第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1)  業績

当連結会計年度における日本経済は、一部に弱さがみられたものの雇用や所得環境の改善から緩やかな回復基調が続きました。海外では、新興国の成長が鈍化した一方、米国や欧州など先進国経済は堅調に推移しました。

このような状況のもと、当社グループにおきましては、セラミックス事業では、中国・欧州市場の乗用車販売並びに中国市場のトラック販売が増加したこと等により自動車関連製品の物量が増加しました。エレクトロニクス事業では、半導体の高積層化・微細化を背景に半導体製造装置用セラミックス製品の物量が増加した一方、中国の携帯基地局向けにセラミックパッケージの需要が減少しました。電力関連事業においては、がいしの海外向け出荷が減少したほか、電力貯蔵用NAS®電池(ナトリウム/硫黄電池)は大口出荷が無く低調でした。これらの結果、電力関連事業の出荷減や為替円高の影響により当連結会計年度における売上高合計は、前期比7.9%減4,012億66百万円となりました。

利益面では、売上高の減少に加え、研究開発費等の費用増により、営業利益は前期比21.9%減632億12百万円、経常利益は同20.8%減645億57百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益については、特別利益として投資有価証券売却益52億48百万円を計上した一方、特別損失として競争法関連損失引当金繰入額63億13百万円や固定資産減損損失41億61百万円を計上し、過年度法人税等に移転価格税制に基づく更正処分の見込み額112億13百万円を計上した結果、前期比31.8%減363億79百万円となりました。

 

セグメントの業績は次のとおりであります。

 

〔電力関連事業〕

当事業の売上高は、528億25百万円と前期に比して36.8%減少いたしました。

がいしは国内電力会社向けの出荷が堅調に推移した一方、北米の取替需要が低迷したことなどから減収となりました。NAS®電池は大口案件の出荷が無く低調でした。

利益面では、売上高の減少等により、前期25億77百万円の営業利益から66億22百万円の営業損失となりました。

 

〔セラミックス事業〕

当事業の売上高は、2,452億21百万円と前期に比して2.4%減少いたしました。

自動車関連製品は、欧州市場の乗用車販売が好調であったことに加えて、中国市場で小型乗用車の減税策による販売増や過積載車両の取り締まり厳格化に伴うトラック販売増などから、触媒用セラミックス担体(ハニセラム、大型ハニセラム)やNOxセンサーの物量が増加しました。売上高は、物量が増加した一方で為替円高の影響により前期比減収となりました。産業機器関連製品は、国内や中国の客先で車載用リチウムイオン電池関連の設備投資が増加し、加熱装置を中心に増収となりました。

営業利益は、自動車関連製品や産業機器関連製品の物量が増加したものの、円高の影響に加えて開発費や増産設備の立ち上げ費用が増加したことなどから前期比8.5%減646億35百万円となりました。

 

〔エレクトロニクス事業〕

当事業の売上高は、1,035億7百万円と前期に比して2.0%増加いたしました。

半導体製造装置用セラミックス製品は、半導体の高積層化・微細化を背景に半導体メーカーやファウンドリの設備投資が高水準で継続し、半導体製造装置向けの出荷が堅調で前期比増収となりました。金属は、中国市場の産業機器向けを中心にベリリウム銅製品の出荷が増加したものの、為替円高の影響により売上高は微増にとどまりました。電子部品は、主に中国市場でセラミックパッケージの需要が減少し、減収となりました。また、連結子会社の双信電機株式会社におきましては、産業機器分野の製品需要が低調で減収となりました。

営業利益は、円高の影響に加えて電子部品や双信電機の減収が影響し、前期比31.6%減52億50百万円となりました。

 

 

(2)  キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、営業活動による801億72百万円の収入、投資活動による564億52百万円の支出、及び財務活動による130億13百万円の支出などにより前期末に比し86億27百万円増加し、当期末残高は1,446億92百万円となりました。

 

〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払いやたな卸資産の増加による支出の一方、税金等調整前当期純利益575億21百万円に減価償却費を加え、合計では801億72百万円の収入となりました。前期との比較では、207億26百万円の収入増となりました。

 

〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の売却及び償還による収入の一方、有形固定資産や有価証券の取得などから合計で564億52百万円の支出となりました。前期との比較では、86億79百万円の支出増となりました。

 

〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入の一方、長期借入金の返済や自己株式の取得、配当金の支払いなどにより合計で130億13百万円の支出となりました。前期との比較では、126億39百万円の支出増となりました。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1)  生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自  平成28年4月1日
    至  平成29年3月31日)

前年同期比(%)

電力関連事業(百万円)

54,376

75.2

セラミックス事業(百万円)

249,780

101.0

エレクトロニクス事業(百万円)

100,837

97.8

           合計(百万円)

404,993

95.8

 

(注)  1.購入品仕入実績については区分して記載することが困難なため、生産実績に含めて記載しております。

2.上記は、販売価格をもって表示しております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

4.セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

(2)  受注状況

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高
(百万円)

前年同期比(%)

受注残高
(百万円)

前年同期比(%)

電力関連事業

54,790

74.1

19,202

110.4

セラミックス事業

247,500

97.5

28,390

109.3

エレクトロニクス事業

111,863

107.0

30,470

138.4

合計

414,154

95.8

78,062

119.4

 

(注)  1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

(3)  販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自  平成28年4月1日
    至  平成29年3月31日)

前年同期比(%)

電力関連事業(百万円)

52,799

63.2

セラミックス事業(百万円)

244,959

97.6

エレクトロニクス事業(百万円)

103,507

102.0

           合計(百万円)

401,266

92.1

 

(注)  1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、社会、顧客、株主、従業員に価値を提供し続けることを企業理念とし、独自のセラミックス技術を核に、エネルギー、エコロジー、エレクトロニクスのトリプルEを主たる事業領域としております。
  企業理念を実現するための基本方針は以下の通りです。
  まず、資源投入の選択と集中により他を凌駕する技術を確立し、各々の分野においてトップクラスの地位を占める新規事業、新商品を創出することであります。(「戦略的成長」)
  次に、連結主体の事業運営を基本に、グループ会社の機動性と独自性も活かした効率的経営を行い、企業価値の向上を目指します。(「高効率体質」)
  更に、株主・投資家に適時かつ積極的に情報を開示します。また、広報活動を通じて広く社会に情報を発信するとともに、社会的責任を自覚し、留学生の支援などを含む社会貢献活動を実施します。(「良き企業市民」)

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、ROEを主要な経営指標として採り上げ、株主重視の経営を推進しております。中長期の観点でROE10%以上の水準を意識し、経営資源を既存コア事業の拡大や新規事業の立上げに効率的に投入して収益力の向上に努めると共に、資本効率のさらなる向上に取り組んでまいります。

 

(3)資本政策

当社グループは、株主・投資家とのコミュニケーションを踏まえ、持続的な企業価値の向上に資する観点から資本政策を展開しています。

資本コストを上回る収益性確保と財務健全性を両立させると共に、中長期の観点から積極的な株主還元に努めます。ROE、配当性向及び株主資本配当率等を重要な指標として、利益率、資本回転率、財務レバレッジを事業戦略と整合した健全な水準に維持することを目指します。

 

(4)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題

当社グループが事業領域とするエネルギー・エコロジー・エレクトロニクスの分野では、社会の要請や技術革新などを背景に事業機会が拡大すると予想されます。こうした状況のもと、当社グループは、自動車関連製品や半導体製造装置用セラミックス製品の増産投資及びその他新製品の量産設備投資を中心に今後3年間で3,000億円規模の設備投資を実施する予定です。2017年度は、将来の成長に向けての基盤整備と新規事業の確実な立上げを重点課題とし、以下の施策に取り組んでまいります。

 

①  既存事業の競争力強化-新・ものづくり構造革新

当社グループは、技術先進性をベースにした製品価値の向上と革新製造プロセスによる生産性向上に取り組んでおります。新・ものづくり構造革新では、既存設備の利用効率向上にも注力し、新規投資は優先順位をつけて確実な成果につなげます。

自動車関連製品については、各国の排ガス規制強化や自動車販売台数の増加に伴う世界的な需要拡大に対応し、最新鋭の生産ラインを着実に海外展開して高効率なグローバル生産体制を構築することで、事業の持続的な成長を目指します。新規に本格生産を開始するポーランド第2工場(SiC製ディーゼル・パティキュレート・フィルター)や石川工場(NOxセンサー)を安定稼動させると共に、タイ工場(ハニセラム)の立上げを着実に進めてまいります。半導体製造装置用セラミックス製品については、半導体の高集積化や微細化を背景に需要が拡大すると同時に技術面での要求が厳しさを増しており、増産投資を着実に進めると共に高機能品の開発や革新製法の確立に努め、競争力を高めてまいります。

一方、がいしについては、低操業下でも黒字を確保できる事業構造への再構築を進めます。NAS®電池については、国内では系統設置案件の受注獲得を目指すほか、海外では実証試験を梃子に蓄電事業への参入を図るなど需要創出に努めてまいります。

 

②  新製品・新規事業の創出-2017 Challenge 30 から Keep up 30 へ

当社グループは、売上高に占める新製品の比率を2017年度に30%まで引き上げる「2017 Challenge 30」を全社目標に掲げて新製品・新事業の創出に取り組んでおり、目標を達成できる見込みです。次年度以降についても、新製品売上高比率30%以上を維持し続ける「Keep up 30」を目標に掲げてまいります。

新製品の取り組み例としては、LED・レーザー等オプト分野向けに開発中の、紫外LED用マイクロレンズや窒化ガリウム(GaN)ウエハーの事業化促進を目的に「オプト部材プロジェクト」を2017年4月に発足致しました。昨年度に発足させた「セラミックス電池プロジェクト」と共に製造技術本部・研究開発本部・事業部・本社部門が連携して製品開発や量産設備開発、顧客開拓に取り組み、新規事業の立上げを円滑に進めます。

更には、継続的に新製品を創出するため、顧客提案力を強化し、ニーズを的確に捉えた探索活動も推進してまいります。

 

③  グローバル経営の強化

当社は、海外20カ国に46のグループ会社を展開し、うち23社において製造を行っております。

海外でのビジネスがますます拡大する中、全てのグループ構成員が公正な価値観や国際的な水準の判断基準に従って行動するよう環境整備を進め、これにより経営の透明性と自律性を高めてまいります。

環境経営の観点からは、事業活動を行う全拠点、全プロセスで率先して環境負荷の低減に取り組み、地球環境の保全に貢献します。「第4期環境行動5カ年計画」の下、「新・ものづくり構造革新」と環境負荷低減を連携して、グローバル規模でCO2と排出物の削減に取り組むほか、自動車排ガス浄化関連製品を中心に環境貢献製品の売上を伸ばしてまいります。また、社会的要請の高まりに応えるため、生物多様性保全や、水資源に関するリスク管理と水利用の効率化への取り組みも強化致します。

コンプライアンス体制としては、過去に生じた競争法違反の再発防止策として、国際的な水準に沿った競争法遵守プログラムを実施する体制の下、経営トップからの継続的なメッセージの発信、各国の法制に従い各国言語で編集した「競争法ハンドブック」の活用などにより、国内外グループ会社の役員・従業員を含めて法令遵守の徹底を図っております。また、不正及び競争法・海外腐敗行為防止法などの法令違反を防止する仕組みとして、当社グループの役員・従業員から社外弁護士経由で経営倫理委員会に直接報告できる内部通報制度「ホットライン」を設置し更なる強化を図っております。

グローバル展開を支える本社機能については、「本社力アップ」活動を通じて専門性を高めながら各拠点との連携を強め、事業環境変化への対応力を一層強化しております。

 

④  人材育成と働き方改革

人材育成の面では、当社は会社の成長をけん引する若手や中堅層の人材を育成・創出するために、一般従業員の人事制度を改定し、誰もがより高い職域や職責に自らの意思で積極的にチャレンジできる仕組みとしました。同時に、65歳定年制を導入し、長年培った経験や高いスキル、さまざまな専門性を持ったベテラン層の一層の活躍を図り、従業員が60歳以降も安心して変わらない働きができる環境を整備しております。介護負担や重大な疾病を抱える従業員のための勤務制度も拡充しております。更には、女性社員が成長とやりがいを感じて活躍できる風土づくりに向けた取り組みを開始しております。

 

事業の拡大に伴い従業員が増加する中、業務の基本である「安全」、「品質」、「環境」、「CSR」を徹底すると共に、一人ひとりが最大限に力を発揮して、各事業の今後の飛躍に向けて将来の果実を育んでまいります。

当社グループは、こうした取り組みを通じて経営基盤のさらなる強化に努め、持続的な成長と企業価値の向上を実現し、資本効率重視、株主重視の経営を継続してまいります。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成29年6月29日現在)において当社グループが判断したものであります。

 

(事業拠点について)

当社グループは、主要な生産拠点を、国内においては愛知県及び石川県に、海外においては米州、欧州、アジア等に有しております。自動車用排ガス浄化用触媒担体等の主力製品においては、需要地生産や最適生産分担の観点からグローバルな生産体制を展開しており、生産拠点としてのリスクの分散化は図られております。しかし、国内海外にかかわらず、地震や火災等の事故などで主要生産拠点の生産設備に重要な被害が発生した場合には、相当期間、生産活動が停止し、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、特に海外展開においては、①当該国の法律、規制、税法等、②為替変動を含む経済変化、③人材の確保と教育の難しさ、④インフラの未整備、⑤テロ、戦争などの社会的混乱、等のリスクが潜在しています。これらの予期せぬ事象が発生した場合には、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(為替、金利、素材価格の変動について)

当社グループの事業には、全世界における製品の生産と販売が含まれております。当社グループは米ドル、ユーロ及び円を含む主要通貨間の為替レートの短期的な変動に対しては、先物為替予約等によりリスクヘッジしておりますが、円高は売上高・利益の減少要因となり当社グループの業績に悪影響をもたらします。

当社グループは事業拡大や生産性改善のための必要な設備投資を今後とも実施してまいりますが、設備投資や社債償還などの資金ニーズに対して金利上昇局面で将来資金調達を行う場合はコストの増加が予想され、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

素材価格の上昇は当社グループ事業の製造コストの増加となりますが、これを軽減すべく客先への売価への反映、コストダウン、生産性の向上、経費圧縮などに取り組んでおります。当社グループは仕入価格の上昇を吸収すべく努力していきますが、過度の素材価格の上昇は、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(新製品について)

当社グループは、新製品の創出による成長力の確保を目指しており、今後の成長の柱となるべき新製品に対しては集中的に資本投下を行っております。需要拡大が予測される製品については、設備投資を段階的に行っております。これらの設備の立ち上げがスケジュール通り進まない場合等で、当社グループの中期的な成長力に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(景気変動について)

当社グループが製造・販売する製品の需要は多分に国内外における景気変動の影響を受けます。日本及び海外における景気変動は、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(製品の品質について)

当社グループは、全社品質方針に基づき、品質に関する活動に取り組むことにより、高い品質水準の確保に努めております。しかし、当社グループが製造・販売するすべての製品において、予想し得ない品質問題が発生する可能性は皆無ではなく、その場合には、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(競争状況に関する国際的な調査について)

当社グループは、競争状況に関する国際的な調査の対象となっており全面的に協力しておりますが、競争当局の調査の結果等によって、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

特に記載すべき事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、研究開発を重要な経営課題のひとつとし、ファインセラミックスを中心とした材料技術とシステム技術とをベースに、高付加価値、高機能な新製品の提供を目指し、研究開発に積極的に資源投入しております。推進体制としては、基礎から応用まで手掛ける親会社の研究開発部門での研究開発と、事業本部及び子会社での商品化に近い研究開発の二本立てで進めております。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は 186億53百万円であり、この中にはグループ外部からの受託研究にかかわる費用11億9百万円が含まれております。各事業別の主要な研究開発テーマ、成果及び研究開発費は次のとおりであります。

 

〔電力関連事業〕

電力関連事業部門では、がいし製品及び電力貯蔵用NAS®電池(ナトリウム/硫黄電池)のコストダウン製法及び性能向上の研究に取り組んでおります。また、配電機器事業においては、連結子会社のエナジーサポート㈱にて、配電用機器の新製品開発や、各製品の低コスト化に関する研究開発に取り組んでおります。

なお、当事業に係る研究開発費は11億28百万円であります。

 

〔セラミックス事業〕

セラミックス事業部門では、自動車排気ガス用NOxセンサーやガソリン・パティキュレート・フィルター(GPF)の商品開発、ディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)の生産技術改善及び性能向上、ディーゼルを含む自動車用排ガス浄化用触媒担体の生産技術改善及び、各種フィルム等の高機能材料向け乾燥システムの開発や、原子力発電所向け廃棄物処理システムの改良等の研究開発に取り組んでおります。

なお、当事業に係る研究開発費は67億41百万円であります。

 

〔エレクトロニクス事業〕

エレクトロニクス事業部門では、圧電セラミックス技術をコアとした各種応用デバイス、SAWフィルタ用複合ウエハー、情報通信用各種セラミックパッケージ、半導体製造装置の高機能化に対応するセラミック部品及びモジュール、自動車・産業用機器・デジタル家電用コネクタ、リレー等の電子部品向けのベリリウム銅製品等の研究に取り組んでおります。

連結子会社の双信電機㈱では、パワーエレクトロニクス分野と情報通信分野を中心に大容量コンデンサや積層誘電体フィルタの研究開発を進めております。

なお、当事業に係る研究開発費は31億43百万円であります。

 

〔本社部門〕

  本社部門には、全社的な研究開発を担当する研究開発本部があります。研究開発本部は、中・長期にわたるセラミックス基礎技術の創出、育成と新商品の種をつくることを主たる任務としており、ウエハープロジェクト、NCMプロジェクト、機能材料プロジェクト、SOFCプロジェクト、ZNBプロジェクト、基盤技術研究所及び次世代技術戦略室より成り立っています。

  また、当連結会計年度における研究開発テーマとして、窒化ガリウム(GaN)ウエハー、チップ型セラミックス二次電池等があります。

  なお、本社部門に係る研究開発費は76億39百万円であります。

 

(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)  財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比し6.7%増加7,594億34百万円となりました。

流動資産は、受取手形及び売掛金が減少したものの、現金及び預金、たな卸資産等が増加したことなどから、前期比6.3%増4,382億63百万円となりました。固定資産は、投資有価証券が減少した一方で、有形固定資産が増加したことなどにより、前期比7.2%増3,211億70百万円となりました。

流動負債は、1年内返済予定の長期借入金が減少したものの、未払法人税等や未払金が増加したことなどから、前期比14.2%増1,284億39百万円となりました。固定負債は、長期借入金が増加したことなどにより、前期比12.1%増2,034億1百万円となりました。

純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が増加しましたが、自己株式の取得や為替換算調整勘定の減少で一部相殺された結果、前期比2.3%増4,275億93百万円となりました。

これらの結果、当連結会計年度末における自己資本比率は54.9%(前連結会計年度末57.1%)となり、1株当たり純資産は1,295.66円と、前期を50.19円上回りました。

 

(2)  経営成績の分析

セラミックス事業では、中国・欧州市場の乗用車販売並びに中国市場のトラック販売が増加したこと等により自動車関連製品の物量が増加しました。エレクトロニクス事業では、半導体の高積層化・微細化を背景に半導体製造装置用セラミックス製品の物量が増加した一方、中国の携帯基地局向けにセラミックパッケージの需要が減少しました。電力関連事業においては、がいしの海外向け出荷が減少したほか、電力貯蔵用NAS®電池(ナトリウム/硫黄電池)は大口出荷が無く低調でした。これらの結果、電力関連事業の出荷減や為替円高の影響により当連結会計年度における売上高合計は、前期比7.9%減4,012億66百万円となりました。

利益面では、売上高の減少に加え、研究開発費等の費用増により、営業利益は前期比21.9%減632億12百万円、経常利益は同20.8%減645億57百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益については、特別利益として投資有価証券売却益52億48百万円を計上した一方、特別損失として競争法関連損失引当金繰入額63億13百万円や固定資産減損損失41億61百万円を計上し、過年度法人税等に移転価格税制に基づく更正処分の見込み額112億13百万円を計上した結果、前期比31.8%減363億79百万円となりました。

 

(3)  資本の財源及び資金の流動性についての分析

①キャッシュ・フローの状況

「第2  事業の状況  1.業績等の概要  (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

②資金需要について

当社グループは、国内外での事業活動について長期的な視野から資金需要を認識しております。資金調達については、調達コストとリスク分散を勘案し、調達手段の多様化を図ることで、低コストかつ安定的に資金を確保するよう努めております。また、グループ各社における余剰資金の一元管理を図り、資金効率の向上と金融費用の削減を目的として、国内外でCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しております。