第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、社名の由来でもある「Value & Quality」をスローガンとして、創業以来、価値ある製品の研究、開発、信頼を生む品質の高い製品の提供に努力してまいりました。そのなかで企業理念として「THE VALQUA WAY」を制定し、それを全グループ社員が共有したうえで、それぞれの業務における指針としております。

 

(2)経営戦略等

当社グループは、次期より3か年の第8次中期経営計画「New Valqua Stage Eight」(NV・S8)を実施しております。

“NV・S8”においては、スローガンとして、

≪「THE VALQUA WAY」のもと「H&S」を軸としたイノベーションで、健全で持続的な成長を目指そう≫

を掲げ、以下の4つの基本方針のもと成長戦略の実行と企業基盤の整備を進めてまいります。

 

1.コーポレートガバナンスのさらなる充実

2.「選択と集中」による事業、機能の見極めと積極的な成長投資の実行

3.グローバルな収益基盤の拡大強化

4.時代の変化を先取りした人材開発と企業風土の改革

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

“NV・S8”の初年度における平成31年3月期の予想売上高は497億円、同営業利益を57億円、同営業利益率を11.5%としております。また、それらに基づく予想自己資本利益率(ROE)は11.8%としております。

 

(4)経営環境

次期におけるわが国経済においては、企業業績の持続的な拡大が期待されますが、一方で各国との通商問題、周辺諸国との外交関係、輸出をけん引してきた自動車や半導体に関連する需給の調整とそれによる設備投資の減速など、懸念される材料も少なくありません。また、グローバルな観点においては、引き続き堅調な経済成長が見込まれるものの、世界各地の地政学的問題、主要国・地域間における通商問題、資源価格の変動などがマイナスの影響を与えうる不透明な要素として認識されております。

 

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

<事業展開について>

シール製品事業につきましては、生産拠点の再配置や営業拠点の拡充により、製販技の連携を強化し、顧客視点でのQCDSをさらに向上させてまいります。また、安心・安全を第一としながらも、斬新なアイデアに基づく新たな価値、新たなソリューションサービスの提供に果敢に取組み、顧客との信頼関係をさらに強固なものにすべく、日々取組んでまいります。

機能樹脂製品事業につきましては、中国や米国などの海外市場に積極投資を行い、生産拠点の拡充や原料・加工メーカー等とのアライアンス活用を強力に推進してまいります。ふっ素樹脂をはじめとする製品の拡充、既存製品の選択と集中を推進し、さらなるサービスの向上に努めてまいります。

その他事業につきましては、“NV・S8”の基本方針のひとつである「選択と集中」のもと、事業や機能の見極めを推進し、収益力向上を図るための成長投資を積極的に実行してまいります。また、今まで培ってきた「コア技術」を新製品開発および既存事業での応用や用途展開等に有効活用し、果敢にチャレンジしてまいります。

海外における事業展開につきましては、リスク管理体制のさらなる拡充を図るとともに、地域毎の特性を踏まえた施策の実施、新市場への参入、アライアンスの活用、調達力強化等により、事業拡大を図ってまいります。

<グローバルCSRの推進と人材開発の強化>

当社グループにおけるCSRとは、企業理念である「THE VALQUA WAY」を具現化する事業活動そのものであり、社会の様々な期待に応えるべく独自のコンセプトに基づいてCSR活動を推進しております。“NV・S8”でも引き続きグローバルな視点でのCSR意識の向上を図り、世界中のステークホルダーに貢献できる活動を展開してまいります。

人材開発につきましては、“NV・S8”を完遂させ得る強いリーダーとチャレンジ精神に溢れたフォロワーを育成するとともに、企業風土を改革し、「ダイバーシティの推進」にも積極的に取組んでまいります。

“NV・S8”の推進にあたりましては、「コンプライアンスの遵守」のためのグループ体制の強化およびリスクマネジメントの徹底を図るとともに、環境変化に柔軟に対応しながら、戦略の完遂に向けて、グループ一丸となって果敢に挑戦してまいります。

(6)株式会社の支配に関する基本方針

①基本方針の内容

 当社取締役会は、大規模買付者により、財務および事業の方針の決定に影響を及ぼすことが可能な数の当社株式を取得することを目的とする大規模な買付行為が行われようとする場合に、当社の株式の売却に応ずるか否かは、最終的には株主の皆さまがこれを判断されるべきものと考えております。しかしながら、当該買付行為が真に当社の企業価値の向上に資するものであるかどうか、さらには、多くの株主の利益向上に繋がるものであるかを多数の株主の皆さまが判断されるためには、当該大規模買付者から当該買付行為について十分な情報が提供されるとともに、これを評価・検討するための一定の時間を確保することが大切であると認識し、「大規模買付行為への対応方針」を定めておくことが必要不可欠であると判断しております。

②当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組み

 当社は、社名の由来でもある「Value & Quality」(価値と品質)をスローガンとして、創業以来、価値ある製品の研究・開発、信頼を生む品質の高い製品の提供に努力してまいりました。また、経営の基本方針である「THE VALQUA WAY」を制定するとともに、「価値の創造と品質の向上」を基本理念として、それを具現化する中期経営計画「New Valqua Stage One」(NV・S1)を平成12年度にスタートさせ、「New Valqua Stage Seven」(NV・S7)まで、経営計画に掲げられた経営目標に向けての積極果敢な挑戦を行うとともに、変化する事業環境に機敏に対応することで、競争力強化を図ってまいりました。そして、平成30年度からは新たな3か年計画「New Valqua Stage Eight」(NV・S8)を策定し、コーポレートガバナンスのさらなる充実と、グローバルな収益基盤の拡大強化に向けた、新たな挑戦を試みております。

 これまでの歴史に裏打ちされた技術力やブランド力は、多くの需要家をはじめとする関係者の間で高く評価されてまいりました。これら技術力やブランド力は、当社グループの重要な強みであるとともに、相互に有機的に関連した不可分のものであり、当社グループの企業価値の源泉となっているものであります。

③会社支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

 当社は、大規模買付行為が行われる場合には、一定の合理的なルール(以下「大規模買付ルール」といいます。)に従っていただくこととし、これを遵守した場合およびしなかった場合につき一定の対応方針を定めることをもって、会社支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みといたします。

  当社の大規模買付ルールは、以下の項目について具体的なルールを定めております。
(ア)大規模買付ルールの概要

(イ)対象とする大規模買付行為

(ウ)大規模買付者に対する情報提供の要請

(エ)大規模買付行為の評価・検討

(オ)大規模買付ルールが遵守された場合の対応方針

(カ)大規模買付ルールが遵守されなかった場合の対抗措置

(キ)対抗措置発動の中止または撤回について

(ク)大規模買付ルールが株主および投資家の皆さまに与える影響等

(ケ)対抗措置発動時に株主および投資家の皆さまに与える影響等

(コ)当社取締役会が対抗措置の発動を決定した場合に株主の皆さまに必要となる手続

  なお、本対応方針の有効期限は原則として取締役の任期に合わせるものとし、平成31年3月31日に終了する事業年度に関する定時株主総会の終結の時までとなっております。その後については取締役選任議案が上程される2年毎の定時株主総会において改めて定時株主総会の承認を得るものといたします。

④本対応方針が会社支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないことについて

 当社のこれまでの諸施策ならびに中期経営計画である“NV・S8”は、当社の企業価値・株主共同の利益を組織的かつ持続的に向上させるための具体的施策として策定されたものであります。また、大規模買付ルールは、企業価値・株主共同の利益を確保・向上させる目的をもって導入され、その内容において客観性・透明性が担保される工夫がなされたものであります。したがいまして、いずれも当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではなく、①に記載する基本方針に沿うものであります。

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 新製品開発について

 当社グループは、研究開発活動を積極的に展開し、シール製品および機能樹脂製品の業界においては先駆的な役割を果たしております。しかしながら、研究開発テーマの全てが順調に進捗し、個々の新製品開発が確実に成功するものではありませんので、研究開発全体としてリスクを考慮しつつ、当社の成長に寄与する開発運営を行なっております。新製品開発の結果次第では、当社グループの業績および財政状態に影響を与える場合があります。

(2) 石綿問題について

 当社グループは、平成18年9月1日施行の労働安全衛生法施行令による「アスベスト全面禁止」に先立ち、平成18年7月31日をもって一切の石綿製品の供給を停止いたしました。石綿代替品(ノンアスベスト製品)の品揃えは他社に先駆け完了しておりますので、今後ともノンアスベスト製品の強力な販売活動を展開していく所存であります。

 平成18年3月27日施行の「石綿による健康被害の救済に関する法律」に基づく被害者救済策が講じられておりますが、当社の対応といたしましては、以下の措置を継続して講じております。

・石綿関連の質問や相談に応じるための「アスベスト相談窓口」の開設

・従業員および元従業員のうち、希望された方への健康診断の実施

・当社ホームページでのアスベストに関する情報の開示

 当社規定による補償金や見舞金の支払いによる費用負担は、限定的なものでありますが、今後も継続する可能性があります。また、損害賠償請求などの訴訟を受けた場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を与える場合があります。

(3) 為替相場の変動について

 当社グループは、海外現地法人による生産および販売を通じて、多くの輸出入取引を行なっております。取引に伴う為替の変動リスクについては、これを極小にすべく細心の注意を払っておりますが、そのリスクの全てを完全に排除することは不可能であり、場合によっては、当社グループの業績および財政状態に影響を与える場合があります。

(4) 海外進出に潜在するリスクについて

 当社グループは、海外での事業活動を行なう上で、商品/サービスの品質・安全・環境化学物質関連並びに会計基準・税法・労務関連など様々な法規制の適用を受けております。当社グループは内部統制体制構築並びに「リスク管理委員会」を発足させておりますが、当社グループだけでなく委託先などが重大な法令違反を起こした場合、また現行の法規制の変更や新たな法規制などが追加された場合には、その対応のために、当社グループの業績および財政状態に影響を与える場合があります。

(5) カントリーリスクについて

 当社グループは、海外収益増大を完遂する為、生産および販売活動の一部を東アジア・東南アジア・米国における事業拠点へ経営資源を重点配分し、生産・販売・サービス・調達機能強化を図っております。しかしながら、北朝鮮における軍事的脅威、中国市場における人件費高騰、アメリカを震源地とする保護主義を踏まえた進出先での通商政策が海外市場での事業運営上のリスク要因であり、当社グループの業績および財政状態に影響を与える場合があります。

(6) 他社との業務提携等の成否について

 当社グループは、アライアンスによる製品ラインアップの拡充などのサプライソース中心の業務提携に加え、技術的アライアンス、営業的アライアンス、サービス的アライアンスなども積極的に行っております。今後も引き続きこの方針を進めてまいる所存ですが、当初想定していなかった事情により提携先や市場と当社の意図に乖離が生じる可能性もあり、その場合には当初予定通りの成果を得ることはできず、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

(7) 製品の欠陥について

 当社グループは、厳格な品質管理基準に従い製品の製造を行なっておりますが、全ての個々の製品についての欠陥の発生およびそれに起因する事故の発生の可能性を払拭することはできません。また、製造物責任保険(PL保険)への加入により事故の影響を最小化するように考えておりますが、当社グループが負担する最終的な賠償額の全てを担保することができるという保証はありません。多額の賠償に繋がるような製品の欠陥の発生は、ブランドに大きな損失を与え、その結果として売上高の減少、収益の悪化原因となり、当社グループの業績および財政状態に影響を与える場合があります。

(8) 退職給付債務について

 当社グループの退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出しております。しかしながら、数理計算上の前提条件を変更する必要性が生じた場合、あるいは、証券市場の低迷により年金資産が毀損した場合等には、退職給付費用・退職給付債務の増加や年金資産の追加的支出が必要となる可能性があります。このような場合には、将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を与える場合があります。

(9) 原材料価格変動と調達について

  当社グループは、国内外から原材料を購入して製品の製造を行なっております。グローバル化が進行する中、資源の価格変動は世界同レベルで進行しております。当社グループとしましては、安定した調達を確保するとともに、安価な原材料調達に注力してまいりますが、需給の逼迫や価格変動等により、当社グループの業績および財政状態に影響を与える場合があります。

(10) 地震等の自然災害について

  生産拠点の分散や、基幹システムサーバーを外部センターに移設するなどの対策を行なっておりますが、地震等の自然災害が発生した場合、当社グループと顧客企業の生産設備に対して損傷を与え、生産活動の停止・サプライチェーンの混乱などの可能性があります。また、停電や交通機関ストップなどのインフラへの影響により、当社グループの業績および財政状態に影響を与える場合があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費にやや力強さが欠けたものの、堅調な輸出を反映し企業の生産活動と設備投資がともに活発に行われるなど、緩やかな拡大基調を維持しました。また、海外経済においては、米国は個人消費の一部に弱さがあったものの好調を維持し、欧州や中国においても濃淡はあるものの概ね安定的な状況となるなど、全体としては堅調な推移となりました。

このような事業環境下において当社グループは、最終年度となる第7次中期経営計画「New Valqua Stage Seven」(NV・S7)で掲げた戦略の完遂に向けて、諸施策を速やかに実行するとともに足許の収益拡大を図り、加えて、将来の持続的成長を実現するための企業基盤の整備・強化を推進しました。

この結果、当社グループの当連結会計年度の連結経営成績につきましては、売上高は475億9千2百万円(前年同期比9.1%増)、営業利益は53億7千4百万円(同32.2%増)、経常利益は54億6千6百万円(同39.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は38億3千3百万円(同63.2%増)となりました。

 

 セグメント別の業績は次のとおりであります。

(シール製品事業)

シール製品事業につきましては、先端産業市場に向けた販売の伸長に加え、機器市場やプラント市場に向けた収益拡大策の効果等により、売上高は324億2千5百万円(前年同期比13.3%増)、セグメント利益は47億4千1百万円(同63.2%増)となりました。

(機能樹脂製品事業)

機能樹脂製品事業につきましては、サプライチェーン整備の効果等により機器市場・プラント市場に向けた販売が拡大し、売上高は124億4千6百万円(前年同期比7.8%増)となったものの、原材料価格の上昇による影響やM&Aによるのれん償却の計上を反映し、セグメント利益は4億9千2百万円(同36.9%減)となりました。

(その他事業)

その他事業につきましては、前年同期におけるシリコンウエハーリサイクルの特殊案件の寄与が影響し、売上高は27億2千万円(前年同期比21.6%減)、セグメント利益は1億4千万円(同63.1%減)となりました。

 

②財政状態の状況

当連結会計年度末の資産につきましては、総資産が前連結会計年度末に比べ41億3千万円増加し、507億8千2百万円となりました。流動資産は272億6千2百万円となり、22億3千6百万円増加しました。この主な要因は、電子記録債権の増加7億8千4百万円、流動資産のその他の増加3億9千5百万円、受取手形及び売掛金の増加3億1千9百万円、現金及び預金の増加2億6千1百万円、商品及び製品の増加2億2千5百万円、原材料及び貯蔵品の増加1億7千7百万円、仕掛品の増加1億5百万円等によるものであります。

有形固定資産は136億2千6百万円となり、2千8百万円増加しました。この主な要因は、建物及び構築物の減少6億2千7百万円、機械装置及び運搬具の増加3億4百万円、工具、器具及び備品の増加2億5千7百万円等によるものであります。無形固定資産は10億5百万円となり、9千7百万円減少しました。この主な要因は、のれんの減少9千万円等によるものであります。投資その他の資産は88億7千3百万円となり、19億7千2百万円増加しました。この主な要因は、投資有価証券の増加15億1千2百万円、退職給付に係る資産の増加3億5千3百万円、差入保証金の増加6千4百万円等によるものであります。それらの結果、固定資産は235億5百万円となり、19億3百万円増加しました。

負債につきましては、前連結会計年度末に比べ3億8千8百万円増加し、161億9千万円となりました。流動負債は115億9千5百万円となり、3千7百万円減少しました。この主な要因は、短期借入金の減少6億3百万円、流動負債のその他の増加3億9千3百万円、賞与引当金の増加6千8百万円、未払法人税等の増加6千8百万円等によるものであります。

固定負債は45億9千5百万円となり、4億2千6百万円増加しました。この主な要因は、繰延税金負債の増加7億3千5百万円、社債の減少1億6千万円、長期借入金の減少4千2百万円、退職給付に係る負債の減少3千2百万円、固定負債のその他の減少7千2百万円等によるものであります。

純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ37億4千2百万円増加し、345億9千2百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金の増加23億3千1百万円、その他有価証券評価差額金の増加10億9千7百万円、為替換算調整勘定の増加2億8千3百万円等によるものであります。

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2億5千7百万円増加し、当連結会計年度末には64億3千9百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によって得られた資金は、38億9千9百万円(前年同期比6.1%増)となりました。

これは主に、税金等調整前当期純利益54億1千7百万円、減価償却費15億2千6百万円、法人税等の支払額13億9千8百万円、売上債権の増加額億円、たな卸資産の増加額4億3千6百万円、退職給付に係る資産の増加額2億9千6百万円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、11億9千万円(前年同期比43.9%減)となりました。

これは主に、有形固定資産の取得・売却による純支出11億2千5百万円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果支出した資金は、24億8千4百万円(前年同期比87.1%増)となりました。

これは主に、配当金の支払額14億9千6百万円、短期借入金の純支出6億3千1百万円、社債の償還による支出1億7千万円、長期借入金の純支出5千5百万円等によるものであります。

④生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

前年同期比(%)

シール製品事業(百万円)

14,078

127.3

機能樹脂製品事業(百万円)

4,700

102.7

その他事業(百万円)

2,409

75.5

合計(百万円)

21,188

112.5

 (注)1 上記の金額は、販売価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

b. 仕入実績

 当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

前年同期比(%)

シール製品事業(百万円)

10,852

114.1

機能樹脂製品事業(百万円)

6,133

118.1

その他事業(百万円)

114

135.8

合計(百万円)

17,101

115.7

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

C. 受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

シール製品事業

33,098

113.7

3,739

121.9

機能樹脂製品事業

13,214

114.7

2,062

159.3

その他事業

2,598

73.9

137

53.2

合  計

48,910

110.8

5,939

128.5

 (注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 平成29年2月27日にVALQUA NGC,Inc.(現連結子会社)の株式を取得し同社を子会社化したことにより、「機能樹脂製品事業」の受注残高が著しく増加しております。

d. 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

前年同期比(%)

シール製品事業(百万円)

32,425

113.3

機能樹脂製品事業(百万円)

12,446

107.8

その他事業(百万円)

2,720

78.4

合計(百万円)

47,592

109.1

 (注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、会計基準等の内容を適切に把握し、会計基準等の変更等について的確に対応することができる体制を確保するための取組みを行っております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高・各利益とも前期比と同様に期首予想を上回ったものとなり、5期連続の増収・営業利益の増益を達成いたしました。これは、事業環境の改善に加え、前中期3ヵ年経営計画“NV・S6”、当連結会計年度で終了いたしました“NV・S7”において掲げた戦略と施策への取組みが奏功したものと認識しております。

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、先端産業市場に向けた施策が業容の拡大に繋がったことに加え、“選択と集中”による効果があったものと認識しております。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、ROE等の資本効率改善に対する市場からの要求も認識しております。今後も財務の安定性には十分配慮しつつ、次期より開始する“NV・S8”、そしてさらなる将来の成長に向け、資本効率を意識した財務運営を図ってまいります。

当社グループの経営上の目標の達成状況につきましては、「総資産当期純利益率(ROA)」及び「自己資本利益率(ROE)」を重要な指標として位置付けております。当連結会計年度における「総資産当期純利益率(ROA)」は7.9%(前年同期比2.7ポイント改善)、「自己資本利益率(ROE)」は12.3%(前年同期比4ポイント改善)になりました。これに満足することなく次期のステップ“NV・S8”に向け着実に実行してまいります。

 

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

(シール製品事業)

シール製品事業につきましては、先端産業市場に向けた販売の伸長に加え、機器市場やプラント市場に向けた収益拡大策の効果等により、セグメント業績の拡大をけん引した結果、利益は増加しました。セグメント資産は、273億2千3百万円(前年同期比10.2%増)となりました。

(機能樹脂製品事業)

機能樹脂製品事業につきましては、サプライチェーン整備の効果等により機器市場・プラント市場に向けた販売が拡大し売上高は増加となったものの、原材料価格の上昇や先行投資負担等により、セグメント利益は減少となりました。一方、セグメント資産は、95億3千9百万円(前年同期比7.2%増)となりました。

その他事業

その他事業につきましては、当連結会計年度において、シリコンウエハーリサイクルのスポット案件の計上がなかった影響を反映し、売上高・セグメント利益とも減少となりました。セグメント資産は、19億2千9百万円(前年同期比20.2%減)となりました。

4【経営上の重要な契約等】

(提出会社)

(1)業務提携契約

① 相手方の名称

ダイキン工業株式会社

② 契約目的

需要が拡大する中国市場における戦略的なふっ素樹脂製品事業の飛躍的な拡大。

③ 契約内容

a当社の中国現地法人である上海バルカーふっ素樹脂製品有限公司にダイキン工業株式会
 社が4億5千万円、当社が3億7千万円を出資。これにより上海バルカーふっ素樹脂製
 品有限公司に対する出資比率は当社70%、ダイキン工業株式会社30%となる。

b当社とダイキン工業株式会社の技術支援により中国成型加工メーカーを育成し、ふっ素
 樹脂ならびに成型加工品をボリュームゾーンに向けて飛躍的に拡販する。

c当社とダイキン工業株式会社の共同エンドユーザーマーケティングにより新規市場開発
 を加速し需要開拓を推進する。

④ 契約期間

自 2010年9月28日 至 2015年9月27日(満了日以降は1年毎の自動更新)

 

(2)製品売買契約

独占販売権の保有契約

① 相手方の名称

米国ガーロック社(GARLOCK SEALING TECHNOLOGIES,LLC)

② 契約品目

当社及びガーロック社の主要ブランド製品

③ 契約内容

当社主要製品について、ガーロック社がアメリカ(北米、南米及び中米)及び欧州における通常販売権を、ガーロック社の主要製品について、当社が日本における独占販売権及び中国、韓国、台湾における通常販売権をそれぞれ保有する契約

④ 契約期間

自 2011年7月26日 至 2013年7月25日(満了日以降は1年毎の自動更新)

 

5【研究開発活動】

 当社グループは、高度なシール技術を核としたトータルシールエンジニアリングと機能樹脂加工技術の応用により市場ニーズに基づく、スピードを重視した製品開発、技術開発、サービス開発を軸に行なっております。

 当連結会計年度においては、グローバルR&D体制の整備・充実を図り、環境、エネルギー、化学、半導体などの市場分野を対象に、日本、中国、米国、韓国、ASEANなどを中心とした市場で、顧客の高度な要求に応えることができる高機能製品およびサービスを開発しております。

 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は9億1千9百万円であり、各製品事業分野別の研究開発の概要は下記のとおりであります。

 

(1) シール製品事業

シール製品におきましては、シールエンジニアリングをコア技術として、日本、中国、米国、韓国、ASEANを中心としたグローバル市場に対して、ニーズに合わせた技術開発・製品開発、サービス開発を継続的に進めております。プラント・機器関連分野では、コア技術の高度化による継続性のある差別化技術開発により、環境対応製品・高温領域対応製品の開発などを進めております。エラストマー分野におきましては、拡大する半導体市場に対応し、高機能エラストマー事業部を新設し、製販技一元管理によるグローバル開発体制を強化しました。また、建設機械、掘削機器等の機器市場や環境・エネルギー市場を対象に、FEAによる設計技術や配合技術を用いて、顧客のニーズに合わせた、また使いやすさを支援する高機能製品の開発を進めております。

当事業に係る研究開発費は、5億1千2百万円であります。

 

(2)機能樹脂製品事業

機能樹脂製品におきましては、半導体市場への対応を中心に国内、海外の企業とのコラボレーションを積極的に展開してきており、樹脂材料の改質、複合をはじめとした差別化技術開発と、ユニークな材料の用途開発を進めております。

また、フィルムや射出製品などを対象とした新たな技術を採用した樹脂加工設備の増強を継続しており、これまでに加工対応できなかった複雑形状の加工を可能にしてまいります。

当事業に係る研究開発費は、2億3千8百万円であります。

 

(3)その他事業

オープンイノベーションによる外部研究機関や企業とのコラボレーションを推進しつつ、提供価値の拡大に資する新規事業に関する取り組みを進めております。ハードとしての製品開発だけではなくサービス開発にも注力しており、製品の選定知識、取り扱い知識、使用方法に関する知識を提供し、IoT技術、周辺部材や施工ツールを積極的に取り込み、独自素材を活用したセンシングシステムによる異常診断など、顧客における安全・安心を実現するビジネスモデルの構築・開発を進めております。

 当事業に係る研究開発費は、1億6千9百万円であります。