文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、2021年8月に2021年中期経営計画を策定、公表いたしました。当社グループの70年を越える歴史の中で培ってきた経営資源と果たすべき社会的使命を勘案し、『コンクリートを通して、安心・安全で豊かな社会づくりに貢献する』という経営理念に基づき、2030年に向けた中長期の方向性『未来の社会生活基盤と地球環境を護る』を踏まえ、本計画での方針を『グループ経営の推進による競争力強化と事業拡大で、国土強靭化と地球環境に貢献する』と定め、持続的成長による企業価値向上に取り組んでまいる所存です。
本計画では、グループ経営の推進強化を通じて「既存事業の競争力強化」「土木分野の事業拡大による国土強靭化への貢献」「地球にやさしい製品の展開による環境経営の実現」に加え、「社員が成長できる環境づくりと女性活躍促進」「グループ社員の働き甲斐と幸せを実現できる企業」に向けて経営体質の改善に取り組んでまいります。
特に、環境への取り組みにおいては、当社創業100周年にあたる2048年までにネットCO2排出量ゼロを目標として掲げました。本計画期間では当社独自のCO2固定化・削減の技術を活かし環境投資を進め、環境製品(PAdeCS・エコタンカル等)を当社パイル・ポール等既存製品の原材料に使いCO2固定化商品として市場に投入することで、計画最終年度の2023年度に当社グループCO2全体排出量の30%に相当する約6千トン/年のCO2削減を目標にしております。また、これらの取り組みに加えて当社グループの環境技術を広く社会に展開することにより、環境商品で顧客に選ばれ、地球環境に貢献する企業として活動を進めてまいります。
(2) 経営環境及び対処すべき課題
不安定な国際情勢やエネルギー・原材料価格・物流費の上昇などリスクは依然としてあり、当社グループにとっても引き続き厳しい経営環境が継続するものと予想されます。
当社グループにおいては、次期は2021年中期経営計画の最終年度となりますが、計画策定時と比べ原材料価格の上昇やCOP出荷の急減など事業環境が大きく変化しており同計画の達成を目指すことは難しい状況にあります。かかる状況下、早期の業績回復を実現すべく経営改善計画を策定しました。主な取組事項は次のとおりです。
・聖域なき経費削減(業務の棚卸、組織等の見直し)
・製造コスト低減(工場生産体制・製造原価の見直し、生産効率化)
・トラブル対応コスト削減(製造および施工の品質管理強化)
・ポール、PC‐壁体の拡販
・原材料価格上昇分に適応した適正売価の浸透
・製造と販売の連携強化によるグループ全体での高利益体質の構築
また、2022年度の業績不振などを背景として当社株価が低迷したことで、2023年3月末におけるプライム市場上場維持基準判定において流通株式時価総額が基準を下回ったことから、2023年6月に適合計画書を提出いたしました。経営改善計画を着実に実行し業績を回復し復配すること、次期中期経営計画で成長の方向性を示すこと等で、上場維持基準への適合を目指してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「コンクリートを通して、安心・安全で豊かな社会づくりに貢献する」という経営理念に基づき、コンクリート二次製品の製造・販売および施工を通じて、社会生活基盤を長期間にわたり支える役割を果たしております。一方、昨今では気候変動をはじめとする環境問題等が顕在化し、企業における社会課題解決への取り組みの重要性が増す中、持続可能な社会の構築のため、当社グループにおいてもより高い視点・より長期的な観点での企業活動が重要との課題認識のもと、当社グループの中心に据える考え方として「サステナビリティ基本方針」を2021年12月に策定いたしました。
2022年1月には代表取締役社長を委員長、すべての執行役員を委員とするサステナビリティ委員会を設置しました。サステナビリティ基本方針に基づく重要課題(マテリアリティ)や具体的取り組みの計画・目標設定と進捗管理を実施し、当社グループにおけるサステナビリティへの取り組みを推進しております。また、取締役会に対して定期的に活動状況を報告し、監督機能の実効性を担保しております。
<サステナビリティ基本方針>
日コングループは、「コンクリートを通して、安心・安全で豊かな社会づくりに貢献する」という経営理念に基づき、お客様、取引先、株主・投資家、従業員、地域社会などのあらゆるステークホルダーを尊重し、変革の歩みを止めず成長していくことで、持続可能な地球環境や未来社会の構築に積極的に貢献します。
1.地球環境への貢献
企業活動が自然環境に与える影響の重要性を認識し、事業活動を通じて環境負荷の低減と循環型社会の構築に取り組み、より良い地球環境の実現に貢献します。
2.安心・安全な社会への貢献
事業や技術を常に革新し、お客様に満足していただける価値ある製品・サービスを提供することで、社会生活基盤を支え、安心・安全で持続可能な社会の実現に貢献します。
3.新たな価値を創造する組織形成と人づくり
従業員の成長無くしては、持続的な社会構築への貢献は不可能です。私たちは、多様な価値観を尊重し、健康的で働きがいのある職場環境づくりに努めるとともに、従業員が創造性を発揮できる組織づくりと人事・教育制度を整備することで、自ら変革と成長に取り組む人づくりを推進します。
4.社会からの信頼の確立
企業活動を取り巻くあらゆる法令を遵守することはもとより、一人一人が自らを律し、企業倫理を含めたコンプライアンスへの意識を徹底するとともに、責任ある企業として人権を尊重し、適時・適切な情報開示を通じて、社会から高い信頼を得る経営を実践します。
当社グループは、2021年中期経営計画において、環境への取り組みロードマップを策定・公表し、当社創業100周年にあたる2048年にCO2排出量ネットゼロ(2019年度比)の目標を掲げ、CO2排出量削減に向けて様々な取り組みを推進しております。先駆的に取り組んでいるCO2固定化技術を活用したグリーン製品の更なる展開を図るほか、産学連携を含めた環境負荷低減に向けた共同研究等を進めることで、事業活動を通じてより良い地球環境の実現に貢献いたします。CO2削減に向けた方針は次の4つであります。
<CCU材料の利活用>
①既存製品(ポール・パイル・土木製品等)をCO2固定化商品“グリーン製品”へ転換
②自社施工向けの資材としての利用(杭基礎現場で使用する固定化材料等)
③材料としての販売(畜産資材・中和剤・リン除去材等)
<エネルギーの高効率利用の検討>
④工場・輸送の省エネルギー化(燃料の切替、LED照明の導入、グリーン電力の使用等)
また、当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針は、次のとおりであります。
<人材育成方針>
自ら変革と成長に取り組む人づくりを目的とし、多様な個性・価値観を有する人材が、個々の能力を最大限発揮できる人事・教育制度の整備を体系的かつ網羅的に推進していきます。
<社内環境整備方針>
日コングループは、従業員が働きやすい環境下にあることが重要であるという認識のもと、各種制度の充実や従業員の意識改革によって環境整備を図り、全従業員が健康で働きやすい職場や風土づくりを積極的に推進します。
当社グループでは、全社的なリスク管理についてはリスク管理規定に基づいて実施しておりますが、サステナビリティ関連リスクについてはサステナビリティ委員会において、サステナビリティへの取り組みに関する計画策定・見直しに際して、リスクの認識・分析・評価とリスクへの対策を適切に実施してまいります。
当社グループは当社および連結子会社20社のCO2排出量の算定に取り組んでおり、2019年度から2022年度の各年度におけるCO2排出量実績(Scope1およびScope2)は次のとおりであります。今後はScope3の算定に加え、算定対象とする事業所の範囲も順次拡大していく予定です。
<CO2排出量の実績>
・Scope2の電力は、マーケットベースに基づき、前年度の電気事業者別排出係数一覧(環境省)を参照して算出しております。
・実績が取得できなかった一部のデータに関しては、製造量等に基づく推計により算出しております。
・集計拠点の実績データの追加により、2023年1月に公表したCO2排出量の数値を一部修正しております。
また、当社グループでは、上記「(2)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針に係る指標については、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標および実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。
(注)「男性労働者の育児休業取得率」および「労働者の男女の賃金の差異」の実績については、「第1 企業の概況 5 従業員の状況」に記載しております。
当社グループの経営成績及び事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 原材料価格の動向
最近の資源価格の動向は、国際的供給体制や国際需要により大きく変動する傾向にあり、一部に世界的供給サイドの寡占化が進むとともに、新興国を中心とした国際的需要拡大等により、国内経済の状況に関係なく変動する可能性があり、ポール・パイル等の主要原材料である鋼材・セメントや原油価格の上昇は、ポール・パイル等の製造コスト及び物流コストを押し上げる要因となります。当社は、これらのコスト上昇に対して、グループをあげてコストダウンに取り組むとともに、得意先等に対して製品価格の適正な改定を要請しておりますが、製品価格の改定時期の遅れ等により、当社グループの収益を圧迫する可能性があります。
(2) 製品需要動向
当社グループの主要製品であるパイル・プレキャスト製品及び工事の売上は、国内建設市場の需要動向に大きく左右されます。急な景気後退による民間設備投資の抑制等で想定以上に需要が落ち込んだ場合には、当社グループの収益を圧迫する可能性があります。当社は、これらの需要動向の変化に対して、コストダウンへの取り組みや設備投資への慎重な検討に加え、景気動向の影響を受けにくい分野を伸ばすこと等によりその適応力を高めていく所存であります。
(3) 金融費用
当社グループは、グループ経営の更なる強化による持続的成長に向けた技術開発及び製品供給体制の整備を進めておりますが、これらの所要資金は、主に金融機関からの借入れにより調達しており、当連結会計年度末における当社グループの有利子負債残高は140億36百万円となっております。今後、金融情勢の変化により金利が上昇した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、収益力の強化、キャッシュフローの改善により有利子負債の圧縮を図る一方、調達方法の多様化による金利の低減努力を継続する所存であります。なお、当社グループの借入金の大部分は、固定金利であります。
(4) シンジケートローン契約及びコミットメントライン契約
当社は、金融機関2社とシンジケートローン方式のタームローン契約を、金融機関1社とコミットメントライン契約を締結しており、当該契約締結日以降の各決算期及び第2四半期の末日の連結の貸借対照表における純資産の部の金額並びに連結の損益計算書における損益の金額について、それぞれ一定指数以上の維持の財務制限条項が付されており、これらの条項に抵触した場合、借入金の返済義務を負うことがあり、当社の財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社は、前述の取り組みにより収益力を向上させ、これらの条項に抵触しないよう努めております。
(5) 自然災害・感染症等
当社グループは、国内およびミャンマーにおいて事務所・工場・施工を展開しており、風水害・地震・津波等の大規模自然災害の発生により、建物・設備や従業員への直接的な被害のほか、通信システムの遮断や生産や物流を中心とするサプライチェーンの停滞により、間接的な被害を受ける可能性があります。また、感染症の蔓延により事業の中断や延期が発生する可能性もあります。このような自然災害や感染症の被害が発生した場合、復旧にかかる費用や中断・延期による損失が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
自然災害や感染症などのリスクに対しては、迅速に対策本部を設置し、全社的な対応体制を構築することにより、生産・供給・施工等が停滞しないようにいたします。また、風水害等の自然災害リスクを低下させるため、グループ全体のリスクマップを確認し、優先順位の高い項目については、順次対策を講じていく方針としています。
(6) サイバー攻撃
当社グループの事業活動においては、情報システムの利用とその重要性が増大しております。サイバー攻撃やコンピュータウイルスへの感染等による情報セキュリティ事故が発生した場合、当社グループの情報システムの破壊やデータ改ざんだけでなく、当社グループの社会的信用の毀損による経済的損失等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、「情報セキュリティポリシー」において情報セキュリティ対策の基本方針等を定め、外部からの不正なITネットワークへの侵入によるデータ破壊や、ウイルス感染を予防するためのセキュリティ管理体制の維持・向上を図っております。
なお、誠に遺憾ながら、2023年5月5日、当社のサーバーに対し、第三者からの不正アクセスによるランサムウェア感染被害を受けたことを確認しました。直ちに、警察当局及び関係機関への届出・相談を行うとともに、外部ITセキュリティ専門家の指導・協力を受け、原因及び被害の範囲等の調査を開始し、復旧作業を並行して進めております。現在、ランサムウェア感染の経緯、経路や被害の内容は判明しておりますが、システム復旧までにはしばらくの時間がかかる見込みとなっております。復旧の過程において、より堅固なセキュリティ対策を講じることで、情報システム全体の安全性を高めてまいります。
当期における経済環境は、ウィズコロナへの転換による緩やかな持ち直しの動きが見られたものの、エネルギー・原材料価格・物流費の度重なる上昇に加えて、ウクライナ情勢の長期化や大幅な円安の進行などの影響が懸念され、依然として先行き不透明な状況にありました。
当社グループを取り巻く事業環境におきましては、防災・減災、社会インフラの維持、災害復旧、工期短縮・省人省力化等に資するコンクリート製品や当社開発のCO2固定化・利活用技術(CCUS)やグリーン製品(低炭素型コンクリート)へ引き続き高い期待が持たれている一方、携帯電話基地局向けポール市場の急激な落ち込み、コンクリート二次製品の原材料やエネルギー等の価格上昇が続き厳しい状況にありました。
このような状況の中、当社グループは旺盛な市場環境であった基礎事業を中心に売上の拡大、工場稼働率の向上に取り組み売上高は増収となりましたが、鋼材・セメント等主材料価格上昇に基づく適正価格の浸透や携帯電話基地局向けポール(COP)の出荷急減への対応が遅れたことに加えて、同ポールの金属部品在庫評価損を計上したことから、親会社株主に帰属する当期純損失を計上するに至りました。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態の分析
当社グループは、売掛債権回収の早期化・製品在庫の適正化・効率的な設備投資戦略等により、総資産の圧縮を
図り、ROAの向上を目指すこと及び、グループにおける資金・資産の効率化を図り、有利子負債を圧縮することを、財務方針としております。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末比(以下「前期末比」といいます。)20億59百万円増の770億63百万円となりました。
流動資産は、前期末比25億89百万円増の345億59百万円、固定資産は、前期末比5億29百万円減の425億3百万円となりました。
流動資産増加の主な要因は、契約資産、電子記録債権の増加によるものであり、固定資産減少の主な要因は、機械装置及び運搬具等の有形固定資産の減少によるものであります。
負債合計は、前期末比30億73百万円増の394億4百万円となりました。
流動負債は前期末比25億77百万円増の254億66百万円、固定負債は前期末比4億96百万円増の139億38百万円となりました。
流動負債増加の主な要因は電子記録債務の増加によるものであり、固定負債増加の主な要因は長期借入金の増加によるものであります。
純資産合計は、前期末比10億13百万円減の376億58百万円となりました。
主な要因は、自己株式の取得によるものであります。
以上の結果、自己資本比率は、45.4%となりました。
(2) 経営成績の分析
当期の売上高は529億86百万円(前期比11.8%増)、営業損失は2億28百万円(前年同期は12億28百万円の営業利益)、経常利益は97百万円(前期比93.8%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は4億39百万円(前年同期は8億76百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
各セグメントにおける概況は次のとおりであります。
① 基礎事業
コンクリートパイル全国需要は前期比で約11%増加する中、当社グループにおいては積極的な受注活動を行った結果、売上高は282億32百万円(前期比48.6%増)となりました。
利益につきましては、原材料価格上昇を踏まえた適正価格浸透には時間を要しているものの、工場稼働率の改善も寄与し、セグメント利益は5億15百万円(前期比127.2%増)となりました。
② コンクリート二次製品事業
当事業のうち、ポール関連事業につきましては、コンクリートポール全国出荷量が前期比で約16%減少する厳しい環境下、前期好調であったCOPの出荷が大幅に減少し、売上高は130億49百万円(前期比20.3%減)となりました。
土木製品事業につきましては、リニア中央新幹線向けRCセグメントの生産が堅調であった一方、フリー工業株式会社における法面補強事業の受注減の影響もあり、売上高は114億10百万円(前期比2.4%減)となりました。
これらの結果、コンクリート二次製品事業の売上高は244億60百万円(前期比12.9%減)となりました。また、利益につきましては、原材料価格上昇やCOP生産・出荷量の大幅な減少の影響を受けたことに加えて、同ポールの金属部品在庫評価損を2億75百万円計上したことから、セグメント利益は6億60百万円(前期比74.1%減)となりました。
③ 不動産・太陽光発電事業
不動産事業につきましては、介護施設等の安定的な賃貸料収入を計上しております。また、太陽光発電事業につきましては、NC関東発電所(茨城県古河市)およびNC田川発電所(茨城県筑西市)の両発電所において安定的な発電・売電を行っており、売上高は2億92百万円(前期比6.0%減)、セグメント利益は1億84百万円(前期比0.8%増)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ14億63百万円減少し、71億36百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、4億32百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上1億57百万円、減価償却費の計上18億59百万円、仕入債務の増加28億7百万円等の資金増加要因が、売上債権及び契約資産の増加33億40百万円等の資金減少要因を上回ったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、14億34百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支払13億8百万円等の資金減少要因があったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、4億47百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出23億3百万941千円、自己株式取得による支出2億99百万円等の資金減少要因が、長期借入れによる収入23億55百万円、社債の発行による収入1億円等の資金増加要因を上回ったことによります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成に用いた会計上の見積り及び仮定のうち、特に重要な事項については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」の「(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積りに関する事項)」に記載しております。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、製造原価によっております。
当社グループにおいては、大部分が計画生産であり受注生産は僅少であります。また、工事受注の大部分は、販売代理店から製品の販売に付随して受注し着工までの期間が短いため、受注残高は僅少であります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
(1) 技術供与契約
提出会社は下記各社に対し、次の製造、施工技術の供与を行っております。
(注)このほか、NAKS(ナックス)工法の技術供与を東海コンクリート工業株式会社に、Hyper-NAKS工法の技術供与を東海コンクリート工業株式会社、九州高圧コンクリート工業株式会社及び東北ポール株式会社に、パイル用端面金具の製造技術の供与をNC日混工業株式会社に、それぞれ行っております。
(2) 製造委託契約
提出会社は下記の各社に対し、製品の製造を委託しております。
(3) 技術受入契約
2004年10月にジャパンパイル㈱(旧㈱ジオトップ)より、EX MEGATOP工法の非独占的な実施権を取得しております。
当社グループの研究開発活動は、コンクリートを通して、お客さまに感動を与える技術を保持し、安心・安全で、快適で豊かな都市空間づくりにより社会の発展に貢献することを使命としております。そのため技術開発部門を中心に各分野のテーマを選定し、外部組織とも共同で各種コンクリート新製品・新技術の研究開発、それら製品を用いた新たな施工法や周辺技術の開発に取り組んでおります。
今後、国土強靭化計画、大阪万博開催に向けた交通インフラ、再開発や物流施設、リニア新幹線建設、原発以外のエネルギー調達、自然災害への復旧対応、低炭素化社会に対応した環境負荷低減に向けた取り組み等々、建設需要は中期的には堅調に増加するものと見込まれております。
一方、建設業界が抱える課題として、慢性的な建設労働力不足、働き方改革などへ対応が迫られており、国土交通省が提唱するi-Construction(アイ・コンストラクション)や施工管理のICT化など、生産性向上への取組が急務とされております。このような様々な課題(ニーズ)に対しても、プレキャストコンクリート製品の開発技術、および情報化技術も積極的に取り込みながら解決に向けて研究開発に取組んでまいります。
(1) 基礎研究分野
コンクリートに新素材・新材料を利用して長寿命化・超高強度化など新たな価値を付与するための調査と応用研究、低炭素型材料の応用研究、プレキャスト製品へのリサイクル材の改良活用と応用研究、既存の各種コンクリート製品の補修材料研究、ならびに技術開発部門を中心とした研究成果を知的財産化すべく支援にも注力してまいります。
(2) 基礎事業分野
既製コンクリート杭の分野では、営業・技術・工場・施工が一体となり、顧客密着型の新製品開発を迅速に対応することが求められております。このようなニーズに対して、RSCP・エスタス等オリジナル開発製品の提供、今後求められる大地震への対応として高曲げ耐力・高靱性能を有した杭の研究、高支持力工法に対応した各種改良研究、自社排出の再資源化材料であるエコタンカルを用いた環境負荷低減型パイル(グリーン-ONAパイル)の開発、また自社工場由来の再資源化材料 ASTICON(アスティコン) を施工現場で発生する掘削残土の固化材と併せて利用することにより、環境負荷低減工法として社会貢献を併せ持った杭施工法として開発しました。
施工現場においては、現場管理者の業務負担低減として、施工管理装置と連携したタブレットでの管理を行い、施工管理と施工記録などにICT化技術の導入を進めております。さらに施工品質においては、根固め球根の出来型を間接的に確認できる手法の開発も進めております。また、近年再開発需要の増加に伴い課題となっている既存建造物跡地の残置杭抜き孔の改良技術においては、技術評価を取得し普及に向けた技術支援を進めております。
今後は、基礎関連技術を当社グループ会社、ならびに海外へ広く普及してまいりたいと思います。
(3) ポール関連事業分野
コンクリートポールの分野では、高耐久・耐塩性ポールの開発、施工性を改善した新たな分割式ポール(COP:Cap On Pole)の建築基準法への適合性評価の取得(任意評定取得)と品揃え拡充、フランジ継手式ハイポールの多分割化・長尺化・高荷重化等、市場ニーズに応じた製品開発、環境への調和した擬木等のデザイン柱、LED照明柱、防災無線柱など幅広い用途へも開発を行っております。コンクリートポールにおいても、耐震補強、耐衝撃補強などの開発を行っており、コンクリートポールでのアセットマネジメントの考えを導入し、効率的な維持管理の提案をするべく幅広く調査、研究を進めております。
また、グループ会社とともにコンクリートポール診断士制度を構築し、ポールの維持管理技術の更なる信頼向上に努めてまいりたいと思います。
(4) 土木製品事業分野
土木構造物のプレキャスト製品(PC-壁体、親杭パネル、シールドセグメント、超高強度繊維補強コンクリート(UFC)等)では、顧客課題を解決する高付加機能を具備した改良に注力し、他社との差別化を図り、収益性を高めた製品・工法開発に取り組んでおります。主な取り組みとして、PC-壁体において、高機能製品(高耐久仕様-塩害対策仕様)の改良並びに適用範囲の拡充(狭隘地その他)を目的とした新たな施工方法の開発を進めております。また、シールドセグメントにおいては、コストダウンを試行した新たな分野に向けた製品開発を進めております。今後も、政府が進める国土強靭化、防災・減災、及びi-Construction(アイ・コンストラクション)政策への取り組みを通じて、皆さまのお役に立てるような土木構造物のプレキャスト化に注力してまいります。
(5) 環境事業分野
当社の遠心成形品製造時に発生するコンクリートスラッジ(廃棄物)をリサイクルすることで、環境に貢献する開発・取り組みを進めております。上記スラッジから合成炭酸カルシウムを生成することで工場から排出される二酸化炭素(CO2)の削減に寄与し、当該合成炭酸カルシウムはカーボンネガティブコンクリート用の混和材としてニーズが高まり注目を集めております。また、新たな用途としてアスファルトフィラー材として活用する取り組みにおいて、今般、出光興産株式会社との間で、その製造・販売事業に関する覚書を締結しました。2023年度は、日コングループのNC西日本パイル製造株式会社滋賀工場にパイロットプラントを建設し、2024年度内の商業化を目指します。一方、副産物として生成される脱リン材(PAdeCS)は食品工場廃水に含まれるリンの除去、ヒ素等の有害物質の除去、廃鉱山抗廃水の中和、河川の水質浄化としての用途に使用されております。近年は杭基礎工事から発生する掘削残土の固化材代替や畜産資材として様々な用途も増えております。
今後も循環型社会の構築に取り組み、環境保護・地域貢献等により社会的責任を果たしてまいります。
なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は