第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

<経営方針>

当社グループは、「私たちは、地球環境に配慮し、たゆまない技術開発と多様な事業活動を通じて、豊かな社会の維持・発展に貢献する企業グループを目指します。」という企業理念のもと、セメントをはじめとする各種製品の安定供給を推進するとともに、持続的発展のため、グループを挙げて事業拡大及びコスト削減等に取り組んでまいります。

 

<事業環境>

今後のわが国経済は、為替の動向等による物価上昇や海外経済の下振れによる影響がわが国の景気を下押しするリスクがなお存在するものの、政府の経済対策等の効果もあって、引き続き緩やかに持ち直していくことが期待されます。

セメント業界におきましては、都市部における再開発工事等の民間設備投資が引き続き増加することにより、民需は、増加すると見込まれ、また官公需は、公共投資が前年並みで推移すると見込まれることから、セメント国内需要は、増加するものと思われます。   

 

<「2020―22年度 中期経営計画」の総括>

 当社グループは、「2020―22年度 中期経営計画」において、セメント関連事業及び高機能品事業の両事業分野で、市場を拡大し、安定的に成長し続ける企業グループとなることを将来目指すべき方向性として、各種施策を実行してまいりました。ところが、当期は、国際情勢等の事業環境において想定以上の変化が生じたため、最優先でこれに対応するとともに、本中期経営計画が大幅な計画未達となることが見込まれたことから、セメント関連事業においては、コストアップに対応したセメント販売価格の値上げ及び石炭の安定調達に努め、高機能品事業においては、半導体製造装置向け電子材料需要拡大への対応に取り組み、次期中期経営計画に向けた態勢の立て直しに注力してまいりました。しかしながら、本中期経営計画については、収益面においては計画未達となりました。

 

<「2023―25年度 中期経営計画」>

 当社グループは、中長期ビジョンとして2035年のありたい姿「SOC Vision2035」を定めました。本ビジョンにおいては、環境解決をキーワードとして、持続的な成長を通じて、社会の中で存在感のある会社となることを目指しており、その最初のステップとして、「2023―25年度 中期経営計画」を策定し、次のとおり取り組んでまいります。

 

 ①既存事業収益改善

  (イ)セメント事業収益力回復

  (ロ)次世代光通信部品の市場シェア獲得による収益改善

 ②成長基盤構築

  (イ)半導体製造装置向け電子材料事業へのリソース集中投入による規模拡大・収益力強化

  (ロ)海外事業拡大(豪州事業)

  (ハ)脱炭素分野の新規事業開発

 ③経営基盤強化

  (イ)人材戦略   :事業成長を支える人への投資及び新しい人事施策の積極的運用

  (ロ)研究開発戦略 :高機能品事業分野、脱炭素分野の新規事業創出のための研究開発強化

  (ハ)知財戦略   :知財スキル人材育成及び知財情報解析の経営戦略への活用(IPランド

             スケープ)の推進

  (ニ)DX戦略   :各事業部門の課題解決のための基盤整備

 

 これらの取り組みを通じて利益の最大化を実現し、安定配当を含めた持続的な株主還元を図るとともに、資産圧縮等による資本最適化を通じて、2025年度の数値目標として、ROE(自己資本当期純利益率)8%以上及びROIC(投下資本利益率)5%以上を目指してまいります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)方針

当社グループは、「信用を重んじ確実を旨とする」住友の事業精神に基づき、「私たちは、地球環境に配慮し、たゆまない技術開発と多様な事業活動を通じて、豊かな社会の維持・発展に貢献する企業グループを目指します。」と企業理念を定め、事業を通じて社会課題の解決に取り組んできました。

当社グループの持続的で健全な発展には、「地球温暖化防止」という国境を越えた社会課題への取組が必要不可欠だと考えており、2020年には、2050年カーボンニュートラルへ向けた長期ビジョン「SO-CN2050」を策定し公表しました。また、広範囲に及ぶサステナビリティ(持続可能性)を経営に取り入れていく必要があると考え、カーボンニュートラルの実現とともに、「サプライチェーン等における人権尊重」に対しても、包摂的に取り組んでいきます。

 

(2)マテリアリティ

当社グループは、企業活動を通じて重点的に取り組む社会課題を、下記の通り5つのマテリアリティとして特定しております。マテリアリティへの取組は、当社グループの成長と社会課題の解決を両立するもので、中長期の経営戦略の基盤となるものです。

 

 ①豊かな社会の維持・発展に貢献

社会インフラを構築するために不可欠で、国民の安全・安心を守る国土強靭化に貢献するセメント製品・サービスの安定供給と、より便利で快適なIoT・ICT社会に必要な高機能品事業の展開を通して、イノベーションを支え、豊かな社会の維持・発展を目指します。また、研究・開発を継続して行い、製品の安全と品質を高めていきます。

 

 ②地球環境への配慮

環境負荷の少ない生産・発電・物流を追求して、地球環境保全を図ります。鉱山では資源開発を緑化等による森林復元とともに行い、工場・事業所ではエネルギーの効率的な利用、温室効果ガス排出削減、大気・水・土壌の汚染防止を進めていきます。

 

 ③循環型社会への貢献

セメント製造を通して、産業廃棄物・一般廃棄物・副産物を安全かつ大量にリサイクルして、循環型社会に貢献します。また、バイオマス発電事業により、地域の間伐材等を受け入れ、クリーンエネルギー創出の役割を担っていきます。

 

 ④人材の育成・活用

社員向け研修や、ダイバーシティ推進など諸施策を通して、人材の育成と活用を図ります。各職場では安全への取組を実施し、人権を尊重し、従業員が心身ともに健康に働けるような環境づくりを推進します。

 

 ⑤ガバナンスの充実

企業経営を規律する仕組みであるコーポレートガバナンスの充実により、経営の効率性を向上させるとともに、コンプライアンスを徹底することにより経営の健全性と透明性を確保し、継続的な企業価値の向上を実現させます。

 

(3)サステナビリティ委員会の設置

当社グループは「サステナビリティ委員会」を、サステナビリティ(持続可能性)の意識高揚、浸透および定着を図る目的で設置しています。委員長を社長と定め、全社の組織を横断して、事業活動と一体化したサステナビリティ推進に取り組んでいます。

同委員会の中に専門部会として、カーボンニュートラルおよび環境(生物多様性、大気への排出、排水、廃棄物等)への取組を推進する「カーボンニュートラル・環境部会」と、労働・社会(サプライチェーン等における人権尊重等)への取組を推進する「労働・社会部会」を設置しています。

委員会および部会は、議事内容を取締役会に定期的に報告し、重要な事項については取締役会に付議することで、取締役会が監督し、経営と一体としてサステナビリティ課題に取り組んでいます。

 


 

(4)気候変動に関する取組(TCFD提言に沿った気候変動関連の情報開示)

当社グループは2021年7月に、金融安定理事会(FSB)により設置された気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)による提言に賛同し、当社グループのCO2排出量の大部分を占めるセメント事業を含むセメント関連事業、高機能品事業等、全事業における気候変動が及ぼす影響についてシナリオ分析を行いました。

 

 ガバナンス

当社グループの気候変動問題への取組を推進する機関として社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置しています。その下部組織である専門部会「カーボンニュートラル・環境部会」は定期的に開催され、気候変動問題に関する情報の集約、リスクの想定、対応策の立案、社内教育・啓蒙プログラム推進等、年度活動の計画立案およびその進捗管理を行っています。カーボンニュートラル・環境部会において審議された重要な事項については取締役会へ報告し、審議されます。また、カーボンニュートラル・環境部会を運営し、気候変動問題を中心としたサステナビリティ課題に関する事項を専属で司る「サステナビリティ推進室」を常設組織として設置しています。

 

 戦略

当社グループ全事業における気候変動の影響について、2030年を想定し、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)やIEA(国際エネルギー機関)などの専門機関が描くシナリオを参考に、分析を行いました。気候変動がもたらすリスクは、低炭素社会への移行に伴うリスク(移行リスク)と物理的な影響(物理的リスク)に分けられます。地球の平均気温上昇が産業革命前と比べて2℃以下または4℃上昇するシナリオを想定し、それぞれのリスクと機会について、影響度が高いと思われる項目を抽出しました。

 

 

分 類

リスク

機会

移行リスク

政策

・規制

炭素税の引き上げ、温室効果ガス排出や化石エネルギーに関する規制

・セメント産業はエネルギー多消費産業であるため、化石エネルギーの価格上昇によりエネルギーコストの増加が想定される。

・保有する自家発電設備が、非効率石炭火力のフェードアウト対象となった場合、売電事業の縮小や喪失の可能性がある。発電設備の廃止により工場使用電力を小売電気事業者から購入した場合、電力コストの増加が想定される。

 

・従来より力を入れている石炭代替(廃プラスチック、バイオマス燃料)の更なる利用推進により、廃棄物収集事業における収益拡大が期待できる。

・工場跡地等多数保有する遊休地を、再生可能エネルギー発電等の新規発電設備や植林に活用できる可能性があり,グリーン電力やグリーンカーボンにより気候変動問題対応から発想する、新たな事業の創出が期待できる。

技術

新技術の開発

・新技術の研究開発費やカーボンニュートラル実現のための設備投資増加による、コストの増加が予想される。

・CO2排出削減技術の向上に伴う収益獲得が期待できる。(炭酸塩鉱物化技術、人工光合成水素製造技術、アンモニア/水素利用技術)

・CO2有効利用技術の進歩とその活用により、大量のCO2の安定的固定化と新たな事業分野への拡大が期待できる。(メタン、メタノール、プラスチック素材)

・保有する未使用特許を新しい市場で活用できる可能性がある。

 

市場

ユーザー行動の変化

・混合セメントの使用量が増え、クリンカ生産量の減少が想定される。

・炭素排出コストが低い国からの低価格セメントの流入、気候変動対策の進んだ国からの低炭素型セメントの普及が進み、セメントシェアを圧迫する可能性がある。

・低炭素物流が求められることで物流コストが増加する可能性がある。

・従来より取り組んできた低炭素型セメント、低炭素型コンクリートのさらなる開発と普及促進により製品の差別化が進み、今後普及と成長が期待される低炭素型建設構造物への採用が進み、事業を拡大することができる。

・ヒートアイランド現象低減効果、燃費向上効果、耐久性の観点でLCCに優れたコンクリート舗装が普及し、セメント需要が増加する可能性がある。

 

 

 

 

分 類

リスク

機会

移行リスク

市場

リサイクル市場

・廃棄物/副産物(廃油類、廃プラスチック、石炭灰、排煙脱硫石膏等)の発生減少により、廃棄物の収集競争激化、品質悪化、処理費下落、価格高騰が想定される。

・バイオマス燃料の調達競争が激化することで価格高騰が想定される。

・廃棄物/副産物処理の技術力向上に伴い受入可能な品目が増加し、廃棄物収集・利活用における収益が期待できる。

・多様な廃棄物を収集、原燃料処理できる巨大な製造インフラを有していることから、廃棄物からの資源抽出・精製・販売などの新規事業分野の拡大が期待できる。

高機能品事業

 

 

・平均気温上昇に伴うライフスタイル、ワークスタイルの変革によるデータトラフィックの増大や脱化石エネルギー化による電力供給不足により、大容量、高速、省電力デバイスのニーズが高まり、光通信部品や半導体製造装置需要の増加が想定される。

評判

ステークホルダーの評価の変化

 

・温室効果ガス排出企業への評価低下による資金調達難等が予想される。

・積極的な気候変動対策、CO2利活用に係る新規技術開発と新しいビジネスモデルの推進、廃棄物/副産物処理の貢献への評価上昇により、資金調達、社員採用で有利に働くことが期待できる。

物理的リスク

 

急性的

自然災害の頻発・

激甚化

 

・大型台風・豪雨等の頻発により、生産拠点の被害やサプライチェーンが寸断され、操業への支障や復旧に要するコスト増加が想定される。

・国土強靭化に資するインフラ整備、構造物の維持・補強・補修などに伴うセメント関連製品の需要増加が見込まれる。

・災害廃棄物処理の要請により、社会的役割を高めていくことができる。

 

慢性的

平均気温の上昇、慢性的な異常気象の発生

・気温上昇により生産現場における従業員の健康・安全面での労働力への悪影響が想定される。

・海面上昇により、臨海拠点の高潮等浸水被害の可能性がある。

・より一層の工期短縮や施工効率化などの省人化工法の需要増加が見込まれる。

・海洋製品の需要拡大、事業創出により新たな収益源を獲得できる可能性がある。

 

 

 

2℃シナリオでは、炭素税の引き上げや化石エネルギーに関する規制が強化され、セメント製造及び自家発電設備において石炭を使用するほかに、他社石炭火力発電所から発生する石炭灰・石膏をセメント原料とする当社グループにとって、コスト増加が想定される一方で、石炭に代わる熱エネルギーとして廃プラスチックや木質バイオマス燃料の利用を高めることで、リサイクル処理収入による収益拡大と化石エネルギーの代替によるCO2排出量削減が期待できます。

また、CO2の排出削減を推進するためには、研究開発や設備投資によるコストの増加が予想されますが、同時に、技術力向上による新たな事業の創出、収益機会の獲得が期待できます。低炭素社会への移行に際し、ユーザー行動の変容が想定されますが、製造過程でCO2を発生するセメントを敬遠し需要が減少する可能性がある反面、アスファルト舗装よりもライフサイクルコストに優れ、気温上昇を抑える効果も有するコンクリート舗装の評価が高まり、セメント需要が増加する可能性もあります。廃棄物/副産物の発生量が減少することが想定され、廃棄物/副産物の調達に影響を及ぼす可能性がある一方で、廃棄物/副産物処理技術の向上に伴い受入れ可能な品目が拡大し、収益の増加が期待できます。またセメント産業はCO2を排出する産業としてステークホルダーの評価が下がり、資金調達難等が想定される反面、気候変動対策、廃棄物/副産物処理を推進することで企業評価を高めることが期待できます。

高機能品事業分野では、ライフスタイル、ワーキングスタイルの変革によるデータトラフィックの増大や脱化石エネルギーによる電力の増加に伴う需給逼迫リスクが増大することから、大容量、高速、省電力デバイスのニーズが高まり、光電子事業の光通信部品や新材料事業の半導体製造装置部品の需要増が期待できます。

4℃シナリオでは、気候変動を原因とする平均気温の上昇や自然災害の頻発・激甚化により、生産部門での労働力への影響や生産拠点やサプライチェーンの被害増加が生じ、コスト増加が見込まれる反面、国土強靭化に資するセメント関連製品や省人化工法等の需要増加が見込まれます。

 

リスク管理

 当社グループは、サステナビリティ推進室を事務局とする「サステナビリティ委員会カーボンニュートラル・環境部会」においてCO2排出量削減の計画立案、進捗管理をグループ横断的に行っています。当社グループの事業が気候変動によって受ける影響を識別・評価するため、気候変動のリスクと機会を抽出、分析し、必要に応じて「サステナビリティ委員会カーボンニュートラル・環境部会」や取締役会を通じて適切に対処します。

 

指標及び目標

 当社グループは企業活動を通じて重点的に取り組む社会課題であるマテリアリティ(重要課題)の一つとして「地球環境への配慮」を掲げ、リサイクルによるエネルギー代替の推進やバイオマス発電の活用など地球温暖化防止に取り組んできました。また、2020年12月には、「2050年カーボンニュートラル」に向けた具体的な中期目標並びに長期取組方針である2050年カーボンニュートラルビジョン「SO-CN2050」を策定し、2050年までのあらゆる方策を通じて、当社グループの企業活動をカーボンニュートラルにすることに挑戦するとともに、サプライチェーンを通じて社会全体の脱炭素化への貢献をするための取組を進めています。

 

<2030年のCO2排出削減目標>

 当社グループのセメント工場は、これまで培ったリサイクル利用技術やその調達の最適化により国内トップクラスの化石エネルギー代替率およびリサイクル品使用原単位を実現しています。加えて、国内外の先端省エネルギー基幹設備やバイオマス自家発電設備をいち早く導入するなど、セメント製造に係る温室効果ガス排出の削減に積極的に取り組んできました。

 

 ・2030年エネルギー起源CO2排出原単位を2005年比30%削減(排出量では45%削減)

①リサイクル品の更なる利用拡大により化石エネルギー代替率トップクラスの堅持

 目標:化石エネルギー代替率全社平均50%以上へ

 (当社グループ5工場8キルンのうち4キルンで化石エネルギー代替率80%超)

②熱効率・電力消費の最小化により電気エネルギー削減(原料粉砕工程の最新鋭化)

③自家発電で使用する化石エネルギー削減(木質チップなどバイオマス燃料増量)

 

・目標に対する進捗    

                                         (単位:kg-CO2/t)

エネルギー起源CO2排出原単位

実績

目標

2005年度

2021年度

2030年度

316

275

220

 

 

 

(5)人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略

当社グループは、従業員が安心して働く事ができるように、安全・健康で働きやすい快適な職場環境づくりに努めています。また従業員一人ひとりが長きにわたりいきいきと働ける組織・職場づくりを目指し、能力や適性を活かして社会に貢献できる人材の育成と、活力のある会社づくりを目指しています。

 

①健康経営(well-being)への取組

社員の健康保持増進に取り組むため、健康宣言「住友大阪セメントグループは、すべての社員がノビノビ・イキイキと心身ともに健康で、元気よく働くことができる、活気あふれる会社を目指します。」を制定し、2021年度の健康経営度調査においては、感染対策や健康診断の受診率、労働時間などのワークライフバランスが業種平均を上回った点が評価され、当社において健康経営優良法人2022(大規模法人部門)の認定を取得しました。

男女とも仕事と生活を両立させながら意欲高く働き続けられる職場環境づくりを推進するため、法定を上回る育児・介護休業制度や短時間勤務制度の整備や、一事業年度のうち、年次有給休暇取得奨励日を計画的に配置する事で年次有給休暇取得率の向上を図っております。また、テレワーク制度・フレックス制度を整備することで、従業員の多様で柔軟な働き方を実現しております。

その他の取組として、女性特有の健康課題について、従業員への周知と理解を深めることを目的とした産婦人科・小児科オンライン(相談窓口)サービスの導入や、従業員の喫煙率低下を目的とした、卒煙に向けた情報発信、啓蒙活動等に取り組んでおります。

 

②人材の育成・ダイバーシティの推進

企業価値の向上に不可欠な市場価値の高いプロフェッショナル人材の育成を目的として各種研修を実施しております。

1―4年目の若手社員に対しては、先輩社員が新入社員を指導する「トレーナー制度」や若手社員の早期戦力化を目的とした研修を実施し、若手社員の育成に注力しております。5年目以降の階層別研修では、中長期的視点と広い視野で10年後の当社の姿を常に考えながら行動することと、人材育成の重要性の意識づけを目的に、集合研修・個別指導など複数の手法で実施し、従業員のキャリアに応じた幅広い教育プログラムにて人材の育成に取り組んでおります。

また、多様な人材がいきいきと働ける企業を目指し、女性の積極採用並びに活躍の場の拡充や、障がい者雇用に積極的に取り組み、定着に向けた取組を進めています。定年退職者に対しては、知識・技能経験を保有した貴重な人材と位置づけ、若年世代への着実な技術継承を行う為、希望者全員が65歳まで更新できる再雇用制度を導入しています。加えて、キャリアを振り返り、自身の強みを活かした新たな役割を創造するため、57歳と59歳でキャリア研修を実施しております。

 

③安全衛生への取組

従業員の安全衛生は企業存立の基盤をなすものであり、安全衛生の確保は企業として重要な責務であると考えています。当社グループは安全に厳しい企業として、災害ゼロを目指しており、職場単位の安全教育や、階層別安全教育、安全体感装置を用いた安全体感教育等を通じ、「安全に厳しい風土づくり」の醸成に努めています。

また、当社グループでは、全社の安全衛生・保安対策本部を設置し、事務局を中心とした定期的な連絡会の実施等、安全に対する一層の取組強化を行っています。

不安全行動と不安全状態の解消を徹底し、安全衛生水準の更なる向上と快適な作業環境の形成を図ります。

 

(6)人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標並びに当該指標を用いた目標及び実績

(5)人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略で記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標および実績は、次の通りであります。

なお、当社グループでは、当該指標については、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組が行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。

 

指標

目標

実績(当事業年度)

管理職に占める女性労働者の割合

2024年3月31日までに2%以上

1.6%

男性労働者の育児休業取得率

2024年3月31日までに25%以上

33.3%

新卒採用数(総合職)に占める女性

労働者の割合

その事業年度の採用活動における

採用率20%以上

8.8%

年次有給休暇取得率(組合員平均)

組合員平均で80%以上の取得率

81.2%

 

 

 

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の概況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)セメント国内需要の減少リスク

当社グループの基幹事業であるセメントの国内需要は、わが国の公共投資や民間設備投資等の動向に強く影響を受けております。そのため、国内の公共投資や民間設備投資が予測を上回る急激なスピードで減少した場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。しかしながら、セメントは社会資本を整備する上で欠かすことのできないものであり、中長期的には一定規模以上の需要は安定的に確保されることが予想されます。また、当社グループは当面の国内需要の減少を見据え、過年度においてセメント工場閉鎖による生産体制の見直しを行うとともにさまざまなコスト削減や販売価格の改善にも取り組んでおります。

 

(2)原材料の価格高騰リスク

当社グループの主力事業であるセメント事業では、石灰石、粘土、石炭等さまざまな原材料を使用しております。そのため、それら原材料の価格高騰はセメント製造コストの増加を招き、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。しかしながら、石灰石は長期にわたって当社グループの自社鉱山より安定して供給することができる体制が整っております。一方、石炭は、価格が高騰しており、ロシア・ウクライナをめぐる国際情勢等、今後の情勢次第では価格の高騰が長引く可能性があります。当社グループは石炭の調達価格上昇によるコスト増加分は販売価格への転嫁に努め、業績への影響の軽減を図っております。

 

(3)債権回収リスク

当社グループは、主力製品である各種セメントや生コンクリートについては建設業等の大口顧客やそれら建設業等の大口顧客を取引先とする販売店との取引を行っております。それら取引先等の業績が急激に悪化し、当社グループの債権について貸倒れによる損失が発生した場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループは「SS(セメント・サービス・ステーション)渡し」による売掛債権圧縮や取引先に対する流動性担保の確保等を推進し与信管理を強化しております。

 

(4)工場操業に伴うリスク

セメント産業は装置産業であり、当社グループのセメント工場は大型設備を有しております。そのため、重大故障、火災、事故、自然災害、停電その他の予期せぬ事態により、工場操業に支障を来す事態が発生した場合、復旧するための時間やコストを浪費することになり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。しかしながら、当社グループは全ての工場において定期的な設備点検や災害防止パトロールを行い、生産計画に基づいた安定操業を図るべく万全の配慮を払っており、想定されるリスクが発生する可能性は低いものと考えております。また、当社グループは全国6拠点(当社4工場、関係会社2工場)にセメント工場を有しており、仮にどこか1つの工場で操業に支障を来す事態が発生した場合でも、セメント工場間の操業振替や業務提携先からの仕入等により取引先に対するセメント供給は安定して行うことが可能であります。

 

 (5)高機能品事業のリスク

当社グループの事業のうち、高機能品事業の関わる市場は、技術の急速な変化やこれに伴う顧客の需要の変化に影響を受けます。業界で頻繁な技術革新があるため、比較的短期間で当社グループの既存製品が陳腐化する可能性があります。

 

 

(6)固定資産の減損リスク

固定資産減損会計の適用に伴い、固定資産が収益性の低下や市場価値の下落により投資額の回収が見込めないと判断された場合、将来の収益計画等に関する予測に基づき、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額する固定資産の減損処理が必要となります。現時点では、固定資産減損会計への対応は完了しておりますが、今後の地価の動向や事業環境の変化により、減損損失が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績の状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

  (7)感染症の流行に伴うリスク

ウイルス等の感染症の流行により、当社グループの国内外事業所及び製造拠点等での活動に関する規制等を受けた場合、製造の中断、営業・物流・調達機能の停滞等が発生し業績に影響を与える可能性があります。さらに、国内外での経済・生産活動が停滞した場合には、出荷先の状況により生産縮小、停止、在庫調整により出荷の減少が見込まれ、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、感染症の発生時には、従業員をはじめとする当社グループの業務に従事する方々の安全確保を第一に考え、原則在宅勤務への移行等の対応を実施いたします。

 

  (8)環境規制等に伴うリスク

  当社グループは、業界最高レベルの資源・エネルギー効率でセメントを生産し、中長期的なCO2排出量削減の観点から長年培った技術の海外への移転・普及にも積極的に取り組んでおりますが、今後、CO2の排出や化石燃料の利用に対する新たな規制等が導入された場合には、セメント事業を中心に当社グループの事業活動が制約を受けたり、費用が増加したりする可能性があります。

 引き続き、「2050年カーボンニュートラル」に向けた当社グループの具体的な中期目標及び長期取組方針である「SO-CN2050」に基づき、CO2排出削減への取組を進めてまいります。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(経営成績等の概要)

(1)財政状態及び経営成績の状況

当期におけるわが国経済は、為替の動向等による物価上昇の影響がみられたものの、新型コロナウイルス感染症の影響が落ち着いたことに加え、海外経済の改善や政府の経済対策等の効果もあり、緩やかな持ち直しの状況が続きました。

セメント業界におきましては、都市部における再開発工事等により民間設備投資が増加したことから、民需が増加したものの、公共事業関係費予算の減額や人手不足等の影響により、官公需が減少したことから、セメント国内需要は、前期を1.6%下回る37,280千トンとなりました。一方、輸出は、前期を29.1%下回りました。この結果、輸出分を含めた国内メーカーの総販売数量は、前期を8.0%下回る45,402千トンとなりました。

このような情勢の中で、当社グループは、当期を最終年度とする「2020-22年度 中期経営計画」に基づき、事業戦略として、セメント関連事業(セメント・鉱産品・建材)においては、「セメント・固化材の収益力向上と事業基盤整備」・「関連事業の拡大」、高機能品事業(光電子・新材料)においては、「既存主力商品の競争優位性の確保と新製品の開発」に係る諸施策に取り組み、また、環境対策として、「環境対策強化」・「CO2排出削減への取り組み」を実行してまいりました。

以上の結果、当期の売上高は、セメント事業、新材料事業等で増収となったことから、204,705百万円と前期実績を11.1%上回りました。

しかしながら、損益は、セメント事業等で減益となったことから、7,849百万円の経常損失となり、前期に比べ17,683百万円悪化し、また、投資有価証券売却益を計上したものの、5,719百万円の親会社株主に帰属する当期純損失となり、前期に比べ15,394百万円の悪化となりました。

 

 事業別の概況は、次のとおりであります。

 なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。

 

1. セメント

販売数量が前期を下回ったものの、コストアップに対応した国内販売価格の値上げを実施したことなどから、売上高は、140,344百万円と前期に比べ13,724百万円(10.8%)増となったものの、石炭価格の高騰等により、損益は、19,542百万円の営業損失と前期に比べ17,160百万円の悪化となりました。

 

2. 鉱産品

海外及び国内鉄鋼向け石灰石が増収となったことなどから、売上高は、13,370百万円と前期に比べ1,060百万円(8.6%)増となり、営業利益は、2,448百万円と前期に比べ184百万円(8.1%)増となりました。

 

3. 建材

地盤改良工事が増加したことなどから、売上高は、22,107百万円と前期に比べ1,384百万円(6.7%)増となったものの、営業利益は、コンクリート二次製品の販売数量が減少したこと及び原材料費等のコストが増加したことなどから、1,511百万円と前期に比べ306百万円(16.9%)減となりました。

 

4. 光電子

新伝送方式用光通信部品の販売数量が減少したことなどから、売上高は、2,385百万円と前期に比べ1,382百万円(36.7%)減となり、損益は、129百万円の営業損失と前期に比べ228百万円の悪化となりました。

 

5. 新材料

半導体製造装置向け電子材料の販売数量が増加したことなどから、売上高は、21,678百万円と前期に比べ7,082百万円(48.5%)増となり、営業利益は、5,384百万円と前期に比べ2,080百万円(63.0%)増となりました。

 

6. その他

電池材料事業を譲渡したことなどにより、売上高は、4,818百万円と前期に比べ1,373百万円(22.2%)減となったものの、不動産賃貸事業における補修費が減少したことなどにより、営業利益は、1,867百万円と前期に比べ166百万円(9.8%)増となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当期の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によって16,146百万円減少し、また、投資活動によって19,818百万円減少し、財務活動によって37,292百万円増加したこと等により、前期末に比べ1,414百万円の増加となりました。その結果、当期末の資金残高は14,500百万円(前期比10.8%増)となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動により使用した資金は、16,146百万円(前連結会計年度は18,255百万円の収入)となりました。これは、税金等調整前当期純損失3,111百万円、棚卸資産の増減額23,484百万円の増加(支出)があったこと等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動により使用した資金は、19,818百万円(前期比23.4%の支出増加)となりました。これは、固定資産の取得による支出27,913百万円があったこと等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動により得られた資金は、37,292百万円(前連結会計年度は7,995百万円の支出)となりました。これは、長期借入れによる収入18,860百万円、社債の発行による収入15,000百万円があったこと等によるものです。

 

 

(生産、受注及び販売の状況)

(1)生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

セメント

99,195

144.8

鉱産品

9,734

120.4

建材

4,644

100.9

光電子

2,073

50.2

新材料

14,723

155.7

その他

1,395

67.3

合計

131,767

136.0

 

(注) 金額は製造原価ベースによっております。

 

(2)受注状況

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

 

セグメントの名称

受注高
(百万円)

前期比(%)

受注残高
(百万円)

前期比(%)

建材

16,923

124.7

4,618

138.5

その他

3,267

188.1

438

103.6

合計

20,191

131.9

5,057

134.6

 

(注) 対象は、建材セグメントにおける各種工事、不動産・その他事業における各種ソフトウエア製作、各種電気工事等であります。なお、上記以外のセグメントについては、受注生産形態をとらない製品がほとんどであるため、記載を省略しております。

 

(3)販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

セメント

140,344

110.8

鉱産品

13,370

108.6

建材

22,107

106.7

光電子

2,385

63.3

新材料

21,678

148.5

その他

4,818

77.8

合計

204,705

111.1

 

(注)主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10以上となる取引先が存在しないため、記載を省略しております。

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

経営者の視点による当社グループ(当社及び連結子会社)の当連結会計年度における経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下の通りであります。

 

(1)経営成績の分析

当連結会計年度の経営成績の概況については、「(経営成績等の概要)の(1)財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

 

1 セメント需要、当社セメント販売数量の推移(最近5連結会計年度)

 

2019年3月
第156期

2020年3月
第157期

2021年3月
第158期

2022年3月
第159期

2023年3月
第160期

セメント需要

 

 

 

 

 

 国内需要(千トン)

42,589

40,970

38,670

37,882

37,280

 輸出(千トン)

10,371

10,532

11,113

11,484

8,137

当社販売数量

 

 

 

 

 

 国内(千トン)

8,925

8,764

8,286

8,342

8,145

 輸出(千トン)

1,366

1,295

1,424

1,535

1,150

 計(千トン)

10,291

10,058

9,710

9,876

9,295

 

 

2 売上高、損益の推移(最近5連結会計年度)

 

2019年3月
第156期

2020年3月
第157期

2021年3月
第158期

2022年3月
第159期

2023年3月
第160期

売上高(百万円)

251,061

245,159

239,274

184,209

204,705

営業利益又は営業損失(△)(百万円)

14,178

16,128

16,631

6,878

△8,555

経常利益又は経常損失(△)(百万円)

15,799

16,947

17,641

9,834

△7,849

親会社株主に帰属する当期純利益又は
親会社株主に帰属する当期純損失(△)(百万円)

7,799

10,922

11,719

9,674

△5,719

総資産額(百万円)

324,755

321,108

329,650

331,107

356,558

売上高経常利益率(%)

6.3

6.9

7.4

5.3

△3.8

総資産経常利益率(%)

4.8

5.2

5.4

3.0

△2.3

 

 

 

(2)財政状態(流動性及び資本の源泉)の分析

当連結会計年度末の総資産は356,558百万円となり、前連結会計年度末に比べて25,450百万円の増加となりました。流動資産は116,978百万円となり、前連結会計年度末に比べて29,221百万円の増加となりました。固定資産は239,579百万円となり、前連結会計年度末に比べて3,771百万円の減少となりました。

流動資産増加の主な要因は、原材料及び貯蔵品の増加等によるものです。固定資産減少の主な要因は、投資有価証券の減少等によるものです。

当連結会計年度末の負債の合計は171,966百万円となり、前連結会計年度末に比べて44,032百万円の増加となりました。流動負債は102,044百万円となり、前連結会計年度末に比べて26,564百万円の増加となりました。固定負債は69,922百万円となり、前連結会計年度末に比べて17,467百万円の増加となりました。

流動負債増加の主な要因は、短期借入金、コマーシャルペーパーの増加等によるものです。固定負債増加の主な要因は、社債、長期借入金の増加等によるものです。

当連結会計年度末の純資産は184,591百万円となり、前連結会計年度末に比べて18,582百万円の減少となりました。主な要因は、利益剰余金の減少等によるものです。

 

(3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況は、「(経営成績等の概要)の(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、当社グループの資金需要は、製品の製造販売に関わる原材料費・運搬費や営業費用などの運転資金、設備投資資金及び研究開発などであります。資金調達は、主として内部資金により充当し、必要に応じ金融機関からの借入や社債発行などにより確保しております。

最近5連結会計年度においては、営業活動によるキャッシュ・フローにより現金及び現金同等物(以下「資金」という。)を確実に獲得し、その資金を設備投資に活用しておりましたが、当連結会計年度は、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなったため、金融機関からの借入や社債発行などにより、必要資金を確保いたしました。有利子負債は、2023年3月期には99,719百万円となりました。

今後、当社グループは、2035年のありたい姿である「SOC Vision2035」を目指す中で、収益の改善・拡大に努め、営業活動で獲得した資金は、維持更新に加えてカーボンニュートラルや成長戦略への投資、株主還元などに活用していく方針であります。

 

1 キャッシュ・フローの推移(最近5連結会計年度)

 

2019年3月
第156期

2020年3月
第157期

2021年3月
第158期

2022年3月
第159期

2023年3月
第160期

営業活動によるキャッシュ・
フロー(百万円)

29,252

32,305

32,797

18,255

△16,146

投資活動によるキャッシュ・
フロー(百万円)

△20,032

△18,815

△18,884

△16,062

△19,818

財務活動によるキャッシュ・
フロー(百万円)

△15,755

△12,959

△10,869

△7,995

37,292

現金及び現金同等物の期末残高(百万円)

15,270

15,799

18,600

13,085

14,500

 

 

 

 

2 有利子負債の推移(最近5連結会計年度)

 

2019年3月
第156期

2020年3月
第157期

2021年3月
第158期

2022年3月
第159期

2023年3月
第160期

有利子負債残高(百万円)

61,063

52,608

51,405

56,641

99,719

純資産額(百万円)

194,138

198,699

205,827

203,173

184,591

有利子負債/純資産(%)

31.5

26.5

25.0

27.9

54.0

 

(注) 有利子負債残高は短期借入金、コマーシャルペーパー、社債及び長期借入金の合計額であります。

 

 (4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、固定資産の減損会計や繰延税金資産の回収可能性等については、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っております。当社グループは、これらの見積りの妥当性に対し継続して評価を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6【研究開発活動】

当社グループ(当社及び連結子会社)は、常に独創技術の開発を基本理念として、主力事業であるセメント・コンクリート、並びにその周辺分野である建設資材等に関する新技術・新製品の研究開発をはじめ、それらの基盤技術をベースとした新規事業である光電子・新材料事業分野における研究開発に至るまで、幅広く積極的な研究開発活動を行っております。

当社グループの研究開発体制は、セメント・コンクリート研究所、新規技術研究所、建材事業部、光電子事業部、新材料事業部より構成されております。

なお、当連結会計年度における研究開発費は3,092百万円であり、各セグメントの研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次の通りであります。

 

1. セメント

当社のセメント・コンクリート研究所が、セメント事業に係わるセメント、コンクリート及びその関連分野の研究、開発を行っております。なお、当事業に係る研究開発費は694百万円であり、当連結会計年度の主な成果としては以下の通りであります。

①セメント・固化材の品質及び環境負荷低減に対応したセメント製造技術に関する研究

②資源循環型社会に向けたリサイクル資源の原燃料化に関する研究

③コンクリート産業のDX・AIの利用技術に関する技術開発

④重金属汚染対策材の拡販に向けた技術開発

⑤SO-CN2050を目指した低炭素化関連技術開発

 

2. 建材

当社のセメント・コンクリート研究所が、建材事業に係わるセメント関連製品の研究、開発を行い、建材事業部が、それをもとに商品化及び改良、用途開発を行い、新商品の初期事業化を行っております。また、建材事業部独自にて、電気防食、海洋製品の開発を手掛けております。なお、当事業に係る研究開発費は188百万円であり、当連結会計年度の主な成果としては以下の通りであります。

①コンクリート床版補修材料の開発、高性能化

②断面修復材の高機能化

③省力化工法の開発

④環境配慮型材料の開発

 

3. 光電子

当社の新規技術研究所が光電子分野の基礎研究及び商品開発を行い、それをもとに光電子事業部がその応用製品の商品化、並びに事業化の研究・開発を行っております。なお、当事業に係る研究開発費は1,127百万円であり、当連結会計年度の主な成果としては以下の通りであります。

①800Gbps/1.2Tbps伝送方式に適応したコヒーレント対応LN変調器の商品開発

②次世代小型光デバイスに対応した要素技術開発

 

4. 新材料

当社の新規技術研究所が新材料分野の基礎研究及び商品開発を行い、それをもとに新材料事業部がその応用製品の商品化、並びに事業化の研究・開発を行っております。なお、当事業に係る研究開発費は1,059百万円であり、当連結会計年度の主な成果としては以下の通りであります。

①次世代半導体製造装置向け静電チャックの商品開発及び要素技術開発

②化粧品用及び機能性材料の商品開発

③半導体製造装置向け部材の材料及び製造プロセスの基盤技術開発