当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
当中間連結会計期間における我が国の経済は、金融・為替市場や物価・資源価格の動向に引き続き注意が必要な状況が続いているものの、企業収益の堅調さを背景に設備投資意欲や雇用情勢・所得環境等が改善し、緩和的な金融環境を背景とした所得から支出への前向きの循環メカニズムが徐々に強まり、緩やかな景気回復基調が見られました。
当社グループを取り巻く環境では、地震災害や気候変動に伴う集中豪雨、台風による洪水や土砂災害などの自然災害が頻発化・激甚化しており、災害防止に対する需要は今後も継続すると見込まれます。さらに、国土強靭化計画の進展や高度成長期に建設された各種社会インフラの老朽化が大きな社会問題となる中、国土強靭化のための5か年加速化対策後も、継続的かつ安定的に推進するための「改正国土強靭化基本法」が昨年成立し、実施計画の策定が法定化されました。これにより、国内公共事業を取り巻く環境は概ね堅調に推移するものと予想されます。
このような状況のもと、当社グループの当中間連結会計期間の売上高は189億22百万円(前年同期比31.9%増)となりました。営業利益は、人的資本経営を推進する中で人件費等が増加基調にある中、売価の見直しやコスト削減に努め、利益確保に取り組んだ結果、14億68百万円(同411.6%増)を達成しました。また、経常利益は24億91百万円(同123.6%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は20億82百万円(同81.1%増)となり、前年同期に比べて大幅な増収増益となりました。
事業セグメント別の概況は次のとおりであります。
①基礎事業
コンクリートパイルの全体需要は減少しましたが、当社グループでは全国的に受注が増加したことに加え、原価高騰に対する価格見直しが軌道に乗り始めたことなどから、売上高は126億39百万円(前年同期比34.4%増)、営業利益は12億21百万円(同274.2%増)の増収増益となりました。
②下水道関連事業
ヒューム管の全体需要は減少しましたが、当社グループでは全国的には受注が増加したことに加え、高付加価値製品である合成鋼管の出荷や、注力している道路用プレキャスト製品の拡販などにより、売上高は55億32百万円(前年同期比33.7%増)、営業利益は8億81百万円(同99.8%増)と、増収増益となりました。
③太陽光発電・不動産事業
売上高は7億12百万円(前年同期比7.6%減)、営業利益は4億6百万円(同4.7%減)となりました。
④その他
その他の売上高は36百万円(前年同期比38.1%増)、営業利益は28百万円(同47.0%増)となりました。
中期経営計画「23-27計画R」における当中間連結会計期間の主な取組みと成果については次のとおりです。
①低炭素型高機能コンクリート「e-CON®」の建設技術審査証明取得(日本初)
当社が開発を進めております低炭素型高機能コンクリート「e-CON®」が、セメントレスプレキャスト製品用コンクリートとして、日本で初めて(一社)土木研究センターの建設技術審査証明(土木系材料・製品・技術、道路保全技術)を取得いたしました。e-CON®はCO2排出量削減に寄与し、耐塩害性・耐酸性に優れた長寿命コンクリート材料です。今後は事業化・拡販および脱炭素社会の実現に向けて全社一丸となって推進してまいります。
②新技術開発
〔ICT施工管理システム「Pile-ViMSys®」の機能追加〕
ICT施工管理システム「Pile-ViMSys®」に杭伏図機能を追加いたしました。これにより、設計図面と同じ位置関係で杭の施工状況をリアルタイムに把握できるだけでなく、遠隔地からの確認・承認も可能となりました。今後も機能を拡充し、ICT施工管理システムによる安全性向上と施工管理の効率化に取り組むことに加え、国土交通省の「i-Construction 2.0」において具体的ビジョンが策定された施工のオートメーション化にも取り組み、杭施工の革新に努めてまいります。
〔3Dプリンティング技術による製品の採用〕
当社では、生産工程の効率化に向けた3Dプリンターの実用化に取り組んでまいりましたが、同システムで製造したプレキャスト製品が国土交通省発注の土木工事に採用され、納入いたしました。3Dプリンティング技術によるプレキャスト製品は、工期短縮やコスト削減に寄与するだけでなく、曲線造形製品の製造による事業拡大や将来的な自動製造にもつながるものです。今後もお客様のニーズや社会環境に応じた生産技術の開発を進めてまいります。
③資本政策の推進
直近の業績動向を踏まえ、2025年3月期の業績予想を上方修正いたしました。これに伴い、2025年3月期の配当(中間配当)は、普通株式1株当たり19円、期末配当予想も同じく普通株式1株当たり19円といたします。
これにより、当期の年間配当金は前期実績より13円増配し、1株当たり38円となる見込みです。
また、2024年5月24日開催の取締役会決議に基づき、当中間連結会計期間に600,000株、総額7億29百万円の自己株式を取得完了いたしました。今後も安定した配当の維持・向上を資本政策の方針とし、株主様のご期待にお応えしてまいります。
当期は中期経営計画「23-27計画R」の2年目にあたります。引き続き収益拡大に全社一丸となって取り組んでまいります。また、来年度には会社創立100周年を迎えますが、次の200年企業に向けた構造改革も継続して断行し、株主様をはじめとするステークホルダーの皆様のご期待に応えるよう、企業価値向上に努めてまいります。
(2) 財政状態の分析
当中間連結会計期間末の流動資産の残高は、前連結会計年度末と比べ12億11百万円減少し、313億45百万円となりました。これは、受取手形、売掛金及び契約資産が11億67百万円減少したことなどによります。
当中間連結会計期間末の固定資産の残高は、前連結会計年度末と比べ5億56百万円減少し、289億65百万円となりました。これは、投資有価証券が4億37百万円減少したことなどによります。
当中間連結会計期間末の流動負債の残高は、前連結会計年度末と比べ14億15百万円減少し、142億40百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が18億1百万円減少したことなどによります。
当中間連結会計期間末の固定負債の残高は、前連結会計年度末と比べ3億42百万円減少し、44億80百万円となりました。これは、その他に含まれる繰延税金負債が4億3百万円減少したことなどによります。
当中間連結会計期間末の純資産の残高は、前連結会計年度末と比べ9百万円減少し、415億89百万円となりました。その主な内訳は、利益剰余金において親会社株主に帰属する中間純利益により20億82百万円増加した一方、配当金の支払により6億41百万円、自己株式の取得により7億30百万円、その他有価証券評価差額金が6億91百万円それぞれ減少したことなどによります。
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」といい、現金及び預金から預入期間が3ヶ月を超える定期預金を控除したものをいう。)は、前連結会計年度末と比べ5億96百万円増加の149億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における営業活動により得られた資金は、前中間連結会計期間と比べ16億50百万円増加の26億45百万円となりました。その主な内訳は、税金等調整前中間純利益26億53百万円、売上債権の減少18億68百万円、仕入債務の減少16億86百万円、持分法による投資損益8億35百万円などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における投資活動により使用された資金は、前中間連結会計期間と比べ64百万円減少の61百万円となりました。その主な内訳は、固定資産の取得による支出5億37百万円、投資有価証券の売却による収入4億28百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における財務活動により使用された資金は、前中間連結会計期間と比べ13億22百万円増加の19億88百万円となりました。その主な内訳は、自己株式の取得による支出7億30百万円、配当金の支払額6億36百万円、短期借入金の純減額5億98百万円などによるものであります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
当中間連結会計期間における研究開発費の総額は2億41百万円であります。
なお、当中間連結会計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
該当事項はありません。