(注) 1. 当社は四半期連結財務諸表を作成しているため、提出会社の主要な経営指標等の推移は記載していません。
2. 潜在株式調整後1株当たり四半期(当期)純利益は、第98期第2四半期連結累計期間については潜在株式が存在しないため記載していません。第98期および第99期第2四半期連結累計期間については1株当たり四半期(当期)純損失であり、また、潜在株式が存在しないため記載していません。
当第2四半期連結累計期間において、当社グループ(当社および当社の関係会社)が営む事業の内容について、重要な変更はありません。また、主要な関係会社における異動もありません。
当第2四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生または前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
継続企業の前提に関する重要事象等
(重要事象等が存在する旨およびその内容)
当社グループは、2021年3月期から2023年3月期において継続して営業損失を計上しています。
当第2四半期連結累計期間においても、2億4百万円の営業損失を計上しており、引き続き継続企業の前提に重要な疑義を抱かせる事象または状況が存在していると判断しています。
住設環境機器事業は、前年同四半期比で売上高が増加したものの、バンクチュール®(システムバス)における大型物件の施工費用等の増加による利益率の低下により、営業利益は減少しました。機能性セラミック商品事業は、前年同四半期好調だったOA機器用基板の受注が落ち込み、前年同四半期比で売上高および営業利益が減少しました。陶磁器事業は、海外での景気回復に伴い、前年同四半期比で売上高が増加したものの、物価上昇による原価高の影響により、営業損失を計上する結果となりました。
全社として受注高は好調に推移しており、当第2四半期連結会計期間末の受注残高は、前年同四半期末比で大幅に増加しています。また、住設環境機器事業においては省エネ型小型浄化槽「水創り王®」の拡販および利益率の改善、バンクチュール®における施工管理方法等の見直しによる利益率の改善を進めています。機能性セラミック商品事業においては新規製品の立ち上げのための設備投資が進捗しており、量産に向けた体制構築を着実に進めることにより売上高および利益の積み増しを行います。陶磁器事業においては、海外案件を含む高利益受注案件の比率上昇を進めており、受注残を着実に捌くことで、利益率の改善が見込まれます。以上より、当第2四半期連結会計期間末以降は、中期経営計画で取り組んでいる「収益力の向上」について一定の成果が見込まれます。継続して営業損失を計上している陶磁器事業においても、足元の需要量や付加価値の高い製品の受注に応じた製造体制への転換を進め、需要量に応じた製造水準維持による製品在庫数量の減少が進展し、中期経営計画で取り組んでいた「財務体質の強化」についても一定の成果を見込んでいます。さらに、経費についても全社的に見直しを進めており、利益面での大幅な改善を見込んでいます。
次に、資金計画の前提として、当社グループでは当連結会計年度を2年目とする3ヶ年中期経営計画を策定しました。当該中期経営計画の中では、当社グループの各事業が安定的な営業利益を確保するための施策を講じており、特に当面の資金繰りに関連する当連結会計年度の計画において、主に次の施策の実行により通期での営業損益の改善を見込んでおり、資金計画の達成に資するものと考えています。
・住設環境機器事業では、小型浄化槽「水創り王®」の拡販を引き続き進めると同時に利益率の改善に努めています。また、バンクチュール®の大型案件を予定どおり進捗させることで、売上高、営業利益の積み上げを行います。
・機能性セラミック商品事業では、特にOA機器用基板の販売拡大に向けて、納入先メーカーとの協議および開発を進展させ、増産に対応するための新たな設備投資を前提に製造販売することで、売上高、営業利益の積み上げを行います。
・陶磁器事業では、製造原価低減を推進しつつ、付加価値の高い製品の販売比率を高めることで、営業利益の改善を行います。
当社では、必要となる運転資金の確保のために、取引金融機関と当座貸越契約を締結して必要な資金枠を確保しています。
なお、当社の当連結会計年度に係る資金計画には、上述の機能性セラミック商品事業において計画している設備投資を含んでいます。
以上の状況により、継続した営業損失の計上を踏まえ、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況は存在していると認識しているものの、その不確実性の解消に向けて新たに策定された中期経営計画の内容を踏まえて当面の資金繰りへの不安が解消されてきていることから、当社グループは継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しています。
文中の将来に関する事項は、当第2四半期報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営成績の分析
当連結会計年度は2023年3月期を初年度とする3ヶ年中期経営計画の2ヶ年目です。
当第2四半期連結累計期間の売上高は、住設環境機器事業および陶磁器事業において増収、機能性セラミック商品事業は減収となりました。特に陶磁器事業において新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行となり、行動制限が緩和されたことにより増収となりました。一方、住設環境機器事業におけるバンクチュール®(システムバスルーム)の大型案件での利益率が低下したこと、機能性セラミック商品事業で前年同四半期活況であったOA機器用基板の受注が落ち込んだことをカバーするには至らず、営業損失を計上することとなりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は、69億3百万円(前年同四半期比1.5%増)、営業損失は、2億4百万円(前年同四半期は14百万円の利益)、経常損失は、1億72百万円(前年同四半期は91百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失は、1億98百万円(前年同四半期は57百万円の利益)となりました。
セグメント別の業績概要は次のとおりです。
〔住設環境機器事業〕
売上高は、48億0百万円(前年同四半期比5.0%増)となりました。
小型浄化槽は、受注高は新築住宅着工の減少による市況が悪化した状況の中で引き続き堅調に推移したものの、建築現場の工期遅延の影響を受けたことにより売上計上が遅れ、売上高は前年同四半期比2.8%増の微増に留まり、受注残高が増加しました。
大型・中型浄化槽は、中型槽は浅型の新製品が好評で売上高が大幅に伸長しましたが、大型浄化槽は進行基準対象案件が前連結会計年度と比較して進捗度が小さかったため、前年同四半期比2.2%増となりました。
バンクチュール®(システムバスルーム)は、住宅・非住宅ともに工事が進み、前年同四半期比6.2%増となりました。
メンテナンスサービスは、保守管理契約物件が増加したものの、前年同四半期比0.5%減となりました。
ディスポーザーは、工事進行基準対象案件が前連結会計年度と比較して進捗が大きかったため、前年同四半期比66.5%増となりました。
損益面では、バンクチュール®(システムバスルーム)における大型物件の利益率が落ち込んだ影響が大きく、1億62百万円のセグメント利益(前年同四半期比38.4%減)となりました。
今後の施策として、小型浄化槽は、原価上昇分を吸収すべく販売価格改定を進めながら新規開拓を継続して行ってまいります。
大型・中型浄化槽は、国内では設計事務所へのスペックイン営業と施工管理体制の強化に注力し、海外では代理店と現地顧客への同行訪問により具体的商談の交渉および環境展への浄化槽の出展を実施し、新規物件・新規顧客の獲得に注力してまいります。
バンクチュール®(システムバスルーム)は、お風呂カルチャーを発信する「BAINCOUTURE Magazine™」に加え、バスアイテムを販売するオンラインストア「Maison de Baincouture」の取り組みにより、新たなマーケットの可能性を探求しながらブランド力を伸ばし、受注率、満足度の向上を図ってまいります。
メンテナンスサービスは、保守管理物件における改修工事の提案力強化を図り、受注獲得に繋げてまいります。
ディスポーザーは、再開発案件を中心に情報収集を行い、デベロッパーへの営業活動および交換需要の獲得に注力してまいります。
〔機能性セラミック商品事業〕
売上高は、12億8百万円(前年同四半期比16.2%減)となりました。
前連結会計年度においては新型コロナウイルス感染拡大の影響が小さくなりつつある中で取引先における生産活動が活況を示し、また、部材調達問題を踏まえたサプライチェーン全体における在庫構築が進みましたが、当第2四半期連結累計期間においては当該在庫の消化遅れが顕在化し、特に一部OA機器用基板の受注、売上において減少傾向となりました。一方で、今後の売上高伸長に繋がる新商品としては前年同四半期比で25%増加するなど好調に推移しており、引き続きこれら新規製品開発および商談に注力してまいります。
製品群別では、セラフィーユ®(積層基板)は前年同四半期比0.6%増、アルミナ基板は前年同四半期比13.8%減、OA機器用基板は前年同四半期比36.6%減、シャイングレーズ®(グレーズ基板)は前年同四半期比0.3%減となりました。
損益面では、OA機器用基板の大幅な売上減少を補うには至りませんでしたが、前連結会計年度の原材料やエネルギー費用の大幅な上昇を含めた製品価格の改定が反映され、また受注に応じた工場稼働率の調整とともに生産性改善を並行して実施したことにより、64百万円のセグメント利益(前年同四半期比62.7%減)となりました。
今後の施策として、新商品および製品の高性能化が強く求められる事業環境に対応していくため、各種セラミック関連製品の研究開発を積極的に進め、生産面においては市場におけるコスト競争力を上げる活動を行ってまいります。特に、新規取引先を含めたアルミナ基板およびグレーズ基板の商談を推し進めるほか、先般より開発商談が始まっている新規積層基板の商品開発と海外企業に向けた営業活動に注力してまいります。
〔陶磁器事業〕
売上高は、8億93百万円(前年同四半期比13.5%増)となりました。
国内市場は、新型コロナウイルス感染拡大以前の水準にまでほぼ回復しており、前年同四半期比10.3%増となりました。
海外市場は、北米地区を中心に引き続き案件が堅調に伸びており、前年同四半期比16.8%増となりました。
損益面では、固定費の圧縮等による収益構造の改善がさらに進行中であり、22百万円のセグメント損失(前年同四半期は21百万円の損失)となりました。
今後の施策として、当社による国内一貫生産の強みである「品質・デザイン・納品リードタイム」を一層強化するとともに、需要量に応じた供給体制の調整を柔軟に行うことで収益構造のさらなる改善に注力してまいります。また、2023年11月にオープン2周年を迎えるジェネラルストア「LOST AND FOUND®(ロストアンドファウンド)」の実店舗およびECサイトを通して、多くのメディアやSNS等を活用したプロモーションを一層強化することで、高感度なインフルエンサーやインバウンドの需要取り込みとニッコーファンのさらなる増加を図り、ブランド価値と収益の向上に努めます。さらに、サステナブルな取り組みを情報発信するオウンドメディア「table source®(テーブルソース)」やファインボーンチャイナのサブスクリプションサービス「sarasub®(サラサブ)」を通して、他の陶磁器メーカーとは異なるサーキュラーエコノミーの実践に一層取り組みます。また、2022年8月に発売した、サステナブルな社会における新しいライフスタイルを提案する「Table Planter™(テーブルプランター)」の推進を通して、食器以外の商品も展開し、豊かな生活空間を今後も提案してまいります。
〔その他〕
サーキュラーエコノミーを推進する独立した事業セグメント(新規事業)として、捨てられるボーンチャイナを肥料として再利用する世界初の商品「BONEARTH®」を販売しています。
売上高は1百万円(前年同四半期比63.3%増)となりました。
損益面では、2百万円のセグメント損失(前年同四半期は7百万円の損失)となりました。
今後の施策として、引き続き農産物生産者および園芸愛好者に安心してお使いいただけるよう社内での研究や実験を継続し、「BONEARTH®」を使った各種農産物の栽培方法の知見を蓄積し、「BONEARTH®」の販売量増加を目指します。
また、当社グループの陶磁器販売先や農産物生産者および関係省庁の協力も得ながら活動範囲を広げ、相互の連携をとりながら、回収したボーンチャイナの肥料化を実現し、農産物生産者に使用していただき、収穫された食材を陶磁器販売先で使用する循環を目指します。その循環に向けた取り組みとして、「BONEARTH®」を起点にして、生産者から消費者まですべての人がつながりあい、楽しみながら、持続可能な「食の未来」について考えるためのコミュニティ「BONEARTH® CIRCULAR COMMUNITY(ボナースサーキュラーコミュニティ)」を発足しました。食器メーカーである当社にとって、食器を通してつながるレストランやホテルの方々、「BONEARTH®」を通してつながる農家の方々をつなぐことで、持続可能な「食の未来」の実現に貢献したいと考えています。
そして、陶磁器事業の持続可能な未来と循環型社会の実現に向けて取り組んでまいります。
(2) 財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末と比べて2億7百万円減少し、90億38百万円となりました。
これは、棚卸資産が1億13百万円、有形固定資産が29百万円、無形固定資産が35百万円、それぞれ増加した一方で、現金及び預金が3億91百万円減少したことなどによるものです。
負債は、前連結会計年度末と比べて31百万円減少し、86億62百万円となりました。
これは、リース債務が33百万円、流動負債その他に含まれる未払金が1億10百万円、流動負債その他に含まれる契約負債が1億67百万円、それぞれ増加した一方で、支払手形及び買掛金が1億63百万円、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)が40百万円、賞与引当金が1億25百万円、それぞれ減少したことなどによるものです。
純資産は、前連結会計年度末と比べて1億76百万円減少し、3億75百万円となりました。
これは、親会社株主に帰属する四半期純損失1億98百万円を計上したことなどによるものです。
その結果、自己資本比率は、前連結会計年度末と比べて1.8ポイント低下し、4.2%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べて3億90百万円の減少(前年同四半期は95百万円の増加)となり、6億53百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況および主な要因は次のとおりです。
〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕
営業活動による資金は、1億8百万円の減少(前年同四半期は3億16百万円の増加)となりました。
これは、減価償却費1億84百万円、売上債権の減少額97百万円などの増加要因の一方で、税金等調整前四半期純損失1億88百万円、仕入債務の減少額1億63百万円などの減少要因があったことによるものです。
〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕
投資活動による資金は、2億22百万円の減少(前年同四半期は1億19百万円の減少)となりました。
これは、有形固定資産の取得により2億21百万円支出したことなどによるものです。
〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕
財務活動による資金は、64百万円の減少(前年同四半期は1億11百万円の減少)となりました。
これは、セール・アンド・リースバックにより24百万円の収入があった一方で、長期借入金の返済により40百万円、社債の償還により20百万円、リース債務の返済により28百万円支出したことなどによるものです。
(4) 優先的に対処すべき事業上および財政上の課題
当第2四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上および財務上の課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は69百万円です。
当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等は行われていません。