(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、社是「愛業至誠:良品と均質 奉仕と信用 協力と発展」とTOTOグループ企業理念「私たちTOTOグループは、社会の発展に貢献し、世界の人々から信頼される企業を目指します。」に基づき、広く社会や地球環境にとって有益な存在であり続けることを目指して企業活動を推進しています。
(2)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、2050年のカーボンニュートラルで持続可能な社会の実現に貢献し、すべての人に快適で健康な暮らしを提供することを目指します。
そのために、「きれいで快適・健康な暮らしの実現」「社会・地球環境への貢献」を目指し、2021年度から始まる10カ年の「新共通価値創造戦略 TOTO WILL2030」を策定しました。
TOTO WILL2030を実現するための最初の3年間(2021年度~2023年度)を「中期経営課題(WILL2030 STAGE1)」として具体的な目標を定め、環境変化に対応していきます。
WILL2030 STAGE1では、事業活動と「TOTOグローバル環境ビジョン」をより一体化させ、更なる企業価値向上を目指します。
その戦略フレームは、企業活動のベースとなる「コーポレートガバナンス」と時代の変化に先んじるための「デジタルイノベーション」があり、「グローバル住設事業」「新領域事業」の2つの事業軸と、全社最適視点で横串を通す3つの全社横断革新活動です。
<グローバル住設事業について>
・日本住設事業
日本では、新築住宅着工戸数が減少し、ストック型社会への移行が進む中、日本住設事業においては、リモデル(住宅・パブリック)に注力しています。住宅リモデルでは「あんしんリモデル戦略」の推進により、お客様のリモデルへの不安を取り除くことに加え、デジタルを活用しリモデルへの期待感が高まる情報を発信します。パブリックではTOTOが創り出した清潔なトイレ文化を世界に発信します。新型コロナウイルス感染症拡大の影響を踏まえ、お客様の衛生的な空間と快適な暮らしへのニーズの高まりに対応した商品の提案・開発を強化します。
これらの戦略推進により、強固な事業体質を確立・維持します。
・海外住設事業
中国大陸事業
中国大陸では、国民の所得増加に伴い、温水洗浄便座が普及し始めています。中国大陸事業においては、更なるブランド価値向上を目指し、市場環境や消費者の購買行動の変化などを捉えながら、「ウォシュレット」のプロモーション強化等を通じて事業活動を推進しています。
アジア・オセアニア事業
アジア諸国・地域についても、所得水準の上昇や下水道普及に伴い、TOTOブランドの認知度が高まっています。アジア・オセアニア住設事業においては、各国・地域の販売基盤を更に強化すると共に、将来の需要増加を見据えた「世界の供給基地」として工場建設を進めています。
米州事業
米州においては、温水洗浄便座市場が引き続き拡大しており、フラッグシップ商品の「ネオレスト」や高い節水性能を有する「トルネード洗浄大便器」と共に、TOTOブランドへの支持を広げています。
欧州事業
欧州においても、「ウォシュレット」を中心に、デザインと機能を融合させたTOTOらしい商品の販売・サービスネットワークを更に拡充し、きれいで快適な水回りを広めています。
<新領域事業について>
セラミック事業
DX(デジタルトランスフォーメーション)時代の本格的な到来に伴い、世界中でAIや自動運転など、さまざまな形で変革がもたらされています。その礎となる先端半導体は、今や社会における成長・発展の鍵となっており、製造プロセスが高精度化の一途をたどる中においても、先端半導体の開発は今後も一層加速していきます。進化が続く半導体に対し、自らDXによる変革を取り込むことにより高い技術を更に積み上げ、精密セラミック製品を通じ、半導体の未来と社会の発展を支えていきます。
<全社横断革新活動について>
・全社最適視点での商品戦略を担う「マーケティング革新」
日本発のコアテクノロジーをグローバルでも共通基盤技術として活かしながら、エリアごとの市場や特性に応じた商品企画・開発を推進し、世界に通用する美しく快適な商品を展開しています。デザインとテクノロジーの融合をグローバル統一プロモーションとして世界へ発信しています。
・モノ・情報の流れを最適・高速化し、魅力ある商品をお客様へお届けする「デマンドチェーン革新」
原材料調達から、お客様施工現場到着までの流れにおいて高速サプライチェーンを構築する「サプライチェーン革新」と、全社最適の商品開発・生産体制で既成概念を超えた新たな発想によるもの創りを進める「もの創り革新」からなる「デマンドチェーン革新」の活動を推進しています。これまで日本で培ってきた、商品企画から、研究開発、購買、生産、物流、販売、アフターサービスまで一体となった活動をグローバルに展開し、お客様のご要望に素早く効率的に応える体制を構築しています。
(当期までの主な進捗状況)
・「サプライチェーン革新」では、リスクに備えたBCP※対応強化と「納期乖離」「棚卸資産」「サプライチェーンコスト」の極小化という三律背反課題にグローバルで生産・販売一体となって取り組んでいます。世界的な需要増による電子部品の逼迫や、中国大陸における新型コロナウイルス感染症拡大の影響により一部の商品で供給が滞りましたが、安定供給体制の再構築に取り組んだ結果、納期は正常化しています。
今後も安定供給を継続するBCP体制の確立を図りながら、事業体質の強化に取り組んでいきます。
・「もの創り革新」では、開発プロセスにおける設計のプラットフォーム化、生産プロセスにおける自動化を中心としたスマートファクトリー化などに加え、高精度なCAE解析を活用したデジタル検証や製造工程のリアルタイムデジタル化によるビッグデータ解析など、DXと融合させたもの創りプロセスへの変革を推進しています。今後も、サステナブルプロダクツをスピーディに世界中のお客様にお届けするため、強靭なもの創り体制を構築していきます。
(※)BCP:Business Continuity Plan(事業継続計画)
・イキイキとチャレンジできる会社・社員が誇りに思える会社をつくる「マネジメントリソース革新」
ダイバーシティの更なる進化を目指し、「多様な人財」が「多様な働き方」で活躍できる職場づくりに取り組んでいます。また、場所と時間を柔軟に活用できる「多様な働き方の実現」を推進しています。
(当期までの主な進捗状況)
・女性、障がいをお持ちの方、性的マイノリティの方など、多様な人財が活躍できる職場づくりを推進しました。職場におけるLGBTQなど性的マイノリティへの取り組みの評価指標である「PRIDE指標2022」で「ゴールド」を受賞しました。今後も多様な人財の活躍を後押しし、会社の成長につなげ、選ばれる会社を目指していきます。
・全世代のチャレンジ・活躍推進に向け、国内すべての当社グループ社員の定年年齢を現在の60歳から65歳に段階的に引き上げます。あわせて、職場をけん引するリーダーの活躍に対して、よりタイムリーに報いるため、管理職社員資格を統合し、過去の評価や経験にとらわれず、現在担う役割と成果に応じた処遇へと見直しを行いました。引き続き、全世代が能力を最大限に活かし、チャレンジできる風土醸成を進めます。
・多様な働き方の実現に向けて、働きやすい職場づくりに取り組み、場所と時間を柔軟に活用できる働き方のひとつである在宅勤務や有給休暇取得を推進しました。今後は、コロナ禍で進んだ「在宅勤務・WEB会議のメリット最大化」と「リアルコミュニケーション」を組み合わせ、更なる生産性の向上を目指します。また、現業職場における働きやすい職場づくりやIT環境の整備を推進していきます。
・DX推進のためのリテラシーの向上やRPAにより業務効率化を推進できる開発力の向上に向け、DX基礎知識のeラーニングやIT応用スキルの研修機会の拡充を進めました。
<TOTOグローバル環境ビジョンについて>
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当社グループでは、さまざまな事業活動と「TOTOグローバル環境ビジョン」が一体となり、「新共通価値創造戦略 TOTO WILL2030」の達成を目指しています。このビジョンでは、グローバルで取り組む3つのテーマとして「きれいと快適」「環境」「人とのつながり」を掲げ、きれいで快適な暮らしを世界に届け、環境にやさしいものづくりを行い、人とのつながりを大切に活動しています。 |
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これらの取り組みにより、環境や社会的価値、経済価値を同時に実現し、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」についても貢献していきます。 |
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また、当社グループでは、主要国の中央銀行や金融規制当局などが参加する国際機関である金融安定理事会(FSB)が設置した「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言にも賛同し、気候変動が及ぼす機会とリスクを分析し、情報開示しています。加えて、当社グループでは、2050年のカーボンニュートラルを目指して、使用する電力を100%再生可能エネルギーとすることを目指す国際的イニシアチブ「RE100」への加盟、科学的根拠に基づいたCO₂排出削減目標の認定制度である「SBT(Science Based Targets)」の取得など、マイルストーンを設定し、従来からのCO₂削減の取り組みに加え、再生可能エネルギーの調達拡大などを推進しています。 |
(当期までの主な進捗状況)
「きれいと快適」
目指す姿として、「きれい・快適を世界で実現する」「すべての人の使いやすさを追求する」を設定し、「きれいで快適なトイレのグローバル展開」に取り組んでいます。
「除菌」「防汚」「清掃」の技術(「きれい除菌水」「セフィオンテクト」「フチなし形状/トルネード洗浄」)や「タッチレス」などの非接触技術の提案、「ウォシュレット」に代表される「快適なトイレ」の提供を通じて、清潔で健康的な生活環境を世界中に提供しています。
これにより、SDGsのテーマ「3:すべての人に健康と福祉を」などに貢献しています。
「環境」
目指す姿として、「限りある水資源を守り、未来へつなぐ」「地球との共生へ、温暖化対策に取り組む」「地域社会と共に、持続的発展を目指す」を設定し、「節水商品の普及」や「CO₂排出量削減」、「地域に根付いた社会貢献活動」に取り組んでいます。
「節水商品の普及」により、限りある水資源を守ると共に、「TOTO水環境基金」の活動により、生活用水不足や衛生環境の改善を進めている団体への支援を続けています。これにより、SDGsのテーマ「6:安全な水とトイレを世界中に」などに貢献しています。
「人とのつながり」
目指す姿として、「お客様と長く深い信頼を築く」「次世代のために、文化支援や社会貢献を行う」「働く喜びを、ともにつくり、わかち合う」を設定し、「お客様満足の向上」「社員のボランティア活動推進」「働きやすい会社の実現」に取り組んでいます。
「早く、確実、親切な」アフターサービスの提供やショールームでの提案活動によるお客様満足の向上、植樹活動や地域清掃等のボランティア活動への社員の参加促進などにより、人とのつながりを大切にしています。
また、「多様な人財の個性を尊重するダイバーシティ活動の推進」や「働き方改革」により、当社グループ社員が「働きがいのある人間らしい仕事」をして、イキイキと働けるよう活動を推進しています。これにより、SDGsのテーマ「8:働きがいも経済成長も」などに貢献しています。
・環境(気候変動)
「ガバナンス」
当社グループは、気候変動が及ぼす影響を重要な事業リスクと認識しています。社長執行役員を委員長とする「サステナビリティ委員会」を年2回開催し、気候変動を含むサステナビリティに関する課題について審議・執行すると共に、取締役会においてその状況を監督しています。
「リスク管理」
当社グループでは、「TOTOグループリスクマネジメント方針」を策定し、リスクマネジメントに取り組んでいます。気候変動を含む事業に関わるリスクを「リスク管理委員会」で評価し、事業や社会に大きな影響を及ぼす恐れのあるリスクを「重大リスク」として抽出、管理し、取締役会へ報告しています。
また、各事業部門・事業所では、環境に関わるリスクについて、環境マネジメントシステムのもとで管理しています。
「戦略」
当社グループは、2050年にカーボンニュートラルで持続可能な社会の実現を見据え、「新共通価値創造戦略TOTO WILL 2030」を策定し、地球環境に負荷をかけずに豊かで快適な未来社会を実現すると共に、経済的成長の実現を目指しています。重要課題であるマテリアリティを「きれいと快適」「環境」「人とのつながり」として、サステナビリティ経営に取り組み、地球環境に負荷をかけずに豊かで快適な未来社会を実現すると共に、経済的成長の実現を目指します。
また「きれいと快適」「環境」を両立するTOTOらしい水まわり商品群「サステナブルプロダクツ」の普及拡大に向け取り組んでいます。
気候変動が事業に及ぼすリスクと機会の分析
TCFDの定義する分類(移行リスク、物理的リスク、機会)に基づき、気候変動が事業に及ぼす可能性のある長期的なリスクと機会を特定し、シナリオ分析を行っています。
<シナリオ分析の概要>
分析では、国際エネルギー機関(IEA)や気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の予測を参照し、産業革命前からの世界の平均気温上昇を2℃あるいは4℃未満にするためのシナリオに基づき、2030年の社会状況を想定し、リスクと機会が事業に及ぼす影響を試算しました。この分析の結果、どちらのシナリオにおいても、コストの増加や自然災害の影響を受けるリスクがある一方で、節水商品による貢献の機会拡大が見込まれることを確認しました。
当社グループは、カーボンニュートラルで持続可能な社会の実現に向けて省エネ改善や大型設備の更新を進め、再生可能エネルギーの導入を加速させると共に、サステナブルプロダクツを普及し、環境性能を高めることにより、社会や環境への貢献を果たしていきます。
<2030年の社会状況の想定>
2℃シナリオの社会状況
・環境政策、規制が大幅に強化され、炭素税の導入などによる炭素価格の高騰や、再生可能エネルギーの導入が進む。
・気温上昇の影響が抑制されるため、自然災害の規模や頻度は現在と大きく変わらない。
4℃シナリオの社会状況
・温室効果ガス排出量削減のための環境規制の大幅な強化はない。
・自然災害の影響が増大する一方で、水需要は拡大する。
<財務への影響度とその対応について>
2030年の社会状況が自社に与えるリスクと機会について分析し、その対応を検討しました。
「指標と目標」
当社グループは、2050年のカーボンニュートラルで持続可能な社会の実現を目指し、SBT(Science Based Targets)に基づいた指標と目標を策定しています。
<事業所からのCO2総排出量の削減に対する目標>
事業所からのCO2総排出量の削減については、2030年までに2018年度比30%削減する目標を設定し、SBTの認定を受けています。省エネ改善や大型設備の更新などにより、事業活動におけるエネルギー消費量の最小化によってCO2総排出量の削減を進めると共に、グループ全体で再生可能エネルギーを積極的に導入し、再生可能エネルギーの導入率を2030年までに90%、2040年には100%とする計画を立て、推進しています。
<商品使用時のCO2排出量の削減に対する目標>
商品使用時のCO2排出量削減についても、SBTの認定を受けています。2030年までに2018年度比で15%削減するという目標を実現するため、節水・節湯効果が高い商品を開発すると共に、それをグローバルに展開することで、商品使用時のCO2排出量と水消費量の削減に取り組んでいます。
・人的資本
(1)全世代チャレンジに向けた人財育成と環境整備に向けた方針・取組み
①人財育成方針
(ⅰ)「多様な人財」の活躍
年齢や国籍、障がいの有無、性のあり方(性的指向、性自認、性表現等)など、多様な人財の個性を尊重し、そこから生まれる新しい発想によって、豊かで快適な生活文化の創造を目指します。
イ ダイバーシティの推進
企業理念の一つ「一人ひとりの個性を尊重し、いきいきとした職場を実現します」のもと、入社から退職まで全世代チャレンジに向けて、誰もが個性を発揮し、活躍できる職場を目指しています。世の中の環境変化に柔軟に対応し、多様化するお客様のニーズを捉え、新しい価値を提供するため女性活躍をはじめ、障がいの有無、シニア、国籍の違い、LGBTQなど多様な人財がお互いを尊重し、学び合う事で多様な価値観が受容され、一人ひとりの能力を最大限に発揮できる職場風土づくりを進めています。
ロ 海外グループ会社の幹部育成
持続的な海外事業の成長を目指すためには“国・地域を超えたグローバルでの連携”と“現地社員の力”が重要であり、2022年度より海外グループ会社合同研修を日本にて継続開催しています。企業理念を軸とした経営判断力、ガバナンス・経営管理リテラシーを高めた海外グループ会社の幹部候補を育成し、TOTOらしいリーダーシップを発揮することにより 、海外事業の伸長・拡大と世界中のTOTOファンづくりを目指します。
(ⅱ)「多様な働き方」の実現
場所と時間を柔軟に活用できる多様な働き方でチャレンジを促す職場づくりを推進します。
イ キャリアとライフイベントの両立支援
すべての社員が、仕事とライフイベントとのバランスをとりながら、キャリアを継続することができるよう、結婚・出産・育児・介護を事由に一時的に希望勤務地での就業を選択できる勤務地限定制度、また仕事と育児・介護・自身の病気治療との両立を含め、業務特性に応じた在宅勤務等、さまざまな働き方の選択肢を充実させていきます。
ロ DX人財の育成
新たな顧客価値や業務プロセス変革などを実現できるDX人財の育成のため、IT知識、スキルを基礎から応用まで学べる研修機会を充実させ、当社グループで働く全ての方々がDXを自分ごととして捉え、業務に活用できるように、いつでも、どこでも学べる環境を構築します。
②社内環境方針
健康で安心して働ける環境づくり
良き品物を作る前に良き人を作ること及び会社そして社会の持続的な発展を目指し、健康経営を推進します。
健康経営の実践
「健康管理」「メンタルヘルス対策」「感染症対策」「健康増進(健康づくり)」の4つを重点的な取組みとして掲げ、社員も家族も最大限のパフォーマンスを発揮できる環境の実現を目指します。
(2)各取組みに関わる指標や実績・目標
※当社グループで働くすべての人々は「次世代を築く貴重な財産である」という考えから、「人材」ではなく「人財」と表記しています。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
(1)リスクマネジメント体制
当社グループは、リスクマネジメント体制として、代表取締役社長執行役員のもと、代表取締役副社長執行役員を委員長とし、重大リスクを担当する執行役員・部門長などで構成される「リスク管理委員会」を設置しています。毎年、ステークホルダーに大きな影響を及ぼす恐れのある重大リスクを抽出し、ブランドの毀損・人的影響・金額的影響の観点から、影響度と発生頻度をマトリクスで評価し、リスク管理委員会でモニタリングを行っています。
(2)リスクマネジメントの活動サイクル
重大リスクに対しては、リスク管理統括部門長を任命しており、各リスク管理統括部門長が中心となってリスクの未然防止活動とリスク対応力の向上に努めています。リスク管理統括部門は、リスクマネジメント規定に基づき、各種委員会や会議などを通して、全部門並びにグループ会社と連携して、活動のPDCAを回しています。
(3)各リスクと対応策
①情報システム障害の発生
当社グループはほとんど全ての業務において、コンピュータシステム及びコンピュータシステムを結ぶ通信ネットワークを利用しています。コンピュータシステムや通信ネットワークの環境は年々複雑化・高度化しており、当社グループは信頼性向上のためさまざまな対策を実施し、業務を継続的に運営できる体制を整備していますが、自然災害、テロ、外部からのハッキングやコンピュータウィルス、人為的ミス等により、コンピュータシステム及び通信ネットワークの不具合、故障が生じる可能性があります。この場合は、業務が一時的に中断し、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
②大規模災害
当社グループは、日本をはじめ世界各地に事業拠点を展開しており、大地震や大津波、台風、洪水などの自然災害、戦争、テロ行為等の事象に伴う惨事、自社建物設備での火災や爆発等の被害、電力等のインフラ停止により混乱状態に陥る可能性があります。そのため、事業継続計画(BCP)を策定しており、実際に大規模災害が発生した場合には、発生直後から対策本部を立ち上げ、事業継続と被害最小化に努めています。さらに、海外を含む全グループを対象に、実践的なリスクシミュレーションを継続的に実施し、リスク対応力強化を図っています。しかしながら、想定を上回る規模の災害が発生した場合には、当社グループの設備の損害だけでなく貴重な人的資源に重大な影響を与え当社グループの事業活動の一部又は全体に大きな支障をきたす可能性があります。この場合、事業拠点の移転や損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生し、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に大きな影響が及ぶ可能性があります。
③人財の獲得競争の激化
当社グループの将来の永続的な成功は、人財がその能力を高め、会社に継続的に貢献し続けることと考え、経営理念に共感する人財を計画的に確保し、自律人財の育成に注力しています。従って、有能な人財の継続的な確保・育成ができない場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を受ける可能性があります。
④グローバル事業における地政学的リスク
当社グループは、グローバルで事業活動を展開しています。しかしながら、海外では為替リスクに加え、政情不安、経済動向の不確実性、宗教や文化の相違、商習慣に関する障害、さらには投資・海外送金・輸出入・外国為替などの規制の変更や税制の変更等さまざまな政治的、経済的もしくは法的な障害を伴う可能性があり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を受ける可能性があります。そのため、当社グループでは、各拠点にリスク管理推進者を配置すると共に、海外危険情報の迅速な収集と展開に努めています。
⑤気候変動
気候変動抑制のため、地球温暖化対策の推進に関する法律など、温室効果ガス排出削減を目的とした規制が強まっています。これらに伴う新たな税負担、原材料やエネルギー調達コストの増加は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、これらのリスクによる影響については、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に基づくシナリオ分析と評価を実施し、その結果を情報開示しています。
⑥サプライチェーンを含めたコンプライアンス違反
当社グループでは、サプライヤーを含め、人権を尊重し、法令や社会的ルールを遵守しながら公正・透明な行動を推進する組織文化の醸成に取り組んでいます。しかしながら、一部の地域における事業運営において、ガバナンス不全や社内管理の不備により、損失の発生並びに当社グループの社会的評価に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループでは、年4回開催するコンプライアンス委員会において、グローバルでのコンプライアンス教育・モニタリング等の年度計画・実施結果を確認・承認するプロセスを盛り込んでいます。
⑦原材料等の調達障害
当社グループの製造事業にとって、原材料及び部品等を安定的かつタイムリーに入手することは不可欠であり、そのために当社グループ購買方針に基づき、サプライヤーと共にグローバルで原材料や部品の持続可能な調達を推進しています。近年の自然災害等に対する対応力強化としては、部品品目・生産拠点の把握、サプライチェーン寸断時の情報受付窓口開設、有事に備えた対策シミュレーションの実施等を通じて、リスク発生時の影響有無を即座に把握し、対策がとれる体制をサプライヤーと協働で構築しています。 しかしながら、サプライヤーの倒産等により供給が中断した場合や急激な需給環境の変化等による調達障害に対して、サプライヤーの変更や追加、あるいは他の原材料や部品等への切り替えをタイムリーに行うことができず、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を受ける可能性があります。
⑧感染症蔓延
当社グループでは、感染症蔓延に備え、在宅勤務等への切り替えが速やかにできる体制を整えています。また、サプライヤーの工場の操業停止により部品供給に遅延が生じた場合も、代替調達手段等の確保を行い、事業への影響の最小化に努めています。しかしながら、感染拡大が長期化した場合には、世界的な景気悪化、原材料や部品の調達に障害が生じる恐れがあり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に大きな影響が及ぶ可能性があります。
⑨市場環境の変動
当社グループは、主に住宅関連分野において事業活動を展開しています。そのため、日本の人口構造変化によって新築住宅市場が縮小するなど、需要が大幅に変動した場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑩競合他社との競争激化による急激な製品価格下落
当社グループは、多岐にわたる製品の開発・生産・販売・サービスを行っており、さまざまな企業と競合しています。将来にわたって競争優位に展開できない可能性があり、また競合他社との競争が激化した場合は、製品価格下落により当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループでは、高付加価値商品の開発やブランド価値向上に向けた活動、コストリダクション活動などに積極的に取り組み、競争力の維持・強化を図っています。
⑪製品の欠陥
当社グループは、厳格な独自品質基準に基づき、製品の品質確保に細心の注意を払っています。また、万一、製品事故が発生、又は発生を予見させる兆候が発覚した場合には、お客様をはじめ関係者から迅速に情報を収集すると共に、社外の販売事業者などとも協力し、適切な情報開示に努めています。しかしながら製品に欠陥が生じた場合、欠陥に起因する直接的・間接的損害に対して、当社グループは製造物賠償責任保険で十分補償しきれない賠償責任を負担する可能性や多大な対策費用の支出が生じる可能性があります。また当該問題に関する報道により、当社グループのブランドイメージの低下、顧客の流出などを招き、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑫環境に関する規制
当社グループは、大気汚染、水質汚濁、土壌・地下水汚染、有害物質の取扱い・除去、廃棄物処理などを規制するさまざまな環境関連法令の適用を受けています。また、環境規制の強化によって、工場の移転・停止や設備投資などが必要となる可能性もあります。当社グループはこれら法令・規制に細心の注意を払い事業活動を行っていますが、過去・現在及び将来の事業活動において、環境に関する費用負担の増加や賠償責任が発生する可能性があり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑬機密情報・個人情報の漏えい
当社グループは、事業活動において顧客等のプライバシーや信用に関する情報(顧客等の個人情報を含む)を入手したり、他企業等の情報を受け取ることがあります。当社グループは、これらの情報の秘密保持に細心の注意を払い、情報の漏えいが生じないよう最大限の管理に努めていますが、不測の事態により情報が外部に流出する可能性があります。この場合には、損害賠償等の多額な費用負担が生じたり、当社グループの事業活動やブランドイメージに影響が及ぶ可能性があります。また当社グループの事業上の重要機密が第三者に不正流用される恐れもあり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑭訴訟の提起
当社グループは、グローバルで多岐にわたる事業展開をしており、その事業活動に関連して製造物責任、労働問題等に関し訴訟を提起される可能性があります。その結果によっては、損失発生、信用低下などが生じ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑮労働安全衛生
当社グループは、業務上災害ゼロ、業務上疾病ゼロを目指して、安全で快適な職場環境の実現に努めています。安全衛生・警防中央委員会で全社方針や基本施策等を定め、各事業所への浸透を図ると共に、各事業所では、安全衛生委員会を毎月開催し、安全衛生活動についての課題共有と対策立案・推進を行っています。しかしながら、不測の事態により重大な労働災害、労働法令違反、長時間労働等が発生した場合には、行政処分等を受け事業活動に支障が生じることが考えられ、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑯風評被害
当社グループは、法令遵守違反などの不適切な行為が発覚した場合は、速やかに適切な対応を図っていますが、当社グループに対する悪質な風評が、マスコミ報道やインターネット上の書き込み等により発生・流布した場合は、それが正確な事実に基づくものであるか否かにかかわらず、当社グループの社会的信用が毀損し、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑰急速な技術革新
当社グループの事業分野において、急速な技術革新により、他社が先行して生産性や競争力を向上させる、あるいは新たなビジネスモデルを創造などした場合、当社グループの競争優位性が相対的に低下することで財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループでは、要素技術とデジタル技術の融合による商品展開力の強化や生産・製造革新活動による生産性の向上などに積極的に取り組み、新たな顧客価値の創出を図っています。
⑱知的財産権侵害
当社グループでは当社ブランドの価値を高め、お客様にとって価値のある信頼性の高い商品を提供するために知的財産権を適切に創出・資産化(権利化・秘匿化)・活用しています。しかしながら、一部の地域・国では知的財産権による完全な保護が受けられない場合があり、当社グループの知的財産権が侵害される可能性や第三者が保有する知的財産権に影響を及ぼす可能性があります。その結果、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループでは、権利行使や模倣対策など、侵害品に対する強い姿勢を示すことで、当社グループの知的財産権が侵害されるリスクを未然に防止しています。また、事業戦略立案時に知財情報を調査・分析し、第三者の知的財産権を尊重した開発活動を推進することで、第三者が保有する知的財産権に侵害するリスクを未然に防止しています。
業績等の概要
(1)業績
①当連結会計年度の状況
当連結会計年度(2022年4月1日から2023年3月31日まで)におけるわが国の経済は一部に弱さが見られるものの、緩やかに持ち直しています。しかし、世界的な金融引き締め等を背景とした世界経済の下振れが、わが国の経済を下押しするリスクとなっています。また、同時に物価上昇や供給面の制約等についても懸念があります。
このような事業環境の中、当社グループは「新共通価値創造戦略 TOTO WILL2030」を実現していくための最初の3年間の経営課題である、中期経営課題(WILL2030 STAGE1)に基づき、「日本住設事業」「海外住設事業」の2つの事業で構成される「グローバル住設事業」と「セラミック事業」で構成される「新領域事業」の2つの事業軸で活動を推進しました。
当社は、「きれいと快適」「環境」を両立するTOTOらしい商品を「サステナブルプロダクツ」と位置付け、これらの商品をグローバルで普及させることにより、地球環境に配慮した、豊かで快適な社会の実現に貢献しています。
その結果、当連結会計年度の業績は、売上高が7,011億8千7百万円(前期比8.7%増)、営業利益が491億2千1百万円(前期比5.9%減)、経常利益が547億6千万円(前期比3.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が389億4千3百万円(前期比3.0%減)となりました。
セグメントごとの業績は、次のとおりです。なお、セグメントごとの売上高については、外部顧客への売上高を記載しています。
②セグメントの状況
■グローバル住設事業
当連結会計年度の業績は、売上高が6,514億2千1百万円(前期比5.9%増)、営業利益が323億4千8百万円(前期比29.3%減)となりました。
a.日本住設事業
当連結会計年度の業績は、売上高が4,627億8千万円(前期比5.0%増)、営業利益が194億5千6百万円(前期比14.9%減)となりました。
当社グループにおいては、住宅向け需要を中心にリモデル・新築ともに堅調に推移し、一部供給が滞っていた商品の納期も正常化したことにより、売上高は前年より伸長しました。
TOTO、DAIKEN、YKK APは、2002年2月のアライアンス開始より20周年を迎え、新たなアライアンスメッセージ「暮らしの中に笑顔を。」を発信しました。人と社会へ貢献するわたしたちの約束として「グリーンリモデル」を中心に据え、お客様の暮らしの想いを叶えるライフスタイルの提案「十人十家」の推進と共に新たなリモデル価値提案活動を推進しています。
2018年度から取り組む「あんしんリモデル戦略」を進化させ、デジタルを活用した提案や情報発信などを拡充しています。リモデルのすべての工程において、お客様の不安やお困りごとに応える取り組みを加速させています。
当社グループが創り出した清潔なトイレ文化を世界へ発信していくことに加え、新型コロナウイルス感染症拡大を踏まえ、衛生的な空間と新しい生活様式に対応した商品の提案・開発を強化しています。
b.海外住設事業
<中国大陸事業>
当連結会計年度の業績は、売上高が851億2千6百万円(前期比7.9%減)、営業利益が81億3千7百万円(前期比48.4%減)となりました。
当社グループにおいては、新型コロナウイルス感染症再拡大の影響を受けましたが、徐々にその影響からは脱しつつあります。引き続き、市場環境や消費者の購買行動の変化などに注視しつつ、事業活動を推進しています。
また、中国大陸の長期的な市場成長による需要増に対応するため、効率的な生産と最適な供給体制の構築を進めています。加えて、中国大陸における更なるブランド価値向上を目指し、「ウォシュレット」のプロモーション強化を通じて普及拡大に努めています。
<アジア・オセアニア事業>
当連結会計年度の業績は、売上高が447億5千3百万円(前期比37.8%増)、営業利益が71億4千万円(前期比34.6%増)となりました。
当社グループにおいては、各国・各地域の新型コロナウイルス感染症拡大による制約は解消に向かっています。新興国市場での販売力を強化すると共に、世界の供給基地としてベトナム、タイでの生産体制を充実させ、日本発の高級ブランドとしての認知を活かした事業活動を推進しています。
各地域の市場成長に合わせて、5スターホテルや高級コンドミニアムなどの著名物件及び個別散在物件の受注強化のため、販売網の強化や積極的なプロモーション展開による「ウォシュレット」の普及、アフターサービス体制の整備に取り組んでいます。
<米州事業>
当連結会計年度の業績は、売上高が534億5千9百万円(前期比20.6%増)となったものの、物流コストの高騰影響が大きく、営業損失が10億8千7百万円(前連結会計年度は営業利益29億1千1百万円)となりました。
米国における急速なインフレ進行、金利上昇等による不動産市場の悪化環境下においても、「ネオレスト」「ウォシュレット」は引き続き堅調な実績を維持しています。更に温水洗浄便座認知層の拡大及び「ネオレスト」「ウォシュレット」の拡販を進めていくと共に、市場環境、消費者の購買行動の変化を注視しながら事業を推進しています。
当社グループにおいては、中高級市場において清潔機能を中心に価値伝達を強化し、商品優位性によってブランド価値を高め、競合他社との差別化を図っており、「ウォシュレット」をはじめ、高い節水性能(洗浄水量3.8L)を有する節水便器及び「ネオレスト」などの快適性、デザイン性がお客様に評価されています。
ショールーム展示の拡充やホームページの充実、eコマースの整備など、お客様接点の強化や効率的な供給体制づくりを推進しています。
<欧州事業>
当連結会計年度の業績は、売上高が53億2百万円(前期比11.5%増)、営業損失が12億9千7百万円(前連結会計年度は営業損失10億6千万円)となりました。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響による事業活動への制約は概ね解消しましたが、ドイツにおける国策影響(省エネ改修支援政策)により、一時的に水まわり需要の減少が見られました。
当社グループにおいては、引き続き欧州のお客様の嗜好に沿うデザイン性の高い商品の販売、ショールーム展示を通じてお客様への価値訴求を強化しています。
ドイツ、フランス、イギリスを中心に、販売チャネルの構築及び著名物件の獲得を進めており、販売代理店におけるショールーム展示の質の向上や、施工店の開拓・拡大に注力しています。「ウォシュレット」や「ネオレスト」など差別化商品の認知が向上し、ホテルなどの高級現場における商品の採用が進んでいます。
■新領域事業
<セラミック事業>
当連結会計年度の業績は、売上高が494億8千8百万円(前期比64.3%増)、営業利益が193億8千5百万円(前期比107.7%増)となりました。
第4四半期には半導体需要が減速しましたが、年間を通して需要が増加したことで、半導体の製造装置に採用されている当社セラミック製品の売上も増加しました。また、主要商品の新規・交換需要の取り込みが進み、増益に寄与しています。
TOTOオンリーワン商品の開発・価値提案、スマートファクトリーの更なる進化、グローバルサプライチェーン等による強固な事業基盤構築で、アフターコロナにおけるニューノーマル及びDX(デジタルトランスフォーメーション)による社会変革を支えています。
■その他
<社外からの評価について>
・ESG投資指標に選定
グローバルな環境情報開示システムを運営する国際的NGOであるCDPより「サプライヤー・エンゲージメント評価」において、最高評価の「サプライヤー・エンゲージメント・リーダー」に選定されました。また、世界的な投資調査・評価機関である、米国のS&P Global社が行ったサステナビリティ評価「The Sustainability Yearbook - 2023 Rankings」において、「Top 10%」に選定されました。今回で8回目の選定となります。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の期末残高は974億9千3百万円となり、前連結会計年度末の896億1百万円に比べ、78億9千2百万円の資金増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により315億7千9百万円の収入となりました。これは、税金等調整前当期純利益599億7千5百万円、減価償却費314億1千2百万円、仕入債務の増加額32億円等の収入と、棚卸資産の増加額310億9千2百万円、法人税等の支払額153億6千6百万円等の支出によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により352億6千9百万円の支出となりました。これは、定期預金の払戻による収入16億6千6百万円等の収入と、有形固定資産の取得による支出277億5千2百万円、無形固定資産の取得による支出85億7千9百万円等の支出によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により87億7千9百万円の収入となりました。これは、コマーシャル・ペーパーの発行による収入432億円の収入と、コマーシャル・ペーパーの償還による支出132億円、配当金の支払額169億5千6百万円等の支出によるものです。
(3)資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要は、運転資金と設備投資があります。
運転資金としては、製品製造にかかる原材料等の購入費や管理費等があります。
設備投資としては、生産設備への投資、生産工場への投資や、ショールーム投資、情報化投資等があります。
配当性向につきましては、親会社株主に帰属する当期純利益の40%を目処とし、業績に連動した利益還元を目指しつつ、安定的な配当の維持に努めてまいります。
当社グループの資金調達は、設備投資に必要な資金及びその他の所要資金には手元資金を充当することを基本方針とし、その他ではグループ内ファイナンスを有効に活用することにより、効率的な資金調達をしています。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たり用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
日本住設事業 |
402,237 |
5.7 |
|
中国大陸事業 |
94,524 |
△13.0 |
|
アジア・オセアニア事業 |
108,435 |
56.8 |
|
米州事業 |
65,239 |
34.5 |
|
欧州事業 |
5,226 |
5.3 |
|
グローバル住設事業計 |
675,664 |
10.4 |
|
セラミック事業 |
33,154 |
34.5 |
|
新領域事業計 |
33,154 |
34.5 |
|
報告セグメント計 |
708,818 |
11.3 |
|
その他 |
- |
- |
|
合計 |
708,818 |
11.3 |
(注)金額は、売価換算値で表示しています。
(2)受注実績
当社グループは概ね見込生産方式を採っていますので、受注の実績については記載を省略しています。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
日本住設事業 |
481,891 |
5.3 |
|
中国大陸事業 |
105,177 |
△2.8 |
|
アジア・オセアニア事業 |
86,646 |
30.2 |
|
米州事業 |
53,541 |
20.7 |
|
欧州事業 |
5,422 |
10.9 |
|
グローバル住設事業計 |
732,679 |
7.5 |
|
セラミック事業 |
49,488 |
64.3 |
|
新領域事業計 |
49,488 |
64.3 |
|
報告セグメント計 |
782,168 |
9.9 |
|
その他 |
326 |
13.6 |
|
内部売上消去等 |
△81,307 |
- |
|
合計 |
701,187 |
8.7 |
(注)主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
前連結会計年度、当連結会計年度共に販売実績が総販売実績の100分の10以上を占める相手先がないため、記載を省略しています。
技術許諾契約
|
契約会社名 |
契約相手先名称 |
国名 |
契約内容 |
対価の受取 |
契約期間 |
|
TOTO㈱ (当社) |
厦門和利多衛浴科 |
中国 |
便座・便蓋・排水弁等の製造技術等の提供 |
一定料率のロイヤルティ |
2019年12月31日から 2029年12月31日まで |
技術許諾契約
|
契約会社名 |
契約相手先名称 |
国名 |
契約内容 |
対価の受取 |
契約期間 |
|
TOTO㈱ (当社) |
P.T.SURYA TOTO INDONESIA Tbk |
インドネシア |
水栓金具の製造技術等の提供 |
一定料率のロイヤルティ |
2019年3月1日から 2024年2月28日まで |
研究開発部門では、デザインと機能を融合させ、きれいで快適な空間を実現するために、当社グループにしかできない「オンリーワン技術」を進化させ、当社グループならではの価値をお客様に提供しています。
|
創立以来当社グループでは、さまざまな商品やサービスの研究開発を通じて、たくさんのものづくりの技術を培ってきました。人間工学、感性工学といった、人の動きや感覚を数値化し、論理的に使いやすさや快適性を実現する「人を見る」技術。流体制御、電子制御、水の改質といった、水の流れ方、性質を変えることで、より快適で清潔な機能を実現する「水の力を最大に活かす」技術。表面制御、素材・プロセス、分析といった、素材そのものの性質や素材表面の特性を変えることで意匠性、防汚性、耐久性などを向上させる「素材を深く知る」技術。これらを有機的に結合させたうえで、「環境配慮」「ユニバーサルデザイン」「デザイン」といったお客様価値を創出し、魅力ある商品・技術を創出してきました。 2021年度より、理化学研究所のスーパーコンピュータ「富岳」を利用して、複雑なシャワー水栓の吐水などに「富岳」を適用させる研究を行っており、現実的なシミュレーション時間で計算できることを実証しました。当該年度も、具体的な商品開発に活用することを視野に入れ「富岳」の利用を続けています 今後も、水まわりにIoTなどのデジタル技術、さらに高度なシミュレーション技術を採り入れながら、環境への配慮と、きれいと快適を両立した水まわり商品「サステナブルプロダクツ」を世界中のお客様へご提供できるよう、研究開発に取り組んでまいります。 |
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は
当連結会計年度におけるセグメント別の活動内容、及び研究開発費は次のとおりです。
なお、各セグメントに配賦できない研究開発費が2,045百万円あります。
①グローバル住設事業
a.日本住設事業
日本市場においては、水まわり商品を進化させると共に、さまざまなライフスタイルにあわせた生活価値提案を行える商品の研究開発を進めています。
当連結会計年度において、レストルーム商品では、ウォシュレット一体形便器「ネオレスト」に新たに便器部に継ぎ目がなくデザイン性が高い「LS」を加えて品揃えを拡充し、グローバル統一モデルとして全タイプをモデルチェンジしました。当商品には、新機能として便座裏に「きれい除菌水」のミストをかけてきれいを長持ちさせる「便座きれい」を追加し、清潔機能の充実を図りました。
その他、パブリック洗面空間商品として、吸引・高速両面タイプのハンドドライヤー「クリーンドライ」を発売しました。当商品では、風の吹き返しや水滴飛散を抑える吸引式を採用し、加えて、微細な飛沫粒子を捕集するHEPAフィルターの搭載により、より清潔な風で手を乾かすことができます。
浴室商品では、クリーン技術「床ワイパー洗浄(きれい除菌水)」に床に残った髪の毛や泡をサッと流す新機能「床スッキリ」を追加し、また、ボタン一つで洗浄する「おそうじ浴槽」では戸建て2階浴室、マンションなどの低水圧に対応する新構造に進化させるなど、アイテムのリニューアルを行いました。
当セグメントに係る研究開発費は
b.海外住設事業
海外住設事業においては、日本で開発したコアテクノロジーをもとに、高機能・高品質を維持しながら、各国の規制や基準を満たした環境配慮商品の開発を行い、それぞれの地域に合ったデザイン設計を進めています。
当連結会計年度において、シャワー水栓ではグローバル統一モデルのラインナップを拡充し、世界各地で順次発売しました。シャワー水栓は「浴び心地」と「節水」を両立する吐水技術を進化させており、当社独自のノズルで波打つような水流を吐水する技術を、グローバル統一モデルであるオーバーヘッドシャワーとハンドシャワーにも採用しました。また、バスルーム空間とのコーディネート性を高めるため、シャワー水栓、水栓金具の形状はもとより、製品表面のデザインまで含めたデザイン性に優れた商品の研究開発に取り組んでいます。
海外住設事業に係る研究開発費は、合計で1,396百万円であり、各セグメントに係る研究開発費は、それぞれ中国大陸事業が
②新領域事業
セラミック事業においては、半導体の製造装置の分野で、静電チャック、構造部材などといった高品質・高精度セラミック製品の研究開発を進めています。
また、エアロゾルディポジション(AD)法を用いた緻密で密着力の高い「AD膜」の商材を増やし、幅広く採用いただいています。オンリーワン技術を活かした新領域事業の創出に向けて、さまざまな研究開発を行っています。
当セグメントに係る研究開発費は