第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

<経営方針>

当社グループは、「私たちは、地球環境に配慮し、たゆまない技術開発と多様な事業活動を通じて、豊かな社会の維持・発展に貢献する企業グループを目指します。」という企業理念のもと、セメントをはじめとする各種製品の安定供給を推進するとともに、持続的発展のため、グループを挙げて事業拡大およびコスト削減等に取り組んでいく。

 

<事業環境>

今後のわが国経済は、通商問題の動向が世界経済に与える影響等によるリスクに加え、新型コロナウイルス感染症の影響による内外経済のさらなる下振れ等のリスクが存在しており、景気の先行きは、引き続き厳しい状況にある。

新型コロナウイルス感染症の影響で、足元セメント関連事業では、工事の中断などもあり国内販売は弱含みで推移し、輸出についても一部地域でロックダウンによる販売減少の影響を受け、工場の操業は一部抑制運転等の対応をしている。高機能品事業についても、国内外での経済・生産活動停滞に伴う販売への影響が一部出ている。   
  国内・海外とも地域によっては徐々に緊急事態宣言やロックダウンが解除され経済・生産活動を再開する動きも見られるが、海外を含めた全地域で感染収束の見通しはいまだに不透明である。そのため、今後も引き続きある程度の期間にわたり規制による影響を受けることが想定され、当社グループ各事業にかかわる市場が今後どのようなタイミングで回復していくのか、または変化するのかなど見通しが非常に困難な状況となっている。

 

<「2017-19年度 中期経営計画」の総括>

 当社グループは、2017年度から「2017-19年度 中期経営計画」をスタートさせた。本中期経営計画では、セメント関連事業および高機能品事業の両事業分野で、市場を拡大し、安定的に成長し続ける企業グループとなることを将来目指すべき方向性とし、当社の対応すべき課題に取り組み、諸施策を実施してきた。

 当社グループの取り組みは、次のとおり。
①セメント関連事業(セメント事業・鉱産品事業・建材事業)
  (イ)海外セメント戦略

高知工場におけるセメント貯蔵用大型サイロの活用と赤穂工場での輸出対応に取り組むことにより、輸出の継続的な拡大を図った。

(ロ)周辺市場での拡大
 リサイクル関連設備の増強やリサイクル品の最大限の取り込み等に取り組み、環境事業の拡大に努めるとともに セメント関連事業分野の各事業の連携やシナジーを追求し、周辺市場の開拓に努めた。

(ハ)事業基盤の強化
 物流の合理化を目的としてデンカ株式会社との合弁会社の設立、小名浜サービスステーションにおけるセメントサイロの新設ならびに岐阜工場および赤穂工場における高効率クリンカクーラーの導入等を行い、物流合理化の拡大や設備増強等を進め、事業基盤の強化に取り組んだ。

  ②高機能品事業(光電子事業・新材料事業・電池材料事業)

(イ)主力製品の増産対応
 東莞住創光電子技術有限公司における新伝送方式用光通信部品の製造設備の増設や市川事業所における半導体製造装置向け電子材料の製造設備増設を行い、主力製品の増産対応や生産性向上に取り組んだ。
(ロ)新規事業・新製品の開発
  外部リソースの活用とともに、研究開発を強化し、新規事業・新製品の開発に取り組むことにより、事業分野全体の継続的成長に努めた。

 

 

 <「2020-22年度 中期経営計画」>

   当社グループは、2020年度から「2020-22年度 中期経営計画」をスタートさせた。本中期経営計画では、「セメント関連事業および高機能品事業の両事業分野で、市場を拡大し、安定的に成長し続ける企業グループとなる。」ことを目指すとともに、社会的課題の解決への貢献のために次のとおり取り組む。

  ①セメント関連事業(セメント事業・鉱産品事業・建材事業)

(イ)セメント・固化材の収益力向上と事業基盤整備
 ・ 数量の確保とコスト削減に取り組み、外部環境に影響されにくい体制を構築する。
 ・ 物流合理化拡大や生産物流体制の整備、環境対策など必要な投資をすすめ、事業基盤を強化する。
(ロ)関連事業の拡大
 ・ 国内セメント市場での成長が見込めない中、海外セメント事業の立ち上げに注力する。
 ・ 鉱産品事業・建材事業は、安定的な成長を目指す。

  ②高機能品事業(光電子事業・新材料事業・電池材料事業)

    (イ)既存主力商品の競争優位性の確保と新製品の開発
     ・ 市場拡大を見込む成長分野として積極的に事業推進する。
     ・ 技術力強化と生産性向上により顧客ニーズへ的確に対応する。
     ・ 基盤技術の応用と外部リソースの活用などによって研究開発を強化し新製品開発に取り組む。
  ③環境対策
    (イ)環境対策強化(再資源化)
     ・ 社会的課題となっている廃プラスチックや一般ゴミ焼却灰の受入を増やし、そのための設備投資を実施する。
    (ロ)CO2排出削減への取り組み

 ・ サステナブル対策委員会を立ち上げ、中長期的な削減目標・具体策の検討に取り組む。

 

これらの取り組みにより、中長期的な数値目標として、ROE(自己資本当期純利益率)8%以上を目指している。

 

また、当社グループは、2019年度に企業活動を通じて重点的に取り組む5つのマテリアリティ(①「豊かな社会の維持・発展に貢献」、②「地球環境への配慮」、③「循環型社会への貢献」、④「人材の育成・活用」、⑤「ガバナンスの充実」)を特定しており、本中期経営計画における取り組みを通じて、当社グループの安定的成長と社会的課題の解決を図っていくことにより、マテリアリティを実現する。
 

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものである。

 

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の概況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがある。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものである。

 

(1)セメント国内需要の減少リスク

当社グループの基幹事業であるセメントの国内需要は、わが国の公共投資や民間設備投資等の動向に強く影響を受けている。そのため、国内の公共投資や民間設備投資が予測を上回る急激なスピードで減少した場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性がある。しかしながら、セメントは社会資本を整備する上で欠かすことのできないものであり、中長期的には一定規模以上の需要は安定的に確保されることが予想される。また、当社グループは当面の国内需要の減少を見据え、過年度においてセメント工場閉鎖による生産体制の見直しを行うとともにさまざまなコスト削減や販売価格の改善にも取り組んでいる。

 

(2)原材料の価格高騰リスク

当社グループの主力製品であるセメントの製造には、石灰石、粘土、石炭等さまざまな原材料を使用している。そのため、それら原材料の価格高騰はセメント製造コストの増加を招き、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性がある。しかしながら、セメント製造の石灰石は長期にわたって当社グループの自社鉱山より安定して供給することができる体制が整っている。一方、セメント製造の石炭は、今後の情勢次第では高騰する可能性がある。当社グループは石炭の調達価格上昇によるコスト増加分は販売価格への転嫁に努め、業績への影響の軽減を図っている。

 

(3)債権回収リスク

当社グループは、主力製品である各種セメントや生コンクリートについては建設業等の大口顧客やそれら建設業等の大口顧客を取引先とする販売店との取引を行っている。それら取引先等の業績が急激に悪化し、当社グループの債権について貸倒れによる損失が発生した場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性がある。そのため、当社グループは「SS(セメント・サービス・ステーション)渡し」による売掛債権圧縮や取引先に対する流動性担保の確保等を推進し与信管理を強化している。

 

(4)工場操業に伴うリスク

セメント産業は装置産業であり、当社グループのセメント工場は大型設備を有している。そのため、重大故障、火災、事故、自然災害、停電その他の予期せぬ事態により、工場操業に支障を来す事態が発生した場合、復旧するための時間やコストを浪費することになり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性がある。しかしながら、当社グループは全ての工場において定期的な設備点検や災害防止パトロールを行い、生産計画に基づいた安定操業を図るべく万全の配慮を払っており、想定されるリスクが発生する可能性は低いものと考えている。また、当社グループは全国6拠点(当社4工場、関係会社2工場)にセメント工場を有しており、仮にどこか1つの工場で操業に支障を来す事態が発生した場合でも、セメント工場間の操業振替や業務提携先からの仕入等により取引先に対するセメント供給は安定して行うことが可能である。

 

 (5)高機能品事業のリスク

当社グループの事業のうち、高機能品事業の関わる市場は、技術の急速な変化やこれに伴う顧客の需要の変化に影響を受ける。業界で頻繁な技術革新があるため、比較的短期間で当社グループの既存製品が陳腐化する可能性がある。

 

 

(6)固定資産の減損リスク

固定資産減損会計の適用に伴い、固定資産が収益性の低下や市場価値の下落により投資額の回収が見込めないと 判断された場合、将来の収益計画等に関する予測に基づき、固定資産の帳簿価格を回収可能価額まで減額する固定資産の減損処理が必要となる。現時点では、固定資産減損会計への対応は完了しているが、今後の地価の動向や事業環境の変化により、減損損失が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績の状況に重要な影響を及ぼす可能性がある。

 

  (7)感染症の流行に伴うリスク

ウイルス等の感染症の流行により、当社グループの国内外事業所および製造拠点等での活動に関する規制等を受けた場合、製造の中断、営業・物流・調達機能の停滞等が発生し業績に影響を与える可能性がある。さらに、国内外での経済・生産活動が停滞した場合には、出荷先の状況により生産縮小、停止、在庫調整により出荷の減少が見込まれ、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性がある。また、当社グループは、感染症の発生時には、従業員をはじめとする当社グループの業務に従事する方々の安全確保を第一に考え、原則自宅勤務への移行等の対応を実施する。

 

  (8)環境規制等に伴うリスク

  当社グループは、業界最高レベルの資源・エネルギー効率でセメントを生産し、中長期的なCO2排出量削減の観点から長年培った技術の海外への移転・普及にも積極的に取り組んでいるが、今後、CO2の排出や化石燃料の利用に対する新たな規制等が導入された場合には、セメント事業を中心に当社グループの事業活動が制約を受けたり、費用が増加したりする可能性がある。

 「2020-22年度 中期経営計画」では、CO2排出削減への取り組みとして、新たに部門横断の対策委員会を立ち上げ、中長期的な削減目標・具体策の検討に取り組む。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものである。

 

(経営成績等の概要)

(1)財政状態及び経営成績の状況

 当期におけるわが国経済は、通商問題の動向が世界経済に与える影響等による景気下振れ懸念があったものの、雇用・所得環境の改善や政府の経済対策等の効果を背景に緩やかな回復基調が続いた。しかしながら、期末に至り、新型コロナウイルス感染症の影響により、足下で大幅に下押しされ、厳しい状況となった。

 セメント業界においては、天候不順や技能労働者不足等の影響に加え、民間住宅投資が減少したことなどもあり、官公需、民需ともに減少したことから、セメント国内需要は、前期を3.8%下回る40,970千トンとなった。一方、輸出は、前期を1.6%上回った。この結果、輸出分を含めた国内メーカーの総販売数量は、前期を2.6%下回る51,480千トンとなった。

 このような情勢の中で、当社グループは、当期を最終年度とする「2017-19年度 中期経営計画」に基づき、セメント関連事業においては、「海外セメント戦略」・「周辺市場での拡大」・「事業基盤の強化」、高機能品事業においては、「主力製品の増産対応」・「新規事業・新製品の開発」に係る諸施策に取り組んだ。

 以上の結果、当期の売上高は、セメント事業等で減収となったことから、245,159百万円と前期実績を2.4%下回った。

 損益については、セメント事業、建材事業、光電子事業等で増益となったことから、経常利益は、16,947百万円と前期に比べ1,147百万円の増益となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に固定資産の減損損失を特別損失に計上したこともあり、10,922百万円と前期に比べ3,123百万円の増益となった。

 

 セグメントごとの経営成績は、次の通りである。

 

1. セメント

 販売数量が前期を下回ったことなどから、売上高は、188,800百万円と前期に比べ4,856百万円(2.5%)減となったものの、生産コスト等の削減により、営業利益は、8,247百万円と前期に比べ667百万円(8.8%)増となった。

 

2. 鉱産品

 骨材の販売数量が減少したことなどから、売上高は、12,640百万円と前期に比べ179百万円(1.4%)減となったものの、採掘コストが改善したことなどから、営業利益は、2,385百万円と前期に比べ24百万円(1.0%)増となった。

 

3. 建材

コンクリート構造物補修・補強材の販売数量が増加したことなどから、売上高は、19,089百万円と前期に比べ 624百万円(3.4%)増となり、営業利益は、1,824百万円と前期に比べ576百万円(46.2%)増となった。

 

4. 光電子

新伝送方式用光通信部品の販売数量が増加したことから、売上高は、5,871百万円と前期に比べ113百万円(2.0%)増となり、生産コストが改善したことなどもあり、営業利益は、195百万円と前期に比べ767百万円の好転となった。

 

5. 新材料

半導体製造装置向け電子材料の販売数量が減少したことなどから、売上高は、11,390百万円と前期に比べ614百万円(5.1%)減となり、営業利益は、1,850百万円と前期に比べ520百万円(21.9%)減となった。

 

6.電池材料

二次電池正極材料の販売数量が減少したことから、売上高は、1,250百万円と前期に比べ623百万円(33.3%)減となり、生産コストが改善したことなどから、損益は、前期に比べ287百万円の好転となったものの、149百万円の営業損失となった。

 

 

7. その他

  電気設備工事が減少したことなどから、売上高は、6,115百万円と前期に比べ366百万円(5.7%)減となったものの、コスト削減等により、営業利益は、1,859百万円と前期に比べ148百万円(8.7%)増となった。

 

   なお、2021年3月期の業績予想については、新型コロナウイルス感染症に対する拡大防止策等の業績に与える影響や収束時期等を見通すことが困難な状況であることから、未定としている。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によって32,305百万円増加し、また、投資活動によって18,815百万円減少し、財務活動によって12,959百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べて529百万円の増加となった。その結果、当連結会計年度末の資金残高は15,799百万円(前期比3.5%増)となった。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動により得られた資金は、32,305百万円(前期比10.4%の収入増加)となった。これは、税金等調整前当期純利益15,503百万円、減価償却費18,283百万円をはじめとする内部留保等によるものである。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動により使用した資金は、18,815百万円(前期比6.1%の支出減少)となった。これは、固定資産の取得による支出18,433百万円があったこと等によるものである。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動により使用した資金は、12,959百万円(前期比17.7%の支出減少)となった。これは、長期借入金の返済による支出10,270百万円があったこと等によるものである。

 

 

(生産、受注及び販売の状況)

(1)生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りである。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

セメント

61,653

94.0

鉱産品

7,253

103.4

建材

5,286

125.1

光電子

6,583

101.3

新材料

7,716

99.0

電池材料

977

63.8

その他

1,113

93.8

合計

90,584

96.5

 

(注) 1. 金額は製造原価ベースである。

2. 上記の金額には、消費税等は含まれていない。

 

(2)受注状況

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次の通りである。

 

セグメントの名称

受注高
(百万円)

前期比(%)

受注残高
(百万円)

前期比(%)

建材

13,741

98.5

3,631

70.6

その他

4,674

180.8

2,396

181.8

合計

18,416

111.4

6,027

93.3

 

(注) 1. 上記の金額には、消費税等は含まれていない。

2. 対象は、建材セグメントにおける各種工事、不動産・その他事業における各種ソフトウエア製作、各種電気工事等である。なお、上記以外のセグメントについては、受注生産形態をとらない製品がほとんどであるため、記載を省略した。

 

(3)販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りである。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

セメント

188,800

97.5

鉱産品

12,640

98.6

建材

19,089

103.4

光電子

5,871

102.0

新材料

11,390

94.9

電池材料

1,250

66.7

その他

6,115

94.3

合計

245,159

97.6

 

(注) 1. 上記の金額には、消費税等は含まれていない。

2. 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10以上となる取引先が存在しないため、記載を省略した。

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

経営者の視点による当社グループ(当社及び連結子会社)の当連結会計年度における経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下の通りである。

 

(1)経営成績の分析

当連結会計年度の経営成績の概況については、「(経営成績等の概要)の(1)財政状態及び経営成績の状況」に記載している。

 

1 セメント需要、当社セメント販売数量の推移(最近5連結会計年度)

 

2016年3月
(第153期)

2017年3月
(第154期)

2018年3月
(第155期)

2019年3月
(第156期)

2020年3月
(第157期)

セメント需要

 

 

 

 

 

 国内需要(千トン)

42,668

41,777

41,876

42,589

40,970

 輸出(千トン)

10,583

11,529

11,808

10,371

10,532

当社販売数量

 

 

 

 

 

 国内(千トン)

8,855

8,817

8,718

8,925

8,764

 輸出(千トン)

1,051

1,375

1,367

1,366

1,295

 計(千トン)

9,906

10,192

10,085

10,291

10,058

 

 

2 売上高、損益の推移(最近5連結会計年度)

 

2016年3月
(第153期)

2017年3月
(第154期)

2018年3月
(第155期)

2019年3月
(第156期)

2020年3月
(第157期)

売上高(百万円)

234,192

234,062

244,826

251,061

245,159

営業利益(百万円)

23,614

21,530

18,990

14,178

16,128

経常利益(百万円)

24,560

22,627

20,153

15,799

16,947

親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)

16,110

16,210

14,659

7,799

10,922

総資産額(百万円)

325,710

336,790

339,958

324,755

321,108

売上高経常利益率(%)

10.5

9.7

8.2

6.3

6.9

総資産経常利益率(%)

7.4

6.8

6.0

4.8

5.2

 

 

 

(2)財政状態(流動性及び資本の源泉)の分析

当連結会計年度末の総資産は321,108百万円となり、前連結会計年度末に比べて3,647百万円の減少となった。流動資産は87,885百万円となり、前連結会計年度末に比べて2,802百万円の減少となった。固定資産は233,222百万円となり、前連結会計年度末に比べて、844百万円の減少となった。

流動資産減少の主な要因は、受取手形及び売掛金の減少等によるものである。固定資産減少の主な要因は、投資有価証券の減少等によるものである。

当連結会計年度末の負債の合計は122,408百万円となり、前連結会計年度末に比べて8,208百万円の減少となった。流動負債は70,441百万円となり、前連結会計年度末に比べて11,190百万円の減少となった。固定負債は51,966百万円となり、前連結会計年度末に比べて2,981百万円の増加となった。

流動負債減少の主な要因は、1年内償還予定の社債の減少等によるものである。固定負債増加の主な要因は、社債の増加等によるものである。

当連結会計年度末の純資産は198,699百万円となり、前連結会計年度末に比べて4,561百万円の増加となった。主な要因は、利益剰余金の増加等によるものである。

 

(3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況は、「(経営成績等の概要) の(2)キャッシュ・フローの状況」に記載している。

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、当社グループの資金需要は、製品の製造販売に関わる原料熱量費・運搬費や営業費用などの運転資金、設備投資資金及び研究開発などである。資金調達は、主として内部資金により充当し、必要に応じ金融機関からの借入や社債発行などにより確保している。

最近5連結会計年度においては、営業活動によるキャッシュ・フローにより現金及び現金同等物(以下「資金」という。)を確実に獲得し、その資金を設備投資に活用した。有利子負債は削減し、2020年3月期には52,608百万円となった。

今後、当社グループは、「2020-22年度 中期経営計画」を踏まえて安定的に成長できる布石を打っていく中で、収益の改善・拡大に努めていき、営業活動で獲得した資金は、維持更新に加えて成長戦略への投資や株主還元などに活用していく方針である。

なお、新型コロナウイルス感染症による、資金繰りへの大きな影響は出ていない。事業環境の変化、取引先からの入金状況、資金調達環境などを引き続き注視していく。

 

1 キャッシュ・フローの推移(最近5連結会計年度)

 

2016年3月
(第153期)

2017年3月
(第154期)

2018年3月
(第155期)

2019年3月
(第156期)

2020年3月
(第157期)

営業活動によるキャッシュ・
フロー(百万円)

32,618

29,231

26,470

29,252

32,305

投資活動によるキャッシュ・
フロー(百万円)

△15,691

△17,700

△24,753

△20,032

△18,815

財務活動によるキャッシュ・
フロー(百万円)

△15,705

△16,123

△6,626

△15,755

△12,959

現金及び現金同等物の期末残高(百万円)

31,378

26,672

22,072

15,270

15,799

 

 

 

 

2 有利子負債の推移(最近5連結会計年度)

 

2016年3月
(第153期)

2017年3月
(第154期)

2018年3月
(第155期)

2019年3月
(第156期)

2020年3月
(第157期)

有利子負債残高(百万円)

76,507

64,217

61,808

61,063

52,608

純資産額(百万円)

177,247

195,869

204,157

194,138

198,699

有利子負債/純資産(%)

43.2

32.8

30.3

31.5

26.5

 

(注) 有利子負債残高は短期借入金、社債及び長期借入金の合計額である。

 

 

 (4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載している。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、固定資産の減損会計や繰延税金資産の回収可能性等については、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っている。当社グループは、これらの見積りの妥当性に対し継続して評価を行っているが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合がある。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項なし。

 

 

5【研究開発活動】

当社グループ(当社及び連結子会社)は、常に独創技術の開発を基本理念として、主力事業であるセメント・コンクリート、並びにその周辺分野である建設資材等に関する新技術・新製品の研究開発をはじめ、それらの基盤技術をベースとした新規事業である光電子・新材料・電池材料事業分野における研究開発に至るまで、幅広く積極的な研究開発活動を行っている。

当社グループの研究開発体制は、セメント・コンクリート研究所、新規技術研究所、建材事業部、光電子事業部、新材料事業部、電池材料事業部より構成されており、研究開発スタッフは、約200名である。

なお、当連結会計年度における研究開発費は3,087百万円であり、各セグメントの研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次の通りである。

 

1. セメント

当社のセメント・コンクリート研究所が、セメント事業に係わるセメント、コンクリート及びその関連分野の研究、開発を行っている。なお、当事業に係る研究開発費は618百万円であり、当連結会計年度の主な成果としては以下の通りである。

①セメント・固化材の品質及び環境負荷低減に対応したセメント製造技術に関する研究

②資源循環型社会に向けたリサイクル資源の原燃料化に関する研究

③生産性向上に資するコンクリート技術開発

④重金属汚染対策材の拡販に向けた技術開発

⑤低炭素化関連技術開発

 

2. 建材

当社のセメント・コンクリート研究所が、建材事業に係わるセメント関連製品の研究、開発を行い、建材事業部が、それをもとに商品化及び改良、用途開発を行い、新商品の初期事業化を行っている。また、建材事業部独自にて、電気防食、海洋製品の開発を手掛けている。なお、当事業に係る研究開発費は207百万円であり、当連結会計年度の主な成果としては以下の通りである。

①コンクリート床版補修材料の開発、高性能化

②断面補修材・表面被覆材料の高性能化

③無機系あと施工アンカー注入材

④新型陽極材

 

3. 光電子

当社の新規技術研究所が光電子分野の基礎研究及び商品開発を行い、それをもとに光電子事業部がその応用製品の商品化、並びに事業化の研究・開発を行っている。なお、当事業に係る研究開発費は803百万円であり、当連結会計年度の主な成果としては以下の通りである。

①100G/200G伝送方式の共用化に向けたコヒーレント対応LN変調器の商品化

②次世代400G/600G伝送方式に適応したコヒーレント対応LN変調器の商品開発

③次世代小型光デバイスに対応した基盤技術開発

 

4. 新材料

当社の新規技術研究所が新材料分野の基礎研究及び商品開発を行い、それをもとに新材料事業部がその応用製品の商品化、並びに事業化の研究・開発を行っている。なお、当事業に係る研究開発費は1,165百万円であり、当連結会計年度の主な成果としては以下の通りである。

①次世代半導体装置向け静電チャックの商品化

②化粧品用紫外線遮蔽材料の商品開発

③新規化粧品用材料および半導体装置用材料の量産技術開発

 

5. 電池材料

当社の新規技術研究所が電池材料分野の基礎研究及び商品開発を行い、それをもとに電池材料事業部がその応用製品の商品化、並びに事業化の研究・開発を行っている。なお、当事業に係る研究開発費は293百万円であり、当連結会計年度の主な成果としては以下の通りである。

①二次電池正極材料高出力/高耐久統合モデルの商品開発

②二次電池正極材料次期高電圧モデルの粒子合成技術開発