第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

当社グループが掲げる「NGKグループ理念」は以下の通りです。

 

<NGKグループ理念>
 私たちの使命 
   「社会に新しい価値を そして、幸せを」
 
   私たちが目指すもの 
    「人材 挑戦し高めあう」 
    「製品 期待を超えていく」
    「経営 信頼こそが全ての礎」

 

また、当社グループは1919年の創立以来SDGs的発想を持ち、セラミックスをキーに社会に新しい価値を提供してきました。今後もこの理念を大切に、変革の時代の社会課題の解決に貢献し続けていくため、2021年4月に中長期ビジョンを策定いたしました。

 

<NGKグループビジョン Road to 2050>

2050年の未来社会を見据え、カーボンニュートラルの実現とデジタル社会への爆発的進化という大きな流れを新たな発展機会と捉え、①ESG経営の推進、②収益力向上、③研究開発への注力、④商品開花への注力、

⑤DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進の5つの変革に取り組み、“Surprising Ceramics.”をスローガンに当社独自のセラミック技術を活かし、「第三の創業」に向けて事業構成の転換を図ってまいります。

 

(2)主要な経営指標と資本政策

当社グループは、自己資本利益率(ROE)を主要な経営指標とし、社内ではこれと関連性の高い投下資本利益率(ROIC)を管理指標に採用して、資本効率を重視した経営を推進しております。中長期の観点でROE10%以上の水準を意識し、持続的な企業価値の向上に資するよう事業リスクの変化に適合した資本政策を展開します。株主・投資家との透明で適切なコミュニケーションで資本コストの引き下げに努めるとともに、これを上回る収益性確保に向けて事業計画の立案や設備投資の意思決定プロセスを回してまいります。主要指標としてはROICにESG視点の付加価値評価を加え、経営資源をコア事業の拡大・コストダウンや開発・新規事業に効率的に投入し、企業価値を向上してまいります。また、配当性向及び株主資本配当率等を参照して積極的な株主還元に努めます。これらにより財務健全性との両立を図りつつ、ROEを構成する利益率、資本回転率、財務レバレッジを事業戦略と整合した健全な水準に維持することを目指します。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略、経営環境及び優先的に対処すべき事業上、財務上の課題

2021年の世界経済は、引き続き新型コロナウイルスの感染再拡大の影響が懸念されるなど、先行き不透明な状況が続くと予想されます。一方、中長期の観点では、脱炭素社会実現への世界的潮流の中で、カーボンニュートラル、DX等の技術革新を背景に事業機会が拡大すると期待されます。

このような状況の下、当社グループは業績回復を確実にするため、グループ一丸となって既存事業の収益力強化を図りつつ、エネルギー、エコロジー、エレクトロニクスのトリプルEの事業領域において社会の期待を超える新製品を創出し、グローバルに成長し続ける企業を目指します。

 

当期における当社グループの重点課題は以下のとおりです。

 

① ESG経営の推進

当社グループは、ESGを経営の中心に位置づけております。海外19カ国に37のグループ会社(うち製造会社18社)を展開し、海外でのビジネスが拡大する中、経営の透明性と自律性を高めるべく、グループで働く全員が公正な価値観や国際的な水準の判断基準にしたがって行動できるよう環境整備を進めます。

2019年4月に経営レベルでの情報共有・意見交換・方針議論を行う機関として「ESG会議」を設置したことに続いて、当社グループのESGに関する活動を横断的に取り扱い、その情報発信を強化するため、2021年4月に「ESG推進統括部」を設置しました。

 

また、全構成員が持続可能な社会の実現、人権尊重、コンプライアンスを実践できるよう様々な対話の機会を設けて「NGKグループ企業行動指針」の周知徹底を図っております。

 

〔環境(E)〕

地球環境の保全を人類共通の重要課題と認識し、環境と調和した企業活動を推進するため、1996年4月に環境基本理念と環境行動指針から成る環境基本方針を制定しました。そして、2021年4月に公表した環境ビジョンに基づき、カーボンニュートラル、循環型社会、自然との共生への寄与を骨子とした取組みを推進し、カーボンニュートラル社会の実現に資する製品とサービスを開発・提供するとともに、グループの事業活動にも適用することで2050年までにCO2排出量ネットゼロとする目標を前倒しで達成できるよう注力してまいります。具体的には、カーボンニュートラル関連製品・サービスの開発普及によりCO2削減に貢献することに加え、当社グループで発生するCO2に対しても、高効率設備の導入や工程改善による省エネ強化、水素等への燃料転換、NAS®電池や亜鉛二次電池「ZNB®」を活用した再生可能エネルギー利用拡大等により削減を目指してまいります。
 また、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同も表明しており、気候変動が事業に及ぼすリスクと機会、それらが及ぼす影響を見極め、TCFDの提言に沿った情報開示の整理を進めてまいります。

 

〔社会(S)〕

当社グループは、人権に関する国際規範を遵守し、人種・国籍・性別・年齢・宗教・信条・障がいの有無・性の多様性を尊重するとともに、安全・快適で誰もが働きやすい職場環境の提供に努めております。2021年4月には、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、グループの事業活動が影響を及ぼすすべての人々の人権が侵害されることのないように「NGKグループ人権方針」を定めました。今後もグループ一丸となって人権尊重の取組みを推進してまいります。
 女性活躍推進については、育休・産休取得者のキャリアの早期再開を促すための早期復職支援制度の導入、育休復職者研修の実施、また、全社的な視点で活動を推進するために2018年度から女性活躍プロジェクトを発足し、女性が働きやすい環境づくりに取り組んでおります。

また、一般社団法人日本車いすテニス協会とオフィシャルパートナー契約を締結しました。NGKグループとして、障がい者支援や地域のスポーツ振興を一層広く、継続的な取り組みとしてまいります。

 

〔ガバナンス(G)〕

コーポレートガバナンスについては、経営の透明性を確保し取締役会の監督・監視機能を強化するため、構成員の過半数が社外役員であり役員の人事及び報酬決定等に係る公正性の確保並びに透明性の向上を目的とした指名・報酬諮問委員会や、社外役員を主要な構成員とし役員等が関与する不正及び法令違反等への対応を取り扱う経営倫理委員会を設置し、取締役会への答申または報告、勧告等を行うこととしております。これらの不正・法令違反に歯止めをかける仕組みとして、従業員からの相談・報告を受けるヘルプライン制度とは別に、社外弁護士を通じて経営倫理委員会に直結する内部通報制度「ホットライン」を設置し、経営陣から独立した通報体制を設けるなど、コンプライアンス体制の充実を図っております。また、取締役会の更なる機能発揮の観点から、本総会において、会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上に役割・責務を果たす資質を備えた独立社外取締役を3分の1以上とする議案を上程いたします。
 コンプライアンスの観点からは、当社グループで働くすべての人が倫理観を持って正しい事業活動を行うための道しるべとしてNGKグループ企業行動指針を策定しており、その周知徹底に取り組んでおります。2021年4月には、コンプライアンス活動を国際的な水準に照らして評価検証し、共通の理解と価値観に基づき継続的に改善する仕組み作りを行うため、新たに「コンプライアンス活動基本要領」を制定しました。
 競争法及び海外腐敗行為防止法などの法令遵守については、継続的な経営トップのメッセージ発信、国内外グループ会社の役員・従業員向けのコンプライアンス教育の実施、国際的な水準に沿った競争法遵守プログラムの運用、「競争法遵守ハンドブック」の活用などにより徹底を図っております。
 品質コンプライアンスについては、経営トップによる品質活動や品質委員会の直接指導の実施などの仕組みを強化するとともに、経営層及び従業員に対する品質教育の徹底など企業体質の改善に取り組んでおります。労働環境の安全面では、国内外グループ会社のリスクアセスメントの推進による重大災害リスクの特定と未然防止対策の強化に加え、グループ全体の現場マネジメント力の強化を図り、業務災害リスクの低減に取り組んでまいります。
 リスクマネジメントについては、経営レベルの視点から重要と考えるリスクを事業環境、戦略、内部要因に分類し継続的に見直しを行っております。また、アンケートの実施や内部統制プロセスにおける特別リスクの評価などを通じてリスク分析を行い、各委員会や各担当部門が中心となって事業ごとにリスクの回避・予防に努めております。
 こうした取り組みを通じて、より一層グローバル経営を支えるコンプライアンス意識の向上、リスク低減、ガバナンス体制の強化・充実を図ってまいります。

 

 

② 既存事業の収益力強化と新製品・新規事業の創出

既存事業の収益力強化の施策として、「新・ものづくり構造革新」に続く全社活動として、2021年度より「モノづくり∞(チェーン)革新」をスタートしました。製品の開発から製造、販売といった一連のプロセスチェーンを通じて競争力強化につながる活動を目指してまいります。モノづくりチェーンにおける理想と現状のギャップを埋める「生産革新活動」、工場単位のロス削減により製造原価を改善する「原価低減活動」を柱とし、デジタル技術の活用によりモノづくりの見える化とグローバル連携を進め、競争力強化に繋げてまいります。
 また、デジタル技術の活用による事業競争力の強化を目的として、2021年4月に「DX推進統括部」を新設しました。各部門に分散していた機能を統合し、デジタルと製造技術を融合させて全社横断的な課題に取り組み業務改革を加速させます。人材育成の観点からは、階層別教育の実践によりIT・データリテラシーを全社レベルで向上させるとともに、デジタル視点で課題解決を進められるDXリーダーの育成に取り組んでまいります。こうした取り組みを通じて、社員の意識改革を通じた企業体質の変革も達成します。
 当社グループは、多様なセラミックスの特性と当社独自の技術を組み合わせることで社会に新しい価値を提供することを目指しております。新製品・新規事業の創出については、売上高に占める新製品比率30%以上を継続する「Keep Up 30」を目標に掲げており、亜鉛二次電池「ZNB®」やサブナノセラミック膜などの新製品を早期に事業化し、市場投入を進めてまいります。
 また、「NGKグループビジョン Road to 2050」では、2050年に向けた社会変化を見据え、自然環境と人間が共生する「カーボンニュートラル(CN)」、安全で便利・快適で健康に暮らせる「デジタルソサエティ(DS)」関連を注力分野と位置づけ、今後10年間で総額3,000億円の研究開発費を確保し、その80%をCN、DS分野に配分する予定です。通過点となる2030年の目標としては、新製品・新規事業の売上高1,000億円を実現する「New Value 1000」を掲げました。将来有望な開発テーマに重点的に経営資源を投じ、独自のセラミック技術を用いて新製品・新規事業を創出してまいります。
 

セグメント別の重点課題は以下のとおりです。

〔エネルギーインフラ事業〕

国内外で電力会社の設備投資抑制が継続する中、がいしは事業再構築や売価改善効果により6年ぶりの黒字化を見込んでおります。今後は、新設がいし需要の取り込み、海外は品質重視の市場に注力し、また、将来の市場変化への対応として製造拠点の整備を進めてまいります。エナジーストレージ関連では、NAS®電池の本格的な需要拡大には暫く時間を要すると見ており、再生可能エネルギー事業者との提携による蓄電サービスの検討など、蓄電池のビジネスモデル構築に取り組むとともに、ドイツの総合化学メーカーBASF社との提携による販路拡大やコスト競争力の向上を図ってまいります。

 

〔セラミックス事業〕

各国の排ガス規制強化や自動車市況回復による需要拡大に対応するため、最新鋭で高効率なグローバル生産体制の構築を進めるとともに、生産効率向上による利益極大化を目指します。世界が脱炭素社会実現に向けて動き出す中、脱内燃機関化が一定程度進むものの、各国の排ガス規制強化や燃費向上など地球環境に寄与する高付加価値品の投入などにより、事業の持続的な成長に繋げてまいります。

 

〔エレクトロニクス事業〕

デジタル関連需要の拡大が見込まれる中、当社のHDD用圧電マイクロアクチュエーターの需要増加を見込んでおり増産対応を進めてまいります。また、5Gの普及など通信システムの高度化により、需要拡大が期待されるSAWフィルター用複合ウエハー、チップ型セラミックス二次電池「EnerCera®」は新規開拓に向けてマーケティング活動を強化してまいります。

 

〔プロセステクノロジー事業〕

5Gやデータセンターなどの需要拡大を背景に、半導体市場の成長が今後も期待されます。当社グループは、国内外製造拠点における生産性向上を着実に進めて、価値向上に向けた技術・性能面での高い要求に対応して次世代製品の開発・投入に取り組み、トップサプライヤーとしての地位を維持します。産業プロセス事業では、製品系列横断でのマーケティング活動を強化し、既存製品の用途開拓・拡販に注力してまいります。

 

当社グループは、こうした取り組みを通じて経営基盤の更なる強化に努め、持続的な成長と企業価値の向上を実現し、資本効率重視、株主重視の経営を継続してまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年6月28日現在)において当社グループが判断したものであります。
 

(1) 事業運営におけるリスク

当社グループは、国内のみならず海外では19ヵ国に37のグループ会社を展開し、うち18社において製造を行っております。各国・地域の政治や対日感情の安定、法律、規制、税制、インフラの整備、関税を含むインセンティブ、教育や人材確保などが各事業の前提条件となっております。当社は様々な検討から拠点を分散し、グローバルに代替可能な体制構築に取り組んでおりますが、デモ、テロ、戦争、感染症などによる社会的混乱等を含め、これらの諸条件に予期せぬ事象が発生した場合には、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。

 

 また、主要な製品の需要動向、競争や収益環境につきましては以下の通りです。

 

① エネルギーインフラ事業
 当事業は主として電力会社向けに電力絶縁用がいし及び機器類を販売しているほか、電力会社、製造業などの電力需要家、官公庁向けに電力貯蔵用NAS®電池(ナトリウム/硫黄電池)等を販売しております。
 がいしや機器類の需要は、各国のエネルギー政策や電力会社の設備投資の動向に大きく左右されます。国内では主要顧客である電力会社の設備投資抑制により先行きが不透明であるほか、海外でも競合企業の動向や各国の電力政策が影響し、業績が悪化するリスクがあります。
 国内市場の一部で磁器製に比べて寿命は短いものの、低コストで軽量なポリマー製がいしが採用される動きがあり、想定を上回って普及した場合には、当社グループの業績と財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。
 NAS®電池については、2020年10月に日本政府より「2050年カーボンニュートラル」の宣言が出され、再生可能エネルギー普及に伴う大容量・長時間用途の蓄電池のニーズが顕在化しつつあり、将来需要が拡大する可能性があります。当事業では引き続き、NAS®電池の持つ優位性(大容量・長時間)をアピールすると共に、欧州などの有力企業とのパートナーシップ強化や政府の支援策等も活用し、ニーズの取り込みを図ってまいります。しかしながら、大容量・長時間用途の市場拡大の時期が遅れた場合や、リチウムイオン電池などの競合製品が技術革新により一層普及した場合には、当社グループの業績と財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。

 

② セラミックス事業
 当事業の主力製品である自動車排ガス浄化用セラミックス製品(ハニセラム®、センサ製品群)は、当社製品を搭載する内燃機関自動車がEV(電気自動車)やFCV(燃料電池車)等の非内燃機関車に置き換わり、あるいはカーシェアリングなど消費者の価値観やビジネスモデルの変化によって、需要が変動する可能性があります。当社グループでは、2030年段階においてもハイブリッド車を含む内燃機関車の市場は現状を上回る規模で推移すると予想しており、排ガス規制の強化に伴い新製品や高機能品の増加による事業成長を目論んでおります。しかしながら、内燃機関車の減少に繋がる変化が当社の想定を超えて短期間で進捗した場合には、期待する成長を達成できないリスクがあります。
 また、重要性を増す中国市場においては、競合が台頭するリスクがあります。当社グループでは、環境規制を先取りした技術対応力や供給の安定感により競争力を強化してまいりますが、競合が当社グループの想定を上回る競争力を得た場合には、市場シェアの一部を喪失するリスクがあります。
 当事業は、市場シェアが高く、製品に見合った供給責任を果たす観点から環境規制の内容と時期、自動車メーカーのモデルチェンジ計画や景況等の見通しに基づき、過去数年に亘って多額の設備投資を実施しております。しかしながら、景況の悪化や規制時期の遅れなど短期間で需要見通しが下方修正される場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。

 

③ エレクトロニクス事業
 当事業は、自動車部品・家電・情報通信機器等のスイッチやコネクターに用いられるベリリウム銅展伸材、スマートフォン向け高性能SAWフィルター用複合ウエハー、データセンターに用いられる大容量HDDヘッド用のアクチュエーター、各種電子デバイス向けチップ型セラミックス二次電池「EnerCera®」、基地局で使用される高周波デバイス用セラミックパッケージを供給しております。これら製品の需要は、最終消費財の販売動向や基地局・データセンターへの投資の動向等に大きく左右されることから、客先動向を注視した上で需要の変動に素早く対応できるよう適宜人員体制、生産体制等を見直しております。しかしながら、当社グループの想定を超えて大きく需要が減少する場合や、需要低迷が長期化する場合には、販売の急激な減少や過剰在庫の発生により業績及び財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。
  当事業が属するエレクトロニクス業界は、技術革新やモデルチェンジのペースが速く、主要顧客のニーズに応じてタイムリーに新技術開発、製品投入が出来ない、もしくは競合メーカーが当社グループの想定を上回って伸長した場合には受注を失い、収益が大幅に減少するリスクがあります。

 

 

④ プロセステクノロジー事業
 当事業は半導体製造装置メーカー向けの部材、リチウムイオン電池の正極材用焼成炉、電子部品製造用の耐火物、原子力発電所向けの低レベル放射性廃棄物処理装置等を供給しております。
 主力の半導体関連事業の需要は半導体の需給状況や技術革新により大きく左右されます。当社グループは、直接の顧客である半導体製造装置メーカーと連携し、半導体市場及び大手半導体メーカーの設備投資動向を踏まえて、都度、設備能力や人員・生産体制等を見直しておりますが、想定を上回る規模で需要が減少した場合には、当社グループの業績と財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。また、当社独自の材料・設計・生産技術による差別化を図ると共に、製品供給力を高めることで業界トップのポジションを維持しておりますが、顧客ニーズへの対応遅れ等により市場シェアを喪失する可能性があります。5GやIoTの普及により半導体の物量は増大し、当該事業も中長期に成長すると見込んでおりますが、革新的な発明により半導体製造プロセスが大幅に変更された場合等において、期待する成長水準を達成できない可能性があります。
 その他の事業においては、特にリチウムイオン電池正極材および電子部品向け焼成炉の成長が見込まれますが、競合が当社グループの想定を上回る競争力を得た場合には、市場シェアを喪失するリスクがあります。

 

(2) 研究開発に関するリスク
 当社グループは、創業以来強みとして培ってきたセラミックスの材料および加工プロセス技術を核として、既存製品の高性能化のみならず有望テーマの探索にもインプットを継続しております。全社売上高に占める新製品(5年以内に事業化した製品)比率は30%を目標に、研究開発費合計は連結売上高の5%程度を目安として事業規模の拡大に対応して増加させております。

 また、「NGKグループビジョン Road to 2050」では、今後10年間で総額3,000億円の研究開発費を確保し、その80%を「カーボンニュートラル(CN)」、「デジタルソサエティ(DS)」分野に配分し、その通過点となる2030年の目標としては、新製品・新規事業の売上高1,000億円を実現する「New Value 1000」を掲げました。しかしながら、技術開発、製品開発には不確実要素が多く、また技術間競争も複雑化していることから、インプットが十分な成果に結びつかず業績に影響を及ぼすリスクがあります。

 

(3) 法令遵守、人権・安全、品質に関するリスク

① 法令等の遵守に関するリスク

 当社グループは、他社との技術差別化により高い市場シェアを占める製品をグローバルに供給しており、国内外で競争法、輸出入関連法規、労働関連法規などの各種法令や外国公務員贈賄規制などの規制を遵守して事業活動を行っております。これらの法令・規制への違反や、人権の尊重、契約遵守などの社会的要請に反した行動があった場合には、処罰や訴訟の提起、社会的な制裁を受け、レピュテーション低下につながる恐れがあります。
 NGKグループ企業行動指針に基づいた誠実な事業活動を行うことを最重要課題の一つとして位置付け、従業員への各種教育の実施やハンドブック配布による関連法規制の周知徹底とコンプライアンス意識の一層の向上に取り組んでおります。重要な不正事案や法令違反については、社外役員とコンプライアンスを担当する社内取締役から構成される経営倫理委員会で予防と監視に当たっています。
 また、関連規程を整備し、国内外で遵守を徹底するとともに、経営倫理委員会に直結する内部通報制度(ホットライン)を設置し、従業員の法令違反や社会的要請に反した行為等の発生可能性の低減を図っております。

 

② 人権・安全に関するリスク

 当社グループは、従業員の労働災害や疾病・身体・メンタルヘルス問題のリスクに対し、安全衛生基本方針に基づき重大災害リスクの特定とリスクアセスメントによる未然防止対策強化を図ると共に、長時間労働者へのフォローや階層別メンタルケア教育にも力を入れております。従業員の健康増進にも力を入れており、当社は2021年3月に経済産業省と日本健康会議が共同で進める「健康経営優良法人(ホワイト500)」の認定を3年連続で受けました。

 また、2021年4月には、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、グループの事業活動が影響を及ぼすすべての人々の人権が侵害されることのないように「NGKグループ人権方針」を定めました。人権に関する国際規範を遵守し、人種・国籍・性別・年齢・宗教・信条・障がいの有無・性の多様性を尊重するとともに、安全・快適で誰もが働きやすい職場 環境の提供に努めております。しかしながら、当社グループの予想し得ない問題が発生した場合には、業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。

 

③ 品質に関するリスク

 当社グループは、エネルギー・エコロジー・エレクトロニクスの分野でグローバルにセラミックス製品を生産・販売しており、重大な市場クレームや契約違反など業務の不備に伴う信用の失墜、利益の喪失、成長の減退等の品質リスクを認識しております。
 当社グループは、経営トップの直接指導の下、品質委員会の定める品質方針に基づき、品質経営統括部が各事業本部の品質活動をモニタリングすると共に、重要課題については品質会議を開催して迅速な解決を図るなど品質リスク低減を図っております。また、お客様の品質要求の高度化・多様化に的確に対応するため、①開発から生産立ち上げ、製造工程の変更時に守るべき品質の確認②製品設計に対する審査(DR:デザイン・レビュー)の実施③製造不良と市場クレームの状況の監視・共有④重大な品質問題への処置の検討など4つの品質活動をルール化し、更に業務のレベルでは、品質向上とリスク排除を強化するための業務プロセスを強化する品質リスク排除プロセス活動を全社展開するなど、品質管理の有効性を高める活動を推進しております。しかしながら、当社グループが製造・販売する製品において、予想し得ない品質問題が生じた場合には、業績に重大な影響を及ぼすリスクがあります。

 

(4) 情報システムのリスク
 当社グループは、受注・販売、生産管理、会計、研究開発等の業務に広くITシステムを活用しております。また、働き方改革の実現に向けてグループ共通の情報通信システム(ICT)やプラットフォームの構築、RPAの活用を促進しております。当社グループでは、グループ内共通の基準に基づきITセキュリティ体制の構築や全体のセキュリティ向上に取り組んでおり、従業員に対しては情報セキュリティ教育を実施し、内部の情報資産の適正な管理・運用の徹底に努めております。しかしながら、外部からのサイバー攻撃や不正アクセス、想定外のシステム不具合やセキュリティ上の問題によりデータ処理の停止、データの盗難・破壊・改ざん・喪失等が発生した場合には、当社グループの社会的信用や業務の継続に悪影響を及ぼすリスクがあります。

 

(5) 為替、資金及び資材調達のリスク

 当社グループはグローバルに製品の生産・販売を行っており、海外売上高比率は7割を超える水準にあります。為替レートの変動に対しては、需要地生産、現地通貨での資金調達、為替状況に応じた最適購買などの対策を実施すると共に、短期的な変動に対しては、先物為替予約等によりリスクヘッジしておりますが、円高は売上高・利益の減少要因となって業績に悪影響を及ぼします。また、設備投資などの資金調達を行う場合には、地域により大きな金融危機などで資金調達が困難となり、当社グループの事業運営や業績・財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。
 素材価格の上昇は製造コストの増加となりますが、その影響を軽減すべく売価への反映、競争購買、設計見直しによるコストダウンなどに取り組んでおります。当社グループはサプライチェーンの適切な管理や仕入れ価格の吸収にも努力していきますが、特定の素材・設備の流通が滞り、過度の価格の上昇が起こる場合には、当社グループの事業運営や業績・財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。

 

(6) 気候変動と災害のリスク
 地球温暖化や気候変動問題への関心が世界的に高まる中で、当社グループは、金融安定理事会により設置された「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明しております。気候変動がもたらすリスクと機会の分析・開示が課題解決に有効と考え、関連する情報開示の整備を進めてまいります。また、2021年4月には「NGKグループ環境ビジョン」を策定し、カーボンニュートラル社会の実現に資する製品とサービスを開発・提供するとともに、グループの事業活動にも適用することで、2050年までにCO2排出量ネットゼロを目指してまいります。しかしながら、将来的に国際的な温室効果ガスの排出規制や環境税・炭素税などの税制が導入された場合には追加的費用が生じ、業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。
 また、温暖化に伴う海水面の上昇や台風の大型化、局地的な暴雨の頻発等により水害が生じ、操業困難な拠点が発生する可能性があります。当社グループは、代替生産可能な生産体制の構築を進めておりますが、リスクが想定を上回る規模や期間に渡って生じた場合には、業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。
 当社グループは、BCP(事業継続計画)をグループ全体で推進し、災害発生時の事業継続や早期復旧のため、主力事業の製造拠点の分散化や購買先の複数化、建物・設備の減災、従業員の安全確保などの各種対策に取り組んでおります。しかしながら、大規模災害や火災等の事故等により主要製造拠点の生産設備に深刻な被害が発生した場合、また、工場が立地する地域のインフラ側に長期の供給支障が生じた場合等には相当期間、生産活動が停止し、業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。

 また、新型コロナウイルス等の重大な感染症が発生・蔓延し、社員、サプライヤーや顧客に罹患者が出た場合や、顧客の操業が著しく低下した場合には、当社グループの製品の生産・販売に悪影響を及ぼすリスクがあります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度における日本経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けたものの、段階的な経済活動の再開により第1四半期を底に持ち直しの動きが見られました。海外では、中国経済が急速に回復した一方、米国や欧州では経済活動の抑制により景気は弱い動きとなりました。

このような状況のもと、当社グループにおきましては、エネルギーインフラ事業では、国内電力会社の設備投資抑制の影響を受けたほか、電力貯蔵用NAS®電池(ナトリウム/硫黄電池)の出荷が低調に推移しました。セラミックス事業では、世界の自動車生産・販売台数の減少を受けて、自動車関連製品の出荷が減少しました。エレクトロニクス事業では、携帯基地局投資の停滞を背景にセラミックパッケージの需要が減少しました。一方、プロセステクノロジー事業では、好調な半導体市況を背景に半導体製造装置用製品の需要が大幅に増加したことから、当連結会計年度における売上高合計は、前期比2.3%増4,520億43百万円となりました。

利益面では、移動制限による出張自粛等の影響もあり費用抑制が進んだ一方、セラミックス事業の売上高減少、減価償却費や販売運賃が増加したこと等により、営業利益は前期比7.6%減508億23百万円となりました。経常利益は、為替差益や雇用調整助成金等の営業外収益が増加したことにより同2.0%増530億6百万円、親会社株主に帰属する当期純利益については、前年度に計上した減損損失が減少したことなどから前期比41.9%増384億96百万円となりました。

当社グループは、自己資本利益率(ROE)を主要な経営指標とし、社内ではこれと関連性の高い投下資本利益率(ROIC)を管理指標に採用して、資本効率を重視した経営を推進しております。中長期の観点でROE10%以上の水準を意識し、持続的な企業価値の向上に資するよう事業リスクの変化に適合した資本政策を展開します。

当連結会計年度におけるROEは、親会社株主に帰属する当期純利益が増加したこと等から7.9%(前年同期比2.1ポイント改善)となり、目標である10%を下回りましたが、引き続き当該指標の維持・向上に取り組んでまいります。

 

セグメントの業績は次のとおりであります。

〔エネルギーインフラ事業〕

 当事業の売上高は、426億32百万円と前期に比して1.7%減少いたしました。

がいしは、国内電力会社の設備投資抑制が継続し出荷が低調に推移したことに加え、不採算製品の撤退を進めたことなどにより出荷が減少しました。NAS®電池は、国内外ともに大口案件の出荷が無く低調に推移しました。

利益面では、がいしの赤字が縮小したことにより、前期49億15百万円の営業損失から39億78百万円の営業損失に赤字が縮小しました。

 

〔セラミックス事業〕

 当事業の売上高は、2,489億16百万円と前期に比して1.1%減少いたしました。

世界の自動車市場が下期は中国を中心に需要が急回復したものの、上期の販売台数の落ち込み影響が大きかったことから、減収となりました。

営業利益は、売上高の減少や減価償却費の増加などから前期比23.0%減411億60百万円となりました。

 

〔エレクトロニクス事業〕

 当事業の売上高は、541億1百万円と前期に比して2.4%減少いたしました。

電子部品は、ハードディスクドライブ(HDD)用圧電マイクロアクチュエーターやSAWフィルター用複合ウエハーの物量が増加した一方で、携帯基地局投資の停滞を背景にセラミックパッケージの物量が減少しました。加えて、双信電機株式会社の株式の一部を売却したことに伴い、同社が第4四半期連結会計期間より連結範囲から除外された影響もあり、減収となりました。

営業利益は、製品構成の変化などにより前期25百万円から27億69百万円へ増益となりました。

 

〔プロセステクノロジー事業〕

 当事業の売上高は、1,090億17百万円と前期に比して15.6%増加いたしました。

半導体製造装置用製品は、好調なファウンドリやメモリ投資の回復により需要が回復したことから増収となりました。産業機器関連製品につきましては、売上高は前期並みとなりました。

営業利益は、出荷物量の増加などから前期比68.6%増108億53百万円となりました。

 

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

①生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自  2020年4月1日
    至  2021年3月31日

前年同期比(%)

エネルギーインフラ事業(百万円)

41,945

97.8

セラミックス事業(百万円)

241,423

93.5

エレクトロニクス事業(百万円)

54,772

94.1

プロセステクノロジー事業(百万円)

110,261

116.5

           合計(百万円)

448,402

98.8

 

(注)  1.購入品仕入実績については区分して記載することが困難なため、生産実績に含めて記載しております。

2.上記は、販売価格をもって表示しております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

4.セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

②受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高
(百万円)

前年同期比(%)

受注残高
(百万円)

前年同期比(%)

エネルギーインフラ事業

39,354

87.3

13,887

84.5

セラミックス事業

249,155

98.8

2,979

107.7

エレクトロニクス事業

56,048

102.0

11,418

120.9

プロセステクノロジー事業

115,755

117.0

64,259

117.9

合計

460,313

102.1

92,545

111.3

 

(注)  1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.セグメント間取引については、相殺消去しております。

③販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自  2020年4月1日
    至  2021年3月31日

前年同期比(%)

エネルギーインフラ事業(百万円)

41,996

97.0

セラミックス事業(百万円)

248,908

98.9

エレクトロニクス事業(百万円)

54,099

97.6

プロセステクノロジー事業(百万円)

107,038

117.0

           合計(百万円)

452,043

102.3

 

(注)  1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比し9.1%増加9,089億67百万円となりました。

流動資産は、現金及び預金や受取手形及び売掛金などが増加したことから、前期比15.0%増4,579億40百万円となりました。固定資産は、自動車関連を中心とした生産能力増強のための投資により有形固定資産が増加したことから、前期比3.8%増4,510億27百万円となりました。

流動負債は、1年内返済予定の長期借入金や短期借入金などが増加したことから、前期比19.0%増1,359億92百万円となりました。固定負債は、長期借入金が増加したことなどにより、前期比2.2%増2,550億82百万円となりました。

純資産は、利益剰余金や為替換算調整勘定などが増加したことから、前期比10.4%増5,178億92百万円となりました。

これらの結果、当連結会計年度末における自己資本比率は56.3%(前連結会計年度末55.0%)となり、1株当たり純資産は1,617.33円と、前期を168.71円上回りました。

 

セグメントごとの資産は、次のとおりであります。

〔エネルギーインフラ事業〕

当事業の総資産は、資金が減少したこと等により前期比4.5%減541億7百万円となりました。

〔セラミックス事業〕

当事業の総資産は、前期比8.3%増加し、4,593億92百万円となりました。自動車関連製品の増産投資により有形固定資産が増加しました。

〔エレクトロニクス事業〕

当事業の総資産は、前期比6.8%減少し、640億14百万円となりました。双信電機株式会社の株式の一部を売却したことに伴い、同社が連結範囲から除外されたことにより総資産が減少しました。

〔プロセステクノロジー事業〕

当事業の総資産は、前期比5.3%増加し、1,399億77百万円となりました。半導体製造装置用製品の増産投資等により有形固定資産が増加しました。

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、営業活動による856億41百万円の収入、投資活動による517億24百万円の支出、及び財務活動による122億50百万円の収入などにより、前期末に比し513億40百万円増加し、当期末残高は1,460億31百万円となりました。

 

〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増加の一方、たな卸資産は減少しました。税金等調整前当期純利益531億20百万円に減価償却費を加え、合計では856億41百万円の収入となりました。前期との比較では、324億41百万円の収入増となりました。

 

〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、政策保有株式の売却や有価証券の売却及び償還による収入があったものの、自動車関連製品を中心とした設備投資を実施したほか、有価証券の取得による支出もあり、合計で517億24百万円の支出となりました。前期との比較では、91億6百万円の支出減となりました。

 

〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いや長期借入金の返済による支出の一方、将来の設備投資資金の確保と、コロナ禍における経済リスクへの備えを目的に長期及び短期借入れを実施したことから、合計で122億50百万円の収入となりました。前期との比較では、310億47百万円の収入増となりました。

 

資本の財源及び資金の流動性について、当社グループの運転資金需要のうち主なものは原材料の購入費用、労務費等の製造費や販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。当社グループは、事業運営上必要な資金の調達について、調達手段の多様化を図ることで、低コストかつ安定的に資金を確保するよう努めております。また、グループ各社における余剰資金の一元管理を図り、資金効率の向上と金融費用の削減を目的として、国内外でCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しております。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 [連結財務諸表等](1)[連結財務諸表] [注記事項] (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響については「第5 経理の状況 1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項](追加情報)」に記載しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループは、研究開発を重要な経営課題のひとつとし、ファインセラミックスを中心とした材料技術とシステム技術とをベースに、高付加価値、高機能な新製品の提供を目指し、研究開発に積極的に資源投入しております。推進体制としては、基礎から応用まで手掛ける親会社の研究開発部門での研究開発と、事業本部及び子会社での商品化に近い研究開発の二本立てで進めております。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は22,448百万円であり、この中にはグループ外部からの受託研究にかかわる費用782百万円が含まれております。各事業別の主要な研究開発テーマ、成果及び研究開発費は次のとおりであります。

 

〔エネルギーインフラ事業〕

エネルギーインフラ事業では、がいし製品及び電力貯蔵用NAS®電池のコストダウン製法及び性能向上の研究に取り組んでおります。また、配電機器事業においては、連結子会社のエナジーサポート㈱にて、配電用機器の新製品開発や、各製品の低コスト化に関する研究開発に取り組んでおります。

なお、当事業に係る研究開発費は760百万円であります。

 

〔セラミックス事業〕

セラミックス事業では、エンジン排ガス用NOxセンサーや電気加熱触媒(EHC)、ガソリン・パティキュレート・フィルター(GPF)の商品開発、及び自動車排ガス浄化用触媒担体、ディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)の生産技術改善等の研究開発に取り組んでおります。

なお、当事業に係る研究開発費は7,379百万円であります。

 

〔エレクトロニクス事業〕

エレクトロニクス事業では、圧電セラミックス技術をコアとした各種応用デバイス、SAWフィルタ用複合ウエハー、情報通信用各種セラミックパッケージ、自動車・産業用機器・デジタル家電用コネクタ、リレー、摺動部品用などのベリリウム銅および非ベリリウム銅製品等の研究に取り組んでおります。

なお、当事業に係る研究開発費は1,796百万円であります。

 

〔プロセステクノロジー事業〕

プロセステクノロジー事業では、半導体製造装置の高機能化に対応するセラミック部品及びモジュール、原子力発電所向け廃棄物処理システムの改良等の研究開発に取り組んでおります。

なお、当事業に係る研究開発費は2,019百万円であります。

 

〔本社部門〕

  本社部門には、全社的な研究開発を担当する研究開発本部があります。研究開発本部は、中・長期にわたるセラミックス基礎技術の創出、育成と新商品の種をつくることを主たる任務としており、ウエハープロジェクト、NCMプロジェクト、CCDプロジェクト、FCプロジェクト、ZNBプロジェクト、ACBプロジェクト、基盤技術研究所及び次世代技術戦略室より成り立っています。

  また、当連結会計年度における研究開発テーマとして、チップ型セラミックス二次電池、CO分離用DDR型ゼオライト膜等があります。

  なお、本社部門に係る研究開発費は10,493百万円であります。

 

(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。