第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

 平成27年の世界経済は、米国では雇用・所得環境の改善による個人消費の回復や企業活動の拡大などで堅調な回復基調が続き、欧州においても個人消費の回復基調が強まるなど景気の持ち直しが見られ、概して緩やかな回復傾向が続きました。しかし一方で、中国を中心とした新興国や資源国における景気の減速、世界各地で頻発するテロなどの地政学的リスクの高まりによる先行き不透明感は一層根強いものとなりました。わが国経済は、緩やかな回復基調をたどったものの、年初に高成長が期待された個人消費、設備投資、輸出等の主要な需要項目は総じて弱含みで推移しました。

 当社グループの対面業界であるゴム製品、鉄鋼、半導体、情報技術関連、産業機械などの各業界では、一部において回復基調が続きましたが、カーボンブラックの需要先であるタイヤ産業においては前期を下回る生産量となりました。また、黒鉛電極の需要先である電炉鋼業界でも、中国製鋼材の大量流出等の影響を受け大幅な生産減となり、主力事業における国内外での需要の取り込み、採算性の確保に苦戦を強いられました。その他の事業においても価格競争の激化や技術面における新興国の追随等、常に予断を許さない状況が続きました。

 当社グループの3ヵ年中期経営計画「T-2015」の最終年にあたる当期は、引き続きコスト競争力の強化、研究開発の促進に取り組み一定の成果を見ることができましたが、数値目標である平成27年の売上高1,400円、ROS(売上高営業利益率)11%、ROA(総資産経常利益率)8%の達成は、中国経済の減速、原油価格急落等により市況が悪化した結果、遺憾ながら未達となりました。

 このような状況のなか、全従業員が危機意識を共有し難局に立ち向かうべく、社内コミュニケーションの改善、部門間の壁の打破、技術力の回復を掲げ諸改革を行ってまいりました。6月に、全事業部の生産技術・設備を横断する組織として技術本部を新設し、技術力の復権に向けた一歩を踏み出しました。8月には、事業環境の変化に応じた収益構造の最適化を図るため、炭素・セラミックスセグメントの合理化を第一弾とする構造改革に着手しました。

 この結果、当連結会計年度の売上高は前期比8.5%減の1,048億6千4百万円となりました。損益面におきましては、販売数量の減少、売価低下等はあったものの、為替の円安効果もあり営業利益は前期比10.4%増の40億8千8百万円となり、経常利益は前期比3.3%増の43億1千7百万円となりました。当期純利益は、投資有価証券売却益及び固定資産売却益を計上しましたが、東海炭素(天津)有限公司のカーボンブラックの製造設備について減損損失を計上したことから前期比3.0%減の24億8千4百万円となりました。

 

 セグメント別の業績は次のとおりであります。

 

[カーボンブラック事業部門]

 国内においては、消費増税前の駆け込み需要の反動や4月の軽自動車税引き上げの影響により対面業界である自動車及びタイヤ産業の生産・出荷は前年同期を下回って推移し、カーボンブラック需要も低調に推移しました。平成26年5月に連結子会社としたCancarb Limitedの業績が当期は通期で寄与しましたが、供給過剰が続く中国製品の当社市場への流入や、原料油価格の低下に伴いカーボンブラックの価格改定を行った影響により、売上高、営業利益ともに減少しました。

以上により、当事業部門の売上高は前期比15.7%減の462億2千4百万円となり、営業利益は前期比53.6%減の13億5百万円となりました。

 

[炭素・セラミックス事業部門]

黒鉛電極

 粗鋼生産は国内外とも前期比マイナスで推移しました。世界最大の粗鋼生産国である中国の内需が減少する一方で過剰生産が継続したことから、中国製の安価な鋼材が海外へ大量流出し世界全体の粗鋼生産量と鋼材市況に影響をもたらしました。電炉鋼生産もその影響を受け大幅な減産となりました。また、国内電炉鋼生産は、13ヶ月連続して前年同月比割れするなど、ここ5年間で最小の生産量となるほど構造不況が続いております。この結果、黒鉛電極の販売量、売上高ともに減少し、円安による為替効果は受けたものの黒鉛電極の売上高は、前期比10.4%減の269億6千万円となりました。

ファインカーボン

 等方性黒鉛の需要は堅調に推移しましたが、供給過剰による需給不均衡が続き、通年にわたり競合他社との激しい価格競争となりました。対面業界である太陽電池、半導体、ポリシリコン、LEDの各市場は上期までは概ね好調に推移しましたが、下期は成長ペースが緩やかとなったため、価格対応を行い販売量の維持に努めました。この結果、ファインカーボンの売上高は前期比4.0%増の149億7千3百万円となりました。

 以上により、当事業部門の売上高は前期比5.7%減の419億3千3百万円となり、営業利益は、前期比115.0%増の27億2千9百万円となりました。

 

[工業炉及び関連製品事業部門]

 主要な需要先である情報技術関連業界では、一部に回復の兆しが見られたことから、主力製品である工業炉の売上高は前期比増となりました。発熱体その他製品の売上高は、中国ガラス業界の需要が低調に推移したものの、一部主要電子部品業界と中国の電力インフラ事業向けの需要が堅調に推移したため前期比増となりました。

 以上により、当事業部門の売上高は前期比11.6%増の52億1千2百万円となり、営業利益は前期比8.0%増の6億7千6百万円となりました。

 

[その他事業部門]

摩擦材

 主要な顧客である建設機械向けの需要は、中国市況の減速や資源価格下落の影響を強く受けて低迷し、前期比減となりました。また、商用車向けの需要もインドネシア市場の不振を受け、前期比減となりました。一方、ロボットを中心とした産業機械向けの需要は秋口までは好調に推移し、前期比増となりました。この結果、摩擦材の売上高は前期比4.4%減の82億3千5百万円となりました。

その他

 不動産賃貸等その他の売上高は、リチウムイオン二次電池用負極材の販売数量が増加したことにより前期比65.5%増の32億6千万円となりました。

 以上により、当事業部門の売上高は前期比8.6%増の114億9千5百万円となり、営業利益は、前期比68.5%増の6億2千1百万円となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比81億8千万円増の229億1千9百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。


(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金は、売上債権の減少による収入の増加などにより、前連結会計年度比86億2千9百万円収入増の206億1千3百万円の収入となりました。


(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金は、子会社株式の取得による支出の減少、投資有価証券の売却による収入の増加などにより、前期240億2千7百万円の支出から、31億8千9百万円の収入となりました。


(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金は、短期借入金及び長期借入金の返済による支出の増加、長期借入れによる収入の減少などにより、前期97億2千8百万円の収入から、149億2千6百万円の支出となりました。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

カーボンブラック事業

43,436

78.4

炭素・セラミックス事業

42,003

91.9

工業炉及び関連製品事業

5,237

103.6

報告セグメント計

90,677

85.4

その他事業

10,887

137.7

合計

101,565

89.0

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は、販売価格によっております。

3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

なお、工業炉及び関連製品については、受注生産を行っております。

セグメントの名称

受注高

(百万円)

前年同期比(%)

受注残高

(百万円)

前年同期比(%)

工業炉及び関連製品事業

5,667

106.3

1,956

122.6

5,667

106.3

1,956

122.6

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

カーボンブラック事業

46,224

84.3

炭素・セラミックス事業

41,933

94.3

工業炉及び関連製品事業

5,212

111.6

報告セグメント計

93,369

89.8

その他事業

11,495

108.6

合計

104,864

91.5

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

(1) 対処すべき課題

 今後のわが国経済は、中国経済の景気動向などによる懸念はあるものの、政府の各種政策効果や底堅い個人消費に支えられ、景気は穏やかに回復することが期待されます。しかしながら、中国経済回復の遅れ、テロ脅威の常態化、原油価格の長期低迷など、世界経済の動向には十分注意を払う必要があります。当社関連業界においては、中国鋼材在庫積み上がりによる電炉鋼稼働率低下、供給能力過多による中国製品の輸出拡大、原油価格急落等により、事業環境は一層厳しくなっております。

 このような情勢の中、当社グループは3ヵ年中期経営計画「T-2018」の中で、抜本的な構造改革を実施し、事業の再構築、資本効率の改善、社内意識改革に総力をあげて取り組んでまいります。

 更に今後も、メーカーの基本である安全確保、品質管理、環境保全には一層の注意を払っていく所存であり、投資家との対話の促進を通じたコーポレートガバナンスの充実を図り、地域貢献を中心としたCSR(企業の社会的責任)活動の強化にも引き続き努めてまいります。また、金融商品取引法に基づく財務報告にかかる内部統制報告制度の運用、評価、改善により企業基盤の強化にも取り組んでいく所存です。

 

(2) 株式会社の支配に関する基本方針

 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容の概要、及び基本方針実現のための取組みの具体的内容の各概要、並びに各取組みに関する当社取締役会の判断及びその理由は、以下のとおりであります。
 

①基本方針の内容

 当社は、金融商品取引所に株式を上場している会社として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大規模買付行為であっても、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、最終的には株式の大規模買付提案に応じるかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきであると考えています。

 しかしながら、株式の大規模買付提案の中には、たとえばステークホルダーとの良好な関係を保ち続けることができない可能性があるものなど、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれのあるものや、当社グループの価値を十分に反映しているとは言えないもの、あるいは株主の皆様が最終的な決定をされるために必要な情報が十分に提供されないものもありえます。
 そのような提案に対して、当社取締役会は、株主の皆様から負託された者の責務として、株主の皆様のために、必要な時間や情報の確保、株式の大規模買付提案者との交渉などを行う必要があると考えております。
②基本方針実現のための取組み
(中期経営計画による企業価値向上への取組み)
 当社は大正7年(1918年)の創立以来、90余年にわたり炭素業界のパイオニアかつそのリーディングカンパニーとして歩み続け、カーボンブラック事業、製鋼用黒鉛電極事業、ファインカーボン事業、摩擦材事業並びに工業炉及び関連製品事業を通じて社会の発展に寄与してまいりました。この間当社は顧客をはじめとするステークホルダーとの長い信頼関係を築くとともに、それに支えられて独自の知識経験を積み上げながら首尾一貫して持続的成長を真摯に追求してまいりました。
 この歴史を踏まえながら、更なる成長を追求するため、当社グループは「信頼の絆」という企業理念のもとに、「価値創造力」、「公正」、「環境調和」、「国際性」を行動の基本方針とし、あるべき企業像を「炭素材料のグローバルリーダー」として掲げ、積極的なグローバル展開と技術革新を追求しております。具体的には3年ごとの中期経営計画Tシリーズで具体的な目標を設定しております。

 平成27年を最終年度とする「T-2015」では、厳しい経営環境により売上高などの数値目標は達成できなかったものの、コスト競争力の強化、研究開発の促進に取り組み、一定の成果を見ることができました。今後は、新中期経営計画「T-2018」の達成に総力を挙げてまいります。
(コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方)
 当社はコーポレートガバナンスの充実を経営上の重要な課題と位置づけ、企業倫理と法令遵守を徹底するとともに、リスク管理を含めた内部統制システムを整備し、経営の効率化、透明性を確保することに努めております。具体的施策として、当社は監査役制度を採用しております。監査役は4名で構成され、内2名は社外監査役であり、取締役会その他の重要な会議に出席し、取締役や執行役員等からその職務の執行状況を聴取するほか、経営トップとも定期的に意見交換を行い、公正な経営監視体制をとっております。また経営の監督機能と業務執行の分離を図る目的で平成11年より執行役員制を導入しております。
 取締役8名(うち2名は社外取締役)からなる取締役会は経営の基本方針を決定しております。取締役会は経営戦略についての意思決定機関であるとの明確な位置づけのもとに運営し、原則として月1回開催し、法令で定められた事項や重要事項の決定を行い、業務執行状況の報告を受けております。平成19年3月からは経営環境の変化に対応し、最適な経営体制を機動的に構築するために取締役の任期を2年から1年に変更しております。
③取締役会の判断及びその判断に係る理由
 前述②の取組みは、当社の企業価値を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであるので、前述①の基本方針に沿い、株主の共同の利益を損なうものではなく、かつ当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。
 なお、当社は、平成26年2月10日開催の取締役会において、平成26年3月28日開催の第152期事業年度に係る定時株主総会終結の時をもって、「当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)」を継続しないことを決議しております。

 

 

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況などに関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、主として次のようなものがあります。

 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年3月30日)現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 製品需要に関する内外市場の経済状況

当社グループは、国内外の市場に積極的に販売活動を展開し、またアジアと欧米に生産拠点をおき、グローバルに事業を展開しております。したがって、世界経済や日本経済の変動が、当社グループ製品の販売に影響を与えます。当社グループでは、生産性の向上やコスト削減を推進し、事業環境の変化に影響されにくい体質づくりを目指しておりますが、これら関連業界の需要減や販売各地域での景気減退が当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

(2) 海外事業活動

当社グループは、海外市場への展開を推進しており、当社グループの当期の連結売上高に占める海外売上比率は54.7であります。この海外展開に関するリスクとして、市場における政治経済情勢の悪化、輸入における法規制、予期せぬ法令の改変、治安の悪化、暴動、テロ、戦争などの発生が考えられます。これらが当社グループの経営成績や財政状況などに影響を及ぼす可能性があります。特に、中国ではカーボンブラックはタイヤなどの需要拡大に合わせ生産・販売拠点を置き、またファインカーボンについても太陽電池や半導体関連黒鉛素材の需要増に対応し加工・販売拠点を設けるなど、それぞれ業務拡充に努めていることから、中国における政治や経済状況の変化は、特に当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。

(3) 為替レートの変動

当社グループは、海外への製品販売や、海外からの原料購入などにおいて外貨建取引がありますので、為替レート変動による影響を受けます。為替予約などによる相場変動のリスクヘッジを行っているものの、急激な為替レートの変動は、業績に影響を与える可能性があります。当社グループの外貨建取引の現状では、主な通貨である米ドル・ユーロに対する円高は業績に悪影響を及ぼし、円安は業績に好影響を及ぼす傾向にあります。

(4) 価格競争

当社グループは、主たる事業である炭素製品のリーディングカンパニーとして、高品質と大幅なコスト低減を両立させた製品を提供し、その優位性を強化し、高収益体質の実現を目指しております。しかし、競合他社の製品力強化、販売価格の引き下げなどにより、当社グループの製品が厳しい価格競争にさらされ、マーケットシェアの低下や売上高の減少により、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

(5) 原材料価格の上昇

当社グループは、国内外の複数のサプライヤーから原材料を調達し、安定的な原材料確保と最適な価格の維持に努めておりますが、今後世界の経済動向によっては、原材料価格が大きく変動する可能性があります。そのような場合、当社グループでは、コストダウンの強化、製品価格への転嫁、新規サプライヤーの開拓などにより業績への影響を最小限にする取組みを行いますが、原材料の調達が極めて困難になった場合や更に原材料価格が上昇した場合は業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(6) 競争優位性及び研究開発製品

当社グループが展開する各事業においては、当社グループと同種の製品を供給する競合会社が存在します。当社グループでは競争優位性を維持できるよう、対象とする市場分野を慎重に選択したうえで、研究開発・事業化に努めております。しかし、技術や顧客ニーズの変化に適切に対応できなかった場合や、その開発期間が長期化した場合には、当社グループの成長性や収益性を低下させ、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 知的財産権

当社グループは、さまざまな特許や商標などの知的財産権を保有、もしくは権利を取得しております。また、それらを厳しく管理し、他社からの侵害にも常に注意を払っております。しかし、当社グループの保有する知的財産権が第三者から侵害を受けた場合には、事業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの自社製品などが他人の知的財産権を侵害した場合には損害賠償などにより、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(8) 環境規制

当社グループは資源とエネルギーを大量に使用する環境負荷の高い事業を主に行っております。したがって、環境負荷低減のための設備設置、管理体制の充実、生産性向上などに取り組んでおりますが、今後更に環境に関する規制や社会の要請する環境責任が高まることにより、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(9) 保有有価証券

当社グループは、金融機関や取引先会社などの株式を保有しているため、株式市況の変動により影響を受ける可能性があります。株式価格の変動リスクについては特別のヘッジ手段を用いておりません。なお、有価証券に係る時価に関する情報は、「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(有価証券関係)」及び「2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(有価証券関係)」に記載しております。

(10) 法的規制等

当社グループは、法令遵守を基本として事業活動を進めておりますが、国内、国外を問わずさまざまな法的規制などを受けており、今後、環境・リサイクル関連や輸出入関連などで、更なる厳しい規制が実施されることが考えられます。そのような場合、事業活動に対する制約の拡大やコストの増加も予想され、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(11) 係争事件等

当社グループの財政状態及び経営成績などに重大な影響を及ぼす可能性のある係争事件などが新たに生じる可能性は低いですが、今後そのような係争事件などが発生した場合、業績に影響を与える可能性があります。

(12) 大規模災害

当社グループは、製造業の基本であります安全と工場災害防止に注力しておりますが、大地震、大津波、台風、大洪水やテロなどにより、生産活動の停止や社会インフラの大規模な損壊など予想を超える状況が発生した場合、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

 当連結会計年度において、新たに締結した経営上の重要な契約等はありません。

 

6【研究開発活動】

当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社の開発・技術部門と連携のもと、富士研究所、知多研究所、防府研究所、田ノ浦研究所、茅ヶ崎研究所が主体となり、基礎研究をベースにした新製品の研究、応用工業化技術開発及び既存製品の高度化、品質改良等諸研究開発を積極的に推進しております。

なお、当社グループの研究開発活動の内容及び金額は、特定のセグメントに関連付けることが困難であるため、一括して記載しております。

 

(主な研究開発の内容)

当社において、成長分野に位置するファインカーボン、ファインセラミックスは優れた材料特性を有し、用途は多岐にわたりますが、近年、エネルギー関連、半導体、エレクトロニクス、環境分野への伸びが著しく、これらのハイテクニーズに合った製品の開発を行っております。

培った技術を基に、リチウムイオン電池用カーボン負極材、インクジェットプリンター用水性カーボンブラック、燃料電池セパレータ等への研究開発投資を行っております。

東海高熱工業㈱において、開発製品として環境・エネルギー関連市場を中心に省エネ設備及び東海高熱工業㈱独自の新技術を付加したセラミック電子部品の熱処理炉など多方面にわたり他社との差別化製品の展開を強力に進めております。

また、材料面では、東海高熱工業㈱の固有技術である炭化けい素発熱体、炭化けい素構造材料及び窒化けい素材料をベースに新製品、新用途開発の積極的な展開を図っております。

 

(研究開発費の金額)

当連結会計年度の研究開発費は18億2千2百万円であります。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間の収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを行っております。ただし、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますので、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度の売上高は、カーボンブラックの需要先であるタイヤ産業において前期を下回る生産量となったことや、黒鉛電極の需要先である電炉鋼業界において中国製鋼材の大量流出等の影響を受け大幅な生産減となったことなどにより、前期比8.5%減の1,048億6千4百万円となりました。

売上原価率は、原材料価格が下落したことなどにより、前期比2.7ポイントダウンの81.0%となりました。これにより、売上総利益は前期比7.0%増の199億6千万円となりました。

販売費は、売上高の減少に伴い前期比0.2%減の48億6千5百万円となりました。一般管理費は、Cancarb Limitedの業績を通期で取り込んだことなどにより、前期比9.3%増の110億5百万円となりました。販売費及び一般管理費合計では前期比6.2%増の158億7千1百万円となり、対売上高比率は前期比2.1ポイントアップの15.1%となりました。これにより、営業利益は前期比10.4%増の40億8千8百万円となりました。

営業外収益については、為替差益が為替差損に転じたことなどにより、前期比25.3%減の22億1千7百万円となりました。営業外費用については、貸倒引当金繰入額の減少などにより、前期比20.2%減の19億8千9百万円となりました。この結果、経常利益は前期比3.3%増の43億1千7百万円となりました。

特別利益については、投資有価証券売却益58億1千4百万円、固定資産売却益10億3百万円及び関係会社清算益1億8千9百万円を計上しております。特別損失については、減損損失43億2千6百万円、解体撤去費用1億6百万円、関係会社清算負担金8千6百万円及び関係会社株式売却損7千8百万円を計上しております。この結果、税金等調整前当期純利益は前期比54.8%増の67億2千6百万円となりました。

法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計は、前期比148.4%増の43億4千5百万円となり、法人税等の負担率は64.6%となりました。この結果、当期純利益は前期比3.0%減の24億8千4百万円となりました。

また、当連結会計年度末の総資産については、投資有価証券の売却及び減損損失の計上などにより、前期末比263億6千5百万円減の1,840億7千4百万円となりました。

以上の結果、当連結会計年度のROA(総資産経常利益率)は、前期比0.1ポイントアップの2.2%となりました。

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、4「事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(4) 戦略的現状と見通し

当社グループは3ヵ年中期経営計画「T-2018」の中で、抜本的な構造改革を実施し、事業の再構築、資本効率の改善、社内意識改革に総力をあげて取り組んでまいります。

 更に今後も、メーカーの基本である安全確保、品質管理、環境保全には一層の注意を払っていく所存であり、投資家との対話の促進を通じたコーポレートガバナンスの充実を図り、地域貢献を中心としたCSR(企業の社会的責任)活動の強化にも引き続き努めてまいります。また、金融商品取引法に基づく財務報告にかかる内部統制報告制度の運用、評価、改善により企業基盤の強化にも取り組んでいく所存です。

 

(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

① キャッシュ・フロー

キャッシュ・フローの状況については、1「業績等の概要」(2) キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。

② 財務政策

当社グループは、現在、運転資金及び設備投資資金について内部資金又は借入により資金調達することとしております。当連結会計年度末の借入金残高は239億3千6百万円となっております。

また、当社は、運転資金の効率的な調達を行うため、貸出コミットメント契約を締結しており、当連結会計年度末の未使用残高は190億円となっております。

当社グループは、その健全な財政状態、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す能力により、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達することが可能であると考えております。

(6) 経営者の問題認識と今後の方針について

経営者の問題認識と今後の方針については、3「対処すべき課題」(1)対処すべき課題に記載のとおりであります。