第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

<経営方針>

当社グループは、「私たちは、地球環境に配慮し、たゆまない技術開発と多様な事業活動を通じて、豊かな社会の維持・発展に貢献する企業グループを目指します。」という企業理念のもと、セメントをはじめとする各種製品の安定供給を推進するとともに、持続的発展のため、グループを挙げて事業拡大およびコスト削減等に取り組んでいく。

 

<事業環境>

今後のわが国経済は、世界経済の不確実性等のリスクが存在するものの、政府の経済対策等の効果を背景に、緩やかな回復が続いていくことが期待される。

セメント業界においては、引き続き、技能労働者の不足等の影響があるものの、公共投資が増加することにより、官公需は、ほぼ前年並みで推移し、民間住宅投資・民間設備投資ともに増加することにより、民需は、増加することが見込まれることから、内需は、増加するものと思われる。

 

<中期経営計画>

当社グループは、平成29年度から「2017-19年度 中期経営計画」をスタートさせた。本中期経営計画では、セメント関連事業および高機能品事業の両事業分野で、市場を拡大し、安定的に成長し続ける企業グループとなることを将来目指すべき方向性とし、確実に成長の布石を打っていく。

本中期経営計画の当期の進捗状況及び今後の取り組みは、次のとおり。

① セメント関連事業(セメント事業・鉱産品事業・建材事業)

イ)海外セメント戦略

高知工場での大型サイロの建設や赤穂工場での輸出対応に取り組んでおり、引き続き、輸出の継続的な拡大に努める。

ロ)周辺市場での拡大

リサイクル関連設備の増強やリサイクル品の最大限の取り込み等に取り組んでおり、引き続き、環境事業の拡大に努めるとともにセメント関連事業分野の各事業やシナジーを追求し、周辺市場を開拓する。

ハ)事業基盤の強化

物流の合理化を目的としてデンカ株式会社との合弁会社の設立および小名浜サービス・ステーションにおけるセメントサイロの新設、また、岐阜工場における高効率クリンカクーラーの導入等を行った。引き続き、物流の合理化の拡大や設備増強等を進め、事業基盤の強化に取り組む。

② 高機能品事業(光電子事業・新材料事業・電池材料事業)

イ)主力製品の増産対応

東莞住創光電子技術有限公司における新伝送方式用光通信部品の製造設備増設や市川事業所における半導体製造装置向け電子材料の製造設備増設を行った。引き続き、増設した製造設備を活かし、主力製品の増産対応や生産性向上に取り組む。

ロ)新規事業・新製品の開発

外部リソースの活用とともに、研究開発を強化し、新規事業・新製品の開発に取り組んでおり、引き続き、事業分野全体の継続的成長を目指す。

 

これらの取組により、中期的な財務目標として、ROA(総資産経常利益率)9%、ROE(自己資本当期純利益率)10%を目指している。

 

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の概況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがある。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものである。

 

(1)セメント国内需要の減少リスク

当社グループの基幹事業であるセメントの国内需要は、わが国の公共投資や民間設備投資等の動向に強く影響を受けている。そのため、国内の公共投資や民間設備投資が予測を上回る急激なスピードで減少した場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性がある。しかしながら、セメントは社会資本を整備する上で欠かすことのできないものであり、中長期的には一定規模以上の需要は安定的に確保されることが予想される。また、当社グループは当面の国内需要の減少を見据え、過年度においてセメント工場閉鎖による生産体制の見直しを行うとともにさまざまなコスト削減や販売価格の改善にも取り組んでいる。

 

(2)原材料の価格高騰リスク

当社グループの主力製品であるセメントの製造には、石灰石、粘土、石炭等さまざまな原材料を使用している。そのため、それら原材料の価格高騰はセメント製造コストの増加を招き、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性がある。しかしながら、セメント製造の石灰石は長期にわたって当社グループの自社鉱山より安定して供給することができる体制が整っている。一方、セメント製造の石炭は、今後の情勢次第では高騰する可能性がある。当社グループは石炭の調達価格上昇によるコスト増加分は販売価格への転嫁に努め、業績への影響の軽減を図っている。

 

(3)債権回収リスク

当社グループは、主力製品である各種セメントや生コンクリートについては建設業等の大口顧客やそれら建設業等の大口顧客を取引先とする販売店との取引を行っている。それら取引先等の業績が急激に悪化し、当社グループの債権について貸倒れによる損失が発生した場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性がある。そのため、当社グループは「SS(セメント・サービス・ステーション)渡し」による売掛債権圧縮や取引先に対する流動性担保の確保等を推進し与信管理を強化している。

 

(4)工場操業に伴うリスク

セメント産業は装置産業であり、当社グループのセメント工場は大型設備を有している。そのため、重大故障、火災、事故、自然災害、停電その他の予期せぬ事態により、工場操業に支障を来す事態が発生した場合、復旧するための時間やコストを浪費することになり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性がある。しかしながら、当社グループは全ての工場において定期的な設備点検や災害防止パトロールを行い、生産計画に基づいた安定操業を図るべく万全の配慮を払っており、想定されるリスクが発生する可能性は低いものと考えている。また、当社グループは全国6拠点(当社4工場、関係会社2工場)にセメント工場を有しており、仮にどこか1つの工場で操業に支障を来す事態が発生した場合でも、セメント工場間の操業振替や業務提携先からの仕入等により取引先に対するセメント供給は安定して行うことが可能である。

 

(5)固定資産の減損リスク

固定資産減損会計の適用に伴い、固定資産が収益性の低下や市場価値の下落により投資額の回収が見込めないと判断された場合、将来の収益計画等に関する予測に基づき、固定資産の帳簿価格を回収可能価額まで減額する固定資産の減損処理が必要となる。現時点では、固定資産減損会計への対応は完了しているが、今後の地価の動向や事業環境の変化により、減損損失が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績の状況に重要な影響を及ぼす可能性がある。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(経営成績等の概要)

(1)財政状態及び経営成績の状況

当期におけるわが国経済は、政府の経済対策の効果を背景に、緩やかな回復基調が続いた。

セメント業界においては、民間設備投資が増加したことにより、民需が増加したものの、官公需が技能労働者の不足等の影響もあり、ほぼ前期並みで推移したことから、セメント国内需要は、前期を0.2%上回る41,876千トンとなった。一方、輸出は、前期を2.4%上回った。この結果、輸出分を含めた国内メーカーの総販売数量は、前期を0.9%上回る53,508千トンとなった。

このような情勢の中で、当社グループは、平成29年度から「2017-19年度 中期経営計画」をスタートさせており、セメント関連事業においては、「海外セメント戦略」・「周辺市場での拡大」・「事業基盤の強化」、高機能品事業においては、「主力製品の増産対応」・「新規事業・新製品の開発」に係る諸施策に取り組んだ。
 以上の結果、当期の売上高は、セメント事業等で増収となったことから、244,826百万円と前期実績を4.6%上回った。
 損益については、セメント事業における生産コストの悪化等により、経常利益は、20,153百万円と前期に比べ2,473百万円の減益となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、14,659百万円と前期に比べ1,550百万円の減益となった。なお、「2017-2019年度 中期経営計画」における財務目標としているROA(総資産経常利益率)9%、ROE(自己資本当期純利益率)10%に対し、生産コスト悪化等により、それぞれ5.9%、7.4%となった。
 

セグメントごとの経営成績は、次の通りである。

なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいている。

 

1. セメント

販売数量が前期を上回ったことなどから、売上高は、188,160百万円と前期に比べ7,834百万円(4.3%)増となったものの、営業利益は、石炭の価格が高騰したことなどから、12,328百万円と前期に比べ2,278百万円(15.6%)減となった。

 

2. 鉱産品

骨材の販売数量が増加したことなどから、売上高は、12,266百万円と前期に比べ247百万円(2.1%)増となったものの、採掘に関する補修費および償却費が増加したことなどから、営業利益は、2,253百万円と前期に比べ36百万円(1.6%)減となった。

 

3. 建材

コンクリート構造物補修・補強材の販売数量が増加したことなどから、売上高は、19,981百万円と前期に比べ506百万円(2.6%)増となり、営業利益は、1,484百万円と前期に比べ123百万円(9.1%)増となった。

 

4. 光電子

新伝送方式用光通信部品の販売数量が減少したことなどから、売上高は、7,656百万円と前期に比べ1,324百万円(14.7%)減となり、生産能力増強に伴う費用が増加したことなどから、損益は、47百万円の営業損失と前期に比べ1,412百万円悪化となった。

 

5. 新材料

半導体製造装置向け電子材料の販売数量が増加したことから、売上高は、8,063百万円と前期に比べ2,354百万円(41.2%)増となり、営業利益は、1,434百万円と前期に比べ769百万円(115.8%)増となった。

 

6.電池材料

二次電池正極材料の販売数量が増加したことから、売上高は、2,751百万円と前期に比べ312百万円(12.8%)増となったものの、生産能力増強に伴う費用が発生したことなどから、営業利益は、50百万円と前年に比べ34百万円(40.4%)減となった。

 

7. その他

電気設備工事が増加したことなどから、売上高は、5,944百万円と前期に比べ833百万円(16.3%)増となり、営業利益は、1,579百万円と前期に比べ417百万円(35.9%)増となった。

 

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によって26,470百万円増加し、また、投資活動によって24,753百万円減少し、財務活動によって6,626百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べて4,600百万円の減少となった。その結果、当連結会計年度末の資金残高は22,072百万円(前期比17.2%減)となった。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動により得られた資金は、26,470百万円(前期比9.4%の収入減少)となった。これは、税金等調整前当期純利益19,733百万円、減価償却費17,661百万円をはじめとする内部留保等によるものである。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動により使用した資金は、24,753百万円(前期比39.8%の支出増加)となった。これは、固定資産の取得による支出25,585百万円があったこと等によるものである。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動により使用した資金は、6,626百万円(前期比58.9%の支出減少)となった。これは、配当金の支払額4,261百万円があったこと等によるものである。

 

(生産、受注及び販売の状況)

(1)生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りである。

なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいている。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

セメント

59,661

107.3

鉱産品

7,371

100.4

建材

3,997

112.1

光電子

8,887

113.0

新材料

5,031

137.5

電池材料

1,966

112.9

その他

1,240

99.3

合計

88,156

108.8

 

(注) 1. 金額は製造原価ベースである。

2. 上記の金額には、消費税等は含まれていない。

 

(2)受注状況

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次の通りである。

 

セグメントの名称

受注高
(百万円)

前期比(%)

受注残高
(百万円)

前期比(%)

建材

16,541

103.9

6,108

105.8

その他

2,086

61.4

1,718

71.2

合計

18,628

96.4

7,826

95.6

 

(注) 1. 上記の金額には、消費税等は含まれていない。

2. 対象は、建材セグメントにおける各種工事、不動産・その他事業における各種ソフトウエア製作、各種電気工事等である。なお、上記以外のセグメントについては、受注生産形態をとらない製品がほとんどであるため、記載を省略した。

 

(3)販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りである。

なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいている。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

セメント

188,160

104.3

鉱産品

12,266

102.1

建材

19,981

102.6

光電子

7,656

85.3

新材料

8,063

141.2

電池材料

2,751

112.8

その他

5,944

116.3

合計

244,826

104.6

 

(注) 1. 上記の金額には、消費税等は含まれていない。

2. 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10以上となる取引先が存在しないため、記載を省略した。

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

経営者の視点による当社グループ(当社及び連結子会社)の当連結会計年度における経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下の通りである。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものである。

 

(1)経営成績の分析

当連結会計年度の経営成績の概況については、「(経営成績等の概要)の(1)財政状態及び経営成績の状況」に記載している。

 

1 セメント需要、当社セメント販売数量の推移(最近5連結会計年度)

 

平成26年3月
(第151期)

平成27年3月
(第152期)

平成28年3月
(第153期)

平成29年3月
(第154期)

平成30年3月
(第155期)

セメント需要

 

 

 

 

 

 国内需要(千トン)

47,705

45,551

42,668

41,777

41,876

 輸出(千トン)

8,503

9,421

10,583

11,529

11,808

当社販売数量

 

 

 

 

 

 国内(千トン)

9,502

9,286

8,855

8,817

8,718

 輸出(千トン)

884

961

1,051

1,375

1,367

 計(千トン)

10,387

10,248

9,906

10,192

10,085

 

 

2 売上高、損益の推移(最近5連結会計年度)

 

平成26年3月
(第151期)

平成27年3月
(第152期)

平成28年3月
(第153期)

平成29年3月
(第154期)

平成30年3月
(第155期)

売上高(百万円)

235,078

234,539

234,192

234,062

244,826

営業利益(百万円)

21,504

22,207

23,614

21,530

18,990

経常利益(百万円)

22,400

24,383

24,560

22,627

20,153

親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)

13,331

13,337

16,110

16,210

14,659

総資産額(百万円)

325,328

335,981

325,710

336,790

340,980

売上高経常利益率(%)

9.5

10.4

10.5

9.7

8.2

総資産経常利益率(%)

7.0

7.4

7.4

6.8

5.9

 

 

 

(2)財政状態(流動性及び資本の源泉)の分析

当連結会計年度末の総資産は340,980百万円となり、前連結会計年度末に比べて4,189百万円の増加となった。流動資産は101,331百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,560百万円の増加となった。固定資産は239,648百万円となり、前連結会計年度末に比べて、2,628百万円の増加となった。

流動資産増加の主な要因は、売掛金の増加等によるものである。固定資産増加の主な要因は、機械及び装置の増加等によるものである。

当連結会計年度末の負債の合計は136,822百万円となり、前連結会計年度末に比べて4,099百万円の減少となった。流動負債は74,742百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,791百万円の減少となった。固定負債は62,080百万円となり、前連結会計年度末に比べて2,307百万円の減少となった。

流動負債減少の主な要因は、短期借入金の減少等によるものである。固定負債減少の主な要因は、繰延税金負債の減少等によるものである。

当連結会計年度末の純資産は204,157百万円となり、前連結会計年度末に比べて8,288百万円の増加となった。主な要因は、利益剰余金の増加等によるものである。

なお最近5連結会計年度においては、営業活動によるキャッシュ・フローにより現金及び現金同等物(以下「資金」という。)を確実に獲得し、その資金を設備投資に活用した。有利子負債は削減し、平成30年3月期には61,808百万円となった。

 

1 キャッシュ・フローの推移(最近5連結会計年度)

 

平成26年3月
(第151期)

平成27年3月
(第152期)

平成28年3月
(第153期)

平成29年3月
(第154期)

平成30年3月
(第155期)

営業活動によるキャッシュ・
フロー(百万円)

32,537

30,256

32,618

29,231

26,470

投資活動によるキャッシュ・
フロー(百万円)

△17,950

△16,043

△15,691

△17,700

△24,753

財務活動によるキャッシュ・
フロー(百万円)

△7,967

△16,051

△15,705

△16,123

△6,626

現金及び現金同等物の期末残高(百万円)

31,928

30,132

31,378

26,672

22,072

 

 

なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況は、「(経営成績等の概要)の(2)キャッシュ・フローの状況」に記載している。

 

2 有利子負債の推移(最近5連結会計年度)

 

平成26年3月
(第151期)

平成27年3月
(第152期)

平成28年3月
(第153期)

平成29年3月
(第154期)

平成30年3月
(第155期)

有利子負債残高(百万円)

98,147

84,325

76,507

64,217

61,808

純資産額(百万円)

154,821

175,754

177,247

195,869

204,157

有利子負債/純資産(%)

63.4

48.0

43.2

32.8

30.3

 

(注) 有利子負債残高は短期借入金、社債及び長期借入金の合計額である。

 

今後、当社グループは、「2017-2019年度 中期経営計画」を踏まえて安定的に成長できる布石を打っていく中で、収益の改善・拡大に努めていき、営業活動で獲得した資金は、維持更新に加えて成長戦略への投資や株主還元などに活用していく方針である。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項なし。

 

 

5【研究開発活動】

当社グループ(当社及び連結子会社)は、常に独創技術の開発を基本理念として、主力事業であるセメント・コンクリート、並びにその周辺分野である建設資材等に関する新技術・新製品の研究開発をはじめ、それらの基盤技術をベースとした新規事業である光電子・新材料・電池材料事業分野における研究開発に至るまで、幅広く積極的な研究開発活動を行っている。

当社グループの研究開発体制は、セメント・コンクリート研究所、新規技術研究所、建材事業部、光電子事業部、新材料事業部、電池材料事業部より構成されており、研究開発スタッフは、約200名である。

なお、当連結会計年度における研究開発費は2,976百万円であり、各セグメントの研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次の通りである。

 

1. セメント

当社のセメント・コンクリート研究所が、セメント事業に係わるセメント、コンクリート及びその関連分野の研究、開発を行っている。なお、当事業に係る研究開発費は889百万円であり、当連結会計年度の主な成果としては以下の通りである。

①セメント・固化材の品質及び環境負荷低減に対応したセメント製造技術に関する研究

②資源循環型社会に向けたリサイクル資源の原燃料化に関する研究

③高機能・高性能コンクリートの開発

④セメント系環境配慮型舗装の開発と普及

⑤重金属汚染対策材の拡販に向けた技術開発

 

2. 建材

当社のセメント・コンクリート研究所が、建材事業に係わるセメント関連製品の研究、開発を行い、建材事業部が、それをもとに商品化及び改良、用途開発を行い、新商品の初期事業化を行っている。また、建材事業部独自にて、電気防食、海洋製品の開発を手掛けている。なお、当事業に係る研究開発費は193百万円であり、当連結会計年度の主な成果としては以下の通りである。

①コンクリート床版補修材料の開発、高性能化

②断面補修材・表面被覆材料の高性能化

③無機系、あと施工アンカー注入材

④新型陽極材

 

3. 光電子

当社の新規技術研究所が光電子分野の基礎研究及び商品開発を行い、それをもとに光電子事業部がその応用製品の商品化、並びに事業化の研究・開発を行っている。なお、当事業に係る研究開発費は879百万円であり、当連結会計年度の主な成果としては以下の通りである。

①100G/200G伝送方式の共用化に向けたコヒーレント対応LN変調器の高性能化

②次世代400G伝送方式に用いられるLN変調器の要素技術開発

③次世代材料を用いた光デバイスの基盤技術開発

 

4. 新材料

当社の新規技術研究所が新材料分野の基礎研究及び商品開発を行い、それをもとに新材料事業部がその応用製品の商品化、並びに事業化の研究・開発を行っている。なお、当事業に係る研究開発費は684百万円であり、当連結会計年度の主な成果としては以下の通りである。

①次世代半導体製造装置向け静電チャックの商品開発

②化粧品用紫外線遮蔽材料の商品開発

③半導体用材料および新規化粧品用材料の開発、基盤技術拡充

 

5. 電池材料事業

当社の新規技術研究所が電池材料分野の基礎研究及び商品開発を行い、それをもとに電池材料事業部がその応用製品の商品化、並びに事業化の研究・開発を行っている。なお、当事業に係る研究開発費は330百万円であり、当連結会計年度の主な成果としては以下の通りである。

①二次電池正極材料高出力/高耐久モデルの商品開発

②二次電池正極材料高電圧モデルの商品開発