第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

当社グループが掲げる「NGKグループ理念」と「NGKグループビジョン Road to 2050」は以下の通りです。

 

<NGKグループ理念>
 私たちの使命 
   「社会に新しい価値を そして、幸せを」
 
 私たちが目指すもの 
   「人材 挑戦し高めあう」 
   「製品 期待を超えていく」
   「経営 信頼こそが全ての礎」

 

<NGKグループビジョン Road to 2050>

2050年の未来社会を見据え、カーボンニュートラルの実現とデジタル社会への爆発的進化という大きな流れを新たな発展機会と捉え、①ESG経営の推進、②収益力向上、③研究開発への注力、④商品開花への注力、

⑤DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進の5つの変革に取り組み、“Surprising Ceramics.”をスローガンに当社独自のセラミック技術を活かし、「第三の創業」に向けて事業構成の転換を図ってまいります。

 

(2)主要な経営指標と資本政策

当社グループは、自己資本利益率(ROE)を主要な経営指標とし、資本効率を重視した経営を推進しております。関連性の高い投下資本利益率(NGK版ROIC)を管理指標に採用し、投下資本の代わりに事業資産(売掛債権、棚卸資産、固定資産)、税引後利益の代わりに事業部門の営業利益を用いることにより、事業部門が自ら目標管理できるようにしております。中長期の観点でROE10%以上の水準を意識し、持続的な企業価値の向上に資するよう事業リスクの変化に適合した資本政策を展開します。株主・投資家との透明で適切なコミュニケーションで資本コストの引き下げに努めると共に、これを上回る収益性確保に向けて事業計画の立案や設備投資の意思決定プロセスを回してまいります。また、配当性向及び純資産配当率等を参照して積極的な株主還元に努めます。これらにより財務健全性との両立を図りつつ、ROEを構成する利益率、資本回転率、財務レバレッジを事業戦略と整合した健全な水準に維持することを目指します。

更に、新たな管理指標として、営業利益にCO2排出コストや労務費、研究開発費、ESG目標達成率を加味したNGK版付加価値(NGK Value-Added)を導入しました。短期の収益性や中長期の成長性といった「財務価値」に加えて、超長期的に社会性を高めていくために、将来の競争力の源泉となる人的資本や知的資本の向上に継続的に取り組むと共に、環境負荷の低減や人権尊重への取り組みなど多岐にわたる社会的責任を果たしてまいります。このような取組みにより「非財務価値」も高めて企業価値を向上してまいります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略、経営環境及び優先的に対処すべき事業上、財務上の課題

新型コロナウイルスの終息が見通せない中、ウクライナ情勢の緊迫化により原材料価格の高騰やサプライチェーンの混乱が長期化し、不透明な状況が続くことが予想されます。一方、中長期の観点では、脱炭素社会実現への世界的潮流の中で、カーボンニュートラル、DX等の技術革新を背景に事業機会が拡大されると期待されます。2050年の未来社会に向けて、NGKグループビジョンで掲げた「5つの変革」を確実に推し進め、事業構成の転換を図ってまいります。

 

2022年度における当社グループの重点課題は以下のとおりです。

 

① ESG経営の推進

当社グループは、海外19カ国に37のグループ会社(うち製造会社19社)でビジネスを展開しております。ESGを経営の中心に位置づけて、経営の透明性と自律性を高めるべく、グループで働く全員が公正な価値観や国際的な水準の判断基準にしたがって行動できるよう環境整備を進めています。2022年4月には、従前の「ESG会議」を、社長を委員長とする「ESG統括委員会」に改め、経営レベルでESG/SDGsの要素を含む当社グループのサステナビリティ課題の取り扱いを強化し、取締役会がその活動を適切に監督してまいります。

また、全構成員が持続可能な社会の実現、人権尊重、コンプライアンスを実践できるよう様々な対話の機会を設けて「NGKグループ企業行動指針」の周知徹底を図っております。

 

 

〔環境(E)〕

2021年4月、NGKグループビジョンと併せて「NGKグループ環境ビジョン」を策定しました。2050年までにCO排出量ネットゼロとする目標を掲げ、カーボンニュートラル、循環型社会、自然との共生への寄与を骨子とした取り組みを推進してまいります。目標実現のための「カーボンニュートラル戦略ロードマップ」を策定し、2021年度についてはこれまでの最大排出量2019年度87万トンから20%削減とした目標値70万トン(基準年2013年度比4%削減)を達成いたしました。2025年度は同55万トン(2013年度比25%削減)、マイルストーン(中間目標)とする2030年度には同37万トンの排出量(同50%削減)とする目標を設定し、目標達成を前倒しで実現するため、水素やアンモニア、CCU・CCS(COの回収・利用・貯蔵)、再エネ関連製品とサービスの開発・自社実装・提供を推進します。また、その取り組みへの一環として、海外拠点で使用する電力の全量を2025年度までに再生可能エネルギー由来に切り替える方針です。これにより、2025年度時点で当社グループの使用電力の約6割が再生可能エネルギー由来となる見込みで、年間約33万トンのCO削減を目指します。また、2021年12月には当社初となるグリーンボンド(無担保社債)を発行し、環境効果のある製品・サービスの提供、自社の事業活動・生産活動におけるカーボンニュートラルへの取り組みなどに充当してまいります。

気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)については、「ガバナンス」「戦略」「リスクマネジメント」「指標と目標」の4項目に沿ったシナリオ分析結果に関する情報を2022年4月に当社ウェブサイトへ公表しました。今後も社会的な要請に遅れることなく関連情報の開示を拡充してまいります。

 

〔社会(S)〕

当社グループは、人権に関する国際規範を遵守します。人々の多様性を尊重し、人種・国籍・性別・年齢・宗教・信条・障がいの有無・性の多様性などによる差別は行いません。2021年度におきましては、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、グループの事業活動が影響を及ぼす全ての人々の人権が侵害されることのないように「NGKグループ人権方針」を定めたほか、英国現代奴隷法に関する声明を提出いたしました。今後は当社グループにとどまらず、サプライチェーン全体に人権尊重の取り組みを拡大してまいります。

当社グループは、NGKグループ理念で「人材」を私たちが目指すもののトップに位置付けています。また、NGKグループビジョンに掲げたありたい姿を実現していくためになすべき「5つの変革」を牽引するのは人材です。社員それぞれが置かれた環境の中、自律的な成長に取り組むことが出来るような多様なキャリアパスの提供や、テレワーク活用といった柔軟な働き方、長時間労働の削減を中心とする社内環境整備などの施策にも取り組んでいます。

多様性の観点において、女性活躍については、新卒採用に占める女性比率の数値目標を設定すると共に、配属先・異動先での職域拡大を図っています。また、育休・産休取得者のキャリア早期再開を促すための早期復職支援制度の導入、育休からの復職者研修の実施、男性の育児休業取得の促進などの制度面からのアプローチに加えて、仕事と家庭の両立への理解を深めることを目的とした社内講演会を開催するなど、女性が活躍しやすい環境づくりに取り組んでおります。

また、当社グループ従業員約20,000人のうち、約13,000人が海外に所在しています。グループ運営において、それぞれの地域の事情、文化、習慣に基づく素早く適切な意思決定を行うためには現地人材の活躍が不可欠と考えており、海外拠点の部長層も現地化するなど、現地人材の積極的な登用に努めております。

社会貢献活動の一環として、当社は海外からの留学生支援を行っております。1930年代から海外に出張所や駐在員事務所を開設し、これまで世界各地に生産拠点等を展開し事業拡大を図ってきました。現地の地域社会や人々に温かく迎えられ支援を頂いた感謝の気持ちから、1997年に留学生に対する宿舎提供と奨学金支給を柱とする留学生支援事業を開始し、翌年3月に「財団法人エヌジーケイ留学生基金」を設立しました。2022年4月、同法人の公益性の更なる強化を目的として「公益財団法人日本ガイシ留学生基金」へ移行しました。

 

〔ガバナンス(G)〕

コーポレートガバナンスについては、取締役会の更なる機能発揮の観点から、会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上に役割・責務を果たす資質を備えた独立社外取締役を選任し、その数を全取締役の3分の1以上としております。また、経営の透明性を確保し取締役会の監督・監視機能を強化するため、独立社外取締役を過半数として構成する指名・報酬諮問委員会で役員の人事及び報酬決定等に係る公正性の確保及び透明性の向上を図ると共に、社外役員を主要な構成員とし役員等が関与する不正及び法令違反等への対応を取り扱う経営倫理委員会を設置し、取締役会への答申または報告、勧告等を行うこととしております。役員等が関与する不正・法令違反に歯止めをかける仕組みとして、従業員からの相談・報告を受けるヘルプライン制度とは別に、社外弁護士を通じて経営倫理委員会に直結する内部通報制度「ホットライン」を設置し、経営陣から独立した通報体制を設けるなど、コンプライアンス体制の充実を図っております。

コンプライアンスの観点からは、当社グループで働くすべての人が倫理観を持って正しい事業活動を行うための道しるべとしてNGKグループ企業行動指針を策定しており、その周知徹底に取り組んでおります。2021年度には、コンプライアンス活動を国際的な水準に照らして評価検証し、共通の理解と価値観に基づき継続的に改善する仕組み作りを行うため、新たに「コンプライアンス活動基本要領」を制定しました。

競争法及び海外腐敗行為防止法などの法令遵守については、継続的な経営トップのメッセージ発信、国内外グループ会社の役員・従業員向けのコンプライアンス教育の実施、国際的な水準に沿った競争法遵守プログラムの運用、「競争法遵守ハンドブック」の活用などにより徹底を図っております。

品質コンプライアンスについては、経営トップによる品質活動や品質委員会の直接指導の実施などの仕組みを強化すると共に、経営層及び従業員に対する品質教育の徹底など企業体質の改善に取り組んでおります。労働環境の安全面では、国内外グループ会社のリスクアセスメントの推進による重大災害リスクの特定と未然防止対策の強化に加え、グループ全体の現場マネジメント力の強化を図り、業務災害リスクの低減に取り組んでまいります。

リスクマネジメントについては、経営レベルの視点から重要と考えるリスクを事業環境、戦略、内部要因に分類し継続的に見直しを行っております。また、アンケートの実施や内部統制プロセスにおける特別リスクの評価などを通じてリスク分析を行い、コンプライアンス委員会をはじめとする各委員会や各担当部門が中心となって事業ごとにリスクの回避・予防に努めております。

こうした取り組みを通じて、より一層グローバル経営を支えるコンプライアンス意識の向上、リスク低減、ガバナンス体制の強化・充実を図ってまいります。

 

② 既存事業の収益力向上と新規事業創出に向けた取り組み

当社は独自のセラミック技術で社会に新しい価値を提供する企業を目指し、「5つの変革」を推進して事業構成の転換を図ってまいります。企業価値を高めるために事業ポートフォリオ方針を定め、NGK版ROICを用いた収益性と、売上高成長率を用いた成長性の二軸で精査しております。コア事業や今後の成長が期待される事業群への経営資源の投入を検討するほか、低成長・低収益に区分される事業については、今後の事業継続の判断において単年度および中期的な経営計画に基づく計数面での評価に加えて、長期的な視点での成長可能性、収益性等を個別に社内の戦略会議等で議論し、経営に関する重要な事項として取締役会が監督してまいります。また、設備投資の意思決定にあたっては、個別の投資の回収期間のほか、NGK版ROICや2022年度より導入したインターナルカーボンプライシング(ICP)を用いたESG視点での価値評価も加えて判断してまいります。

また、既存事業の収益力向上の施策として、2021年度より「モノづくり∞(チェーン)革新」をスタートしました。製品の開発から製造、販売といった一連のプロセスチェーンを通じて競争力強化につながる活動を目指しております。モノづくりチェーンにおける理想と現状のギャップを埋める「生産革新活動」、工場単位のロス削減により製造原価を改善する「原価低減活動」を柱とし、デジタル技術の活用によりモノづくりの見える化とグローバル連携を進め、競争力強化に繋げてまいります。

 

事業構成の転換に向けて、2022年4月に大きく2つの組織変更を行いました。ひとつは、事業セグメントの見直しで、中長期ビジョンで注力分野と位置づけた「カーボンニュートラル」と「デジタル社会」関連の事業領域で、組織をシンプルにすることにより技術や環境変化への対応力を高め、部門間のシナジー効果を生み出すことを狙いに、4事業本部体制から3事業本部体制に再編しました。

もうひとつは、新設した「NV推進本部」で、様々な事業領域を担当する人材を各事業本部や本社部門から集結し、国内外で約100名規模の体制でスタートいたしました。同本部を主体にマーケティング機能を推進し、研究開発本部の差別化技術、製造技術本部のモノづくりと共に、3本部連携で「研究開発」から「商品開花」へのスピードを高めてまいります。2022年度からは、社内の研究開発及び事業化プロセスの全体を統括し、方針策定を担う上位の会議体として「開発・事業化委員会」を設置しております。2030年に新事業化品売上高1,000億円以上とする「New Value 1000」を目標に掲げ、研究開発費を10年間で3,000億円、このうち8割をカーボンニュートラルとデジタル社会関連に配分してまいります。そのためのインプットとして、開発人員を現体制の約4割増強するなど、将来有望なテーマに対しては重点的に経営資源を投じてまいります。また当社が保有する大量の実験データをデータベース化しAI技術を組み合わせるマテリアルズ・インフォマティクスの推進により、短期間で革新的なセラミック材料の開発につなげることを目指します。更には、外部とのアライアンスなどにより新製品・新規事業の創出を積極的に推進し、事業構成の転換を図ってまいります。

 

2022年4月には「NGKグループデジタルビジョン」を公表しました。DXを変革の推力として「第三の創業」を実現し、カーボンニュートラルとデジタル社会に貢献してまいります。2021年4月に新設した「DX推進統括部」が全社横断的な部門として、「人材」(経営層から一般社員まで全従業者へのDX啓蒙、データ活用人材の育成、ブリッジ人材の育成)、「デジタル」(データ利活用基盤の構築、次世代技術の開発、強固なITセキュリティー)、「組織・風土」(経営層のコミットメント、グローバルでの連携・推進、NGKグループ全員の意識改革)、これら3つを柱に2030年にはデータとデジタル技術の活用を当たり前とする企業に変革することを目指します。

 

 

セグメント別の重点課題は以下の通りです。各事業を構成する主要製品については、「第5 経理の状況 1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項](重要な後発事象)1.セグメント区分の変更)」をご覧下さい。

 

エンバイロメント事業〕

世界の自動車市況の回復や各国の排ガス規制強化により、当面は需要拡大に対応しつつグローバルでの安定供給体制を構築し利益最大化を目指します。電気自動車の普及拡大により将来的には内燃機関ビジネスは漸減するものの、従来の自動車関連製品に加えて、ガソリンセンサーや電気加熱式触媒(EHC)等の新製品の開発スピードを加速させると共に、世界的に市場拡大が期待されるカーボンニュートラル関連市場も取り込み、広義に環境関連を包含する事業として、高付加価値品の投入を進めてまいります。

 

デジタルソサエティ事業〕

NGKグループビジョンで掲げた「デジタル社会」関連の事業領域は、IoT、5Gの進展に加え、メタバースを使った新たなビジネスが顕在化するなど、今後も半導体関連市場の拡大が期待されています。顧客価値の向上を目標に、DX活用による国内外製造拠点での生産性の向上、新技術の提供などを進め高収益事業を目指します。また、デジタル社会に貢献する製品群を集約することにより、社内外の情報を結びつけ、独自のプロセス技術と新たな材料を組み合わせることで新しい分野への展開も目指します。

 

エネルギー&インダストリー事業〕

エナジーストレージ関連では、2050年のカーボンニュートラルを目指し再エネ導入に向けた検討が進んでおり、蓄電池の重要性が高まっております。NAS®電池の本格的な需要拡大には暫く時間を要しますが、大容量、長時間放電の特性を生かしたビジネスモデルの構築に取り組んでまいります。NAS®電池と独自のエネルギーマネジメントシステム(EMS)を組み合わせることで、NAS®電池の容量の有効活用、エネルギーリソース価値の最大化が可能となり、従来の「モノ売り」に加え、サービスや価値を提供する「コト売り」ビジネスへの展開も加速してまいります。がいしは、国内電力会社の設備投資抑制が継続する中、中長期の市場変化を想定して事業を運営してまいります。また、産業プロセス事業は、セラミック膜をコアコンピタンスとして、CO分離や窒素分離、バイオエコノミーといった社会の環境ニーズに貢献できる製品や設備を投入し、新たなカーボンニュートラル製品の受け皿となる事業領域を目指します。

 

当社グループは、こうした取り組みを通じて経営基盤の更なる強化に努め、持続的な成長と企業価値の向上を実現し、資本効率重視、株主重視の経営を継続してまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2022年6月27日現在)において当社グループが判断したものであります。
 

(1) 事業運営におけるリスク

当社グループは、海外19ヵ国に37のグループ会社を展開し、うち19社において製造を行っております。各国・地域の政治や対日感情の安定、法律、規制、税制、インフラの整備、関税を含むインセンティブ、教育や人材確保などが各事業の前提条件となっております。当社は様々な観点から拠点を分散し、グローバルに代替可能な体制構築に取り組んでおりますが、デモ、テロ、戦争、感染症などによる社会的混乱等を含め、これらの諸条件に予期せぬ事象が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。

 

 また、主要な製品の需要動向、競争や収益環境につきましては以下の通りです。

 

① エンバイロメント事業
 当事業の主力製品である自動車排ガス浄化用セラミックス製品(ハニセラム®、センサ製品群)は、当社製品を搭載する内燃機関自動車がEV(電気自動車)やFCV(燃料電池車)等の非内燃機関車に置き換わることや、あるいはカーシェアリングなど消費者の価値観やビジネスモデルが変化することによって、需要が変動する可能性があります。当社グループでは、2030年段階においても内燃機関車の市場はピークアウトしているものの、現在と同等の規模で推移すると予想しており、排ガス規制の強化に伴う新製品や高機能品の開発、市場投入が必要不可欠とみております。しかしながら、内燃機関車の減少に繋がる変化が当社の想定を超えて進捗した場合には、期待する業績を達成できないリスクがあります。

 また、重要性が高い中国市場においては、競合が台頭するリスクがあります。当社グループでは、環境規制を先取りした技術対応力や安定した供給力により競争力を強化してまいりますが、競合が当社グループの想定を上回る競争力を得た場合には、市場シェアの一部を喪失するリスクがあります。

 当事業においては、環境規制の内容と時期、需要動向を十分にモニタリングしておりますが、景況の悪化や規制時期の遅れなど短期間で需要見通しが下方修正される場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。

 

② デジタルソサエティ事業
 当事業は、半導体製造装置メーカー向けの部材、スマートフォン向け高性能SAWフィルター用複合ウエハー、データセンターに用いられる大容量HDDヘッド用のアクチュエーター、各種電子デバイス向けチップ型セラミックス二次電池「EnerCera®」、基地局で使用される高周波デバイス用セラミックパッケージ、自動車部品・家電・情報通信機器等のスイッチやコネクターに用いられるベリリウム銅展伸材を供給しております。

 主力の半導体関連事業の需要は半導体の需給状況や技術革新により大きく左右されます。当社グループは、直接の顧客である半導体製造装置メーカーと連携し、半導体市場及び大手半導体メーカーの設備投資動向を踏まえて、都度、設備能力や人員・生産体制等を見直しておりますが、想定を上回る規模で需要が減少した場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。また、当社独自の材料・設計・生産技術による差別化を図ると共に、製品供給力を高めることで業界トップのポジションを維持しておりますが、顧客ニーズへの対応遅れ等により市場シェアを喪失する可能性があります。5GやIoTの普及により半導体の物量は増大し、当該事業も中長期に成長すると見込んでおりますが、革新的な発明により半導体製造プロセスが大幅に変更された場合等において、期待する成長水準を達成できない可能性があります。
 その他の事業においては、最終消費財の販売動向や基地局・データセンターへの投資の動向等に大きく左右されることから、客先動向を注視した上で需要の変動に素早く対応できるよう適宜人員体制、生産体制等を見直しております。しかしながら、当社グループの想定を超えて大きく需要が減少する場合や、需要低迷が長期化する場合には、販売の急激な減少や過剰在庫の発生により業績及び財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。
  当事業が属する半導体・電子部品業界は、技術革新やモデルチェンジのペースが速く、主要顧客のニーズに応じてタイムリーに新技術開発、製品投入が出来ない、もしくは競合メーカーが当社グループの想定を上回って伸長した場合には受注を失い、収益が大幅に減少するリスクがあります。

 

 

③ エネルギー&インダストリー事業
 当事業は、電力貯蔵用NAS®電池(ナトリウム/硫黄電池)、電力絶縁用がいし及び機器類に加え、リチウムイオン電池の正極材用焼成炉、電子部品製造用の耐火物、医薬用水設備等の産業機器関連製品を供給しております。 NAS®電池については、脱炭素に向けた世界的な潮流を受けて、再生可能エネルギー普及に伴う大容量・長時間用途の蓄電池のニーズが顕在化しつつあり、将来需要が拡大する可能性があります。当事業では引き続き、NAS®電池の持つ優位性(大容量・長時間)をアピールすると共に、欧州などの有力企業とのパートナーシップ強化や政府の支援策等も活用し、ニーズの取り込みを図ってまいります。しかしながら、リチウムイオン電池などの競合製品が技術革新により一層普及した場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。

 がいしや機器類については、各国のエネルギー政策や電力会社の設備投資の動向に大きく左右されます。国内では主要顧客である電力会社の設備投資抑制により先行きが不透明であるほか、海外でも競合企業の動向や各国の電力政策が影響し、収益が減少するリスクがあります。国内市場の一部で磁器製に比べて寿命は短いものの、低コストで軽量なポリマー製がいしが採用される動きがあり、想定を上回って普及した場合には、業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。

 産業機器関連製品については、リチウムイオン電池正極材および電子部品向け焼成炉の成長が見込まれますが、競合が当社グループの想定を上回る競争力を得た場合には、市場シェアを喪失するリスクがあります。

 

(2) 研究開発に関するリスク
 当社グループは、創業以来強みとして培ってきたセラミックスの材料および加工プロセス技術を核として、既存製品の高性能化のみならず有望テーマの探索にもインプットを継続しております。全社売上高に占める新製品(5年以内に事業化した製品)比率は30%を目標に、研究開発費合計は連結売上高の5%程度を目安として事業規模の拡大に対応して増加させております。

 また、「NGKグループビジョン Road to 2050」では、2030年までの10年間で総額3,000億円の研究開発費を確保し、その80%を「カーボンニュートラル(CN)」、「デジタルソサエティ(DS)」分野に配分し、その通過点となる2030年の目標としては、新製品・新規事業の売上高1,000億円を実現する「New Value 1000」を掲げました。目標達成に向けて2022年4月にマーケティングを主体とした「NV推進本部」を新設し、研究開発本部、製造技術本部と連携して新製品創出や事業化を推進しております。しかしながら、技術開発、製品開発には不確実要素が多く、また技術間競争も複雑化していることから、インプットが十分な成果に結びつかず業績に影響を及ぼすリスクがあります。

 

(3) 法令遵守、人権・安全、品質に関するリスク

① 法令等の遵守に関するリスク

 当社グループは、他社との技術差別化により高い市場シェアを占める製品をグローバルに供給しており、国内外で競争法、輸出入関連法規、労働関連法規等の各種法令や外国公務員贈賄規制等の規制を遵守して事業活動を行っております。これらの法令・規制への違反や、人権の尊重、契約遵守等の社会的規範に反した行動があった場合には、処罰や訴訟の提起、社会的な制裁を受け、レピュテーション低下につながる恐れがあります。
 NGKグループ企業行動指針に基づいた誠実な事業活動を行うことを最重要課題の一つとして位置付け、従業員への各種教育の実施やハンドブック配布による関連法規制の周知徹底とコンプライアンス意識の一層の向上に取り組んでおります。コンプライアンス活動を国際的な水準に照らし評価検証し、共通の理解と価値観に基づき継続的に改善する仕組み作りを行うため、「コンプライアンス活動基本要領」を制定しています。重要な不正事案や法令違反については、社外役員とコンプライアンスを担当する社内取締役から構成される経営倫理委員会で予防と監視に当たっています。
 また、関連規程を整備し、国内外で遵守を徹底するとともに、経営倫理委員会に直結する内部通報制度「ホットライン」やヘルプライン制度を設置し、当社役員や従業員が関与する法令違反や社会的規範に反した行為等の発生可能性の低減を図っております。

 

② 人権・安全に関するリスク

 当社グループは、従業員の労働災害や疾病・身体・メンタルヘルス問題のリスクに対し、安全衛生基本方針に基づき重大災害リスクの特定とリスクアセスメントによる未然防止対策強化を図ると共に、長時間労働者へのフォローや階層別メンタルケア教育にも力を入れております。従業員の健康増進にも力を入れており、当社は2022年3月に経済産業省と日本健康会議が共同で進める「健康経営優良法人(ホワイト500)」の認定を4年連続で受けました。

 また、2021年4月には、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、グループの事業活動が影響を及ぼすすべての人々の人権が侵害されることのないように「NGKグループ人権方針」を定めたほか、英国現代奴隷法に関する声明を提出しました。人権に関する国際規範を遵守し、人種・国籍・性別・年齢・宗教・信条・障がいの有無・性の多様性を尊重するとともに、安全・快適で誰もが働きやすい職場環境の提供に努めております。しかしながら、当社グループの予想し得ない問題が発生した場合には、業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。

 

③ 品質に関するリスク

 当社グループは、エネルギー・エコロジー・エレクトロニクスの分野でグローバルにセラミックス製品を生産・販売しており、重大な市場クレームや契約違反など業務の不備に伴う信用の失墜、利益の喪失、成長の減退等の品質リスクを認識しております。
 当社グループは、経営トップの直接指導の下、品質委員会の定める品質方針に基づき、品質経営統括部が各事業本部の品質活動をモニタリングすると共に、重要課題については品質会議を開催して迅速な解決を図るなど品質リスク低減を図っております。また、お客様の品質要求の高度化・多様化に的確に対応するため、①開発から生産立ち上げ、製造工程の変更時に守るべき品質の確認②製品設計に対する審査(DR:デザイン・レビュー)の実施③製造不良と市場クレームの状況の監視・共有④重大な品質問題への処置の検討など4つの品質活動をルール化し、更に業務のレベルでは、品質向上とリスク排除を強化するための業務プロセスを強化する品質リスク排除プロセス活動を全社展開するなど、品質管理の有効性を高める活動を推進しております。しかしながら、当社グループが製造・販売する製品において、予想し得ない品質問題が生じた場合には、業績に重大な影響を及ぼすリスクがあります。

 

(4) 情報システムのリスク
 当社グループは、受注・販売、生産管理、会計、研究開発等の業務に広くITシステムを活用しております。また、働き方改革の実現に向けてグループ共通の情報通信システム(ICT)やプラットフォームの構築、RPAの活用を促進しております。当社グループでは、グループ内共通の基準に基づきITセキュリティ体制の構築や全体のセキュリティ向上に取り組んでおり、従業員に対しては情報セキュリティ教育を実施し、内部の情報資産の適正な管理・運用の徹底に努めております。しかしながら、外部からのサイバー攻撃や不正アクセス、想定外のシステム不具合やセキュリティ上の問題によりデータ処理の停止、データの盗難・破壊・改ざん・喪失等が発生した場合には、当社グループの社会的信用や業務の継続に悪影響を及ぼすリスクがあります。

 

(5) 為替、資金及び資材調達のリスク

 当社グループは、グローバルに製品の生産・販売を行っており、海外売上高比率は7割を超える水準にあります。為替レートの変動に対しては、需要地生産、現地通貨での資金調達、為替状況に応じた最適購買などの対策を実施すると共に、短期的な変動に対しては、先物為替予約等によりリスクヘッジしておりますが、円高は売上高・利益の減少要因となって業績に悪影響を及ぼします。また、設備投資などの資金調達を行う場合には、地域により大きな金融危機などで資金調達が困難となり、当社グループの事業運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。

 資材調達については、各地域における素材価格やエネルギーコスト、物流費の上昇によって製造・販売コストが増加し業績に悪影響を及ぼすほか、サプライチェーンの混乱による資材調達の遅延や顧客への出荷滞留など、当社グループの事業運営に悪影響を及ぼす可能性があります。素材価格やエネルギーコスト等の上昇に対しては適正な売価への反映、競争購買、設計見直しによるコストダウンなどに取り組んでいるほか、サプライチェーンについては在庫管理や調達先の多様化を図るなどリスク低減に努めています。しかしながら、特定の素材・設備の流通が滞り、過度の価格の上昇やサプライチェーンの混乱が起こる場合には、当社グループの事業運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。

 

(6) 気候変動と災害のリスク

 地球温暖化や気候変動問題への関心が世界的に高まる中で、当社グループは、金融安定理事会により設置された「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明、2022年4月にはTCFD提言で開示を推奨している「ガバナンス」「戦略」「リスクマネジメント」「指標と目標」の4項目に沿ったシナリオ分析結果に関する情報を当社ウェブサイトで公表しています(https://www.ngk.co.jp/sustainability/environment-effort07.html)。

2021年4月に「NGKグループ環境ビジョン」を策定し、カーボンニュートラル社会の実現に資する製品とサービスを開発・提供するとともに、グループの事業活動にも適用することで、2050年までにCO排出量ネットゼロを目指してまいります。しかしながら、将来的に国際的な温室効果ガスの排出規制や環境税・炭素税などの税制が導入された場合には追加的費用が生じ、業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。
 また、温暖化に伴う海水面の上昇や台風の大型化、局地的な暴雨の頻発等による水害、大規模災害や火災等の事故により操業困難な拠点が発生する可能性があります。

 当社グループは、BCP(事業継続計画)をグループ全体で推進し、災害発生時の事業継続や早期復旧のため、主力事業の製造拠点の分散化や購買先の複数化、建物・設備の減災、従業員の安全確保などの各種対策に取り組んでおります。しかしながら、想定を超える事象によって主要製造拠点の生産設備に深刻な被害が発生した場合、また、工場が立地する地域のインフラ側に長期の供給支障が生じた場合等には相当期間、生産活動が停止し、業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。

 また、新型コロナウイルス等の重大な感染症が発生・蔓延し、社員、サプライヤーや顧客に罹患者が出た場合や、顧客の操業が著しく低下した場合には、当社グループの製品の生産・販売に悪影響を及ぼすリスクがあります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度における日本経済は、新型コロナウイルスに対するワクチン接種が進み景気回復の動きが見られました。一方で、世界的な半導体供給不足によるサプライチェーンの混乱や原材料価格の高騰などが続いており、さらには期末にかけてはウクライナ情勢の緊迫化もあり世界経済の下振れ懸念が高まりました。

このような状況のもと、当社グループにおきましては、エネルギーインフラ事業では、がいし製品の価格改定が寄与したものの、電力貯蔵用NAS®電池(ナトリウム/硫黄電池)の出荷は低調に推移しました。セラミックス事業では、世界的な自動車市況の回復を受け、自動車関連製品の出荷が大幅に増加しました。エレクトロニクス事業では、双信電機株式会社グループを連結範囲から除外した影響により全体では減収となったものの、金属関連製品やハードディスクドライブ(HDD)用圧電マイクロアクチュエーター、セラミックパッケージの需要が好調に推移しました。プロセステクノロジー事業では、好調な半導体市況を背景に半導体製造装置用製品の需要が大幅に増加しました。これらの結果、当連結会計年度における売上高合計は、前期比12.9%増5,104億39百万円となりました。

利益面では、セラミックス事業や半導体関連製品の売上高の増加や為替円安効果などにより、営業利益は前期比64.3%増835億27百万円となりました。経常利益は同62.7%増862億48百万円、親会社株主に帰属する当期純利益については、法人税等還付税額の計上や補助金収入が増加したことなどから前期比84.0%増708億51百万円となりました。

当社グループは、自己資本利益率(ROE)を主要な経営指標とし、資本効率を重視した経営を推進しております。関連性の高い投下資本利益率(NGK版ROIC)を管理指標に採用し、投下資本の代わりに事業資産(売掛債権、棚卸資産、固定資産)、税引後利益の代わりに事業部門の営業利益を用いることにより、事業部門が自ら目標管理できるようにしております。中長期の観点でROE10%以上の水準を意識し、持続的な企業価値の向上に資するよう事業リスクの変化に適合した資本政策を展開します。

当連結会計年度におけるROEは、親会社株主に帰属する当期純利益が増加したこと等から12.9%(前年同期比5.0ポイント改善)となり、目標である10%以上の水準に回復しましたが、引き続き当該指標の維持・向上に取り組んでまいります。

 

セグメントの業績は次のとおりであります。

〔エネルギーインフラ事業〕

 当事業の売上高は、412億47百万円と前期に比して3.2%減少いたしました。

がいしは、製品の価格改定が寄与しましたが、国内電力会社や鉄道会社の設備投資抑制が継続したことなどにより出荷が減少しました。NAS®電池は、国内外ともに大口案件の出荷が無く低調に推移しました。

利益面では、がいしが6年ぶりに黒字化したことにより、前期39億78百万円の営業損失から27億18百万円の営業損失に赤字が縮小しました。

 

〔セラミックス事業〕

 当事業の売上高は、2,926億88百万円と前期に比して17.6%増加いたしました。

世界の自動車市場は半導体供給不足の影響を受けたものの、各国の排ガス規制強化や自動車市況回復に伴う販売台数の増加により自動車関連製品の出荷が増加しました。

営業利益は、出荷物量の増加などから前期比58.1%増650億60百万円となりました。

 

〔エレクトロニクス事業〕

 当事業の売上高は、534億10百万円と前期に比して1.3%減少いたしました。

ベリリウム銅展伸材やハードディスクドライブ(HDD)用圧電マイクロアクチュエーター、セラミックパッケージの需要は好調に推移したものの、双信電機株式会社グループを連結範囲から除外した影響により減収となりました。

営業利益は、製品構成の変化などにより前期比105.7%増56億96百万円となりました。

 

〔プロセステクノロジー事業〕

 当事業の売上高は、1,262億56百万円と前期に比して15.8%増加いたしました。

半導体製造装置用製品は、好調な半導体市況に支えられ物量が増加しました。産業機器関連製品につきましては、低レベル放射性廃棄物処理装置の出荷が減少した一方、リチウムイオン電池正極材用の加熱装置が増加し、前期並みとなりました。

営業利益は、半導体製造装置用製品の出荷物量の増加などから前期比42.6%増154億81百万円となりました。

 

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

①生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自  2021年4月1日
    至  2022年3月31日

前年同期比(%)

エネルギーインフラ事業(百万円)

42,400

101.1

セラミックス事業(百万円)

326,594

135.3

エレクトロニクス事業(百万円)

54,866

100.2

プロセステクノロジー事業(百万円)

126,962

115.1

           合計(百万円)

550,824

122.8

 

(注)  1.購入品仕入実績については区分して記載することが困難なため、生産実績に含めて記載しております。

2.上記は、販売価格をもって表示しております。

3.セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

②受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高
(百万円)

前年同期比(%)

受注残高
(百万円)

前年同期比(%)

エネルギーインフラ事業

44,852

114.0

18,583

133.8

セラミックス事業

292,891

117.6

3,201

107.4

エレクトロニクス事業

63,128

112.6

21,394

187.4

プロセステクノロジー事業

152,394

131.7

99,321

154.6

合計

553,267

120.2

142,501

154.0

 

(注)  セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

③販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自  2021年4月1日
    至  2022年3月31日

前年同期比(%)

エネルギーインフラ事業(百万円)

40,594

96.7

セラミックス事業(百万円)

292,670

117.6

エレクトロニクス事業(百万円)

53,406

98.7

プロセステクノロジー事業(百万円)

123,767

115.6

           合計(百万円)

510,439

112.9

 

(注)  セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比し8.1%増加9,828億33百万円となりました。

流動資産は、棚卸資産や有価証券などが増加したことから、前期比15.2%増5,273億94百万円となりました。固定資産は、前期比1.0%増4,554億38百万円となりました。

流動負債は、未払法人税等や1年内返済予定の長期借入金などが増加したことから、前期比11.6%増1,517億90百万円となりました。固定負債は、長期借入金などが減少したことなどにより、前期比5.3%減2,414億48百万円となりました。

純資産は、利益剰余金が増加したほか、為替換算調整勘定が増加したことなどから、前期比13.8%増5,895億94百万円となりました。

これらの結果、当連結会計年度末における自己資本比率は59.3%(前連結会計年度末56.3%)となり、1株当たり純資産は1,871.22円と、前期を253.88円上回りました。

 

 

セグメントごとの資産は、次のとおりであります。

〔エネルギーインフラ事業〕

当事業の総資産は、資金が増加したことなどにより前期比4.4%増加564億83百万円となりました。

〔セラミックス事業〕

当事業の総資産は、自動車関連製品の棚卸資産が増加したことなどにより、前期比3.4%増加4,750億50百万円となりました。

〔エレクトロニクス事業〕

当事業の総資産は、資金が増加したことなどにより前期比10.2%増加705億36百万円となりました。

〔プロセステクノロジー事業〕

当事業の総資産は、半導体製造装置用製品の物量増に伴い売掛債権や棚卸資産が増加したほか、増産投資により有形固定資産が増加したことなどから前期比8.5%増加1,519億9百万円となりました。

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、営業活動による948億31百万円の収入、投資活動による462億91百万円の支出、及び財務活動による452億63百万円の支出などにより、前期末に比し88億23百万円増加し、当期末残高は1,548億55百万円となりました。

 

〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、棚卸資産が増加しましたが、税金等調整前当期純利益908億19百万円に減価償却費を加え、合計では948億31百万円の収入となりました。前期との比較では、91億89百万円の収入増となりました。

 

〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、自動車関連製品を中心とした設備投資に加え、定期預金の増加による支出もあり、合計で462億91百万円の支出となりました。前期との比較では、54億32百万円の支出減となりました。

 

〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、将来の設備投資やカーボンニュートラルへの取り組みなどへ充当するため長期借入れ及び社債の発行を実施した一方、長期借入金の返済や配当金の支払いなどによる支出から、合計で452億63百万円の支出となりました。前期との比較では、575億14百万円の支出増となりました。

 

資本の財源及び資金の流動性について、当社グループの運転資金需要のうち主なものは原材料の購入費用、労務費等の製造費や販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。当社グループは、事業運営上必要な資金の調達について、調達手段の多様化を図ることで、低コストかつ安定的に資金を確保するよう努めております。また、グループ各社における余剰資金の一元管理を図り、資金効率の向上と金融費用の削減を目的として、国内外でCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しております。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 [連結財務諸表等](1)[連結財務諸表] [注記事項] (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響については「第5 経理の状況 1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項](追加情報)」に記載しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループは、研究開発を重要な経営課題のひとつとし、ファインセラミックスを中心とした材料技術とシステム技術とをベースに、高付加価値、高機能な新製品の提供を目指し、研究開発に積極的に資源投入しております。推進体制としては、基礎から応用まで手掛ける親会社の研究開発部門での研究開発と、事業本部及び子会社での商品化に近い研究開発の二本立てで進めております。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は23,551百万円であり、この中にはグループ外部からの受託研究にかかわる費用804百万円が含まれております。各事業別の主要な研究開発テーマ、成果及び研究開発費は次のとおりであります。

 

〔エネルギーインフラ事業〕

エネルギーインフラ事業では、がいし製品及び電力貯蔵用NAS®電池の性能向上及びコストダウンの研究に取り組んでおります。また、連結子会社のエナジーサポート㈱では、配電用機器の新製品開発や、各製品のコストダウンに関する研究開発に取り組んでおります。

なお、当事業に係る研究開発費は1,037百万円であります。

 

〔セラミックス事業〕

セラミックス事業では、エンジン排ガス用NOxセンサーや電気加熱触媒(EHC)、ガソリン・パティキュレート・フィルター(GPF)の商品開発、及び自動車排ガス浄化用触媒担体、ディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)の生産技術改善等の研究開発に取り組んでおります。

なお、当事業に係る研究開発費は7,921百万円であります。

 

〔エレクトロニクス事業〕

エレクトロニクス事業では、圧電セラミックス技術をコアとした各種応用デバイス、SAWフィルタ用複合ウエハー、情報通信用各種セラミックパッケージ、自動車・産業用機器・デジタル家電用コネクタ、リレー、摺動部品用などのベリリウム銅および非ベリリウム銅製品等の研究に取り組んでおります。

なお、当事業に係る研究開発費は1,238百万円であります。

 

〔プロセステクノロジー事業〕

プロセステクノロジー事業では、半導体製造装置の高機能化に対応するセラミック部品及びモジュール、原子力発電所向け廃棄物処理システムの改良等の研究開発に取り組んでおります。

なお、当事業に係る研究開発費は2,272百万円であります。

 

〔本社部門〕

  本社部門には、全社的な研究開発を担当する研究開発本部があります。研究開発本部は、中・長期にわたるセラミックス基礎技術の創出、育成と新商品の種をつくることを主たる任務としており、ウエハープロジェクト、NCMプロジェクト、CCDプロジェクト、ECDプロジェクト、ZNBプロジェクト、ACBプロジェクト、CNDプロジェクト、基盤技術研究所及び次世代技術戦略室より成り立っています。

  また、当連結会計年度における研究開発テーマとして、亜鉛二次電池「ZNB®」、CO分離用DDR型ゼオライト膜等があります。

  なお、本社部門に係る研究開発費は11,082百万円であります。