文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、中期経営計画「T-2021」(2019年~2021年)の基本方針「収益基盤の強化」「成長機会の拡大」「連結ガバナンス体制構築」のもと重点施策を着実に実行してまいりました。2019年7月には、アルミ産業分野向けの炭素・黒鉛製品メーカーであるCOBEX HoldCo GmbH(現: Tokai COBEX HoldCo GmbH)を買収するなど、成長戦略を推進しました。
こうしたなか、2019年の当社業績は、欧州経済の低迷や米中貿易摩擦による世界経済の減速などの影響を受けた結果、買収による増収効果はありましたが、売上高2,620億円、営業利益543億円となりました。
当社グループを取り巻く事業環境は、きわめて不透明な状況にあります。米中貿易戦争、英国のBrexit問題、中東情勢の緊張など政治・経済情勢が混迷を続けるなか、世界経済も大きく減速し、日本の製造業も弱含みで推移しております。一部に改善や回復に向けた動きは出てきているものの、新型コロナウイルスの感染拡大など今後の世界経済に深刻な影響を与える事象も発生しております。当社グループは、今後も内外の諸情勢を慎重に注視し、環境の変化に柔軟に対応していく方針です。
このような環境のなか、当社グル―プは、2020年から2022年を対象としたローリング新中期計画「T-2022」を策定いたしました。2020年は、黒鉛電極の在庫調整等の影響で一時的な業績の下振れが見込まれますが、前回中期経営計画「T-2021」の基本方針を引き続き踏襲し、事業環境の変化もふまえ、各種重点施策を推進する所存です。特に、昨年連結子会社化したTokai COBEX HoldCo GmbHをはじめとする、ここ数年間の買収に伴う連結子会社のPMI(統合作業)を確実に実行し、成長軌道への回帰を図るとともに経営基盤をさらに強化してまいります。
また、2015年9月の国連サミットでSDGs(持続可能な開発目標)が採択され、持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現に向け、官民一体となった取り組みが展開される中、ESG(環境、社会、ガバナンス)への対応が、重要な経営課題と位置付けられるようになりました。当社グループにおいても、グローバルに広がるさまざまな課題の解決と企業経営をシンクロナイズさせ、社会のサステナビリティへ貢献すべく、中期経営計画の中で「ESG経営基盤構築」を重点施策に掲げ、ESGの観点から、当社として優先的に取り組むべき重要課題(マテリアリティ)を特定し、課題解決に向けた活動を開始しております。活動状況につきましては、今後当社のウェブサイト等を通じて、適宜開示してまいります。
当社グループは、長期ビジョン「炭素で社会を支えるグローバル企業」実現に向けて、企業理念である「信頼の絆」と四つの行動指針(価値創造力、公正、環境調和、国際性)のもと、顧客、株主をはじめとするステークホルダーの皆様の期待に応え、企業としての社会的責任(CSR)を果たしてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況などに関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、主として次のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年3月27日)現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、日本のみならず、アジア、欧米において事業活動を展開しておりますので、世界経済の動向が当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。米中貿易摩擦や英国のEU離脱の展開、新型コロナウイルスの感染拡大等、世界経済を巡る不確実性が顕在化していることから、これが想定に反して悪化する場合には、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、原材料の輸入、製品輸出等、国際的な事業活動を行っていることから、為替レートの変動が当社グループ業績に影響を与えます。また、当社海外子会社の外貨建財務諸表の円換算に利用する為替レート変動も、当社連結決算に影響を与えます。当社グループの場合、特に影響の大きい、米ドル・ユーロに対する円高は、グループ業績に悪影響を及ぼし、円安は好影響を及ぼす傾向にあります。
当社グループは、資金調達の安定性及び流動性の保持を重視した財務運営に努めておりますが、日本を含めた世界の主要な金融市場で混乱が発生した場合、計画どおりに資金調達を行うことができない可能性があります。また有利子負債の増加、金利上昇、当社グループの信用格付低下等は、支払利息増大や資金調達余力低下を通じて、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、国内外の多数のサプライヤーから原材料を調達し、安定的な原材料確保と最適な価格の維持に努めておりますが、今後の世界経済動向によって、原材料調達価格が上昇し、これを販売価格に適正に転嫁できない場合には、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業機会の創出・維持や取引・協業関係の構築・維持・強化等を通じ、中長期的な企業価値向上が図れると判断した場合に、取引先等の株式を取得・保有することがあるため、当社グループが保有する株式の大幅な市場価格の下落は、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、各事業分野において、様々な企業との厳しい競争環境下にあり、この結果、多くの製品は価格低下圧力に晒されております。当社グループとしては、原価低減や効率性の向上、技術力の追求等の努力を重ねていきますが、十分な成果が上がらない場合には、マーケットシェアの低下、販売価格の引き下げ等による売上高と利益率の低下を通じ、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、市況の変動が著しい黒鉛電極事業については、その動向が当社グループ業績に与える影響が大きいと思われます。
当社グループは、海外市場での事業拡大を戦略の一つとしていますが、国際的な事業展開においては、経済・為替の不確実性に加え、政情不安、法制・規制の想定外の変更、宗教・文化の相違、現地での労使問題等、国内事業と異なる様々なリスクが伴います。当社グループがこのようなリスクに適切に対処できない場合は、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、持続的な企業価値向上のため不可欠との認識の下、富士研究所を中心に、次世代技術に係る研究開発とその事業化に努めておりますが、当社グループが、将来の市場ニーズに応える新技術をタイムリーに開発できない場合には、当社グループの成長性や収益性を低下させ、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、成長戦略の一環として、企業買収、業務提携、戦略的投資につき、積極的に取り組む方針としておりますが、経営環境・前提条件の変化等の理由により、当初想定した結果が得られない可能性もあり、予測される将来キャッシュ・フロ-の低下により、のれんの減損が必要になる等、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性もあります。
当社グループの売上の7割程度は、ゴム業界、鉄鋼業界に集中しており、当該業界の景況が悪化するような場合には、売上高と利益率の低下等を通じ、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの競争力と将来性は、マネジメントはもちろん、研究・開発・技術・製造、販売、企画・管理等、各部門における専門的知識や技能を持った有能な人材の確保・育成にかかっていますが、人材確保に係る競争も厳しくなっています。有能な人材の採用・育成が想定どおりに進まない場合、有能な社員の社外流出を防げないような場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは国内外において、各種の法令・規制に則り、事業活動を行っております。グループ全体として法令遵守の徹底を図っておりますが、新たな法規制の導入や法規制の想定外の変更により、事業活動に対する制約、コストの増加等を通じ、当社グループ業績に悪影響を与える可能性があります。また、当社グループがこれらの法規制に抵触したと当局が判断した場合には、当社グループが課徴金等の行政処分、刑事処分、訴訟等の対象となり、当社グループの社会的評価が低下し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、国内外において、大気汚染、水質汚濁、土壌・地下水汚染、廃棄物処理、省エネルギー・地球温暖化対策等に関し、様々な環境関連法規制の適用を受け、これに対応しております。将来、新たな環境に関する規制が導入された場合や既存の規制が厳格化された場合、当社グループがこれらの法規制に抵触したと当局が判断した場合等には、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、知的財産を重要な経営資源と位置付け、第三者の知的財産権に対する侵害の予防と当社グループが保有する知的財産権の保護に努めておりますが、見解の相違等の理由により、第三者から特許等への抵触を理由として差止訴訟、損害賠償訴訟等を提起された場合、第三者による知的財産権侵害により当社グループの競争優位性が侵害を受けた場合等には、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、製造業の基本である安全と工場災害防止に注力しておりますが、地震、津波、台風、洪水等の自然災害や、火災、爆発事故、テロ攻撃といった事象が発生し、当社グループ拠点の従業員、設備、情報システム等が大きな損害を被った場合、当社事業活動に影響を与え、物的・人的な損害費用を発生させ、社会的評価を失墜させることにより、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、主要な国内生産拠点においては、品質マネジメントシステム(ISO9001)を取得し、品質管理に関する規定、規格及び作業標準等を定めて製品の品質に万全を期すよう努めておりますが、予測し難い原因により、重大な製品欠陥や製造物責任訴訟の提起等が発生した場合には、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業遂行にあたりグループとして保有している、生産技術・研究開発・調達・販売等の機密情報につき、厳正な管理に努めていますが、コンピュータウィルスへの感染、サイバー攻撃等の不正アクセス、その他不測の事態等により、機密情報が紛失・漏えいした場合には、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
当連結会計年度(2019年1月1日から2019年12月31日まで)における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」をいう。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりで
なお、当連結会計年度において、Tokai Carbon Korea Co., Ltd.及びTOKAI CARBON CB Ltd.との企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行ったため、前連結会計年度との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における世界経済は、米中貿易摩擦の深刻化、英国のEU離脱問題、欧州経済の減速等から、全体として成長が鈍化いたしました。わが国の経済は、外需での弱さが見られるものの、総じて堅調な推移となりました。
このような情勢下、当社グループは2019年から2021年の3年間を対象とした中期経営計画を策定し、「収益基盤の強化」「成長機会の拡大」「連結ガバナンス体制構築」の3つの基本方針をもとに、2021年の定量目標として設定した売上高3,800億円、営業利益1,130億円、ROS30%の達成を目指してまいりました。M&Aを活用した成長機会の追求等、T-2021施策の実現にも努めたものの、世界経済の減速を背景とした黒鉛電極市況の変化を主因に、特に、第2四半期以降、厳しい経営を余儀なくされました。
この結果、当連結会計年度の売上高は前期比13.3%増の2,620億2千8百万円となりました。営業利益は前期比25.6%減の543億4千4百万円となりました。経常利益は前期比27.4%減の529億8千6百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は前期比56.4%減の319億9千4百万円となりました。
セグメント別の経営成績は下記のとおりです。
[黒鉛電極事業]
主要原材料の世界的なひっ迫等により販売価格は前期比で上昇いたしました。一方で、黒鉛電極のひっ迫を背景に前年に積み増しされた顧客の黒鉛電極在庫や米中貿易摩擦の影響等により黒鉛電極の引き取り量は前期比で低下いたしました。
この結果、当事業の売上高は前期比10.5%減の913億1千7百万円となり、営業利益は前期比29.7%減の393億8千8百万円となりました。
当社対面業界であるタイヤメーカー向けの販売において、アジア地域では米中貿易摩擦の影響を受け販売数量が前期比で減少いたしました。一方、米国の新拠点Tokai Carbon CB Ltd.が2018年9月より連結寄与したため、前期比で販売数量が上昇いたしました。
この結果、当事業の売上高は前期比32.3%増の1,017億5千1百万円となり、営業利益は前期比18.4%減の85億1千2百万円となりました。
[ファインカーボン事業]
半導体、太陽光発電、一般産業用向けはいずれも堅調に推移いたしました。また、韓国のTokai Carbon Korea Co., Ltd.が2018年6月より連結子会社となり、売上高、営業利益の増加に寄与いたしました。
この結果、当事業の売上高は前期比19.5%増の303億6千9百万円となり、営業利益は前期比64.4%増の61億7百万円となりました。
当社は2019年7月26日にドイツの炭素黒鉛製品メーカーTokai COBEX HoldCo GmbH(旧商号COBEX HoldCo GmbH)及びそのグループ会社を連結子会社化したことから、報告セグメントを追加いたしております。主な事業は、アルミ精錬用カソード、高炉用ブロック、炭素電極等の研究開発、製造、販売となります。
当連結会計年度においては、当事業の8月から12月までの5か月間の経営成績と企業結合に係る一過性の費用等約36億円が含まれております。
この結果、当事業の売上高は146億6千2百万円となり、営業損益は16億円の損失となりました。Tokai COBEX HoldCo GmbHの当該5か月の営業利益は56億2千3百万円となっておりますが、セグメント会計において、取得原価の配分に伴う評価差額に係る償却費42億円、のれん償却費16億円、取得関連費用14億円を費用計上しております。なお、このうち評価差額に含まれます棚卸資産の評価替えに伴う償却費の増加分22億円及び取得関連費用の14億円につきましては、当期一過性費用であり、来期以降発生の見込みはありません。
工業炉の売上高は、主要需要先である情報技術関連業界向け及びエネルギー関連業界の設備投資が引き続き進んだことから、前期比増となりました。発熱体その他製品の売上高は、米中貿易摩擦の影響等により電子部品業界及び中国向けの需要が減少し前期比減となりました。
この結果、当事業の売上高は前期比11.2%増の126億4千1百万円となり、営業利益は前期比6.1%増の32億2千7百万円となりました。
摩擦材
事業再構築の一環として実施している四輪市販向け市場撤退を主要因として、売上高が減少いたしました。その他市場では、産業用ロボット向け、鉱山機械を中心とした建機向けの需要が減少いたしました。
この結果、摩擦材の売上高は前期比21.1%減の74億8千万円となりました。
リチウムイオン二次電池用負極材の市場は、CO2排出規制の強化、米国でのZero-Emission-Vehicle規制の対象メーカー拡大、中国でのNew-Energy-Vehicle施策の導入等により拡大しておりますが、前期比で数量が伸びずに売上高は減少いたしました。
この結果、負極材の売上高は前期比37.9%減の36億6千1百万円となりました。
不動産賃貸等その他の売上高は、前期比3.8%減の1億4千4百万円となりました。
以上により、当事業の売上高は前期比27.3%減の112億8千6百万円となり、営業損益は2千1百万円の損失(前期は10億6千8百万円の営業利益)となりました。
当連結会計年度末の総資産については、のれん、棚卸資産の増加等により、前期比1,330億3百万円増の4,628億7千2百万円となりました。負債は、長期借入金、社債、コマーシャル・ペーパーの増加等により、前期比1,078億6千万円増の2,298億9千6百万円となりました。また、純資産は、利益剰余金の増加等により、前期比251億4千2百万円増の2,329億7千5百万円となりました。
この結果、自己資本比率は45.8%で、前連結会計年度末に比べ10.9ポイント低下いたしました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比53億1千8百万円増の464億4千3百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
営業活動による資金は、売上債権の減少などにより収入が増加したものの、税金等調整前当期純利益の減少などにより収入が減少し、前連結会計年度比24億4千5百万円収入減の、416億6千4百万円の収入となりました。
投資活動による資金は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出などにより、前連結会計年度比453億1千万円支出増の、991億5千9百万円の支出となりました。
財務活動による資金は、コマーシャル・ペーパーの発行、社債の発行による収入などにより、前連結会計年度比348億9千万円収入増の、645億6千8百万円の収入となりました。
④ 生産、受注及び販売の状況
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、販売価格によっております。
3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
なお、工業炉及び関連製品については、受注生産を行っております。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況による分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における資産及び負債の報告数値及び報告期間の収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを行っております。ただし、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますので、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当連結会計年度の売上高は、主に昨年から今年にかけての3件のM&Aによる業績寄与等により、前期比13.3%増の2,620億2千8百万円となりました。売上原価率は、黒鉛電極事業、カーボンブラック事業において販売数量が減少したことなどにより、前期比7.5ポイントアップの64.6%となりました。
これにより、売上総利益は前期比6.6%減の928億4千万円となりました。
販売費及び一般管理費は減価償却費、のれんの償却費及び労務費等の固定費が増加したこと等から前期比46.3%増の384億9千5百万円となりました。これにより、営業利益は前期比25.6%減の543億4千4百万円となりました。
営業外収益については、主にTokai Carbon Korea Co., Ltd.の子会社化により、持分法による投資利益が減少し、その結果、前期比21.2%減の17億4千1百万円となりました。営業外費用については、社債発行費用の発生、為替差損や借入手数料の増加等により、前期比35.8%増の30億9千9百万円となりました。
特別利益については、固定資産売却益5千6百万円、海外子会社での退職給付制度終了益5千3百万円を計上しております。特別損失については、減損損失13億1千4百万円、固定資産除却損を5億7千6百万円計上しております。この結果、税金等調整前当期純利益は前期比46.5%減の512億2千6百万円となりました。
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計は、前期比20.3%減の171億7千5百万円となり、この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比56.4%減の319億9千4百万円となりました。
また、当連結会計年度末の総資産については、のれん、棚卸資産の増加等により、前期末比1,330億3百万円増の4,628億7千2百万円となりました。棚卸資産は前期比275億9千1百万円増の863億8千万円となり、固定資産は子会社取得によるのれんの増加などにより、前期比1,007億7千7百万円増の2,664億2千5百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度のROA(総資産経常利益率)は13.4ポイントで、前連結会計年度末に比べ15.0ポイント低下いたしました。
キャッシュ・フローの状況については、 (1) ③ キャッシュ・フローに記載のとおりであります。
当社グループは、現在、運転資金及び設備投資資金について内部資金又は借入により資金調達することとしております。当連結会計年度末の借入金残高は830億3千万円となっております。
当社は、運転資金の効率的な調達を行うため、取引金融機関と総額400億円のコミットメントライン契約及び当座貸越契約を締結しております。これらの契約に基づく当連結会計年度末における借入実行残高は160億円であります。
従来、コミットメントライン契約のみを記載しておりましたが、将来の借入余力の実態をより適切に表すために、当連結会計年度より当座貸越契約も記載しております。前連結会計年度におけるコミットメントライン契約及び当座貸越契約の総額は280億円であります。なお、これらの契約に基づく前連結会計年度末における借入実行残高はありません。
当社グループは、その健全な財政状態、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す能力により、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達することが可能であると考えております。
(株式取得による企業等の買収)
当社は、2019年6月17日開催の臨時取締役会において、以下のとおり、ドイツの炭素黒鉛製品メーカーであるCOBEX HoldCo GmbH(以下、「COBEX 社」)の全株式を取得し子会社とすることについて決議し、同日付で株式譲渡契約を締結し、2019年7月26日に株式の取得を完了しております。またこれに伴い、COBEX HoldCo GmbHをTokai COBEX HoldCo GmbHへ、COBEX GmbHをTokai COBEX GmbHへ、COBEX Polska sp. z o.o.をTokai COBEX Polska sp. z o.o. へ商号変更いたしました。COBEX (Shanghai) Ltd.につきましては現在Tokai COBEX (Shanghai) Ltd.への商号変更手続き中です。
(1) 株式取得の目的
当社は、2019 年2月に公表した3ヵ年中期経営計画「T-2021」及び2020年2月に公表した「T-2022」におきまして、今後の業容拡大、収益性向上に資する戦略投資案件を積極的に検討する方針を掲げております。
COBEX 社は、アルミ精錬用のカソード、一貫製鉄所の主要設備である高炉の内貼りに使われるライニング(高炉用ブロック)、金属シリコンなどの精錬に使われる炭素電極の3分野において世界有数の市場シェアを有しております。
主力のアルミ精錬用カソード事業が対面するアルミニウム市場は、自動車や航空機など輸送機器分野における軽量化ニーズ、建材分野における都市化進展によるアルミ使用量の増加、飲料容器のアルミ化、エレクトロニクス分野における銅の代替需要等を背景に安定的な成長が見込まれており、アルミ精錬用のカソード需要も安定的に伸長する見通しです。
世界の粗鋼生産量は当面横ばいか若干の上昇が見込まれています。高炉用ブロックの需要は鉄鋼市場におけるプロジェクトの動向に依存する側面はありますが、需要の約9割は巻き替え(更新)によるものであり、安定した需要が見込まれます。また、金属シリコンの市場規模は大きくないものの、堅調な成長が予想されており、炭素電極の需要も底堅く推移するものと予想されています。
COBEX 社は、ポーランドの2工場におけるコスト競争力や、高機能・高品質の黒鉛化カソードや高炉用ブロックの生産に強みを持ち、優良顧客との長期に亘る取引関係をベースに強固な事業基盤を築いております。
当社は、本件により、鉄を凌ぐ成長が期待されるアルミニウム関連事業はじめ上記3事業の世界市場にリーディングプレーヤーとして参入を果たすことになります。COBEX 社を当社の7番目の事業として取り込むことにより、当社の規模拡大・収益力の向上・安定化のみならず、事業ポートフォリオの多角化や欧州事業の強化(東欧における生産拠点の確保)を図ることができ、ひいては当社の更なる企業価値向上につながると考えております。
(2) 株式取得の相手先の概要
(3) 株式取得先の概要
①Tokai COBEX HoldCo GmbH(旧社名 COBEX HoldCo GmbH)の概要
(注1) 資本金の金額はTokai COBEX HoldCo GmbH単体、事業規模の金額はTokai COBEX連結グループ(Tokai COBEX HoldCo GmbH 、Tokai COBEX GmbH、Tokai COBEX Polska sp. z o.o.、Tokai COBEX(Shanghai) Ltd.)の数値となります。そのため、グループ各社の事業規模の金額については記載を省略いたします。
(注2) 連結営業利益は一時費用(取得原価配分)控除前の数値です。
②Tokai COBEX GmbH(旧社名 COBEX GmbH)の概要
③Tokai COBEX Polska sp. z o.o.(旧社名 COBEX Polska sp. z o.o.)の概要
④Tokai COBEX(Shanghai) Ltd.(旧社名 COBEX(Shanghai) Ltd.)の概要
(4) 株式取得の時期
2019年7月26日
(5) 取得する株式の数、取得価額及び取得後の所有株式の状況
(注) 換算レートとして1ユーロ=121.82円、1米ドル=108.14円で算出しております。
(6) 取得資金の調達
本件株式取得に係る資金については、安定的な流動性確保と財務の健全性維持を考慮した資金調達を行っております。具体的には、手元資金及び借入により調達しております。
(多額な資金の借入)
当社は、2019年6月25日開催の取締役会において、次のとおり資金の借入について決議し、2019年7月26日に実行しております。
(1)資金の使途
当社は、2019年6月17日開催の臨時取締役会において、COBEX HoldCo GmbH の全株式を取得し子会社とすることについて決議し、同日付で株式譲渡契約を締結し、2019年7月26日に株式の取得を完了しております。この株式取得に充当する資金を調達するためであります。
(2)借入先の名称
株式会社三菱UFJ銀行
(3)借入金額
700億円
(4)利率
基準金利+スプレッド
(5)契約締結日
2019年7月23日
(6)借入実行日
2019年7月26日
(7)借入期間
6カ月
(8)借入形態
タームローン
(9)返済方法
期日一括返済 (期限前弁済可)
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社の開発・技術部門と連携のもと、富士研究所、知多研究所、防府研究所が主体となり、基礎研究をベースにした新製品の開発、生産技術研究及び既存製品の高性能化、品質改良等諸研究開発を積極的に推進しております。
なお、当社グループの研究開発活動の内容及び金額は、特定のセグメントに関連付けることが困難であるため、一括して記載しております。
当社において、成長分野に位置するファインカーボン、ファインセラミックスは優れた材料特性を有し、用途は多岐にわたりますが、近年、エネルギー関連、半導体、エレクトロニクス、環境分野への伸びが著しく、これらのハイテクニーズに合った製品の開発を行っております。
東海高熱工業㈱においては、工業炉及び炭化けい素発熱体の研究開発活動を行っており、電子部品及び二次電池関連の製造業向けに商品開発を進めております。
当連結会計年度の研究開発費は