第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社経営の基本方針

当社グループは「創造・革新・挑戦」を基本とし

Ⅰ.新たな価値を創造し、顧客満足を高める。

Ⅱ.顧客要求を発掘し、独創的な技術で新事業を創出する。

Ⅲ.品質と生産性を向上させ、企業体質を強化する。

を経営方針としております。

この経営方針の下、顧客満足度の向上、新製品開発のスピードアップ、徹底したコストダウンによる利益体質強化の推進により企業価値を創造し、会社の株主価値を高めていくことを目指しており、経営指標として新製品売上比率50%以上、営業利益率8%以上、ROA5%以上を中長期的な経営目標としております。

(2)中長期的な会社の経営戦略

既存製品の競争力強化による収益拡大と、新製品開発による新事業基盤の創出に取組んでいきます。

・電子材料分野につきましては、モバイル、車載及び半導体分野を中心に新製品開発を進めます。また、徹底したコストダウンを図るとともに連結子会社と連携し、競争力強化とシェアアップを目指します。

・産業構造材料及び電気絶縁材料分野につきましては、交通インフラ、水処理及び電絶関連を主力事業分野として新製品開発と拡販を進め、堅実な利益体質の継続とシェアアップを目指します。

・ディスプレイ材料分野につきましては、医療、車載及び大型ディスプレイ分野を中心に、当社固有の光学技術を活かした新製品の早期市場投入を図っていきます。

・海外連結子会社との協業を深化させ、顧客への技術サービス強化により一層の拡販を図っていきます。

(3)会社の対処すべき課題

当社グループは、既述の経営戦略をより早期かつ確実に達成するため、今後対処すべき課題として次のことを推進いたします。

・競争力のあるコスト体質を具現化するため、製造技術や材料選定の徹底的な見直しを図ります。

・Arisawa Production Systemを中心とした管理技術、固有技術の向上と個人の能力アップにより、徹底的な原価低減を図ります。

・製造・販売・技術の連携強化を推進し、効率的な事業運営を図ります。

(4)会社の支配に関する基本方針

①基本方針の内容

当社は明治42年の創業以来、一貫してユーザーニーズにお応えしながら技術革新と製品開発に取り組み、当社独自の「織る、塗る、形づくる」技術を構築し、良好な労使関係のもと、企業価値の向上に努めてまいりました。当社取締役会はこの歴史と蓄積された技術を育み続けるとともに、これらの企業価値を理解し、長期的に育成し、向上させる義務があると考えております。

これに基づき、当社グループは「創造・革新・挑戦」を基本とした経営方針により顧客満足度の向上、新製品開発のスピードアップ、徹底したコストダウンによる利益体質強化の推進により企業価値を創造し、会社の株主価値を高めていくことを目指しております。

②不適切なものによって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み

当社は、2019年6月27日開催の第71回定時株主総会終結の時をもって、当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)を非継続としておりますが、当社株式の大量取得行為が行われた場合は、大量取得行為の是非を株主の皆様が適切に判断するために必要かつ十分な情報収集に努め、あわせて取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のために必要な時間と情報の確保に努めてまいります。

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項として、有価証券報告書提出日現在において以下のものが考えられます。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 製品需要の変動について

当社グループが製造・販売する製品の主なユーザーは、民生用電子機器メーカー、電子部品メーカー、産業用電子機器メーカー等であり、民生用電子機器の需要の変動は当社グループの経営成績に影響を及ぼします。

 

(2) 特定の製品への依存について

当社グループの売上高は、電子材料分野への依存度が高くなっております。当分野の売上が減少した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼすおそれがあります。

 

(3) 新規事業の展開について

当社グループは、種々の新規事業の立上げを図っておりますが、その進捗状況によっては、経営成績に影響を及ぼすおそれがあります。

 

(4) 原材料の調達について

当社グループが購入する原材料において、原油や銅価の高騰により購入価格が著しく高騰した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼすおそれがあります。

 

(5) 災害による影響について

当社グループの生産拠点は、その多くが新潟県上越市に集中しており、地震その他の災害が発生した場合には、生産活動の中断等により当社グループの経営成績に影響を及ぼすおそれがあります。

 

(6) 環境に関する規制について

当社グループの事業は、様々な環境保全やその他の法的規制の下にあります。これらの環境保全やその他の規制の遵守に伴い甚大な債務や義務が発生した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼすおそれがあります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境が改善したこと等により景気回復基調が継続しました。一方で、米国の通商政策による貿易摩擦の動向や金融政策に対する懸念、中国経済の減速や英国のEU離脱問題など、先行きが不透明感が一層強まっています。

このような状況のもと、当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)当連結会計年度における業績は、売上高447億28百万円(前年同期比9.3%増)、営業利益31億19百万円(前年同期比14.0%減)、経常利益42億97百万円(前年同期比6.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益28億61百万円(前年同期比17.2%減)となりました。

セグメントの業績は次のとおりであります。

電子材料

電子材料では、主力の多機能携帯端末向けフレキシブルプリント配線板材料(受注高170億13百万円1.2%増、生産高4.5%減、前連結会計年度比較、提出会社単体ベース)を中心に、売上を伸ばしました。売上高は287億70百万円(前年同期比7.5%増)、セグメント利益は26億20百万円(前年同期比15.8%減)となりました。

産業用構造材料

産業用構造材料では、FW成形品、航空機用ハニカムパネル及びプリプレグ、水処理用圧力容器などを中心に、売上を伸ばしました。売上高は83億95百万円(前年同期比16.3%増)、セグメント利益は13億93百万円(前年同期比25.5%増)となりました。

電気絶縁材料

電気絶縁材料では、インフラ事業の減少により、売上高は31億27百万円(前年同期比3.1%減)、セグメント利益は4億30百万円(前年同期比29.2%減)となりました。

ディスプレイ材料

ディスプレイ材料では、3D関連材料を中心に医療用途などが伸び、売上高は36億99百万円(前年同期比23.8%増)、セグメント利益は1億14百万円(前年同期は55百万円のセグメント損失)となりました。

その他(その他の事業分野)

その他では、売上高は7億35百万円(前年同期比3.1%増)、セグメント利益は1億92百万円(前年同期比19.9%減)となりました。

なお、この項に記載の売上高、受注高等の金額には、消費税等は含まれておりません。

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度に比べ11億11百万円減少し、77億18百万円(前年同期比12.6%減)となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次の通りであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は28億93百万円(前年同期比32.6%増)となりました。主な資金増加の要因は、税金等調整前当期純利益42億15百万円、減価償却費19億1百万円等によるものであり、主な資金減少の要因は、法人税等の支払額14億60百万円等であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は33億4百万円(前年同期比600.8%増)となりました。主な資金増加の要因は、投資有価証券の売却による収入14億76百万円等によるものであり、主な資金減少の要因は、有形固定資産の取得による支出27億58百万円、投資有価証券の取得による支出19億29百万円等であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は5億76百万円(前年同期比872.7%増)となりました。主な資金増加の要因は、短期借入金の純増額12億95百万円、長期借入れによる収入9億17百万円等であります。主な資金減少の要因は、長期借入金の返済による支出13億41百万円、配当金の支払額12億21百万円等であります。③生産、受注及び販売の状況

a.生産実績及び受注実績

当社グループ(当社及び連結子会社 以下同様)の生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

 このため生産、受注及び販売の実績については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。

b.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

前年同期比(%)

電子材料(百万円)

28,770

7.5

産業用構造材料(百万円)

8,395

16.3

電気絶縁材料(百万円)

3,127

△3.1

ディスプレイ材料(百万円)

3,699

23.8

報告セグメント計(百万円)

43,992

9.4

その他(百万円)

735

3.1

合計(百万円)

44,728

9.3

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

住友商事ケミカル㈱

6,185

15.1

5,664

12.7

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計上の見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や現状等を総合的に勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

また、連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。

a.貸倒引当金

当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し回収不能見込額を計上しております。顧客の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上が必要となる可能性があります。

b.繰延税金資産の回収可能性の評価

当社グループは、税効果会計の適用にあたり繰延税金資産については、その回収可能性を合理的に見積り、評価性引当額を控除して計上しております。繰延税金資産の回収可能性は有税項目の将来の無税処理の可能性や将来の収益力に基づく将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が変動した場合には、繰延税金資産の取崩し又は追加計上により利益が変動する可能性があります。

c.有価証券及び投資有価証券の減損

当社グループは、有価証券及び投資有価証券を保有しており、評価方法は時価のある有価証券については時価法を、時価のない有価証券については原価法を採用しております。保有する有価証券につき、時価のあるものは株式市場の価格変動リスクを負っていること、時価のないものは投資先の業績状況等が悪化する可能性があること等から、合理的な基準に基づいて減損処理を行っております。

当社グループでは有価証券及び投資有価証券について必要な減損処理をこれまでに行ってきておりますが、この基準に伴い、将来の市況悪化または投資先の業績不振等により、現状の簿価に反映されていない損失または簿価の回収不能が発生し、減損処理が必要となる可能性があります。

d.固定資産の減損

当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しており、独立してキャッシュ・フローを生み出す事業単位を基準にして固定資産をグルーピングしております。資産グループの回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、その差額を減損損失として認識しております。将来、新たに資産グループの回収可能額が低下した場合、追加の減損損失の計上が必要となる可能性があります。

e.のれんの減損

当社グループは、のれんについて5年間の定額法により償却を行っております。その資産性については子会社の業績や事業計画等を基に検討しており、将来において当初想定した収益等が見込めなくなり、減損の必要性を認識した場合には、当該連結会計年度においてのれんの減損処理を行う可能性があります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度は、市場の変化を先取りして新規及び差異化製品を開発し、既存事業の継続的成長に取り組んでまいりました。同時に、各セグメントで新製品の開発を行い、市場拡大と当社グループの成長を促す挑戦を続けております。当社グループの主力製品である電子材料は、多機能携帯端末向けに子会社の新揚科技股份有限公司を含め受注を拡大し、グループ全体の支えとなりました。産業用構造材料及び電気絶縁材料につきましては、さらなる成長を期待しており、継続して新規開発と収益力強化を行う考えであります。ディスプレイ材料は、当期に黒字化となりましたが、一層の市場開拓と収益力強化を目指します。

なお、当社グループの当連結会計年度の経営成績等の分析は、次のとおりであります。

 

経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、447億28百万円(前連結会計年度は409億9百万円)と38億18百万円9.3%の増収となりました。また、売上原価につきましては、徹底したコスト削減に努めましたが366億7百万円(前連結会計年度は327億30百万円)と38億76百万円の増加となり、売上原価率は81.8%と1.8ポイント悪化となりました。

これにより、売上総利益は81億21百万円(前連結会計年度は81億78百万円)となり、57百万円の減益となりました。売上総利益率は18.2%と1.8ポイント減少しております。

(営業損益)

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、売上原価と同様に徹底したコスト削減に努めましたが、50億1百万円(前連結会計年度は45億51百万円)と4億50百万円の増加となり、販売費及び一般管理費率は11.2%と0.1ポイントの悪化となりました。

これにより、営業利益は31億19百万円(前連結会計年度は36億27百万円)となり、5億7百万円の減少となりました。営業利益率は7.0%と1.9ポイント減少しております。

(経常損益)

当連結会計年度における営業外収益は15億8百万円(前連結会計年度は12億3百万円)となり、3億5百万円の増加となりました。主な内訳は、為替差益1億60百万円の計上等であります。また、営業外費用は3億30百万円(前連結会計年度は7億86百万円)となり、4億55百万円の減少となりました。これは、前連結会計年度に貸倒引当金繰入額3億11百万円、為替差損1億70百万円の計上があったことによるものであります。

これにより、経常利益は42億97百万円(前連結会計年度は40億44百万円)となり、2億53百万円の増加となりました。経常利益率は9.6%と0.3ポイント減少しております。

(税金等調整前当期純損益)

当連結会計年度における特別利益は1億13百万円(前連結会計年度は8億51百万円)となり、7億38百万円の減少となりました。主な内訳は、投資有価証券売却益6億78百万円の減少であります。また、特別損失は1億94百万円(前連結会計年度は1億50百万円)となり、44百万円の増加となりました。主な内訳は、減損損失70百万円の増加であります。

これにより、税金等調整前当期純利益は42億15百万円(前連結会計年度は47億45百万円)となり、5億29百万円の減少となりました。税金等調整前当期利益率は9.4%と2.2ポイント減少しております。

(親会社株主に帰属する当期純損益)

当連結会計年度における法人税等は10億66百万円(前連結会計年度は9億94百万円)となり、72百万円の増加となりました。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は28億61百万円(前連結会計年度は34億53百万円)となり、5億92百万円の減少となりました。親会社株主に帰属する当期純利益率は6.4%と2.0ポイント減少しております。

 

財政状態の分析

(資産の部)

当連結会計年度末の総資産は730億96百万円(前連結会計年度末は723億82百万円)となり、7億13百万円1.0%の増加となりました。

流動資産の当連結会計年度末における残高は355億77百万円(前連結会計年度末は357億82百万円)となり、2億4百万円0.6%の減少となりました。主な内訳は、原材料及び貯蔵品4億27百万円、有価証券2億21百万円の増加、現金及び預金9億30百万円の減少であります。

固定資産の当連結会計年度末における残高は375億18百万円(前連結会計年度末は365億99百万円)となり、9億18百万円2.5%の増加となりました。主な内訳は、投資その他の資産6億11百万円、有形固定資産3億62百万円の増加であります。

(負債の部)

当連結会計年度末における負債合計は196億33百万円(前連結会計年度末は198億88百万円)となり、2億54百万円1.3%の減少となりました。

流動負債の当連結会計年度末における残高は161億72百万円(前連結会計年度末は159億82百万円)となり、1億90百万円1.2%の増加となりました。主な内訳は、短期借入金(一年内返済予定長期借入金を含む)10億67百万円の増加、支払手形及び買掛金6億89百万円、未払法人税等6億29百万円の減少であります。

固定負債の当連結会計年度末における残高は34億61百万円(前連結会計年度末は39億6百万円)となり、4億45百万円11.4%の減少となりました。主な内訳は、長期借入金3億77百万円の減少であります。

(純資産の部)

当連結会計年度末における純資産合計は534億62百万円(前連結会計年度末は524億93百万円)となり、9億68百万円1.8%の増加となりました。主な内訳は、利益剰余金16億36百万円の増加、その他有価証券評価差額金4億69百万円、為替換算調整勘定3億74百万円の減少であります。

 

キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

(キャッシュ・フローの指標)

 

前連結会計年度

(2018年3月期)

当連結会計年度

(2019年3月期)

自己資本比率(%)

68.6

69.3

時価ベースの自己資本比率(%)

49.1

39.3

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

3.3

2.7

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

25.8

34.2

(注)自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

※各指標は、いずれも連結ベースの財務諸表により計算しております。

※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

※有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

※キャッシュ・フロー及び利払いは連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業キャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を使用しております。

 

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。

 

b.資本の財源及び資金の流動性

当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金を基本としておりますが、不足時の一時的な運転資金を効率的に調達するため、主要取引銀行と当座貸越契約を締結しております。設備投資等の資本形成に係わる資金については、調達コストやリスク分散などを勘案しながら自己資金及び金融機関からの長期借入による調達を基本としております。また、資金運用の効率化と金融リスクの低減及び支払利息の削減を図るため、当社グループにおいて、グループファイナンスを進めております。

 

c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、利益体質強化の推進と資産効率の向上により会社の株主価値を高めていくことを目指しており、「営業利益率」と「総資産純利益率(ROA)」を重要な指標として位置付けております。当連結会計年度における営業利益率は7.0%(前年同期比1.9ポイント悪化)であり、総資産純利益率は3.9%(前年同期比0.9ポイント悪化)となりました。引き続き当該指標の改善に取り組んでまいります。

 

d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度におけるセグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」及び「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

5【研究開発活動】

当社グループの主な研究開発は、提出会社と連結子会社の新揚科技股份有限公司、㈱サトーセン、カラーリンク・ジャパン㈱が行い、他の連結子会社へ技術展開を図っております。

研究開発は、技術開発企業として、多様化、高度化するユーザーニーズに応えるべく、フレキシブルな組織体制を基本とし、主要分野である電子材料分野、産業用構造材料分野、電気絶縁材料分野及びディスプレイ材料分野を中心に、新製品の立上げ、次世代製品の育成及び将来を見据えた技術の振興と基盤技術の拡大をめざし新技術、新製品の研究開発に邁進しております。

電子材料としては、プリント配線板用硝子クロス、特殊プリント配線板用プリプレグ、FPC(フレキシブルプリント配線板)用材料等が、産業用構造材料としては、水処理関連材料、超伝導関連材料、航空機内装用材料が、電気絶縁材料としては、電気絶縁用プリプレグ、各種成形品等が、ディスプレイ材料としては、3Dフィルター、光学成形品等があげられます。

当連結会計年度末の研究開発活動に係る人員は173名であり、当連結会計年度の研究開発費は2,001百万円であります。

当連結会計年度における各セグメント別の研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。

(1)電子材料分野

・FPC材料

モバイル機器では次世代5G通信が早くも本年度より一部開始されるとも言われています。この高速通信に使用される電子部品には、信号伝送ロスの低減化が要求されています。これに対応すべく当社は、独自樹脂組成技術にて信号伝送ロスの小さい低誘電特性のFPC回路材料、接着シート及びカバーレイを開発し、顧客各社で評価が進んでおります。また新規素材を用いて更に誘電特性が向上した新規のFPC回路材料を開発しました。モバイル用途のみでなく車載センサーへの適用を目指し、現在顧客各社にて評価が開始されています。

・半導体周辺材料

IoT化が進む中、半導体パッケージの薄膜化や小型化の要求が高まっています。当社は、これらの生産工程に使用される保護接着テープの開発を進めております。この接着テープには密着性と剥離性の両立、および製品への汚染防止特性が必要とされます。当社は独自樹脂組成技術にて要求特性を満足する接着剤を開発し、顧客での認定評価が進んでおります。

・放熱材料

自動車用の電子部品には、小型化により、より厳しいヒートサイクル耐性が必要とされています。当社開発の放熱接着シートは、このヒートサイクル試験に合格し、自動車メーカーの認定を取得し、今後の採用拡大が期待されております。また更なる放熱特性向上を目指し、新規な放熱接着シートの開発にも取り組んでおります。

電子材料に係る研究開発費は1,285百万円であります。

(2)産業用構造材料・電気絶縁材料分野

・航空機用内装材

航空機用内装材は高い難燃性が求められる技術的難易度の高い材料です。当社はこの航空機用内装材として、これまでギャレイ(厨房設備)やラバトリー(トイレ・洗面所)に使用されるサンドイッチパネルを納入して参りました。また当社はこの難燃化技術を活かし航空機シート筐体部材用カーボンプリプレグの開発も進めており、2018年度は新しいタイプのカーボンプリプレグを完成させ納入を開始しました。当社のカーボンプリプレグはビジネスクラスのシートに使用され、機体の軽量化に貢献しています。今後も難燃化技術を活かし各種内装材の開発を進めて参ります。

・医療用クライオスタット

当社はこれまで、てんかんやアルツハイマー型認知症の診断に使用される脳磁計(脳の磁場計測)用クライオスタット(液体ヘリウムを貯蔵できるFRP容器)を開発、製造してきました。2018年度は脊磁計(脊髄の磁場計測)用クライオスタットの開発を大きく進めることができました。この脊磁計は手足の麻痺やしびれ等多くの病気の診断に有効と言われている装置で、早期に上市できるよう取り組んで参ります。

産業用構造材料及び電気絶縁材料に係る研究開発費は397百万円であります。

(3)ディスプレイ材料分野

・3Dディスプレイ材料

当社の3Dフィルター「Xpol®」を使用する3Dシステムは、高い信頼性と3D特性を有しており医療分野を中心にいろいろな用途にご使用頂いております。以前は内視鏡手術が主用途でしたが最近は眼科用途や脳外科用途にも採用される機会が増えています。2018年度は大画面化のご要望に応え55型Xpolの開発を完了しました。今後、より多くの用途にご使用いただけることを期待しています。

ディスプレイ材料に係る研究開発費は296百万円であります。