文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第2四半期連結累計期間(平成28年1月1日から平成28年6月30日まで)の当社グループの経営環境は、中国を中心とした新興国経済の減速や、為替の円高推移に加え、鉄鋼景気の回復遅れなど、引き続き厳しい状況となりました。主力製品であるカーボンブラックでは国内自動車、タイヤ生産量が低調に推移し、また黒鉛電極では中国鋼材の過剰生産に起因する世界的な電炉鋼需要減により、引き続き厳しい競争環境となりました。
このような状況の下、当社グループは当期を初年度とする3ヵ年中期経営計画T-2018をスタートさせました。T-2018では、構造改革、ROIC(投下資本利益率)管理導入、財務健全性維持、成長戦略を基本方針とし、最終年度である2018年の売上高1,100億円、営業利益90億円、ROS(売上高経常利益率)8%以上、ROIC6%以上という数値目標を掲げました。2016年は、「事業再構築」と「社内意識改革」の両面から構成される徹底した構造改革の年と位置付けております。その諸施策として、第2四半期までに①ファインカーボン事業における等方性黒鉛の生産能力削減と製造品目の絞込み②要員の最適化③黒鉛電極事業における一層のダウンサイズと業界再編への取り組み④カーボンブラック事業の中国拠点における生産能力縮小と高付加価値製品主体の生産体制への移行⑤全社的な80億円規模の在庫削減⑥部門間の壁を打破した社内コミュニケーションの改善等を打ち出してまいりました。これらの構造改革には大きな痛みが伴いますが、強靭な利益体質への移行のためには不可避の措置であると判断し、当期中の完遂を目指し推進しております。
当第2四半期連結累計期間の業績につきましては、売上高は前年同期比16.9%減の448億7千2百万円となりました。損益面におきましては、マージンの確保に努めましたが、売価低下、一部取引先に対する貸倒引当金繰入等の費用計上、特定の研究開発目的により取得した資産の一括費用計上等により、営業損失は8千万円(前年同期は15億6千9百万円の営業利益)となり、経常損失は2億3千5百万円(前年同期は19億1千7百万円の経常利益)となりました。親会社株主に帰属する四半期純損失は59億円(前年同期は4億9千7百万円の親会社株主に帰属する四半期純利益)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりです。
なお、当社グループは第1四半期連結会計期間より、注記事項(セグメント情報等)に記載の通り、「事業セグメントの区分方法の変更」及び「事業セグメントの利益又は損失の測定方法の変更」を行っております。また、前年同期比は、前期を新事業区分に組み替えて計算しております。
[カーボンブラック事業部門]
日本においては、対面業界であるタイヤ業界、自動車業界とも生産が前年同期を下回って推移し、カーボンブラック需要もこれに沿い低調に推移しました。また、日本を含む東南アジア市場への安価な中国製品の流入も続いており、当社の主要拠点のひとつであるタイを中心に需要及び価格面で影響を受けました。
この結果、当事業部門の売上高は、一昨年から続くカーボンブラック原料油の価格下落に伴い価格改定を行った影響等により前年同期比26.9%減の182億9千7百万円となりました。一方、営業利益は、海外子会社の収益改善やコストダウンの実施等により前年同期比大幅増の18億9千2百万円となりました。
[黒鉛電極事業部門]
今年1-5月の世界粗鋼生産は前年同期比2.2%減、国内粗鋼生産は同2.0%減となり、国内外ともに昨年来のマイナス成長が継続しました。新興国経済の減速等を受けて鉄鋼需要が低迷する中、依然として中国は年間1億トン超のペースで鋼材輸出を続けており、世界全体の鉄鋼需給不均衡が継続し、当社対面業界である電炉鋼生産も国内外で低迷しました。このような状況の中、黒鉛電極の需給不均衡も継続し、市況悪化による販売価格の下落に加え円高が進行したため売上高は大幅に減少しました。
この結果、当事業部門の売上高は、前年同期比19.5%減の108億3千3百万円、営業損失は、3億7千万円(前年同期は11億3千4百万円の営業利益)となりました。
[ファインカーボン事業部門]
特殊炭素用黒鉛材の需要は緩やかな回復基調にあるものの、依然として供給が需要を上回る構造不況は継続いたしました。当社は一定の販売量を確保しましたが、特にアジア市場での価格対応を余儀なくされた他、円高進行の影響を受けました。
この結果、当事業部門の売上高は前年同期比10.3%減の67億7千万円となり、営業損失は、長期に販売が見込めない在庫の評価損の計上や、第1四半期に計上した取引先の業績悪化による貸倒引当金繰入等を含め、12億5千4百万円(前年同期は1億5千9百万円の営業利益)となりました。
[工業炉及び関連製品事業部門]
主力製品である工業炉の売上高は、主要な需要先である情報技術関連業界向けが前年同期並みに推移したことに加え、一部エネルギー関連業界における設備投資需要があり前年同期比増となりました。発熱体その他製品の売上高は、中国の電力インフラ向けが堅調に推移したものの、中国ガラス業界の需要が低調に推移したこと等により前年同期比並となりました。
以上により、当事業部門の売上高は前年同期比18.0%増の29億5千6百万円となり、営業利益は、前年同期比13.0%増の3億8千1百万円となりました。
[その他事業部門]
摩擦材
建設機械向け、農業機械向け及び商用車向けの販売数量は、主要需要先における需要減により減少しました。一方で、二輪車向けの需要は安定し、販売数量は堅調に推移しました。
この結果、摩擦材の売上高は前年同期比9.6%減の37億6千8百万円となりました。
その他
不動産賃貸等その他の売上高は、リチウムイオン二次電池用負極材の販売数量が増加したことにより前年同期比76.0%増の22億4千6百万円となりました。
以上により、当事業部門の売上高は前年同期比10.4%増の60億1千4百万円となり、営業利益は、前年同期比7.3%減の2億9千7百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比33億9千3百万円増の263億1千2百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益の減少などにより収入が減少したものの、たな卸資産の減少により収入が増加し、前第2四半期連結累計期間比17億6千7百万円収入減の、89億3千3百万円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却による収入の増加、有形固定資産の取得による支出の減少などにより、前第2四半期連結累計期間比25億1千3百万円支出減の、12億9千8百万円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金及び長期借入金の返済による支出の減少などにより、前第2四半期連結累計期間比34億5千6百万円支出減の、27億3千2百万円の支出となりました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容の概要、及び基本方針実現のための取組みの具体的内容の各概要、並びに各取組みに関する当社取締役会の判断及びその理由は、以下のとおりであります。
①基本方針の内容
当社は、金融商品取引所に株式を上場している会社として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大規模買付行為であっても、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、最終的には株式の大規模買付提案に応じるかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきであると考えています。
しかしながら、株式の大規模買付提案の中には、たとえばステークホルダーとの良好な関係を保ち続けることができない可能性があるものなど、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれのあるものや、当社グループの価値を十分に反映しているとは言えないもの、あるいは株主の皆様が最終的な決定をされるために必要な情報が十分に提供されないものもありえます。
そのような提案に対して、当社取締役会は、株主の皆様から負託された者の責務として、株主の皆様のために、必要な時間や情報の確保、株式の大規模買付提案者との交渉などを行う必要があると考えております。
②基本方針実現のための取組み
(中期経営計画による企業価値向上への取組み)
当社は大正7年(1918年)の創立以来、90余年にわたり炭素業界のパイオニアかつそのリーディングカンパニーとして歩み続け、カーボンブラック事業、製鋼用黒鉛電極事業、ファインカーボン事業、摩擦材事業並びに工業炉及び関連製品事業を通じて社会の発展に寄与してまいりました。この間当社は顧客をはじめとするステークホルダーとの長い信頼関係を築くとともに、それに支えられて独自の知識経験を積み上げながら首尾一貫して持続的成長を真摯に追求してまいりました。
この歴史を踏まえながら、更なる成長を追求するため、当社グループは「信頼の絆」という企業理念のもとに、「価値創造力」、「公正」、「環境調和」、「国際性」を行動の基本方針とし、あるべき企業像を「炭素材料のグローバルリーダー」として掲げ、積極的なグローバル展開と技術革新を追求しております。具体的には3年ごとの中期経営計画Tシリーズで具体的な目標を設定しております。
平成27年を最終年度とする「T-2015」では、厳しい経営環境により売上高などの数値目標は達成できなかったものの、コスト競争力の強化、研究開発の促進に取り組み、一定の成果を見ることができました。今後は、新中期経営計画「T-2018」の達成に総力を挙げてまいります。
(コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方)
当社はコーポレートガバナンスの充実を経営上の重要な課題と位置づけ、企業倫理と法令遵守を徹底するとともに、リスク管理を含めた内部統制システムを整備し、経営の効率化、透明性を確保することに努めております。具体的施策として、当社は監査役制度を採用しております。監査役は4名で構成され、内2名は社外監査役であり、取締役会その他の重要な会議に出席し、取締役や執行役員等からその職務の執行状況を聴取するほか、経営トップとも定期的に意見交換を行い、公正な経営監視体制をとっております。また経営の監督機能と業務執行の分離を図る目的で平成11年より執行役員制を導入しております。
取締役8名(うち2名は社外取締役)からなる取締役会は経営の基本方針を決定しております。取締役会は経営戦略についての意思決定機関であるとの明確な位置づけのもとに運営し、原則として月1回開催し、法令で定められた事項や重要事項の決定を行い、業務執行状況の報告を受けております。平成19年3月からは経営環境の変化に対応し、最適な経営体制を機動的に構築するために取締役の任期を2年から1年に変更しております。
③取締役会の判断及びその判断に係る理由
前述②の取組みは、当社の企業価値を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであるので、前述①の基本方針に沿い、株主の共同の利益を損なうものではなく、かつ当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。
なお、当社は、平成26年2月10日開催の取締役会において、平成26年3月28日開催の第152期事業年度に係る定時株主総会終結の時をもって、「当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)」を継続しないことを決議しております。
(4) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は14億1千3百万円であります。
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。