第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、社是「愛業至誠:良品と均質 奉仕と信用 協力と発展」とTOTOグループ企業理念「私たちTOTOグループは、社会の発展に貢献し、世界の人々から信頼される企業を目指します。」に基づき、広く社会や地球環境にとって有益な存在であり続けることを目指して企業活動を推進しています。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略

2017年に創立100周年を迎えた当社グループは、次の100年に向け、世界中にTOTOファンを増やしていきます。その実現のため、2018年度から始まる5ヵ年の中期経営計画「TOTO WILL2022」を策定しました。

その戦略フレームは、企業活動のベースとなるコーポレート・ガバナンスがあり、「グローバル住設事業」「新領域事業」の2つの事業軸と、全社最適視点で横串を通す「マーケティング革新」「デマンドチェーン革新」「マネジメントリソース革新」の3つの全社横断革新活動です。これらの事業活動と「TOTOグローバル環境ビジョン」がより一体となり、更なる企業価値向上を目指します。

 

<全社横断革新活動について>

全社最適視点での商品戦略を担う「マーケティング革新」

日本発のコアテクノロジーをグローバルでも共通基盤技術として活かしながら、エリア毎の市場や特性に応じた商品企画・開発を推進し、世界に通用する美しく快適な商品を展開しています。デザインと技術の進化をグローバル統一プロモーションで世界へ発信しています。

 

モノ・情報の流れを最適・高速化し、魅力ある商品をお客様へお届けする「デマンドチェーン革新」

原材料調達から、お客様施工現場到着までの流れにおいて高速サプライチェーンを構築する「サプライチェーン革新」と、全社最適の技術開発体制で既成概念を超えた新たな発想によるもの創りを進める「もの創り革新」からなる「デマンドチェーン革新」の活動を推進しています。これまで日本で培ってきた、商品企画から、研究開発、購買、生産、物流、販売、アフターサービスまで一体となった活動をグローバルに展開し、お客様のご要望に早く効率的に応える体制を構築しています。

 

(当期までの主な進捗状況)

・「サプライチェーン革新」では、「生産・販売・物流・購買・情報の一体行動」「総合リードタイムの徹底短縮」の基本方針のもと、生産部門と販売部門が一体となり、「納期乖離」「棚卸資産」「サプライチェーンコスト」の極小化をグローバルで推進しています。

・「もの創り革新」では、「素材」「グローバルプラットフォーム(設計の効率化)」「次世代生産方式」「グローバル生産拠点最適化」の4つの視点での革新活動を継続しています。「次世代生産方式」においては、自動化・IoTを活用した究極のムダ取り・品質向上のために、Smart Factory化に取組み、具体的な計画を策定し推進しています。

 

多様な人財(※)が集まり、安心して働き、イキイキとチャレンジできる会社をつくる「マネジメントリソース革新」

「働き方改革」を継続して推進しています。多様な人財の安心とチャレンジを後押しし、ダイバーシティを強みにできる職場づくりに取り組んでいます。

(※)当社グループで働くすべての人々は「次世代を築く貴重な財産である」という考えから、「人材」ではなく「人財」と表記しています。

 

(当期までの主な進捗状況)

・女性、障がい者、60歳以上の方々が高い役割にチャレンジするための支援のしくみを整え、当社グループで働くすべての人々の更なる活躍を推進しました。

・場所と時間を柔軟に活用できる働き方として、在宅勤務の定着化を進めました。

・やりがいを感じる働き方の実現に向けて、有給休暇取得推進等の環境整備を進めています。

 

<TOTOグローバル環境ビジョンについて>

これまで取り組んできた「環境」に加え、事業に関係の深い社会的なテーマとして「きれいと快適」「人とのつながり」を加えた「TOTOグローバル環境ビジョン」をスタートしました。このビジョンを、中期経営計画「TOTO WILL2022」の推進エンジンとして、経営とCSRのさらなる一体化を図っていきます。

また、2015年に採択された国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」についても、このビジョンで設定した3つのテーマを中心に、さまざまな活動を通じて貢献していきます。

 

(当期までの主な進捗状況)

「きれいと快適」

「きれい・快適を世界で実現する。」「すべての人の使いやすさを追求する。」を目指す姿とし、「きれいで快適なトイレのグローバル展開」に取り組んでいます。

「除菌」「防汚」「清掃」の技術(「きれい除菌水」「セフィオンテクト」「フチなし形状/トルネード洗浄」)を複合させた「きれいなトイレ」と、「ウォシュレット」に代表される「快適なトイレ」の提供を通じて、きれい・快適を世界中で実現していきます。

主な取り組みの2018年度の指標と実績は次のとおりです。

指標

2018年度実績

セフィオンテクト出荷比率(海外)

71%

トルネード出荷比率(海外)

36%

ウォシュレット出荷台数(海外)

58万台

 

「環境」

「限りある水資源を守り、未来へつなぐ。」「地球との共生へ、温暖化対策に取り組む。」「地域社会とともに、持続的発展を目指す。」を目指す姿とし、「節水商品の普及」や「CO2排出量削減」、「地域に根付いた社会貢献活動」に取り組んでいます。

節水技術をさらに進化させた節水商品の普及や、各事業所における生産性向上、高効率機器の導入などの施策によるCO2排出量の削減、さらに「TOTO水環境基金」を通じた市民による環境活動への支援によって、地球環境への貢献を進めていきます。

主な取り組みの2018年度の指標と実績は次のとおりです。

指標

2018年度実績

商品使用時水消費削減  ※

8.6億㎥

事業所からのCO2総排出量

35.1万t

施策によるCO2排出削減量

0.9万t

商品使用時CO2排出削減量  ※

323万t

地域の課題解決に寄与するプロジェクト数

38件

※  2005年当時の商品を普及し続けた場合と比べた削減効果

 

「人とのつながり」

「お客様と長く深い信頼を築く。」「次世代のために、文化支援や社会貢献を行う。」「働く喜びを、ともにつくり、わかち合う。」を目指す姿とし、「お客様満足の向上」「社員のボランティア活動推進」「働きやすい会社の実現」に取り組んでいます。

「早く、確実、親切な」アフターサービスの提供によるお客様満足の向上や、植樹活動や地域清掃等のボランティア活動への社員の参加促進、多様な人財の個性を尊重するダイバーシティ活動などにより、いつまでも人とのつながりを大切にしていきます。

主な取り組みの2018年度の指標と実績は次のとおりです。

指標

2018年度実績

アフターサービスお客様満足度(日本)

91.5%

受付から修理まで2日以内完了率(海外)

75.7%

ボランティア活動参加率

(のべ参加人数/連結社員数=参加率)

100%以上

有給休暇取得率(日本)

80.8%

女性管理職比率(日本)

10.5%

ライフイベントによる離職率  ※(日本)

3.4%

※  働き続けたい育児・介護者の離職率

 

(3)株式会社の支配に関する基本方針について

当社は、会社法及び会社法施行規則に基づき、会社の支配に関する基本方針について取締役会において次のとおり決議しています。

 

①当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの事業特性、並びに当社の企業価値の源泉を十分理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保し、向上させることができる者であることが必要と考えています。

当社は、1917年の創業以来、一貫して「社会の発展への寄与」を理念とする経営を行ってまいりました。水まわりを中心とした豊かで快適な生活文化創造にあたっては、たゆまぬ研究開発と市場開拓を行い、必要な設備や人財育成に長期的投資を行うことによって、日本市場の中で、「環境配慮」を実現する節電・節水技術の開発、「清潔・快適」「ユニバーサルデザイン」を実現する素材開発、「安心・信頼」を実現するビフォア・アフターサービス体制等、総合的な事業活動による価値の創造と提供を図ってまいりました。現在では、日本市場で築いた事業モデルを活かし、米州・アジアをはじめとする世界の水まわり市場の積極開拓により、一層の価値向上を図る一方、日本の水まわり市場において確固たる地位を築いたことによる供給責任にも応えています。創業以来、長きにわたり、広く社会の発展に寄与し続けたことが、現在の当社の企業価値ひいては株主共同の利益につながっています。

当社は、公開会社として、当社株券等を保有する株主の皆様をはじめとするステークホルダーの皆様の期待に応え続けるためにも、これまでに築いた当社の企業価値ひいては株主共同の利益を損なうことなく、長期にわたって持続的に向上させていくことが必要と考えています。

そこで、特定の者又はグループによって当社株券等の大量買付行為が行われた場合には、これまで当社の企業価値を支えていただいた株主の皆様のために、当該大量買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するか否かの判断材料の提供と検討期間を確保すると共に、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないと判断される場合には一定の対抗措置を講じることができるように、大量買付行為に関する対応方針を定めておくことが必要と考えています。

 

②基本方針の実現に資する取組み

(ⅰ)社是・企業理念及び中長期経営計画

当社グループは、社是「愛業至誠:良品と均質  奉仕と信用  協力と発展」とTOTOグループ企業理念「私たちTOTOグループは、社会の発展に貢献し、世界の人々から信頼される企業を目指します。」に基づき、広く社会や地球環境にとって有益な存在であり続けることを目指して企業活動を推進しています。

当社の企業価値の源泉は、①高品質な製品を提供し続けてきた高度な生産技術力、②ユニットバス・ウォシュレット等の新たな生活文化の創造に寄与する商品やネオレスト・ハイドロテクト等の環境配慮商品を創造してきた研究開発力、③お客様の多様なニーズにきめ細やかに対応できる高品質かつ豊富な商品群、④お客様に安心・安全・信頼の証として認知された企業ブランド、⑤取引先との良好かつ長期的なパートナーシップに基づく販売力、⑥前記①~⑤の維持・発展を担う従業員等にあります。

当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保・向上させるため、当社グループは、2017年10月に策定した、2018年度から始まる5ヵ年の中期経営計画「TOTO WILL2022」を推進しています。
「TOTO WILL2022」では、コーポレート・ガバナンスを土台に、「グローバル住設事業」「新領域事業」の2つの事業軸と、「マーケティング革新」「デマンドチェーン革新」「マネジメントリソース革新」の3つの全社横断革新活動により、グローバル推進体制を強化していきます。

これらの事業活動と「TOTOグローバル環境ビジョン」がより一体となり更なる企業価値向上を目指します。

 

(ⅱ)コーポレート・ガバナンスの強化

当社グループは、経営の客観性・透明性を高め、経営責任を明確にすることによって、ステークホルダーの皆様の満足を実現し、企業価値を永続的に向上させることが企業経営の要であると考えます。そのために、以下のとおりコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。

 

(a)取締役及び取締役会

取締役全員で構成する取締役会は、原則月1回開催し、全社・全グループ最適視点の意思決定を行うのはもちろんのこと、ステークホルダー最適視点の意思決定、及び取締役相互の職務執行監督を行っています。

また、自らの業務執行を実践していくために、取締役会議長及び社外取締役以外の取締役は執行役員を兼任しています。(取締役兼執行役員)

社外取締役には当社グループが目指す経営を実践している先進企業の経営経験者を招聘しています。社外取締役は経験豊富な経営者としての高い知見に基づき、経営全般について様々な助言と提言を行っています。また、取締役の責任を明確にするため、取締役の任期を1年としています。

(b)監査役及び監査役会

監査役全員で構成する監査役会は、原則月1回開催し、取締役の職務の執行に関して、適法性及び妥当性の観点から監査を行っており、取締役会をはじめとする主要会議に出席し、必要に応じて意見の表明を行うと共に、監査方針に則り各拠点に赴き監査を行っています。また、取締役との定期的な意見交換など、監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制を整備しています。

社外監査役には、企業財務・企業法務等の専門性や企業経営に係る高度な見識・経験を保持している方を招聘し、取締役会の意思決定や取締役の業務執行について客観的かつ公正な立場から監査を行っています。

 

(c)報酬諮問委員会

報酬諮問委員会は、原則年1回以上開催し、取締役の基本報酬・年次賞与・株式報酬の決定プロセスと配分バランスが、定款、株主総会決議事項及び取締役報酬基本方針に沿ったものであることの確認並びにその活動を通じて取締役報酬の妥当性・客観性確保に資することを目的として設置しています。

委員は過半数を社外委員とすることとし、取締役会にて委員及び委員長を選任しています。委員会は、独立役員5名を含む社外委員6名と、社内委員として代表権をもたない取締役1名で構成し、委員長は社外委員から選任しています。

 

(d)指名諮問委員会

指名諮問委員会は、原則年1回以上開催し、取締役及び監査役人事に関する審議・確認等を通じて、当社の経営の客観性及び透明性の確保に資することを目的とし、株主総会に提出する社外取締役・社外監査役を含む取締役又は監査役候補者の選任及び解任に関する議案を取締役会に答申するために設置しています。

委員は半数以上を社外委員とすることとし、取締役会にて委員及び委員長を選任しています。委員会は、独立役員5名を社外委員、及び代表取締役会長と代表取締役社長執行役員を社内委員として構成し、委員長は代表取締役社長執行役員としています。

 

(e)特別委員会

特別委員会は、「当社株式の大量買付行為に関する対応方針」(買収防衛策、以下、「本プラン」という)の導入に伴い設置するものであり、取締役会に対し本プランに基づく対抗措置の発動又は不発動に関する勧告を行います。公正性及び中立性の確保に資するため、当社の社外取締役、社外監査役により構成されています。

 

③基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

大量買付行為に際して、株主の皆様が当社株式の売却、すなわち大量買付行為を受け入れるか否かの判断を適切に行っていただくためには、大量買付者から提供される情報のみならず、当該行為が当社に与える影響や、大量買付者が当社の経営に参画した場合の経営方針、事業計画の内容等の必要かつ十分な情報、及び当該大量買付行為に対する当社取締役会の評価・意見等も含めた十分な情報が提供されることが不可欠であると考えています。そこで、当社は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保に資するため、「当社株式の大量買付行為に関する対応方針」を導入しています。

本プランは、大量買付者が大量買付行為を行うにあたり、所定の手続に従うことを要請すると共に、係る手続に従わない大量買付行為がなされる場合や、係る手続に従った場合であっても当該大量買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく害するものであると判断される場合には、係る大量買付行為に対する対抗措置として、新株予約権の無償割当て(会社法第277条以下に規定されています。)の方法により、当社取締役会が定める一定の日における株主に対して新株予約権を無償で割り当てるというものです。

本プランに従って割り当てられる新株予約権(以下「本新株予約権」という)には、(ⅰ)大量買付者及びその関係者による行使を禁止する行使条件や、(ⅱ)当社が本新株予約権の取得と引き換えに大量買付者及びその関係者以外の株主の皆様に当社株式を交付する取得条項等を付すことが予定されています。

 

④本プランが基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社役員の地位の維持を目的とするものでないことについて

当社取締役会は、以下の理由から上記③の取り組みが当社の上記①の基本方針及び企業価値ひいては株主共同の利益の確保に資するものであり、また、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しています。

(ⅰ)買収防衛策に関する指針の要件等を完全に充足していると考えられること

本プランは、経済産業省及び法務省が2005年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(「企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則」「事前開示・株主意思の原則」「必要性・相当性の原則」)を完全に充足しており、また、株式会社東京証券取引所の定める買収防衛策の導入に係る諸規則の趣旨に合致したものです。なお、本プランは、2008年6月30日に公表された、経済産業省の企業価値研究会の報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の内容も勘案しています。

 

(ⅱ)当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させることを目的としていること

本プランは、当社株券等に対する大量買付行為がなされた際に、当該大量買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、また、当社取締役会が株主の皆様のために代替案を提示し、大量買付者と交渉を行うこと等を可能とするために必要な情報や時間を確保することにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し向上させることを目的とするものです。

 

(ⅲ)株主意思を重視するものであること

(a)本プランの更新にあたっては、定時株主総会において株主の皆様の承認をお諮りします。また、本プランの有効期間の満了前であっても、株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されることとなります。

 

(b)本プランは、本プランに基づく対抗措置の発動又は不発動の決定を株主の皆様が取締役会に委ねる前提として、当該対抗措置の発動条件を個別の場合に応じて具体的に設定し、株主の皆様に示すものです。加えて、当社取締役会は、本プランに従い対抗措置を発動するか否かの判断を行うにあたり、株主の皆様の意思を尊重する趣旨から必要かつ相当であると判断した場合には、株主意思確認総会を開催し、株主の皆様の意思を確認することとしています。従って、当該発動条件に従った対抗措置の発動は、株主の皆様のご意向が反映されたものとなります。

 

(ⅳ)独立性の高い社外者の判断の重視と情報開示

当社は、当社取締役会の判断の合理性及び公正性を担保するために、取締役会から独立した機関として、特別委員会を設置します。なお、特別委員会は、当社社外取締役、社外監査役又は社外有識者により構成されます。

加えて、当社取締役会が特別委員会の勧告を最大限尊重したうえで決定を行うことにより、当社取締役会が恣意的に本プランに基づく対抗措置の発動を行うことを防ぐと共に、特別委員会の判断の概要については適時かつ適切に株主の皆様等に情報開示することとされており、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるべく本プランの透明な運営が行われる仕組みが確保されています。

 

(ⅴ)合理的な客観的要件の設定

本プランは、予め定められた合理的かつ客観的な要件が充足されなければ発動されないように設定されており、取締役会による恣意的な発動を防止できる仕組みを確保しています。

 

(ⅵ)外部専門家等の意見の取得

本プランにおいては、大量買付者が出現した場合、取締役会及び特別委員会が、当社の費用で外部専門家等の助言を得ることができることとされています。これにより、取締役会及び特別委員会による判断の公正性及び客観性がより強く担保される仕組みが確保されています。

 

(ⅶ)デッド・ハンド型やスロー・ハンド型の買収防衛策ではないこと

本プランは、当社の株主総会で選任された取締役で構成される取締役会によりいつでも廃止することができることとしており、デッド・ハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。

また、当社は、取締役任期を1年としており、期差任期制度を採用していないため、本プランは、スロー・ハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交替を一度に行うことができずその発動を阻止するのに時間が掛かる買収防衛策)でもありません。

 

株式会社の支配に関する基本方針については、当事業年度末時点のものを記載しています。

本プランの有効期限は、2019年6月25日開催の当社定時株主総会の終結の時までとなっています。当社は、2019年4月26日開催の取締役会において、この有効期限をもって本プランを継続しないことを決議しました。

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。

(1)経営環境に関するリスク

①経済状況の変動

当社グループの製品・サービスに対する需要は、その販売を行っている国又は地域の経済状況の影響を受けるため、世界の市場における景気後退及びこれに伴う需要の減少は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

②為替相場の変動

国際取引や外貨建てで取引している海外での生産、販売等の営業活動取引、また、連結財務諸表作成のため海外連結子会社の資産及び負債等は円換算されるため、為替相場の変動は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

③株価の下落

当社グループは、投資有価証券として株式を保有していますが、当該株式の時価が帳簿価額を著しく下回ることとなった場合、当該株式の評価損の計上が必要となり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

④金利の変動

金利の変動は営業費用、支払利息、受取利息あるいは金融資産及び負債の価値に影響を与え、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑤市場環境の変動

当社グループが主たる事業活動を行う住宅関連分野での需要の大幅な変動は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(2)事業活動に関するリスク

①競合他社との競争

当社グループは、多岐にわたる製品の開発・生産・販売・サービスを行っており、様々な企業と競合しています。当社グループは、今後とも競争力の維持・強化に向けた様々な取り組みを進めてまいりますが、将来にわたって優位に展開できなくなる可能性があります。

 

②急激な製品価格の下落

当社グループは、高付加価値商品の開発やコストリダクション活動などに積極的に取り組んでいますが、国内外の市場において激しい競争に晒されており、企業努力を上回る価格下落圧力が生じた場合は、当社グループの利益の確保に深刻な影響を受ける可能性があります。

 

③海外事業活動における障害

当社グループは、海外市場での事業拡大を戦略の一つとしています。しかしながら、海外では為替リスクに加え、政情不安、経済動向の不確実性、宗教や文化の相違、商習慣に関する障害、更には投資・海外送金・輸出入・外国為替などの規制の変更や税制の変更等様々な政治的、経済的もしくは法的な障害を伴う可能性があり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を受ける可能性があります。

 

④技術革新の重要性

当社グループの継続的成長及び競争力向上には、新技術や新製品開発のための技術革新が重要となりますが、将来の市場ニーズの変化に適切に対応できなかった場合などにおいては、当社グループの将来の成長や収益性に影響を受ける可能性があります。

 

⑤企業買収及び他社との業務提携等

当社グループは、経営の効率化と競争力強化のため、企業買収及び資本参加を含む投資、他社との業務提携等による事業の拡大を行うことがあります。新しい製品やサービスを提供するにはこのような経営戦略が不可欠となりますが、活動が円滑に進まない、あるいは当初期待した効果が得られない可能性があります。また、他社が事業戦略を変更した場合には、当社グループは資本参加、業務提携関係等を維持することが困難になる可能性もあります。

 

⑥原材料等の調達

当社グループの製造事業にとって、高品質の原材料及び部品等を安定的かつタイムリーに入手することは不可欠であり、そのために信頼のおける購入先を選定し調達活動を推進しています。しかし、購入先からの供給が中断した場合や業界内での需要が急増した場合、もしくは需給環境の変化等によりその調達価格が高騰する可能性もあります。このような場合には、購入先の変更や追加、あるいは他の原材料や部品の切り替え等をタイムリーに行うことができず、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を受ける可能性があります。

 

⑦情報システムに関するリスク

当社グループは、ほとんど全ての業務において情報通信システムのサポートを受けています。また、情報通信システムも年々、複雑化・高度化しています。当社グループは、信頼性向上のため様々な対策を実施し、業務を継続的に運営できる体制を整備していますが、テロ、自然災害、ハッキング等の外的要因や人為的ミス、コンピュータウィルス等により情報通信システムの不具合、故障が生じる可能性があります。業務が一時的に中断し、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を受ける可能性があります。

 

⑧代理店等の財政状況

当社グループの販売取引先は、当社グループとの契約に基づき、代金後払いで製品・サービスを購入している場合があります。

万一、当社グループが多額の売掛債権を有する販売取引先の財政状態が悪化し、契約条件どおりの支払いを受けられない場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を受ける可能性があります。

 

⑨有能な人財確保

当社グループは、人材は最も重要な財産の1つと捉え、グループ内では『人財』と表現しています。

当社グループの将来の永続的な成功は、人財がその能力を高め、会社に継続的に貢献し続けることと考え、経営

理念に共感する人財を計画的に確保し、自律人財の育成に注力しています。従って、有能な人財の継続的な確保・

育成ができない場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を受ける可能性があります。

 

(3)中長期経営計画等に関するリスク

①中長期経営計画等の目標達成

2017年に創立100周年を迎えた当社グループは、次の100年に向け、世界中にTOTOファンを増やしていきます。その実現のため、2018年度から5カ年の中期経営計画「TOTO WILL2022」を推進しています。しかし、当社グループの計画達成に向けた取り組みにもかかわらず、事業環境のさらなる悪化などの要因により、全ての目標達成または期待される成果の実現に至らない可能性もあります。

 

②事業構造改革

当社グループは、継続的な成長と収益力の更なる向上を目指すため、事業の選択と集中を進め、経営の効率化を図ってまいります。しかしながら、これらの事業再編や事業構造改革推進の過程において、費用の増加等によって当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を受ける可能性があります。

 

(4)法的規制及び訴訟等

①製品の欠陥

当社グループは、厳格な独自品質基準に基づき、製品の品質確保に細心の注意を払っています。しかしながら製品に欠陥が生じた場合、欠陥に起因する直接的・間接的損害に対して、当社グループは製造物賠償責任保険で十分補償しきれない賠償責任を負担する可能性や多大な対策費用の支出が生じる可能性があります。また当該問題に関する報道により、当社グループのブランドイメージの低下、顧客の流出などを招き、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②知的財産権による保護

当社グループは、事業の優位性を確保するため、開発する製品及び技術について知的財産権による保護に努めていますが、出願する特許に対して権利が付与されない場合もあり、知的財産権による十分な保護が得られない可能性があります。また、知的財産権により保護されている第三者の技術を利用したい場合などには、その技術が利用できない、又は不利な条件で利用せざるを得ない場合もあります。加えて、当社グループが知的財産権に関し、第三者より訴訟を提起されたり、当社グループが自らの知的財産権保全のために訴訟を提起しなければならないことがあります。その場合において、多額の訴訟費用が費やされる可能性もあり、また、当社グループが第三者の知的財産権を侵害しているとの申し立てが認められた場合には、当社グループが特定の技術を利用できない可能性や多額の損害賠償責任を負う可能性もあります。

 

③会計基準及び税制等の変更

新たな会計基準の適用や新たな税制の導入・変更によって、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、税制等の改正や税務申告における税務当局との見解の相違により、当社グループに予想以上の税負担が生じる可能性があります。

 

④環境に関する規制

当社グループは、大気汚染、水質汚濁、土壌・地下水汚染、有害物質の取扱い・除去、廃棄物処理などを規制する様々な環境関連法令の適用を受けています。当社グループはこれら法令に細心の注意を払い事業活動を行っていますが、過去・現在及び将来の事業活動において、環境に関する費用負担の増加や賠償責任が発生する可能性があり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤気候変動に関する規制

気候変動抑制のため、世界的規模でのエネルギー使用の合理化や地球温暖化対策などの法令等の規制が強まっています。当社グループにおいて、これら規制の強化に伴い、新たな税負担、事業活動における諸資材・燃料の変更、設備の変更等の対応費用が増加することで、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥情報の流出

当社グループは、事業活動において顧客等のプライバシーや信用に関する情報(顧客等の個人情報を含む)を入手したり、他企業等の情報を受け取ることがあります。当社グループは、これらの情報の秘密保持に細心の注意を払い、情報の漏えいが生じないよう最大限の管理に努めていますが、不測の事態により情報が外部に流出する可能性があります。この場合には、損害賠償等の多額な費用負担が生じたり、当社グループの事業活動やブランドイメージに影響が及ぶ可能性があります。また当社グループの事業上の重要機密が第三者に不正流用される恐れもあり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦その他の法的規制等

当社グループは、日本及び諸外国・地域の様々な規制に従って事業活動を行っています。これらの法規制や許認可制度等が従来よりも厳格になることにより、当社グループの事業活動が制限を受けたり、法規制等に適合するための費用が増加する可能性があります。また、当社グループが、不適切な対応や重大な違反をした場合には、当社グループの事業やブランドイメージに影響が及ぶ可能性があります。

 

⑧訴訟の提起

当社グループは、グローバルで多岐にわたる事業展開をしており、事業活動を進めていく中で様々な訴訟等を受

ける可能性があります。訴訟が提起された場合には、結果によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)災害等に関するリスク

当社グループの事業拠点は、日本をはじめ世界各地に展開しています。大地震や大津波、台風、洪水などの自然災害やサイバー攻撃、戦争、テロ行為等の事象に伴う惨事、電力等のインフラ停止などの混乱状態に陥る可能性があります。また、重大な労働災害または強毒化した新型インフルエンザなどの感染症が世界的に流行した場合には、当社グループの設備の損害だけでなく貴重な人的資源に重大な影響を与え当社グループの事業活動の一部又は全体に大きな支障をきたす可能性があります。

この場合、事業拠点の移転や損害を被った設備等の修復の為に多額の費用が発生し、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に大きな影響が及ぶ可能性があります。

(6)風評に関するリスク

当社グループは、法令遵守違反などの不適切な行為が発覚した場合は、速やかに適切な対応を図って参りますが、当社グループに対する悪質な風評が、マスコミ報道やインターネット上の書き込み等により発生・流布した場合は、それが正確な事実に基づくものであるか否かにかかわらず、当社グループの社会的信用が毀損し、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(7)その他のリスク

①年金債務

当社及び一部のグループ会社では外部積立による退職年金制度を設けています。今後、金利の低下により退職年金給付債務に関する割引率を引き下げる必要が生じる可能性や、株価の下落により年金資産の目減りをもたらす可能性があり、その結果、数理計算上の差異(損失)が増加し、将来にわたる退職給付費用が増加する可能性があります。

 

②固定資産の減損

当社グループでは、固定資産の減損に係る会計基準等に従い、定期的に保有資産の将来キャッシュ・フロー等を算定し減損損失の認識・測定を行っています。その結果、固定資産の減損損失を計上することも予測され、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③繰延税金資産

繰延税金資産の計算は、将来の課税所得など様々な予測・仮定に基づいており、経営状況の悪化や税務調査の結果等により、実際の結果がかかる予測・仮定とは異なる可能性があります。従って、将来の課税所得の予測・仮定に基づいて繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断した場合、繰延税金資産は減額され、その結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

業績等の概要

(1)業績

①当連結会計年度の状況

  当連結会計年度(2018年4月1日から2019年3月31日まで)におけるわが国の経済は、緩やかな回復基調が続きました。また、世界経済も全体としては緩やかな回復が続きました。一方で、日本においては、度重なる自然災害の発生等により、住宅に関わる消費者マインド停滞など、厳しい事業環境となりました。また、海外においては、中国にて一線都市を中心とした不動産販売規制強化の影響により高級物件が減少するなど、市況の変化がありました。

  このような事業環境の中、当社グループは2018年度から始まる5ヵ年の中期経営計画「TOTO WILL2022」に基づき、「日本」「中国・アジア」「米州・欧州」の3つの事業で構成される「グローバル住設事業」と「セラミック」「環境建材」で構成される「新領域事業」の2つの事業軸で活動を推進しました。

  その結果、当連結会計年度の業績は、売上高が5,860億8千6百万円(前期比1.0%減)、営業利益が401億6千7百万円(前期比23.6%減)、経常利益が431億1千9百万円(前期比20.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が323億8千万円(前期比12.0%減)となりました。

  セグメントごとの業績は、次のとおりです。なお、セグメントごとの売上高については、外部顧客への売上高を記載しています。

 

②セグメントの状況

■グローバル住設事業

  当連結会計年度の業績は、売上高が5,555億8千4百万円(前期比1.4%減)、営業利益が427億7千4百万円(前期比22.3%減)となりました。

 

a.日本住設事業

  当連結会計年度の業績は、売上高が4,251億3千3百万円(前期比0.1%減)、営業利益が244億4千4百万円(前期比14.7%減)となりました。

 

  当社グループの売上高においては、リモデルは前年を上回り、新築は前年を下回る実績となりました。

  TOTO、DAIKEN、YKK APでは、快適性と環境配慮を両立するリフォーム「グリーンリモデル」を引き続き推進しています。2018年5月、TDY3社共同で「TDY リモデルコレクション2018」を幕張メッセで開催しました。TDY3社に加え住宅関連メーカー及びエネルギー会社とコラボレーションし、ライフスタイル、世代、家族構成、趣味、ニーズなどに合わせたリモデルの提案を実施しました。

  また、増加している訪日外国人観光客の目に触れるトイレの提案強化をすることで、「ウォシュレット」の訴求機会を増やし、国内だけでなく海外での購買につなげる活動を強化しています。

 

b.中国・アジア住設事業

<中国>

  当連結会計年度の業績は、売上高が635億3千9百万円(前期比11.7%減)、営業利益が123億9千5百万円(前期比31.7%減)となりました。

 

  当社グループにおいては、一線から二・三線都市の都市部を中心に、市場環境や消費者の購買行動の変化などに注視しつつ、高級ブランドとしての強みを活用し、事業活動を推進しています。

  また、中国国内の長期的な市場成長による需要増に対応するため、効率的な生産と最適な供給体制の構築を進めています。加えて、「ウォシュレット」のプロモーション強化を通じて普及拡大に努めています。

 

<アジア・オセアニア>

  当連結会計年度の業績は、売上高が318億3百万円(前期比0.5%増)、営業利益が54億5千9百万円(前期比18.9%減)となりました。

 

  当社グループにおいては、世界の供給基地としてベトナム、タイでの生産体制を充実させると共に、新興国市場での販売力を強化しています。また、ベトナムや台湾では、高級ブランドとしての認知を活かした事業活動を推進しています。

ベトナムでは、市場の成長に合わせて、5スターホテルや高級コンドミニアムなどの著名物件や、個別散在物件の受注強化のため、販売網の強化やアフターサービス体制の整備に取り組んでいます。

台湾では、新築住宅着工に依存しない販売体制確立に向け、積極的なプロモーションの展開により、「ウォシュレット」の普及に努めています。

 

c.米州・欧州住設事業

<米州>

  当連結会計年度の業績は、売上高が313億2千9百万円(前期比1.8%増)、営業利益が16億1千6百万円(前期比36.1%減)となりました。

 

  当社グループにおいては、中高級市場における商品優位性や価値伝達によってブランド価値を高め、競合他社との差別化を図っています。

  節水性能の高い便器(洗浄水量3.8L)や「ウォシュレット」「ネオレスト」の快適性、デザイン性がお客様から評価され、住宅、非住宅共に採用が増加しています。「ウォシュレット」は、ショールーム展示やホームページの充実、eコマースなど新規ルートの開拓・強化を進めています。

2019年1月、ラスベガスで開催された最新家電の展示会「CES2019 (Consumer Electronics Show 2019)」並びに、2019年2月に開催の米国最大規模の水まわり設備の展示会「KBIS2019(Kitchen & Bath Industry Show 2019)」に出展しました。多くのお客様が使うパブリックトイレにIoT技術を取り入れた商品や、トイレ、浴槽、洗面をそろえた最高級の空間提案「NEOREST COLLECTIONS」を展示し、来場者の注目を集めました。

 

<欧州>

  当連結会計年度の業績は、売上高が37億7千8百万円(前期比5.3%増)、営業損失が11億4千万円(前連結会計年度は営業損失10億3千2百万円)となりました。

 

  当社グループにおいては、ドイツ、フランス、イギリスを中心に、販売チャネルの構築及び著名物件の獲得を進めており、販売代理店におけるショールーム展示の質の向上や、施工店の開拓・拡大に注力しています。「ウォシュレット」や「ネオレスト」など差別化商品の認知が向上し、ホテルなどの高級現場における商品の採用が進んでいます。

  欧州のお客様の嗜好に沿う高いデザイン性の新商品を発売し、展示会やセミナー、ショールーム展示を通じてお客様への価値訴求を強化しています。

2019年3月、ドイツ・フランクフルトで開催された世界最大規模の住宅設備機器の国際見本市「ISH2019 (International Sanitary and Heating 2019) 」に出展しました。コーポレートメッセージ「Life Anew」のもと、今までとは「ちがう」価値を生み出し、世界の人々に期待を超える「まいにち」をお届けしたい、というメッセージを発信しました。

 

■新領域事業

  当連結会計年度の業績は、売上高が302億4千4百万円(前期比6.4%増)、営業利益が9億6千9百万円(前期比25.6%減)となりました。

 

  当社のオンリーワン技術を活かした「セラミック事業」、環境浄化技術「ハイドロテクト」による建材や塗料などを展開する「環境建材事業」を「新領域事業」として、事業活動を推進しています。

 

<セラミック事業>

  当連結会計年度の業績は、売上高が221億7千4百万円(前期比10.7%増)、営業利益が12億7千8百万円(前期比26.7%減)となりました。

 

  当社グループにおいては、半導体・表示デバイス等の先端デバイスの需要が増加したことにより、それらの製造装置に採用されている当社セラミック製品の需要が増加しました。

  今後も取引先の需要に対応できるよう、もの創りを抜本的に改革し、生産性向上に取り組むことで、強固な事業基盤の構築を目指します。

 

 

<環境建材事業>

  当連結会計年度の業績は、売上高が80億6千9百万円(前期比4.0%減)、営業損失が3億8百万円(前連結会計年度は営業損失4億4千万円)となりました。

 

  当社グループにおいては、住宅会社向け外壁商品の取引先住宅着工数の減少などの影響はありましたが、内装防汚陶板「ハイドロセラ」を中心とした生産体制強化活動を推進しており、引き続き事業体質の更なる改善を目指しています。

 

■その他

<全般>

・タイに新たなウォシュレット生産工場を建設

TOTOタイランド(TOTO (THAILAND) CO., LTD.)が新たに取得した敷地に、ウォシュレット生産工場(TOTOタイランド第3工場(仮称))を建設します。新工場は「ウォシュレット」の量産工場と位置付け、2018年5月より着工し、2020年4月からの本格稼働を目指します。本工場はTOTOグループの国内外を合わせた「ウォシュレット」生産拠点としては5拠点目、海外の生産拠点としては3拠点目になります。

 

・セラミック製品の新生産工場棟を建設

TOTOファインセラミックス株式会社本社・中津工場内に新工場棟を建設します。新工場棟は2019年1月より着工し、2020年10月からの稼働開始を目指します。

新工場棟は、静電チャックの量産工場と位置付けており、これまで培ってきた最先端のセラミック加工技術とノウハウを結集させ、IT技術も駆使することで、生産性向上を目指したSmart Factory化の実現を図ります。

 

・「ウォシュレット」累計出荷台数5,000万台突破

2019年3月、温水洗浄便座「ウォシュレット」の累計出荷台数が5,000万台を突破しました(シートタイプ・ウォシュレット一体形便器、国内・海外合計)。1980年6月に販売開始以来38年8ヵ月を経過し、着実に出荷台数を伸ばしてまいりました。

今後も各国・各地域のニーズにあわせて「ウォシュレット」を進化させ、清潔で快適なトイレ文化を国内外に広めていきます。

 

<社外からの評価について>

・子育てサポート企業として「プラチナくるみん」に認定

次世代育成支援対策推進法に基づき、子育てサポートについて高い水準で取り組んでいる企業として、厚生労働省より「プラチナくるみん」に認定されました。

 

・第29回「電波功績賞」電波産業会会長賞受賞

デザインと機能の融合を目指し、便座に隠蔽しながら人の動きまで検出できるセンサーを商品に搭載、電波の有効利用に大きく貢献したとして、「便座用マイクロ波センサの実用化」で第29回「電波功績賞」電波産業会会長賞を受賞しました。「便座用マイクロ波センサー」は「ネオレスト」など一部のレストルーム商品に採用しています。

 

・「FTSE4Good Index Series」の構成銘柄に3年連続で選定

社会的責任投資の世界的指数である「FTSE4Good Index Series」(フッチー・フォー・グッド・インデックス・シリーズ)の構成銘柄に3年連続で選定されました。

 

・ESG投資指標「Dow Jones Sustainability World Index」の構成銘柄に選定

世界の代表的なESG投資指標である「Dow Jones Sustainability Indices」 の「World Index」の構成銘柄に選定されました。同銘柄への選定は7回目です。また、アジア・太平洋地域版の「DJSI Asia Pacific」の構成銘柄にも10年連続で選定されています。

 

 

・世界的なESG投資の調査・評価会社Robeco SAM社によるCSR格付に選定

世界の代表的なESG投資の調査・評価会社Robeco SAM社による2019年のCSR格付「Robeco SAM Sustainability Award 2019」にて、建設関連製品部門「ブロンズクラス」に選定されました。今回を含めて6回目の選定となります。また今年度は、サスティナビリティパフォーマンスが前年度と比較して大きく改善した企業として「Industry mover」にも選定されました。

 

・国際的に権威のあるデザイン賞を受賞

国際的に権威のあるデザイン賞である「iFデザイン賞2019」にて、ウォシュレット一体形便器「ネオレストAH/RH」「壁掛RP便器+ウォシュレットRX」「台付シングル混合水栓GMシリーズ」が受賞しました。また、「レッドドット・デザイン賞2019」では、台付シングル混合水栓「GMシリーズ」「ZAシリーズ」「GEシリーズ」「GCシリーズ」の4シリーズが受賞しました。「GMシリーズ」はダブル受賞となり、TOTOとしてのiFデザイン賞の受賞は6年連続、レッドドット・デザイン賞の受賞は7年連続となります。

 

(2)キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の期末残高は964億7千万円となり、前連結会計年度末の976億3千7百万円に比べ、11億6千6百万円の資金減少となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により145億9千3百万円の収入となりました。これは、税金等調整前当期純利益453億3千5百万円、減価償却費233億4千7百万円等の収入と、たな卸資産の増加額163億3千5百万円、仕入債務の減少額133億4千3百万円、法人税等の支払額105億2千3百万円、退職給付に係る負債の減少額87億5千5百万円等の支出によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により269億2千8百万円の支出となりました。これは、有形固定資産の取得による支出308億9千8百万円等の支出によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により145億6千2百万円の収入となりました。これは、コマーシャル・ペーパーの発行による収入621億円等の収入と、コマーシャル・ペーパーの償還による支出335億円、配当金の支払額137億1千2百万円等の支出によるものです。

 

生産、受注及び販売の実績

(1)生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

日本

362,756

0.8

中国

90,654

△4.3

アジア・オセアニア

55,455

4.7

米州

29,276

2.9

欧州

2,819

△5.6

グローバル住設事業計

540,963

0.3

セラミック事業

20,212

31.9

環境建材事業

7,015

△2.4

新領域事業計

27,228

20.9

報告セグメント計

568,192

1.2

その他

合計

568,192

1.2

(注)1.金額は、売価換算値で表示しています。

2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。

 

(2)受注実績

当社グループは概ね見込生産方式を採っていますので、受注の実績については記載を省略しました。

 

(3)販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

日本

437,434

△0.1

中国

83,320

△8.8

アジア・オセアニア

54,075

8.1

米州

31,353

1.7

欧州

3,877

7.3

グローバル住設事業計

610,061

△0.6

セラミック事業

22,174

10.7

環境建材事業

9,304

△4.7

新領域事業計

31,478

5.6

報告セグメント計

641,539

△0.3

その他

308

△1.0

内部売上消去等

△55,761

合計

586,086

△1.0

(注)1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合

前連結会計年度、当連結会計年度共に販売実績が総販売実績の100分の10以上を占める相手先がないため、記載を省略しました。

2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。

 

4【経営上の重要な契約等】

合弁会社設立の契約

契約会社名

契約相手先名称

国名

契約内容

契約期間

TOTO㈱

(当社)

株式会社ノリタケカンパニーリミテッド

日本碍子株式会社

日本特殊陶業株式会社

日本

固体酸化物形燃料電池に関する合弁事業開始に向けた基本合意

2019年3月4日から

最終契約締結日又は2019年12月31日のいずれか早期に到来する日

 

技術許諾契約

契約会社名

契約相手先名称

国名

契約内容

対価の受取

契約期間

TOTO㈱

(当社)

厦門和利多衛浴科
技有限公司

中国

便座・便蓋・排水弁等の製造技術等の提供

一定料率のロイヤルティ

2016年12月31日から

2019年12月31日まで

 

使用許諾契約

契約会社名

契約相手先名称

国名

契約内容

対価の受取

契約期間

TOTO㈱

(当社)

P.T.SURYA TOTO INDONESIA Tbk

インドネシア

水栓金具の製造技術等の提供

一定料率のロイヤルティ

2019年2月19日から

2022年2月19日まで

 

 

5【研究開発活動】

研究開発部門では、デザインと機能を融合させ、きれいで快適な空間を実現するために、当社にしかできない「オンリーワン技術」を進化させ、TOTOならではの価値をお客様に提供しています。

創立以来TOTOでは、さまざまな商品やサービスの研究開発を通じて、たくさんのものづくりの技術を培ってきました。人間工学、感性工学といった、人の動きや感覚を数値化し、論理的に使いやすさや快適性を実現する「人を見る」技術。流体制御、電子制御、水の改質といった、水の流れ方、性質を変えることで、より快適で清潔な機能を実現する「水の力を最大に活かす」技術。表面制御、素材・プロセス、分析といった、素材そのものの性質や素材表面の特性を変えることで意匠性、防汚性、耐久性などを向上させる「素材を究める」技術。これらを有機的に結合させたうえで、「環境配慮」「ユニバーサルデザイン」「デザイン」といったお客様価値を創出し、魅力ある商品・技術を生み出しています。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は21,158百万円です。

 

当連結会計年度におけるセグメント別の活動内容、及び研究開発費は次のとおりです。

なお、各セグメントに配賦できない研究開発費が2,294百万円あります。

 

①グローバル住設事業

a.日本住設事業

日本市場においては、毎日の暮らしの中でお客様が快適に過ごしながらも、知らず知らずのうちに地球環境を守ることのできる商品の研究開発を進めています。

当連結会計年度において、浴室商品では、究極の「リラックス・リフレッシュ」を追求したシステムバスルーム新「SYNLA(シンラ)」を発売しました。人間工学の研究を重ねて生まれた、人を包み込み支える新しい浴槽形状「ファーストクラス浴槽」を搭載。身体への負担が少なくリラックスした入浴を実現しました。また、大流量の幅広吐水で肩から温める「肩楽湯」とランダムな曲線で円を描くように噴出する水流で変化のある刺激が楽しめる「腰楽湯」を同時に使用できる「楽湯」や、気分に合わせて明るさと色を変えることが出来る「調光調色システム」も新たに搭載。一日の光の移ろいを参考にした心地よいあかりの変化を楽しめます。そして、浴室で初めてTOTOのクリーン技術「きれい除菌水」を散布する「床ワイパー洗浄」を搭載し、床まわりのきれいが長持ちします。

 

当セグメントに係る研究開発費は14,627百万円です。

 

b.中国・アジア住設事業、米州・欧州住設事業

中国・アジア住設事業、米州・欧州住設事業においては、日本で開発したコアテクノロジーをもとに、高機能・高品質を維持しながら、各国の規制や基準を満たした環境配慮商品の開発を行い、それぞれの地域に合ったデザイン設計を進めています。

「きれい除菌水」搭載ウォシュレットは、環境配慮に優れたデザインと先進的な技術を有する製品に与えられる世界的な賞「GREEN GOOD DESIGN AWARDS 2018」のGreen Product/Graphic Design部門を受賞しました。持続可能な社会の実現のため、環境にやさしいものづくりに取り組むTOTOの姿勢が評価されています。

 

中国・アジア住設事業、米州・欧州住設事業に係る研究開発費は、合計で1,379百万円であり、各セグメントに係る研究開発費は、それぞれ中国が263百万円、アジア・オセアニアが101百万円、米州が778百万円、欧州が236百万円です。

 

②新領域事業

セラミック事業においては、半導体の製造装置の分野で、エアスライド、静電チャック、ボンディングキャピラリーなどといった高品質・高精度セラミック製品の研究開発を進めています。また、エアロゾルディポジション(AD)法を用いた緻密で密着力の高い「AD膜」の商材を増やし、幅広く採用いただいています。オンリーワン技術を活かした新領域事業の創出に向けて、さまざまな研究開発を行っています。

環境建材事業における環境浄化技術「ハイドロテクト」は、当社グループによって、世界で初めて実用化に成功した技術で、内外装タイル建材・塗料・コーティング材等の光触媒層に光が当たると「分解力」と「親水性」が発生し、大気汚染物質(NOx)を除去する空気浄化効果や建物の外観をきれいに保つセルフクリーニング効果、抗ウィルス性・抗菌性等を有しています。また、「ハイドロテクト」を大型セラミックス陶板に施した「ハイドロセラ」シリーズは、高い耐久性によって、各種ビルなどのパブリック物件において信頼を獲得しています。「ハイドロテクト」は、自社製品への応用にとどまらず、パートナー企業と共に多様な建材を通じて更なる普及を目指しており、国内外で広く環境保全に貢献しています。

 

新領域事業に係る研究開発費は、合計で2,856百万円であり、各セグメントに係る研究開発費は、それぞれセラミック事業が2,271百万円、環境建材事業が585百万円です。