当連結会計年度は、平成26年3月期を初年度とする中期経営計画の最終年度です。
中期経営計画に掲げた各施策を取り組む中で、当連結会計年度の売上高は、陶磁器事業の大幅な減収、住設環境機器事業の低迷などが影響し、前連結会計年度比12.5%減の136億43百万円となりました。
営業損失は、機能性セラミック商品事業における増益の一方で、住設環境機器事業における小幅な減益、陶磁器事業における大幅な減益が影響し、4億7百万円(前連結会計年度は2億円の営業損失)となりました。
なお、下期(平成27年10月~平成28年3月)の営業損益は、大きく改善しました。
また、第4四半期連結会計期間(平成28年1月~3月)の営業損益については、黒字化を果たしています。
これは、生産工程の改善、クレーム費の圧縮、業務効率化による時間外労働の削減、出張手当の減額など、全社的な生産性改革、経費削減対策を着実に実行したことによるものです。
経常損失は、為替差損が発生したことのほか、受取賃貸料や支払利息などの経常的な収支の計上により、3億83百万円(前連結会計年度は61百万円の経常損失)となりました。
親会社株主に帰属する当期純損失は、希望退職者募集の実施に伴う事業構造改善費用など一時的な特別損失の計上により、5億54百万円(前連結会計年度は2億18百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
なお、希望退職者の募集は、陶磁器事業における収益構造の再構築、事業規模に応じた管理部門体制の再構築を図るため、平成27年12月に130名程度の募集を行い、112名の応募がありました。当期における費用削減効果は、第4四半期連結会計期間(平成28年1月~3月)における限定的なものにとどまりました。その一方で、来期以降の通期業績に与える影響額は、売上原価が年間約2億32百万円、販売費及び一般管理費が年間約2億20百万円削減されると見込んでいます。
セグメント別の業績概要は、次のとおりです(セグメント利益の大きい順に記載しています)。
〔機能性セラミック商品事業〕
売上高は、前連結会計年度比3.8%減の23億58百万円となりました。
『セラフィーユ®』(積層基板)は、車載センサー用途商品が好調に推移した一方で、一部商品において品位確認のため一時的に出荷を見合わせたことが影響し、前連結会計年度比12.8%減となりました。
なお、当該商品の出荷見合わせはすでに解消し、以後、堅調に推移しています。
アルミナ基板は、車載用途商品が減産傾向にあった影響などにより、前連結会計年度比12.8%減となりました。
新商品『エフセラワン®』(高強度アルミナ基板)は、前連結会計年度の本格的な量産開始以後、好調に推移しています。
プリンター基板は、得意先企業における好調な販売推移を受けて、大幅な増産体制を構築したことなどにより、前連結会計年度比12.4%増と大きく伸長しました。
『シャイングレーズ®』(グレーズ基板)は、生産工程の改善を積極的に推し進める中、得意先企業からの受注が増えたことなどにより、前連結会計年度比7.7%増となりました。
『ビブレックス®』(超音波モーター)、『セラカップボード®』(銅配線基板)、『ビアウエハ®』(ウエハレベル実装用基板)についても、商談の機会が増えて、受注獲得および量産体制の立ち上げに努めています。
損益面では、生産工程の改善による売上原価の低減、売上高に占める新商品比率の上昇に伴う利益率改善などのほか、前第2四半期連結累計期間に発生した異物混入問題(利益圧迫要因)が解消した影響も加わり、前連結会計年度比19.6%増の2億79百万円のセグメント利益となりました。
〔住設環境機器事業〕
売上高は、前連結会計年度比10.5%減の88億48百万円となりました。
小型浄化槽は、新型浄化槽『浄化王NEXT®』の拡販に注力しましたが、需要の減少が競争激化を誘発し、前連結会計年度比8.6%減となりました。
大型浄化槽は、東日本大震災関連の対応が一巡したことで、前連結会計年度比42.6%減となりました。
メンテサービスは、大型保守契約が売上となり、全体として堅調に推移したことにより、前連結会計年度比2.8%増となりました。
『バンクチュール®』(システムバスルーム)は、高齢者福祉施設における商談成約に時間を要したことにより、納品件数が伸び悩み、前連結会計年度比7.6%減となりました。
『ムッシュ®』は、大手不動産会社と継続的な取引を開始したほか、病院・介護施設向けの総合展示会に出展し、新規顧客を獲得しました。『ジョッシュ®』は、平成27年4月の発売開始以来、順調に推移し、当初の見込みを上回る数量を販売しました。
損益面では、小型浄化槽の減収および大型浄化槽における震災需要の一巡が利益圧迫要因となった一方で、生産工程の内製化等による製造費用の圧縮などにより、前連結会計年度比8.5%減の2億32百万円のセグメント利益にとどまりました。
※『バンクチュール(BAINCOUTURE)®』とは、システムバスルームの新ブランドです。BAIN=お風呂(仏語)、COUTURE=高級な仕立て(仏語)を合わせた造語であり、「システムバスルームの概念を超えた、様々なバスルームのサイズ、形状、意匠など、お客さまが思い描く理想のお風呂をひとつひとつ丁寧に仕立て上げていく」という想いをブランド名に込めています。
〔陶磁器事業〕
売上高は、前連結会計年度比25.1%減の24億36百万円となりました。
国内販売は、第3四半期連結会計期間以降において堅実に回復し、特にホテル・レストランなどの業務用品は、大型案件の獲得もあったことで大きく伸長しました。しかしながら、前連結会計年度において売上高の約17%を構成していた不採算商品を整理した影響や上期における全体的な不振の影響などにより、前連結会計年度比30.0%減となりました。
なお、当連結会計年度末における受注残高は、前連結会計年度末と比べて、大幅に増加しています。
海外市場は、中東地域を中心とした受注活動に注力し、売上確保に努めましたが、航空会社やリゾート開発会社等の新規大型案件について期ズレが生じていることなどにより、前連結会計年度比16.1%減となりました。
損益面では、国内販売の大幅な減収および生産減少に伴う固定費率の上昇などが利益圧迫要因となり、2億93百万円のセグメント損失(前連結会計年度は3百万円のセグメント利益)となりました。
なお、第4四半期連結会計期間においては、希望退職者募集の実施による経費削減効果が現れた結果、一定の改善が見られました。また、来期以降についても、損益が大きく改善することを見込んでいます。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べて2億95百万円の減少(前連結会計年度は8億13百万円の増加)となり、9億12百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況および主な要因は次のとおりです。
〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕
営業活動による資金は、5億25百万円の減少(前連結会計年度は1億63百万円の増加)となりました。
これは、減価償却費3億88百万円、売上債権4億72百万円などの増加要因があった一方で、仕入債務が3億41百万円、退職給付に係る負債2億48百万円などの減少要因のほか、税金等調整前当期純損失5億7百万円を計上したことなどによるものです。
なお、今回の希望退職者募集の実施により、主に退職給付に係る負債が2億48百万円減少し、事業構造改善費用の支払額が1億33百万円発生しています。
〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕
投資活動による資金は、1億94百万円の減少(前連結会計年度は1億97百万円の増加)となりました。
これは、主に投資有価証券の売却により51百万円、関係会社の清算により47百万円などの収入があった一方で、有形固定資産の取得により2億70百万円支出したことなどによるものです。
〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕
財務活動による資金は、4億24百万円の増加(前連結会計年度は4億49百万円の増加)となりました。
これは、短期借入金が7億75百万円増加した一方で、長期借入金の返済により3億72百万円減少したことなどによるものです。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
機能性セラミック商品事業 | 2,353 | △3.8 |
住設環境機器事業 | 3,046 | 22.6 |
陶磁器事業 | 1,587 | △37.8 |
合計 | 6,987 | △6.6 |
(注) 1.金額は販売価格によっています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 | 受注高 | 前年同期比 | 受注残高 | 前年同期比 |
機能性セラミック商品事業 | 2,348 | △7.6 | 362 | 2.7 |
住設環境機器事業 | 981 | △22.5 | 881 | 25.0 |
陶磁器事業 | 2,293 | △21.9 | 290 | 81.0 |
合計 | 5,623 | △16.6 | 1,533 | 25.9 |
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
2.住設環境機器事業の金額は水処理プラントおよび小形風力発電の完成工事にかかるものです。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
機能性セラミック商品事業 | 2,358 | △3.8 |
住設環境機器事業 | 8,848 | △10.5 |
陶磁器事業 | 2,436 | △25.1 |
合計 | 13,643 | △12.5 |
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しています。
当社グループは、それぞれの事業分野で優位性を発揮し、収益力回復と事業基盤の安定を図るため、平成29年3月期を初年度とする3ヶ年中期経営計画を策定しています。
中期経営計画に基づき、地道な業績回復と新たな発展を遂げるために継続的な成長を図り、お客さまに選ばれる会社になることを目指します。それぞれの事業分野における主な施策は、次のとおりです。
〔機能性セラミック商品事業〕
製品性能および製造技術のさらなる向上を図り、売上高構成における新商品比率をさらに高めるとともに、新商品は、特定の市場や用途を狙った特長ある機能性セラミック商品で展開します。
特に、『アルザ®』(高強度アルミナジルコニア基板)、『エフセラワン®』(高強度アルミナ基板)、『エアパスプレート®』(高気孔率アルミナ基板)の開発を進めるとともに販売拡大に努めます。
引き続き、ムリ・ムラ・ムダを取り除く工程改善を推進し、売上原価率の低減を図ります。
品質データの傾向管理を強化し、製品の不具合を未然に防止することで、売上原価率低減により価格競争力を強化するとともに、品質向上によりお客さまからの厚い信頼を獲得します。
〔住設環境機器事業〕
大型・中型浄化槽および産業廃水処理プラントは、エンドユーザー、設計事務所、大手デベロッパーなどへの積極的な受注活動に努めるとともに、東日本大震災および熊本・大分地方における災害復興支援に積極的に取り組みます。
小型浄化槽は、『浄化王NEXT®』を中心に拡販し、代理店の起用と連携を深めていくことで、マーケットシェアの回復に努めます。
メンテサービスは、既存顧客向けの積極的な改修工事のほか、新規顧客獲得として広域展開企業への提案活動を行い、売上拡大に努めます。
フルオーダーメイドの『バンクチュール®』(システムバスルーム)は、ショールームへの積極的な顧客誘致や新規高級住宅会社などへの販売強化を図るとともに、非住宅分野への新規進出を行い、受注拡大に努めます(BtoB)。また、引き続きブランドの浸透を推進し、上質で充実した入浴時間、安らぎある理想の入浴体験を求めるお客さまに向けて、積極的な提案活動を行います(BtoC)。
『ムッシュ®』『ジョッシュ®』は、販売代理店の開拓を推し進めるとともに、病院・高齢者福祉施設など大手施主への販売拡大に努めます。
〔陶磁器事業〕
国内市場は、販売店との繋がりを強化するとともに、業務用商品の直販ルートにおける営業効率化を図り、販売拡大に努めます。海外市場は、北米・欧州における大市場を重点的に拡大するほか、航空機やクルーズ客船などにおける食器市場を開拓し、販路の拡大に努めます。
同時に、売上高に占める新商品の構成比率を重要な経営指標に掲げて、販売拡大に努めます。
引き続き、ムリ・ムラ・ムダを取り除く5S活動を通じて、工場内整備、合格率の改善、作業改善に取り組み、製造費用の削減を図ります。
また、ホテル・レストランなどのプロフェッショナルからは強い支持を得ており、当社商品の良さを理解いただいていますので、さらにショールームへの誘致、商品カタログの充実を推進します。個人や家庭における認知はまだ十分ではありません。オンラインショップやSNSなどの積極的活用により、当社商品の品質や魅力を伝え、認知度を高めていきます。
同時に、平成27年12月に実施した希望退職者募集による大きな痛みを伴った経費削減効果を大切にして、今後も継続してコスト管理と品質向上に努めます。
当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性があるリスクには、以下のようなものが想定されます。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1) 経済状況による影響
当社グループのうち、住設環境機器事業は日本国内で販売活動を行い、機能性セラミック商品事業および陶磁器事業は日本国内のほかにアジア、米国等でも販売活動を行っています。
当社グループの商品の需要は、販売活動を行っている国または地域の市場における景況の影響を受けるため、これらの国または地域における経済状況に急激な変化が発生した場合には、当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 為替レートの変動による影響
当社グループでは、在外連結子会社における売上、費用および資産等の現地通貨建ての項目は、連結財務諸表作成のために円換算しています。従って、円換算時の為替レートにより、これら項目の円換算後の価値が影響を受ける可能性があり、為替レートの変動は当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 顧客企業の景況による影響
当社グループの製品の一部は部品供給として顧客企業に納入しています。当該顧客企業の業績や需要予測の変動に伴う調達方針や契約の変更など、当社グループが管理できない要因が発生し、当社グループの生産体制や販売見込を見直す事態になれば、当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、顧客企業の要求に応じるための値下げ等は、当社の収益性、利益率の低下につながり、当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 連結子会社の業績による影響
当社グループの陶磁器事業の販売会社である連結子会社1社(NIKKO CERAMICS, INC.)は、売上高の低迷により業績不振となっており、グループ一体としての営業活動の効率化およびコスト削減の徹底に努め、業績の改善を図っています。同社の業績が当社グループの財政状態および経営成績等に影響を与える可能性があります。
(5) 継続企業の前提に関する重要事象等
当社グループは、平成18年10月期以降、売上高の減少傾向および営業損失を計上する状況が続きましたが、直近の平成26年3月期、平成27年3月期においては赤字幅を連続縮小し、収益力は改善しています。
しかしながら、当連結会計年度においては、売上高の減少を主な要因として、営業損失が拡大し、継続的に営業キャッシュ・フローを確保する体質への転換には時間を要することが見込まれるため、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しています。
当社グループでは、7「財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析」(5) 継続企業の前提に関する重要事象等に対する対応策 に記載の各施策によって当該状況を解消し、収益力の向上および財務体質の強化を図ります。
しかしながら、当該施策は実施途上にあり、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。
該当事項はありません。
当連結会計年度の研究開発活動は、顧客満足の追求を第一に、情報化社会の進展をはじめとした市場のニーズへの速やかな対応と、環境保護に配慮した製品づくりのため、積極的に研究開発に取り組みました。
なお、研究開発費については各事業間に関連した研究が多く、特定事業への区分を行っていませんが、総額は45百万円です。当連結会計年度における各事業別の研究開発活動は次のとおりです。
(1) 機能性セラミック商品事業
主力のアルミナ基板製品においては、耐熱衝撃性をアップした『エフセラワン®』の一部量産実績を踏まえ、ヒーター用途向け製品への拡販活動を行い、平成29年3月期より新たな取引先への本格量産納入を計画しています。
開発を続けてきたパワーモジュール用途高強度基板『アルザ®』については、年度内に材料設計の目処を立て、安定量産化に向けたプロセス検討を積極的に行っているところです。これまで引合いのあった産機分野のほか照明基板、車載市場への参入を見込み、長期取引製品として性能、コストの土台作りを行います。
LED照明用途のセラミック基板『リフレール®』は、国内大手メーカーをターゲットに、材料とプロセスの両面から開発を進めてきました。今後、高反射率特性とコストのバランスの取れた製品提案により、次期モデルの上市に向けた信頼性評価と量産体制の準備に取り掛かります。
ナノレベルの精密な位置精度制御が可能な超音波モータ『ビブレックス®』は、モータ微小駆動の制御回路基板を新たに設計開発し、商品の機能、特性向上を達成しました。特長を活かした適用アプリケーションを見定め、各種市場での商品化を加速します。
そのほか新製品としては、スルーホールによる表裏導通を可能とした銅めっき基板『セラカップボード®』の新規販売を開始しました。また、新たに高純度で気孔率の選択が可能なセラミック基板を開発し、『エアパスプレート®』の商標登録を行っています。いずれの製品も、平成29年3月期以降、積極的な販路拡大を目指して活動を進めています。
(2) 住設環境機器事業
『バンクチュール®』(システムバスルーム)分野においては、介護施設などの大型浴室用の防水パンを効率良く生産するための開発に取り組み、平成29年3月期上期において生産開始を予定しています。
水処理分野においては、コストダウンを意識した新たな家庭用小型浄化槽の開発に着手しています。現行機種に比べ、部品点数・組み立て工数削減を意識した設計構想を元に本格的な排水試験を実施しています。今後も商品化に向けた取り組みを進めます。
また、従来機種に比べコストダウンを意識した35~50人槽規模の浄化槽NSE型を開発しました。平成29年3月期上期における上市に向けて準備を進めています。
産業廃水処理施設においては、既存の食品工場の廃水処理施設に新しい酵素剤を投与し、油脂分の分解効果に関する試験を開始しました。良好な試験結果が現れた場合は、今後の産廃処理施設の新規設計や既存施設での採用を検討します。
多機能建材『ムッシュ®』については、引き続き、市場開拓に向けた営業活動を推進しています。建材以外の分野に向けては、さらに性能を向上し、低コスト化を実現した『ジョッシュ®』の販売促進活動を推進しています。
(3) 陶磁器事業
品位向上、コストダウンを意識した材料やプロセス技術の見直しを継続中です。
ボーンチャイナについては、強度と耐熱衝撃性に優れた商品の可能性を見出しました。平成29年3月期はさらなる改良を進め、最終的には強化磁器並みの強度を有する商品への革新を行います。また、新たな価値提案に向け、新規材料や技術の基礎研究に着手しました。
絵付け加飾技法において、加飾部の耐久性向上のための基礎研究に着手しました。また、新たな技術を用いた陶磁器への加飾技術の開発を行いました。平成29年3月期においては、同技術を利用した商品開発を進めます。
文中における将来に関する事項は、連結会計年度末現在において当社が判断したものであり、将来に関する事項には、不確実性が内在しており、将来生じる実際の結果とは大きく異なる可能性があります。
(1) 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や合理的な方法等で処理していますが、引当金や資産の陳腐化等による評価減等については、財政状態および経営成績に影響を与える見積り額にて計上しています。なお、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果とこれらの見積り額が異なる場合があります。
(2) 当連結会計年度の財政状態の分析
① 流動資産
前連結会計年度末と比べて8億76百万円減少し、54億60百万円となりました。
これは、現金及び預金が3億3百万円、受取手形及び売掛金が4億76百万円、それぞれ減少したことなどによるものです。
② 固定資産
前連結会計年度末と比べて2億2百万円減少し、38億56百万円となりました。
これは、建物及び構築物などの有形固定資産が1億31百万円、投資有価証券が83百万円、それぞれ減少したことなどによるものです。
③ 負債
前連結会計年度末と比べて5億76百万円減少し、86億34百万円となりました。
これは、短期借入金が7億75百万円増加した一方で、支払手形及び買掛金が3億41百万円、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)が2億72百万円、希望退職者募集の実施を主な要因として退職給付に係る負債が2億99百万円、それぞれ減少したことなどによるものです。
④ 純資産
前連結会計年度末と比べて5億1百万円減少し、6億83百万円となりました。
これは、親会社株主に帰属する当期純損失5億54百万円を計上したことなどによるものです。
(3) 当連結会計年度の経営成績の分析
第2「事業の状況」1「業績等の概要」(1)業績等の概要 に記載のとおりです。
(4) キャッシュ・フローの状況の分析
第2「事業の状況」1「業績等の概要」(2) キャッシュ・フローの状況 に記載のとおりです。
(5) 継続企業の前提に関する重要事象等に対する対応策
当社グループは、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在しており、当該状況の内容については第2「事業の状況」4「事業等のリスク」に記載しています。
当社グループでは、次の施策によって当該状況を解消し、収益力の向上および財務体質の強化を図ります。
① 収益構造の改革に向けた対応策
当社グループは、当該状況を解消するため、平成29年3月期を初年度とする3ヶ年中期経営計画を策定しています。中期経営計画の主な施策は、次のとおりです。
〔機能性セラミック商品事業〕
・製品性能および製造技術のさらなる向上、売上高構成における新商品比率の上昇
・特定の市場や用途を狙った特長ある機能性セラミック商品の展開
『アルザ®』(高強度アルミナジルコニア基板)、『エフセラワン®』(高強度アルミナ基板)、『エアパスプレート®』(高気孔率アルミナ基板)の開発および販売拡大
・ムリ・ムラ・ムダを取り除く工程改善の推進による売上原価率の低減
・品質データの傾向管理強化による製品不具合の未然防止、売上原価率低減による価格競争力強化
・品質向上による顧客からの厚い信頼獲得
〔住設環境機器事業〕
浄化槽・産業廃水処理プラント
・エンドユーザー、設計事務所、大手デベロッパーなどへの積極的な受注活動
・東日本大震災および熊本・大分地方における災害復興支援への積極的な取り組み
・『浄化王NEXT®』の拡販、代理店の起用と連携によるマーケットシェアの回復
・既存顧客に対する積極的な改修工事、新規顧客獲得として広域展開企業への提案活動
『バンクチュール®』
・ショールームへの積極的誘致、新規高級住宅会社などへの販売強化、非住宅分野への新規進出による受注拡大
・ブランド浸透の推進、充実した入浴時間、安らぎある理想の入浴体験を求める顧客への積極的な提案活動
『ムッシュ®』『ジョッシュ®』
・販売代理店の開拓、病院・高齢者福祉施設など大手施主への販売拡大
〔陶磁器事業〕
・販売店との繋がり強化、業務用商品の直販ルートにおける営業効率化
・北米・欧州における大市場を重点的に拡大、航空機やクルーズ客船などにおける食器市場の開拓
・新商品構成比率の経営指標化を通じた販売拡大
・ムリ・ムラ・ムダを取り除く5S活動推進による製造費用削減、コスト管理と品質向上
・ショールームへの誘致、商品カタログの充実による業務向けの強化、オンラインショップやSNSの積極的活用などによる個人顧客の認知度向上
② キャッシュ・フローの確保に向けた対応策
資金繰りは、密接な関係を維持している取引金融機関に対して、毎月業況の説明を行い、資金計画を提示しています。そのなかで、必要資金の確保のために継続して協議を行っています。
当社は、主要取引金融機関より経営改善支援を受けて策定した「改善計画書」(平成27年10月16日付)を取引金融機関に提示し、当連結会計年度中に借入を実行しています。
また、「① 収益構造の改革に向けた対応策」に掲げた各施策を含む当該中期経営計画(平成28年3月23日付)を取引金融機関に提示し、当社としては、取引金融機関からの理解を得ていると判断しています。
同時に、事業再構築の観点から、人員再配置、売上原価の低減、営業費の見直し、資産圧縮など、健全な利益体質を実現する体制を構築中であり、上記施策の遂行によって中期経営計画の達成に努め、キャッシュ・フローの確保を図ります。その一環として、平成27年11月9日開催の取締役会において、収益構造の再構築には抜本的な合理化が必要であると判断し、希望退職者の募集を決議し、実施しました。また、役員報酬のさらなる削減、業務効率化による時間外労働および業務委託費の削減、クレーム費の圧縮、修繕・投資費用の見直し、出張手当の減額等を行っています。
今後も上記施策を推進し、収益力の向上と財務体質の強化に取り組んでいきますが、これらの改善策ならびに対応策は実施途上にあり、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。
なお、当社グループの連結財務諸表は継続企業を前提として作成し、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を連結財務諸表に反映していません。