第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営上の重要な契約等】

  当第3四半期連結会計期間において、新たに締結した経営上の重要な契約等はありません。

 

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

   文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 (1)業績の状況

 当第3四半期連結累計期間(平成28年1月1日から平成28年9月30日まで)における世界経済は、一部新興国で景気の減速が見られましたが、欧米を中心に全般的に緩やかな持ち直しの基調となりました。

 一方、当社グループの事業環境は、主力製品であるカーボンブラックでは国内自動車、タイヤ生産量が低調に推移し、黒鉛電極では中国鋼材の過剰生産に起因する世界的な電炉鋼需要減により、引き続き厳しい競争環境となりました。

 このような状況の下、当社グループは当期を初年度とする3ヵ年中期経営計画T-2018をスタートさせました。T-2018では、「事業再構築」と「社内意識改革」からなる構造改革による成長基盤の確立を目指します。2018年の業績目標としては、売上高1,100億円、営業利益90億円、ROS(売上高営業利益率)8%以上、ROIC6%以上を掲げました。2016年は構造改革の施策として、第3四半期までに①ファインカーボン事業における等方性黒鉛の生産能力削減と製造品目の絞り込み②要員の最適化③黒鉛電極事業における一層のダウンサイズと業界再編への取り組み④カーボンブラック事業の中国拠点における生産能力縮小と高付加価値製品主体の生産体制への移行⑤全社的な80億円規模の在庫削減⑥部門間の壁を打破した社内コミュニケーションの改善等に取り組みました。これらの構造改革には大きな痛みを伴いますが、強靭な利益体質への移行のためには不可避な措置であると判断し、当期中の完遂を目指し推進しております。

 この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は前年同期比17.5%減の663億7千3百万円となりました。営業利益は、前年同期比86.7%減の4億7千万円となりました。経常利益は前年同期比85.6%減の5億2千2百万円となりました。親会社株主に帰属する四半期純損失は53億7千7百万円(前年同期は14億3千3百万円の親会社株主に帰属する四半期純利益)となりました。

 

 セグメント別の業績は下記のとおりです。

 なお、当社グループは第1四半期連結会計期間より、注記事項(セグメント情報等)に記載のとおり、「事業セグメントの区分方法の変更」及び「事業セグメントの利益又は損失の測定方法の変更」を行っております。また、前年同期比は、前期を新事業区分に組み替えて計算しております。

 

[カーボンブラック事業部門]

 カーボンブラック原料油は一昨年から続く価格下落が今夏に反転の兆しを見せたものの昨年の水準までは戻っておりません。売上高は原料油価格変動分の価格改定を実施した影響により1-9月では昨年比減少しましたが、営業利益は海外子会社のコストダウン策等により増益となりました。

 この結果、当事業部門の売上高は前年同期比23.9%減の278億5百万円となり、営業利益は前年同期比177.4%増の32億8千2百万円となりました。

 

[黒鉛電極事業部門]

 今年1-8月の世界粗鋼生産は前年同期比マイナスとなり、中国の鋼材過剰生産による各地域の生産調整が続くなか電極需要低迷が継続しました。このような状況の中、黒鉛電極の需給不均衡は継続し、市況悪化による販売価格の下落に加え円高が進行したため売上高は大幅な減少となりました。

 この結果、当事業部門の売上高は前年同期比22.7%減の156億4千4百万円となり、営業損失は8億2千7百万円(前年同期は19億8千万円の営業利益)となりました。

 

[ファインカーボン事業部門]

 半導体市場及び一般産業用市場は堅調に推移しており、太陽電池市場は中国を中心に回復しているものの、特殊炭素用黒鉛材の供給能力は依然として需要を上回っており厳しい競争環境にあります。このような環境下、当事業部門は要員削減を含む合理化策を実施しており、生産能力の削減のみならず、製造品目絞り込み、在庫削減等の施策を進めております。また当期においては、取引先の業績悪化による貸倒引当金繰入等による約8億円と長期在庫の評価損約3億円計上等により、営業利益が大幅に減少いたしました。

 この結果、当事業部門の売上高は前年同期比15.0%減の98億9百万円となり、営業損失は15億6千1百万円(前年同期は3億円の営業利益)となりました。

 

[工業炉及び関連製品事業部門]

 主力製品である工業炉の売上高は、主要な需要先である情報技術関連業界向けが前年同期に対して伸長したことに加え、一部エネルギー関連業界の設備投資があったため前年同期比増となりました。発熱体その他製品の売上高は、中国の電力インフラ向けが堅調に推移したものの、耐火物の需要減等の影響により前年同期比微減となりました。

 この結果、当事業部門の売上高は前年同期比5.9%増の40億4千1百万円となり、営業利益は前年同期比4.3%増の4億4千3百万円となりました。

 

[その他事業部門]

摩擦材

 中国の需要低迷による建設機械の生産量落ち込みや、農業機械の生産減等の影響を受け、摩擦材の販売数量が減少しました。この結果、摩擦材の売上高は前年同期比9.3%減の56億4千1百万円となりました。

その他

 不動産賃貸等その他の売上高は、リチウムイオン二次電池用負極材の販売数量が増加したことにより前年同期比59.0%増の34億3千1百万円となりました。

 以上により、当事業部門の売上高は前年同期比8.3%増の90億7千3百万円となり、営業利益は前年同期比14.2%減の4億1千4百万円となりました。

 

 (2)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容の概要、及び基本方針実現のための取組みの具体的内容の各概要、並びに各取組みに関する当社取締役会の判断及びその理由は、以下のとおりであります。

  ①基本方針の内容

 当社は、金融商品取引所に株式を上場している会社として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大規模買付行為であっても、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、最終的には株式の大規模買付提案に応じるかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきであると考えています。

 しかしながら、株式の大規模買付提案の中には、たとえばステークホルダーとの良好な関係を保ち続けることができない可能性があるものなど、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれのあるものや、当社グループの価値を十分に反映しているとは言えないもの、あるいは株主の皆様が最終的な決定をされるために必要な情報が十分に提供されないものもありえます。

 そのような提案に対して、当社取締役会は、株主の皆様から負託された者の責務として、株主の皆様のために、必要な時間や情報の確保、株式の大規模買付提案者との交渉などを行う必要があると考えております。

  ②基本方針実現のための取組み

  (中期経営計画による企業価値向上への取組み)

 当社は大正7年(1918年)の創立以来、90余年にわたり炭素業界のパイオニアかつそのリーディングカンパニーとして歩み続け、カーボンブラック事業、製鋼用黒鉛電極事業、ファインカーボン事業、摩擦材事業並びに工業炉及び関連製品事業を通じて社会の発展に寄与してまいりました。この間当社は顧客をはじめとするステークホルダーとの長い信頼関係を築くとともに、それに支えられて独自の知識経験を積み上げながら首尾一貫して持続的成長を真摯に追求してまいりました。

 この歴史を踏まえながら、更なる成長を追求するため、当社グループは「信頼の絆」という企業理念のもとに、「価値創造力」、「公正」、「環境調和」、「国際性」を行動の基本方針とし、あるべき企業像を「炭素材料のグローバルリーダー」として掲げ、積極的なグローバル展開と技術革新を追求しております。具体的には3年ごとの中期経営計画Tシリーズで具体的な目標を設定しております。

 平成27年を最終年度とする「T-2015」では、厳しい経営環境により売上高などの数値目標は達成できなかったものの、コスト競争力の強化、研究開発の促進に取り組み、一定の成果を見ることができました。今後は、現中期経営計画「T-2018」の達成に総力を挙げてまいります。

(コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方)

 当社はコーポレートガバナンスの充実を経営上の重要な課題と位置づけ、企業倫理と法令遵守を徹底するとともに、リスク管理を含めた内部統制システムを整備し、経営の効率化、透明性を確保することに努めております。具体的施策として、当社は監査役制度を採用しております。監査役は4名で構成され、内2名は社外監査役であり、取締役会その他の重要な会議に出席し、取締役や執行役員等からその職務の執行状況を聴取するほか、経営トップとも定期的に意見交換を行い、公正な経営監視体制をとっております。また経営の監督機能と業務執行の分離を図る目的で平成11年より執行役員制を導入しております。

 取締役8名(うち2名は社外取締役)からなる取締役会は経営の基本方針を決定しております。取締役会は経営戦略についての意思決定機関であるとの明確な位置づけのもとに運営し、原則として月1回開催し、法令で定められた事項や重要事項の決定を行い、業務執行状況の報告を受けております。平成19年3月からは経営環境の変化に対応し、最適な経営体制を機動的に構築するために取締役の任期を2年から1年に変更しております。

  ③取締役会の判断及びその判断に係る理由

 前述②の取組みは、当社の企業価値を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであるので、前述①の基本方針に沿い、株主の共同の利益を損なうものではなく、かつ当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。

 なお、当社は、平成26年2月10日開催の取締役会において、平成26年3月28日開催の第152期事業年度に係る定時株主総会終結の時をもって、「当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)」を継続しないことを決議しております。

 

 (3) 研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は18億3千3百万円であります。

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。