第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営上の重要な契約等】

  当第3四半期連結会計期間において、新たに締結した経営上の重要な契約等はありません。

 

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

   文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 (1)業績の状況

 当第3四半期連結累計期間(平成27年1月1日から平成27年9月30日)における世界経済は、中国・アジア地域では景気の減速が見られましたが、堅調な回復が続く米国経済及び金融緩和やユーロ安を背景にしたユーロ圏の景気持ち直しの影響を受け、引き続き緩やかな回復基調をたどりました。わが国経済も、一部に弱さは見られるものの景気は緩やかな回復基調が続きました。

 当社グループの事業環境は、主力製品であるカーボンブラックでは、原料油価格低下による売価の下落や、主要な市場である日本及びタイへの安価な中国品流入、黒鉛電極では需給の不均衡による不況構造が解消されないなど、引き続き厳しい状況となりました。

 以上により、当第3四半期連結累計期間の売上高は前年同期比5.0%減の804億9千7百万円となりました。営業利益は、前年同期比44.4%増の35億4千8百万円となりました。経常利益は前年同期比36.5%増の36億2千5百万円となり、四半期純利益は前年同期比12.0%減の14億3千3百万円となりました。セグメント別の業績は下記のとおりです。

 なお、当社は8月5日に、黒鉛電極の生産能力削減と今後の成長が期待されるファインカーボン及びリチウムイオン二次電池用負極材への投資を主体とする「炭素・セラミックスセグメントの合理化」を公表いたしました。各製品の今後の需要動向に合わせ、国内3工場(滋賀、防府、田ノ浦)の再編を2018年までに段階的に実施いたします。市場環境に応じた最適な生産体制により収益力の向上を図ってまいります。

 

[カーボンブラック事業部門]

 国内においては、消費増税前の駆け込み需要の反動や4月の軽自動車税引き上げの影響により対面業界である自動車及びタイヤ出荷量は前年同期を下回って推移しており、カーボンブラック需要も低調に推移しました。カーボンブラック原料油の価格下落に伴い、製品価格改定を行った影響や国内外の市場への安価な中国製品の流入により、昨年5月に連結子会社としたCancarb Limitedの業績を加えても、売上高、営業利益共に減少しました。

 以上により、当事業部門の連結売上高は前年同期比9.4%減の365億2千7百万円となり、営業利益は前年同期比43.4%減の12億7千7百万円となりました。

 

[炭素・セラミックス事業部門]

黒鉛電極

 粗鋼生産は国内外とも前年同期比マイナス基調が継続しました。前年同期比プラスの国は限られ、昨年好調であったアメリカ等もマイナスに転じました。世界最大の粗鋼生産国である中国は成長減速により粗鋼生産は低下しているものの従来以上に輸出を増加させ、世界全体の鋼材市況と粗鋼生産に大きな影響をもたらしました。対面業界の電炉鋼生産にもその影響が拡大し、黒鉛電極の需要を下押ししました。この結果、販売数量、売上高とも低下し、円安効果は受けたものの黒鉛電極の売上高は前年同期比9.9%減の202億3千5百万円となりました。

ファインカーボン

 半導体市場は好調を維持し、黒鉛材の市況は全般的に緩やかな回復基調を維持しました。しかしながら需給バランスは依然として供給過剰が続いており厳しい価格競争が継続しました。欧州では、一般産業向けに一定量の黒鉛需要を確保したものの厳しい価格競争にさらされ、韓国でも価格競争により黒鉛需要を捕捉しきれませんでした。北米では半導体・ポリシリコン向けを中心に販売は堅調で、国内も厳しい価格競争の中、販売は底堅く推移しました。中国では太陽電池需要の回復に伴い黒鉛需要も盛り返してきましたが、直近では景気後退の影響を受け、今後の黒鉛需要には不透明感が見られました。この結果、ファインカーボンの売上高は前年同期比8.7%増の115億3千9百万円となりました。

 以上により、当事業部門の売上高は前年同期比3.9%減の317億7千4百万円となりましたが、営業利益は、コスト低減や為替差益等により前年同期比354.6%増の23億3千5百万円となりました。

 

[工業炉及び関連製品事業部門]

 主要な需要先である情報技術関連業界において、一部に回復の兆しが見られたことから、主力製品である工業炉の売上高は前年同期比増となりました。発熱体その他製品の売上高は、中国ガラス業界の需要が低調に推移したものの、一部の主要電子部品業界を筆頭に熱処理関係の需要が堅調に推移したため前年同期比増となりました。

 以上により、当事業部門の売上高は前年同期比12.9%増の38億1千5百万円となり、営業利益は前年同期比9.0%減の4億2千5百万円となりました。

 

[その他事業部門]

摩擦材

 主要な需要先である建設機械向けの需要は、従来からの低迷状況が一段と悪化し、前年同期を下回りました。商用車向けの需要もインドネシア市場の不振を受け、前年同期比減となりました。一方ロボット等の産業機械向けの需要は好調に推移し、前年同期を上回りました。この結果、摩擦材の売上高は前年同期比2.4%減の62億2千2百万円となりました。

その他

 不動産賃貸等その他の売上高は、リチウムイオン二次電池用負極材の販売数量が増加したことにより前年同期比38.6%増の21億5千8百万円となりました。

 以上により、当事業部門の売上高は前年同期比5.6%増の83億8千万円となり、営業利益は前年同期比85.9%増の4億3千8百万円となりました。

 

 (2)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 なお、「当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」の内容等は以下のとおりであります。

 

当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

  ①基本方針の内容

 当社は、金融商品取引所に株式を上場している会社として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大規模買付行為であっても、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、最終的には株式の大規模買付提案に応じるかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきであると考えています。

 しかしながら、株式の大規模買付提案の中には、たとえばステークホルダーとの良好な関係を保ち続けることができない可能性があるものなど、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれのあるものや、当社グループの価値を十分に反映しているとは言えないもの、あるいは株主の皆様が最終的な決定をされるために必要な情報が十分に提供されないものもありえます。

 そのような提案に対して、当社取締役会は、株主の皆様から負託された者の責務として、株主の皆様のために、必要な時間や情報の確保、株式の大規模買付提案者との交渉などを行う必要があると考えています。

 

  ②基本方針実現のための取組み

  (a)基本方針の実現に資する特別な取組み

(中期経営計画による企業価値向上への取組み)

 当社は大正7年(1918年)の創立以来、90余年にわたり炭素業界のパイオニアかつそのリーディングカンパニーとして歩み続け、カーボンブラック事業、製鋼用黒鉛電極事業、ファインカーボン事業、摩擦材事業並びに工業炉及び関連製品事業を通じて社会の発展に寄与してまいりました。この間当社は顧客をはじめとするステークホルダーとの長い信頼関係を築くとともに、それに支えられて独自の知識経験を積み上げながら首尾一貫して持続的成長を真摯に追求してまいりました。

 この歴史を踏まえながら、更なる成長を追求するため、当社グループは「信頼の絆」という企業理念のもとに、「価値創造力」、「公正」、「環境調和」、「国際性」を行動の基本方針とし、あるべき企業像を「炭素材料のグロ-バルリーダー」として掲げ、積極的なグローバル展開と技術革新を追求しています。具体的には3年毎の中期経営計画Tシリーズで具体的な目標を設定しています。

 平成24年を最終年度とする中期経営計画「T-2012」では、厳しい経営環境により売上高などの数値目標は達成できなかったものの、コストダウンや生産効率の改善などで進展を見ることができました。

 当期が最終年となる3ヵ年中期経営計画「T-2015」では、数値目標である平成27年の売上高1,400億円、ROS(売上高営業利益率)11%、ROA(総資産経常利益率)8%の達成は遺憾ながら厳しいと言わざるを得ません。このような状況の下、収益力強化を最重要課題と位置づけ、創立100周年を迎える次期3ヵ年中期経営計画を展望し、技術力の再構築、事業環境の変化に応じた生産体制の合理化に取り組んでまいります。

 更に今後も、メーカーの基本である安全確保、品質管理、環境保全には一層の注意を払っていく所存であり、コーポレートガバナンス、CSR(企業の社会的責任)活動の強化にも引き続き努めてまいります。また、金融商品取引法に基づく財務報告にかかる内部統制報告制度の運用、評価、改善により企業基盤の強化にも取り組んでいく所存です。

(コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方)

 当社はコーポレートガバナンスの充実を経営上の重要な課題と位置づけ、企業倫理と法令遵守を徹底するとともに、リスク管理を含めた内部統制システムを整備し、経営の効率化、透明性を確保することに努めています。具体的施策として、当社は監査役会制度を採用しています。監査役は4名で構成され、内2名は社外監査役であり、取締役会その他の重要な会議に出席し、取締役や執行役員等からその職務の執行状況を聴取する他、経営トップとも定期的に意見交換を行い、公正な経営監視体制をとっています。また経営の監督機能と業務執行の分離を図る目的で平成11年より執行役員制を導入しています。

 取締役8名(うち1名は社外取締役)からなる取締役会は経営の基本方針を決定しています。取締役会は経営戦略についての意思決定機関であるとの明確な位置づけのもとに運営し、原則として月1回開催し、法令で定められた事項や重要事項の決定を行い、業務執行状況の報告を受けています。平成19年3月からは経営環境の変化に対応し、最適な経営体制を機動的に構築するために取締役の任期を2年から1年に変更しています。

  (b)基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するため

     の取組み

 当社は、当社株式の大量買い付けが行われた際には、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上のために、積極的な情報収集と適時開示に努めるとともに、必要に応じて、会社法その他関係法令等の許容する範囲内において、適切な措置を講じるものとしています。

 

  ③取締役会の判断及びその判断に係る理由

  (a) 前述②(a)の取組みは、当社の企業価値を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定さ

     れたものであるので、前述①の基本方針に沿い、株主の共同の利益を損なうものではなく、かつ当社役員の地

     位の維持を目的とするものではないと判断しています。

  (b) 前述②(b)の取組みは、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上のために、会社法その他関

     係法令等の許容する範囲内での具体的方策として策定されたものであるので、前述①の基本方針に沿い、株主

     の共同の利益を損なうものではなく、かつ当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断していま

     す。

   なお、当社は、平成26年2月10日開催の取締役会において、平成26年3月28日開催の第152期事業年度に係

  る定時株主総会終結の時をもって、「当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)」を継続しな

  いことを決議しております。

 

 (3)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は13億6千万円であります。

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。