文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、経営理念である「顧客第一」「合理追求」「人倫遵守」を実践し、顧客満足を追求することを通じて社会の発展に貢献することを事業の目的としております。
また、売上高と利益の成長を志向し、経営資源の拡大を目指します。経営資源の拡大を通じて、お客様に提供可能な製品やサービスを拡充し、顧客満足を高めることで社会に貢献してまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、第6次中期経営計画(2019~2021年度)において「財務の安定性向上を最重要課題とし、自己資本比率の改善を目指す」とし、財務の安定性向上に取り組んでまいりました。内部留保による自己資本の増強等を通じて、自己資本比率は改善基調にありますが、第7次中期経営計画(2022~2024年度)も引き続き財務の安定性向上に取り組み長期的な目安として自己資本比率30%に向けて取り組んでまいります。
収益性指標につきましては、「自己資本利益率(ROE)」を重要指標と位置付け、長期的に8%以上を目標として収益性の向上に努めてまいります。
(3) 経営環境
日本経済の概況につきましては、2021年度は基本的に回復基調を維持して推移いたしました。ただし、新型コロナウイルス感染症の3回にわたる流行再拡大を受けて、社会・経済活動が制限されることなどにより、個人消費を中心として振幅の大きな動きとなりました。また、世界的なインフレの進行により、新型コロナウイルス感染症対策によって繰り越された需要が顕在化する一方、半導体不足や人手不足などにより、需要にこたえることができず物価が上昇しております。エネルギーおよび素材価格についても、極めて強い上昇基調が昨年より続いております。我が国の企業物価指数の伸び率は、40年ぶりの高水準を記録しており、当社グループにおきましても原材料価格の高騰は、極めて強い収益の押し下げ要因となっております。
当社グループの事業分野であります建設業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響で物件の遅延も発生いたしましたが、現時点での影響は限定的な状況であります。
2022年度の見通しにつきましては、基本的に回復基調を維持するものと想定しておりますが、ロシアのウクライナ侵攻による世界経済、エネルギー価格、素材価格、食料価格等への影響が懸念されると同時に、新型コロナウイルスの新たな変異株登場の可能性も低くないことから、見通しについては極めて不確実性の高い状況が続くものと想定しております。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、中期経営計画の達成に向け、売上高と利益の成長を志向し、経営資源の拡大を目指します。経営資源の拡大を通じて、お客様に提供可能な製品やサービスを拡充し、顧客満足度を高めることで社会に貢献してまいります。
各事業ごとの2021年度の主たる取組並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は、以下のとおりであります。
コンクリートパイル事業におきましては、第6次中期経営計画に基づき、バリューチェーン全体の品質保証体制の強化は、事業競争力向上に資するという認識の下に、各部門における品質保証体制の充実を図りました。
(バリューチェーン全体の品質保証体制を強化する取組)
①施工部門の拡充(増員、施工管理装置の更新など)
②人材育成の強化(研修会の開催、専門資格取得省令など)
③製造部門における保守部門の拡充(専門家による指導など)
バリューチェーン全体の品質保証体制を強化する取組におきましては、顧客ニーズが高度化する中で、引き続き当社の事業競争力において極めて重要な領域と考えております。施工部門の増員および施工管理装置の更新などにより、よりきめ細やかな施工品質の確保を強化いたしました。人材育成に関して、資格取得の奨励や社内勉強会の充実などを行っております。国家資格を含め、資格保有者は着実に増加しております。採用につきましては、インターンの実施や志願者の希望に応じた説明会の随時開催など、きめの細かい対応を行っております。また、当社ウェブサイトを2020年8月に刷新し、事業内容や当社の魅力について積極的に発信してまいりました。製造部門における保守部門の拡充につきましては、専門家による指導を通じて5Sの徹底を行ったうえで製品品質の確保に取組んでまいりました。
(経営資源を拡充する取組)
①東京工場の基幹設備を改修
②スマートエネルギー事業の推進
③新商品開発
製造部門における投資といたしましては、コンクリートパイル製造の主力工場である東京工場において、基幹設備の刷新を行いました。これにより、さらに安定した製品供給体制を確保すると同時に、製造効率も改善しております。同じく東京工場に昨年度誘致した「瑞穂町地域スマートエネルギー株式会社」が稼働しており、省エネルギー化を通じた二酸化炭素排出量の削減と光熱費用の削減を実現すると同時に、災害にも強いエネルギー供給設備として地域防災にも貢献しております。
コンクリートパイル事業の新商品開発におきましては、品質や経済性に優れた商品の開発および改良が極めて重要であると認識しております。当期の取組といたしましては、主力工法のひとつであります「MRXX工法」の適用領域を拡大する改良、耐震性が高く経済性に優れた杭であるPHC杭において、新製品「HIT-TSPRCパイル」および「HIT-TSPRC-STパイル」を開発いたしました。
2021年度は、第6次中期経営計画の最終年度に当たりました。第6次中期経営計画につきましては、主要な取り組みの着手は完了いたしました。2022年度は、「Reform(改革)」と「Restart戦略(再始動)」をコンセプトにした第7次中期経営計画「TAFCO・RR計画」がスタートいたします。これまでの取組の継続に加え、収益力の早期回復や業容の拡大に伴って新たに顕在化した戦略的な課題に対処してまいります。
コンクリートセグメント事業におきましては、大型物件の端境期が明け、当事業年度期首より大型物件の製造が開始されました。事業環境の大変厳しい中での受注案件であり、採算確保のための徹底的なコスト管理が必要でありますが、製造受託会社として顧客の要求する品質を満たすよう、「安全が第一」をスローガンに製造に取組んでまいります。
不動産賃貸事業におきましては、引き続き顧客企業が安心・安全な店舗運営が行えるよう、積極的な対話を通じて真摯に取組んでまいります。
働き方改革に対する取組におきましては、適切なワークライフバランスの実現に向け、不必要業務の撤廃、確認業務の省力化および残業等の申請のシステム化など、従業員に周知徹底することにより、主に長時間残業の抑止等による総労働時間の削減を通じて、従業員が安心・健康的に働ける職場環境を構築すべく取組んでおります。
株主の皆様への取り組みにおきましては、株主還元策の一環として2019年度より2月末日現在に5単元(500株)以上を保有されている株主様を対象として株主優待制度を導入いたしました。優待の内容といたしましては、地元静岡県沼津市の情報発信と地域社会への貢献のため、静岡県沼津市近郊産の商品を発送させていただく予定であります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。但し、これらのリスクは当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、予想を超える事態が発生する場合もあります。
また、以下のリスクは主なものであり、全てを網羅したものではありません。
①販売環境・市場変化に係わるリスク
当社グループの主力事業でありますコンクリートパイル事業およびコンクリートセグメント事業は、各市場の動向に大きな影響を受けます。需要動向の変化に対応できる生産体制の構築に努めておりますが、需要が当社想定を下回って推移した場合には、販売量および販売価格の双方を通じて当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
②原材料価格に係わるリスク
当社グループは、主要原材料としてセメント、鋼材、LNG等の仕入れを行っておりますが、このような素材およびエネルギーは市場価格の影響により大きく変動いたします。当社グループは、市場価格の変動に細心の注意を払い、仕入業者との対話などを通じて仕入れ価格の低減に日々努めておりますが、当社の影響が及ばない市場価格の上昇が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③金利変動に係わるリスク
当社グループは、有利子負債の圧縮に取り組んでおりますが、当連結会計年度末における当社グループの有利子負債残高は6,514百万円であり、加えて東京工場のリニューアル工事についても金融機関からの借入金を主な資金調達方法として実施しております。元金の返済については、金融機関との話し合いにより着実な返済計画を立てておりますが、市場金利が大きく変動し当社の想定を超えて高騰した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④与信管理に係わるリスク
当社グループは、与信会議を中心とした与信管理システムにより、貸倒れの発生を未然に防止するように努めておりますが、販売先の急激な経営状況の悪化などによる貸倒れリスクを完全に排除することは困難であり、貸倒れが発生した場合には、債権額の大きさによっては当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
⑤法令等に係わるリスク
当社グループは、建設業許可等を受けて営業活動を行っており、許認可等を受けるための諸条件および関係法令の遵守に努めております。しかし、仮に法令違反等により許認可が取り消しとなった場合には、事業運営に支障をきたし、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
⑥品質に係わるリスク
当社グループは、製造・施工・営業部門によって組織された品質管理委員会において、製造、施工等の問題点を話し合い、トラブルを未然に防ぎ高品質を確保するべく努めております。しかし、ヒューマンエラーや予見できない理由により品質に瑕疵が生じた場合には、顧客が要求する品質を満たせず、工期の遅延等が発生する可能性があります。また、瑕疵による損害賠償請求等が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦安全に係わるリスク
当社グループは、製造、施工を始めとした全ての領域において安全の確保および事故の未然防止にグループを挙げた社内研修やOJT教育等に取り組んでおりますが、仮に重大事故が発生した場合には、多額の補償費用に加えて社会的信用の失墜等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧自然災害・感染症に係わるリスク
当社グループは、東京都、静岡県、兵庫県に工場があり、これらの地域を中心として大規模な自然災害や感染症が発生した場合には、生産・販売活動の停止、配送の遅延等の影響により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症への対応につきましては、状況把握及び感染防止に向けた対応のほか、時差出勤やテレワーク等の事業を継続するための仕組みの整備を行っております。2021年度において新型コロナウイルス感染症は業績に重要な影響を与えませんでしたが、今後も新型コロナウイルス感染症の収束状況及び当社グループの事業環境を注視し、計画の変更が必要と判断した場合には、速やかに公表いたします。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当連結会計年度(2021年3月1日から2022年2月28日まで)のわが国経済は、基本的に回復基調を維持して推移いたしましたが、新型コロナウイルス感染症の3回にわたる流行再拡大を受けて、社会・経済活動が制限されることなどにより、個人消費を中心として振幅の大きな動きとなりました。また、海外経済においては、新型コロナウイルス感染症対策によって繰り越された需要が顕在化する一方、半導体不足や人手不足などにより需要にこたえられず物価が上昇しております。わが国の企業物価指数の伸び率が40年ぶりの高水準を記録するなど、原材料価格の高騰が極めて強い利益の押し下げ要因として懸念されます。
当社グループの事業分野であります建設業界におきましては、建設需要は持ち直し基調を維持しているものの、受注競争の緩和にまでつながっていないものと推察され、需要の回復による景況感まで波及してくるまでは、まだ時間を要するものと見込んでおります。
当社グループの主力事業でありますコンクリートパイル事業におきましては、全国需要は前年度に対してほぼ横ばい圏内、当社の主力商圏であります関東および静岡につきましては前年度を上回る水準で推移いたしました。
コンクリートセグメント事業につきましては、当連結会計年度の初めより大型物件の製造を開始し、計画通り進捗しておりますが、全国的に需要が減退するなか、採算性が非常に厳しい状況が続いております。
不動産賃貸事業につきましては、静岡県沼津市で賃貸しているショッピングセンターが、7月の記録的な大雨に見舞われましたが、ショッピングセンターの迅速な対応により事業上の被害は軽微であり、以降、安定した収益で推移しております。
セグメント毎の経営成績は、次のとおりであります。
コンクリート二次製品事業の主力事業でありますコンクリートパイル部門につきましては、当社の主力商圏である関東および静岡は、前年度を上回る水準で推移いたしました。このような状況において、当社は積極的な営業活動を展開し多くの受注を確保しておりますが、当初想定よりも市況品等の原材料価格が高騰したことや、超繁忙期に対応するための人件費・製造経費等が大幅に増加した結果、当連結会計年度の売上高は8,549百万円(前連結会計年度比7.8%増)、営業利益は233百万円(前連結会計年度比24.8%減)となりました。
当連結会計年度の初めより大型物件の製造を開始し、計画通りに進捗しておりますが、全国的に需要が減退するし、採算性が非常に厳しい状況が続いているなか、コスト構造の徹底的な見直しを行い、収益の確保に努めた結果、当連結会計年度の売上高は1,920百万円(前連結会計年度比23.9%増)、営業損失は0百万円(前連結会計年度は2百万円の損失)となりました。
コンクリート二次製品事業と同様に、多くの受注を確保いたしましたが、年度後半に仕事が集中したことにより人件費を中心に工事原価が大幅に増加したものの、施工の効率化が図れた結果、当連結会計年度の売上高は7,095百万円(前連結会計年度比5.2%増)、営業利益は491百万円(前連結会計年度比3.9%増)となりました。
当連結会計年度の売上高は194百万円(前連結会計年度比0.5%増)、営業利益は132百万円(前連結会計年度比4.0%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は17,760百万円(前連結会計年度比8.1%増)、営業利益は142百万円(前連結会計年度比53.4%減)、経常利益は178百万円(前連結会計年度比39.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は114百万円(前連結会計年度比28.5%減)となりました。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度に比べ751百万円(4.5%)増加して17,628百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末と比べて、872百万円(11.4%)増加し、8,527百万円となりました。これは主として受取手形及び売掛金の増加318百万円、電子記録債権の増加515百万円、商品及び製品の増加331百万円等によるものであります。固定資産は、前連結会計年度末と比べて、121百万円(1.3%)減少し、9,100百万円となりました。これは、主として建物及び構築物(純額)500百万円の増加、建設仮勘定695百万円の減少等によるものであります。流動負債は、前連結会計年度末と比べて、21百万円(0.2%)減少し、9,437百万円となりました。これは、主として電子記録債務の増加494百万円、短期借入金の減少486百万円等によるものであります。固定負債は、前連結会計年度末と比べて、501百万円(12.7%)増加し、4,436百万円となりました。これは、長期借入金の増加912百万円、退職給付に係る負債の減少309百万円、リース債務の減少102百万円によるものであります。当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末と比べて、270百万円(7.8%)増加し、3,755百万円となりました。これは、主として利益剰余金の増加49百万円、退職給付に係る調整累計額の増加222百万円によるものであります。
この結果、自己資本比率は20.9%、1株当たり純資産額は2,842円61銭となりました。
③キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、96百万円の増加(前連結会計年度比1,670百万円の減少)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益207百万円、減価償却費619百万円、仕入債務の増加額723百万円であり、支出の主な内訳は、売上債権の増加額828百万円、たな卸資産の増加額392百万円であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、834百万円の減少(前連結会計年度比303百万円の増加)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出935百万円によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、238百万円の増加(前連結会計年度比1百万円の減少)となりました。これは、主に長期借入れによる収入3,180百万円、短期借入金の純減額486百万円、長期借入金の返済による支出2,229百万円によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ498百万円減少し、2,081百万円となりました。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
債務償還年数:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
(注2)株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しています。
(注4)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 コンクリート二次製品事業、コンクリートセグメント事業については製造原価、工事事業については完成工事原価によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
※前連結会計年度においては、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表作成に当たって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。見積りに関しては過去の実績などを慎重に検討したうえで行い、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性によって異なる場合があります。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4 会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析・検討内容
1)経営成績
(売上高)
売上高は、コンクリート二次製品事業及び工事事業において、全国需要は前連結会計年度に対してほぼ横ばい圏内でありましたが、当社の主力商圏であります関東および静岡につきましては、前連結会計年度を上回る水準で推移した結果、17,760百万円(前連結会計年度比8.1%の増加)となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の売上総利益は、上記売上高の増加があったものの原材料価格の高騰、人件費を中心とした工事原価の大幅な増加および積極的な研究開発費の支出などにより、前連結会計年度比0.2%減の2,143百万円となりました。売上総利益率は、コンクリート二次製品事業及び工事事業において主に上記の要因により、前連結会計年度の13.1%から当連結会計年度は12.1%に減少しております。
また、販売費及び一般管理費は、前連結会計年度の1,843百万円から157百万円増加し2,001百万円となりました。
以上の結果、営業利益は142百万円(前連結会計年度比53.4%の減少)となりました。なお、売上高営業利益率は0.8%で前連結会計年度比1.1ポイントの減少となりました。
(経常利益)
経常利益は、主に上記の要因により、178百万円(前連結会計年度比39.6%の減少)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産売却益41百万円および投資有価証券売却益18百万円などがありましたが、主に上記の要因により、114百万円(前連結会計年度比28.5%の減少)となりました。
2022年2月期の連結業績予想(計画)との比較
(単位:百万円)
併せて、中期経営計画の目標値であるROE8%に対して、実績は3.2%、自己資本比率30%に対して、20.9%となりました。
(セグメント別の状況)
(コンクリート二次製品事業及び工事事業)
当社グループの主力事業でありますコンクリートパイル事業は、連結財務諸表のセグメント情報における「コンクリート二次製品事業」及び「工事事業」から構成されております。
当連結会計年度のコンクリートパイル事業の全国需要につきましては、前年度に対して横ばい圏内となりました。一方で、当社の主力商圏である関東および静岡の需要は、ともに前年度を上回りました。当社の売上高は、主力商圏の需要環境好転に支えられるとともに、営業部門拡充の効果等もあり、前年度に対して増収となりました。しかしながら、全国的には大変厳しい需要環境の中で価格競争が激化したことに加え、下期については原材料価格の高騰、物件集中による原価率の悪化などの収益下押し要因により、収益性という点では厳しい結果となりました。
コンクリートパイル事業の事業戦略につきましては、第6次中期経営計画に基づき、バリューチェーン全体の品質保証体制の強化及び経営資源の拡充を柱とした成長戦略を実行いたしました。2021年度の主な取組は以下のとおりです。
(バリューチェーン全体の品質保証体制を強化する取組)
①施工部門の拡充(増員、施工管理装置の更新など)
②人材育成の強化(研修会の開催、専門資格取得省令など)
③製造部門における保守部門の拡充(専門家による指導など)
バリューチェーン全体の品質保証体制を強化する取組におきましては、顧客ニーズが高度化する中で、引き続き当社の事業競争力において極めて重要な領域と考えております。施工部門の増員および施工管理装置の更新などにより、よりきめ細やかな施工品質の確保を強化いたしました。人材育成に関して、資格取得の奨励や社内勉強会の充実などを行っております。国家資格を含め、資格保有者は着実に増加しております。採用につきましては、インターンの実施や志願者の希望に応じた説明会の随時開催など、きめの細かい対応を行っております。また、当社ウェブサイトを2020年8月に刷新し、事業内容や当社の魅力について積極的に発信してまいりました。製造部門における保守部門の拡充につきましては、専門家による指導を通じて5Sの徹底を行ったうえで製品品質の確保に取組んでまいりました。
(経営資源を拡充する取組)
①東京工場の基幹設備を改修
②スマートエネルギー事業の推進
③新商品開発
製造部門における投資といたしましては、コンクリートパイル製造の主力工場である東京工場において、基幹設備の刷新を行いました。これにより、さらに安定した製品供給体制を確保すると同時に、製造効率も改善しております。同じく東京工場に昨年度誘致した「瑞穂町地域スマートエネルギー株式会社」が稼働しており、省エネルギー化を通じた二酸化炭素排出量の削減と光熱費用の削減を実現すると同時に、災害にも強いエネルギー供給設備として地域防災にも貢献しております。
コンクリートパイル事業の新商品開発におきましては、品質や経済性に優れた商品の開発および改良が極めて重要であると認識しております。当期の取組といたしましては、主力工法のひとつであります「MRXX工法」の適用領域を拡大する改良、耐震性が高く経済性に優れた杭であるPHC杭において、新製品「HIT-TSPRCパイル」および「HIT-TSPRC-STパイル」を開発いたしました。
2021年度は、第6次中期経営計画の最終年度に当たりました。第6次中期経営計画につきましては、主要な取り組みの着手は完了いたしました。2022年度は、「Reform(改革)」と「Restart戦略(再始動)」をコンセプトにした第7次中期経営計画「TAFCO・RR計画」がスタートいたします。これまでの取組の継続に加え、収益力の早期回復や業容の拡大に伴って新たに顕在化した戦略的な課題に対処してまいります。
以上の結果、コンクリート二次製品事業の売上高は、8,549百万円(前連結会計年度比7.8%増)、営業利益は233百万円(前連結会計年度比24.8%減)となりました。また、工事事業の売上高は、7,095百万円(前連結会計年度比5.2%増)、営業利益は491百万円(前連結会計年度比3.9%増)となりました。
(コンクリートセグメント事業)
当社グループのコンクリートセグメント事業では、シールド工事で用いられるプレキャストコンクリート製のトンネル覆工部材を製造しており、受託製造に特化した事業であります。
コンクリートセグメント事業は、大型物件の端境期が明け、当連結会計年度期首より大型物件の製造が開始されました。事業環境の大変厳しい中での受注案件であり、採算確保のための徹底的なコスト管理が必要でありますが、製造受託会社として顧客の要求する品質を満たすよう、「安全が第一」をスローガンに製造に取組んでまいります。 以上の結果、コンクリートセグメント事業の売上高は、1,920百万円(前連結会計年度比23.9%増)、営業損失は0百万円(前連結会計年度は2百万円の損失)となりました。
(不動産賃貸事業)
不動産賃貸事業に関しましては、静岡県沼津市でのショッピングセンターの賃貸を主な事業としております。当連結会計年度は、賃貸しているショッピングセンターが、7月の記録的な大雨に見舞われましたが、ショッピングセンターの迅速な対応により事業上の被害は軽微であり、以降、安定した業績で推移しており、不動産賃貸事業の売上高は194百万円(前連結会計年度比0.5%増)、営業利益は、132百万円(前連結会計年度比4.0%減)となりました。
2) 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度に比べ751百万円(4.5%)増加して17,628百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末と比べて、872百万円(11.4%)増加し、8,527百万円となりました。これは主として受取手形及び売掛金の増加318百万円、電子記録債権の増加515百万円、商品及び製品の増加331百万円等によるものであります。固定資産は、前連結会計年度末と比べて、121百万円(1.3%)減少し、9,100百万円となりました。これは、主として建物及び構築物(純額)500百万円の増加、建設仮勘定695百万円の減少等によるものであります。流動負債は、前連結会計年度末と比べて、21百万円(0.2%)減少し、9,437百万円となりました。これは、主として電子記録債務の増加494百万円、短期借入金の減少486百万円等によるものであります。固定負債は、前連結会計年度末と比べて、501百万円(12.7%)増加し、4,436百万円となりました。これは、長期借入金の増加912百万円、退職給付に係る負債の減少309百万円、リース債務の減少102百万円によるものであります。当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末と比べて、270百万円(7.8%)増加し、3,755百万円となりました。これは、主として利益剰余金の増加49百万円、退職給付に係る調整累計額の増加222百万円によるものであります。
この結果、自己資本比率は20.9%、1株あたり純資産額は2,842円61銭となりました。
3) キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、96百万円の増加(前連結会計年度比1,670百万円の減少)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益207百万円、減価償却費619百万円、仕入債務の増加額723百万円であり、支出の主な内訳は、売上債権の増加額828百万円、たな卸資産の増加額392百万円であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、834百万円の減少(前連結会計年度比303百万円の増加)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出935百万円によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、238百万円の増加(前連結会計年度比1百万円の減少)となりました。これは、主に長期借入れによる収入3,180百万円、短期借入金の純減額486百万円、長期借入金の返済による支出2,229百万円によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ498百万円減少し、2,081百万円となりました。
4)当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としましては、原材料調達や価格の動向、市場動向、国内の法令や政治・経済動向等があります。
資材調達につきましては、重要な供給元とは関係強化を図るとともに、汎用品に関しては複数の調達先を起用することと、生産と販売のバランスの調整を含めた安定的な調達を進めております。
品質確保につきましては、品質強化委員会を中心とし、製造工程での不良品の発生状況や施工上の不具合などを分析し、ケーススタディなどによって解決策を提示し、各部門との連携・情報共有を図ることで対応を行っております。
市場の変化に対しましては、営業部門が設計事務所・ゼネコン・販売会社などの顧客と緊密な関係を構築し、お客様のニーズを的確にとらえた提案営業が実践できるよう取り組んでおります。
国内の法令や政治・経済動向等につきましては、取締役会を中心とし、情報を入手するとともに、社外の専門家と連携・情報共有を図ることで対応を行っております。
また、当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症による業績への影響は軽微でありましたが、引続き感染対策を継続し、従業員及び関係者の安全確保に取り組んでまいります。
なお、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える主要なリスクにつきましては、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
5)資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要のうち主なものは、新規製品・工法開発等にかかる研究開発費や、老朽化した設備の維持更新、各種工法用治具のラインナップの拡充に係る投資であります。また、現在、東京工場のリニューアル工事とスマートエネルギー事業参画への投資約24億円などを計画・実行中であります。営業キャッシュ・フローを源泉とした自己資金と金融機関からの借入金により調達する計画であり、東京工場関係では当連結会計年度において300百万円を短期借入金(累計では長期・短期合わせて約13億円)で調達しております。
なお、当連結会計年度末における長・短期借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は、6,514百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,081百万円であり、流動性の確保は重要な経営課題であります。
6)目標とする経営指標の達成状況等
当社グループは、2019年度から2021年度にかけて第6次中期経営計画を策定し、最終年度にあたる当連結会計年度は、コンクリートパイル事業では「バリューチェーン全体の品質保証体制の強化」「経営資源の拡充」を計画いたしました。また、コンクリートセグメント事業では、大型物件の製造を開始し、全国的に需要が減退する厳しい状況のなか、コスト構造の徹底的な見直しを行い、収益の確保に努めました。
コンクリートパイル事業におきましては、当初計画通り「バリューチェーン全体の品質保証体制の強化」への取り組みとして
①施工部門の拡充(増員、施工管理装置の更新など)
②人材育成の強化(研修会の開催、専門資格取得省令など)
③製造部門における保守部門の拡充(専門家による指導など)
「経営資源の拡充」への取り組みとして、
①東京工場の基幹設備の改修を実行
②スマートエネルギー事業の推進(継続)
③新商品開発
を中心に実行してまいりました。取組自体は、計画通りの進捗を見せておりますが、市場の需要動向の変動が当初見込みより厳しく、単年度の経営成績は数値目標が未達に終わりました。具体的な目標である中長期的なROE8%に対して、実績3.2%、自己資本比率30%に対して20.9%でありました。
2022年度に関しましても、当初計画に織り込んでいなかった「新型コロナウイルス感染症」が業績に影響を与える可能性があります。感染予防に必要な対策を継続し、安全確保に全力を傾けた上で目標達成に向け取り組んでまいります。
当連結会計年度において、経営上の重要な契約等はありません。
当社グループの研究開発は、コンクリート二次製品の製造販売を通じて、快適な生活基盤創りに貢献するために、当社グループ独自で、あるいは外部組織と共同体制を組んで推進しております。
主力のコンクリートパイルとその他コンクリート二次製品の研究開発及びそれらの周辺技術としての施工技術の研究開発に積極的に取り組んでおります。
当社グループの当連結会計年度における研究開発費の総額は、
なお、各セグメント毎の研究開発費の区分は困難であるため、研究開発費は総額で記載しております。
当連結会計年度におけるセグメント毎の研究開発活動の状況は、次のとおりであります。
(1)コンクリート二次製品事業
前連結会計年度に引き続き、地震時における既製コンクリート杭に要求されるせん断耐力や軸耐力を補強した杭体(HIT-TSPRCパイル、HIT-TSPRC-STパイル)の開発に取組み、日本建築センターの評定を取得しました。
また、コンクリート強度を高めた、コンクリートパイル製品の開発および安定的な品質と生産を可能とするための模索と実験的検証を継続的に行っております。
(2)コンクリートセグメント事業
コンクリートセグメントに組み込まれる部品として、大深度トンネル用セグメントに適用可能な高水圧対応型高止水逆止弁を開発し、当該大規模プロジェクトへの適用・製作販売しております。
また、コンクリートセグメント製造部門では、品質向上、生産性向上に資するコンクリート技術について試行しております。
(3)工事事業
主力工法の性能、施工品質、施工管理方法のレベルアップを図るべく実験的検証を継続的に行っています。
大臣認定工法の施工品質確保のため管理者、技能者への教育活動も引き続き実施しました。
また、ICT技術を活用した施工現場管理の厳格化や省力化にも取り組んで参ります。