(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、経済政策や金融政策を背景に緩やかな景気回復基調が継続しました。一方で、英国の欧州連合(EU)からの離脱や米国の大統領選挙結果の影響に加え新興国の経済成長の減速もあり、先行きが不透明な状況で推移いたしました。
このような状況のもと、当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)においては、多機能携帯端末を主用途とした電子材料分野と産業用構造材料分野の売上が前年より減少しました。
これらの結果、当連結会計年度の業績は、売上高344億51百万円(前年同期比7.5%減)、営業利益17億90百万円(前年同期比39.5%減)、経常利益26億90百万円(前年同期比23.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益20億72百万円(前年同期比23.7%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
①電子材料
電子材料では、主力のフレキシブルプリント配線板材料(受注高129億28百万円16.7%減、生産高14.5%減、前連結会計年度比較、提出会社単体ベース)を中心に、売上高は203億6百万円(前年同期比9.4%減)、セグメント利益は18億50百万円(前年同期比22.7%減)となりました。
②産業用構造材料
産業用構造材料では、FW成形品、航空機用ハニカムパネル及びプリプレグ、引抜成形品、FRPスキーシートを中心に、売上高は73億19百万円(前年同期比9.6%減)、セグメント利益は5億68百万円(前年同期比52.4%減)となりました。
③電気絶縁材料
電気絶縁材料では、硝子クロス、硝子テープ、電気絶縁用プリプレグを中心に、売上高は31億17百万円(前年同期比2.2%減)、セグメント利益は5億70百万円(前年同期比2.1%増)となりました。
④ディスプレイ材料
ディスプレイ材料では、3D関連材料を中心に売上高は28億2百万円(前年同期比12.2%増)、セグメント損失は1億72百万円(前年同期は1億74百万円のセグメント損失)となりました。
⑤関連商品販売
関連商品販売では、売上高は7億49百万円(前年同期比13.2%減)、セグメント利益は46百万円(前年同期比16.6%減)となりました。
⑥その他(その他の事業分野)
その他では、売上高は1億56百万円(前年同期比2.7%減)、セグメント利益は1億50百万円(前年同期比5.3%増)となりました。
なお、この項に記載の売上高、受注高等の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度に比べ21億25百万円(前年同期比43.4%増)増加し、70億26百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は34億19百万円(前年同期比24.8%減)となりました。主な資金増加の要因は、税金等調整前当期純利益28億6百万円、減価償却費16億78百万円等によるものであり、主な資金減少の要因は、売上債権の増加額10億37百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は16億71百万円(前年同期比5.6%減)となりました。主な資金増加の要因は、投資有価証券の売却による収入13億77百万円等であります。主な資金減少の要因は、投資有価証券の取得による支出16億66百万円、有形固定資産の取得による支出12億91百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は4億19百万円(前年同期は35億40百万円の使用)となりました。主な資金増加の要因は、長期借入による収入23億50百万円等であります。主な資金減少の要因は、長期借入金の返済による支出13億10百万円、配当金の支払額8億16百万円等であります。
(1)生産実績及び受注状況
当社グループ(当社及び連結子会社 以下同様)の生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注及び販売の状況については、「1 業績等の概要」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。
(2)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比(%) |
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電子材料(百万円) |
20,306 |
△9.4 |
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産業用構造材料(百万円) |
7,319 |
△9.6 |
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電気絶縁材料(百万円) |
3,117 |
△2.2 |
|
ディスプレイ材料(百万円) |
2,802 |
12.2 |
|
関連商品販売(百万円) |
749 |
△13.2 |
|
報告セグメント計(百万円) |
34,295 |
△7.5 |
|
その他(百万円) |
156 |
△2.7 |
|
合計(百万円) |
34,451 |
△7.5 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
||
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金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
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住友商事ケミカル㈱ |
6,303 |
16.9 |
4,695 |
13.6 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社経営の基本方針
当社グループは「創造・革新・挑戦」を基本とし
Ⅰ.新たな価値を提供し、顧客満足を高める。
Ⅱ.潜在ニーズを探求し、新たな事業を創り出す。
Ⅲ.海外事業を推進し、グループの総合力で企業体質を強化する。
Ⅳ.自らの安全を守り、ゼロ災を実現する。
を経営方針としております。
この経営方針の下、顧客満足度の向上、新製品開発のスピードアップ、徹底したコストダウンによる利益体質強化の推進により企業価値を創造し、会社の株主価値を高めていくことを目指しており、経営指標として新製品売上比率50%以上、営業利益率8%以上、ROA5%以上を中長期的な経営目標としております。
(2)中長期的な会社の経営戦略
既存製品の競争力強化による収益拡大と、新製品開発による新事業基盤の創出に取組んでいきます。
・電子材料分野につきましては、モバイル、半導体、車載及び家電分野を中心に新製品開発を進めます。また、徹底したコストダウンを図るとともに連結子会社と連携し、競争力強化とシェアアップを目指します。
・産業構造材料及び電気絶縁材料分野につきましては、航空機、水処理、電絶関連分野に焦点を絞り新製品開発と拡販を進め、堅実な利益体質の継続とシェアアップを目指します。
・ディスプレイ材料分野につきましては、医療、サイネージ分野を中心に当社固有の光学技術を活かした新製品の早期市場投入を図っていきます。
・海外連結子会社との協業を深化させ、顧客への技術サービス強化により一層の拡販を図っていきます。
(3)会社の対処すべき課題
当社グループは、既述の経営戦略をより早期かつ確実に達成するため、今後対処すべき課題として次のことを推進いたします。
・競争力のあるコスト体質を具現化するため、製造技術や材料選定の徹底的な見直しを図ります。
・Arisawa Production Systemを中心とした管理技術、固有技術の向上と個人の能力アップにより、徹底的な原価低減を図ります。
・製造・販売・技術の連携強化を推進し、効率的な事業運営を図ります。
(4)会社の支配に関する基本方針
① 基本方針の内容と当社財産の有効な活用及び適切な企業集団の形成ならびにその他の基本方針の実現に資する取組み
当社は明治42年の創業以来、一貫してユーザーニーズにお応えしながら技術革新と製品開発に取り組み、当社独自の「織る、塗る、形づくる」技術を構築し、良好な労使関係のもと、企業価値の向上に努めてまいりました。当社取締役会はこの歴史と蓄積された技術を育み続けるとともに、これらの企業価値を理解し、長期的に育成し、向上させる義務があると考えております。
これに基づき、当社グループは「創造・革新・挑戦」を基本とした経営方針により、安全と品質の向上を第一に掲げ、新たな事業基盤と新市場を創出し、利益体質の強化を推進することを目指しております。
② 不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
近年の株式市場においては対象となる会社の株主あるいは経営陣に対して充分な説明や協議の手続きを経ることなく大量の株式の買付を強行する等の買収手法も見受けられ、ややもすると企業価値の喪失、株式売却の強要等、株主利益の侵害とも取れるものも少なくありません。
このためには買付を行う者またはその提案者(以下総称して「買付者」といいます。)に対して遵守すべきルール・手続きを提示することにより、必要かつ充分な情報の開示と、買付提案の検証及びその検討のための期間を確保する必要があると判断し、当社定款に基づき当社株式の大量取得行為に関する対応策(以下「本ルール」といいます。)を策定し、平成29年6月28日開催の第69回定時株主総会でご承認いただいております。
本ルールに基づいて、株主意思確認の株主総会等において対抗策の発動が承認された場合、買付者が本ルールを遵守しない場合及び当社株式の大量取得行為その他これに類似する行為またはその提案(以下総称して「買付」といいます。)が当社の企業価値を毀損することが明らかな場合は、本ルールに従って対抗策が発動されることになります。
(本ルールの詳細につきましては、インターネット上の当社ウエブサイト(http://www.arisawa.co.jp/)をご参照ください。)
③ 上記の取組みが、基本方針に従い、当社の企業価値及び株主の共同の利益を損なうものでなく、かつ、役員の地位の維持を目的とするものではないことについて
当社取締役会は、株式を上場し投資家の皆様に当社株式の自由な売買を行っていただくなかで、当社取締役会の意に反して行われる大規模買付行為、あるいは当社の支配権の移転を伴う買付提案におきましても、企業価値の向上により株主の皆様全体の利益となるものについては、当社取締役会としてこれを否定すべきでなく、最終的には当社の株主全体の判断に基づき行われるべきものと考えております。
このような買付が行われた場合は、株主の皆様が適切な判断を下されるために、買付者から詳細な情報の提供を受け株主の皆様に充分な情報の開示を行うとともに、当社取締役会としての意見表明を行い、株主の皆様にどちらの主張が当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上に結びつくかを、株主総会等で直接意思表示していただくことが最善の方策と考えており、本ルールでは次のように定めております。
イ 株主の皆様の直接決議による判断
本ルールは、買付者が本ルールを遵守しない場合等を除き、買付者による買付提案の受け入れの可否について、株主の皆様に直接判断いただくものであります。この株主意思の確認手続きにあたって、取締役が自らの保身のための個別勧誘等を行うことはほぼ不可能であり、取締役の恣意的な意向が入り込む余地はありません。
ロ 取締役会判断による対抗策発動の制限
当社取締役会が株主意思の確認を行わずに対抗策を発動できるのは、本ルール違反や企業価値・株主共同の利益が毀損されることが明らかな場合に限定しておりますとともに、有効期間を約2年とするいわゆるサンセット条項を付しております。
したがいまして、当社取締役会は、この「会社の支配に関する基本方針」が当社の企業価値、株主共同の利益を確保するための取組みであり、株主の皆様の利益を損なうものではないと考えます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項として、有価証券報告書提出日現在において以下のものが考えられます。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 製品需要の変動について
当社グループが製造・販売する製品の主なユーザーは、民生用電子機器メーカー、電子部品メーカー、産業用電子機器メーカー等であり、民生用電子機器の需要の変動は当社グループの経営成績に影響を及ぼします。
(2) 特定の製品への依存について
当社グループの売上高は、電子材料分野への依存度が高くなっております。当分野の売上が減少した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼすおそれがあります。
(3) 新規事業の展開について
当社グループは、種々の新規事業の立上げを図っておりますが、その進捗状況によっては、経営成績に影響を及ぼすおそれがあります。
(4) 原材料の調達について
当社グループが購入する原材料において、原油価格の高騰等により購入価格が著しく高騰した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼすおそれがあります。
(5) 災害による影響について
当社グループの生産拠点は、その多くが新潟県上越市に集中しており、地震その他の災害が発生した場合には、生産活動の中断等により当社グループの経営成績に影響を及ぼすおそれがあります。
(6) 環境に関する規制について
当社グループの事業は、様々な環境保全やその他の法的規制の下にあります。これらの環境保全やその他の規制の遵守に伴い甚大な債務や義務が発生した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼすおそれがあります。
該当事項はありません。
当社グループの主な研究開発は、提出会社と連結子会社の新揚科技股份有限公司、カラーリンク・ジャパン㈱が行い、他の連結子会社へ技術展開を図っております。
研究開発は、技術開発企業として、多様化、高度化するユーザーニーズに応えるべく、フレキシブルな組織体制を基本とし、主要分野である電子材料分野、産業用構造材料等の電絶・複合材料分野、電気絶縁材料及びディスプレイ材料分野を中心に、新製品の立上げ、次世代製品の育成及び将来を見据えた技術の振興と基盤技術の拡大をめざし新技術、新製品の研究開発に邁進しております。
電子材料としては、プリント配線板用硝子クロス、特殊プリント配線板用プリプレグ、FPC(フレキシブルプリント配線板)用材料等が、電絶・複合材料としては、水処理関連材料、超伝導関連材料、航空機内装用材料、電気絶縁材料、電子機器関連材料等が、ディスプレイ材料としては、光学機能フィルム、3D(立体表示)関連材料等があげられます。
当連結会計年度末の研究開発活動に係る人員は162名であり、当連結会計年度の研究開発費は17億56百万円であります。
当連結会計年度における各セグメント別の研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。
(1)電子材料分野
・FPC材料
スマートフォンに代表される電子機器が高機能に進化するなか、電子部品の高密度化、多層化が急速に進んでいるなか回路を形成するフレキシブル銅張り板においては、ファインピッチ化が進んでおり、それに伴い回路形成時の寸法変化率の狭小化、バラツキ低減がこれまで以上に要求されています。これに対応する為、当社では高度に寸法安定性に優れた銅張り板を開発し、大手ユーザーの認定を取得し、今後の採用拡大が期待されます。
また多層化のための層間接着フィルムは、上下回路を接続する為のビア形成時の形状安定化、ビア径の狭小化、および耐熱性の要求が強まっています。この要求に対応できる新規な接着フィルムを開発し、ユーザー各社での評価で良好な結果が得られ、今後の採用が期待されます。
・放熱材料
家電から車載まで広い用途に使用されるICパワーモジュールでは小型化、省エネ化が進む中、IC発熱を効率的に放熱する為に高放熱接着シートが必要とされています。当社ではこれまで1~4W/m・Kを開発し流動開始し、現在は6~10W/m・K材のユーザー認定評価が進んでおり、近日中の採用が見込まれます。更に今後も見据えた次世代15W/m・K材の開発にも着手しております。
電子材料に係る研究開発費は8億52百万円であります。
(2)産業用構造材料・電気絶縁材料分野
・航空機用内装材
航空機にとって機体の重さは燃費に直接の影響があるため、軽くて強度が高い炭素繊維部材は胴体や羽根などの主要構造材に適用され、さらに機体キャビン側の内装材にも適用されてきております。当社は炭素繊維の軽い、強度が高い利点に自社独自の樹脂配合により燃え難い特長を加えて、機体内装の壁材、仕切り材に炭素繊維によるハニカム部材を生産しております。2016年度は壁材、仕切り材の2次元形状に加え、曲面をもつ3次元形状の炭素繊維部材の開発に着手しました。今後採用が進む事を目指し開発を継続してまいります。
・医療用クライオスタット
てんかんやアルツハイマー病の診断にはMRIよりもさらに高精度のMEG(Magnetoencephalography;脳磁計)という脳の磁場を計測する超電導技術が用いられています。超電導は絶対零度付近の温度保持が必要となるため、被検側の体温との約300度の温度差を断熱する必要があります。さらに微弱な脳の磁場を計測することから鉄系の金属部材は使えません。当社はこの要件を満たし、本目的に使用できる繊維強化プラスチックの断熱容器を開発し2016年度に納入を開始しました。2017年度はさらなる改善を進め、MEGの普及発展に寄与したいと考えております。
複合材料に係る研究開発費は3億86百万円であります。
(3)ディスプレイ材料分野
・3Dディスプレイ材料
当社の3Dフィルター「Xpol®」を使用する3Dシステムは、高い信頼性と3D特性を有しており医療分野を中心に採用される機会が増えています。2016年度は新たに2社との開発検討を開始し今年度複数モデルでの量産開始を目指しています。また4Kタイプが市場で高い評価を得ていることから、次世代3Dディスプレイとして期待されている高解像度8Kタイプの開発に着手し55インチ試作品を作製しました。ユーザー評価は良好であり今後新規採用に向け注力してまいります。
・スクリーン材料
当社のプリズムスクリーンは超短焦点プロジェクター用に最適設計されており、優れたコントラストと視野角特性から高い評価を得ております。2016年度は受注増に対応すべく成形スピードアップ等生産性向上に努めました。また2017年度設置予定の新規設備には、生産性をさらに改良すべく各種改善案を検討・導入しました。今年度は新規設備の早急な立ち上げを目指します。また独自の塗工・配合技術並びに光学設計技術を活用しスクリーン素材の高輝度化などの性能改善・用途拡大を進め、大きな需要が期待される中国市場への展開を加速してまいります。
・UV硬化型OCA
スマートフォン等のタッチパネル製品や液晶モニターにて各種部材を貼り合わせるために透明な接着シートOCA(Optical Clear Adhesive)が使用されます。また、液晶モニターをリユースするためにリワーク性が要求されています。従来品が-20℃環境下でのリワークが必要でありましたが、常温でリワークできるUV硬化型OCAを開発し、大型液晶パネル用途に採用され、量産を開始しました。今後大きな需要が期待されます。
ディスプレイ材料に係る研究開発費は4億67百万円であります。
当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析は以下のとおりであります。
(1) 財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末の総資産は638億8百万円(前連結会計年度末は609億83百万円)となり、28億24百万円4.6%の増加となりました。
流動資産の当連結会計年度末における残高は282億88百万円(前連結会計年度末は258億82百万円)となり、24億5百万円9.3%の増加となりました。主な内訳は、現金及び預金19億71百万円、受取手形及び売掛金10億11百万円の増加であります。
固定資産の当連結会計年度末における残高は355億20百万円(前連結会計年度末は351億1百万円)となり、4億18百万円1.2%の増加となりました。主な内訳は、投資有価証券7億27百万円の増加であります。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債合計は145億26百万円(前連結会計年度末は126億86百万円)となり、18億40百万円14.5%の増加となりました。
流動負債の当連結会計年度末における残高は116億79百万円(前連結会計年度末は108億62百万円)となり、8億16百万円7.5%の増加となりました。主な内訳は、短期借入金(一年内返済予定長期借入金を含む)5億60百万円、未払法人税等2億65百万円の増加であります。
固定負債の当連結会計年度末における残高は28億47百万円(前連結会計年度末は18億23百万円)となり、10億23百万円56.1%の増加となりました。主な内訳は、長期借入金7億94百万円、退職給付に係る負債1億36百万円の増加であります。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産合計は492億82百万円(前連結会計年度末は482億97百万円)となり、9億84百万円2.0%の増加となりました。主な内訳は、利益剰余金12億53百万円の増加、為替換算調整勘定3億96百万円の減少であります。
(2) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は「第2 事業の状況 1.業績等の概要 (2) キャッシュ・フロー」に記載しております。
(キャッシュ・フローの指標)
|
|
前連結会計年度 (平成28年3月期) |
当連結会計年度 (平成29年3月期) |
|
自己資本比率(%) |
74.9 |
73.3 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
33.6 |
43.7 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
0.9 |
1.5 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
46.6 |
70.5 |
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※各指標は、いずれも連結ベースの財務諸表により計算しております。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
※キャッシュ・フロー及び利払いは連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業キャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を使用しております。
(3) 経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、344億51百万円(前連結会計年度は372億28百万円)と27億76百万円7.5%の減収となりました。また、売上原価につきましては、徹底したコスト削減に努めましたが285億57百万円(前連結会計年度は301億47百万円)と15億89百万円の減少にとどまり、売上原価率は82.9%と1.9ポイント悪化しました。
これにより、売上総利益は58億94百万円(前連結会計年度は70億81百万円)と11億86百万円の減益となり、売上総利益率は17.1%となりました。
(営業損益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、売上原価と同様に徹底したコスト削減に努めた結果、41億4百万円(前連結会計年度は41億24百万円)と20百万円の減少となりましたが、販売費及び一般管理費率は11.9%と0.8ポイント増加となりました。
これにより、営業利益は17億90百万円(前連結会計年度は29億57百万円)となり、11億66百万円の減少となりました。
(経常損益)
当連結会計年度における営業外収益は12億53百万円(前連結会計年度は11億97百万円)となり、55百万円の増加となりました。主な内訳は、受取賃貸料75百万円の増加であります。また、営業外費用は3億53百万円(前連結会計年度は6億44百万円)となり、2億90百万円の減少となりました。主な内訳は、為替差損2億13百万円の減少であります。
これにより、経常利益は26億90百万円(前連結会計年度は35億10百万円)となり、8億20百万円の減少となりました。
(税金等調整前当期純損益)
当連結会計年度における特別利益は1億52百万円(前連結会計年度は8億81百万円)となり、7億28百万円の減少となりました。これは、前連結会計年度に投資有価証券売却益8億43百万円の計上があったことによるものであります。また、特別損失は36百万円(前連結会計年度は4億64百万円)となり、4億28百万円の減少となりました。これは、前連結会計年度に損害賠償金1億74百万円、訴訟関連損失1億52百万円の計上があったなどによるものであります。
これにより、税金等調整前当期純利益は28億6百万円(前連結会計年度は39億27百万円)となり、11億20百万円の減少となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度における法人税等は5億56百万円(前連結会計年度は9億82百万円)となり、4億26百万円の減少となりました。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は20億72百万円(前連結会計年度は27億16百万円)となり、6億43百万円の減少となりました。親会社株主に帰属する当期純利益率は6.0%と1.3ポイント減少しております。