第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営の基本方針

当社グループは、耐火物の製造・販売及び窯炉の設計・築炉工事等のエンジニアリングサービスの提供を通じて、産業の発展と豊かな社会の実現に貢献します。

そのため当社は、創造性と実行力に富む人材を開発し、優れた技術力、高い収益力と強固な財務基盤の確立を追求することにより、

①世界トップクラスの総合耐火物メーカーとしての地位確立

②お客様のニーズに応えるための対応力の強化

③株主、お取引先、地域社会など当社を支える皆様方からの高い信頼の獲得

④従業員にとって魅力に富み働きがいのある職場環境の創造

を目指します。

 

(2)経営戦略及び対処すべき課題等

2023年度の事業環境につきましては、各国でのインフレ進行、ウクライナ情勢の長期化や東アジアの地政学的リスクなど、世界経済・国内経済共に不安定な状況が継続すると見込まれます。

また、当社グループの主要なお客様である鉄鋼業界においては、粗鋼生産量は2022年度対比で微増となる見込みではあるものの、鉄鋼需要の本格的な回復には時間がかかることが予想され、また高炉メーカーが、従来より取り組んできた生産体制の再編も継続することが見込まれます。

当社グループにとりましても国内耐火物需要やエンジニアリング工事の減少、原料・エネルギー価格の高騰など厳しい状況が予想されますが、こうした状況下において当社グループが持続的な成長を遂げていくためには、国内外での拡販を行うと同時に、コストダウンの徹底と高騰する原料・エネルギー価格の製品価格への転嫁によって原料・価格スプレッドの確保に努める必要があります。また、調達サイドにおいては、原料価格高騰と需給逼迫への対応として、世界的なEV(Electric Vehicle)需要で急騰したリチウム系原料やマグネシアを主体とする耐火物原料の在庫確保の前倒し、調達ソースの多様化等によるリスク回避を引き続き図ってまいります。

第5次中期経営計画(2021年度~2023年度)の最終年度にあたる2023年度においては、2022年度までの取組みを継続・発展させつつ、次に掲げる主要課題に対して注力してまいります。

①海外ビジネスの強化・拡大

 〇2023年よりグループに加わるブラジル及び米国事業を含め、既存の海外拠点の事業拡大

 〇新たな生産拠点の設立や販売提携等、事業拡大の機会の探索

②国内における拡販と競争力強化

 〇お客様の課題解決に貢献できる新たな製品やエンジニアリング技術の提供

 〇積極的な成長投資を進め、少数精鋭による生産性の高い事業運営の展開

③断熱材事業、セラミックス事業の強化

 〇耐火物事業、エンジニアリング事業との連携強化による総合的なソリューション提供

 〇当社グループの人材・経営資本の有効活用による事業拡大

 

なお、2023年4月より、当社グループの事業ドメインを「耐火物セクター」、「断熱材セクター」、「セラミックスセクター」、「エンジニアリングセクター」の4事業に分け、各セクターの活動をバックアップする「コーポレート本部」を設置いたしました。各セクターでは事業の成長に尽力し、グループ全体としては、新たに設置する「グループ経営戦略会議」を通じてセクター間の協業を促進し、経営資源の有効な配分を検討していきます。サステナビリティ経営では、気候変動関連や人権の尊重、多様な人材の活用などの課題に取り組み、お客様へは耐火物技術と断熱技術、築炉エンジニアリング技術を組み合わせた熱ロス低減等のソリューション提供を推進していくことでCO排出量削減に貢献いたします。第5次中期経営計画の最終年度として経営戦略にサステナビリティ諸課題を着実に取り込み、さらなる飛躍を目指す次期中期経営計画への地盤を構築してまいります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループの主たる経営指標といたしましては、売上高経常利益率(ROS)、総資産利益率(ROA)及び自己資本利益率(ROE)を使用しております。これらに加え、収益性と効率性を図る経営指標として投下資本利益率(ROIC)の導入を検討しております。国内外の経済環境が大きく変化する中で、当社グループは事業規模の拡大と経営の効率化を目指しております。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 当社グループは、全ての事業活動の土台として人権を尊重(人権基本方針(URL:https://www.shinagawa.co.jp/profile/humanrights_policy.html)をご参照ください)し、「産業の発展と豊かな社会の実現」という経営理念の下、「環境」「社会」「ガバナンス」の観点から「利益を追求する過程で社会課題の解決にも貢献できる事業を行う」ことをサステナビリティに関する基本姿勢とし、ステークホルダー(お客様、株主・投資家、お取引先、従業員、地域社会、未来世代)と共に持続可能な社会の実現に取り組んでまいります。

 

(1)ガバナンス

 当社グループは、経営理念に基づき適切な企業運営を行い、全てのステークホルダーの信頼をより確かなものとするため、高いコンプライアンス意識のもと、経営の透明性を確保し、公明正大かつ効率的で健全な経営の実践に向け、コーポレート・ガバナンス体制の強化・充実と効率的運用に努めてまいります。

 当社グループはサステナビリティをめぐる課題を解決すべく、代表取締役社長を委員長としたサステナビリティ委員会を設置しています。サステナビリティ委員会は年2回以上開催され、(3)に示す内部統制委員会(コンプライアンス・リスクマネジメント小委員会)と協調し、当社グループのSDGs及びESG投資等サステナビリティ経営に関する方向性を議論し、取締役会に報告しています。また事業分野ごとのセクターの導入によりサステナビリティに関する取組みが強化されています。詳細は、「4 コーポレート・ガバナンスの状況等」を参照ください。

 

(2)戦略

 これまで当社グループは耐火物・断熱材・セラミックス等の材料技術、工業窯炉の設計・施工技術を統合した高温域における総合技術を基に、お客様の安全で効率的な操業を支え豊かな社会の実現に貢献してきました。今後もこのような取組みを通じて社会に貢献すると共に、脱炭素や省エネルギーといった現代社会が取り組まなければならない課題に対しても、当社グループの持てる技術により優れたソリューションを提供していくことで、サステナブルな社会の構築に寄与してまいります。また、これらの取組みが当社グループの国内及び海外におけるビジネスの強化・拡大につながると考えております。このような方向性の実現に人的資本の充実は欠かせません。ダイバーシティがイノベーションの原動力であると考え、社内環境整備の方針を含めた「人材開発方針」(URL:https://www.shinagawa.co.jp/profile/labour_training.html)に基づき人材戦略を定め、外国語検定試験受験制度他各種施策を実施し人的資本強化に取り組んでいます。

 人的資本の充実を始め、サステナビリティに関し当社グループは進むべき方向性として7つのテーマと11のマテリアリティを決定しています。これらに基づき持続的な事業成長を実現すると共に社会課題の解決にも貢献し、産業の発展と豊かな社会の実現を目指します。テーマとマテリアリティの詳細につきましては、「統合報告書2022」(URL:https://www.shinagawa.co.jp/finance/pdf/integrated_report2022.pdf)をご参照ください。

 

(3)リスク管理

 当社グループが事業活動を通じた持続的成長や企業価値創造を行う中で、活動を阻害する様々なリスクが存在します。当社グループのリスクマネジメントを横断的に統括するため内部統制委員会を設置しています。同委員会は、コンプライアンス及びリスクマネジメントの推進状況等について統括し、定期的にその結果を取締役会及び監査等委員会に報告しています。また、下部組織としてリスクマネジメント小委員会を設置して、「リスクマネジメント基本方針」に基づき、下図に示すサイクルにより潜在リスクの予防・軽減、及びリスクが顕在化した場合に影響を最小限にとどめる事業継続計画(BCP)の策定・訓練等に取り組んでいます。

 

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(4)指標及び目標

 当社グループは、11のマテリアリティに野心的な指標と目標を設定し、サステナビリティ経営の方向性を明確にし、サステナビリティ委員会による的確な進捗管理を行うことで、サステナビリティ経営を着実に進めていきます。また(1)に記載のとおり取締役会はサステナビリティ委員会の報告により各指標の進捗状況をモニタリングしております。なお、活動状況や結果、経営環境の変化にフレキシブルに対応し、必要に応じて指標や目標の見直しも実施してまいります。

 7つのテーマと11のマテリアリティの内、気候変動・環境負荷低減と人材戦略が特に重要と考えています。気候変動・環境負荷低減については「2030年までにSCOPE1、2のCO排出量を2013年度比50%削減」、「2050年度にはカーボンニュートラルの実現」を目標としています。人材戦略に関しては「2030年までに女性管理職比率を25%に」、「外国籍社員の社員数 2030までに200%以上増(2020年度比)」、「教育研修時間 20時間以上/年(一人当たり)」などを掲げ人的資本の充実に取り組んでいます。人材戦略に関しては、社内環境整備方針を含めた方針である「人材開発方針」(URL:https://www.shinagawa.co.jp/profile/labour_training.html)をご参照ください。

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

1.重要なリスク

(1)特定の業界への依存

当社グループは、販売高の多くを鉄鋼業界に依存しており、当該鉄鋼業界の操業度や設備投資の動向により、主力製品である耐火物や築炉工事の販売高が左右され大きな影響を受けます。

また耐火物の使用に関して、鉄鋼トン当たりの耐火物使用原単位は年々低下しており、鉄鋼業界の操業度や設備投資が増加しない限り、耐火物の国内需要は減少する可能性があります。今後はカーボンニュートラルに向けた鉄鋼業界の取組みが加速され、製鉄プロセス変更による耐火物使用原単位が変動することも見込まれます。また中国からの輸入耐火物の増加が続いた場合、耐火物の国内生産量は更に減少することがあり得ます。

そのため当社グループでは、国内の非鉄・セメントメーカーへの拡販を図ると共に、輸出の拡大と海外での事業展開に注力しております。

(2)原料の入手難及び原料価格の高騰

当社グループが使用している原料の中にはメーカーや産地が限られているものがあり、何らかの理由により入手困難となり生産に支障をきたす恐れがあります。原料需給の逼迫や供給能力の制約により当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすことがあり得ます。

また近年では、安価で良質な中国製耐火物原料が購入原料の過半を占めるようになったことから、これを代替できる供給ソースの開拓を継続して行っております。

2.その他のリスク

(1)為替及び金利

当社グループは、多くの輸入原料を使用しており、また製品の輸出や海外耐火物の仕入販売を行っております。あわせて海外には各国に生産拠点があるため、為替変動により、円換算後の価値が当社グループの事業に影響を与えることがあり得ます。

また、当社グループの資金調達は、主として金融機関からの借入等の有利子負債によっており、市場金利が上昇した場合には当社グループの業績や財務状況に影響を与えることがあり得ます。

そのため当社グループでは、実需に合わせた為替予約、金利スワップ等のヘッジ手段によって、リスクの低減を図っております。

(2)海外事業活動

当社グループは、アジア、オセアニア、南北アメリカ等の海外に生産拠点、販売拠点を有して事業展開を行っております。海外での事業には、通常予期しない法律や規制の変更、急激な金融情勢の変化などの経済的に不利な要因の発生や政治的混乱などのリスクが存在します。こうしたリスクが顕在化した場合、当社グループの業績や財務状況に影響を与えることがあり得ます。

また、様々な国や地域における大規模な地震や風水害などの自然災害や戦争・テロ・暴動、感染症、交通機能障害を含む社会的・政治的混乱などのリスクにさらされています。これらの災害等が発生した場合に備えた初動対応及び重要業務を早期に復旧継続させることを目的として事業継続マネジメントシステムを策定し、運用しておりますが、実際に発生した場合には操業の中断・縮小、施設等の損害、多額の復旧費用などにより、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(3)自然災害・感染症の蔓延

当社グループの国内外の事業拠点において、地震・台風・局地的集中豪雨などの自然災害により、当社社員、生産現場及び生産設備、出荷に使用される道路、鉄道、港などのインフラストラクチャーが甚大な被害を受けた場合、その復旧まで生産や出荷が長期間に亘り停止することがあり得ます。

また、新型インフルエンザ、新型コロナウイルス等の新たな感染症の蔓延により、当社社員の多くが罹患する事態が発生した場合やサプライチェーンの断絶などにより原材料の入手難が発生した場合、当社グループの事業活動に長期間に亘り停止する或いは停滞することがあり得ます。

当社では、事業継続計画(BCP)の策定、社員安否確認システムの構築、耐震対策、防災訓練などの対策を講じると共に、テレワーク及び交代勤務による事業継続体制に即時移行できるよう、社内規程の整備やIT機器・通信機器の整備・個人配付等の対応を行っています。しかしながらこれらによる被害を完全に排除できるものではなく、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、長引くウクライナ情勢等の影響により、資源価格・エネルギー価格の上昇がみられる中、進行するインフレへの対応として米国や主要欧州諸国において急激な金融環境の引き締めが行われる等、慌ただしい環境の中で推移しました。日本経済につきましては、半導体不足や為替相場の急激な変動等の景気の下振れリスクを拭いきれないものの、ウィズコロナの下で各種政策の効果もあり、個人消費や企業の設備投資・生産活動に持ち直しの動きが見られる中で推移しました。耐火物業界の最大の需要先である鉄鋼業界におきましては、通期の国内粗鋼生産量は、半導体不足を起因とする自動車向け鉄鋼需要の低迷を主要因として、前年同期比8.1%減少し、8,785万トンとなりました。

このような状況の中、当社グループは第5次中期経営計画(2021年度~2023年度)の中間年度にあたる2022年度において、主要課題である「不定形商品の更なる競争力強化」に向け、前連結会計年度より当社赤穂工場(兵庫県)への最新鋭の不定形耐火物製造ライン建設と西日本地区における同製造拠点の集約に取り組んでおり、2024年4月からの新工場稼働に向け、建設工事は順調に進捗しております。

海外市場においては、2022年5月にCompagnie de Saint-Gobain(サンゴバン社、本社:フランス・パリ)との間で、同社のブラジルにおける耐火物事業及びアメリカにおける耐摩耗性セラミックス事業に関する譲受契約を締結し、同年12月に契約クロージングを行いました。これにより当社はインド・太平洋圏の主要市場全てにおいて生産拠点を確保し、海外事業のさらなる拡大に向けて体制を強化しました。

また、気候変動対策が世界的課題となる中、当社はCO排出量を2030年度50%削減(2013年度比)、2050年度カーボンニュートラルの実現を目標といたしました。CO排出量の少ない燃料への転換、太陽光発電の検討等を行うと共に、環境配慮型商品の開発・販売を推進し、地球環境への課題に対処してまいります。

 

当連結会計年度の経営成績は、上昇基調にある耐火物原料価格の販売価格への転嫁が進んだことを主要因として、売上高1,249億63百万円(前年同期比12.8%増)、営業利益108億44百万円(前年同期比7.3%増)、経常利益114億57百万円(前年同期比6.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は土地及び建物売却に伴う固定資産売却益の計上等により83億7百万円(前年同期比56.5%増)となりました。

 

次にセグメントの概況をご報告申し上げます。

<耐火物及び関連製品>

耐火物及び関連製品事業につきましては、耐火物原料価格の販売価格への転嫁が進んだこと等により、当連結会計年度の売上高は994億76百万円と145億75百万円(17.2%)の増収、セグメント利益は102億88百万円と8億36百万円(8.9%)の増益となりました。

<エンジニアリング>

エンジニアリング事業につきましては、各種窯炉補修作業等の減少により、当連結会計年度の売上高は244億87百万円と4億10百万円(1.7%)の減収となりましたが、工事案件の構成差によりセグメント利益は19億82百万円と1億57百万円(8.6%)の増益となりました。

<不動産>

不動産事業につきましては、当連結会計年度の売上高は9億98百万円と14百万円(1.5%)の増収、セグメント利益は4億93百万円と53百万円(12.2%)の増益となりました。

 

②財政状態の状況

<資産>

当連結会計年度末の総資産は、「商品及び製品」、「原材料及び貯蔵品」、「建物及び構築物(純額)」及び「のれん」の増加を主たる要因として前連結会計年度末に比べ241億91百万円増加し、1,439億1百万円となりました。

<負債>

負債は、「短期借入金」の増加を主たる要因として前連結会計年度末に比べ160億4百万円増加し、724億75百万円となりました。

<純資産>

純資産は、「利益剰余金」の増加を主たる要因として前連結会計年度末に比べ81億86百万円増加し、714億25百万円となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ14億34百万円増加し、181億97百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

<営業活動によるキャッシュ・フロー>

営業活動の結果得られた資金は102億81百万円(前年同期比8.3%増)となりました。これは主に「税金等調整前当期純利益」124億78百万円等による増加の結果であります。

<投資活動によるキャッシュ・フロー>

投資活動の結果使用した資金は159億50百万円(前年同期比208.7%増)となりました。これは主に「有形固定資産の取得による支出」47億81百万円、「連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出」109億97百万円等による増加の結果であります。

<財務活動によるキャッシュ・フロー>

財務活動の結果得られた資金は68億36百万円(前年同期は33億48百万円の使用)となりました。これは主に「短期借入金の純増加額」111億25百万円等による増加と、「配当金の支払額」18億24百万円、「連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出」21億44百万円等による減少の結果であります。

 

④生産、受注及び販売の状況

(a)生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

耐火物及び関連製品(百万円)

69,238

127.6

(注)金額は製造原価によっております。

 

(b)受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

耐火物及び関連製品

100,971

114.9

26,107

124.3

エンジニアリング

25,120

115.7

2,345

136.9

合計

126,092

115.1

28,452

125.3

(注)金額は販売価格によっております。

 

(c)販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

耐火物及び関連製品(百万円)

99,476

117.2

エンジニアリング(百万円)

24,487

98.3

不動産(百万円)

998

101.5

合計

124,963

112.8

(注)最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

JFEスチール㈱

48,379

43.7

52,372

41.9

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①財政状態及び経営成績等の状況に関する分析・検討内容

当連結会計年度の連結成績につきましては、上昇基調にある耐火物原料価格の販売価格への転嫁が進んだことを主要因として、売上高は前連結会計年度に比べ141億79百万円の増収となりました。

また、利益に関しては、在庫評価益の計上等により、前連結会計年度に比べ「営業利益」は7億36百万円、「経常利益」は7億41百万円のそれぞれ増益となりました。また、「親会社株主に帰属する当期純利益」は「経常利益」の増加に加えて、土地及び建物売却に伴う固定資産売却益の計上等から、29億98百万円の増益となりました。この結果ROSは前連結会計年度の9.7%から9.2%となりましたが、ROEは同8.8%から13.0%に上昇しました。

財政状態につきましては、原材料等の価格上昇及び需給逼迫への対応として「商品及び製品」並びに「原材料及び貯蔵品」が増加したことにより「流動資産合計」は914億34百万円となりました。また設備投資による「建物及び構築物(純額)」及び企業結合による「のれん」が増加したことにより「固定資産合計」は524億67百万円となりました。これにより、「総資産」は前連結会計年度末に比べて241億91百万円増加の1,439億1百万円となりました。

一方で、Compagnie de Saint-Gobain(サンゴバン社、本社:フランス・パリ)のブラジルにおける耐火物事業及び米国における耐摩耗性セラミックス事業の譲受資金及び運転資金に充当した「短期借入金」の増加等によって「負債合計」は前連結会計年度末に比べ160億4百万円増加し724億75百万円となりました。

また、「利益剰余金」の増加等によって「純資産」が前連結会計年度末に比べて81億86百万円増加し714億25百万円となりました。これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末の50.3%から47.3%に低下しました。

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの状況につきましては、前連結会計年度に比べて「税金等調整前当期純利益」が大幅に増加したこと等により「営業活動によるキャッシュ・フロー」は102億81百万円となり、「有形固定資産の取得による支出」47億81百万円、「連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出」109億97百万円等「投資活動によるキャッシュ・フロー」の支出増加を差し引いた「現金及び現金同等物」の期末残高は、14億34百万円の増加となりました。

③資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料等の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金の調達については、自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資資金や長期運転資金の調達については、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。

なお、当連結会計年度末における借入金にリース債務を加えた有利子負債の残高は、343億3百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、181億97百万円となっております。

当連結会計年度末におきまして、前連結会計年度末に比べて短期借入金が117億5百万円増加しておりますが、これは海外事業の譲受資金の支払いに対応するものであり、2024年3月期における売上債権の回収と、遊休資産の売却代金により返済を行う計画であります。

④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

この連結財務諸表の作成にあたって、重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

なお、新型コロナウイルスの影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。

 

5【経営上の重要な契約等】

(1)主要な技術援助契約

契約会社

相手会社

契約内容

契約期間

品川リフラクトリーズ㈱

(当社)

SR do Brasil Ltda.

(連結子会社、ブラジル)

マッド材の製造技術

2019年9月契約締結

2024年9月まで

製鋼(転炉、電気炉、取鍋他)用耐火れんが製造技術

2020年7月契約締結

2025年7月まで

製鋼(転炉、電気炉、取鍋他)用補修材製造技術

2020年8月契約締結

2025年8月まで

品川リフラクトリーズ㈱

(当社)

ヒックス社

(米国)

スライドゲートバルブ用上下ノズルの製造技術

2017年3月契約締結

2027年2月まで

スライドゲートバルブ用プレートの製造技術

2017年3月契約締結

2027年2月まで

(注)前事業年度の有価証券報告書において記載した当社とサンゴバン・ド・ブラジル社との契約につきましては、当事業年度におきまして、サンゴバン・ド・ブラジル社からSR do Brasil Ltda.に承継されております。

 

(2)主要な販売契約

契約会社

相手会社

契約内容

契約期間

品川リフラクトリーズ㈱

(当社)

中鋼洛耐科技股份有限公司

(中華人民共和国)

珪石れんが、珪石断熱れんが及びアルミナ仮組品の日本国内における独占販売

2021年6月契約締結

2031年6月まで

 

(3)事業の譲受

当社は、Compagnie de Saint-Gobain(以下、「サンゴバン社」という。)との間で、サンゴバン社の有するブラジルにおける耐火物事業及び米国における耐摩耗性セラミックス事業に関してサンゴバン社の子会社から譲受けること(以下、「本事業譲受」という。)で合意し、2022年5月12日開催の当社取締役会で、サンゴバン社の100%子会社であるSaint-Gobain Do Brasil Produtos Industriais E Para Construcao LTDA及びサンゴバン社の100%子会社であるSaint-Gobain Ceramics & Plastics, Inc.と本事業譲受に関する契約を締結することを決議し、同日付で契約を締結いたしました。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

 

(4)固定資産の譲渡

当社は、2022年9月1日開催の取締役会において、当社が保有する固定資産の譲渡を行うことを決議し、2022年9月2日付で譲渡契約を締結し、2022年9月28日に譲渡いたしました。

 

①譲渡の理由

譲渡資産は社宅用地として使用しておりましたが、2020年8月に当該社宅を閉鎖し、遊休資産となっておりました。今般、持続的な成長に向けた投資資金の確保を目的として譲渡することといたしました。

 

②譲渡資産の内容

対象資産の名称

埼玉県さいたま市に保有する土地・建物

所在地

埼玉県さいたま市浦和区針ヶ谷一丁目6番~10番

面積

土地 3,626.42㎡

建物 1,529.93㎡

現況

遊休資産

※ 譲渡価額、帳簿価額については、譲渡先との取り決めにより非開示とさせていただきますが、市場価格を反映した適正な価格での譲渡であります。

 

③譲渡先の概要

譲渡の相手先(国内法人)については、相手先との取り決めにより非開示とさせていただきます。なお、相手先と当社グループとの間には特筆すべき資本関係、人的関係及び取引関係はありません。

 

④損益に与える影響

当連結会計年度において、当該譲渡資産の売却益は固定資産売却益として特別利益に2,514百万円計上しております。

 

(5)固定資産の譲渡

当社は、2023年1月19日開催の取締役会において、当社が保有する固定資産の譲渡を行うことを決議し、2023年1月31日付で譲渡契約を締結し、2023年4月14日に譲渡いたしました。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

 

6【研究開発活動】

当連結会計年度における研究開発活動は、当社の技術研究所において、主として耐火物に関する研究開発を行っており、(1)長期的視野に立った基礎研究(2)装置開発を含めた耐火物評価技術の研究(3)顧客のニーズに対応した製品の開発(4)耐火物技術を応用した新製品の開発等を目的として取り組みました。

その結果、当連結会計年度に支出した研究開発費は総額で1,382百万円で、全て耐火物及び関連製品事業に関するものです。