第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境および対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。

(1) 経営方針

当社グループは、「企業は社会の公器」として短期的な利益ではなく、長期的な視点に立った経営を優先する社会の実現を目指す企業群の一翼を担うことを認識しています。社員・顧客・仕入先・地域社会・地球といったすべての社中※に貢献することにより企業価値を上げるという考え方である「公益資本主義」の理念に賛同しています。

 

※社中とは、志を同じくして事業を成功に導く仲間のことを意味します。根本には協力、協調の精神が漂っているところがステークホルダーと異なります。
一般によく使われるステークホルダーは、英米の経営学書で使われる用語の直訳で、利害関係者を意味しますので、構成員はもともと利害が相反するものとする意味合いを持っています。

 

以上の観点から、当社グループは、次の経営理念のもと、企業経営に取り組んでいます。

〔経営理念〕

『お客さまに選ばれる会社になることを目指して』

・挑戦

私たちは、挑戦し続けます。

常識や慣習にとらわれることなく、新しい技術、商品、顧客の創造をする企業となり、社会に貢献いたします。

・信頼

私たちは、信頼を大切にします。

お客さまに対しても、社員同士でも、信頼関係が築けるように行動します。透明性の高い健全な経営を構築し、継続いたします。

・知恵

私たちは、知恵をふりしぼります。

一人ひとりが考えて創意工夫をすることで、お客さまの満足度の高い商品を作り、提供いたします。
環境も私たちのお客さまです。

 

加えて、当社が200年企業となるべく未来に向けて持続的に成長していくため、改めて当社の存在意義を見つめ直し、中長期的な方向性として2022年1月に以下の『ミッション・ビジョン・バリュー』を制定いたしました。

〔ミッション・ビジョン・バリュー〕

・ミッション(存在意義)       『未来を素敵にする』

・ビジョン(目指す姿)     『かけがえのないブランドになる』

・バリュー(価値観・行動指針) 『今を楽しみ、ニッコーファンをつくる』

 

また、当社グループの各事業においては、次のミッション・ビジョンを掲げ、経営理念に基づく行動を継続することにより、これらの実現に向けて事業展開しています。

〔住設環境機器事業〕

(水創り事業部)

・ミッション 「美しい水を創り、世界の水環境に貢献する」

・ビジョン  「水ビジネスでイノベーションを起こし、お客様に選ばれるリーディングブランドになる」

(環境プラント事業部)

・ミッション 「水処理技術の提供を通じて世界の水環境を守る」

・ビジョン   「水環境ソリューションのリーディングカンパニーとなる」

(バンクチュール事業部)

・ミッション 「お風呂に感性を吹き込む」

・ビジョン  「お風呂体験のリーディングブランドになる」

 

 

〔機能性セラミック商品事業〕

・ミッション 「セラミック関連技術により世の中を便利にし、みんなの生活を豊かにする集団であり続ける」

・ビジョン   「特長のある新商品を提供し、競争力のある、誇れる、価値創造型事業部になる」

 

〔陶磁器事業〕

・ミッション 「豊かな生活空間を創造し続ける」

・ビジョン   「世界で『Only Oneのブランド』となる」

 

(2) 経営環境および対処すべき課題

当連結会計年度は、当社グループの主たる事業である住宅業界を取り巻く環境においては、中長期的な新築住宅着工棟数の減少傾向に加え、住宅ローン金利の上昇、土地価格や建築コストの上昇等による住宅取得や大規模改修に対するマインドの低下、設計監理職・施工管理職等の専門職技術者の人材不足など、依然として厳しい状況が続くものと思われます。また、新型コロナウイルス感染症の収束に伴い、社会・経済活動は正常化しており、当社グループの事業活動においても一定程度の回復が見られるものの、2022年初頭に勃発したロシア・ウクライナ情勢に起因した原油価格や原材料の高騰、人手不足や物流コスト上昇による物価上昇、為替相場の急激な変動等、依然として先行き不透明な状況が継続していることに加え、米国大統領による相互関税政策などによる影響をはじめ、ますます先行きが不透明な状況となっており、対処すべき課題の多い環境下におかれています。

当社グループは、2025年3月期を初年度とする3ヶ年中期経営計画を策定しました。本中期経営計画の達成と全社および各事業のミッション・ビジョンの実現に向け、総力を挙げて取り組んでいます。

セグメントごとに取り組むべき課題と対策は、次のとおりです。

 

〔住設環境機器事業〕

浄化槽

日本国内の人口減少や都市部への人口集中により浄化槽設置基数は減少傾向にあり、業界の動向は厳しい状況ですが、当社グループは、2020年に上市した業界一省エネタイプで施工面でも優位性のある小型浄化槽の拡販により国内シェアの拡大を目指します。施策として、同製品の拡販に向けて営業マネジメントの強化とホームページのリニューアルにより、日本国内約335万基の単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への転換によるリフォーム需要の掘り起こしを進めます。また、集合住宅や店舗で使用される中型浄化槽の新製品の拡販により販売シェアの拡大を目指していきます。さらに、外部研究機関との共同研究により新分野における製品開発の促進と工場の自動化、生産効率の向上を推し進めていきます。加えて、海外市場の開拓にも取り組んでおり、新たなマーケットのニーズを取り込んでいくことで事業の拡大を目指します。

 

産業排水処理プラント、ディスポーザー

浄化槽で培った当社グループの水処理技術の応用と特殊排水処理の技術力を持った会社とのコラボレーションにより、様々なニーズに対応していきます。また、自社製ディスポーザー「CIALAC®」のデベロッパーに対する営業強化と買替需要の獲得および新たな機能を追加させた新製品の開発にも取り組みます。さらに、Webも活用しながら営業拡大を確実に進め、ディスポーザーシステムメーカーとしての地位の確立を目指します。

 

バンクチュール®

当社グループが展開するバンクチュール®(システムバスルーム)は、富裕層を中心に今後も需要拡大が見込まれます。付加価値向上のため、引き続き「BAINCOUTURE Magazine™」によるお風呂カルチャーの発信および「Maison de Baincouture」によるバスアイテムの販売に取り組んでいきます。また、お風呂の価値を入浴前後まで広げる新たな概念「bath side living」を普及させるため、「心の調和、脳の休息、身体のケア」を支える時間を提案し、新たなマーケットの創出やブランド力強化、受注率・満足度の向上に繋げます。さらに、住宅分野での知見を活かし、ホテルや介護施設等の非住宅分野にも展開していきます。加えて、製品コストの見直しおよび予実管理の強化により、収益性のさらなる改善を目指します。

 

 

〔機能性セラミック商品事業〕

当社グループが取り扱うセラミック製品は、主に車載用、OA機器用、産業機器用などであり、当該市場では将来において、引き続きさらなる高度な安全性、優れた環境性能、省エネルギー化に向けた大幅な制度変更や技術的革新の推進が確実となっています。これらの状況を踏まえ、新商品および製品の高性能化が強く求められる事業環境に対応していくため、各種セラミック関連製品の研究開発を積極的に進め、生産面においては市場におけるコスト競争力を上げる活動を行っていきます。特に、新規取引先を含めたアルミナ基板およびグレーズ基板の商談を推し進めるほか、先般より商談を進めてきた新規積層基板の製品開発と海外企業に向けた営業活動に注力していきます。また、長期的な視点での工場生産設備の自動化を推し進めるとともに、引き続き製品の技術的発展を機会とし社会への貢献度を高めていくことを目指します。

 

〔陶磁器事業〕

当社グループが取り扱う陶磁器製品は、国内一貫生産により「品質・デザイン・納品リードタイム」に強みがあり、需要量に応じた供給体制の調整を柔軟に行うことで収益構造のさらなる改善に注力していきます。今後も生産活動においてさらなる総合歩留率の向上を図るとともに、従来は人手で行っていた検査や測定業務の自動化を推進し、IT投資による生産活動の革新と付加価値の高い業務へのシフトを目指していきます。また、営業面においては、ジェネラルストア「LOST AND FOUND®」の実店舗およびECサイトを通して、多くのメディアやSNS等を活用したプロモーションを一層強化することで、高感度なインフルエンサーやインバウンドの需要取り込みとニッコーファンのさらなる増加を図り、ブランド価値と収益の向上に努めます。さらに、サステナブルな取り組みを情報発信するオウンドメディア「table source®」や捨てられるボーンチャイナを再利用した肥料「BONEARTH®」の推進活動などを通して、他の陶磁器メーカーとは異なるサーキュラーエコノミーの実践に一層取り組んでいきます。

 

2 【サステナビリティに関する考え方および取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方および取組は、次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) ガバナンス

(ニッコーグループが目指すサステナビリティ経営)

当社グループは、サステナビリティに関する取り組みを重要な課題と認識しています。「お客さまに選ばれる会社になることを目指して」を経営理念として掲げ、住設環境機器事業、機能性セラミック商品事業、陶磁器事業の三本柱である各事業において、<新しい技術、商品、顧客の創造>をする企業となることを目指し、サステナビリティの概念を企業戦略および事業戦略に組み込むことで、将来の成長に向けた「持続可能な経営の枠組み」を獲得できると考えています。

当社グループは、サステナビリティの視点で環境および社会課題の解決のための取り組みを強化し、企業価値を向上することで、社員、顧客、仕入先、地域社会、地球といったすべての社中に貢献することを基本方針としています。

また、当社グループを取り巻くリスクに対し、事前にリスクを洗い出し、対策を行い、評価・管理する組織として代表取締役社長を委員長とするリスクマネジメント委員会を設置しており、年4回開催しています。当該委員会は、リスクマネジメントに係る重要事項について経営会議に報告し、全社としてリスクマネジメントに取り組んでいます。

 

(気候変動関連)

当社グループでは、環境マネジメントシステムを構築しており、社内のエネルギー消費量等のモニタリング、外部の専門家および調査機関等の報告書による環境関連の情報収集を行い、法規制等の状況の変化、当社グループを取り巻くリスクおよび機会ならびに利害関係者のニーズおよび期待について年1回レビューを行い、リスクマネジメント委員会においてニッコー環境ポートフォリオ等を制定しています。

 

 

(人的資本関連)

当社グループでは、採用活動・人材育成・職場環境整備等を実施する人事本部を設置しており、「(2)戦略 (人的資本関連)」に記載されている施策、「(3)リスク管理 (人的資本関連)」に記載されているリスクおよび機会について進捗管理を行い、月1回の経営会議および役員会議等で報告しています。

 

(2) 戦略

(気候変動関連)

環境問題の中でもとりわけ気候変動は、お客さまの生命や健康、企業活動、地域・社会の持続可能性(サステナビリティ)に大きな影響を与える問題と認識しており、当社グループにとっても、重要課題の一つと位置付け、環境問題やCO2排出量削減を通じて事業ポートフォリオの転換を進めていくことが重要であると考えています。

当社グループは社会にとっての影響度が大きい課題をマテリアリティとして定めて、「環境貢献事業の推進」を目指した事業を推進していきます。さらには、安全/品質/リスク管理/コンプライアンスの強化を含む、全社を挙げたサステナビリティマネジメントもより一層強化してまいります。

 

(人的資本関連)

当社グループは中期経営計画を単なる業績目標の達成にとどまらず、「ミッション・ビジョン・バリュー」の実現を推進するための戦略的ロードマップと位置付け、持続的な成長に向けた最重要施策の一つとしています。

ミッション・ビジョンの実現には、社員一人ひとりの活躍が不可欠であり、その価値観・行動指針として「今を楽しみ、ニッコーファンをつくる」を掲げています。経営理念である「挑戦・信頼・知恵」の実践については、経営トップによる継続的なメッセージ発信や、管理職が自らの言葉と行動で理念を体現することで、日常業務や評価制度、研修プログラムなど各種社内制度に反映し、全社員が理念を自分ごととして理解・共感できる環境づくりに取り組んでいます。また、理念を体現した社員の成功事例の共有や、日常的に理念に触れる機会の創出などを通じて、理念と行動の一体化を図り、組織全体への浸透を強化しています。

加えて、ESG関連施策による研究開発や新事業創出を加速することで新たな価値創出に取り組むこと、さらには、これらの活動の礎となる人材育成・活性化、グローバルオペレーションの強化、ガバナンスの強化といった事業基盤の強化も継続して取り組んでまいります。

具体的には、人材戦略として「人財開発プログラム」を策定し、以下の4つの柱を中心に取り組んでいます。

①人材確保

新規学卒者およびキャリア人材の積極的な採用と、離職防止策の強化により、多様な人材の確保に努めています。

②人材育成

階層別研修の定期実施や次世代リーダーの育成プログラムを通じて、社員一人ひとりの成長を支援し、組織全体の能力向上を図っています。

③人材管理

社員情報の一元管理や情報セキュリティの強化、法令遵守の徹底、労働安全衛生法に準拠した快適な職場環境の整備など、安心して働ける環境づくりを推進しています。

④組織開発

次世代に向けた制度構築やサービス提供、社員エンゲージメント向上のための施策立案など、持続的な組織成長を見据えた取り組みを進めています。

 

上記施策を通じて、企業価値の向上と持続的な成長を実現する組織体制の構築に取り組んでいきます。

 

(3) リスク管理

(気候変動関連)

当社グループにおける主なリスクとしては、白山の積雪量の減少等があり、白山工場の稼働に不可欠な地下水が白山の積雪を水源としており、温暖化に伴う積雪量の減少により、将来的に白山工場の稼働に影響を及ぼす可能性があります。リスクヘッジとして水の有効活用、CO2排出量削減等に取り組む必要があります。

主な機会としては、GX2040ビジョン等があり、カーボンニュートラルのための施策の一つとして、サーキュラーエコノミーが重視されています。当社グループでは、農産物生産者が捨てられるボーンチャイナを再利用した肥料「BONEARTH®」を使用して収穫した食材を陶磁器販売先で利用するなど、循環型社会を目指す取り組みである「BONEARTH® CIRCULAR COMMUNITY」の活動を通じて、レストランやホテル、農家の方々をつなぐことで、持続可能な「食の未来」および循環型社会の実現ならびに陶磁器事業の業容拡大に向けて取り組んでいます。

当該リスクおよび機会の識別、評価および管理の過程については、「(1)ガバナンス (気候変動関連)」に記載のとおり、環境マネジメントシステムのなかで識別、評価および管理されており、リスクマネジメント委員会にて報告後、重要事項については経営会議にも報告しています。

 

(人的資本関連)

当社グループは人材獲得競争の激化によるコスト上昇や多様な人材の獲得が進まない場合の企業イメージ低下をリスクとして認識しています。また、様々なバックグラウンドを持つ人材登用による人材の獲得ルートの増加と新たなビジネス機会の創出を機会として捉えています。

当該リスクおよび機会の識別、評価および管理の過程については、「(1)ガバナンス (人的資本関連)」に記載のとおり、人事本部により識別、評価および管理されています。今後は役員および経営幹部とともに「人財」に特化した「人的資本委員会」を発足することにより、当該リスクおよび機会に対処していきます。

 

(4) 指標および目標

(気候変動関連)

当社グループにおける、「(2)戦略 (気候変動関連)」において記載した気候変動関連の指標および目標については、以下のとおりです。

指 標

目 標

実 績

電気の非化石比率

42.3%

27.2%

 

(注)1. 目標値は2030年度、実績値は有価証券報告書提出日現在までに公表されている最新(2023年度)の数値です。

2. 連結グループに属する全ての会社では行われておらず、連結グループにおける記載が困難であるため、提出
会社の指標となっています。

 

当社グループでは、上記目標達成のため、さらなる資源の有効活用、CO2排出量削減に向けて取り組んでいきます。

 

(人的資本関連)

当社グループでは、上記「(2)戦略 (人的資本関連)」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針に係る指標については、「第1 企業の概況 5 従業員の状況 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異」に記載しています。なお、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組が行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われておらず、連結グループにおける記載が困難であるため、提出会社の指標となっています。

目標については、後記の「3 事業等のリスク」に記載のリスクが顕在化し、当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼすことで、当該指標が当初の想定を超えて大きく変動する可能性があることから具体的な目標までは公表していませんが、引き続き、多様な人材が働きやすい社内環境を整備することに注力し、各指標の向上に努めていきます。

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性があるリスクには、以下のようなものが想定されます。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。これらのリスクについては、単にマイナスの側面からではなく、「機会」としてのプラスの側面からも捉えたうえで、様々な対応を行っていきます。

(1) 経済状況の変化による影響

2022年初頭に勃発したロシア・ウクライナ情勢に起因した原油価格や原材料の高騰、人手不足や物流コスト上昇による物価上昇、為替相場の急激な変動等、依然として先行き不透明な状況が続いています。また、米国大統領による相互関税政策などによる影響をはじめ、ますます先行きが不透明な状況となっており、今後の動向によっては、当社グループにおいても大きく影響を及ぼす可能性があります。

住設環境機器事業においては、人口減少に伴う住宅着工の減少、現場コストの上昇が見込まれます。機能性セラミック商品事業においては、部材調達価格の上昇や米中経済摩擦の長期化による在庫調整が見込まれます。陶磁器事業においては、主要販売先であるホテル、レストランの業績や個人消費者の消費動向などに左右されます。これらにより経営成績等の状況に影響を及ぼす可能性があります。

これらのリスクは、トップリスクとして認識しており、その対策として、当社グループは、経済状況の変化に対応すべくビジネスモデルの変革に取り組んでいます。世界各国での開発・生産活動の分散化や輸入から国内調達へのシフト、サステナブルな活動の高まりなどは、国内生産にこだわっている当社グループにとっての絶好の機会と捉え、新商品の開発やサービスの充実に取り組みます。また、資金繰りを精査し、関係金融機関と状況を共有し、必要に応じて資金確保を依頼しています。

 

(2) 人材確保および育成による影響

当社グループが属する業界は技術革新が目まぐるしく、高度な技術力や施工技術が必要であること等が特徴となっており、当社グループでは各種技術者の確保と育成を最重要課題と位置づけ、優秀な人材の確保を図るとともに、社内教育の充実や人材育成に積極的に取り組んでおりますが、仮に優秀な人材の確保や育成が出来なかった場合、当社グループの経営成績等の状況に影響を与える可能性があります。

 

(3) 原材料の調達状況による影響

当社グループでは、多種多様な原材料を使用しており、その一部を複数の国から調達しています。これらの調達に当たっては、世界的な需要構造変化に伴い、調達価格の急激な上昇や供給不足または供給停止等が発生した場合には、当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクは、ロシア・ウクライナ情勢により一部顕在化しており、その対策として、白山購買部、埼玉購買部が窓口となり、原材料の調達について各事業部と必要な原材料の情報を常に共有しています。また、調達が困難な場合を想定して、可能な限り複数の購買先の確保と新たな購買先の確保を図っています。

 

(4) 余剰在庫の滞留による影響

当社グループでは、顧客需要の変動に合わせて生産調整等を行い、余剰在庫の発生を抑制するよう対策を講じています。経済状況や製品市場の急激な変化等により、需要が販売予想を大幅に下回り、余剰在庫が滞留した場合には、当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

その対策として、大量な余剰在庫が発生しないように、各事業セグメントにおいて生産計画を見直しています。また、余剰在庫については、評価の見直しを図っています。

 

(5) 為替レートの変動による影響

当社グループでは、在外連結子会社による売上、費用および資産等の現地通貨建ての項目は、連結財務諸表作成のために円換算しています。従って、円換算時の為替レートにより、これらの円換算後の価値が影響を受ける可能性があり、当該リスクは、社会情勢に応じて、為替予約取引を利用することでリスク軽減を図っていますが、急激な為替レートの変動は当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 製造拠点への自然災害等による影響

当社グループのうち、機能性セラミック商品事業および陶磁器事業は、当社本店所在地である石川県で製造活動を行い、住設環境機器事業は埼玉県で製造活動を行っています。当該製造拠点や製造委託先等において、地震・暴風雨などの自然災害あるいは不慮の事故などにより、生産設備等が何らかの損害を受け、製品の製造・販売が遅延もしくは停止する場合には、当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクが顕在化する蓋然性は、工場所在地のリスクマップにおいて低い状況にありますが、大地震や超大型台風などによる想定を超える被害の発生に備えるための対策として、被害を最小限に留めることと、事業の継続および早期復旧を目的としたBCP(事業継続計画)を策定しました。当社グループは、石川県および埼玉県において毎年定期的に防災訓練を実施し、かつ、拠点ごとに生産技術部において生産設備や工場建屋について、免震対応、豪雨等による修繕を適宜実施しています。今後も、災害により製造に影響が及ぶと想定される設備機器等については、都度対応します。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

当連結会計年度は3ヶ年中期経営計画の初年度です。

当連結会計年度の売上高は、150億68百万円(前連結会計年度比2.4%増)となりました。営業利益は、3億67百万円(前連結会計年度比148.8%増)となりました。経常利益は、3億61百万円(前連結会計年度比91.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、2億89百万円(前連結会計年度比99.4%増)となりました。

セグメント別の業績概要は次のとおりです。

 

〔住設環境機器事業〕

売上高は、106億96百万円(前連結会計年度比4.7%増)となりました。

小型浄化槽は、市況が悪化したものの、能登半島地震の震災対応物件の売上計上により販売シェアは上昇し、前連結会計年度比3.4%増となりました。

大型・中型浄化槽は、前連結会計年度から繰り越した大型物件や大型改修工事物件の売上計上により、前連結会計年度比6.4%増となりました。

バンクチュール®(システムバスルーム)は、レジデンス物件、非住宅物件がともに堅調に推移したものの、前連結会計年度比2.4%減となりました。

メンテナンスサービスは、保守管理契約物件と改修工事の売上が増加したことにより、前連結会計年度比8.3%増となりました。

ディスポーザーは、売上物件数の増加と進行基準対象案件の進捗が順調であったため、前連結会計年度比20.5%増となりました。

損益面では、浄化槽の値上げに加え、工事部門の利益率、バンクチュール®(システムバスルーム)の利益率が大きく改善したことにより、9億79百万円のセグメント利益(前連結会計年度比59.3%増)となりました。

 

〔機能性セラミック商品事業〕

売上高は、27億49百万円(前連結会計年度比14.6%増)となりました。

当事業全体としては、前連結会計年度からのアルミナ基板サプライチェーン全体における在庫構築に対する反動減の状況が継続する一方で、当連結会計年度においては一部取引先企業における当該在庫消化が進んだこと、またOA機器用製品を中心とした新商品およびグレーズ製品の増産を踏まえて売上高の増加に繋がりました。

製品群別では、OA機器用製品は前連結会計年度比38.1%増、シャイングレーズ®(グレーズ基板)は前連結会計年度比30.8%増、セラフィーユ®(積層基板)は前連結会計年度比16.3%減、アルミナ基板は前連結会計年度比8.3%増となりました。

損益面では、OA機器用製品およびシャイングレーズ®(グレーズ基板)の売上増加が利益を牽引し、一部取引先で続いている在庫過剰による売上高減少分を補い、2億34百万円のセグメント利益(前連結会計年度比40.5%増)となりました。

 

〔陶磁器事業〕

売上高は、16億14百万円(前連結会計年度比23.2%減)となりました。

国内市場は、コロナ禍の収束により、前期までの業務用を中心としたリピート需要や買換需要が一巡し、前連結会計年度比11.8%減となりました。

海外市場は、前連結会計年度に北米市場を中心としたリテール向けの大型案件需要の平準化により、前連結会計年度比35.3%減となりました。

損益面では、需要増減に応じた生産体制構築による原価低減、さらに一般管理費を効率的に運用することで収益構造に一定程度の改善が見られたものの、国内外の市場における需要動向の変化により、8百万円のセグメント利益(前連結会計年度比95.2%減)となりました。

 

〔その他〕

サーキュラーエコノミーを推進する独立した事業セグメント(新規事業)として、捨てられるボーンチャイナを肥料として再利用する世界初の商品「BONEARTH®」を販売しています。

売上高は7百万円(前連結会計年度比127.7%増)となりました。

損益面では、5百万円のセグメント損失(前連結会計年度は5百万円の損失)となりました。

 

② 財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べて5億67百万円増加し、96億87百万円となりました。

これは、棚卸資産が75百万円、有形固定資産が30百万円、それぞれ減少した一方で、現金及び預金が4億73百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が1億1百万円、無形固定資産が35百万円、投資有価証券が49百万円、それぞれ増加したことなどによるものです。

負債は、前連結会計年度末と比べて5億1百万円減少し、79億1百万円となりました。

これは、リース債務が69百万円、賞与引当金が85百万円、それぞれ増加した一方で、支払手形及び買掛金が62百万円、短期借入金が4億円、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)が1億24百万円、流動負債その他に含まれる未払費用が83百万円、それぞれ減少したことなどによるものです。

純資産は、前連結会計年度末と比べて10億68百万円増加し、17億85百万円となりました。

これは、第三者割当増資による普通株式の発行により資本金が3億80百万円、資本剰余金が3億79百万円それぞれ増加したこと、親会社株主に帰属する当期純利益2億89百万円を計上したことなどによるものです。

その結果、自己資本比率は、前連結会計年度末と比べて10.5ポイント上昇し、18.4%となりました。1株当たり純資産は、30円87銭増加し、61円61銭となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べて4億73百万円の増加(前連結会計年度は61百万円の減少)となり、14億56百万円となりました。

各キャッシュ・フローの状況および主な要因は次のとおりです。

 

〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕

営業活動による資金は、5億99百万円の増加(前連結会計年度は6億43百万円の増加)となりました。

これは、売上債権の増加額1億3百万円などの減少要因の一方で、税金等調整前当期純利益が3億51百万円、減価償却費3億78百万円などの増加要因があったことによるものです。

 

〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕

投資活動による資金は、2億47百万円の減少(前連結会計年度は4億75百万円の減少)となりました。

これは、有形固定資産の取得により1億79百万円、投資有価証券の取得により49百万円、それぞれ支出したことなどによるものです。

 

〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕

財務活動による資金は、1億21百万円の増加(前連結会計年度は2億34百万円の減少)となりました。

これは、短期借入金の減少により4億円、長期借入金の返済により1億24百万円、社債の償還により40百万円、リース債務の返済により67百万円、それぞれ支出した一方で、第三者割当増資による普通株式の発行により、発行諸費用を差し引いた手取額7億53百万円の資金調達を行ったことなどによるものです。

 

④ 生産、受注および販売の状況

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

住設環境機器事業

7,760

5.4

機能性セラミック商品事業

2,664

16.8

陶磁器事業

1,271

19.6

その他

7

7.5

合計

11,705

9.3

 

(注) 金額は販売価格によっています。

 

 

b.受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

受注高
(百万円)

前期比
(%)

受注残高
(百万円)

前期比
(%)

住設環境機器事業

10,780

5.2

3,370

2.6

機能性セラミック商品事業

2,731

15.8

549

△3.3

陶磁器事業

1,851

△7.8

463

32.2

その他

6

102.8

0

合計

15,370

5.1

4,384

4.3

 

(注) その他の受注残高の前期比については、1,000%を超えるため記載していません。

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

住設環境機器事業

10,696

4.7

機能性セラミック商品事業

2,749

14.6

陶磁器事業

1,614

△23.2

その他

7

127.7

合計

15,068

2.4

 

(注) セグメント間の取引については相殺消去しています。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。

① 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いていますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しています。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容

a.当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因

当社グループは、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因として、「3 事業等のリスク」に記載した内容を想定しています。

b.当社グループの資本の財源および資金の流動性について

当社グループの資本の財源および資金の流動性について、当社の運転資金は、主に製品製造に使用する原材料や部品の調達に費やし、製造費ならびに販売費及び一般管理費に計上される財・サービスに対しても同様に費消しています。また、設備投資資金は、生産設備取得等生産体制の構築、情報システムの整備等に支出しています。これらの必要資金は、営業活動によるキャッシュ・フローおよび自己資金のほか、金融機関からの借入による資金調達によって対応しています。また、緊急時の支払いに備えて主要取引金融機関と当座貸越契約を締結しています。キャッシュ・フローの状況の詳細は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は、以下のとおりです。

 

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

2024年3月期

2025年3月期

自己資本比率(%)

8.6

8.4

6.0

7.9

18.4

時価ベースの自己資本比率
(%)

38.1

39.3

37.3

37.6

43.7

キャッシュ・フロー対有利子
負債比率(年)

10.9

9.1

3.9

3.4

インタレスト・カバレッジ・
レシオ(倍)

1.6

3.3

6.8

6.8

 

(注) 自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

2021年3月期は、営業キャッシュ・フローがマイナスのため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率およびインタレスト・カバレッジ・レシオを記載していません。

 

c.セグメントごとの財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容

当社グループは、当社ならびに関係会社からなる事業部ごとに、取り扱う製品・商品およびサービスについて、国内および海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しています。従って、当社グループは、当該事業グループを基礎とした製品・商品およびサービス別のセグメントから構成されており、「住設環境機器事業」、「機能性セラミック商品事業」および「陶磁器事業」の3つを報告セグメントとしています。

報告セグメントに属する製品およびサービスの種類は次のとおりです。

報告セグメント

主要製品の名称

住設環境機器事業

浄化槽、ディスポーザー処理システム、システムバスルーム、水処理施設の維持管理、その他合成樹脂商品

機能性セラミック商品事業

アルミナ基板、印刷基板、抵抗用基板、グレーズ基板、低温焼結多層基板、その他機能性セラミック商品関連商品

陶磁器事業

ボーンチャイナ、硬質陶器、強化磁器、耐熱磁器、白色強化磁器、還元磁器、陶磁器原料、その他食器関連商品

 

 

セグメントごとの経営成績の状況および各セグメントにおける製品群別等売上高の状況の詳細は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりです。

セグメントごとの財政状態の状況に関する認識および分析・検討内容は、次のとおりです。

 

〔住設環境機器事業〕

総資産は、前連結会計年度末と比べて33百万円増加し、34億96百万円となりました。

これは、商品及び製品が84百万円、仕掛品が51百万円、未成工事支出金が25百万円、原材料及び貯蔵品が44百万円、それぞれ減少した一方で、受取手形、売掛金及び契約資産が1億88百万円、投資有価証券が50百万円、それぞれ増加したことなどによるものです。

 

〔機能性セラミック商品事業〕

総資産は、前連結会計年度末と比べて27百万円増加し、21億37百万円となりました。

これは、有形固定資産が31百万円減少した一方で、受取手形、売掛金及び契約資産が43百万円、商品及び製品が32百万円、それぞれ増加したことなどによるものです。

 

〔陶磁器事業〕

総資産は、前連結会計年度末と比べて66百万円増加し、21億81百万円となりました。

これは、受取手形、売掛金及び契約資産が1億30百万円減少した一方で、現金及び預金が40百万円、商品及び製品が50百万円、仕掛品が34百万円、無形固定資産が37百万円、それぞれ増加したことなどによるものです。

 

 

〔その他〕

サーキュラーエコノミーを推進する独立した事業セグメント(新規事業)として、捨てられるボーンチャイナを肥料として再利用する世界初の商品「BONEARTH®」を販売しています。

当該事業の総資産は、前連結会計年度末と比べて16百万円増加し、20百万円となりました。

これは、仕掛品が1百万円、有形固定資産が13百万円増加したことなどによるものです。

 

5 【重要な契約等】

該当事項はありません。
 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発活動は、顧客満足の追求を第一に、情報化社会の進展をはじめとした市場のニーズへの速やかな対応と、環境保護に配慮した製品づくりのため、積極的に研究開発に取り組みました。

なお、研究開発費については各事業間に関連した研究が多く、特定事業への区分を行っていませんが、総額は109百万円です。当連結会計年度における各事業別の研究開発活動は次のとおりです。

 

(1) 住設環境機器事業

水処理分野においては、新たな環境配慮型浄化槽の開発を行い、今後の販売拡大を予定しています。産業廃水処理施設においては、引き続き他企業や大学と提携し、産廃処理施設の新規設計等を検討していきます。

また、新製品開発の取組として先般のディスポーザー破砕機の自社生産体制による量産実績を踏まえて引き続き特長のある新製品開発を効率的に進めていきます。

バンクチュール®(システムバスルーム)分野においては、現代社会が求めている「心の調和、脳の休息、身体のケア」にとってお風呂とその前後の時間を有意義にすることが非常に重要であることに着目し、お風呂の価値を拡張する新たな概念、間取り、過ごし方を包括する「bath side living」という考え方を提案しています。

 

(2) 機能性セラミック商品事業

セラミック技術をコアとした長期的な展望に基づく研究開発に取り組んでいます。主力のアルミナ基板製品においては、新たに商標を取得した高温積層アルミナ製品をラインナップに加え製造販売を開始しました。今後新用途に向けた拡販活動を行っていきます。また、OA機器用製品の需要の高まりを受けて構築した自動化生産ラインにて新製品の生産を開始しており、引き続き、生産管理情報や工程品質データのネットワーク上での一元管理化を進めていきます。

さらに、新規積層基板の開発を推し進めるなかで、医療用、高周波用途向けなどの商談を推し進めています。そのほかアルミナ基板製造工程を中心に生産ラインの自動化を推し進めるなど、工場内の省力化対応に向けた長期的な取り組みを推進しています。

 

(3) 陶磁器事業

引き続き長く製品を提供し品質を維持するため、原料の枯渇対応に取り組んでいます。また、限りある資源を有効的に活用する研究開発に取り組み、より耐久性を上げ、長く使っていただくことや環境にやさしい新加飾の製品開発を行っています。

工芸や工業製品の垣根を越え、異素材を掛け合わせることによって生まれた製品「錫白」が、陶磁器の世界的な業界誌が主催するコンテスト「Tableware International Awards of Excellence 2025」のサステナビリティ部門にて、世界一位となる優秀賞を受賞しました。

 

(4) その他

陶磁器をファッションの新しい素材として活用する試みとして当社技術とコシノヒロコ氏の独創的なデザインを融合したボーンチャイナ製アクセサリーが誕生しました。ボーンチャイナは、滑らかな質感、高い透光性、そして一般的な磁器に比べ優れた強度を兼ね備えた高級陶磁器です。

当該製品は、鮮やかな色の衣装を引き立てるアクセントとしてデザインされました。使い心地にこだわり、大ぶりな見た目にもかかわらず空洞構造によって思いがけない軽さを感じられる仕上がりとなっています。