事態が発生した場合、復旧するための時間やコストを浪費することになり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性がある。しかしながら、当社グループは全ての工場において定期的な設備点検や災害防止パトロールを行い、生産計画に基づいた安定操業を図るべく万全の配慮を払っており、想定されるリスクが発生する可能性は低いものと考えている。また、当社グループは全国6拠点(当社4工場、関係会社2工場)にセメント工場を有しており、仮にどこか1つの工場で操業に支障を来す事態が発生した場合でも、セメント工場間の操業振替や業務提携先からの仕入等により取引先に対するセメント供給は安定して行うことが可能である。
固定資産減損会計の適用に伴い、固定資産が収益性の低下や市場価値の下落により投資額の回収が見込めないと判断された場合、将来の収益計画等に関する予測に基づき、固定資産の帳簿価格を回収可能価額まで減額する固定資産の減損処理が必要となる。現時点では、固定資産減損会計への対応は完了しているが、今後の地価の動向や事業環境の変化により、減損損失が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績の状況に重要な影響を及ぼす可能性がある。
(経営成績等の概要)
当期におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や政府の経済対策等の効果もあり、緩やかな回復が続いた。
セメント業界においては、オリンピック関連工事の進捗等により、民間設備投資が増加したことなどから、民需が増加したものの、官公需が技能労働者の不足等の影響もあり、ほぼ前期並みで推移したことから、セメント国内需要は、前期を1.7%上回る42,589千トンとなった。一方、輸出は、前期を 12.2%下回った。この結果、輸出分を含めた国内メーカーの総販売数量は、前期を1.2%下回る52,870千トンとなった。
このような情勢の中で、当社グループは、2017年度から「2017-19年度 中期経営計画」をスタートさせており、セメント関連事業においては、「海外セメント戦略」・「周辺市場での拡大」・「事業基盤の強化」、高機能品事業においては、「主力製品の増産対応」・「新規事業・新製品の開発」に係る諸施策に取り組んだ。
以上の結果、当期の売上高は、セメント事業、新材料事業等で増収となったことから、251,061百万円と前期実績を2.5%上回った。
損益については、セメント事業等で減益となったことから、経常利益は、15,799百万円と前期に比べ4,354百万円の減益となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、7,799百万円と前期に比べ6,860百万円の減益となった。なお、「2017-2019年度 中期経営計画」における財務目標としているROA(総資産経常利益率)9%、ROE(自己資本当期純利益率)10%に対し、生産コスト悪化等により、それぞれ4.8%、4.0%となった。
セグメントごとの経営成績は、次の通りである。
1. セメント
販売数量が前期を上回ったことなどから、売上高は、193,656百万円と前期に比べ5,495百万円(2.9%)増となったものの、営業利益は、石炭の価格が高騰したことなどから、7,579百万円と前期に比べ4,748百万円(38.5%)減となった。
2. 鉱産品
海外および国内鉄鋼向け石灰石の販売数量が増加したことなどから、売上高は、12,819百万円と前期に比べ553百万円(4.5%)増となり、営業利益は、2,360百万円と前期に比べ107百万円(4.8%)増となった。
3. 建材
地盤改良工事が減少したことなどから、売上高は、18,464百万円と前期に比べ1,516百万円(7.6%)減となり、営業利益は、1,248百万円と前期に比べ236百万円(15.9%)減となった。
4. 光電子
新伝送方式用光通信部品の販売数量が減少したことから、売上高は、5,757百万円と前期に比べ1,898百万円(24.8%)減となり、損益は、572百万円の営業損失と前期に比べ525百万円悪化となった。
5. 新材料
半導体製造装置向け電子材料および化粧品材料の販売数量が増加したことなどから、売上高は、12,005百万円と前期に比べ3,941百万円(48.9%)増となり、営業利益は、2,370百万円と前期に比べ935百万円(65.3%)増となった。
6.電池材料
二次電池正極材料の販売数量が減少したことから、売上高は、1,874百万円と前期に比べ877百万円(31.9%)減となり、損益は、437百万円の営業損失と前年に比べ487百万円の悪化となった。
7. その他
電気設備工事が増加したことに加え、ソフトウエアの販売が増加したことなどから、売上高は、6,482百万円と前期に比べ537百万円(9.0%)増となり、営業利益は、1,711百万円と前期に比べ131百万円(8.4%)増となった。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によって29,252百万円増加し、また、投資活動によって20,032百万円減少し、財務活動によって15,755百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べて6,801百万円の減少となった。その結果、当連結会計年度末の資金残高は15,270百万円(前期比30.8%減)となった。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により得られた資金は、29,252百万円(前期比10.5%の収入増加)となった。これは、税金等調整前当期純利益12,010百万円、減価償却費18,546百万円をはじめとする内部留保等によるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により使用した資金は、20,032百万円(前期比19.1%の支出減少)となった。これは、固定資産の取得による支出20,563百万円があったこと等によるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により使用した資金は、15,755百万円(前期比137.8%の支出増加)となった。これは、自己株式の取得による支出10,652百万円があったこと等によるものである。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りである。
(注) 1. 金額は製造原価ベースである。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれていない。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次の通りである。
(注) 1. 上記の金額には、消費税等は含まれていない。
2. 対象は、建材セグメントにおける各種工事、不動産・その他事業における各種ソフトウエア製作、各種電気工事等である。なお、上記以外のセグメントについては、受注生産形態をとらない製品がほとんどであるため、記載を省略した。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りである。
(注) 1. 上記の金額には、消費税等は含まれていない。
2. 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10以上となる取引先が存在しないため、記載を省略した。
経営者の視点による当社グループ(当社及び連結子会社)の当連結会計年度における経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下の通りである。
当連結会計年度の経営成績の概況については、「(経営成績等の概要)の(1)財政状態及び経営成績の状況」に記載している。
1 セメント需要、当社セメント販売数量の推移(最近5連結会計年度)
2 売上高、損益の推移(最近5連結会計年度)
当連結会計年度末の総資産は324,755百万円となり、前連結会計年度末に比べて15,202百万円の減少となった。流動資産は90,687百万円となり、前連結会計年度末に比べて9,143百万円の減少となった。固定資産は234,067百万円となり、前連結会計年度末に比べて、6,059百万円の減少となった。
流動資産減少の主な要因は、現金及び預金の減少等によるものである。固定資産減少の主な要因は、投資有価証券の減少等によるものである。
当連結会計年度末の負債の合計は130,617百万円となり、前連結会計年度末に比べて5,183百万円の減少となった。流動負債は81,631百万円となり、前連結会計年度末に比べて6,891百万円の増加となった。固定負債は48,985百万円となり、前連結会計年度末に比べて12,075百万円の減少となった。
流動負債増加の主な要因は、1年内償還予定の社債の増加等によるものである。固定負債減少の主な要因は、長期借入金減少等によるものである。
当連結会計年度末の純資産は194,138百万円となり、前連結会計年度末に比べて10,019百万円の減少となった。主な要因は、資本剰余金の減少等によるものである。
なお最近5連結会計年度においては、営業活動によるキャッシュ・フローにより現金及び現金同等物(以下「資金」という。)を確実に獲得し、その資金を設備投資に活用した。有利子負債は削減し、2018年3月期には61,063百万円となった。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況は、「(経営成績等の概要)の(2)キャッシュ・フローの状況」に記載している。
(注) 有利子負債残高は短期借入金、社債及び長期借入金の合計額である。
今後、当社グループは、「2017-2019年度 中期経営計画」を踏まえて安定的に成長できる布石を打っていく中で、収益の改善・拡大に努めていき、営業活動で獲得した資金は、維持更新に加えて成長戦略への投資や株主還元などに活用していく方針である。
該当事項なし。
当社グループ(当社及び連結子会社)は、常に独創技術の開発を基本理念として、主力事業であるセメント・コンクリート、並びにその周辺分野である建設資材等に関する新技術・新製品の研究開発をはじめ、それらの基盤技術をベースとした新規事業である光電子・新材料・電池材料事業分野における研究開発に至るまで、幅広く積極的な研究開発活動を行っている。
当社グループの研究開発体制は、セメント・コンクリート研究所、新規技術研究所、建材事業部、光電子事業部、新材料事業部、電池材料事業部より構成されており、研究開発スタッフは、約200名である。
なお、当連結会計年度における研究開発費は
1. セメント
当社のセメント・コンクリート研究所が、セメント事業に係わるセメント、コンクリート及びその関連分野の研究、開発を行っている。なお、当事業に係る研究開発費は
①セメント・固化材の品質及び環境負荷低減に対応したセメント製造技術に関する研究
②資源循環型社会に向けたリサイクル資源の原燃料化に関する研究
③高機能・高性能コンクリートの開発
④重金属汚染対策材の拡販に向けた技術開発
2. 建材
当社のセメント・コンクリート研究所が、建材事業に係わるセメント関連製品の研究、開発を行い、建材事業部が、それをもとに商品化及び改良、用途開発を行い、新商品の初期事業化を行っている。また、建材事業部独自にて、電気防食、海洋製品の開発を手掛けている。なお、当事業に係る研究開発費は
①コンクリート床版補修材料の開発、高性能化
②断面補修材・表面被覆材料の高性能化
③無機系、あと施工アンカー注入材
④新型陽極材
3. 光電子
当社の新規技術研究所が光電子分野の基礎研究及び商品開発を行い、それをもとに光電子事業部がその応用製品の商品化、並びに事業化の研究・開発を行っている。なお、当事業に係る研究開発費は
①100G/200G伝送方式の共用化に向けたコヒーレント対応LN光変調器の高性能化
②次世代400G伝送方式に用いられるLN変調器の商品開発
③次世代材料を用いた光デバイスの基盤技術開発
4. 新材料
当社の新規技術研究所が新材料分野の基礎研究及び商品開発を行い、それをもとに新材料事業部がその応用製品の商品化、並びに事業化の研究・開発を行っている。なお、当事業に係る研究開発費は
①次世代半導体製造装置向け静電チャックの商品開発
②化粧品用紫外線遮蔽材料の商品開発
③半導体用材料および新規化粧品用材料の基盤技術開発
5. 電池材料事業
当社の新規技術研究所が電池材料分野の基礎研究及び商品開発を行い、それをもとに電池材料事業部がその応用製品の商品化、並びに事業化の研究・開発を行っている。なお、当事業に係る研究開発費は
①二次電池正極材料高出力/高耐久モデルの商品開発
②二次電池正極材料高電圧用途向け次期モデルの商品開発