当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
当中間連結会計期間(2025年1月1日から2025年6月30日まで)の世界経済は、米国の保護主義的な通商政策や地政学的リスクの高まりを背景として、前年比減速傾向にあります。米国の通商政策がグローバルサプライチェーンを通じて世界中に大きな影響を及ぼす一方で、米中対立、長期化するウクライナ戦争、多極化・複雑化する中東情勢等、世界経済の先行き不透明感は、依然として強い状況が続いています。
このような情勢下、当社グループにおいては本年2月に、2030年のありたい姿とそこに到達するための取り組み・施策を中心とした長期ビジョン「Vision 2030」を公表いたしました。2030年のありたい姿として、売上高5,000億円、EBITDAマージン20%、ROIC12%の実現を目指し、「抜本的な構造改革」「成長市場へのコミット」「サステナブルな価値創出」の3つの取組みに注力する方針の下、黒鉛電極事業における国内生産拠点の統合、欧州子会社の売却等の構造改革を実施し、スメルティング&ライニング事業の構造改革についても検討を進めております。中長期的な成長の観点からは、タイのカーボンブラック工場移転プロジェクト推進、使用済タイヤ等からカーボンブラックを生成する共同プロジェクトの始動等に取り組んでおります。また、2024年12月期に実施した減損等により、2025年12月期より償却費等の固定費が減少しております。
この結果、当中間連結会計期間の売上高は前年同期比7.5%減の1,580億7千6百万円となりました。営業利益は前年同期比65.7%増の139億5千6百万円となりました。経常利益は前年同期比31.9%増の138億7千4百万円となりました。親会社株主に帰属する中間純利益は前年同期比133.2%増の85億3千8百万円となりました。
セグメント別の経営成績は下記のとおりです。
販売数量は拠点により差が見られるものの、タイヤメーカーにおける生産調整等のため、全体では前年同期比で減少し、売上高・営業利益ともに前年同期比で減少しました。
この結果、当事業の売上高は前年同期比5.0%減の755億7千1百万円となり、営業利益は前年同期比25.2%減の81億4千8百万円となりました。
メモリ半導体市場向け主要製品ソリッドSiCフォーカスリングの販売数量が前年同期比で増加したことに加え、米国・黒鉛加工会社のKBR, Inc.とMWI, Inc.の全株を取得し連結子会社化(孫会社化)した影響もあり、売上高は前年同期比で増加いたしました。
一方で、パワー半導体市場の成長減速、および連結子会社化に伴うのれん等の償却費の増加が影響し、営業利益は前年同期比で減益となりました。
この結果、当事業の売上高は前年同期比4.7%増の277億1千3百万円となり、営業利益は前年同期比28.8%減の46億9千7百万円となりました。
[スメルティング&ライニング事業]
アルミ製錬炉の改修需要の回復遅れが継続しており、売価は下落しましたが、コスト削減や昨年度に実施した減損処理に伴う償却費負担軽減により、収益性は前年同期比改善しております。
この結果、当事業の売上高は前年同期比9.6%減の271億5千5百万円となり、営業利益は3億4百万円(前年同期の営業損失は75億5千5百万円)となりました。
[黒鉛電極事業]
中国製鋼メーカーによる過剰供給と中国製鋼材の国際市場への流入により、鉄鋼市況に回復の見通しが立たない状況が継続し、電極市況もアジア、ヨーロッパを中心に低迷しました。
斯かる状況下、当事業は、構造改革の一環として、当社完全子会社であるTOKAI ERFTCARBON GmbH社の株式譲渡を行い、2025年4月より当社連結から除外となりました。
この結果、当事業の売上高は前年同期比24.4%減の184億5千1百万円となり、営業利益は4億9千4百万円(前年同期の営業損失は24億2千3百万円)となりました。
エネルギー関連業界の客先プロジェクトの遅れの継続と電子部品関連業界における設備投資停滞の継続により、売上高・営業利益ともに前年同期比で減少しました。
この結果、当事業の売上高は前年同期比18.0%減の42億4百万円となり、営業利益は前年同期比21.3%減の8億8千5百万円となりました。
摩擦材
建機向け鉱山向けは堅調であったものの、農機向けや産機向けでは客先での生産調整が継続しました。
この結果、摩擦材の売上高は前年同期比3.6%減の40億円となりました。
負極材
ESS(Energy Storage System)向けの需要が低迷しました。
この結果、負極材の売上高は前年同期比17.9%減の9億1千4百万円となりました。
その他
不動産賃貸等その他の売上高は、前年同期比1.4%減の6千3百万円となりました。
以上により、その他事業の売上高は前年同期比6.6%減の49億7千9百万円となり、営業利益は前年同期比34.9%減の2億8千6百万円となりました。
当中間連結会計期間末の総資産は、現金及び預金等の減少により、前連結会計年度末比341億8千2百万円減の6,065億7千1百万円となりました。負債は、事業再編引当金の取崩しや仕入債務等の減少により、前連結会計年度末比170億7千万円減の2,985億2千5百万円となりました。また、純資産は、為替換算調整勘定等の減少により、前連結会計年度末比171億1千1百万円減の3,080億4千6百万円となりました。
この結果、自己資本比率は45.3%で、前連結会計年度末に比べ0.1ポイント増加しました。
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比143億7千万円減の507億6千5百万円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、198億5千6百万円の収入(前中間連結会計期間比43億3千6百万円の収入の増加)となりました。
これは主として、税金等調整前中間純利益や減価償却費によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、234億6千1百万円の支出(前中間連結会計期間比5億7千1百万円の支出の減少)となりました。
これは主として、有形固定資産の取得による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、80億2千7百万円の支出(前中間連結会計期間は11億5千8百万円の収入)となりました。
これは主として、コマーシャル・ペーパーの償還によるものであります。
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した当社グループの対処すべき課題について、重要な変更はありません。
当中間連結会計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は20億9千6百万円であります。
当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
当社は、2025年7月7日開催の臨時取締役会において、株式会社ブリヂストン及び旭カーボン株式会社が所有するBRIDGESTONE CARBON BLACK(THAILAND) CO.,LTD.の全株式を当社連結子会社であるタイのTHAI TOKAI CARBON PRODUCT COMPANY LIMITEDと共同して取得し子会社化することにつき、株式譲渡契約の締結を決議し、同契約を締結しました。
詳細については、第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)に記載しております。