(1)経営方針・経営戦略等
①経営方針
当社グループは、『創造性豊かな活力に満ちた役職員により、伝統を守りつつ、いかなる時代、いかなる環境にも適合する会社を目指す』ことを経営理念とし、株主をはじめとするすべてのステークホルダーの期待に応え、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上を経営の最重要課題として取り組んでおります。そのために、内部統制システムの整備・強化を図り、経営の透明性・公平性を確保し、迅速な意思決定により経営の効率性を高めるべく、コーポレート・ガバナンスの充実を進めております。
「中期経営計画2024~Crucible3R」(2023年3月期から2025年3月期)においては、基本課題として、「業績の伸展、財務の強化」「顧客満足度の飛躍的改善」「業務の生産性向上」「組織・人財の活性化」を掲げ、連結収益の拡大、利益率の改善、戦略的な経営資源配分、顧客に寄り添い全幅の信頼を得る活動・業務の実践、一人・単位時間当たりの成果増大、部署間の真摯な対話の拡充、全員が誇りを持てる働き甲斐のある職場風土創り等を進めます。
具体的には、付加価値の高い製品の開発・製造、サービスの提供に努め、新規顧客の開拓、工事への取組拡充、海外展開等を進めるとともに、製造原価の低減、販売費・一般管理費の削減に注力してまいります。特に営業利益率の向上に重点を置いて、グループ全社・全員が一体となって取り組んでまいります。
②経営環境に関する認識
当社グループを取り巻く経営環境は、ウクライナ情勢等に起因する原材料・燃料価格の高騰、為替相場等の市場動向など、予断を許さないものと認識しております。
鋳造市場においては、自動車の国内生産・販売台数の回復傾向はみられますが、鋳造における需要回復は芳しくなく、加えて、中長期的には自動車のEV化進展がもたらす広範な影響への的確な対処が最重点課題と認識しております。また、鉄鋼市場においても、世界規模での需給調整等が進むなかで製鉄所の再編が進んでおり、当社グループも引き続き影響を受ける見通しであります。
他方、工業炉市場においては、競合企業は多いものの新規参入の少ないマーケットと認識しており、特に海外市場において拡大余地が十分にあるものと考えております。この分野では、特にカーボンニュートラルに寄与する製品が求められており、CO2削減をキーワードにした工業炉の開発が最大の課題と考え、当社も積極的に取り組んでおります。また、環境・工事市場は景気変動の影響を受けにくいことから、焼却炉新設・更新は中期的に拡大するものと想定しております。大型の焼却処理施設は高水準の稼働が続いており、メンテナンス工事の需要も引き続き大いに期待できる見込みであります。
③中長期の経営戦略
「中期経営計画2024~Crucible3R」では、当社グループの経営理念を踏まえた「長期ビジョン」として、「22世紀へ、躍進するNIKKAN ~創業1885年、『4世紀をつなぐ企業』を目指して」を掲げております。
また、長期ビジョンに基づく到達目標として、「2040年に連結経常利益20億円(売上高200億円、経常利益率10%以上)」を設定しており、当社グループの「コア・コンピタンス(核となる強み)」である『耐火物・サービスに関する総合的なソリューション提供力』を最大限に活かして実現を目指します。この長期ビジョンと2040年の到達目標を全社・全員で共有するとともに、バックキャスティングの手法も用いて3年間の位置づけを整理し、Rebirth(再生)、Re-create(価値の再創造)、Reconstruct(事業構造の再構築)という3つのRをキーワードとした中期経営計画としております。この3年間における基礎固めと3つのRの進展をベースに、次期「中期経営計画2027」での飛躍へと繋げてまいります。
「中期経営計画2024」の到達目標は、2024年度連結経常利益6億円(売上高100億円、経常利益率6%以上)としておりますが、その実現に向けた経営戦略については、以下の通り4つの視点で整理しております。
財務戦略の基本は、安定的な財務体質の維持と高い資本効率の追求を軸として、持続的な企業価値向上を意識した経営資源配分を行うことであります。具体的には、営業キャッシュ・フローを安定的に積み上げて戦略的な設備・研究開発投資を行うとともに、経営環境を踏まえた機動的な資本政策を実施し、適正水準の利益配当を継続いたします。
第2の視点、到達目標達成に向けた最大のキーファクターである顧客満足向上戦略は、「常に顧客に寄り添い、情報を発信しニーズに応えることを通じて、顧客から全幅の信頼を受け続ける会社を目指す」ということであります。具体的には、顧客への的確なクイックレスポンスを継続し、情報共有化・分析を通じた製品満足度の改善を進めるとともに、技術・営業面でのサービス水準の飛躍的向上を図ります。また、海外の重点エリアにおいて、生産・営業の両面で積極的に展開いたします。
第3の視点は、業務生産性の向上に関する戦略であります。顧客の満足度を高め、業績の向上を通じてステークホルダーの期待に応えるべく、あらゆるビジネス・プロセスの生産性において同業他社比秀でた状態の実現を目指します。特に、サステナビリティに積極的に取組み、カーボンニュートラルに貢献する先進的でユニークな製品・技術の開発を進めます。また、部門・部署間の連携・対話を一段と促進し、営業・技術・生産・管理の各業務の生産性を大幅に向上させてまいります。
以上の経営戦略の土台となる組織活性化戦略の基本方針は、「役職員全員が、当社グループで働いていることを、大切な人たちに胸を張って誇りを持って語れる会社であり続けること」であります。具体的には、新規事業創出力・先見的対応力を組織全体で強化するとともに、基礎研究や革新的技術開発において大きな成果を生み出し得る人財の育成を抜本的に進め、これらをベースにグループ会社全体での相乗効果がこれまで以上に発揮される施策を推進いたします。また、エンゲージメント・サーベイを効果的に活用し、組織マネジメントのレベルアップ等を通じて、より働き甲斐があり心理的安全性が十分に確保された組織風土・企業文化への変革を進めてまいります。
④年度運営方針、基本戦略
185期(2025年3月期)の年度運営方針は、「中期経営計画2024の完遂~全社員が後工程はお客様という意識の下で一体となって助け合う一年」であります。
185期の基本戦略については、戦略企画部を軸とした経営企画・戦略立案・新事業創出機能の拡充、中期経営計画の実効的なフォローアップ等に加え、各部門において以下の通り推進いたします。
国内営業部門は、長年の実績を活かして引き続きお客さまの安定操業に貢献していくことを柱に、既存のお客さまとの深化・取引拡充に取り組み、新市場・新分野のお客さまの開拓を強化いたします。各営業員がこれまで以上にお客さまの事業内容や経営課題をよく知る努力を積み重ね、当社グループの強みであるきめ細かなサービスを提供し続けることで、お客さまの満足度を一段と高めてまいります。また、そうした観点から、新たに営業担当者表彰制度を導入し、営業員の対応力強化を進めてまいります。加えて、順調に増加している工業炉の売上を更に伸ばすべく、工業炉事業部を新設いたしました。
海外営業部門は、重点地域に製造・販売・メンテナンス拠点を確立して市場深耕を進め、海外における売上・営業利益のウエイトを拡充いたします。具体的には、アジア地域での現地生産化によるコスト競争力向上、技術ライセンス先との取引拡充、代理店との連携強化等を積極的に推進してまいります。また、2021年12月に中国江蘇省に設立した合弁会社「久精日坩(江蘇)新材料科技有限公司」は、2022年4月より新会社としての操業を開始しております。当社より総経理を派遣するとともに当社基準の生産・品質管理を導入しており、既に連結業績に寄与しております。
技術部門は、豊富な製品群、蓄積技術、特徴ある製造・研究設備の裏付けのもと、技術対応力と製品開発力を向上させ、顧客対応力および環境変化対応力を一段と強化いたします。具体的には、顧客ニーズやクレーム最小化に向けた取組成果等の指標化、各種技術対応活動の分析を通じた技術力強化により、顧客満足度の大幅向上を目指します。また、CO2削減をキーワードにした新製品開発、オンリーワン製品の開発、戦略企画部と連携した将来を見据えた研究開発への取組を強化するとともに、知的財産、基礎研究への重点投資を進めてまいります。
生産部門は、品質の維持・向上、安全の最重視を基本に据え、製造原価計算の精緻化、製造工程管理のレベルアップ等を通じて生産性向上を図るとともに、製造設備の保守・更新の一層の適正化を行ってまいります。また、原材料・燃料費の高騰・高止まりへの的確な対応、更にオフセットガス、グリーン電力利用により自社工場におけるカーボンニュートラルへの取組等を進めています。
管理部門は、エンゲージメントに係る諸施策の積極展開を最大の眼目として、有為な人財の採用継続、適材適所の人事運営、教育研修の拡充等による人財開発・育成を一段と進めるとともに、「働き方改革」の更なる推進、リスク管理の高度化、コンプライアンス意識の更なる向上、管理会計の拡充等の経営管理高度化、IT領域拡大への対応強化、法令・制度改正への的確な対応等に、精力的に取り組んでまいります。
⑤セグメントごとの事業戦略
当社グループは、子会社・関連会社を含めた全事業を、耐火物事業、エンジニアリング事業、不動産事業、その他事業の4つのセグメントに区分しております。耐火物事業は鋳造市場向け事業と鉄鋼市場向け事業とに、またエンジニアリング事業は工業炉市場向け事業と環境・工事市場向け事業とに、それぞれ区分しております。日本ピーシーエス株式会社の塗料循環装置等に関する事業は、その他事業のセグメントとしております。
当社グループの耐火物事業は、一定分野に限定することなく、多種多様な製品群により広範なお客さまのニーズに的確にお応えしていることから、分野ごとに競合企業が異なるという特徴を有しております。各分野において優れた技術力を持った競合企業と切磋琢磨を続けながら、また当社グループの強みである営業・技術両面での総合的なソリューション提供力を存分に活かしながら、今後もこの事業における競争優位を確保できるよう努めてまいります。
最大のウエイトを占める鋳造事業の基本戦略は、「主要市場として、顧客動向の分析と的確な対応を徹底、自動車産業の大変革に先手を打ち、鋳造業界の更なる発展に貢献」であります。
主たる取引先である自動車関連産業におけるシェアの維持・拡大のため、お客さまから「ファーストコール」をいただくための信頼構築に努めるとともに、省エネ・断熱・脱炭素ニーズに対応した新製品「LITETEX」「エレマックス」等の新製品の拡販を進めてまいります。また、電子デバイス分野等に対応した金属粉末溶解市場への展開、自動車のEV化に適応した誘導炉市場向け製品の拡販、環境問題に適合した省エネ耐火物の開発と販路拡大も積極的に行っております。主力製品である定形耐火物は、当業界で最新・最大の成形設備「CIP(冷間等方圧プレス)」により、例えば高圧縮ルツボ、大型ルツボ等の高付加価値製品を効率的に製造できるという大きな特長を有しております。
鉄鋼事業の基本戦略は、「設備再編等により変化する国内市場でのシェアを死守しつつ、海外市場における取引拡充に向けて新技術を確立」であります。
国内市場については、製鉄所の再編、高炉から電炉へのシフト進展等の影響を受けることとなりますが、高い技術力により継続的に安定耐用に貢献してきた実績、スピーディーできめ細かな対応力をベースに、シェアの維持と利益率向上に努めてまいります。
第2のセグメントであるエンジニアリング事業については、「中期経営計画2024」において、長期ビジョンの実現に向けた事業構造(ポートフォリオ)の再構築を進めていくうえで極めて重要な分野として位置付けており、今後、人財を大幅に増強いたします。
エンジニアリング事業の柱の一つである工業炉事業の基本戦略は、「顧客のCO2削減、作業負荷軽減に貢献する工業炉開発を推進し、先進ビジュアルパネルを活用して作業の安全と高効率化を追求」であります。
この事業では、炉内の酸化物発生を大幅に抑えることができる新たなコンセプトの溶解兼保持炉としてお客さまから高評価をいただいております「フリーダム」の大幅な拡販に加え、アルミ市場向け溶解兼保持炉「MK炉」「NM炉」、および炉修工事の受注拡大を進めてまいります。海外についても、これまで拡大してきたアジアに加え、伸長著しい北米を重点マーケットとして、市場ニーズに即した製品開発、日系企業を中心とした営業活動強化により、積極的な展開を図ってまいります。
この事業における当社グループの強みは、汎用的な製品だけではなく、お客さまの製造ラインに合わせて最適にカスタマイズした製品を設計・製造できること、設置後のメンテナンスも一貫して対応できることであります。工業炉開発の技術者が鋳造分野等の技術者との連携を一段と強化することで、カーボンニュートラルに適応した製品群の開発が加速されてきており、IoT技術を活用した新機能の開発・展開も含め、上記の強みをこれまで以上に活かした事業拡大を進めます。
エンジニアリング事業のもう一つの柱である環境・工事事業の基本戦略は、「人財拡充による対応力強化と時短に繋がる製品・サービスの提供を通じて顧客ニーズに適応し、取扱工事を大幅に拡大」であります。
民間事業者および自治体の設備投資動向を的確に捉え、焼却炉、誘導炉、各種工業炉のメンテナンス工事を中心とした受注拡大に取り組みます。具体的には、高接着性・速硬性・高強度・易乾燥性という特性を有する「クイックセッター」の拡販、当社の独自性を発揮した時短工法への取組強化などを通じて、設備工事ニーズに対する質の高いサービスの提供を進めます。特に、民間産廃市場では焼却炉の中大型化傾向が続くなかで大型工事案件の増加が見込まれることから、人財の採用・育成、協力会社との連携など経営資源を重点的に投入いたします。また、2017年4月に連結子会社化した眞保炉材工業株式会社とのシナジー拡充を更に進めるとともに、大手プラントメーカーとの取引拡大にも一段と積極的に取り組んでまいります。
第3のセグメントである不動産事業では、本社ビルの賃貸と豊田工場の太陽光発電に加え、2017年4月より開始した大阪倉庫の賃貸により、引き続き安定的な収益確保に努めるとともに、遊休不動産の有効活用を進めてまいります。
第4に、その他の事業として、2021年4月に連結子会社化した日本ピーシーエス株式会社とのシナジー拡充を進めてまいります。日本ピーシーエス株式会社は、主に自動車関連向け塗装工程に係る自動省力機、塗料循環装置の設計製造を手掛け、取引先との強固な信頼関係をベースに、卓越した技術力をもって事業を行なっております。技術・ノウハウ等を共有することで自動車関連メーカー等との取引拡充を展望するとともに、工業炉事業においても設計技術の融合等を通じて新製品の開発を一段と加速いたします。
また、新規事業の拡充も当社グループの最重要経営課題の一つであります。地球温暖化、資源問題など経営環境に関する中長期の予測・展望も踏まえながら、金属溶解以外の業界への耐火物供給、業務提携やM&Aを通じた事業多角化の推進等により、「次の1世紀を支える新規事業」を創出してまいります。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
前述の通り、当社グループを取り巻く経営環境は、ウクライナ情勢等に起因する原材料・燃料価格の高騰、為替相場等の市場動向など、引き続き予断を許さないものと認識しております。特に、主要取引先である自動車関連産業における生産・販売台数増加傾向の一方での鋳造需要の回復の遅れ、鉄鋼業界における製鉄所再編については、優先的に対処すべき事業上の課題と認識しております。また、自動車のEV化進展に伴う中長期的な影響についても、今後重点的な対処が不可欠な事業上の課題であります。
当社グループとしては、このような市場構造の変化に対して、『創造性豊かな活力に満ちた役職員により、伝統を守りつつ、いかなる時代、いかなる環境にも適合する』との経営理念を改めて全員が共有し、創業139年の歴史を刻む中で培ってきた柔軟な対応力を発揮して、更なる成長を力強く目指してまいります。
「中期経営計画2024」においては、この経営理念を踏まえた「長期ビジョン」として、「22世紀へ、躍進するNIKKAN ~創業1885年、『4世紀をつなぐ企業』を目指して」を掲げ、約20年後の到達目標「2040年に連結経常利益20億円」を設定しており、当社グループの「コア・コンピタンス(核となる強み)」である『耐火物・サービスに関する総合的なソリューション提供力』を最大限に活かしてこの目標の実現を目指します。
グループ全社・全員が一丸となって「中期経営計画2024」を完遂することこそが、上記の事業上の課題への対処と考えております。
なお、184期は厳しい経営環境が続く中においても、連結業績は前期比増収増益となっております。当社単体では増収、経常利益はわずかな減益となりましたが、各子会社も含め引き続き健全な財務体質を維持しており、特筆すべき財務上の課題はありません。
「(1)②財務戦略」に記載の通り、安定的な財務体質の維持と高い資本効率の追求を軸として、持続的な企業価値向上を意識した経営資源配分を行ってまいります。具体的には、営業キャッシュ・フローを安定的に積み上げて戦略的な設備・研究開発投資を行うとともに、経営環境を踏まえた機動的な資本政策を実施し、適正水準の利益配当を継続いたします。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「中期経営計画2024」においては、最終2024年度(2025年3月期)の目標として、連結売上高100億円、連結経常利益6億円、連結ROE8.0%を掲げております。
中間年度の184期(2024年3月期)は、主要取引先である自動車関連産業が半導体不足回復の遅れ等により厳しい操業状況となり、国内生産台数が低水準で推移したことに加え、原材料・燃料価格が円安の進行等もあって大幅に上昇したことなどから、連結売上高が96.1億円(最終年度目標進捗率96.1%)、連結経常利益が3.4億円(最終年度目標進捗率57.4%)、連結ROEが5.5%(最終年度目標比▲2.5ポイント)と不十分な達成状況となりました。
売上高については、鋳造事業において自動車産業の回復はみられるものの鋳造需要戻りの遅れの影響が大きく、原材料・燃料価格等の上昇に伴う価格改定をお客さまのご理解を得ながら進めたものの、年度ラップ計画を大きく下回りました。エンジニアリング事業はラップ計画を達成、特に工業炉事業については炉内の酸化物発生を大幅に抑えることができる新たなコンセプトの溶解兼保持炉「フリーダム」を中心に、大型案件を順調に成約・進捗してきております。更に、鉄鋼事業が好調に推移したこともあり、グループ全体の年度ラップ計画は達成となっております。
経常利益については、当社単体では鋳造事業の不振に加え、工業炉事業において追加工事等の発生により利益率を確保できなかった案件もあり年度ラップ計画を下回っております。日本ピーシーエス株式会社が外注費・資材費等の上昇分を価格転嫁しきれなかったことや、大型の追加補修工事などもあり、連結でもラップ計画対比未達となりました。
ROEにつきましては、上記の通り経常利益が未達となったこともあって、計画を大きく下回っております。
185期(2025年3月期)は、自動車関連産業の操業回復に伴う受注増加、「フリーダム」を中心とした工業炉事業の伸長、環境・工事事業における順調な業績拡大を軸に、最終年度目標達成を見込んでおります。目標の達成状況については、引き続き達否要因の分析など経営管理・フォローアップを的確に行うとともに、適切に開示してまいります。
なお、年度によりROEが株主資本コストに達しない年度もありますが、毎年資本コストを上回るROEの達成を目標設定しております。現状、足元でPBR1倍に達してはおりませんが、中期計画に基づく各種施策を着実に実行し、また適時開示やホームページでのIR活動を通じて株価上昇を図り、PBR1倍の達成を目指してしてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社グループは、サステナビリティ基本方針として、「企業理念・社是に基づき、環境・社会面の要請・ニーズと経済的リターンを両立させ、長期的な視点に立った取組を通じて企業価値を高めていく」と定めております。この基本方針のもと、カーボンニュートラルに取り組むお客さまに貢献する製品の開発を進め、当社グループ自身も製造過程における取組等を強化いたします。加えて、ESG/SDGsに関する取組として、ダイバーシティへの取組、労働環境の改善、地域貢献、取締役会の活性化等を進めてまいります。
上記の基本方針を踏まえた取組内容については以下の通り6つの視点で整理しており、毎月開催する経営会議において案件ごとに報告・討議を行うとともに、内容の重要性に応じ取締役会において報告または審議を行っております。
第一に、様々な社会課題、特に事業における環境保全の重要性を認識し、脱炭素や資源有効活用に積極的に取り組んでまいります。具体的には、豊田工場での太陽光発電、トンネル窯の効率性向上、生産工程でのリサイクル処理、エネルギー消費原単位の低減、照明設備のLED化等であります。
第二に、お客さま、株主・投資家、社員などステークホルダーとのコミュニケーションを通して、相互理解に努め、共存共栄を図ります。地域の祭礼への寄付や広場提供、子供110番などの地域安全活動、小中学校からの社会科見学受入等も継続してまいります。
第三に、お客さまに安心・安全に使用していただける高付加価値な製品・サービスを通して、総合的なソリューションを提供いたします。具体的には、アルミ保持炉の電化、各種レンガ類の不焼成化、易乾燥性樋材の開発等であります。
第四に、人権を尊重し安全と健康を第一に、労働環境の維持・改善に努めます。具体的には、生産現場の省力化・環境改善、エンゲージメント・サーベイの実施等であります。
第五に、障壁を設けることなく多様性を受け入れ、個性を認め合い尊重しあう「るつぼ」となり、その「るつぼ」から新しい価値を創造いたします。具体的には、高齢者雇用への取組、女性活躍の推進、障がい者雇用の拡充等であります。
第六に、企業活動を推進するうえで必須条件となるコンプライアンスやリスクマネジメントに継続して取り組みます。具体的には、取締役会の実効性向上、コンプライアンス研修の拡充等であります。
(2)戦略
① 気候変動
当社グループは、鋳造業や鉄鋼業など原材料を加熱加工する素形材産業や焼却炉等の環境関連産業向けに、耐火物、工業炉等の製造販売、各種工事等のエンジニアリングサービスの提供をしておりますが、これら産業のお客さまのカーボンニュートラル実現に向けた取組に貢献していくことが極めて重要であります。
他方、当社グループ自身も、製造過程において温室効果ガスを排出していることから、様々な取組を通じてカーボンニュートラルの実現を目指すことが求められております。
お客さまの取組への貢献に関しては、蓄積技術やその応用、新たな開発技術等を通じて、以下の通り積極的に製品開発、製造・販売を行っております。具体的には、定形耐火物では煉瓦の不焼成化、また不定形耐火物では、易乾燥性の高い製品、予め定形化することでCO2の直接排出を削減する製品等であります。耐火物以外では、熱間作業の軽減、優れた省エネ効果、高歩留、高品質といった特徴から大変ご好評をいただいている工業炉「フリーダム」、お客さまの製造工程におけるCO2の直接排出を削減する取鍋電気加熱装置「エレマックス」等であります。
自社の製造等における取組としては、最も影響の大きい定形耐火物の焼成工程におけるCO2の直接排出を削減するため、新しい技術の研究開発を進めるとともに、当面の対策としてカーボンオフセットガスを利用しております。また、工場で使用するフォークリフトの電動化、グリーン電力の活用等を行っております。
② 人的資本
当社グループは、前述の通り、「中期経営計画2024」において、「組織と人の活性化」を経営戦略の土台と位置付けております。「中期経営計画2024」の成否は、人財の能力向上・発揮を促進すること、人財を資源ではなく資本と捉えてその価値を最大限に引き出すことにかかっていると考えており、そのことを通じて持続的な成長を実現させてまいります。
具体的には、以下の通り、組織風土改革、優秀人財の確保、人財育成、ダイバーシティを人的資本経営における重点課題として取り組みます。
(ⅰ)組織風土改革
エンゲージメントは「組織や仕事に対して自発的な貢献意欲を持ち、主体的に取り組めている状態を表すもの」、会社と個人の繋がりであり、「個人と組織が対等な関係で、互いの成長に貢献し合う関係」、言い換えれば、「やりがいがある」「達成感を感じる」「環境に満足している」状態と認識しております。従業員一人ひとりが自分の持ち場を守るだけでは不十分であり、従業員が相互に刺激し合い、わくわくするような仕事に向きあうことが必要であることから、このエンゲージメントが重要と考えております。
エンゲージメント向上への取り組みを推進していく上で、その課題や改善度合の見える化を進めることが効果的と考え、エンゲージメント・サーベイを2021年度より導入し、その総合スコアをKPIとして設定して全社をあげて取り組んでおります。
いわゆる「1 on 1」についても、2022年度より新たに全社に導入し、2023年度には、外部講師を招き管理職向け「1 on 1研修」も実施いたしました。加えて、部門別相談会、アンバサダーと経営陣との意見交換会等たてよこのコミュニケーションの拡充に注力してまいりました。チームが目指すべき方向性を明確に示した上で、メンバーの強みや特性、価値観を踏まえたメンバーの自発的なキャリア形成に関与し、組織成長、メンバー成長の両輪を回せる状態を引き続き目指してまいります。
また、「TRYプロジェクト」と称して、社員自らが考え、自発的に声をあげ、行動する運動を継続しており、それら社員の声を全社に広く還元しております。
(ⅱ)優秀人財の確保
2021年度より、新卒採用手法としてダイレクト・リクルーティングを導入しております。2023年度には、従来のものに加え、理系学生により特化したものも採用しております。採用条件に合致する学生の資質等を事前に確認した上で全国の学生にオファーできる仕組みであり、多様な優秀人財の獲得に効果をあげております。併行して、インターンシップも積極的に活用しております。
中途採用については、引き続き人財紹介会社の活用を規模にこだわらず大幅に拡充し、優秀人財の確保に努めております。また、2023年度より、新卒採用同様、ダイレクト・リクルーティングを導入しております。従来の応募や紹介があるまで待つだけの「待ち」の採用手法に加えて、自社にマッチする求職者を自ら探してアプローチする「攻め」の採用手法も併行して活用し、人財の獲得に効果をあげております。「中期経営計画2024」において重要分野と位置付けているエンジニアリング事業(環境・工事、工業炉)においても、業種に特化した紹介会社の拡充のほか、ダイレクト・リクルーティング、ヘッドハンティングなどの採用手法の多様化により成果につなげております。2022年度より、社内公募制度、リファラル採用も新たに導入し、注力分野への人財登用等も実現いたしました。また、少子高齢化による労働人口の不足に対処すべく、外国人人財の活用についても模索を進めております。
新卒、中途採用ともに、優秀人財確保のため更なる手法の拡充に取り組んでまいります。
(ⅲ)人財育成
2020年度より、主要拠点(東京、大阪、愛知)の立地にマッチした新たな公開型研修制度を導入しております。理論的なテーマから実務に役立つテーマまで100を超える講座があり、何度でも受講可能な仕組みとなっております。社員本人、管理者によって主体的に育成に取り組むことができており、人財育成の礎となっております。
また2021年度より、次世代の経営層の育成を目的として部門横断の「ルツボ創成タスクフォース」を組成し、経営目線での提案活動を進めております。
若手層の育成に関しては、2021年度より「若手からの提言プロジェクト」を開始、部門横断で人選した若手が経営陣に対して積極的に提案を行っております。2024年度より、若手層を対象とした新たな「若手教育特別プログラム」を開始する予定であります。外部研修も活用しながら、中長期に若手層の育成に取り組むものです。これとは別に、2023年度より「新製品発掘プロジェクト」と称して、若手技術職社員が柔軟な意見を経営陣に対して発する場も設けております。
人財育成の一環として、全社員を対象に、2024年度より、「自己啓発支援制度」と称し、資格取得及び資格以外の自己啓発に関して会社として支援していく取り組みも新たに導入しております。
人事交流については、コロナ禍により見送っていた工場間の交流会を2022年度より再開いたしました。2023年度には、営業部門、技術部門、生産部門合同での部門間での交流会を初めて実施いたしました。今後も引き続き、積極的に部門間の交流会を実施する予定であります。
(ⅳ)ダイバーシティ
長期ビジョン「22世紀へ、躍進するNIKKAN ~創業1885年、『4世紀をつなぐ企業』」を目指して持続的な成長を図るためには、多様な人財の活躍が必要不可欠と考えております。
女性活躍推進については、女性管理職比率を重点目標の一つとして人財育成を計画的に進めます。高齢者の活躍も重要な課題であり、定年退職者の継続雇用率100%を目標に推進いたします。障がい者雇用については、法定雇用率を充足すべく情報収集等に努めてまいります。また、従前より海外部門、技術部門等において外国出身者が活躍しておりますが、優秀人財の確保を一段と進めます。
多様な人財の確保とともに多様な働き方の実現も極めて重要と考えております。有給休暇の取得推進、長時間労働の削減に加えて、在宅勤務、時差出勤、半日有休・時間有休取得等の多様な制度の活用、産休・育休、介護休暇の利用促進に努めてまいります。
(3)リスク管理
サステナビリティに関する最大のリスクの一つは、温室効果ガス排出に関する規制強化と認識しております。具体的には、温室効果ガス排出規制に対応したお客さまの製造プロセス変更、LCAを意識したお客さまの商品選択の変化、カーボンプライシングなど脱炭素に関する政策の変更等が想定されます。これらの想定リスクは当社グループの製品・サービスの価値にインパクトを与え、中長期的な投資計画にも大きく影響するものであります。
当社グループでは、「リスク管理・コンプライアンス委員会」を半期に一度開催し、サステナビリティに関するリスクも含め、事業上のあらゆるリスクを適切に管理・統制するとともに、危機に転ずるリスクの顕在化を可能な限り防止し、危機に転じた場合はその影響を最小限に留めるなど、的確なリスクマネジメントを行っております。また、「リスク管理・コンプライアンス委員会」における重要な事象について、半期に一度取締役会に報告するとともに、必要に応じ経営会議においてリスクの管理・統制に関する討議を行っております。
なお、「
(4)指標及び目標
気候変動に関する指標及び目標につきましては、お客さまの取組への貢献、自社の製造等における取組の両面から鋭意検討を進めている段階であります。
人的資本に関する指標及び目標は、以下の通りであります。
|
・ |
||
|
2022年度 |
2023年度 |
|
|
実績 |
実績 |
目標 |
|
62 |
|
|
※ 2024年度の目標は、本サーベイ導入企業の上位20%の平均総合スコアを参考にしております。
|
・ |
||
|
2022年度 |
2023年度 |
|
|
実績 |
実績 |
目標 |
|
68% |
|
|
管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異につきましては、提出会社及び連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象でないため、記載を省略しております。
今後も引き続き、その他の指標及び目標について検討を進め、開示内容の拡充に努めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況などに関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあると考えております。ただし、以下に記載したリスクは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載したリスク以外のリスクも存在します。
当社グループでは、戦略・事業遂行上のリスクや重大な危機に転ずる可能性のあるリスクを「リスク管理・コンプライアンス委員会」にて把握し、グループ重要リスクとして整理することとしております。リスクを適切に管理・統制するとともに、危機に転ずるリスクの顕在化を可能な限り防止し、危機に転じた場合はその影響を最小限に留めるなど、的確なリスクマネジメントを行っております。なお、文中における将来に関する事項は、当期末現在において当社グループが判断したものであります。
なお、ウクライナをめぐる現下の国際情勢については、当社グループとしても十分に注視しております。ウクライナ、ロシアとの輸出入取引がないことから、業績への直接的な影響はありませんが、原材料・燃料価格への波及、為替相場等の市場動向など間接的な影響はあると考えております。この点は「(6)原材料の調達・価格動向、及び(7)燃料価格の動向」に記述の通りであります。
(1)自動車のEV化について
鋳造事業は、当社グループにおける最大の事業分野であり、鋳造事業・工業炉事業を合わせて、当連結会計年度では売上高の53.6%を占めております。その鋳造市場の約9割が自動車業界向けであります。自動車業界においては、EV化への取組が加速しつつあり、環境対応車のシェアが大幅に高まっていくと予測されております。EV化によりエンジンをはじめ鋳造部品の構造が大きく変わっていくものと考えられ、当社グループの業績にも影響を及ぼす可能性があります。
こうした状況を踏まえ、当社グループとしては、環境対応、軽量化に伴う部品構成の変容等に関する分析を進めるとともに、自動車メーカーの内製部門と主要部品メーカーの生産設備統合の流れが加速する予測なども含め、お客さまの動向を注視してまいります。国内においては、当面、純EV/FCVよりHEV、PHEV、M-HEVが中心となる見通しであることから、特にアルミ部品の需要への対応が重要と考えており、国内の自動車生産台数の増減(景気動向)を見据えて、製品・サービス(耐火物製品、工業炉製品、メンテナンス・サービス、部材の仕入販売)を適合させてまいります。
(2)鉄鋼事業について
鉄鋼事業は、当連結会計年度では売上高の11.7%を占めておりますが、鉄鋼業界において需要減等を理由とした製鉄所再編、設備縮減の動きが続いており、当社グループの業績にも影響を及ぼす可能性があります。
この影響を最小限に留めるべく、国内市場においては、高い技術力により継続的に安定耐用に貢献してきた実績、スピーディーできめ細かな対応力をベースに、シェアの維持と利益率向上に努めてまいります。また、海外市場において、易乾燥性樋材などの新技術の開発を進めるとともに、ロイヤリティー収入の確保を図ってまいります。
(3)エンジニアリング事業について
エンジニアリング事業は、当連結会計年度では売上高の33.2%を占めておりますが、工業炉の新設工事、焼却設備等の補修工事など工事完了時のお客さまによる検収において、契約毎に異なる材質・寸法等の仕様確認や試運転による慎重な確認が実施され、また耐火物事業の製品販売に比し1件当たりの取引額が多額になるケースが多いことから、売上の期間帰属等に関し当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
こうした特性を踏まえ、エンジニアリング事業の売上の期間帰属等については、特に慎重に判断し適正な収益認識に努めてまいります。
(4)棚卸資産の評価について
当社の製品及び商品のサイズや材質は得意先や用途により異なるため、多品種の在庫を保有しております。これらの棚卸資産は、販売価格が低下した場合には帳簿価額を時価まで切り下げ、また直近で動きのない場合には滞留期間に応じて評価損を計上しております。したがって、販売価格や滞留期間によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
こうした棚卸資産の金額的重要性と評価プロセスの状況に鑑み、必要な評価減の金額を基準に基づいて適正に算定すべく、内部統制手続を整備し適正な運用に努めてまいります。
(5)生産設備について
工場機械設備の老朽化についても、事業運営において重視すべきリスクの一つと考えております。主要設備の中には、導入後の経過年数が長いものも少なくなく、定期的な補修等実施により正常稼働に努めておりますが、予想を超える異常停止等が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
「中期経営計画2024」において、工場機械設備全般にわたって計画的な更新を進めることとしておりますが、軽度な異常が発生した場合でも都度要因を慎重に見極めて的確な対策を講じるなど、安定稼働に向けた適切な対応を継続してまいります。また、抜本的な対策も必要と判断し、2023年4月に「工場再構築プロジェクト」を立ち上げ、具体的検討を併行して進めております。
(6)原材料の調達・価格動向について
当社グループでは、主力事業である耐火物の製造に必要となる原材料を、中国をはじめとする世界各国より直接あるいは商社経由にて調達しております。国産原材料の比率が高くないことから、地政学リスク発生等により現在の輸入国からの調達に問題が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、原材料価格の高騰・高止まり、大幅な円安が続いた場合、お客さまのご理解に基づく価格改定の進捗状況次第では、グループの業績が下振れする可能性があります。
調達先が中国等の特定国に偏らぬように、原材料の種類に応じて常に世界各国に調達先を求めておりますが、引き続き多様な原材料に関する調査・評価等を幅広く実施し、リスクの軽減に努めます。また、原材料価格動向等をお客さまに丁寧にご説明してご理解を得ることで適切な価格改定を着実に実施するとともに、機動的な為替ヘッジを進めてまいります。
(7)燃料価格の動向について
当社グループでは、主として定形耐火物の製造工程(焼成等)において、多量のガスや電気を使用しております。ロシアによるウクライナ侵攻以降、値上がり基調であった原油価格が急激に上昇し、さらに円安が急速に進行したこともあって、183期(2023年3月期)は燃料価格がかつてないほどの上昇幅で推移しました。184期(2024年3月期)も好転せず、高止まりの状況にあります。
こうした状況を踏まえ、お客さまのご理解に基づく価格改定を鋭意進めてきておりますが、燃料価格の更なる高騰・高止まり、大幅な円安が続いた場合、グループの業績が下振れする可能性があります。
(8)大規模自然災害の発生について
近年、大規模な地震発生や巨大台風の直撃、数十年に一度の集中豪雨発生などの自然災害が相次いでおります。当社グループの生産拠点は、大阪、愛知、埼玉に分散しているものの、南海トラフ地震をはじめ大規模地震発生の予想エリアに所在しております。台風、集中豪雨のエリアは予想が困難でありますが、万が一、当社グループの生産拠点において、大規模な自然災害が発生した場合には、前述(5)の設備老朽化とあわせ、当社グループの業績にも影響を及ぼす可能性があります。
2020年3月にBCP(事業継続計画)を抜本的に見直し、2011年以来となる大幅改定を実施いたしました。このBCPに基づく教育、訓練を定期的に実施するとともに、必要に応じて計画を見直すなど、大災害発生時においても早期の事業復旧ができるよう努めてまいります。
(9)サイバーセキュリティーについて
世界中でサイバー攻撃による被害が増加傾向にあります。当社においても2023年11月に事業所の一部デバイスにおいてランサムウェアによる第三者からの攻撃を受けております。一部支障もありましたが、セキュリティ強化の効果もあり影響は限定的なものとなりました。今後とも、セキュリティツールの運用強化をはかるとともに、適時、外部専門家のアドバイスを受けるなど、セキュリティ対策の拡充に努めてまいります。
(1)経営成績に関する分析
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業の業況判断が改善し景気の緩やかな回復が継続しました。先行きについては、各種の政策効果もあって景気の緩やかな回復が継続していくことが期待されますが、外需の低迷による輸出の減少や為替変動のリスクなどを十分に注視する必要があります。
当社グループを取り巻く関連業界におきましては、主要取引先である自動車関連産業は、部品の供給制約緩和の影響もあって販売台数及び生産台数の前年同月比増加の傾向が続きましたが、足元で前年同月比減少となるなど、下振れリスクに注意が必要な状況にあります。
鉄鋼産業は、建設向け需要が落ち込んでいる一方、自動車向けを中心に需要の回復が見られますが、中国経済低迷とそれに伴う需給バランスの悪化の懸念があり、予断を許さない状況にあります。
このような状況のなか、当社グループは営業と技術が一体となり、主力製品や新製品の拡販活動等を積極的に推進いたしました結果、当連結会計年度の売上高は96億1千万円(前期比8.7%増)となりました。利益面では、営業利益は3億3千4百万円(前期比105.8%増)、経常利益は3億4千4百万円(前期比83.9%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は2億8千5百万円となりました。
事業セグメント別の業績は、以下の通りであります。
耐火物事業の売上高は54億1千3百万円(売上高比率56.3%)と前年比7.3%増加し、営業利益は4億2千万円と前年比81.9%増加いたしました。エンジニアリング事業の売上高は31億8千6百万円(売上高比率33.2%)と前年比16.9%増加しましたが、利益率の低下により営業利益は3億2千5百万円と前年比3.1%減少いたしました。不動産事業の売上高は3億8千万円(売上高比率4.0%)とほぼ前年並み(前年比0.4%減)となり、営業利益も2億2千8百万円とほぼ前年並み(前年比0.6%増)となりました。その他事業(日本ピーシーエス株式会社の塗料循環装置事業)の売上高は6億3千万円(売上高比率6.5%)と前年比8.4%減少いたしましたが、進捗中の案件等により営業利益は1千1百万円となりました(前期は4千3百万円の営業損失)。
(2)財政状態に関する分析
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末比5千5百万円(0.8%)増加し、66億6千2百万円となりました。主として、電子記録債権の増加によるものです。
当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末比1億5千5百万円(3.7%)減少し、40億2千1百万円となりました。主として、製造設備の減価償却によるものです。
これらの要因により、当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末比1億円(0.9%)減少し、106億8千4百万円となりました。
当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末比1億3千6百万円(3.9%)増加し、36億7千万円となりました。主として、電子記録債務の増加によるものです。
当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末比3億3千万円(16.1%)減少し、17億2千1百万円となりました。主として、長期借入金の減少によるものです。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末比9千2百万円(1.8%)増加し、52億9千2百万円となりました。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は49.5%(前連結会計年度末は48.2%)となりました。期末発行済株式数に基づく1株当たり純資産額は798.55円となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容等
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前期末比1億5千1百万円減少し、15億5千7百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益3億9千5百万円、減価償却費2億8千7百万円、売上債権の増加1億6千2百万円などにより4億4千7百万円の収入となりました。(前年同期は4千8百万円の収入)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得2億9千6百万円などにより2億2千4百万円の支出となりました。(前年同期は1千7百万円の収入)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済4億1千4百万円などにより3億7千5百万円の支出となりました。(前年同期は5億4百万円の支出)
当社グループは、安定的な財務体質の維持と高い資本効率の追求を軸として、持続的な企業価値向上を意識した経営資源配分を行うことを財務戦略の基本方針としております。
営業キャッシュ・フローを安定的に積み上げることで、設備投資及び株主還元の原資を確保するとともに、計画的に長期借入金を返済することで、引き続き良好なバランスシートを維持するとともに、中長期的に資本効率を高めていくための投資活動を行ってまいります。
設備投資については、減価償却額の推移も意識しつつ、工場製造設備、技術開発の両面において中長期的な視点で戦略的に進めてまいります。
当社グループにおける資金需要は、主として設備投資に係る資金と経常的な運転資金が中心であり、取引金融機関からの借入による調達を基本としております。なお、今後の成長に寄与するシナジー効果の高いM&A案件については、投資効果、資本効率、財務バランス等を総合的に勘案のうえで、引き続き資金調達面も含め戦略的に検討してまいります。
(4)重要な会計上の見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正と認められている会計基準に基づいて作成されております。連結財務諸表の作成に当たっては、様々な見積りによる判断がなされておりますが、見積りに内在する不確実性により、実際の結果が異なることがあります。
連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載の通りですが、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある見積りを含む会計方針は以下の通りであります。
①棚卸資産の評価
棚卸資産は、販売価格が低下した場合には帳簿価額を時価まで切り下げ、また直近で動きのない場合には滞留期間に応じて評価損を計上しております。販売価格が低下した場合や見込生産していた製品が販売できなくなり過剰在庫が生じた場合には、評価損の追加計上が必要となる可能性があります。
②営業権(のれん)
2017年4月の眞保炉材工業株式会社、2021年4月の日本ピーシーエス株式会社の連結子会社化に伴い、期末において174百万円の営業権(のれん)を計上しております。両社の業績動向等を踏まえて将来の見積りを行っており、期末時点において減損の必要性は全くないものと判断しております。なお、この営業権については、子会社化以降現在まで計画通りの償却を進めてきております。
③投資有価証券
投資有価証券について、今後回復の可能性がないと判断した銘柄は、合理的な基準に基づいて減損処理を行っております。将来の市況悪化、投資先企業の業績低迷等により、今後更に減損の追加処理が必要となる可能性があります。
④繰延税金資産
繰延税金資産の回収可能性については、将来の課税所得を合理的に見積った上で判断しております。将来、繰延税金資産の回収ができないと判断した場合には、繰延税金資産の減額、税金費用の追加が必要となる可能性があります。
⑤製造設備等
大阪工場、豊田工場等の製造設備については、期末時点において減損の兆候にあたる事実の有無を工場ごとの損益実績等に基づいて検証しております。
その他に、見積り・仮定の不確実性、あるいは変動による影響等を考慮すべきものはありません。
(5)生産、受注及び販売の状況
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
耐火物 |
3,716,387 |
9.1 |
|
エンジニアリング |
2,596,731 |
28.6 |
|
その他 |
433,119 |
△20.0 |
|
合計 |
6,746,237 |
13.1 |
(注)1 金額は、製造原価によっており、セグメント間の取引については、相殺消去をしておりません。
2 不動産事業については、その性質上、該当事項がないため記載しておりません。
② 受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
耐火物 |
4,636,632 |
△15.4 |
290,307 |
△63.7 |
|
エンジニアリング |
2,706,055 |
2.7 |
135,589 |
△12.9 |
|
その他 |
837,708 |
1.4 |
235,995 |
△12.8 |
|
合計 |
8,180,395 |
△8.5 |
661,891 |
△46.0 |
(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去をしておりません。
2 不動産事業については、その性質上、該当事項がないため記載しておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
耐火物 |
5,413,070 |
7.3 |
|
エンジニアリング |
3,186,759 |
16.9 |
|
不動産事業 |
380,680 |
△0.4 |
|
その他 |
630,037 |
△8.4 |
|
合計 |
9,610,548 |
8.7 |
(注)セグメント間の取引については、相殺消去しております。
(1)当社の技術援助契約
|
相手会社 |
技術援助の内容及び対価 |
契約期間 |
|
ドイツ ルミコ社 |
高炉用出銑樋材(ラミング材)の製造ノウハウ 販売額に対する一定率の援助料 |
2023年1月より 2024年12月まで |
|
ドイツ ルミコ社 |
高炉用出銑樋材(流し込み材)の製造ノウハウ 販売額に対する一定率の援助料 |
2023年1月より 2024年12月まで |
|
メキシコ カンパニア ナショナル デ アブラシボス社 |
高炉出銑口用マッド材の製造・販売ノウハウ(メキシコ市場) 販売額に対する一定率の援助料 |
2017年7月より 2027年7月まで |
|
アメリカ シンク サーマル社 |
アルミ溶解炉の製造販売権 製造炉の販売金額に対する一定率の援助料 |
2023年7月より 2028年6月まで |
|
中国 瀋陽金安鋳造材料有限公司 |
プレキャスト耐火物の製造ノウハウ 販売額に対する一定率の援助料 |
2020年6月より10年間 |
|
中国 瀋陽金安鋳造材料有限公司 |
不定形耐火物(誘導炉ドライ材を除く)の製造ノウハウ 販売額に対する一定率の援助料 |
2022年4月より5年間 |
|
中国 久精日坩(江蘇)新材料科技有限公司 |
不定形耐火物(誘導炉ドライ材を除く)の製造ノウハウ 販売額に対する一定率の援助料 ハイアルミナ煉瓦の製造ノウハウ 販売額に対する一定率の援助料 プレキャスト耐火物の製造ノウハウ 販売額に対する一定率の援助料 |
2022年4月より10年間 |
(注) 上記契約に関する当期の受取ロイヤリティーは13,099千円であります。
(2)当社の技術導入契約
|
相手会社 |
技術導入の内容及び対価 |
契約期間 |
|
アメリカ ヴェスヴィアス社 |
プレミア不定形耐火物の製造技術 販売額に対する一定率の援助料及び一定額の援助料 |
2024年1月より 2024年12月まで |
|
アメリカ アライドミネラルプロダクツ社 |
誘導電気炉用ドライ不定形耐火材の製造・販売・施工技術 販売額の金額に応じて一定率の援助料 但し減率方式 |
2019年11月より5年間 |
|
アメリカ E-jayサーモプロダクツ社 |
耐火ラミネート製品の製造・販売・技術 販売額に対する一定率の援助料 |
2024年3月より5年間 |
(注) 上記契約に関する当期の支払額は10,565千円であります。
当社グループは、高機能化する金属やガラスなどの高温溶解プロセス向けに、要求品質に適合したルツボなどの容器、定形および不定形耐火物、その設備・プロセスの研究開発を行っております。
主な取引先である自動車及び関連産業、機械、重機に使用されるアルミニウムや鉄および電気・電子を中心とした銅合金などの鋳造市場、高炉・電炉などの鉄鋼市場、環境・リサイクル市場を対象とした製品の開発改良を行っております。日本国内だけではなく、中国、東南アジアおよび北米を中心に、それぞれの国の要求品質にあった製品を開発し輸出しております。また、技術供与によるロイヤリティーを確保するための技術開発も継続的に進めております。
鋳造市場では、当社グループの代表的製品である黒鉛ルツボ「フェニックス」について、他社との差別化を図る材質改良を継続し、積極的に拡販を進めております。また、大型製品への対応、量産効率向上を目的に、成形装置である大型CIP(冷間等方圧プレス)に続いて大型焼成炉を新規導入しており、生産性、品質性能が大幅に向上しております。
不定形耐火物では、環境にやさしい炉材の開発に注力し、将来の環境規制を先取りするなど時機を逸しない研究開発活動を行っております。断熱不定形材(パッチング材)「ライトテックス(LITETEX)」シリーズは、RCF規制(特定化学物質予防規則の一部)に抵触しない断熱不定形材として、多数のお客様よりご好評を頂き、順調に販売を伸ばしております。また、CO2削減、工期短縮、省力化につながる新製品群として、①易乾燥性流し込み材(VEシリーズ)、②取鍋用不定形耐火物(VELOXシリーズ)を開発・製品化いたしました。これらの製品は、養生~乾燥~使用開始までの時間について、従来不定形耐火物対比1/3(VEシリーズ)、1/8(VELOXシリーズ)と、大幅な時短を実現しております。さらに、構造体にした際に割れ難く亀裂が進展し難い高靭性流し込み材「W2シリーズ」も開発・製品化を完了しており、逐次市場へ投入してまいります。
自動車の電動化が進む中で、使用される電池や磁石、MLCC製造には高機能の定形ルツボをはじめとする定形耐火物や不定形耐火物が必要であり、こうした顧客ニーズに応えるべく、活性金属に抵抗性の高いカルシアルツボの開発に着手し、既に製品化(大型化)の目途が立っております。また、超高温用途としてジルコニアルツボ(ZIRCONIX)の用途別の改良を継続し、適用範囲も拡大しております。今後も一層の品質安定化、新規開発を進めてまいります。
原子力発電所で発生した低放射性廃棄物処理を目的とした特殊ルツボ「キャニスタ」についても、引き続き品質のレベルアップに努めております。
鉄鋼市場では、高炉から高温で溶解される銑鉄、スラグを受ける出銑樋およびその周辺で使用される製銑用不定形材およびレンガについて、要求の厳しい国内顧客にきめ細かく対応するとともに、徹底した品質管理と継続的な技術開発を行っております。こうして国内で培った最新技術と品質管理手法を、海外の技術供与先ならびに現地顧客へ紹介・提供し、ロイヤリティー収入に繋げております。
工業炉市場では、炉内の酸化物発生を大幅に抑え、酸化物清掃作業の回数を削減できる新型溶解炉「Freedom (フリーダム)」を展開、新機能を付与するなどの改良を行い、特許申請とともに拡販を進めております。1年以上のメンテナンスフリーを実現するなど、これまでにない画期的な性能を有する工業炉であります。また、ルツボを使用したルツボ式連続溶解炉「MK炉」も、引き続き高い評価を頂いております。取鍋の分野でも、CO2削減効果や高い温度制御性という特徴を持つ取鍋電気加熱装置「エレマックス」をさらに改良し、ガス加熱方式に比べ格段の省エネ性を実現するとともに、作業現場の酷暑対策に貢献しております。この製品は、電気故の蓄熱特性も有しており、今後こうした特徴をさらに深く追求してまいります。
環境・工事市場では、焼却炉・溶融炉向けに、技能経験が浅くとも施工が可能な不定形耐火物が改めて脚光を浴びていることから、従来製品の機能向上に向けた開発を積極的に進めております。また、築炉作業の工数低減に寄与できる炉材(易乾燥性流し込み材(VEシリーズ)等)・工法の開発にも注力しております。
研究開発活動については、製品開発部、鋳造技術部、鉄鋼技術部、工業炉技術部が連携し、高い顧客満足を得るための取組を進めております。今後はこれまで以上に産学連携の枠組みを充実させ、より研究環境の整った中で、将来を見据えた礎を構築して参ります。
当連結会計年度の主な活動は次のとおりであります。
(1) 耐火物事業(鋳造事業、鉄鋼事業)
①省エネ、省メンテ性、省力化を加味した関連製品の開発改良、市場展開
・環境および高断熱不定形耐火物(製品名:LITETEX)シリーズ化
・易乾燥性流し込み材(VEシリーズ)
・取鍋用不定形耐火物(VELOXシリーズ)
・高靭性流し込み材(W2シリーズ)
・縦溝付き省エネルツボ(製品名:ゼブラックス)
②カルシアルツボ(チタン等活性金属用途)、
ジルコニアルツボ(超高温用途、製品名:ZIRCONIX)
③黒鉛ルツボの性能向上と品質安定(製品名:フェニックス)
④浸漬型溶融金属保温チューブの高付加価値化(製品名:サーモチューブ、ゼブラサーモ)
⑤放射性廃棄物処理用高性能特殊ルツボの高品質化と安定生産の継続
(製品名:キャニスタ)
⑥特殊耐熱性合金用、鋳鋼および新合金、高周波誘導炉ルツボの改良
(製品名:ホワイトフェニックス、アルミナルツボ、ジルコニアルツボ、
プリシェイプルツボ、ゲルキャストルツボなど)
⑦高炉用不定形耐火物の性能向上
当連結会計年度における耐火物事業の研究開発費の金額は、
(2) エンジニアリング事業(工業炉事業、環境・工事事業)
①軽作業、高歩留まり、省エネ型、酸化物抑制炉(製品名:Freedom(フリーダム))
②電気式取鍋加熱装置の開発改良(製品名:エレマックス)
③メンテナンス性能向上型、アルミニウム連続溶解兼保持炉の開発改良(製品名:NM炉)
④ルツボ式高性能アルミニウム連続溶解兼保持炉(製品名:メルキーパー)
⑤焼却炉用耐火物開発とエンジニアリング活動(ゴミ焼却炉、灰溶融炉等)
⑥直接通電式アルミニウム溶解兼保持ルツボ炉の開発(製品名:エレクリンキーパー)
当連結会計年度におけるエンジニアリング事業の研究開発費の金額は、
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、