第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

<経営方針>

当社グループは、「私たちは、地球環境に配慮し、たゆまない技術開発と多様な事業活動を通じて、豊かな社会の維持・発展に貢献する企業グループを目指します。」という企業理念のもと、セメントをはじめとする各種製品の安定供給を推進するとともに、持続的発展のため、グループを挙げて事業拡大およびコスト削減等に取り組んでまいります。

 

<事業環境>

今後のわが国経済は、政府の経済政策等の効果や海外経済の改善により、持ち直すことが期待されるものの、なお国内外の新型コロナウイルス感染症の影響等によるリスクが存在しており、景気の先行きは不透明な状況にあります。

セメント業界におきましては、民間住宅投資が減少するものの民間設備投資の増加が予想されることから、民需は、増加することが見込まれ、また、官公需は、公共投資が前年並みで推移すると見込まれることから、内需は、増加するものと思われます。   
 

<中期経営計画の進捗状況および今後の取り組み>

 当社グループは、2020年度から「2020-22年度 中期経営計画」をスタートさせました。本中期経営計画では、「セメント関連事業および高機能品事業の両事業分野で、市場を拡大し、安定的に成長し続ける企業グループとなる。」ことを将来目指すべき方向性としております。

 本中期経営計画の当期の進捗状況および今後の取り組みは、以下のとおりであります。

  ①セメント関連事業(セメント事業・鉱産品事業・建材事業)

(イ)セメント・固化材の収益力向上と事業基盤整備
 セメント国内需要減少下においても輸出を含めた数量の確保とリサイクル品受入設備設置工事の実施をはじめとしたコスト削減に努めており、引き続き、外部環境に影響されにくい体制を構築してまいります。
 また、日鉄セメント株式会社との配船統合による物流の合理化を行ないました。引き続き、物流の合理化拡大や生産物流体制の整備、環境対策など必要な投資を進め、事業基盤を強化してまいります。

(ロ)関連事業の拡大
 引き続き、海外セメント事業の立ち上げに注力してまいります。また、鉱産品事業・建材事業は、安定的な成長を目指してまいります。

  ②高機能品事業(光電子事業・新材料事業・電池材料事業)

 (イ)既存主力商品の競争優位性の確保と新製品の開発
  技術力強化と生産性向上により、顧客ニーズへ的確に対応していくとともに、基盤技術の応用と外部リソースの活用などによって、研究開発を強化し、新製品の開発に取り組みました。引き続き、市場拡大を見込む成長分野として積極的に事業を推進してまいります。

③環境対策

  (イ)環境対策強化
 社会的課題となっている廃プラスチックの受入量の増加に努めました。引き続き、廃プラスチックや一般ゴミ焼却灰の受入量の増加に注力し、そのための設備投資を実施してまいります。

  (ロ)CO2排出削減への取り組み

 温室効果ガス削減・脱炭素社会の実現に向けた取り組みを強化していくためにサステナブル対策委員会を設置し、中長期的なCO2削減目標および具体策の検討を進め、「2050年カーボンニュートラル」に向けた当社グループの具体的な中期目標および長期取組方針である「SO-CN2050」を策定しました。引き続き、CO2の排出削減への取り組みを進めてまいります。

 

これらの取り組みにより、中長期的な数値目標として、ROE(自己資本当期純利益率)8%以上を目指すとともに、当社グループの安定的成長と社会的課題の解決を図っていくことにより、当社グループの5つのマテリアリティ(①「豊かな社会の維持・発展に貢献」、②「地球環境への配慮」、③「循環型社会への貢献」、④「人材の育成・活用」、⑤「ガバナンスの充実」)を実現してまいります。
  なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

 

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の概況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

 

(1)セメント国内需要の減少リスク

当社グループの基幹事業であるセメントの国内需要は、わが国の公共投資や民間設備投資等の動向に強く影響を受けております。そのため、国内の公共投資や民間設備投資が予測を上回る急激なスピードで減少した場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。しかしながら、セメントは社会資本を整備する上で欠かすことのできないものであり、中長期的には一定規模以上の需要は安定的に確保されることが予想されます。また、当社グループは当面の国内需要の減少を見据え、過年度においてセメント工場閉鎖による生産体制の見直しを行うとともにさまざまなコスト削減や販売価格の改善にも取り組んでおります。

 

(2)原材料の価格高騰リスク

当社グループの主力製品であるセメントの製造には、石灰石、粘土、石炭等さまざまな原材料を使用しております。そのため、それら原材料の価格高騰はセメント製造コストの増加を招き、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。しかしながら、セメント製造の石灰石は長期にわたって当社グループの自社鉱山より安定して供給することができる体制が整っております。一方、セメント製造の石炭は、今後の情勢次第では高騰する可能性があります。当社グループは石炭の調達価格上昇によるコスト増加分は販売価格への転嫁に努め、業績への影響の軽減を図っております。

 

(3)債権回収リスク

当社グループは、主力製品である各種セメントや生コンクリートについては建設業等の大口顧客やそれら建設業等の大口顧客を取引先とする販売店との取引を行っております。それら取引先等の業績が急激に悪化し、当社グループの債権について貸倒れによる損失が発生した場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループは「SS(セメント・サービス・ステーション)渡し」による売掛債権圧縮や取引先に対する流動性担保の確保等を推進し与信管理を強化しております。

 

(4)工場操業に伴うリスク

セメント産業は装置産業であり、当社グループのセメント工場は大型設備を有しております。そのため、重大故障、火災、事故、自然災害、停電その他の予期せぬ事態により、工場操業に支障を来す事態が発生した場合、復旧するための時間やコストを浪費することになり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。しかしながら、当社グループは全ての工場において定期的な設備点検や災害防止パトロールを行い、生産計画に基づいた安定操業を図るべく万全の配慮を払っており、想定されるリスクが発生する可能性は低いものと考えております。また、当社グループは全国6拠点(当社4工場、関係会社2工場)にセメント工場を有しており、仮にどこか1つの工場で操業に支障を来す事態が発生した場合でも、セメント工場間の操業振替や業務提携先からの仕入等により取引先に対するセメント供給は安定して行うことが可能であります。

 

 (5)高機能品事業のリスク

当社グループの事業のうち、高機能品事業の関わる市場は、技術の急速な変化やこれに伴う顧客の需要の変化に影響を受けます。業界で頻繁な技術革新があるため、比較的短期間で当社グループの既存製品が陳腐化する可能性があります。

 

 

(6)固定資産の減損リスク

固定資産減損会計の適用に伴い、固定資産が収益性の低下や市場価値の下落により投資額の回収が見込めないと 判断された場合、将来の収益計画等に関する予測に基づき、固定資産の帳簿価格を回収可能価額まで減額する固定資産の減損処理が必要となります。現時点では、固定資産減損会計への対応は完了しておりますが、今後の地価の動向や事業環境の変化により、減損損失が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績の状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

  (7)感染症の流行に伴うリスク

ウイルス等の感染症の流行により、当社グループの国内外事業所および製造拠点等での活動に関する規制等を受けた場合、製造の中断、営業・物流・調達機能の停滞等が発生し業績に影響を与える可能性があります。さらに、国内外での経済・生産活動が停滞した場合には、出荷先の状況により生産縮小、停止、在庫調整により出荷の減少が見込まれ、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、感染症の発生時には、従業員をはじめとする当社グループの業務に従事する方々の安全確保を第一に考え、原則在宅勤務への移行等の対応を実施いたします。

 

  (8)環境規制等に伴うリスク

  当社グループは、業界最高レベルの資源・エネルギー効率でセメントを生産し、中長期的なCO2排出量削減の観点から長年培った技術の海外への移転・普及にも積極的に取り組んでおりますが、今後、CO2の排出や化石燃料の利用に対する新たな規制等が導入された場合には、セメント事業を中心に当社グループの事業活動が制約を受けたり、費用が増加したりする可能性があります。

 温室効果ガス削減・脱炭素社会の実現に向けた取り組みを強化していくためにサステナブル対策委員会を設置し、中長期的なCO2削減目標および具体策の検討を進め、「2050年カーボンニュートラル」に向けた当社グループの具体的な中期目標および長期取組方針である「SO-CN2050」を策定しました。引き続き、CO2の排出削減への取り組みを進めてまいります

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

 

(経営成績等の概要)

(1)財政状態及び経営成績の状況

当期におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、企業収益が大幅に減少するなど、厳しい状況が続きました。

セメント業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大や技能労働者不足等の影響により、官公需、民需ともに減少したことから、セメント国内需要は、前期を5.6%下回る38,670千トンとなりました。一方、輸出は、前期を5.5%上回りました。この結果、輸出分を含めた国内メーカーの総販売数量は、前期を3.3%下回る49,763千トンとなりました。

このような情勢の中で、当社グループは、2020年度から「2020-22年度 中期経営計画」をスタートさせており、事業戦略として、セメント関連事業においては、「セメント・固化材の収益力向上と事業基盤整備」・「関連事業の拡大」、高機能品事業においては、「既存主力製品の競争優位性の確保と新製品の開発」に係る諸施策に取り組み、また、環境対策として、「環境対策強化」・「CO2排出削減への取り組み」を実行してまいりました。

以上の結果、当期の売上高は、セメント事業、建材事業、その他事業等で減収となったことから、239,274百万円と前期実績を2.4%下回りました。

損益につきましては、セメント事業等で増益となったことから、経常利益は、17,641百万円と前期に比べ694百万円の増益となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、11,719百万円と前期に比べ796百万円の増益となりました。

 

     事業別の概況は、次のとおりであります。

 

1. セメント

国内販売数量が前期を下回ったことなどから、売上高は、187,469百万円と前期に比べ1,330百万円(0.7%)減となったものの、生産コストの削減等により、営業利益は、9,673百万円と前期に比べ1,425百万円(17.3%)増となりました。

 

2. 鉱産品

 国内鉄鋼向け石灰石の販売数量が減少したことなどから、売上高は、11,984百万円と前期に比べ656百万円(5.2%)減となり、採掘コストが増加したことなどもあり、営業利益は、1,840百万円と前期に比べ544百万円(22.8%)減となりました。

 

3. 建材

 地盤改良工事が減少したことなどから、売上高は、17,577百万円と前期に比べ1,512百万円(7.9%)減となり、営業利益は、1,657百万円と前期に比べ167百万円(9.2%)減となりました。

 

4. 光電子

新伝送方式用光通信部品の販売価格が下落したことなどから、売上高は、5,725百万円と前期に比べ145百万円(2.5%)減となったものの、生産コストが改善したことなどから、営業利益は、271百万円と前期に比べ76百万円(39.1%)増となりました。

 

5. 新材料

化粧品材料の販売数量が減少したことなどから、売上高は、10,719百万円と前期に比べ671百万円(5.9%)減となったものの、半導体製造装置向け電子材料の新製品等の販売数量が増加したことなどから、営業利益は、2,067百万円と前期に比べ217百万円(11.8%)増となりました。

 

6.電池材料

二次電池正極材料の販売数量が減少したことから、売上高は、721百万円と前期に比べ529百万円(42.3%)減となり、損益は、574百万円の営業損失と前期に比べ425百万円の悪化となりました。

 

 

7. その他

  ソフトウエアの販売が減少したことに加え、電気設備工事が減少したことなどから、売上高は、5,076百万円と前期に比べ1,038百万円(17.0%)減となり、営業利益は、1,641百万円と前期に比べ218百万円(11.7%)減となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によって32,797百万円増加し、また、投資活動によって18,884百万円減少し、財務活動によって10,869百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べて2,800百万円の増加となりました。その結果、当連結会計年度末の資金残高は18,600百万円(前期比17.7%増)となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動により得られた資金は、32,797百万円(前期比1.5%の収入増加)となりました。これは、税金等調整前当期純利益17,023百万円、減価償却費18,766百万円をはじめとする内部留保等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動により使用した資金は、18,884百万円(前期比0.4%の支出増加)となりました。これは、固定資産の取得による支出20,221百万円があったこと等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動により使用した資金は、10,869百万円(前期比16.1%の支出減少)となりました。これは、自己株式の取得による支出3,071百万円、配当金の支払額4,629百万円があったこと等によるものです。

 

 

(生産、受注及び販売の状況)

(1)生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

セメント

56,309

91.3

鉱産品

7,519

103.7

建材

5,242

99.2

光電子

6,295

95.6

新材料

6,900

89.4

電池材料

566

57.9

その他

1,114

100.1

合計

83,946

92.7

 

(注) 1. 金額は製造原価ベースによっております。

2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注状況

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

 

セグメントの名称

受注高
(百万円)

前期比(%)

受注残高
(百万円)

前期比(%)

建材

14,512

105.6

4,888

134.6

その他

1,773

37.9

444

18.5

合計

16,286

88.4

5,332

88.5

 

(注) 1. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2. 対象は、建材セグメントにおける各種工事、不動産・その他事業における各種ソフトウエア製作、各種電気工事等であります。なお、上記以外のセグメントについては、受注生産形態をとらない製品がほとんどであるため、記載を省略しております。

 

(3)販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

セメント

187,469

99.3

鉱産品

11,984

94.8

建材

17,577

92.1

光電子

5,725

97.5

新材料

10,719

94.1

電池材料

721

57.7

その他

5,076

83.0

合計

239,274

97.6

 

(注) 1. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2. 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10以上となる取引先が存在しないため、記載を省略しております。

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

経営者の視点による当社グループ(当社及び連結子会社)の当連結会計年度における経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下の通りであります。

 

(1)経営成績の分析

当連結会計年度の経営成績の概況については、「(経営成績等の概要)の(1)財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

 

1 セメント需要、当社セメント販売数量の推移(最近5連結会計年度)

 

2017年3月
第154期

2018年3月
第155期

2019年3月
第156期

2020年3月
第157期

2021年3月
第158期

セメント需要

 

 

 

 

 

 国内需要(千トン)

41,777

41,876

42,589

40,970

38,670

 輸出(千トン)

11,529

11,808

10,371

10,532

11,113

当社販売数量

 

 

 

 

 

 国内(千トン)

8,817

8,718

8,925

8,764

8,286

 輸出(千トン)

1,375

1,367

1,366

1,295

1,424

 計(千トン)

10,192

10,085

10,291

10,058

9,710

 

 

2 売上高、損益の推移(最近5連結会計年度)

 

2017年3月
第154期

2018年3月
第155期

2019年3月
第156期

2020年3月
第157期

2021年3月
第158期

売上高(百万円)

234,062

244,826

251,061

245,159

239,274

営業利益(百万円)

21,530

18,990

14,178

16,128

16,631

経常利益(百万円)

22,627

20,153

15,799

16,947

17,641

親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)

16,210

14,659

7,799

10,922

11,719

総資産額(百万円)

336,790

339,958

324,755

321,108

329,650

売上高経常利益率(%)

9.7

8.2

6.3

6.9

7.4

総資産経常利益率(%)

6.8

6.0

4.8

5.2

5.4

 

 

 

(2)財政状態(流動性及び資本の源泉)の分析

当連結会計年度末の総資産は329,650百万円となり、前連結会計年度末に比べて8,542百万円の増加となりました。流動資産は91,217百万円となり、前連結会計年度末に比べて3,331百万円の増加となりました。固定資産は238,433百万円となり、前連結会計年度末に比べて5,210百万円の増加となりました。

流動資産増加の主な要因は、現金及び預金の増加等によるものです。固定資産増加の主な要因は、投資有価証券の増加等によるものです。

当連結会計年度末の負債の合計は123,823百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,414百万円の増加となりました。流動負債は71,850百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,408百万円の増加となりました。固定負債は51,973百万円となり、前連結会計年度末に比べて6百万円の増加となりました。

流動負債増加の主な要因は、未払法人税等の増加等によるものです。固定負債増加の主な要因は、繰延税金負債の増加等によるものです。

当連結会計年度末の純資産は205,827百万円となり、前連結会計年度末に比べて7,127百万円の増加となりました。主な要因は、利益剰余金の増加等によるものです。

 

(3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況は、「(経営成績等の概要) の(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、当社グループの資金需要は、製品の製造販売に関わる原料熱量費・運搬費や営業費用などの運転資金、設備投資資金及び研究開発などであります。資金調達は、主として内部資金により充当し、必要に応じ金融機関からの借入や社債発行などにより確保しております。

最近5連結会計年度においては、営業活動によるキャッシュ・フローにより現金及び現金同等物(以下「資金」という。)を確実に獲得し、その資金を設備投資に活用しました。有利子負債は削減し、2021年3月期には51,405百万円となりました。

今後、当社グループは、「2020-22年度 中期経営計画」を踏まえて安定的に成長できる布石を打っていく中で、収益の改善・拡大に努め、営業活動で獲得した資金は、維持更新に加えて成長戦略への投資や株主還元などに活用していく方針であります。

なお、新型コロナウイルス感染症による、資金繰りへの大きな影響は出ておりません。事業環境の変化、取引先からの入金状況、資金調達環境などを引き続き注視してまいります。

 

1 キャッシュ・フローの推移(最近5連結会計年度)

 

2017年3月
第154期

2018年3月
第155期

2019年3月
第156期

2020年3月
第157期

2021年3月
第158期

営業活動によるキャッシュ・
フロー(百万円)

29,231

26,470

29,252

32,305

32,797

投資活動によるキャッシュ・
フロー(百万円)

△17,700

△24,753

△20,032

△18,815

△18,884

財務活動によるキャッシュ・
フロー(百万円)

△16,123

△6,626

△15,755

△12,959

△10,869

現金及び現金同等物の期末残高(百万円)

26,672

22,072

15,270

15,799

18,600

 

 

 

 

2 有利子負債の推移(最近5連結会計年度)

 

2017年3月
第154期

2018年3月
第155期

2019年3月
第156期

2020年3月
第157期

2021年3月
第158期

有利子負債残高(百万円)

64,217

61,808

61,063

52,608

51,405

純資産額(百万円)

195,869

204,157

194,138

198,699

205,827

有利子負債/純資産(%)

32.8

30.3

31.5

26.5

25.0

 

(注) 有利子負債残高は短期借入金、社債及び長期借入金の合計額であります。

 

 

 (4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、固定資産の減損会計や繰延税金資産の回収可能性等については、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っております。当社グループは、これらの見積りの妥当性に対し継続して評価を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

5【研究開発活動】

当社グループ(当社及び連結子会社)は、常に独創技術の開発を基本理念として、主力事業であるセメント・コンクリート、並びにその周辺分野である建設資材等に関する新技術・新製品の研究開発をはじめ、それらの基盤技術をベースとした新規事業である光電子・新材料・電池材料事業分野における研究開発に至るまで、幅広く積極的な研究開発活動を行っております。

当社グループの研究開発体制は、セメント・コンクリート研究所、新規技術研究所、建材事業部、光電子事業部、新材料事業部、電池材料事業部より構成されており、研究開発スタッフは、約200名であります。

なお、当連結会計年度における研究開発費は3,184百万円であり、各セグメントの研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次の通りであります。

 

1. セメント

当社のセメント・コンクリート研究所が、セメント事業に係わるセメント、コンクリート及びその関連分野の研究、開発を行っております。なお、当事業に係る研究開発費は589百万円であり、当連結会計年度の主な成果としては以下の通りであります。

①セメント・固化材の品質及び環境負荷低減に対応したセメント製造技術に関する研究

②資源循環型社会に向けたリサイクル資源の原燃料化に関する研究

③生産性向上に資するコンクリート技術開発

④重金属汚染対策材の拡販に向けた技術開発

⑤低炭素化関連技術開発

 

2. 建材

当社のセメント・コンクリート研究所が、建材事業に係わるセメント関連製品の研究、開発を行い、建材事業部が、それをもとに商品化及び改良、用途開発を行い、新商品の初期事業化を行っております。また、建材事業部独自にて、電気防食、海洋製品の開発を手掛けております。なお、当事業に係る研究開発費は223百万円であり、当連結会計年度の主な成果としては以下の通りであります。

①コンクリート床版補修材料の開発、高性能化

②断面補修材・表面被覆材料の高性能化

③無機系あと施工アンカー注入材

④新型陽極材

 

3. 光電子

当社の新規技術研究所が光電子分野の基礎研究及び商品開発を行い、それをもとに光電子事業部がその応用製品の商品化、並びに事業化の研究・開発を行っております。なお、当事業に係る研究開発費は849百万円であり、当連結会計年度の主な成果としては以下の通りであります。

①400/600Gbps伝送方式に適応したコヒーレント対応LN光変調器の商品開発

②次世代小型光デバイスに対応した要素技術開発

 

4. 新材料

当社の新規技術研究所が新材料分野の基礎研究及び商品開発を行い、それをもとに新材料事業部がその応用製品の商品化、並びに事業化の研究・開発を行っております。なお、当事業に係る研究開発費は1,265百万円であり、当連結会計年度の主な成果としては以下の通りであります。

①次世代半導体装置向け静電チャックの商品開発

②化粧品用紫外線遮蔽材料の商品化と用途展開

③新規化粧品材料および半導体装置用材料の基盤技術開発

 

5. 電池材料

当社の新規技術研究所が電池材料分野の基礎研究及び商品開発を行い、それをもとに電池材料事業部がその応用製品の商品化、並びに事業化の研究・開発を行っております。なお、当事業に係る研究開発費は257百万円であり、当連結会計年度の主な成果としては以下の通りであります。

①二次電池正極材料車載用モデルの商品化検討

②LFP正極材料に関する要素技術開発