第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用環境の好転、企業収益の改善が進み、景気は緩やかな回復の兆しを見せております。一方、為替や株価の大幅な変動に加え、中国や新興国をはじめとした海外経済の減速、原油価格下落による産油国等への影響が懸念されるなど景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。

当社グループの事業分野であります建設業界におきましては、住宅投資に持ち直しの動きが見られるなど、全般的には堅調に推移いたしました。一方で、工事現場での人手不足の影響など、需要回復の足かせとなり得る下振れリスクも顕在化しており、今後の動向が不透明な状況にあります。

当社グループの主力製品でありますコンクリートパイル市場におきましては、国内の多くの地域で販売数量が前年実績を下回る厳しい状況となりました。

また、第2の柱でありますコンクリートセグメント市場におきましては、今後大型プロジェクトが予定されており、長期にわたった需要の低迷期を脱しつつあります。

 

セグメント毎の業績は次のとおりであります。

 

①コンクリート二次製品事業

コンクリート二次製品事業の主力事業でありますコンクリートパイル部門につきましては、需要低迷により販売数量が減少しました結果、当連結会計年度の売上高は6,763百万円(前連結会計年度比12.3%減)、営業利益は715百万円(前連結会計年度比14.9%減)となりました。

 

②コンクリートセグメント事業

長期にわたり厳しい事業環境が続きましたが、当連結会計年度に大型プロジェクトを受注し、昨年12月より本格製造を開始しました結果、当連結会計年度の売上高は1,763百万円(前連結会計年度比75.6%増)、営業利益は28百万円(前連結会計年度は1百万円の営業利益)となりました。

 

③工事事業

前連結会計年度に比べ、販売価格は上昇しましたが、施工品質確保をより一層厳格に推し進めたことにより、施工費と人件費が大幅に上昇しました結果、当連結会計年度の売上高は5,278百万円(前連結会計年度比5.4%増)、営業利益は79百万円(前連結会計年度比74.8%減)となりました。

 

④不動産賃貸事業

当連結会計年度の売上高は192百万円(前連結会計年度比1.8%増)、営業利益は135百万円(前連結会計年度比1.6%減)となりました。

 

以上の結果、当連結会計年度の売上高は13,997百万円(前連結会計年度比0.6%増)、営業利益は283百万円(前連結会計年度比57.2%減)、経常利益は182百万円(前連結会計年度比68.8%減)、当期純利益は88百万円(前連結会計年度比64.4%減)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、1,582百万円前連結会計年度比302百万円の減少)となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、35百万円の増加前連結会計年度比1,112百万円の減少)となりました。

収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益156百万円、減価償却費520百万円、たな卸資産の減少額145百万円であり、支出の主な内訳は売上債権の増加額162百万円、仕入債務の減少額204百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、637百万円の減少前連結会計年度比247百万円の減少)となりました。

これは、主に有形固定資産の取得による支出651百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、299百万円の増加前連結会計年度比704百万円の増加)となりました。

これは、長期借入れによる収入2,660百万円、長期借入金の返済による支出2,219百万円によるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

コンクリート二次製品事業

4,280,879

△18.4

コンクリートセグメント事業

1,664,675

+74.4

工事事業

4,979,149

+11.0

合計

10,924,704

+2.2

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 コンクリート二次製品事業、コンクリートセグメント事業については製造原価、工事事業については完成工事原価によっております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

コンクリート二次製品事業

6,623,737

△14.6

2,279,072

△5.8

コンクリートセグメント事業

2,651,745

+39.1

2,697,161

+49.1

工事事業

5,254,779

+4.3

1,396,850

△1.7

合計

14,530,262

△1.2

6,373,084

+12.8

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

コンクリート二次製品事業

6,763,466

△12.3

コンクリートセグメント事業

1,763,092

+75.6

工事事業

5,278,495

+5.4

不動産賃貸事業

192,438

+1.8

合計

13,997,492

+0.6

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び当該実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

JFE建材㈱

1,730,786

12.4

 

※ 前連結会計年度においては、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

今後の日本経済は、新興国の経済減速懸念や資源価格の不安定な状況、さらに来年4月に予定される消費税増税の影響など、依然として景気の下振れ要因となりうるリスクも存在しており、不透明な経営環境が続くものと予想されます。

コンクリートパイル事業におきましては、需要の回復が見込めない状況に加え、今後しばらくは施工管理に対する厳しい目が当業界に向けられており、今まで以上にコスト競争力の強化と施工品質の確保に向けた取り組みが求められます。

一方、コンクリートセグメント事業におきましては、今後も大型プロジェクトが予定されており、安全・安定的な事業運営で高い品質の製品をお客さまに提供することが求められます。

このような事業環境の中、当社グループは、「顧客第一」「合理追求」「人倫遵守」の経営理念の下、今期から新たにスタートする「第5次中期3ヵ年経営計画」において、環境の変化への迅速かつ正確な対応力と専門性の強化を目標に掲げ、安心・確実な品質の追求とともに、コスト競争力の強化に努め収益性の向上を目指してまいる所存であります。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性のあるリスクで、特に投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には次のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

①需要動向

当社グループの主要事業でありますコンクリート二次製品事業およびセグメント事業は、各市場の動向に大きな影響を受けます。特に需要動向は、供給能力が短期的に大きく変動しない下で、需給ギャップ、および価格形成に対する重要な要因となっています。需要が当社想定を下回って推移した場合には、販売量、および販売価格の双方を通じて当社グループの業績に影響を及ぼす恐れがあります。

②原材料価格

当社グループは、セメント、鋼材、LNG等の仕入れを行っておりますが、このような素材およびエネルギーは市場価格の影響を大きく受けます。当社グループは、市場価格に細心の注意を払い、仕入原価の低減に努めておりますが、市場価格の上昇が想定を上回る場合等において当社グループに影響を及ぼす可能性があります。

③金融費用

当社グループは、「第5次中期3ヵ年経営計画」に基づいて、有利子負債の圧縮に取り組んでおりますが、当連結会計年度末における当社グループの有利子負債残高(長期借入金と短期借入金の合計)は6,244百万円であり、当社の想定を越えて金利が上昇した際には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

④貸倒れリスク

当社グループは、与信管理システムにより、貸倒れ発生の未然防止に努めておりますが、貸倒れリスクを完全に排除することは不可能であり、販売先の経営状況によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑤法的規制

当社グループは、建設業許可等を受けており、許認可等を受けるための諸条件および関係法令の遵守に努めております。しかし、仮に法令違反等により許認可が取り消しとなった場合には、事業の運営に支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑥瑕疵

当社グループは、製造、施工等において高い品質を確保するべく努めておりますが、予見できない理由により品質に瑕疵が生じた場合には、品質の悪化、工期の遅延等が発生する可能性があります。また、瑕疵による損害賠償請求等が発生した場合には、当社グループに影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦事故

当社グループは、製造、施工を始めとした全ての領域において安全の確保および事故の未然防止に全力を傾けておりますが、仮に重大事故が発生した場合には、多額の費用に加えて社会的信用の失墜等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑧自然災害

当社グループは、東京都、静岡県、兵庫県に工場があり、これらの地域を中心として大規模な自然災害が発生した場合には、生産活動の停止、配送の遅延等の影響により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、経営上の重要な契約等はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループの研究開発は、コンクリート二次製品の製造販売を通じて、快適な生活基盤創りに貢献するために、当社グループ独自で、あるいは外部組織と共同体制を組んで推進しております。

主力のコンクリートパイルとその他コンクリート二次製品の研究開発及びそれらの周辺技術としての施工技術の研究開発に積極的に取り組んでおります。

当社グループの当連結会計年度における研究開発費の総額は、101百万円であります。

なお、各セグメント毎の研究開発費の区分は困難であるため、研究開発費は総額で記載しております。

当連結会計年度におけるセグメント毎研究開発活動の状況は、次のとおりであります。

 

(1)コンクリート二次製品事業

高支持力杭工法の需要増大に対応するべく、MRXX工法の大径化を目的に、大径HIT-ST杭の開発を行い、日本建築センターの評定取得に取り組みました。

また、高支持力杭工法の使用にともない重要となってくる杭の性能(超高強度、曲げ耐力、変形性能)の向上のための研究開発に取り組んでおります。

また、昨期に引き続きコンクリートパイル事業の周辺技術として、杭頭処理方法の開発を目的に、外部の開発グループとの共同開発に参画しております。

 

(2)コンクリートセグメント事業

大断面、大深度トンネル用セグメントに適用可能な高水圧対応型高止水逆止弁を開発し、当該目玉工事への適用・製作販売を開始する運びとなりました。当該商品を他の道路、鉄道トンネルのプロジェクトにも採用されるよう、積極的な技術営業活動に取り組んでまいります。

また、品質向上、生産性向上に資するコンクリート技術について試行してまいります。

 

(3)工事事業

当社では施工現場にて統合的な施工管理が可能となる管理装置を開発し、施工品質確保に取り組んで参りましたが、一連の業界における施工データ流用問題から、更なる厳格な施工管理が求められており管理装置の改良等に取り組んでおります。

また、主力工法の一つであるHyper-NAKSⅡ工法の共同認定取得グループ他社と共に、同業他社への技術供与である指定施工会社制度を活用し指定施工店の認定を行いました。

さらに、昨期に引き続き高支持力工法の適用範囲を広げる目的で、外部の開発グループとの周辺技術共同開発に参画しております。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。当社は、この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。なお、詳細につきましては「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりです。

 

(2) 財政状態の分析

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末と比べて、1.3%減少し6,202百万円となりました。主として現金及び預金の減少302百万円、商品及び製品の減少90百万円等によるものであります。

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末と比べて、0.1%減少し8,559百万円となりました。

これは、主として退職給付に係る資産の減少291百万円等によるものであります。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末と比べて、2.5%減少し7,377百万円となりました。

これは、主として支払手形及び買掛金の減少200百万円等によるものであります。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末と比べて、4.8%増加し4,796百万円となりました。

これは、長期借入金の増加271百万円等によるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末と比べて、4.4%減少し2,589百万円となりました。これは、主として退職給付に係る調整累計額の減少218百万円等によるものであります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は302百万円減少し1,582百万円となりました。

なお、キャッシュ・フローの状況につきましては、「1 業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

平成24年2月期

平成25年2月期

平成26年2月期

平成27年2月期

平成28年2月期

自己資本比率(%)

14.0

15.9

16.3

17.8

17.0

時価ベースの

自己資本比率(%)

10.1

15.9

20.5

21.6

11.0

債務償還年数(年)

30.8

7.5

14.2

5.5

194.0

インタレスト・

ガバレッジ・レシオ(倍)

1.5

5.9

3.5

10.2

0.3

 

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

債務償還年数:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。

(注2)株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。

(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しています。

(注4)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。

 

(4) 経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度における売上高は13,997百万円前年同期比0.6%増)となりました。

主な要因は、コンクリート二次製品事業及び工事事業においては、販売価格は上昇しましたが、需要低迷による販売数量が減少しております。また、コンクリートセグメント事業においては、大型プロジェクトを受注したことにより売上高が増加しております。

(売上総利益)

当連結会計年度の売上総利益は、コンクリート二次製品事業及び工事事業において、施工品質確保をより一層厳格に推し進めたことにより施工費が上昇し、前年同期比16.4%減1,822百万円となりました。売上総利益率も同様に前連結会計年度の15.7%から当連結会計年度は13.0%に減少しております。

(販売費及び一般管理費)

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、1,538百万円前連結会計年度に比べ21百万円増加しております。

主な要因は、試験研究費の増加によるものであります。

(営業利益)

当連結会計年度における営業利益は、283百万円前年同期比57.2%減)となりました。

主な要因は、主な要因は、売上高は増加したものの、売上総利益が減少し、販売費及び一般管理費が増加したことによるものであります。

(経常利益)

当連結会計年度における経常利益は、182百万円前年同期比68.8%減)となりました。

営業外損益の内訳は、受取保険金11百万円を含む45百万円の営業外収益と、支払利息103百万円を含む146百万円の営業外費用との差引100百万円の費用計上となりました。

(特別損益)

当連結会計年度における特別利益は、固定資産売却益13百万円を含む31百万円、また特別損失は、投資有価証券売却損32百万円を含む57百万円をそれぞれ計上しております。