第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済政策や日本銀行による金融政策の効果などを背景に緩やかに持ち直しの傾向が見られましたが、年初以降は急速な円高が進むなど不安定な状況となりました。また、欧州での景気低迷が依然続いていることや中国経済の成長鈍化による世界経済の減速もあり、先行きが不透明な状況で推移いたしました。

このような状況のもと、当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)においては、多機能携帯端末を主用途とした電子材料分野の売上は前年より減少しましたが、産業用構造材料分野の売上が増加しております。

これらの結果、当連結会計年度の業績は、売上高372億28百万円(前年同期比1.0%減)、営業利益29億57百万円(前年同期比0.7%増)、経常利益35億10百万円(前年同期比22.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益27億2百万円(前年同期比43.9%減)となりました。

なお、経常利益が前期に対し減少となった主たる要因は、為替差損の計上と持分法による投資利益の減少によるものです。また親会社株主に帰属する当期純利益が前期に対し減少となった要因は、投資有価証券売却益の減少によるものです。

セグメントの業績は次のとおりであります。

①電子材料

電子材料では、主力のフレキシブルプリント配線板材料(受注高155億14百万円7.6%減、生産高16.4%減、前連結会計年度比較、提出会社単体ベース)を中心に、売上高は224億17百万円と前連結会計年度に比べ5.9%減となりましたが、セグメント損益は23億93百万円の利益となりました。

②産業用構造材料

産業用構造材料では、FW成形品、航空機用ハニカムパネル及びプリプレグ、引抜成形品、FRPスキーシートを中心に、売上高は81億円と前連結会計年度に比べ9.7%増となり、セグメント損益は11億93百万円の利益となりました。

③電気絶縁材料

電気絶縁材料では、硝子クロス、硝子テープ、電気絶縁用プリプレグを中心に、売上高は31億87百万円と前連結会計年度に比べ3.2%減となりましたが、セグメント損益は5億58百万円の利益となりました。

④ディスプレイ材料

ディスプレイ材料では、3D関連材料を中心に売上高は24億98百万円と前連結会計年度に比べ21.9%増となりましたが、セグメント損益は1億74百万円の損失となりました。

⑤関連商品販売

関連商品販売では、売上高は8億63百万円と前連結会計年度に比べ0.1%減となりましたが、セグメント損益は55百万円の利益となりました。

⑥その他(その他の事業分野)

その他では、売上高は1億60百万円と前連結会計年度に比べ12.1%減となりましたが、セグメント損益は、1億43百万円の利益となりました。

なお、この項に記載の売上高、受注高等の金額には、消費税等は含まれておりません。また、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

(2) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度に比べ11億20百万円(前年同期比18.6%減)減少し、49億1百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次の通りであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は45億48百万円(前年同期比98.3%増)となりました。主な資金増加の要因は、税金等調整前当期純利益39億27百万円、売上債権の減少19億17百万円等によるものであり、主な資金減少の要因は、法人税等の支払額19億14百万円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は17億71百万円(前年同期比68.3%減)となりました。主な資金増加の要因は、投資有価証券の売却による収入62億43百万円、定期預金の払戻による収入16億11百万円等であります。主な資金減少の要因は、投資有価証券の取得による支出75億70百万円、有形固定資産の取得による支出15億42百万円等であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は35億40百万円(前年同期は1億88百万円の使用)となりました。主な資金減少の要因は、短期借入金の減少15億24百万円、長期借入金の返済による支出15億16百万円等であります

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績及び受注状況

当社グループ(当社及び連結子会社 以下同様)の生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

 このため生産、受注及び販売の状況については、「1 業績等の概要」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。

(2)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

前年同期比(%)

電子材料(百万円)

22,417

△5.9

産業用構造材料(百万円)

8,100

9.7

電気絶縁材料(百万円)

3,187

△3.2

ディスプレイ材料(百万円)

2,498

21.9

関連商品販売(百万円)

863

△0.1

報告セグメント計(百万円)

37,067

△0.9

その他(百万円)

160

△12.1

合計(百万円)

37,228

△1.0

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成26年4月1日

至 平成27年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

住友商事ケミカル㈱

7,228

19.2

6,303

16.9

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3【対処すべき課題】

(1)会社経営の基本方針

当社グループは「創造・革新・挑戦」を基本とし

Ⅰ.新たな価値を提供し、顧客満足を高める。

Ⅱ.潜在ニーズを探求し、新たな事業を創り出す。

Ⅲ.海外事業を推進し、グループの総合力で企業体質を強化する。

Ⅳ.自らの安全を守り、ゼロ災を実現する。

を経営方針としております。

この経営方針の下、顧客満足度の向上、新製品開発のスピードアップ、徹底したコストダウンによる利益体質強化の推進により企業価値を創造し、会社の株主価値を高めていくことを目指しており、経営指標として新製品売上比率50%以上、営業利益率8%以上、ROA5%以上を中長期的な経営目標としております。

(2)中長期的な会社の経営戦略

既存製品の競争力強化による収益拡大と、新製品開発による新事業基盤の創出に取組んでいきます。

・電子材料分野につきましては、情報端末機器、車載関連を中心に新製品開発を進めます。また、徹底したコストダウンを図るとともに連結子会社と連携し、競争力強化とシェアアップを目指します。

・産業構造材料及び電気絶縁材料分野につきましては、航空機、水処理、重電機を中心に新製品開発と拡販を進め、堅実な利益体質の継続とシェアアップを目指します。

・ディスプレイ材料分野につきましては、医療、サイネージ関連を中心に新製品の早期市場投入を図っていきます。

(3)会社の対処すべき課題

当社グループは既述の経営戦略をより早期かつ確実に達成するため、今後対処すべき課題として次のことを推進いたします。

・競争力のあるコスト体質を具現化するため、製造技術や材料選定の徹底的な見直しを図ります。

・Arisawa Production Systemを中心とした管理技術、固有技術の向上と個人の能力アップにより、徹底的な原価低減を図ります。

・製造・販売・技術の連携強化を推進し、効率的な事業運営を図ります。

(4)会社の支配に関する基本方針

① 基本方針の内容と当社財産の有効な活用及び適切な企業集団の形成ならびにその他の基本方針の実現に資する取組み

当社は明治42年の創業以来、一貫してユーザーニーズにお応えしながら技術革新と製品開発に取り組み、当社独自の「織る、塗る、形づくる」技術を構築し、良好な労使関係のもと、企業価値の向上に努めてまいりました。当社取締役会はこの歴史と蓄積された技術を育み続けるとともに、これらの企業価値を理解し、長期的に育成し、向上させる義務があると考えております。

これに基づき、当社グループは「創造・革新・挑戦」を基本とした経営方針により、安全と品質の向上を第一に掲げ、新たな事業基盤と新市場を創出し、利益体質の強化を推進することを目指しております。

② 不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

近年の株式市場においては対象となる会社の株主あるいは経営陣に対して充分な説明や協議の手続きを経ることなく大量の株式の買付を強行する等の買収手法も見受けられ、ややもすると企業価値の喪失、株式売却の強要等、株主利益の侵害とも取れるものも少なくありません。

このためには買付を行う者またはその提案者(以下総称して「買付者」といいます。)に対して遵守すべきルール・手続きを提示することにより、必要かつ充分な情報の開示と、買付提案の検証及びその検討のための期間を確保する必要があると判断し、当社定款に基づき当社株式の大量取得行為に関する対応策(以下「本ルール」といいます。)を策定し、平成27年6月26日開催の第67回定時株主総会でご承認いただいております。

本ルールに基づいて、株主意思確認の株主総会等において対抗策の発動が承認された場合、買付者が本ルールを遵守しない場合及び当社株式の大量取得行為その他これに類似する行為またはその提案(以下総称して「買付」といいます。)が当社の企業価値を毀損することが明らかな場合は、本ルールに従って対抗策が発動されることになります。

(本ルールの詳細につきましては、インターネット上の当社ウエブサイト(http://www.arisawa.co.jp/)をご参照ください。)

③ 上記の取組みが、基本方針に従い、当社の企業価値及び株主の共同の利益を損なうものでなく、かつ、役員の地位の維持を目的とするものではないことについて

当社取締役会は、株式を上場し投資家の皆様に当社株式の自由な売買を行っていただくなかで、当社取締役会の意に反して行われる大規模買付行為、あるいは当社の支配権の移転を伴う買付提案におきましても、企業価値の向上により株主の皆様全体の利益となるものについては、当社取締役会としてこれを否定すべきでなく、最終的には当社の株主全体の判断に基づき行われるべきものと考えております。

このような買付が行われた場合は、株主の皆様が適切な判断を下されるために、買付者から詳細な情報の提供を受け株主の皆様に充分な情報の開示を行うとともに、当社取締役会としての意見表明を行い、株主の皆様にどちらの主張が当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上に結びつくかを、株主総会等で直接意思表示していただくことが最善の方策と考えており、本ルールでは次のように定めております。

イ 株主の皆様の直接決議による判断

本ルールは、買付者が本ルールを遵守しない場合等を除き、買付者による買付提案の受け入れの可否について、株主の皆様に直接判断いただくものであります。この株主意思の確認手続きにあたって、取締役が自らの保身のための個別勧誘等を行うことはほぼ不可能であり、取締役の恣意的な意向が入り込む余地はありません。

ロ 取締役会判断による対抗策発動の制限

当社取締役会が株主意思の確認を行わずに対抗策を発動できるのは、本ルール違反や企業価値・株主共同の利益が毀損されることが明らかな場合に限定しておりますとともに、有効期間を約2年とするいわゆるサンセット条項を付しております。

したがいまして、当社取締役会は、この「会社の支配に関する基本方針」が当社の企業価値、株主共同の利益を確保するための取組みであり、株主の皆様の利益を損なうものではないと考えます。

4【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項として、有価証券報告書提出日現在において以下のものが考えられます。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 製品需要の変動について

当社グループが製造・販売する製品の主なユーザーは、民生用電子機器メーカー、電子部品メーカー、産業用電子機器メーカー等であり、民生用電子機器の需要の変動は当社グループの経営成績に影響を及ぼします。

(2) 特定の製品への依存について

当社グループの売上高は、電子材料分野への依存度が高くなっております。当分野の売上が減少した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼすおそれがあります。

(3) 新規事業の展開について

当社グループは、種々の新規事業の立上げを図っておりますが、その進捗状況によっては、経営成績に影響を及ぼすおそれがあります。

(4) 原材料の調達について

当社グループが購入する原材料において、原油価格の高騰等により購入価格が著しく高騰した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼすおそれがあります。

(5) 災害による影響について

当社グループの生産拠点は、その多くが新潟県上越市に集中しており、地震その他の災害が発生した場合には、生産活動の中断等により当社グループの経営成績に影響を及ぼすおそれがあります。

(6) 環境に関する規制について

当社グループの事業は、様々な環境保全やその他の法的規制の下にあります。これらの環境保全やその他の規制の遵守に伴い甚大な債務や義務が発生した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼすおそれがあります。

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

6【研究開発活動】

当社グループの主な研究開発は、提出会社と連結子会社の新揚科技股份有限公司、カラーリンク・ジャパン㈱が行い、他の連結子会社へ技術展開を図っております。

研究開発は、技術開発企業として、多様化、高度化するユーザーニーズに応えるべく、フレキシブルな組織体制を基本とし、主要分野である電子材料分野、産業用構造材料等の電絶・複合材料分野、電気絶縁材料及びディスプレイ材料分野を中心に、新製品の立上げ、次世代製品の育成及び将来を見据えた技術の振興と基盤技術の拡大をめざし新技術、新製品の研究開発に邁進しております。

電子材料としては、プリント配線板用硝子クロス、特殊プリント配線板用プリプレグ、FPC(フレキシブルプリント配線板)用材料等が、電絶・複合材料としては、水処理関連材料、超伝導関連材料、航空機内装用材料、電気絶縁材料、電子機器関連材料等が、ディスプレイ材料としては、光学機能フィルム、3D(立体表示)関連材料等があげられます。

当連結会計年度末の研究開発活動に係る人員は160名であり、当連結会計年度の研究開発費は17億39百万円であります。

当連結会計年度における各セグメント別の研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。

(1)電子材料分野

・FPC材料

電子機器がより高機能に進化するなか、電子部品の薄型化・高密度化が急速に進んでおります。

FPCを薄型化させるため、従来のポリイミドカバーレイに変わる材料として、感光性カバーレイを上市しております。特徴としては厚さが半減でき、屈曲性に優れ、高精細化が可能な材料に仕上げております。昨年は更に絶縁信頼性向上とユーザーでの加工性をアップした改良タイプを開発し、大手ユーザーの認定を獲得しました。今後の採用拡大が期待されます。

LEDの普及に伴い、発光効率向上を目的とした白色カバーレイの採用が進んでいます。光反射効率を落とさずに更なる薄膜化を達成し、モバイル用途のみならず、車載用途としてもユーザー評価が進んでおります。

・放熱材料

各種電子部品の高密度化・高性能化に伴い、ICやパワー部品からの発熱量も増加傾向にあり、より効率的な放熱性能が要求されています。当社では1~7W/m・Kの放熱特性を持つ層間接着絶縁シートのラインナップが完了しておりましたが、昨年、更に高放熱グレードの10W/m・Kタイプを、新たラインナップに加えることができました。現在、車載用や産業機器用パワーモジュール用途での採用を目指し、サンプルワークを行なっております。

電子材料に係る研究開発費は8億80百万円であります。

(2)産業用構造材料・電気絶縁材料分野

・超伝導コイル用絶縁被覆材

核融合による電力エネルギーは核廃棄物を放出しないことから、アメリカ、EU、ロシア、中国そして日本が国際協力してフランスに核融合炉の建設を進めております。核融合の絶縁部材は、耐中性子線性に加えて封入樹脂との良好な真空含浸性、そして核融合コイルへの巻き付け追従性が求められます。開発したポリイミド/ガラスクロス貼合せ絶縁テープは、これらの要求を満足し核融合炉の長軸方向のトロイダルコイル(TFコイル)の絶縁部材として認定され流動を開始しました。TFコイルでの知見を生かして周方向に配されるポロイダルコイル(PFコイル)向に耐中性子線性を最適化した絶縁テープの開発を進めております。2016年の認定、流動を目指しております。

・海水淡水化向エネルギー変換器用圧力容器

近年、海水淡水化プラントでは既設のプラントに効率良く海水を送るエネルギー変換の技術が進んでいます。逆浸透膜とは別の圧力容器に海水を溜めておき、淡水化の過程で生ずる濃海水の残留圧力を利用して海水を逆浸透膜へ送り込むものです。残留圧力を利用するため高圧ポンプの大きな電力を必要とせずに海水送水量を1.5倍に向上できます。逆浸透膜の圧力容器は圧力がかかったままとなりますが、エネルギー変換用の圧力容器は7MPaの加圧と0MPaの除圧を1分間に5回繰り返すため高い耐疲労性が求められます。開発したFRP製圧力容器は加圧除圧の繰り返しを20年間続けても疲労破壊しないことが解析で明らかになり、実際のプラントでも5年間、水漏れや疲労破壊なく運転を続けております。この実績が評価され2016年度に量産受注があり今後の受注拡大が期待されます。

複合材料に係る研究開発費は3億73百万円であります。

(3)ディスプレイ材料分野

・3Dディスプレイ材料

当社の3Dフィルター「Xpol®」を使用する3Dシステムは、高い信頼性と3D特性を有しており、特に医療分野から注目されております。2015年度は次世代3Dディスプレイとして期待されている4K2K-3Dモニターの開発を完了し、量産を開始しました。2016年度は高精細・高画質を両立するために新たな技術を確立し、今年度も医療分野を中心に国内・国外ユーザーのさらなる新規採用に向け注力してまいります。

・スクリーン材料

当社のプリズムスクリーンは超短焦点プロジェクター用に最適設計されており、優れたコントラストと視野角特性を有していることから、ユーザー各社から高い評価を得ております。2015年度は大型設備の安定稼動を実現し、120インチの超大型パネルスクリーンの販売を開始しました。今年度は独自の塗工・配合技術を活用しスクリーン素材の高輝度化などの性能改善に取り組み、大きな需要が期待される中国市場への展開を加速し売上増を目指してまいります。

UV硬化型OCA

近年、スマートフォン等のタッチパネル製品や液晶モニターにはオプティカル・ボンディング技術の採用が拡大しております。当社ではオプティカル・ボンディング用に好適なUV硬化型OCA(Optical Clear Adhesive)を上市しておりますが、更に車載用途で使用可能な高耐久タイプ、及び常温環境でも剥離が可能な常温リワークタイプを開発し、ラインナップに追加しました。既に各社で材料認定を得ており、今年度からの量産流動が期待されます。

ディスプレイ材料に係る研究開発費は4億20百万円であります。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析は以下のとおりであります。

なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

(1) 財政状態の分析

(資産の部)

当連結会計年度末の総資産は609億83百万円(前連結会計年度末は657億66百万円)となり、47億82百万円7.3%の減少となりました。

流動資産の当連結会計年度末における残高は258億82百万円(前連結会計年度末は297億52百万円)となり、38億69百万円13.0%の減少となりました。主な内訳は、現金及び預金23億71百万円、受取手形及び売掛金20億46百万円の減少であります。

固定資産の当連結会計年度末における残高は351億1百万円(前連結会計年度末は360億14百万円)となり、9億13百万円2.5%の減少となりました。主な内訳は、投資有価証券6億60百万円の減少であります。

(負債の部)

当連結会計年度末における負債合計は133億81百万円(前連結会計年度末は176億19百万円)となり、42億37百万円24.1%の減少となりました。

流動負債の当連結会計年度末における残高は108億62百万円(前連結会計年度末は147億78百万円)となり、39億16百万円26.5%の減少となりました。主な内訳は、短期借入金15億43百万円、未払法人税等11億2百万円、支払手形及び買掛金9億90百万円の減少であります。

固定負債の当連結会計年度末における残高は25億19百万円(前連結会計年度末は28億40百万円)となり、3億21百万円11.3%の減少となりました。主な内訳は、退職給付にかかる負債3億61百万円の増加、繰延税金負債9億26百万円の減少であります。

(純資産の部)

当連結会計年度末における純資産合計は476億2百万円(前連結会計年度末は481億47百万円)となり、5億45百万円1.1%の減少となりました。主な内訳は、利益剰余金14億45百万円の増加、その他有価証券評価差額金17億99百万円の減少であります。

(2) キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は「第2 事業の状況 1.業績等の概要 (2) キャッシュ・フロー」に記載しております。

(キャッシュ・フローの指標)

 

前連結会計年度

(平成27年3月期)

当連結会計年度

(平成28年3月期)

自己資本比率(%)

69.1

73.8

時価ベースの自己資本比率(%)

55.6

33.6

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

2.6

0.9

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

20.3

46.6

(注)自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

※各指標は、いずれも連結ベースの財務諸表により計算しております。

※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

※有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

※キャッシュ・フロー及び利払いは連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業キャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を使用しております。

(3) 経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、372億28百万円(前連結会計年度は375億89百万円)と3億61百万円1.0%の減収となりました。また、売上原価につきましては、徹底したコスト削減に努めたことにより301億47百万円(前連結会計年度は306億円)と4億53百万円の減少となり、売上原価率は81.0%と0.4ポイント改善となりました。

これにより、売上総利益は70億81百万円(前連結会計年度は69億89百万円)と92百万円の増益となり、売上総利益率は19.0%と0.4ポイント上昇しております。

(営業損益)

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、売上原価と同様に徹底したコスト削減に努めましたが、41億24百万円(前連結会計年度は40億53百万円)と70百万円の増加となり、販売費及び一般管理費率は11.1%と0.3ポイント増加となりました。

これにより、営業利益は29億57百万円(前連結会計年度は29億35百万円)となり、21百万円の増加となりました。

(経常損益)

当連結会計年度における営業外収益は11億97百万円(前連結会計年度は19億13百万円)となり、7億15百万円の減少となりました。主な内訳は、急激な為替相場の変動により、為替差益から為替差損に転じ、前期に計上されていた為替差益3億52百万円がなくなったことと、持分法による投資利益3億1百万円の減少であります。また、営業外費用は6億44百万円(前連結会計年度は3億45百万円)となり、2億99百万円の増加となりました。主な内訳は、為替差損3億43百万円の増加であります。

これにより、経常利益は前連結会計年度の45億3百万円から9億93百万円減少し、35億10百万円となりました。

(税金等調整前当期純損益)

当連結会計年度における特別利益は8億81百万円(前連結会計年度は30億56百万円)となり、21億74百万円の減少となりました。これは、投資有価証券売却益21億33百万円の減少によるものであります。また、特別損失は4億64百万円(前連結会計年度は3億23百万円)となり、1億41百万円の増加となりました。これは、損害賠償金1億74百万円を計上したことなどによるものであります。

これにより、税金等調整前当期純利益は39億27百万円(前連結会計年度は72億36百万円)となり、33億9百万円の減少となりました。

(親会社株主に帰属する当期純損益)

当連結会計年度における法人税等は9億96百万円(前連結会計年度は20億35百万円)となり、10億38百万円の減少となりました。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は27億2百万円(前連結会計年度は48億21百万円)となり、21億18百万円の減少となりました。親会社株主に帰属する当期純利益率は7.3%と5.5ポイント減少しております。