第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

 (1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、経営理念である「顧客第一」「合理追求」「人倫遵守」を実践し、顧客満足を追求することを通じて社会の発展に貢献することを事業の目的としております。

また、売上高と利益の成長を志向し、経営資源の拡大を目指します。経営資源の拡大を通じて、お客様に提供可能な製品やサービスを拡充し、顧客満足を高めることで社会に貢献してまいります。

 

 (2) 目標とする経営指標

当社グループは、第5次中期経営計画(2016~2018年度)において「財務の安定性向上を最重要課題とし、自己資本比率の改善を目指す」とし、財務の安定性向上に取り組んでまいりました。内部留保による自己資本の増強等を通じて、自己資本比率は改善基調にありますが、第6次中期経営計画(2019~2021年度)も引き続き財務の安定性向上に取り組み長期的な目安として自己資本比率30%に向けて取り組んでまいります。

収益性指標につきましては、「自己資本利益率(ROE)」を重要指標と位置付け、長期的に8%以上を目標として収益性の向上に努めてまいります。

 

 (3) 経営環境

日本経済の概況につきましては、2019年度上半期は、米中貿易戦争の影響等により外需が弱いものの、内需は底堅く推移いたしました。しかし、2019年9月~11月期は、自然災害や消費税率の引き上げ等の影響を受けて、内需も大きく減少いたしました。2020年に入ると新型コロナウイルス感染症の影響が急速に大きくなり、内外経済は極めて深刻な打撃を受けている状況であります。

2020年度の経済環境につきましても、新型コロナウイルス感染症流行による影響が極めて大きく、かつ見通しがきかない状況となっております。国際的な非常時の状況であることを踏まえて、経済環境をはじめとした経営の外部環境の状況把握に全力を傾け、必要な対策を講じてまいります。

 

 (4) 中長期的な経営戦略及び対処すべき課題

当社グループは、中期経営計画の達成に向け、売上高と利益の成長を志向し、経営資源の拡大を目指します。経営資源の拡大を通じて、お客様に提供可能な製品やサービスを拡充し、顧客満足度を高めることで社会に貢献してまいります。

コンクリートパイル事業におきましては、2019年度は中期経営計画の成長戦略を実行させるための基盤整備をスタートさせた年となりました。2020年度は、前年度に始めた施策を着実に実行し、基盤整備を実行させる段階であると考えております。主たる取組は、以下のとおりであります。

 

  (バリューチェーン全体の品質保証体制を強化する取組)

  ①専門性の高い人材の育成及び採用

  ②ICT活用施策の継続的推進

 

  (経営資源を拡充する取組)

  ①営業部門の拡充を継続

  ②東京工場の基幹設備を改修

  ③スマートエネルギー事業の推進

 

バリューチェーン全体の品質保証体制を強化する取組におきましては、これまでに採用した人材の育成を重視し、専門性を高めてまいります。また、ICT活用につきましては、グループウェアの活用、簡易アプリの開発・活用、業務支援システムの開発・活用等の業務支援領域を柱として、デジタル化による業務の正確性及び効率性の改善を目指します。バリューチェーン全体の品質保証体制の強化は、当社の事業競争力に直結する戦略領域であると考えております。

経営資源を拡充する取組におきましては、前年度に引き続き営業部門の拡充を行います。新規商圏となる大阪営業所及び名古屋営業所に対する増員を予定しております。また、既存営業所に対する増員も継続して行います。東京工場におきましては、基幹設備の改修及びスマートエネルギー事業が始動していますが、2020年度は建設工事を確実に進めてまいります。

 

コンクリートセグメント事業におきましては、極めて厳しい需要環境に対応するため、低操業に応じた生産体制を組むなど徹底したコスト管理及び削減に努めました。経営の取組に関しましては、2019年度は基幹システムの刷新を行い、業務の正確性及び効率性の向上を図りました。また、コンクリートパイル事業において導入した現場改善制度を水平展開いたしました。改善の取組等は当社グループの全工場で共有し、工場の安全性及び効率性の向上に努めてまいります。

2020年度も当面は極めて厳しい需要環境が続くものと予想されるため、前年度に引き続き徹底したコスト管理及び削減に努めてまいります。下半期からは、需要の回復が見込まれると予想し、安全と品質の確保を徹底すると同時に、生産性の向上に努めてまいります。       

 

不動産賃貸事業におきましては、引き続き顧客企業が安心・安全な店舗運営が行えるよう、積極的な対話を通じて真摯に取り組んでまいります。

 

働き方改革に対する取り組みにおきましては、適切なワークライフバランスの実現に向け、不必要業務の撤廃、確認業務の省力化および残業等の申請のシステム化など、従業員に周知徹底することにより、主に長時間残業の抑止等による総労働時間の削減を通じて、従業員が安心・健康的に働ける職場環境を構築すべく取り組んでおります。

 

株主の皆様への取り組みにおきましては、株主還元策の一環として2019年度より2月末日現在に5単元(500株)以上を保有されている株主様を対象として株主優待制度を導入いたしました。優待の内容といたしましては、地元静岡県沼津市の情報発信と地域社会への貢献のため、静岡県沼津市近郊産の商品を発送させていただく予定であります。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があるリスクで、特に投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には次のようなものがあります。但し、これらのリスクは当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、予想を超える事態が発生する場合もあります。

また、以下のリスクは主なものであり、全てを網羅したものではありません。

 

販売環境・市場変化に係わるリスク

当社グループの主力事業でありますコンクリートパイル事業およびコンクリートセグメント事業は、各市場の動向に大きな影響を受けます。特に需要動向は、供給能力が短期的に大きく変動しない下で、需給ギャップ、および価格形成に対する重要な要因となっております。需要が当社想定を下回って推移した場合には、販売量、および販売価格の双方を通じて当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

原材料価格に係わるリスク

当社グループは、セメント、鋼材、LNG等の仕入れを行っておりますが、このような素材およびエネルギーは市場価格の影響を大きく受けます。当社グループは、市場価格に最新の注意を払い、仕入価格の低減に努めておりますが、市場価格の上昇が想定を上回る場合等において当社グループに影響を及ぼす可能性があります。

金利変動に係わるリスク

当社グループは、有利子負債の圧縮に取り組んでおりますが、当連結会計年度末における当社グループの有利子負債残高は5,692百万円であり、当社グループの想定を超えて金利が上昇した際には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

与信管理に係わるリスク

当社グループは、与信管理システムにより、貸倒れ発生の未然防止に努めておりますが、販売先の急激な経営状況の変化などによる貸倒れリスクを完全に排除することは不可能であり、多額の貸倒れが発生した場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

法令等に係わるリスク

当社グループは、建設業許可等を受けて営業活動を行っており、許認可等を受けるための諸条件および関係法令の遵守に努めております。しかし、仮に法令違反等により許認可が取り消しとなった場合には、事業運営に支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

品質に係わるリスク

当社グループは、製造、施工等において高い品質を確保するべく努めておりますが、予見できない理由により品質に瑕疵が生じた場合には、品質の悪化、工期の遅延等が発生する可能性があります。また、瑕疵による損害賠償請求等が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

安全に係わるリスク

当社グループは、製造、施工を始めとした全ての領域において安全の確保および事故の未然防止にグループを挙げた教育等に取り組んでおりますが、仮に重大事故が発生した場合には、多額の補償費用に加えて社会的信用の失墜等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

自然災害・感染症に係わるリスク

当社グループは、東京都、静岡県、兵庫県に工場があり、これらの地域を中心として大規模な自然災害や感染症が発生した場合には、生産・販売活動の停止、配送の遅延等の影響により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については当該会計基準等を遡って適用した後の前連結会計年度末の数値で比較しております。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況は次のとおりです。

 

 ①経営成績の状況

当連結会計年度の日本経済は、当社の期初想定どおり足踏み状態で推移してまいりました。しかし、2020年に入ると、新型コロナウイルス感染症の世界的流行が発生し、経済は極めて深刻な打撃を受けると共に、今後の展望につきましても全く見通しのきかない状況となっています。

当社グループの事業分野でありますコンクリートパイル事業におきましては、上半期は前年同期と比べて需要が大きく減少し、年度後半においても予定していた物件に遅れが生じるなど非常に厳しい状況でありました。

また、コンクリートセグメント事業につきましては、大型プロジェクトの端境期にあり、極めて厳しい状況が続いております。

不動産賃貸事業につきましては、安定した業績で推移しております。

 

セグメント毎の経営成績は、次のとおりであります。

 

(コンクリート二次製品事業)

コンクリート二次製品事業の主力事業でありますコンクリートパイル部門につきましては、第2四半期までの売上高の減少を補うべく取り組んでまいりましたが、今年度に着工・完了を予定していた複数の物件が翌連結会計年度にずれ込んだ結果、当連結会計年度の売上高は、6,104百万円(前連結会計年度比20.8%減)、営業利益は159百万円(前連結会計年度比81.3%減)となりました。

 

(コンクリートセグメント事業)

前連結会計年度以降、大型プロジェクトの端境期にあり、非常に厳しい事業環境が続いている結果、当連結会計年度の売上高は、1,484百万円(前連結会計年度比9.6%減)、営業利益は3百万円(前連結会計年度は2百万円の営業損失)となりました。

 

(工事事業)

品質保証体制の強化、経営資源の拡充および顧客ニーズに即した工法の開発に取り組んでまいりましたが、コンクリート二次製品事業と同様の理由により、売上高、利益とも低調に推移したことに加え、大型物件の完工が翌連結会計年度にずれ込んだ結果、当連結会計年度の売上高は、5,605百万円(前連結会計年度比19.0%減)、営業利益は547百万円(前連結会計年比42.8%減)となりました。

 

(不動産賃貸事業)

当連結会計年度の売上高は196百万円(前連結会計年度比1.1%増)、営業利益は129百万円(前連結会計年度比16.5%減)となりました。

 

以上の結果、当連結会計年度の売上高は13,390百万円(前連結会計年度比18.7%減)、営業利益は234百万円(前連結会計年度比81.9%減)、経常利益は217百万円(前連結会計年度比82.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は96百万円(前連結会計年度比88.1%減)となりました。

 

②財政状態の状況

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度に比べ283百万円(1.9%)減少して14,680百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末と比べて、668百万円(9.8%)減少し6,179百万円となりました。これは主として現金及び預金の減少415百万円、未成工事支出金の減少253百万円等によるものであります。固定資産は、前連結会計年度末と比べて、385百万円(4.7%)増加し、8,501百万円となりました。これは、主として建設仮勘定209百万円の増加、投資有価証券の増加48百万円等によるものであります。流動負債は、前連結会計年度末と比べて、33百万円(0.5%)減少し、7,149百万円となりました。これは、主として支払手形及び買掛金の減少76百万円、未払法人税等の減少142百万円等によるものであります。固定負債は、前連結会計年度末と比べて、261百万円(6.0%)減少し、4,120百万円となりました。これは、リース債務の増加91百万円、長期借入金の減少344百万円等によるものであります。当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末と比べて、11百万円(0.3%)増加し、3,410百万円となりました。これは、主として利益剰余金の減少31百万円、自己株式の減少19百万円、資本剰余金の増加29百万円等によるものであります。

この結果、自己資本比率は22.7%、1株あたり純資産額は2,576円80銭となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、856百万円の増加前連結会計年度比228百万円の減少)となりました。これは、減価償却費486百万円、売上債権の減少額284百万円、仕入債務の増加額238百万円等の資金の増加に対し、法人税等の支払額284百万円、利息の支払額65百万円等の資金の減少によるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは、615百万円の減少前連結会計年度比432百万円の減少)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出463百万円によるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、657百万円の減少前連結会計年度比25百万円の減少)となりました。これは、主に長期借入れによる収入1,900百万円、長期借入金の返済による支出2,303百万円によるものであります。

以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ415百万円の減少し、1,711百万円となりました。

 

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2016年2月

2017年2月

2018年2月

2019年2月

2020年2月

自己資本比率(%)

17.0

17.2

18.6

22.2

22.7

時価ベースの

自己資本比率(%)

11.0

14.5

22.4

 21.1

14.7

債務償還年数(年)

194.0

6.4

9.2

 5.5

6.6

インタレスト・

カバレッジ・レシオ(倍)

0.3

10.5

7.7

 14.0

13.1

 

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

債務償還年数:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。

(注2)株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。

(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しています。

(注4)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。

 

④生産、受注及び販売の状況

生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

コンクリート二次製品事業

4,417,593

△13.0

コンクリートセグメント事業

1,422,152

△9.7

工事事業

4,626,029

△16.2

合計

10,465,776

△14.0

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 コンクリート二次製品事業、コンクリートセグメント事業については製造原価、工事事業については完成工事原価によっております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

受注実績

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

コンクリート二次製品事業

5,823,386

△18.9

2,464,602

△10.3

コンクリートセグメント事業

1,386,696

△4.7

1,706,532

△5.4

工事事業

5,241,657

△24.9

2,275,017

△13.8

合計

12,451,741

△20.3

6,446,152

△10.3

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

コンクリート二次製品事業

6,104,882

△20.8

コンクリートセグメント事業

1,484,653

△9.6

工事事業

5,605,048

△19.0

不動産賃貸事業

196,095

+1.1

合計

13,390,680

△18.7

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び当該実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

鹿島建設㈱

1,934,181

14.4

JFE建材㈱

1,456,644

10.9

 

※前連結会計年度においては、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。

 

 ①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表作成に当たって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。見積りに関しては過去の実績などを慎重に検討したうえで行い、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性によって異なる場合があります。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4 会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。

 

 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 1)経営成績

   (売上高)

売上高は、コンクリート二次製品事業及び工事事業において、上半期は前年同期と比べ需要が大きく落ち込み、年度後半においても予定していた物件に遅れが生じるなど非常に厳しい状況で推移した結果、13,390百万円(前連結会計年度比18.7%の減少)となりました。

   (営業利益)

当連結会計年度の売上総利益は、上記売上高の減少に加え、稼働率の低下により原価率が上昇し、前連結会計年度比36.6%減の1,989百万円となりました。売上総利益率も同様に前連結会計年度の19.1%から当連結会計年度は14.9%に減少しております。

また、販売費及び一般管理費は、前連結会計年度の1,842百万円から86百万円減少し1,755百万円となりました。

以上の結果、営業利益は234百万円(前連結会計年度比81.9%の減少)となり、大幅な減少となりました。なお、営業利益率は1.7%で前連結会計年度比6.1ポイントの減少となりました。

   (経常利益)

経常利益は、売上高の減少に加え、売上総利益率の悪化もあり、217百万円(前連結会計年度比82.6%の減少)となりました。

   (親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益は、過去最高益を達成した昨年から大幅に減少し、96百万円(前連結会計年度比88.1%の減少)となりました。

 

   2020年2月期の連結業績予想(計画)との比較

                                           (単位:百万円)

 

2019年2月

(実績)

 2020年2月
(実績)

 2020年2月
(計画)

前年同期比

計画比

売上高

16,464

13,390

16,100

△18.7%

△16.8%

営業利益

1,296

234

800

△81.9%

△70.7%

経常利益

1,249

217

730

△82.6%

△70.1%

親会社株主に

帰属する

当期純利益

807

96

430

△88.1%

△77.6%

 

 

併せて、中期経営計画の目標値であるROE8%に対して、実績は2.9%、自己資本比率30%に対して、22.7%となりました。

 

(セグメント別の状況)

(コンクリート二次製品事業及び工事事業)

当社グループの主力事業でありますコンクリートパイル事業は、連結財務諸表のセグメント情報における「コンクリート二次製品事業」及び「工事事業」から構成されております。

当連結会計年度のコンクリートパイル事業の需要環境につきましては、多くの地域で前連結会計年度を下回る非常に厳しい環境となりました。特に、関東地方や中部・東海地方の需要の落ち込みが大きく、関東と静岡を主力商圏とする当社グループにとりましては極めて厳しい事業環境となりました。需要の減少は上半期に顕著であり、減収と稼働率の低下による収益性の悪化を下半期の回復だけでは取り戻すことができず、大幅な減収減益となりました。

コンクリートパイル事業の事業戦略につきましては、第6次中期経営計画に基づき、バリューチェーン全体の品質保証体制の強化及び経営資源の拡充を柱とした成長戦略を実行いたしました。

第6次中期経営計画の初年度となる当連結会計年度の主な取組は以下のとおりです。

 

(バリューチェーン全体の品質保証体制)

①工事部門の拡充

②ICTの活用

(経営資源の拡充:商圏の拡大)

①営業部門の拡充

②大阪営業所、名古屋営業所の設置

(経営資源の拡充:基幹となる経営資源の刷新)

①東京工場の基幹設備改修計画の立案

(経営資源の拡充:新規事業)

①東京工場における「瑞穂町地域スマートエネルギー事業」への参画

 

バリューチェーン全体の品質保証体制に関しましては、従前から進めてきた積極的な採用活動やICTの活用等が奏功し、業務効率の改善及び人手不足の緩和が進んでおります。ICTの活用に関しましては、施工管理装置の改良、グループウェアの活用、簡易アプリの開発・活用、業務支援システムの開発・活用など様々な領域で取り組んでおります。

経営資源の拡充に関しましては、東京工場における基幹設備の老朽化対応の改修を順次進める計画を立案しました。また、新規事業として、同工場内にスマートエネルギー事業を誘致・参画しました。基幹設備改修とスマートエネルギー事業を合わせた投資金額は、約20億円を予定しております。投資の目的は、当社の主力工場の競争力向上及び維持、二酸化炭素排出量を中心とした環境負荷の低減等を実現し、事業を持続的に成長させることにあります。

また、人的資源に関しましては、既述のとおり積極的な採用活動を通じて、安定的な増員を行うことができました。人手不足の問題は、量的水準という点では大幅に緩和されつつあります。今後は、人的資本の専門性を高めるための人材育成が、更に重要になると考えています。

以上の結果、コンクリート二次製品事業の売上高は、6,104百万円(前連結会計年度比20.8%減)、営業利益は159百万円(前連結会計年度比81.3%)となりました。また、工事事業の売上高は、5,605百万円(前連結会計年度比19.0%減)、営業利益は547百万円(前連結会計年度比42.8%減)となりました。

 

(コンクリートセグメント事業)

当社グループのコンクリートセグメント事業では、シールド工事で用いられるプレキャストコンクリート製のトンネル覆工部材を製造しており、受託製造に特化した事業であります。

コンクリートセグメント事業は、大型物件の端境期にあり、極めて厳しい需要環境となりました。需要の回復は、2020年度後半以降を見込んでおります。

コンクリートセグメント事業におきましては、極めて厳しい需要環境に対応するため、低操業に応じた生産体制を組むなど徹底したコスト管理及び削減に努めました。当連結会計年度は、基幹システムの刷新を行い、業務の正確性及び効率性の向上を図りました。また、コンクリートパイル事業において導入した現場改善制度を水平展開いたしました。改善の取組等は当社グループの全工場で共有し、工場の安全性及び効率性の向上に努めております。

以上の結果、コンクリートセグメント事業の売上高は、1,484百万円(前連結会計年度比9.6%減)、営業利益は3百万円(前連結会計年度は2百万円の営業損失)となりました。

 

(不動産賃貸事業)

不動産賃貸事業に関しましては、静岡県沼津市でのショッピングセンターの賃貸を主な事業としております。当連結会計年度は、安定した業績で推移しており、不動産賃貸事業の売上高は196百万円(前連結会計年度比1.1%増)、営業利益は、129百万円(前連結会計年度16.5%減)となりました。

 

2) 財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度に比べ283百万円(1.9%)減少して14,680百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末と比べ668百万円(9.8%)減少し、6,179百万円となりました。これは主として現金及び預金の減少415百万円、未成工事支出金の減少253百万円等によるものです。固定資産は、前連結会計年度末と比べて、385百万円(4.7%)増加し、8,501百万円となりました。これは、主として建設仮勘定209百万円の増加、投資有価証券の増加48百万円等によるものです。

流動負債は、前連結会計年度末と比べて、33百万円(0.5%)減少し、7,149百万円となりました。これは、主として支払手形及び買掛金の減少76百万円、未払法人税等の減少142百万円等によるものです。固定負債は、前連結会計年度末と比べて、261百万円(6.0%)減少し、4,120百万円となりました。これは、リース債務の増加91百万円、長期借入金の減少344百万円等によるものです。

当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末と比べて、11百万円(0.3%)増加し、3,410百万円となりました。これは、主として利益剰余金の減少31百万円、自己株式の減少19百万円、資本剰余金の増加29百万円等によるものです。

この結果、自己資本比率は22.7%、1株あたり純資産額は2,576円80銭となりました。

 

3) キャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、856百万円の増加(前連結会計年度比228百万円の減少)となりました。これは、減価償却費486百万円、売上債権の減少額284百万円、仕入債務の増加額238百万円等の資金の増加に対し、法人税等の支払額284百万円、利息の支払額65百万円等の資金の減少によるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは、615百万円の減少(前連結会計年度比432百万円の減少)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出463百万円による資金の減少によるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは、657百万円の減少(前連結会計年度比25百万円の減少)となりました。これは、主に長期借入れによる収入1,900百万円による資金の増加に対し、長期借入金の返済による支出2,303百万円による資金の減少によるものです。

以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ415百万円の減少し、1,711百万円となりました。

 

4)当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの経営成績に需要な影響を与える要因としましては、原材料調達や価格の動向、市場動向、国内の法令や政治・経済動向等があります。

資材調達につきましては、重要な供給元とは関係強化を図るとともに、汎用品に関しては複数の調達先を起用することと、生産と販売のバランスの調整を含めた安定的な調達を進めております。

品質確保につきましては、品質強化委員会を中心とし、製造工程での不良品の発生状況や施工上の不具合などを分析し、ケーススタディなどによって解決策を提示し、各部門との連携・情報共有を図ることで対応を行っております。

市場の変化に対しましては、営業部門が設計事務所・ゼネコン・販売会社などの顧客と緊密な関係を構築し、お客様のニーズを的確にとらえた提案営業が実践できるよう取り組んでおります。

国内の法令や政治・経済動向等につきましては、取締役会を中心とし、情報を入手するとともに、社外の専門家と連携・情報共有を図ることで対応を行っております。

なお、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える主要なリスクにつきましては、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

5)資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資金需要のうち主なものは、新規製品・工法開発等にかかる研究開発費や、老朽化した設備の維持更新、各種工法用治具のラインナップの拡充に係る投資であります。また、現在、東京工場のリニューアル工事とスマートエネルギー事業参画への投資約20億円などを計画しております。これらを営業キャッシュ・フローを源泉とした自己資金と金融機関からの借入金により調達する予定であります。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響を考慮し、緊急時における安定的な資金調達の体制を構築するため、取引金融機関との間でコミットメントライン契約(バイラテラル方式)を締結する予定であります。

なお、当連結会計年度末における長・短期借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は、5,692百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,711百万円であり、流動性の確保は重要な経営課題であります。

 

6)目標とする経営指標の達成状況等

当社グループは、2019年度から2021年度にかけて第6次中期経営計画を策定し、初年度である当連結会計年度は、コンクリートパイル事業では「バリューチェーン全体の品質保証体制の強化」「経営資源の拡充」を計画いたしました。また、コンクリートセグメント事業では、大型物件の端境期にあり極めて厳しい事業環境からのスタートとの認識で低操業に応じた生産体制を組み、徹底したコスト管理から取り組みました。

コンクリートパイル事業におきましては、当初計画通り「バリューチェーン全体の品質保証体制の強化」への取り組みとして

①専門性の高い人材の育成及び採用

②ICT活用施策の継続的推進

「経営資源の拡充」への取り組みとして、

①営業部門の拡充を継続

②東京工場の基幹設備の改修計画立案

③スマートエネルギー事業の推進

を中心に実行してまいりました。取組自体は、計画通りの進捗を見せておりますが、市場の需要動向の変動が当初見込みより厳しく、単年度の経営成績は数値目標が未達に終わりました。具体的な目標である中長期的にROE8%に対して、実績2.9%、自己資本比率30%に対して22.7%でありました。

2020年度に関しましても、当初計画に織り込んでいなかった「新型コロナウイルス感染拡大」による工事の一時停止、延期等が散見され業績に大きな影響を与えることが必至な状況にあります。経済環境の見通しがほぼきかない状況下で、状況把握に全力を傾け、必要な対策を講じてまいります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、経営上の重要な契約等はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社グループの研究開発は、コンクリート二次製品の製造販売を通じて、快適な生活基盤創りに貢献するために、当社グループ独自で、あるいは外部組織と共同体制を組んで推進しております。

主力のコンクリートパイルとその他コンクリート二次製品の研究開発及びそれらの周辺技術としての施工技術の研究開発に積極的に取り組んでおります。

当社グループの当連結会計年度における研究開発費の総額は、81百万円であります。

なお、各セグメント毎の研究開発費の区分は困難であるため、研究開発費は総額で記載しております。

当連結会計年度におけるセグメント毎研究開発活動の状況は、次のとおりであります。

 

(1)コンクリート二次製品事業

前連結会計年度に引き続き大地震時を想定した際に、既製コンクリート杭の杭体に求められる性能(変形性能,軸力保持性能,耐力)を補強した杭体(HIT-WSC杭)の開発に取り組み、(一財)日本建築センターの評定を取得しました。

コンクリートパイル事業の周辺技術として、機械式継手工法の引抜き有効耐力を現状より大きく変更するために、外部の開発グループとの協同開発により、仕様検討及び実験検証を進めています。

また、杭頭処理方法の開発を目的に、外部の開発グループとの協同開発にも参画しております。

 

(2)コンクリートセグメント事業

コンクリートセグメントに組み込まれる部品として、大深度トンネル用セグメントに適用可能な高水圧対応型高止水逆止弁を開発し、当該大規模プロジェクトへの適用・製作販売しております。

また、コンクリートセグメント製造部門では、品質向上、生産性向上に資するコンクリート技術について試行しております。

 

(3)工事事業

主力工法であります、MRXX工法の適用範囲を広げる取り組みで、地盤の適用N値範囲の緩和及び先端支持力係数を一部増加した(一財)日本建築センターの性能評価を取得し、更に国土交通大臣認定を取得しました。

また、ICT技術を活用した施工現場管理の厳格化や省力化にも引き続き取り組んで参ります。