文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社は「第6次中期3ヵ年経営計画」を新たに策定し、取り組んでおります。
中期3ヵ年経営計画では、以下に掲げる経営方針のもと、基本戦略を着実に実行することで企業価値を高めていきます。
(1) 経営方針
当社グループは、「顧客第一」「合理追求」「人倫遵守」の経営理念の下、中期3ヵ年経営計画において、環境の変化への迅速かつ正確な対応力と専門性の強化を目標に掲げ、安心・確実な品質の追求に加え、引き続きコスト削減を進め収益性の向上を目指します。
(2) 経営環境及び当社の取り組み
日本経済の概況は、2018年度は好調なスタートとなりましたが、夏場に失速し、一旦回復の動きを見せるものの、落ち込みを取り戻すだけの力強さはありませんでした。年度後半、景気の下振れリスクには警戒しておりましたが、実際の景気は当初想定を大きく下回って推移いたしました。
各事業の概況については、以下のとおりです
まず、コンクリート二次製品事業の主力事業であるコンクリートパイル事業の事業環境につきましては、2018年度の上半期は全国的に良好な需要環境に恵まれました。当社の主力地区となる関東および静岡・山梨におきましても需要は好調に推移いたしました。しかし、下半期にはいると全国的に需要は減速に転じ、厳しい需要環境となりました。業績につきましては、上半期が想定を大きく上回って推移したことから、前年度と比べて大幅な増収・増益となりました。
次に、当社の取り組みでございますが、コスト管理および物件別の収益管理の徹底を行いました。コスト管理強化の一環として、東京工場において製造原価を従来よりも詳細に把握する管理システムを導入いたしました。今後は新管理システムの運用を通じて、更なる生産性の向上に努めてまいります。また、品質管理体制の強化として、2017年度に引き続き施工管理部門の拡充を行い、施工管理部門の深刻な人手不足は緩和されつつあります。設備投資や技術開発につきましては、計画に沿って順調に進捗しました。加えて、2018年度は良好な経営環境を考慮し、一部の投資や開発については前倒しで着手し、事業の競争力向上に努めました。
コンクリートセグメント事業に関しましては、大型プロジェクトの端境期に入り、事業環境が減速を余儀なくされました。
不動産賃貸事業に関しましては、安定した業績で推移しております。2018年度は、静岡県沼津市の賃貸用不動産において補修工事を実施し、賃貸用不動産としての価値向上に努めました。
(3) 対処すべき課題
今後の日本経済は、消費や設備投資といった内需が底堅く推移し、景気の底割れは避けられるものと見込んでおりますが、景気の足踏み状態は当面続くものと想定しております。また、海外経済においては米中貿易戦争をはじめとしてリスク要因が依然として多く、下振れリスクについて警戒が必要な状況と考えております。消費税率の引き上げにつきましては、政府の手厚い対策の下で、過去と比較して影響は小さいものと考えております。総じて、世界経済の先行きに不透明感が強く、日本の内需は底堅く推移すると思われるものの、下振れリスクの高い状況が当面続くものと想定しております。
コンクリーパイル事業・工事事業におきましては、2018年度下期以降の厳しい需要環境が続いており、当面は厳しい状況が続くものと考えております。2019年度以降は、徐々に需要が回復していくものと想定しておりますが、コンクリートパイル需要は民需主体で景気変動の影響を受けやすいため、景気の下振れリスクには警戒が必要と考えております。
コンクリートセグメント事業におきましては、需要の回復は2020年度以降を見込んでおり、2019年度は引き続き非常に厳しい事業環境が想定されます。コスト管理を徹底し厳しい事業環境に対応してまいります。
当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性のあるリスクで、特に投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には次のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
①需要動向
当社グループの主要事業でありますコンクリート二次製品事業およびセグメント事業は、各市場の動向に大きな影響を受けます。特に需要動向は、供給能力が短期的に大きく変動しない下で、需給ギャップ、および価格形成に対する重要な要因となっています。需要が当社想定を下回って推移した場合には、販売量、および販売価格の双方を通じて当社グループの業績に影響を及ぼす恐れがあります。
②原材料価格
当社グループは、セメント、鋼材、LNG等の仕入れを行っておりますが、このような素材およびエネルギーは市場価格の影響を大きく受けます。当社グループは、市場価格に細心の注意を払い、仕入原価の低減に努めておりますが、市場価格の上昇が想定を上回る場合等において当社グループに影響を及ぼす可能性があります。
③金融費用
当社グループは、有利子負債の圧縮に取り組んでおりますが、当連結会計年度末における当社グループの有利子負債残高(長期借入金と短期借入金の合計)は5,526百万円であり、当社の想定を超えて金利が上昇した際には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④貸倒れリスク
当社グループは、与信管理システムにより、貸倒れ発生の未然防止に努めておりますが、貸倒れリスクを完全に排除することは不可能であり、販売先の経営状況によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤法的規制
当社グループは、建設業許可等を受けており、許認可等を受けるための諸条件および関係法令の遵守に努めております。しかし、仮に法令違反等により許認可が取り消しとなった場合には、事業の運営に支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥瑕疵
当社グループは、製造、施工等において高い品質を確保するべく努めておりますが、予見できない理由により品質に瑕疵が生じた場合には、品質の悪化、工期の遅延等が発生する可能性があります。また、瑕疵による損害賠償請求等が発生した場合には、当社グループに影響を及ぼす可能性があります。
⑦事故
当社グループは、製造、施工を始めとした全ての領域において安全の確保および事故の未然防止に全力を傾けておりますが、仮に重大事故が発生した場合には、多額の費用に加えて社会的信用の失墜等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧自然災害
当社グループは、東京都、静岡県、兵庫県に工場があり、これらの地域を中心として大規模な自然災害が発生した場合には、生産活動の停止、配送の遅延等の影響により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財務状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業業績や雇用環境の改善などを背景に景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、海外経済は、米中貿易戦争をはじめ、欧州の政治情勢、地政学的リスクの不安感から先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループの事業分野であります建設業界におきましては、企業収益の改善等を背景に企業の設備投資が緩やかに増加し、底堅く推移していくことが見込まれる状況であります。
当社グループの主力事業でありますコンクリートパイル事業におきましても、全国需要は前連結会計年度に対して大きく増加いたしました。特に、当社の主力地区となる関東、および静岡・山梨においても需要は大きく増加し、当連結会計年度を通した事業環境につきましては、当社の想定を大きく上回り非常に良好な環境で推移いたしました。一方で、下半期より需要の減速が始まっており、生産量ベースでは当社の主力地区において減少に転じております。
また、第2の柱でありますコンクリートセグメント事業につきましては、大型プロジェクトの端境期に入り、事業環境が減速を余儀なくされております。
セグメント毎の経営成績は、次のとおりであります。
コンクリート二次製品事業の主力事業でありますコンクリートパイル部門につきましては、当社グループの主力地区となる関東、および静岡・山梨において需要が下半期より減少に転じているものの前連結会計年度と比べ大幅に増加したことに加え積極的な受注活動を行った結果、当連結会計年度の売上高は、7,711百万円(前連結会計年度比9.6%増)、営業利益は851百万円(前連結会計年度比11.9%増)となりました。
大型物件の端境期に入った当連結会計年度の売上高は、1,642百万円(前連結会計年度比39.1%減)、営業損失は2百万円(前連結会計年度は75百万円の営業利益)となりました。
非常に良好な事業環境の下で、施工の稼働率が高水準で推移し、また、工事が総じて順調に進捗した結果、当連結会計年度の売上高は、6,916百万円(前連結会計年度比11.4%増)、営業利益は957百万円(前連結会計年度比89.5%増)となりました。
当連結会計年度の売上高は193百万円(前連結会計年度比0.3%増)、営業利益は154百万円(前連結会計年度比3.2%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は16,464百万円(前連結会計年度比2.0%増)、営業利益は1,296百万円(前連結会計年度比71.5%増)、経常利益は1,249百万円(前連結会計年度比75.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は807百万円(前連結会計年度比70.2%増)となりました。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度に比べ4.0%減少して14,964百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末と比べて、7.3%減少し、6,878百万円となりました。これは主として受取手形及び売掛金の減少474百万円等によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末と比べて、1.0%減少し、8,085百万円となりました。これは、主として投資有価証券の減少56百万円、ソフトウエアの減少49百万円等によるものであります。
流動負債は、前連結会計年度末と比べて、12.2%減少し、7,182百万円となりました。これは、主として支払手形及び買掛金の減少679百万円、1年内返済予定の長期借入金の減少179百万円等によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末と比べて、0.9%減少し、4,382百万円となりました。これは、退職給付に係る負債の増加422百万円、役員退職慰労引当金の減少293百万円、長期借入金の減少183百万円等によるものであります。
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末と比べて、14.0%増加し、3,398百万円となりました。これは、主として利益剰余金の増加712百万円等によるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、2,127百万円(前連結会計年度比270百万円の増加)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,085百万円の増加(前連結会計年度比392百万円の増加)となりました。
収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益1,214百万円、減価償却費512百万円、売上債権の減少額651百万円であり、支出の主な内訳は、役員退職慰労引当金の減少額293百万円、仕入債務の減少額809百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、182百万円の減少(前連結会計年度比13百万円の増加)となりました。
これは、主に有形固定資産の取得による支出179百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、631百万円の減少(前連結会計年度比97百万円の減少)となりました。
これは、主に長期借入れによる収入2,100百万円、長期借入金の返済による支出2,462百万円によるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
債務償還年数:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
(注2)株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しています。
(注4)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 コンクリート二次製品事業、コンクリートセグメント事業については製造原価、工事事業については完成工事原価によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
※当連結会計年度においては、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討の内容は次のとおりであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。当社は、この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。なお、詳細につきましては「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりです。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)経営成績
(売上高)
当連結会計年度における売上高は16,464百万円(前年同期比2.0%増)となりました。
主な要因は、コンクリート二次製品事業及び工事事業において、旺盛な市場環境を背景に積極的な販売活動を行ったことによるものです。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益は、工事事業において工事が順調に進捗したことに加え、コスト削減が進んだこと等により利益率が上昇し、前連結会計年度比22.6%増の3,138百万円となりました。売上総利益率も同様に前連結会計年度の15.9%から当連結会計年度は19.1%に増加しております。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、1,842百万円と前連結会計年度に比べ38百万円増加しております。主な要因は、販売手数料の増加によるものであります。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は、1,296百万円(前連結会計年度比71.5%増)となりました。主な要因は、販売費及び一般管理費は増加したものの、売上総利益が上記理由で上回ったことによるものであります。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は、1,249百万円(前連結会計年度比75.4%増)となりました。営業外損益の内訳は、受取配当金7百万円を含む41百万円の営業外収益と、支払利息77百万円を含む89百万円の営業外費用との差引47百万円の費用計上となりました。
(特別損益)
当連結会計年度における特別利益は、固定資産売却益3百万円を含む3百万円、また特別損失は固定資産除却損37百万円を含む38百万円をそれぞれ計上しております。
平成31年2月期の連結業績予想(計画)との比較
(単位:百万円)
(b)財政状態
財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
(c)キャッシュ・フロー
財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、安定した収益と成長性を確保するための運転資金及び設備投資に必要な資金は、営業活動によるキャッシュ・フローを源泉としており、さらに借入債務も一定水準を維持し流動性を確保しております。なお、今後の設備投資計画として工事用冶具等を計画しており、自己資金及び借入金で賄う予定であります。
当連結会計年度において、経営上の重要な契約等はありません。
当社グループの研究開発は、コンクリート二次製品の製造販売を通じて、快適な生活基盤創りに貢献するために、当社グループ独自で、あるいは外部組織と共同体制を組んで推進しております。
主力のコンクリートパイルとその他コンクリート二次製品の研究開発及びそれらの周辺技術としての施工技術の研究開発に積極的に取り組んでおります。
当社グループの当連結会計年度における研究開発費の総額は、90百万円であります。
なお、各セグメント毎の研究開発費の区分は困難であるため、研究開発費は総額で記載しております。
当連結会計年度におけるセグメント毎研究開発活動の状況は、次のとおりであります。
(1)コンクリート二次製品事業
摩擦杭に用いている節杭(FKパイル)のコンクリート強度を高支持力杭相当に引き上げる開発を行い、一般財団法人日本建築センターの評定を取得しました。
また、前連結会計年度に引き続き大地震時を想定した際に、既製コンクリート杭の杭体に求められる性能を補強した杭体の開発に、取り組みました。
コンクリートパイル事業の周辺技術として、杭頭処理方法の開発を目的に、外部の開発グループとの協同開発に参画しております。
(2)コンクリートセグメント事業
コンクリートセグメントに組み込まれる部品として、大深度トンネル用セグメントに適用可能な高水圧対応型高止水逆止弁を開発し、当該大規模プロジェクトへの適用・製作販売を開始しております。
また、コンクリートセグメント製造部門では、品質向上、生産性向上に資するコンクリート技術について試行しております。
(3)工事事業
主力工法であります、Hyper-ストレート工法の適用範囲を広げる目的で、引抜き耐力評価式の許認可取得に取り組み、一般財団法人日本建築センターの評定を取得しました。
前連結会計年度に行ったMRXX工法の適用範囲を広げる取り組みを引き続き行って参ります。
また、ICT技術を活用した施工現場管理の厳格化や省力化にも引き続き取り組んで参ります。