(1)会社の経営の基本方針
当社グループが掲げる「NGKグループ理念」と「NGKグループビジョン Road to 2050」は以下の通りです。
<NGKグループ理念>
私たちの使命
「社会に新しい価値を そして、幸せを」
私たちが目指すもの
「人材 挑戦し高めあう」
「製品 期待を超えていく」
「経営 信頼こそが全ての礎」
<NGKグループビジョン Road to 2050>
2050年の未来社会を見据え、カーボンニュートラルの実現とデジタル社会への爆発的進化という大きな流れを新たな発展機会と捉え、①ESG経営の推進、②収益力向上、③研究開発への注力、④商品開花への注力、⑤DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進の5つの変革に取り組み“Surprising Ceramics.”をスローガンに当社独自のセラミック技術を活かし、「第三の創業」に向けて事業構成の転換を図ってまいります。
当社グループは、自己資本利益率(ROE)を主要な経営指標とし、資本効率を重視した経営を推進しております。関連性の高い投下資本利益率(NGK版ROIC)を管理指標に採用し、投下資本の代わりに事業資産(売掛債権、棚卸資産、固定資産)、税引後利益の代わりに事業部門の営業利益を用いることにより、事業部門が自ら目標管理できるようにしております。中長期の観点でROE10%以上の水準を意識し、持続的な企業価値の向上に資するよう事業リスクの変化に適合した資本政策を展開します。株主・投資家との透明で適切なコミュニケーションで資本コストの引き下げに努めると共に、これを上回る収益性確保に向けて事業計画の立案や設備投資の意思決定プロセスを回してまいります。また、配当性向及び純資産配当率等を参照して積極的な株主還元に努めます。これらにより財務健全性との両立を図りつつ、ROEを構成する利益率、資本回転率、財務レバレッジを事業戦略と整合した健全な水準に維持することを目指します。
更に、当社の企業価値向上に資する管理指標として、営業利益にCO2排出コストや労務費、研究開発費、ESG目標達成率を加味したNGK版付加価値(NGK Value-added)を導入しております。短期の収益性や中長期の成長性といった「財務価値」に加えて、超長期的に社会性を高めていくために、将来の競争力の源泉となる人的資本や知的資本の向上に継続的に取り組むと共に、環境負荷の低減や人権尊重への取組みなど多岐にわたる社会的責任を果たしてまいります。このような取組みにより「非財務価値」も高めて企業価値を向上してまいります。
当社グループを取り巻く環境は、ウクライナ情勢の長期化や物価上昇、半導体不足、米中貿易摩擦等の影響により不透明な状況が続くことが予想されます。一方、中長期の観点では、脱炭素社会実現への世界的潮流を背景としたカーボンニュートラル化に加えて、情報通信の高度化や自動運転など社会のデジタル化が進むと想定しております。当社グループは社会に新しい価値を提供する企業を目指し、NGKグループビジョンにおいて「独自のセラミック技術でカーボンニュートラルとデジタル社会に貢献する」ことをありたい姿として定め、その実現に向けて「5つの変革」を推進しております。当社グループの基幹事業である自動車関連製品は電動化の進展により縮小していく懸念はありますが、2050年の未来社会に向けて、カーボンニュートラルやデジタルソサエティ関連の製品を拡大させ、事業構成の転換を着実に進めるべく、「ESG経営の推進」と「既存事業の収益力向上と新規事業の創出」を図ってまいります。
当社グループの重点課題に対する取組みは以下の通りです。
① ESG経営の推進
当社グループは、持続的な成長と将来のありたい姿への変容を推進すべく、ESGを経営の中心に位置づけております。当社グループの存在目的は製品やサービスを通じた社会課題の解決であり、事業活動の根幹である「環境」「社会」「ガバナンス」への取組みは、長期の成長に不可欠な重要課題です。当社グループは海外19カ国で37のグループ会社(うち製造会社19社)がビジネスを展開しており、これら課題への対応と経営の透明性・自律性を高めるべく、グループで働く全員が公正な価値観や国際的な水準の判断基準に従って行動できるよう環境整備を進めております。社長を委員長とする「ESG統括委員会」のもと、経営レベルでESG要素を始めとする当社グループのサステナビリティ課題への取組みを、取締役会が適切に監督してまいります。
〔環境(E)〕
当社グループは、2050年までにCO2排出量ネットゼロとする目標を掲げ、カーボンニュートラル、循環型社会、自然との共生への寄与を骨子とした「NGKグループ環境ビジョン」を策定し、具体的な行動計画として「カーボンニュートラル戦略ロードマップ」と環境5カ年計画を定め、その実現を目指しております。2025年度はScope1及びScope2におけるCO2排出量を55万トン(2013年度比25%削減)、マイルストーン(中間目標)とする2030年度には同37万トンの排出量(同50%削減)とする目標を設定しており、実現のための取組みの一つとして2025年度までに海外拠点で使用する電力の全量を再生可能エネルギー由来に切り替え、国内外の製造拠点に合計40メガワットの太陽光発電設備の導入を計画しております。また、目標達成を前倒しで実現すべく、水素やアンモニアなどカーボンニュートラル燃料によるセラミックス焼成設備や、CO2分離膜やDAC(Direct Air Capture)などCCU・CCS(CO2の回収・利用・貯蔵)関連技術の開発に着手しており、当社グループ内での実証・適用を進めるほか、カーボンニュートラル関連製品・サービスの開発にも取り組んでまいります。2022年11月には一昨年に続き2度目のグリーンボンド(無担保社債)を発行しました。環境効果のある製品・サービスの提供、自社の事業活動・生産活動におけるカーボンニュートラルへの取組みなどを加速してまいります。
気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)については、「ガバナンス」「戦略」「リスクマネジメント」「指標と目標」の4項目に沿ったシナリオ分析結果に関する情報を当社ウェブサイトに公開しております。今後も社会的な要請に遅れることなく関連情報の開示を拡充してまいります。
〔社会(S)〕
当社グループは、自社及びサプライチェーンにおける人権を尊重する取組みを展開することで、事業活動が影響を及ぼす全ての人々の人権が侵害されることのない社会づくりに貢献します。国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、「NGKグループ人権方針」を定めたほか、英国現代奴隷法に関する声明を開示、また「子どもの権利とビジネス原則」を支持し事業活動において子どもの権利を尊重し、子どもの権利の推進に向けた社会貢献活動等に取り組むことを宣言しております。
当社グループにおいては、NGKグループ理念で「人材」を私たちが目指すものの出発点と位置付けており、NGKグループビジョンで掲げる「5つの変革」に不可欠な人材の育成と、多様な人材が全力で取り組むための舞台として、挑戦と変革を後押しする職場の実現に取り組みます。当社では、自律的な成長に取り組むことが出来るような多様なキャリアパスの提供や、テレワーク活用といった柔軟な働き方、長時間労働の削減を中心とする社内環境整備などの施策にも取り組んでおります。女性活躍については、新卒採用に占める女性比率の数値目標を設定すると共に、配属先・異動先での職域拡大を図っています。また、育休・産休取得者のキャリア早期再開を促すための早期復職支援制度の導入、育休からの復職者研修の実施、男性育休制度の拡充などの制度面からのアプローチに加えて、仕事と家庭の両立への理解を深めることを目的とした社内講演会を開催するなど、女性が活躍しやすい環境づくりに取り組んでおります。海外人材については、当社グループは従業員約20,000人のうち、約6割が海外に所在しています。グループ運営において、それぞれの地域の事情、文化、習慣に基づく素早く適切な意思決定を行うためには現地人材の活躍が不可欠と考えており、海外拠点の幹部層も現地化するなど、現地人材の積極的な登用に努めております。
当社グループのサプライチェーンにおいては、サプライチェーンを構成する調達パートナーと共に公正・公平な取引を行い、共に繁栄を図るため、「門戸開放」「共存共栄」「社会的協調」を調達の基本方針とした「購買基本方針」を定めており、内閣府、中小企業庁が推進する「パートナーシップ構築宣言」を公表しております。サプライチェーンにおけるCSRへの配慮が社会的要請として高まっていることからCSR調達を推進しており、企業の選定や調達する原材料、利用するサービスについては、「CSR調達ガイドライン」に基づき、CSRに配慮されたものを採用しています。また取引先企業への訪問や実態調査アンケート等を通して、リスク・CSR詳細評価を行っているほか、2022年度はサプライヤーの重要度、事業実態に応じて改善サポートも実施しています。
〔ガバナンス(G)〕
コーポレートガバナンスについては、取締役会の更なる機能発揮の観点から、会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上に資する独立社外取締役を選任し、その数を全取締役の3分の1以上としております。また、経営の透明性を確保し取締役会の監督・監視機能を強化するため、独立社外取締役を過半数として構成する指名・報酬諮問委員会で役員の人事及び報酬決定等に係る公正性の確保及び透明性の向上を図ると共に、社外役員を主要な構成員とし役員等が関与する不正及び法令違反等への対応を取り扱う経営倫理委員会を設置し、取締役会への答申または報告、勧告等を行うこととしております。役員等が関与する不正・法令違反に歯止めをかける仕組みとして、従業員からの相談・報告を受けるヘルプライン制度とは別に、社外弁護士を通じて経営倫理委員会に直接報告するホットライン制度を設置し、経営陣から独立した通報体制を設けるなど、コンプライアンス体制の充実を図っております。
また、当社グループで働く全ての人が倫理観を持って正しい事業活動を行うための道しるべとしてNGKグループ企業行動指針を策定しており、その周知徹底に取り組んでおります。さらに様々な領域で取り組むコンプライアンス活動を国際的な水準に照らして評価検証し、共通の理解と価値観に基づき継続的に改善する仕組み作りを行うため、「コンプライアンス活動基本要領」を制定しております。
競争法及び海外腐敗行為防止法などの法令遵守については、継続的な経営トップのメッセージ発信、国内外グループ会社の役員・従業員向けのコンプライアンス教育の実施、国際的な水準に沿った競争法遵守プログラムの運用、「競争法遵守ハンドブック」の活用などにより徹底を図っております。
品質コンプライアンスについては、経営トップによる品質活動や品質委員会の直接指導の実施などの仕組みを強化すると共に、経営層及び従業員に対する品質教育の徹底など企業体質の改善に取り組んでおります。労働環境の安全面では、国内外グループ会社のリスクアセスメントの推進による重大災害リスクの特定と未然防止対策の強化に加え、グループ全体の現場マネジメント力の強化を図り、業務災害リスクの低減に取り組んでまいります。
リスクマネジメントについては、経営レベルの視点から重要と考えるリスクを事業環境、戦略、内部要因に分類し継続的に見直しを行っております。当社グループのサステナビリティ課題を含む個別のリスク事項については、各種の委員会を設置してリスク管理を行っておりますが、国内外の環境変化が加速する中、部門を横断し全社視点で取締役会につながる統合的なリスク管理の仕組みを構築するため、2023年度より社長直轄の統括委員会として「リスク統括委員会」を設置しております。
② 既存事業の収益力向上と新規事業の創出
当社グループは、全社の視点から企業価値を高めるために事業ポートフォリオ方針を定め、NGK版ROICを用いた収益性と、売上高成長率を用いた成長性の二軸で精査しております。コア事業や今後の成長が期待される事業群への経営資源の投入を検討するほか、低成長・低収益に区分される事業については、今後の事業継続の判断において単年度及び中期的な経営計画に基づく計数面での評価に加えて、長期的な視点での成長可能性、収益性等を個別に社内の戦略会議等で議論し、経営に関する重要な事項として取締役会が監督してまいります。また、設備投資の意思決定にあたっては、個別の投資の回収期間のほか、NGK版ROICや2022年度より導入したインターナルカーボンプライシング(ICP)を用いたESG視点での価値評価も考慮し判断してまいります。さらに利益の追求と将来の企業価値の源泉となる人的資本や知的資本への投資を両立させ、同時に環境負荷の低減や人権尊重への取組みなどサステナビリティに関する取組みも総合的に評価するため、管理指標として営業利益にCO2排出コストや労務費、研究開発費、ESG目標達成率を加味したNGK版付加価値(NGK Value-added)を導入しております。これにより、短期の収益性や中長期の成長性といった財務価値に加えて財務諸表に表れない非財務価値を高めて、企業価値向上につなげてまいります。
各事業の収益性改善に向けて、世界的なインフレに伴う費用増を適切に価格に転嫁していくほか、収益力をさらに高めるべく「モノづくり∞(チェーン)革新」を進めております。モノづくりチェーンにおける理想と現状のギャップを埋める「生産革新活動」、工場単位のロス削減により製造原価を改善する「原価低減活動」を柱とし、デジタル技術の活用によりモノづくりの見える化とグローバル連携を進め、競争力強化につなげてまいります。
また、将来に向けた企業変革を遂げるべく、2022年4月に「NGKグループデジタルビジョン」を公表し、2030年までの推進ロードマップに沿ってDXを強力に推進しております。全社横断的な部門であるDX推進統括部を核として、「人材」(経営層から一般社員まで全従業者へのDX啓蒙、データ活用人材の育成、ブリッジ人材の育成)、「デジタル」(デジタル利活用基盤の構築、次世代技術の開発、強固なITセキュリティ)、「組織・風土」(ビジョン策定による経営層コミットメント、グローバルでの連携・推進、グループ全員の意識改革)の3つを柱に、開発、製造、営業、購買をはじめ様々な部門で改善活動を進めております。2023年度はデータ活用の推進及びサプライチェーン・エンジニアリングチェーン連携の加速・強化を図ってまいります。
事業構成の転換には新規事業の創出が不可欠であり、その重要施策として、2030年に新事業化品売上高を1,000億円以上とする「New Value 1000」を目標に掲げております。マーケティング機能を主体としたNV推進本部、セラミックス材料技術や要素技術など当社独自の差異化技術を有する研究開発本部、試作・量産技術などモノづくりの製造技術本部の3本部が連携し「研究開発」から「商品開花」へのスピードを高めてまいります。2022年度から、社内の研究開発及び事業化プロセスの全体を統括し、方針策定を担う上位の会議体として開発・事業化委員会を設置しました。2023年度の研究開発費は過去最高の310億円を投じることを計画しており、10年間で3,000億円、このうち8割をカーボンニュートラルとデジタル社会関連に配分し、社会課題の解決に資する将来の有望なテーマに対して重点的に経営資源を投じてまいります。また、開発スピードを上げつつこれまで以上の差異化技術を作るべく、早い段階から製造技術本部を巻き込んだコンカレント開発に取り組むほか、当社が保有する大量の実験データをデータベース化しAI技術を組み合わせるマテリアルズ・インフォマティクスの推進により、短期間で革新的なセラミック材料の開発につなげることを目指します。更には、ベンチャーキャピタルやスタートアップ企業への出資など外部とのアライアンスを活用した新製品・新規事業の創出も積極的に推進し、事業構成の転換を図ってまいります。
セグメント別の重点課題は以下の通りです。
〔エンバイロメント事業〕
世界の自動車生産の回復や各国の排ガス規制強化等により、当面は需要拡大に対応しつつ生産性の改善やグローバル生産体制の最適化と安定供給体制の構築により利益最大化を目指します。電気自動車の普及拡大により将来的には内燃機関ビジネスは漸減するものの、短期的には欧州をはじめとする更なる規制強化の対応に向けて、ガソリン用センサーや電気加熱式触媒(EHC)等の新製品の開発スピードを加速させてまいります。また世界的に市場拡大が期待されるカーボンニュートラル関連市場にDACなどCCU・CCS関連製品を展開し、広義に環境関連を包含する事業として、高付加価値品の投入を進めてまいります。
〔デジタルソサエティ事業〕
NGKグループビジョンで掲げたデジタル社会関連の事業領域は、経済状況の悪化に伴い短期的には需要が減少するものの、中長期ではIoTや5Gの進展などにより半導体関連や電子部品関連で需要が拡大すると期待されています。半導体製造装置用製品や電子部品関連については、次世代製品の開発や顧客開拓を進めるほか、中長期を見据えた設備投資を進め、拡大する需要に対応していきます。また、チップ型セラミックス二次電池(EnerCera®)や絶縁放熱回路基板など新製品の開発を着実に進め、デジタル社会に貢献する製品群の拡大を目指します。
〔エネルギー&インダストリー事業〕
2050年のカーボンニュートラルを目指し、日本では補助金などの再エネ導入に向けた施策も顕在化しており、世界で蓄電池の重要性が高まっております。エナジーストレージ関連では、NAS®電池の本格的な需要拡大には暫く時間を要しますが、大容量、長寿命、長時間充放電の特性を生かしたビジネスモデルの構築に取り組んでまいります。NAS®電池と独自のエネルギーマネジメントシステム(EMS)を組み合わせることで、NAS®電池の容量の有効活用、エネルギーリソース価値の最大化が可能となり、従来の「モノ売り」に加え、サービスや価値を提供する「コト売り」ビジネスへの展開も加速してまいります。がいしは、国内電力会社の設備投資抑制が継続する中、中長期の市場変化を想定して事業の効率化を進めます。また、産業プロセス事業は、耐火物製品や医薬用水設備の収益拡大を図ると共に、CO2分離や水素分離、バイオエコノミーといった社会の環境ニーズに貢献できる製品や設備を投入し、新たなカーボンニュートラル製品の受け皿となる事業領域を目指してまいります。
当社グループは、こうした取組みを通じて経営基盤の更なる強化に努め、持続的な成長と企業価値の向上を実現し、資本効率重視、株主重視の経営を継続してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する基本方針は以下の通りです。
なお、文中の将来に関する事項は、別途記載がある場合を除き当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(基本的な考え方)
日本ガイシ株式会社(NGK)及びそのグループ会社は、NGKグループ理念「社会に新しい価値を そして、幸せを」に基づき、独自のセラミック技術で新しい価値を提供することで持続可能な社会の実現に貢献し、社会の皆さまからの期待に応え、信頼を得たいと考えています。これをNGKグループのサステナビリティに係わる基本的な考え方とし、NGKグループ理念の実現に向けて策定した「NGKグループビジョン Road to 2050」の下で、ESG(環境・社会・ガバナンス)及びSDGs(持続可能な開発目標・Sustainable Development Goals)を念頭に置きつつ、カーボンニュートラルとデジタル社会の実現に貢献し、持続的な企業価値の向上を目指します。
(重要な課題(マテリアリティ)の特定と取組みの推進)
NGKグループ理念の実現、また社会とNGKグループの持続的な発展のために、NGKグループ及びステークホルダーの双方にとって重要な課題をマテリアリティとして特定します。特定されたマテリアリティに対応し、課題解決を目指すと共に、企業行動指針など各種の行動の基本となる方針を整備し実践します。
(取締役会の責務)
取締役会は、ESG要素を始めとするNGKグループのサステナビリティ課題を正しく認識し、サステナビリティ課題への取組みを適切に監督し対応を進めることで中長期的な企業価値の向上に結びつけることを目指します。また、取締役会は、適切に情報を開示し、様々なステークホルダーとの対話を重視してその意見を取締役会にフィードバックすることで、経営の改善に努め、社会からの信頼と期待に応えます。
(1) ガバナンス及びリスク管理
① ガバナンス
当社グループのサステナビリティ課題を含む全社的なリスクについては、取締役会決議による「業務の適正を確保するための体制等の整備」において損失の危険の管理に関する規程その他の体制を策定し、重大なリスクに関しては関係する各種の委員会を設置してリスク管理を行っています。各委員会で審議された個別の事項のうち重要なものは経営会議及び取締役会で審議、または報告され、各委員会の活動内容は年1回以上取締役会に報告されます。
危機管理に関わる体制については、
https://www.ngk.co.jp/sustainability/pdf/2022/ngk2022data.pdf
なお、2023年4月以降はリスク統括委員会を新たに設置し、グループのリスク課題を包括的に取り扱い、それらの活動内容を同様に年1回以上取締役会に報告することを決定しています。リスク統括委員会及びESG統括委員会の委員長は取締役社長が務め、その他の委員会は部門を所管する取締役、ないしは担当する執行役員が委員長を務めることとしております。全ての委員会について、本社部門、事業部門など主要な部門を担当する執行役員がその構成員となっています。
② リスク管理
当社グループの全社横断的なリスクに関しては、危機管理基本規程に基づき日々のリスク管理を関係職制によって行うとともに、重大なリスクに関してはESG統括委員会を始めとする各委員会の活動によってリスクの発生を回避、予防します。サステナビリティ関連のリスクと機会については、ESG統括委員会がグループ横断的に取り扱うこととしており、重要な項目をマテリアリティとして特定する議論を行った上で、経営会議及び取締役会で審議、決定します。
マテリアリティの特定については、当連結会計年度において社内各部門の代表からなるワーキンググループによる検討を重ね、マテリアリティ候補となる環境・社会に関する課題を事業への影響度、ステークホルダーの要請・期待の2軸で評価し、マテリアリティ・マップの作成を行いました。これを基に、ESG統括委員会においてマテリアリティ候補を抽出し、ワーキンググループと共にそれらに対するリスクと機会、主な取組みの検討を行いました。
この過程を経てマテリアリティとして特定した項目のうち、ステークホルダーの要請・期待(インパクトマテリアリティ)、及び事業への影響度(財務マテリアリティ)のいずれかにおいて最も高い影響を有するとされたESG課題に関わる項目を特に重要視し、以下の4項目を抽出しました。これらの項目は、各々に関係する委員会で取り扱われ、これらの委員会の活動、及び経営会議・取締役会への報告等を通じて、リスクと機会の監視・管理(ガバナンス)、識別・評価(リスク管理)を行っています。
イ. 気候変動への対応
気候変動対応は、地球の持続可能性において最重要課題の1つであると認識し、「NGKグループビジョン」を踏まえ併せて策定した「NGKグループ環境ビジョン」及び「カーボンニュートラル戦略ロードマップ」に基づき、事業活動を通じての2050年までのCO2排出ネットゼロを目指しています。具体的な活動として「環境行動5カ年計画」によって管理指標と年度ごとの達成目標を定めています。これらは、社長を委員長とするESG統括委員会で審議され、年1回以上、取締役会に報告されます。
ロ. 品質と製品の安全性の追求
お客様視点に立った信頼される品質を追求し、期待を超えた安心・信頼のある製品・サービスを安定的に供給することで、より良い社会づくりに貢献します。
このために、品質委員会において品質方針及び品質目標の決定改廃、市場における重大な品質不良の発生防止と万が一発生した場合の技術的対応等を取り扱い、委員会の審議を経て決定した事項のうち重要と判断されるもの、また年度の品質実績については、年1回以上取締役会に報告されます。
ハ. 人権の尊重
自社及びバリューチェーンにおける人権を尊重する取組みを展開することで、事業活動が影響を及ぼす全ての人々の人権が侵害されることのない社会づくりに貢献します。
このために、HR委員会において人権に関する基本方針の決定改廃、グループ会社を含めた人権に対する啓発活動や人権デュー・ディリジェンスの実施、苦情処理と救済対応等を取り扱い、委員会の審議を経て決定した事項のうち重要と判断されるもの、また年度の実績については、年1回以上取締役会に報告されます。
ニ. 人材価値の向上
多様な経験・価値観を持った人材が活躍する豊かで活気ある職場環境を整備し、従業員一人ひとりが自律的に挑戦し高めあうことで、社会に新しい価値を提供していきます。
このために、HR委員会においてNGKグループ人的資本経営方針を策定し、これに基づく各種の人事施策を展開するとともに、長時間労働等の労働に関わる問題の把握を行います。委員会の審議を経て決定した事項のうち重要と判断されるもの、また年度の実績については、年1回以上取締役会に報告されます。
その他の当社がリスクと認識する項目全般については、
マテリアリティについては、当社ウェブサイトをご覧ください。
https://www.ngk.co.jp/sustainability/pdf/materiality_r0.pdf
(2) 戦略並びに指標及び目標
マテリアリティのうち特に重要なものとして抽出された項目については、各々以下の取組みを行っています。
① 気候変動への対応
バリューチェーン全体にカーボンニュートラルを働きかけ、CO2排出ネットゼロの事業活動を目指します。
データとデジタル技術の活用を通じてカーボンニュートラル関連製品の開発スピードを加速し、独自のセラミック技術を中核とした製品・サービスの開発・提供により、2050年までのカーボンニュートラル社会の実現に貢献します。
NGKグループは「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明しており、その枠組みに基づく開示のうち、戦略、並びに指標及び目標に関する部分は以下の通りです。
〔戦略〕
イ. 気候変動のリスクと機会
NGKグループの事業に関連する気候変動のリスクと機会及びその影響の大きさについて、時間軸とシナリオを設定して分析をしています。シナリオ分析は、複数の将来シナリオを想定した上で、各シナリオ下で気候関連のリスクと機会がNGKグループに与えうる影響を把握し、今後の戦略や対応の検討に活かすことを目的とした手法です。
(イ) 前提条件
(a) 時間軸 リスクと機会を検討するための時間軸として、短期・中期・長期を設定しました。
(b) シナリオ
カーボンニュートラルへの移行によるリスクと機会、物理的なリスクと機会がそれぞれ最大化すると考えられるシナリオとして、1.5℃シナリオと4℃シナリオを設定しました。
(ロ) 特に重要度の高いリスクと機会
各時間軸とシナリオにおいて、TCFDの分類に沿ってリスクと機会を特定しました。リスクと機会各々の財務影響の大きさは、全社のリスク評価基準を参考に定性的に評価を行った上で、一定の影響があると考えられ、シナリオに基づく定量的な検討が可能な一部の項目については、財務影響の定量化を実施しました。
なお、本シナリオ分析はNGKグループの業績の将来見通しではなく、各シナリオ下で気候変動によるリスクと機会がNGKグループに将来与えうる影響を分析し、今後の戦略や対応の検討に活かすためのものです。また、財務影響の試算において使用している情報は検討時点のものであり、不確実な要素や仮定を含んでいます。
(a) カーボンニュートラル社会への移行リスクと機会(1.5℃シナリオ)(主な項目のみ)
※1:IEA(国際エネルギー機関)のNet Zero by 2050(2021年版)シナリオ等のパラメーター(炭素価格、エネルギー単価、電源構成など)に基づき、将来の事業拡大等について一定の前提や仮定を置いた上で、エネルギー転換や省エネにかかるコストと、温室効果ガスに対する炭素価格を合わせて利益に対する影響額を概算し、財務影響としています。
※2:IEAのNet Zero by 2050(2021年版)シナリオ等に基づく、自動車市場、CCU/CCS市場、電力向け蓄電池市場の変化に基づき、当社シェア等について一定の前提や仮定を置いた上で、一部の製品を対象に現在と比較した売上高への影響額を概算し、財務影響としています。
(b) 気候変動の顕在化に伴う物理的リスクと機会(主に4℃シナリオ)
※3:米国Jupiter Intelligence社が開発したClimate Score Global(CSG)モデルでのシミュレーションにより、工場及び主要サプライヤーの位置情報に基づき、90mの解像度で河川洪水・高潮による浸水深の評価を行いました。評価から当社工場における資産の損失額・操業停止による損失額と主要サプライヤーの操業停止による当社の損失額を集計し、利益に与える影響額の期待値を算出しました。期待値は、水災による損失額と年当たりの水災発生確率から算出した指標です。
なお、損失額は浸水深に応じた一律の被害率に基づき概算したものであり、各拠点がある地域の防災対策等の詳細状況は反映しておりません。
ロ. 気候変動のリスクと機会を踏まえた戦略
シナリオ分析を通じて特定したリスクと機会に対して各々の影響度を認識した上で、社会や市場の動向を注視しながら、各項目について設定した対応戦略に沿って行動していきます。
移行リスクのうち、CO2排出に伴うリスクについては、「カーボンニュートラル戦略ロードマップ」に基づきCO2排出量ネットゼロに向けた取組みを推進することでリスクを低減していきます。
水災害リスクについては、比較的発生頻度の高い降雨に対してBCP(事業継続計画)の観点から土地の嵩上げ等の対応策をすでに講じています。それ以上の災害についても、人命を守ることを第一優先として壊滅的な被害が発生しないように対応策を取っています。今後も気候変動によるリスク低減のために、4℃シナリオのような最悪の事態の可能性も認識した上でリスク評価を継続するとともに、BCP等の対応策の強化に取り組んでいきます。
NGKグループは「NGKグループビジョン」において、「独自のセラミック技術でカーボンニュートラルとデジタル社会に貢献する」ことをありたい姿として定め、2050年にこれらの分野における関連製品が売上高の80%を占めることを目指しています。
カーボンニュートラル社会の実現による事業機会について、今回のシナリオ分析では現在想定しうる一部の事業に対する定量的な財務影響を算定しました。「NGKグループビジョン」の実現に向けて今後もカーボンニュートラル及びデジタル社会関連の新製品の開発に努め、新たな価値を社会に提供し持続的な成長を目指します。
シナリオ分析については、参照した外部シナリオや各種のパラメーター等の追加や更新、新製品の開発状況に応じて適宜充実、深化させ、気候変動のリスクと機会が経営にもたらす影響を継続的に分析し、対応を検討していきます。
〔指標及び目標〕
「NGKグループ環境ビジョン」の達成に向けて、目標実現のための「カーボンニュートラル戦略ロードマップ」を策定しました。2050年の目標をグループ全体のCO2排出量ネットゼロとし、そこに至るまでのマイルストーンとして、2025年度に排出量55万トン(基準年2013年度比25%削減)、2030年度に同37万トン(同50%削減)を設定しています。
また「NGKグループ環境ビジョン」の実現に向け、2021~2025年度における環境活動の目標として、「第5期環境行動5カ年計画」を策定しました。2050年ネットゼロ、及びマイルストーンである2030年度の2013年度比50%削減の達成への進捗をわかりやすくすることが狙いです。また、再生可能エネルギーの利用拡大への取組みとして、グループ全体の電力使用量に対し、再生可能エネルギー利用率の目標を新たに設定したほか、カーボンニュートラル関連製品での登録数を増やす目標も定めました。
GHG排出量及びCO2排出量(Scope1、Scope2及びScope3)については、当社ウェブサイトで開示しております。2023年3月期のデータについては2023年9月頃に公表を予定しております。
https://www.ngk.co.jp/sustainability/environment-performance.html
なお、(2) 戦略並びに指標及び目標 ① 気候変動への対応に記載された将来情報は、気候変動によるリスク及び機会への当社グループの戦略のレジリエンスを担保するため、信頼できる外部機関が策定したシナリオ及び将来予測数値を用いて想定値として算出し、ESG統括委員会の審議を経て経営会議・取締役会で報告されたものです。あくまでもシナリオに基づく想定値であり、実際の企業業績とは一致しません。
② 品質と製品の安全性の追求
〔戦略〕
当社グループは、エネルギー・エコロジー・エレクトロニクスの分野でグローバルにセラミックス製品を生産・販売しており、リスクとして、品質と製品の安全性に関わる重大な市場クレームや契約違反など業務の不備によるブランド・レピュテーションの毀損、訴訟の提起等、一方で機会として、品質と製品の安全性を追求することによるブランド・レピュテーションや競争力の向上、及びビジネス機会の拡大と認識しております。そのため、経営トップの直接指導の下、
品質方針「品質を大切にし、お客様と世の中に信頼され役に立つ製品とサービスを提供する」
品質目標「一人ひとりが自律して業務品質の改善に取り組む」
を掲げて、品質経営統括部が各事業本部の品質活動をモニタリングするとともに、重要課題については品質会議を開催して迅速な解決を図るなど品質リスク低減を図っております。
業務品質(お客様との約束を遵守するための仕組み)の改善については、全社品質コンプライアンスプログラムを設定し、経営層による意思表明、規程・ルールの整備、教育の実施、監査及びモニタリング、防止活動、の各項目を進めています。
また、品質向上とリスク排除を強化し製品の安全性を確保するため、4つの品質活動をルール化するとともに守るべき6つの品質を定め、その考え方・やり方をQRE-P(Quality Risk Elimination - Process、製品の企画から量産に至る商品化プロセスで、より効果的に品質リスクを排除するための手順)に示して全社展開する活動を推進しています。
〔指標及び目標〕
全社品質コンプライアンスプログラムに関する実施目標は以下の通りです。
③ 人権の尊重
〔戦略〕
国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、グループの事業活動が影響を及ぼすすべての人々の人権が侵害されることのないように「NGKグループ人権方針」を定めたほか、「英国現代奴隷法に関する声明」を開示、また「子どもの権利とビジネス原則」を支持し事業活動において子どもの権利を尊重し、子どもの権利の推進に向けた社会貢献活動等に取り組むことを宣言しています。
この「NGKグループ人権方針」に基づき、人権デュー・ディリジェンスの仕組みを構築し、事業活動が人権に対して及ぼす負の影響を特定し防止・軽減する取組みを進めること、また事業活動が人権に対して負の影響を及ぼしたことが明らかになった場合や、及ぼしたことが疑われる場合は、関係者と誠実に対話し、適切かつ効果的な救済に取り組むこととしております。
〔指標及び目標〕
人権の尊重に向けた取組みについての行動計画は以下の通りです。
・人権デュー・ディリジェンスプロセス
-当社及びグループ会社に対するセルフチェックの実施(レスポンシブル・ビジネス・アライアンス(RBA)行動規範に準拠)
-国内外取引先に対する、「CSR調達ガイドライン」遵守についての同意書提出要請、及びCSR調達に対する理解度や活動状況を把握するためのセルフアセスメント調査の実施
・役員及び全従業員に対する人権教育の実施
・「NGKグループ人権方針」及び「英国現代奴隷法に関する声明」の必要に応じた適切な改定
④ 人材価値の向上
人材価値の向上に関わる戦略並びに指標及び目標については、(3) 人的資本に関する戦略並びに指標及び目標をご覧ください。
(3) 人的資本に関する戦略並びに指標及び目標
① 人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針
(NGKグループ人的資本経営方針)
当社グループは、NGKグループ理念の中で、挑戦し高めあう人材を私たちが目指すものの1つと位置付け、「社会に新しい価値を そして、幸せを」という私たちの使命の実現に取り組んでいます。また当社グループは、NGKグループビジョンの実現に向けて、「5つの変革」に取り組んでいます。5つの変革を成し遂げるためには、人材一人ひとりの活躍が不可欠です。採用や育成を通じて5つの変革に取り組む人材の充実を図ること、その人材が持てる力を十分に発揮できる環境を整えることを、当社グループの人的資本経営の基本とし、次の通り「人材育成方針」ならびに「社内環境整備方針」を定めます。
(イ) 人材育成方針
NGKグループは、5つの変革を実現するため、以下のような能力、マインドを持つ人材を育成していきます。
(ロ) 社内環境整備方針
NGKグループは、人材が持てる力を十分に発揮できる舞台として、以下のような職場環境をつくり上げていきます。
② 方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績
当社では、当社グループが求める人材を育成し、その人材が持てる力を発揮できるように、人材育成及び社内環境整備の達成状況を把握すべく、それぞれ目標を設定しておりますが、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。
(注)1.当社は、組織や所属社員の活性度状態を「仕事」「職場」「上司」など様々な要素から可視化しているサーベイである組織活性度調査を現在は年次で実施しております。50問から成る設問ごとに、スコアが1点~5点で示され、5点に近づくほど、その設問に対する社員の満足度が高いことを意味しております。目標の3.5以上とは所属社員の過半数が満足度4点以上である状態であります。
2.管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金差異についての実績は、
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年6月26日現在)において当社グループが判断したものであります。
(1) 事業運営におけるリスク
当社グループは、海外19ヵ国に37のグループ会社を展開し、うち19社において製造を行っております。各国・地域の政治や対日感情の安定、法律、規制、税制、インフラの整備、関税を含むインセンティブ、教育や人材確保などが各事業の前提条件となっております。当社は様々な観点から拠点を分散し、グローバルに代替可能な体制構築に取り組んでおりますが、デモ、テロ、戦争、感染症などによる社会的混乱等を含め、これらの諸条件に予期せぬ事象が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。
また、主要な製品の需要動向、競争や収益環境につきましては以下の通りです。
① エンバイロメント事業
当事業の主力製品である自動車排ガス浄化用セラミックス製品(ハニセラム®、センサ製品群)は、当社製品を搭載する内燃機関自動車がEV(電気自動車)やFCV(燃料電池車)等の非内燃機関車に置き換わることや、あるいは消費者の価値観やビジネスモデルが変化することによって、需要が変動する可能性があります。当社グループでは、2030年段階において内燃機関車の市場はピークアウトしているものの、各国の排ガス規制の強化もあり、当社製品需要は現在と同程度の規模で推移すると予想しており、新製品や高機能品の開発、市場投入が必要不可欠とみております。しかしながら、内燃機関車の減少に繋がる変化が当社の想定を超えて進捗した場合には、期待する業績を達成できないリスクがあります。
また、重要性が高い中国市場においては、競合が台頭するリスクがあります。当社グループでは、環境規制を先取りした技術対応力や安定した供給力により競争力を強化してまいりますが、競合が当社グループの想定を上回る競争力を得た場合には、市場シェアの一部を喪失するリスクがあります。
当事業においては、環境規制の内容と時期、需要動向を十分にモニタリングしておりますが、景況の悪化や規制時期の遅れなど短期間で需要見通しが下方修正される場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。
② デジタルソサエティ事業
当事業は、半導体製造装置メーカー向けの部材、スマートフォン向け高性能SAWフィルター用複合ウエハー、データセンターに用いられる大容量HDDヘッド用のアクチュエーター、各種電子デバイス向けチップ型セラミックス二次電池「EnerCera®」、基地局で使用される高周波デバイス用セラミックパッケージ、自動車部品・家電・情報通信機器等のスイッチやコネクターに用いられるベリリウム銅展伸材を供給しております。
主力の半導体製造装置用製品の需要は半導体の需給状況や各国の規制、技術革新により大きく左右されます。当社グループは、各国の輸出規制並びに直接の顧客である半導体製造装置メーカーからの需要情報や半導体市場及び大手半導体メーカーの設備投資動向を踏まえて、都度、設備能力や人員・生産体制等を見直しておりますが、想定を上回る規模で需要が減少した場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。また、当社独自の技術対応力や製品供給力を高めることで業界トップのポジションを維持しておりますが、顧客ニーズへの対応遅れ等により市場シェアを喪失する可能性があります。社会のデジタルシフトとともに半導体の物量は増大し、当該事業も中長期に成長すると見込んでおりますが、革新的な発明により半導体製造プロセスが大幅に変更された場合等において、期待する成長水準を達成できない可能性があります。
その他の製品群においては、最終消費財の販売動向や基地局・データセンターへの投資の動向等に大きく左右されることから、客先動向を注視した上で需要の変動に素早く対応できるよう適宜人員体制、生産体制等を見直しております。しかしながら、当社グループの想定を超えて大きく需要が減少する場合や、需要低迷が長期化する場合には、販売の急激な減少や過剰在庫の発生により業績及び財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。
当事業が属する半導体・電子部品業界は、技術革新やモデルチェンジのペースが速く、主要顧客のニーズに応じてタイムリーに新技術開発、製品投入が出来ない、もしくは競合メーカーが当社グループの想定を上回って伸長した場合には受注を失い、収益が大幅に減少するリスクがあります。
③ エネルギー&インダストリー事業
当事業は、電力貯蔵用NAS®電池(ナトリウム/硫黄電池)、電力絶縁用がいし及び機器類に加え、リチウムイオン電池の正極材用焼成炉、電子部品製造用の耐火物、医薬用水設備等の産業機器関連製品を供給しております。 NAS®電池については、脱炭素に向けた世界的な潮流を受けて、再生可能エネルギー普及に伴う大容量・長時間用途の蓄電池のニーズが顕在化しつつあり、将来需要が拡大する可能性があります。当事業では引き続き、NAS®電池の持つ優位性(大容量・長時間)をアピールすると共に、欧州などの有力企業とのパートナーシップ強化や政府の支援策等も活用し、ニーズの取り込みを図ってまいります。しかしながら、リチウムイオン電池などの競合製品が技術革新により一層普及した場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。
がいしや機器類については、各国のエネルギー政策や電力会社の設備投資の動向に大きく左右されます。国内では主要顧客である電力会社の設備投資抑制により先行きが不透明であるほか、海外でも競合企業の動向や各国の電力政策が影響し、収益が減少するリスクがあります。国内市場の一部で、磁器製に対して長期性能に懸念があるものの、比較的安価で軽量なポリマー製がいしが採用される動きがあり、想定を上回って普及した場合には業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。
産業機器関連製品については、リチウムイオン電池正極材及び電子部品向け焼成炉の成長が見込まれますが、競合が当社グループの想定を上回る競争力を得た場合には、市場シェアを喪失するリスクがあります。
(2) 研究開発に関するリスク
当社グループは、創業以来強みとして培ってきたセラミックスの材料及び加工プロセス技術を核として、既存製品の高性能化のみならず有望テーマの探索にもインプットを継続しております。全社売上高に占める新製品(5年以内に事業化した製品)比率は30%を目標に、研究開発費合計は連結売上高の5%程度を目安として事業規模の拡大に対応して増加させております。
また、「NGKグループビジョン Road to 2050」では、2030年までの10年間で総額3,000億円の研究開発費を確保し、その80%を「カーボンニュートラル(CN)」、「デジタルソサエティ(DS)」分野に配分し、その通過点となる2030年の目標としては、新製品・新規事業の売上高1,000億円を実現する「New Value 1000」を掲げました。目標達成に向けて2022年4月にマーケティングを主体とした「NV推進本部」を新設し、研究開発本部、製造技術本部と連携して新製品創出や事業化を推進しております。しかしながら、技術開発、製品開発には不確実要素が多く、また技術間競争も複雑化していることから、インプットが十分な成果に結びつかず業績に影響を及ぼすリスクがあります。
(3) 法令遵守、人権・安全、品質に関するリスク
① 法令等の遵守に関するリスク
当社グループは、他社との技術差別化により高い市場シェアを占める製品をグローバルに供給しており、国内外で競争法、輸出入関連法規、労働関連法規等の各種法令や外国公務員贈賄規制等の規制を遵守して事業活動を行っております。これらの法令・規制への違反や、人権の尊重、契約遵守等の社会的規範に反した行動があった場合には、処罰や訴訟の提起、社会的な制裁を受け、レピュテーション低下につながるおそれがあります。
そのため、NGKグループ企業行動指針に基づいた誠実な事業活動を行うことを最重要課題の一つとして位置付け、従業員への各種教育の実施やハンドブック配布による関連法規制の周知徹底とコンプライアンス意識の一層の向上に取り組んでおります。コンプライアンス活動を国際的な水準に照らし評価検証し、共通の理解と価値観に基づき継続的に改善する仕組み作りを行うため、「コンプライアンス活動基本要領」を制定しています。重要な不正事案や法令違反については、社外役員とコンプライアンスを担当する社内取締役から構成される経営倫理委員会で予防と監視に当たっています。
また、国内外で内部通報制度に関する規程を整備し、経営倫理委員会に直結する内部通報制度「ホットライン」やヘルプライン制度を設置することにより、当社役員や従業員が関与する法令違反や社会的規範に反する行為等の発生可能性の低減を図っております。
② 人権・安全に関するリスク
当社グループは、従業員の労働災害や疾病・身体・メンタルヘルス問題のリスクに対し、安全衛生基本方針に基づき重大災害リスクの特定とリスクアセスメントによる未然防止対策強化を図ると共に、長時間労働者へのフォローや階層別メンタルケア教育にも力を入れております。従業員の健康増進にも力を入れており、当社は2023年3月に経済産業省と日本健康会議が共同で進める「健康経営優良法人」の認定を5年連続で受けました。
また、グループの事業活動にともない、グループ従業員のみならず、サプライチェーンや当社製品を通じて、当社の事業活動に関わるすべての人々の人権を侵害するリスクがあることを認識しております。当社グループでは、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」をはじめとする人権に関する国際規範を遵守し、2021年4月に「NGKグループ人権方針」を定めたほか、英国現代奴隷法に関する声明を提出し、人権侵害リスクの防止、軽減に努めております。しかしながら、当社グループの予想し得ない問題が発生した場合には、業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。
③ 品質に関するリスク
当社グループは、エネルギー・エコロジー・エレクトロニクスの分野でグローバルにセラミックス製品を生産・販売しており、重大な市場クレームや契約違反など業務の不備に伴う信用の失墜、利益の喪失、成長の減退等の品質リスクを認識しております。
当社グループは、経営トップの直接指導の下、品質委員会の定める品質方針に基づき、品質経営統括部が各事業本部の品質活動をモニタリングすると共に、重要課題については品質会議を開催して迅速な解決を図るなど品質リスク低減を図っております。また、お客様の品質要求の高度化・多様化に的確に対応するため、①開発から生産立ち上げ、製造工程の変更時に守るべき品質の確認②製品設計に対する審査(DR:デザイン・レビュー)の実施③製造不良と市場クレームの状況の監視・共有④重大な品質問題への処置の検討など4つの品質活動をルール化し、更に業務のレベルでは、品質向上とリスク排除を強化するための業務プロセスを強化する品質リスク排除プロセス活動及び、お客様との約束を遵守するための業務品質を強化する品質コンプライアンス活動を全社展開するなど、品質管理の有効性を高める活動を推進しております。しかしながら、当社グループが製造・販売する製品において、予想し得ない品質問題が生じた場合には、業績に重大な影響を及ぼすリスクがあります。
(4) 情報システムのリスク
当社グループは、受注・販売、生産管理、会計、研究開発等の業務に広くITシステムを活用しております。また、働き方改革の実現に向けてグループ共通の情報通信システム(ICT)やデータプラットフォームを構築し、活用を促進しております。当社グループでは、グループ内共通の基準に基づきITセキュリティ体制の構築や全体のセキュリティ向上に取り組んでおり、従業員に対しては情報セキュリティ教育を実施し、内部の情報資産の適正な管理・運用の徹底に努めております。しかしながら、外部からのサイバー攻撃や不正アクセス、想定外のシステム不具合やセキュリティ上の問題によりデータ処理の停止、データの盗難・破壊・改ざん・喪失等が発生した場合には、当社グループの社会的信用や業務の継続に悪影響を及ぼすリスクがあります。
(5) 為替、資金及び資材調達のリスク
当社グループは、グローバルに製品の生産・販売を行っており、海外売上高比率は7割を超える水準にあります。為替レートの変動に対しては、需要地生産、現地通貨での資金調達、為替状況に応じた最適購買などの対策を実施すると共に、短期的な変動に対しては、先物為替予約等によりリスクヘッジしておりますが、円高は売上高・利益の減少要因となって業績に悪影響を及ぼします。また、設備投資などの資金調達を行う場合には、地域により大きな金融危機などで資金調達が困難となり、当社グループの事業運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。
資材調達については、各地域における素材価格やエネルギーコスト、物流費の上昇によって製造・販売コストが増加し業績に悪影響を及ぼすほか、サプライチェーンの混乱による資材調達の遅延や顧客への出荷滞留など、当社グループの事業運営に悪影響を及ぼす可能性があります。素材価格やエネルギーコスト等の上昇に対しては適正な売価への反映、競争購買、設計見直しによるコストダウンなどに取り組んでいるほか、サプライチェーンについては在庫管理や調達先の多様化を図るなどリスク低減に努めています。しかしながら、特定の素材・設備の流通が滞り、過度の価格の上昇やサプライチェーンの混乱が起こる場合には、当社グループの事業運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。
(6) 気候変動と災害のリスク
気候変動問題への関心が世界的に高まる中で、当社グループは、金融安定理事会により設置された「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明、2022年4月にはTCFD提言で開示を推奨している「ガバナンス」「戦略」「リスクマネジメント」「指標と目標」の4項目に沿った情報を当社ウェブサイトで公表しています(https://www.ngk.co.jp/sustainability/environment-effort07.html)。また、2023年3月には「戦略」においてシナリオ分析を深化させ財務影響額を算出しました。
2021年4月に「NGKグループ環境ビジョン」を策定し、カーボンニュートラル社会の実現に資する製品とサービスを開発・提供するとともに、グループの事業活動にも適用することで、2050年までにCO2排出量ネットゼロを目指してまいります。しかしながら、将来的に国際的な温室効果ガスの排出規制や環境税・炭素税などの税制が導入された場合には追加的費用が生じ、業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。
また、温暖化に伴う海水面の上昇や台風の大型化、局地的な暴雨の頻発等による水害、大規模災害や火災等の事故により操業困難な拠点が発生する可能性があります。
当社グループは、BCP(事業継続計画)をグループ全体で推進し、災害発生時の事業継続や早期復旧のため、主力事業の製造拠点の分散化や購買先の複数化、建物・設備の減災、従業員の安全確保等の各種対策に取り組んでおります。しかしながら、想定を超える事象によって主要製造拠点の生産設備に深刻な被害が発生した場合、また、工場が立地する地域のインフラ側に長期の供給支障が生じた場合等には相当期間、生産活動が停止し、業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。
また、新型コロナウイルス等の重大な感染症が発生・蔓延し、社員、サプライヤーや顧客に罹患者が出た場合や、顧客の操業が著しく低下した場合には、当社グループの製品の生産・販売に悪影響を及ぼすリスクがあります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度における日本経済は、ウクライナ情勢の悪化による世界的な物価高騰等の影響を受けたものの、ウィズコロナの下で経済社会活動の正常化が進み、景気は緩やかに持ち直しの動きが見られました。海外においても、各国で経済活動の再開が段階的に進み、景気は緩やかに回復しましたが、金融引締めにより需要の低下や世界経済の下振れが顕在化しました。
このような状況のもと、当社グループにおきましては、エンバイロメント事業では、中国における経済活動の抑制等が影響したものの、世界全体の乗用車・トラックの販売台数はほぼ横ばいであったことから、自動車関連製品の出荷は前期並みに推移しました。デジタルソサエティ事業では、半導体投資やデータセンター投資の減少等に伴い、半導体製造装置用製品やハードディスクドライブ(HDD)用圧電マイクロアクチュエーター等の電子部品の出荷が減少しました。エネルギー&インダストリー事業では、がいしや加熱装置を中心に出荷が増加しました。
これらの結果、当連結会計年度における売上高は、半導体製造装置用製品などの物量が減少したものの、為替円安によるプラス効果から前期比9.6%増の5,592億40百万円となりました。利益面では、営業利益は為替円安によるプラス効果があったものの、物量減に加え、インフレに伴う労務費上昇や原燃料価格高騰が影響し、同20.1%減の667億61百万円となりました。経常利益は営業利益の減少や関係会社清算損などにより同23.6%減の658億87百万円、親会社株主に帰属する当期純利益については、法人税等還付税額等を計上した一方、エンバイロメント事業の生産能力適正化に伴う減損損失等を計上したことなどから同22.3%減の550億48百万円となりました。
当社グループは、自己資本利益率(ROE)を主要な経営指標とし、資本効率を重視した経営を推進しております。関連性の高い投下資本利益率(NGK版ROIC)を管理指標に採用し、投下資本の代わりに事業資産(売掛債権、棚卸資産、固定資産)、税引後利益の代わりに事業部門の営業利益を用いることにより、事業部門が自ら目標管理できるようにしております。中長期の観点でROE10%以上の水準を意識し、持続的な企業価値の向上に資するよう事業リスクの変化に適合した資本政策を展開します。
当連結会計年度におけるROEは、親会社株主に帰属する当期純利益が減少したこと等から9.0%(前年同期比3.9ポイント悪化)となり、目標である10%以上の水準を下回りました。今後は資本効率の向上等を通して、ROEの改善・向上に努めてまいります。
セグメントの業績は次の通りであります。
〔エンバイロメント事業〕
当事業の売上高は、3,207億87百万円と前期に比して9.6%増加いたしました。
中国における経済活動の抑制等が影響したものの、自動車関連製品の出荷は前年並みで推移したほか、為替円安のプラス効果により増収となりました。
営業利益は、為替円安のプラス効果があったものの、インフレに伴う労務費上昇や原燃料価格高騰による費用の増加などから前期比22.0%減の507億28百万円となりました。
〔デジタルソサエティ事業〕
当事業の売上高は、1,631億92百万円と前期に比して8.6%増加いたしました。
半導体投資やデータセンター投資の抑制等に伴い、半導体製造装置用製品やハードディスクドライブ(HDD)用圧電マイクロアクチュエーター等の出荷が減少したものの、為替円安のプラス影響により増収となりました。
営業利益は、為替円安のプラス効果があったものの、出荷物量の減少に加え、減価償却費の増加などにより前期比11.6%減の175億57百万円となりました。
〔エネルギー&インダストリー事業〕
当事業の売上高は、777億68百万円と前期に比して11.3%増加いたしました。
がいしは、国内電力会社の設備投資抑制が継続したものの、北米・豪州の需要が活況であったことなどから出荷が増加しました。NAS®電池は、国内を中心に出荷が増加しました。産業機器関連製品はリチウムイオン電池正極材用の加熱装置を中心に出荷が増加しました。
損益面では、出荷物量が増加したものの、原材料価格高騰の影響により、前期14億6百万円の営業損失から15億36百万円の営業損失に赤字が拡大しました。
なお、当連結会計年度より、組織変更に伴い「エネルギーインフラ事業」、「セラミックス事業」、「エレクトロニクス事業」及び「プロセステクノロジー事業」としていた報告セグメントを「エンバイロメント事業」、「デジタルソサエティ事業」及び「エネルギー&インダストリー事業」に変更しており、各セグメントの前期比につきましては、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた上で算出しております。
生産、受注及び販売の実績は、次の通りであります。
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
(注)1.購入品仕入実績については区分して記載することが困難なため、生産実績に含めて記載しております。
2.上記は、販売価格をもって表示しております。
3.セグメント間取引については、相殺消去しております。
②受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比し4.7%増加し1兆291億68百万円となりました。
流動資産は、売掛金が減少した一方、現金及び預金や棚卸資産などが増加したことから、前期比8.8%増の5,737億18百万円となりました。固定資産は、前期並みの4,554億49百万円となりました。
流動負債は、短期借入金や契約負債が増加した一方、未払法人税等が減少したことなどから、前期比1.5%減の1,495億7百万円となりました。固定負債は、社債が増加した一方、長期借入金などが減少したことにより、同1.8%減の2,372億14百万円となりました。
純資産は、利益剰余金が増加したほか、為替換算調整勘定が増加したことなどから、前期比9.0%増の6,424億46百万円となりました。
これらの結果、当連結会計年度末における自己資本比率は61.7%(前連結会計年度末59.3%)となり、1株当たり純資産は2,074.66円と、前期を203.44円上回りました。
セグメントごとの資産は、次の通りであります。
〔エンバイロメント事業〕
当事業の総資産は、売上債権や資金が増加したことなどにより、前期比0.8%増加の4,786億75百万円となりました。
〔デジタルソサエティ事業〕
当事業の総資産は、棚卸資産が増加したほか、増産投資により有形固定資産が増加したことなどにより前期比7.9%増加の1,990億77百万円となりました。
〔エネルギー&インダストリー事業〕
当事業の総資産は、資金が減少したことなどにより前期比1.5%減少の927億41百万円となりました。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、営業活動による979億49百万円の収入、投資活動による520億6百万円の支出、及び財務活動による345億68百万円の支出などにより、前期末に比し140億8百万円増加し、当期末残高は1,688億63百万円となりました。
〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、棚卸資産が増加しましたが、税金等調整前当期純利益575億22百万円に減価償却費を加え、合計では979億49百万円の収入となりました。前期との比較では、31億18百万円の収入増となりました。
〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、自動車関連製品を中心とした設備投資に加え、有価証券の取得や定期預金の増加による支出もあり、合計で520億6百万円の支出となりました。前期との比較では、57億15百万円の支出増となりました。
〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、将来の設備投資やカーボンニュートラルへの取組みなどへ充当するため長期借入及び社債の発行を実施した一方、長期借入金の返済や配当金の支払い、自己株式の取得などによる支出から、合計で345億68百万円の支出となりました。前期との比較では、106億95百万円の支出減となりました。
資本の財源及び資金の流動性について、当社グループの運転資金需要のうち主なものは原材料の購入費用、労務費等の製造費や販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。当社グループは、事業運営上必要な資金の調達について、調達手段の多様化を図ることで、低コストかつ安定的に資金を確保するよう努めております。また、グループ各社における余剰資金の一元管理を図り、資金効率の向上と金融費用の削減を目的として、国内外でCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 [連結財務諸表等](1)[連結財務諸表] [注記事項] (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
当社グループは、研究開発を重要な経営課題のひとつとし、ファインセラミックスを中心とした材料技術とプロセス技術とをベースに、高付加価値、高機能な新製品の提供を目指し、研究開発に積極的に資源投入しております。
推進体制としては、本社部門では、マーケティングを主体とした「NV推進本部」、差異化技術を強みとする「研究開発本部」、モノづくりを強みとする「製造技術本部」の3本部が連携して、「研究開発」から「商品開花」へのスピードを高めていく体制を取っています。また、事業本部や子会社では、本社部門とも連携しながら、商品化・事業化に近い研究開発を中心に進めています。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は
〔エンバイロメント事業〕
エンバイロメント事業では、エンジン排ガス用NOxセンサーや電気加熱触媒(EHC)、ガソリン・パティキュレート・フィルター(GPF)の商品開発、及び自動車排ガス浄化用触媒担体、ディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)の生産技術改善等の研究開発に取り組んでおります。
なお、当事業に係る研究開発費は
〔デジタルソサエティ事業〕
デジタルソサエティ事業では、半導体製造装置の高機能化に対応するセラミック部品及びモジュール、圧電セラミックス技術をコアとした各種応用デバイス、SAWフィルタ用複合ウエハー、情報通信用各種セラミックパッケージ、自動車・産業用機器・デジタル家電用コネクタ、リレー、摺動部品用などのベリリウム銅及び非ベリリウム銅製品等の研究に取り組んでおります。
なお、当事業に係る研究開発費は
〔エネルギー&インダストリー事業〕
エネルギー&インダストリー事業では、電力貯蔵用NAS®電池、がいし製品の性能向上及びコストダウンの研究に加え、配電用機器及び一般産業用セラミックス製品・機器装置の商品開発の研究に取り組んでおります。
なお、当事業に係る研究開発費は
〔本社部門〕
本社部門では、NV推進本部、研究開発本部、製造技術本部の3本部が連携して、商品化・事業化へのスピードを高めていく体制を取っています。
NV推進本部は、潜在顧客の開拓や市場や顧客のニーズを研究開発にフィードバックすること、研究開発本部は、中・長期にわたるセラミックス基礎技術の創出・育成と新商品の種を生み出すこと、製造技術本部は、試作・量産技術などを用いてモノづくりの面から研究開発を支援することを役割としています。
また、当連結会計年度における研究開発テーマとして、亜鉛二次電池「ZNB®」、CO2分離用DDR型ゼオライト膜、DAC(Direct Air Capture)用セラミック担体等があります。
なお、本社部門に係る研究開発費は13,775百万円であります。