当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用環境の好転、企業収益や家計所得の改善が続き、景気は緩やかな回復基調が見られます。一方、英国のEU離脱問題や米国の新政権誕生による政策動向などの影響により、為替相場や株式相場が大きく変動するなど、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
当社グループの事業分野であります建設業界におきましては、用地確保で苦戦している分譲マンションの着工減が懸念されるものの、相続税の節税対策による貸家の着工増が継続するなど民間住宅投資が底堅く、全般的には堅調に推移いたしました。一方で、工事現場での人手不足の影響など、需要回復の足かせとなり得る下振れリスクも顕在化しており、今後の動向が不透明な状況にあります。
当社グループの主力製品でありますコンクリートパイル事業におきましても、長引く需要低迷のもとで、杭打ち工事に厳しい目が向けられる中で、厳格な施工品質確保の取り組みによる増員対応を主因とした施工原価の上昇が収益を圧迫し、全般的には非常に厳しい事業環境で推移しました。
また、第2の柱でありますコンクリートセグメント事業につきましては、大型プロジェクト物件の製造が軌道に乗り、好調な業績で推移いたしました。
セグメント毎の業績は次のとおりであります。
コンクリート二次製品事業の主力事業でありますコンクリートパイル部門につきましては、低調な需要により受注競争が激化しました結果、当連結会計年度の売上高は6,435百万円(前連結会計年度比4.8%減)、営業利益は535百万円(前連結会計年度比25.1%減)となりました。
平成27年12月より製造を開始しました大型プロジェクト物件の製造が年度を通じて業績に寄与した結果、当連結会計年度の売上高は3,118百万円(前連結会計年度比76.9%増)、営業利益は99百万円(前連結会計年度比249.4%増)となりました。
施工品質の更なる向上を目指し、施工管理体制を強化したことに伴い、人件費や施工費などの工事原価が上昇しましたが、販売面で価格転嫁が想定より進まなかった結果、当連結会計年度の売上高は4,830百万円(前連結会計年度比8.5%減)、営業損失は43百万円(前連結会計年度は79百万円の利益)となりました。
当連結会計年度の売上高は193百万円(前連結会計年度比0.5%増)、営業利益は140百万円(前連結会計年度比4.1%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は14,578百万円(前連結会計年度比4.1%増)、営業利益は72百万円(前連結会計年度比74.5%減)、経常利益は20百万円(前連結会計年度比88.8%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は61百万円(前連結会計年度は88百万円の利益)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、1,895百万円(前連結会計年度比312百万円の増加)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,052百万円の増加(前連結会計年度比1,017百万円の増加)となりました。
収入の主な内訳は、減価償却費700百万円、売上債権の減少額320百万円であり、支出の主な内訳はたな卸資産の増加額169百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、530百万円の減少(前連結会計年度比106百万円の増加)となりました。
これは、主に有形固定資産の取得による支出531百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、209百万円の減少(前連結会計年度比509百万円の減少)となりました。
これは、主に長期借入れによる収入2,450百万円、長期借入金の返済による支出2,394百万円、リース債務の返済による支出172百万円によるものであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
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コンクリート二次製品事業 |
4,453,484 |
+4.0 |
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コンクリートセグメント事業 |
2,926,440 |
+75.8 |
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工事事業 |
4,542,258 |
△8.8 |
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合計 |
11,922,183 |
+9.1 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 コンクリート二次製品事業、コンクリートセグメント事業については製造原価、工事事業については完成工事原価によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
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コンクリート二次製品事業 |
6,765,518 |
+2.1 |
2,608,950 |
+14.5 |
|
コンクリートセグメント事業 |
3,075,396 |
+16.0 |
2,654,271 |
△1.6 |
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工事事業 |
5,483,925 |
+4.4 |
1,668,017 |
+19.4 |
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合計 |
15,324,841 |
+5.5 |
6,931,239 |
+8.8 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
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コンクリート二次製品事業 |
6,435,640 |
△4.8 |
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コンクリートセグメント事業 |
3,118,286 |
+76.9 |
|
工事事業 |
4,830,886 |
△8.5 |
|
不動産賃貸事業 |
193,350 |
+0.5 |
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合計 |
14,578,164 |
+4.1 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
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販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
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JFE建材㈱ |
1,730,786 |
12.4 |
3,058,229 |
21.0 |
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
今後の日本経済は、生産性の伸びの鈍化や労働力人口の減少が成長の下押し圧力になることが見込まれる中で、成長戦略の進捗に左右されるなど、依然として不透明な経営環境が続くものと予想されます。
コンクリートパイル事業におきましては、今まで以上の施工品質確保は当然のこととして、製品の価値を訴求し顧客へ適正価格での販売に向けた取り組みが必要となります。
一方、コンクリートセグメント事業におきましては、大型プロジェクト物件の製造が継続し、今後暫くは需給がひっ迫した状況が見込まれます。
このような事業環境の中、当社グループは、「顧客第一」「合理追求」「人倫遵守」の経営理念の下、平成28年度から新たにスタートした「第5次中期3ヵ年経営計画」に則り、環境の変化への迅速かつ正確な対応力と専門性の強化を目標に掲げ、安心・確実な品質の追求に加え、引続きコスト削減を進め収益性の向上を目指してまいる所存であります。
当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性のあるリスクで、特に投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には次のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
①需要動向
当社グループの主要事業でありますコンクリート二次製品事業およびセグメント事業は、各市場の動向に大きな影響を受けます。特に需要動向は、供給能力が短期的に大きく変動しない下で、需給ギャップ、および価格形成に対する重要な要因となっています。需要が当社想定を下回って推移した場合には、販売量、および販売価格の双方を通じて当社グループの業績に影響を及ぼす恐れがあります。
②原材料価格
当社グループは、セメント、鋼材、LNG等の仕入れを行っておりますが、このような素材およびエネルギーは市場価格の影響を大きく受けます。当社グループは、市場価格に細心の注意を払い、仕入原価の低減に努めておりますが、市場価格の上昇が想定を上回る場合等において当社グループに影響を及ぼす可能性があります。
③金融費用
当社グループは、「第5次中期3ヵ年経営計画」に基づいて、有利子負債の圧縮に取り組んでおりますが、当連結会計年度末における当社グループの有利子負債残高(長期借入金と短期借入金の合計)は6,270百万円であり、当社の想定を越えて金利が上昇した際には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④貸倒れリスク
当社グループは、与信管理システムにより、貸倒れ発生の未然防止に努めておりますが、貸倒れリスクを完全に排除することは不可能であり、販売先の経営状況によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤法的規制
当社グループは、建設業許可等を受けており、許認可等を受けるための諸条件および関係法令の遵守に努めております。しかし、仮に法令違反等により許認可が取り消しとなった場合には、事業の運営に支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥瑕疵
当社グループは、製造、施工等において高い品質を確保するべく努めておりますが、予見できない理由により品質に瑕疵が生じた場合には、品質の悪化、工期の遅延等が発生する可能性があります。また、瑕疵による損害賠償請求等が発生した場合には、当社グループに影響を及ぼす可能性があります。
⑦事故
当社グループは、製造、施工を始めとした全ての領域において安全の確保および事故の未然防止に全力を傾けておりますが、仮に重大事故が発生した場合には、多額の費用に加えて社会的信用の失墜等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧自然災害
当社グループは、東京都、静岡県、兵庫県に工場があり、これらの地域を中心として大規模な自然災害が発生した場合には、生産活動の停止、配送の遅延等の影響により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度において、経営上の重要な契約等はありません。
当社グループの研究開発は、コンクリート二次製品の製造販売を通じて、快適な生活基盤創りに貢献するために、当社グループ独自で、あるいは外部組織と共同体制を組んで推進しております。
主力のコンクリートパイルとその他コンクリート二次製品の研究開発及びそれらの周辺技術としての施工技術の研究開発に積極的に取り組んでおります。
当社グループの当連結会計年度における研究開発費の総額は、95百万円であります。
なお、各セグメント毎の研究開発費の区分は困難であるため、研究開発費は総額で記載しております。
当連結会計年度におけるセグメント毎研究開発活動の状況は、次のとおりであります。
(1)コンクリート二次製品事業
大地震時において杭体に要求される性能として挙げられる曲げ耐力,せん断耐力,変形性能の向上のための研究開発に引き続き取り組みました。
支持地盤に不陸がある場合の対処方法の一つとして、短尺SC杭の開発を行い(一財)日本建築センターの評定を取得しました。
また、前連結会計年度に引き続きコンクリートパイル事業の周辺技術として、杭頭処理方法の開発を目的に、外部の開発グループとの共同開発に参画しております。
(2)コンクリートセグメント事業
大断面、大深度トンネル用セグメントに適用可能な高水圧対応型高止水逆止弁を開発し、当該大規模プロジェクトへの適用・製作販売を開始する運びとなりました。当該商品を他の道路、鉄道トンネルのプロジェクトにも採用されるよう、積極的な技術営業活動に取り組んでまいります。
また、品質向上、生産性向上に資するコンクリート技術について試行してまいります。
(3)工事事業
昨今の一柱にかかる高軸力化による需要に対応するため、MRXX工法の大径化に取り組み、(一財)日本建築センターの性能評価取得に取り組みました。
従来から取り組んでいる施工現場での統合的な施工管理が可能となる管理装置の改良や、ICT技術を活用した現場管理の厳格化や省力化の実現に取り組みました。
また、主力工法の一つであるHyper-ストレート工法の共同認定取得グループ他社と共に、同業他社への技術供与である指定施工会社制度を活用し指定施工店の認定を行いました。
さらに、前連結会計年度から引き続き高支持力工法の適用範囲を広げる目的で、外部の開発グループとの周辺技術共同開発に参画しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。当社は、この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。なお、詳細につきましては「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりです。
(2) 財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末と比べて、0.1%減少し、6,197百万円となりました。主として受取手形及び売掛金の減少322百万円等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末と比べて、0.6%増加し、8,610百万円となりました。
これは、主として退職給付に係る資産の増加206百万円等によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末と比べて、0.9%増加し、7,444百万円となりました。
これは、主として1年内返済予定の長期借入金の増加138百万円等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末と比べて、1.3%減少し、4,734百万円となりました。
これは、長期借入金の減少83百万円、リース債務の減少77百万円等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末と比べて、1.6%増加し、2,629百万円となりました。これは、主として退職給付に係る調整累計額の増加157百万円等によるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は312百万円増加し、1,895百万円となりました。
なお、キャッシュ・フローの状況につきましては、「1 業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
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平成25年2月期 |
平成26年2月期 |
平成27年2月期 |
平成28年2月期 |
平成29年2月期 |
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自己資本比率(%) |
15.9 |
16.3 |
17.8 |
17.0 |
17.2 |
|
時価ベースの 自己資本比率(%) |
15.9 |
20.5 |
21.6 |
11.0 |
14.5 |
|
債務償還年数(年) |
7.5 |
14.2 |
5.5 |
194.0 |
6.4 |
|
インタレスト・ カバレッジ・レシオ(倍) |
5.9 |
3.5 |
10.2 |
0.3 |
10.5 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
債務償還年数:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
(注2)株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しています。
(注4)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。
(4) 経営成績の分析
当連結会計年度における売上高は14,578百万円(前年同期比4.1%増)となりました。
主な要因は、コンクリート二次製品事業及び工事事業においては、低調な需要により受注競争が激化した結果、売上高は減少しましたが、コンクリートセグメント事業においては、大型プロジェクト物件が年度を通して寄与した結果、売上高が増加しております。
損益面では、売上総利益は1,728百万円(前年同期比5.2%減)となり前連結会計年度に比べ94百万円の減少となりました。
営業利益につきましては、72百万円(前年同期比74.5%減)となり前連結会計年度に比べ211百万円の減少となりました。
経常利益につきましては、20百万円(前年同期比88.8%減)となり前連結会計年度に比べ162百万円の減少となりました。
親会社株主に帰属する当期純損失につきましては、61百万円(前連結会計年度は88百万円の利益)となりました。