第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

 (1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、経営理念である「顧客第一」「合理追求」「人倫遵守」を実践し、顧客満足を追求することを通じて社会の発展に貢献することを事業の目的としております。

また、売上高と利益の成長を志向し、経営資源の拡大を目指します。経営資源の拡大を通じて、お客様に提供可能な製品やサービスを拡充し、顧客満足を高めることで社会に貢献してまいります。

 

 (2) 目標とする経営指標

当社グループは、第7次中期経営計画(2022~2024年度)において「Reform戦略(改革)」と「Restart戦略(再始動)」という「2つのR」をコンセプトとした「TAFCO・RR計画」を策定いたしました。主な内容は、経営環境の激変が続く中、収益構造の改革(Reform)と強化を図りつつ、脱炭素やデジタル化など急速に変化する経営環境に的確に対処する(Restart)準備をし、成長戦略を推進するものであります。

第6次中期経営計画(2019~2021年度)において「財務の安定性向上を最重要課題とし、自己資本比率の改善を目指す」とし、財務の安定性向上に取り組んでまいりましたが、第7次中期経営計画も引き続き財務の安定性向上に取り組み長期的な目安として自己資本比率30%に向けて取り組んでまいります。

収益性指標につきましては、「自己資本利益率(ROE)」を重要指標と位置付け、長期的に8%以上を目標として収益性の向上に努めてまいります。

 

 (3) 経営環境

日本経済の概況につきましては、2022年度は夏場の新型コロナウイルス感染再拡大により減速したものの、個人消費や設備投資といった内需が主導する形で、景気は緩やかに持ち直してきました。また、海外経済におきましては、インフレの高進に天井感は出てきたものの、世界的な金融引締め等による景気後退リスクやウクライナ情勢の長期化による原材料の供給不足、資源価格上昇など、景気の先行きは不透明な状況が続きました。

当社グループの事業分野でありますコンクリートパイルの全国需要につきましては、西日本、特に九州地区で大幅に増加したことにより前年同期を上回って推移いたしましたが、当社の主力商圏である関東地区は横ばい、静岡は下回って推移いたしました。

2023年度の見通しにつきましては、上記のとおり景気は緩やかな回復基調を維持するものと想定しておりますが、ウクライナ情勢の長期化による資源価格上昇など、景気の先行きは不透明な状況が続くものと想定しております。業績への影響につきましては、引き続き原材料価格につきましては上昇基調が続きていることに加えて、ウクライナ情勢による更なる高騰が生じる懸念も見込まれます。

 

 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは、中期経営計画の達成に向け、売上高と利益の成長を志向し、経営資源の拡大を目指します。経営資源の拡大を通じて、お客様に提供可能な製品やサービスを拡充し、顧客満足度を高めることで社会に貢献してまいります。

 

1.事業ポートフォリオの改革(Restart戦略)

第7次中期経営計画「TAFCO・RR計画」におけるRestart戦略(成長戦略)の取組として、収益が低迷する事業の売却を行いました。売却を行った事業は、コンクリートセグメント事業および保険代理店事業となります。

コンクリートセグメント事業の売却につきましては、2023年2月28日付「連結子会社の異動(株式譲渡)及び譲渡損失(特別損失の計上に関するお知らせ)で発表したとおりであります。また、保険代理店事業につきましては、連結子会社株式会社東商における保険代理店事業となります。なお、保険代理店事業につきましては規模が小さいため、開示はおこなっておりません。

両事業ともに、事業の好不調はあるものの、ならして見ると収益が非常に低迷しており、かつ改善余地が小さいものと判断いたしました。また、基礎事業は成長基調にあり、資金需要も旺盛であることを踏まえて、経営資源を基礎事業に集中させることが、当社の中長期的な企業価値向上に資するものと判断いたしました。

株主価値という観点からは、以下の効果があるものと見込んでおります。

①利益率の改善

 収益を生んでいない事業の売上高が減少することで、利益率に対して改善効果があるものと考えております。

②投下資本利益率の改善

上記と同じく、収益を生んでいない資産が切り離されるため、投下資本ベースで見た利益率に対しても改善効果があるものと考えております。

 

2.基礎事業の収益回復に向けた取り組み(Reform戦略)

基礎事業につきましては、激しい原材料高騰が続いており、極めて厳しい事業環境となっております。原材料高騰による収益性の悪化に対して、収益改善施策をパッケージとしたReform戦略を実行し、収益力の回復を最優先目標としております。

2021年度から続いている原材料高騰につきましては、大きく二つに分けて捉えています。

・第1次(2021年度): 鋼材を中心とした価格高騰

・第2次(2022年度~): ウクライナ侵攻、円安などを背景としたインフレ高進

第1次の原材料高騰は、それまでの鉄鋼市況の低迷、脱炭素化などの要因を背景とした値上がりでした。鋼材やセメントなどが高騰し、当社に対する収益の下押し圧力は非常に強いものでしたが、一般的な物価は落ち着いておりました。

一方、2022年度から続く原材料高騰は、背景にロシアのウクライナ侵攻、世界的なインフレを受けた利上げによる急激な円安などを背景とし、鋼材、セメントはもちろんのこと、燃料など諸物価が全体的に急激に高騰し、影響としては第1次を大きく超えるものとなっております。

このような原材料高騰に対し、当社は収益改善の施策をReform戦略としてパッケージで実行し対応しております。2022年度・上半期の実績を踏まえますと、第1次の原材料高騰に対してReform戦略が効果を発揮したものと考えております。

一方、第2次原材料高騰の影響は、2022年度・下半期から急激に顕在化しています。これを受けて2023年2月期・下期だけを見ると、誠に遺憾ながら収益は赤字に転落しています。当社といたしましては、Reform戦略の完遂を目指し、赤字脱却と収益力の回復を最優先目標として経営を行ってまいります。

Reform戦略の考え方としましては、2022年度・上期までに効果が確認できているコスト削減および管理、物件別の収益管理など、基本的な施策を徹底的に積み重ねていく方針でございます。また、経営環境の大きな変化に対応するため、予算管理を中心とした社内の業務執行管理体制の強化をさらに推し進めてまいります。

 

3.中長期的な事業競争力強化に関する取り組み(Restart戦略)

3年以上の時間軸における事業競争力強化に関しては、脱炭素化およびデジタル化への対応が重要と考えております。

脱炭素化につきましては、スマートエネルギー事業の誘致など、これまでも積極的に取り組んでまいりました。当社は、今後も新しい設備を導入する際などは二酸化炭素の排出量低減を重要な意思決定基準とし、着実に脱炭素に貢献できる投資計画の立案および実行を進めてまいります。また、工法や製品の性能向上も使用する原材料の節減、工期の短縮などを通じて、二酸化炭素排出量の低減に寄与するものと考えます。このように直接的な脱炭素施策だけに限らず、経営施策のあらゆる領域において脱炭素化を考慮し、全社として最適な戦略を実行してまいります。

デジタル化につきましては、これまで間接業務のデジタル化および柔軟な働き方の実現をテーマとして進めてまいりました。昨年度は、既に導入していたコーポレートカードによるキャッシュレス化に加えて、経費精算システムを刷新し、支払から経理処理までをデジタル化いたしました。これにより、通常業務における間接業務の大部分はデジタル化を完了いたしました。

また、新しい働き方については、既にフルテレワークも可能なインフラを整備しております。上述した間接業務のデジタル化により、働き方の柔軟性がさらに向上し、移動時間の短縮等を通じた生産性向上に資するものと考えております。今後は、新型コロナ対策という観点というよりは、柔軟な働き方を通じた「当社で働くことの魅力」の向上に取り組みの重点を移し、生産性の向上、従業員満足度の改善等を目指してまいります。

 

4.株主価値の向上にむけて

利益配当の考え方につきましては、これまでの方針を維持してまいります。上述しましたとおり昨今の経営環境は大変厳しいものがありますが、配当に関する安定性および継続性を重視してまいります。また、業績の振れをならして見た場合に、長期的な配当性向を30%以上に維持することを目標としてまいります。なお、自己資本比率につきましては、ROEや資本コストも考慮した上で、当面は30%を目標に自己資本の蓄積を行ってまいりたいと考えております。

IR活動に関しましては、特に個人株主様へのIRが重要であると考えております。新型コロナの影響も小さくなってきている昨今の状況を踏まえ、企業説明会、決算説明会などのIR活動の強化を進めてまいります。また、人材採用の強化も兼ねて、当社の取り組み一般についてもPRの機会を積極的に捉えてまいりたいと思います。

流通株式時価総額の引き上げにつきましては、まずは第7次中期経営計画「TAFCO・RR計画」に基づいた収益性の回復が第一と考えております。収益の回復は、配当原資の増加、1株あたり利益の増加など時価総額の上昇に直接的に結びつくものと考えております。また、政策保有株式の縮減についても、流通株式増加の観点から見直しを進めております。株式の流動性向上を通じた売買高の増加を促すことにより、市場メカニズムを通じた株価のより適正な形成に資するものと考えております。

株主の皆様への取り組みにおきましては、株主還元策の一環として2019年度より2月末日現在に5単元(500株)以上を保有されている株主様を対象として株主優待制度を導入いたしました。優待の内容といたしましては、地元静岡県沼津市の情報発信と地域社会への貢献のため、静岡県沼津市近郊産の商品を発送させていただく予定であります。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。但し、これらのリスクは当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、予想を超える事態が発生する場合もあります。

また、以下のリスクは主なものであり、全てを網羅したものではありません。

①販売環境・市場変化に係わるリスク

当社グループの主力事業であります基礎事業は、各市場の動向に大きな影響を受けます。需要動向の変化に対応できる生産体制の構築に努めておりますが、需要が当社想定を下回って推移した場合には、販売量および販売価格の双方を通じて当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

②原材料価格に係わるリスク

当社グループは、主要原材料としてセメント、鋼材、LNG等の仕入れを行っておりますが、このような素材およびエネルギーは市場価格の影響により大きく変動いたします。当社グループは、市場価格の変動に細心の注意を払い、仕入業者との対話などを通じて仕入れ価格の低減に日々努めておりますが、当社の影響が及ばない市場価格の上昇が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

③金利変動に係わるリスク

当社グループは、有利子負債の圧縮に取り組んでおりますが、当連結会計年度末における当社グループの有利子負債残高は6,163百万円であり、加えて東京工場のリニューアル工事についても金融機関からの借入金を主な資金調達方法として実施しております。元金の返済については、金融機関との話し合いにより着実な返済計画を立てておりますが、市場金利が大きく変動し当社の想定を超えて高騰した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

④与信管理に係わるリスク

当社グループは、与信会議を中心とした与信管理システムにより、貸倒れの発生を未然に防止するように努めておりますが、販売先の急激な経営状況の悪化などによる貸倒れリスクを完全に排除することは困難であり、貸倒れが発生した場合には、債権額の大きさによっては当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

⑤法令等に係わるリスク

当社グループは、建設業許可等を受けて営業活動を行っており、許認可等を受けるための諸条件および関係法令の遵守に努めております。しかし、仮に法令違反等により許認可が取り消しとなった場合には、事業運営に支障をきたし、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

⑥品質に係わるリスク

当社グループは、製造・施工・営業部門によって組織された品質管理委員会において、製造、施工等の問題点を話し合い、トラブルを未然に防ぎ高品質を確保するべく努めております。しかし、ヒューマンエラーや予見できない理由により品質に瑕疵が生じた場合には、顧客が要求する品質を満たせず、工期の遅延等が発生する可能性があります。また、瑕疵による損害賠償請求等が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑦安全に係わるリスク

当社グループは、製造、施工を始めとした全ての領域において安全の確保および事故の未然防止にグループを挙げた社内研修やOJT教育等に取り組んでおりますが、仮に重大事故が発生した場合には、多額の補償費用に加えて社会的信用の失墜等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑧自然災害・感染症に係わるリスク

当社グループは、東京都に工場があり、大規模な自然災害や感染症が発生した場合には、生産・販売活動の停止、配送の遅延等の影響により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、新型コロナウイルス感染症への対応につきましては、状況把握及び感染防止に向けた対応のほか、時差出勤やテレワーク等の事業を継続するための仕組みの整備を行っております。2022年度において新型コロナウイルス感染症は業績に重要な影響を与えませんでしたが、今後も新型コロナウイルス感染症の収束状況及び当社グループの事業環境を注視し、計画の変更が必要と判断した場合には、速やかに公表いたします。

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 ①経営成績の状況

当連結会計年度(2022年3月1日から2023年2月28日まで)のわが国経済は、夏場の新型コロナウイルス感染再拡大により減速したものの、個人消費や設備投資といった内需が主導する形で、景気は緩やかに持ち直してきました。また、海外経済におきましては、インフレの高進に天井感は出てきたものの、世界的な金融引締め等による景気後退リスクやウクライナ情勢の長期化による原材料の供給不足、資源価格上昇など、景気の先行きは不透明な状況が続きました。

コンクリートパイルの全国需要につきましては、西日本、特に九州地区で大幅に増加したことにより前年同期を上回って推移いたしました。また、当社の主力商圏である関東地区は横ばい、静岡は下回って推移いたしました。

コンクリートセグメント事業の製造につきましては、当初計画通り進捗いたしました。なお、2023年2月28日に公表いたしましたとおり、当社が保有する連結子会社である日本セグメント工業株式会社の全株式を譲渡したことにより当連結会計年度末において当社の連結子会社から除外しております。

不動産賃貸事業につきましては、安定した業績で推移しております。

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、前年同期比較は、当該会計基準等の適用前の前連結会計年度の数値を用いております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載しております。また、管理区分の見直しに伴い、前連結会計年度までのセグメント情報における「コンクリート二次製品事業」および「工事事業」を統合し、「基礎事業」として開示しております。

 

セグメント毎の経営成績は、次のとおりであります。

 

(基礎事業)

基礎事業の主力事業でありますコンクリートパイル部門の全国需要につきましては、前年同期を上回って推移いたしました。当社の主力商圏であります関東および静岡につきましては、関東は前年同期とほぼ横ばい、静岡は下回りました。業績につきましては、年度後半に想定を超えて原材料価格が高騰し原価率が上昇した結果、当連結会計年度の売上高は16,136百万円(前連結会計年度比3.1%増)、営業利益は656百万円(前連結会計年度比9.4%減)となりました。

(コンクリートセグメント事業)

当連結会計年度は、計画通りの生産となりました。事業環境は大変厳しく、足元での原材料価格も高騰しておりましたが、徹底したコスト管理をした結果、当連結会計年度の売上高は、1,929百万円(前連結会計年度比0.5%増)、営業利益は35百万円(前連結会計年度は0百万円の損失)となりました。

(不動産賃貸事業)

当連結会計年度の売上高は、193百万円(前連結会計年度比0.6%減)、営業利益は138百万円(前連結会計年度比3.8%増)となりました。

 

以上の結果、当連結会計年度の売上高は18,259百万円(前連結会計年度比2.8%増)、営業利益は228百万円(前連結会計年度比61.0%増)、経常利益は206百万円(前連結会計年度比15.6%増)、親会社株主に帰属する当期純損失は191百万円(前連結会計年度は114百万円の利益)となりました。

 

 

②財政状態の状況

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ2,709百万円(15.4%)減少し、14,919百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末と比べて、1,864百万円(21.9%)減少し6,663百万円となりました。これは主として未成工事支出金の増加1,165百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の減少1,028百万円、電子記録債権の減少770百万円、商品及び製品の減少859百万円等によるものであります。固定資産は、前連結会計年度末と比べて、844百万円(9.3%)減少し、8,256百万円となりました。これは、主として建物及び構築物(純額)241百万円の減少、機械装置及び運搬具(純額)190百万円の減少、工具、器具及び備品(純額)127百万円の減少等によるものであります。流動負債は、前連結会計年度末と比べて、1,930百万円(20.5%)減少し、7,506百万円となりました。これは、主として支払手形及び買掛金の減少1,383百万円、電子記録債務の減少384百万円、1年以内返済予定の長期借入金の減少124百万円等によるものであります。固定負債は、前連結会計年度末と比べて、431百万円(9.7%)減少し、4,005百万円となりました。これは、長期借入金の減少273百万円、退職給付に係る負債の減少72百万円、リース債務の減少71百万円によるものであります。当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末と比べて、347百万円(9.2%)減少し、3,408百万円となりました。これは、主として利益剰余金の減少279百万円、非支配株主持分の減少72百万円によるものであります。

この結果、自己資本比率は22.8%、1株当たり純資産額は2,630円47銭となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、719百万円の増加前連結会計年度比622百万円の増加)となりました。

収入の主な内訳は、減価償却費637百万円、関係会社株式売却損331百万円、売上債権の減少額1,091百万円であり、支出の主な内訳は、税金等調整前当期純損失78百万円、仕入債務の減少額1,210百万円であります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、841百万円の減少前連結会計年度比6百万円の減少)となりました。

これは、主に有形固定資産の取得による支出336百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出537百万円によるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、436百万円の減少前連結会計年度比675百万円の減少)となりました。

これは、主に長期借入れによる収入1,800百万円、短期借入金の純増額142百万円、長期借入金の返済による支出2,151百万円によるものであります。

以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ558百万円減少し、1,523百万円となりました。

 

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2019年2月

2020年2月

2021年2月

2022年2月

2023年2月

自己資本比率(%)

22.2

22.7

20.2

20.9

22.8

時価ベースの

自己資本比率(%)

21.1

14.7

13.5

10.5

13.7

債務償還年数(年)

5.5

6.6

3.5

67.2

8.6

インタレスト・

カバレッジ・レシオ(倍)

14.0

13.1

30.8

1.7

13.5

 

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

債務償還年数:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。

(注2)株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。

(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しています。

(注4)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。

 

④生産、受注及び販売の状況

生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

基礎事業

12,255,841

△2.4

コンクリートセグメント事業

1,853,974

△2.6

合計

14,109,816

△2.4

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 基礎事業については製造原価及び完成工事原価、コンクリートセグメント事業については製造原価によっております。

 

受注実績

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

基礎事業

18,038,197

+20.8

4,964,833

+62.1

 

 

販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

基礎事業

16,136,309

+3.1

コンクリートセグメント事業

1,929,279

+0.5

不動産賃貸事業

193,606

△0.6

合計

18,259,196

+2.8

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び当該実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

鹿島建設㈱

2,147,310

11.8

JFE建材㈱

1,920,460

10.8

1,924,719

10.5

 

※前連結会計年度の鹿島建設㈱については、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。この連結財務諸表作成に当たって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。見積りに関しては過去の実績などを慎重に検討したうえで行い、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性によって異なる場合があります。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4 会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。

また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 1)経営成績

   (売上高)

売上高は、基礎事業において、全国需要は前連結会計年度に対して上昇した反面、当社の主力商圏であります関東および静岡につきましては、前連結会計年度とほぼ横ばいの結果となりましたが、18,259百万円(前連結会計年度比2.8%の増加)となりました。

   (営業利益)

当連結会計年度の売上総利益は、上記売上高の増加があったものの原材料価格の高騰などにより、前連結会計年度比3.1%減の2,076百万円となりました。売上総利益率は、主に上記の要因により、前連結会計年度の12.1%から当連結会計年度は11.4%に減少しております。

また、販売費及び一般管理費は、前連結会計年度の2,001百万円から153百万円減少し1,848百万円となりました。

以上の結果、営業利益は228百万円(前連結会計年度比61.0%の増加)となりました。なお、売上高営業利益率は1.3%で前連結会計年度比0.5ポイントの増加となりました。

   (経常利益)

経常利益は、主に上記の要因により、206百万円(前連結会計年度比15.6%の増加)となりました。

   (親会社株主に帰属する当期純利益)

親会社株主に帰属する当期純利益は、保険事業の事業譲渡益60百万円などがありましたが、関係会社株式売却損331百万円などを計上したため、191百万円の損失(前連結会計年度比は114百万円の利益)となりました。

   2023年2月期の連結業績予想(計画)との比較

                                           (単位:百万円)

 

2022年2月

(実績)

 2023年2月
(実績)

 2023年2月
(計画)

前年同期比

計画比

売上高

17,760

18,259

17,000

2.8%

7.4%

営業利益

142

228

340

61.0%

△32.8%

経常利益

178

206

290

15.6%

△28.8%

親会社株主に

帰属する

当期純利益

又は親会社株主に

帰属する

当期純損失(△)

114

△191

160

-%

-%

 

併せて、中期経営計画の目標値であるROE8%に対して、実績は△5.4%、自己資本比率30%に対して、22.8%となりました。

 

(セグメント別の状況)

(基礎事業)

当連結会計年度のコンクリートパイルの全国需要につきましては、前年度に対して西日本、特に九州地区で大幅に増加したことにより上回って推移いたしました。また、当社の主力商圏である関東地区は横ばい、静岡は下回って推移いたしました。当社の売上高は、原材料価格の上昇に伴う販売価格の値上げや営業部門拡充の効果等もあり、前年度に対して増収となりました。しかしながら、鋼材価格の高騰に加えて、ウクライナ情勢や世界的なインフレを受けた利上げなどによる急激な円安などを背景とし、鋼材、セメントはもちろんのこと、燃料など諸物価が全体的に急激に高騰したため、収益性という点では厳しい結果となりました。

基礎事業の事業戦略につきましては、第7次中期経営計画に基づき、収益改善の施策をReform戦略としてパッケージで対応しております。2022年度・上半期の実績を踏まえますと、2021年度の原材料高騰に対してReform戦略が効果を発揮したものと考えております。一方、2022年度の原材料価格および諸物価の高騰の影響は、下半期から急激に顕在化しております。これを受けて2022年度下期だけを見ると、誠に遺憾ながら収益は赤字に転落しております。当社といたしましては、Reform戦略の環椎を目指し、赤字脱却と収益力の回復を最優先目標として経営を行ってまいります。

Reform戦略の考え方といたしましては、2022年度・上期までに効果が確認できているコスト削減および管理、物件別の収益管理など、基本的な施策を徹底的に積み重ねていく方針でございます。また、経営環境の大きな変化に対応するため、予算管理を中心とした社内の業務執行管理体制の強化をさらに推し進めてまいります。

以上の結果、基礎事業の売上高は、16,136百万円(前連結会計年度比3.1%増)、営業利益は656百万円(前連結会計年度比9.4%減)となりました。

 

(コンクリートセグメント事業)

当社グループのコンクリートセグメント事業では、シールド工事で用いられるプレキャストコンクリート製のトンネル覆工部材を製造しており、受託製造に特化した事業であります。

コンクリートセグメント事業は、前連結会計年度期首より大型物件の製造が開始されました。事業環境の大変厳しい中での受注案件であり、採算確保のための徹底的なコスト管理が必要でありますが、製造受託会社として顧客の要求する品質を満たすよう、「安全が第一」をスローガンに製造に取組んでまいりました。 以上の結果、コンクリートセグメント事業の売上高は、1,929百万円(前連結会計年度比0.5%増)、営業利益は35百万円(前連結会計年度は0百万円の損失)となりました。

なお、連結子会社である日本セグメント工業株式会社の全株式を譲渡したことにより当連結会計年度末にコンクリートセグメント事業から撤退しております。

 

(不動産賃貸事業)

不動産賃貸事業に関しましては、静岡県沼津市でのショッピングセンターの賃貸を主な事業としております。当連結会計年度の不動産賃貸事業の売上高は193百万円(前連結会計年度比0.6%減)、営業利益は、138百万円(前連結会計年度比3.8%増)となりました。

 

 

2) 財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ2,709百万円(15.4%)減少し、14,919百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末と比べて、1,864百万円(21.9%)減少し、6,663百万円となりました。これは主として未成工事支出金の増加1,165百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の減少1,028百万円、電子記録債権の減少770百万円、商品及び製品の減少859百万円等によるものであります。固定資産は、前連結会計年度末と比べて、844百万円(9.3%)減少し、8,256百万円となりました。これは、主として建物及び構築物(純額)241百万円の減少、機械装置及び運搬具(純額)190百万円の減少、工具、器具及び備品(純額)127百万円の減少等によるものであります。流動負債は、前連結会計年度末と比べて、1,930百万円(20.5%)減少し、7,506百万円となりました。これは、主として支払手形及び買掛金の減少1,383百万円、電子記録債務の減少384百万円、1年以内返済予定の長期借入金の減少124百万円等によるものであります。固定負債は、前連結会計年度末と比べて、431百万円(9.7%)減少し、4,005百万円となりました。これは、長期借入金の減少273百万円、退職給付に係る負債の減少72百万円、リース債務の減少71百万円によるものであります。当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末と比べて、347百万円(9.2%)減少し、3,408百万円となりました。これは、主として利益剰余金の減少279百万円、非支配株主持分の減少72百万円によるものであります。この結果、自己資本比率は22.8%、1株当たり純資産額は2,630円47銭となりました。

 

3) キャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、719百万円の増加前連結会計年度比622百万円の増加)となりました。収入の主な内訳は、減価償却費637百万円、関係会社株式売却損331百万円、売上債権の減少額1,091百万円であり、支出の主な内訳は、税金等調整前当期純損失78百万円、仕入債務の減少額1,210百万円であります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、841百万円の減少前連結会計年度比6百万円の減少)となりました。

これは、主に有形固定資産の取得による支出336百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出537百万円によるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、436百万円の減少前連結会計年度比675百万円の減少)となりました。

これは、主に長期借入れによる収入1,800百万円、短期借入金の純増額142百万円、長期借入金の返済による支出2,151百万円によるものであります。

以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ558百万円減少し、1,523百万円となりました。

 

4)当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としましては、原材料調達や価格の動向、市場動向、国内の法令や政治・経済動向等があります。

資材調達につきましては、重要な供給元とは関係強化を図るとともに、汎用品に関しては複数の調達先を起用することと、生産と販売のバランスの調整を含めた安定的な調達を進めております。

品質確保につきましては、品質強化委員会を中心とし、製造工程での不良品の発生状況や施工上の不具合などを分析し、ケーススタディなどによって解決策を提示し、各部門との連携・情報共有を図ることで対応を行っております。

市場の変化に対しましては、営業部門が設計事務所・ゼネコン・販売会社などの顧客と緊密な関係を構築し、お客様のニーズを的確にとらえた提案営業が実践できるよう取り組んでおります。

国内の法令や政治・経済動向等につきましては、取締役会を中心とし、情報を入手するとともに、社外の専門家と連携・情報共有を図ることで対応を行っております。

また、当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症による業績への影響は軽微でありましたが、引続き感染対策を継続し、従業員及び関係者の安全確保に取り組んでまいります。

なお、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える主要なリスクにつきましては、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

5)資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資金需要のうち主なものは、新規製品・工法開発等にかかる研究開発費や、老朽化した設備の維持更新、各種工法用治具のラインナップの拡充に係る投資であります。また、現在、東京工場のリニューアル工事とスマートエネルギー事業参画への投資約24億円などを計画・実行中でありましたが、東京工場事務所棟の新設でリニューアル工事を終了する予定となりました。投資総額は、約18億円となる見込みであります。営業キャッシュ・フローを源泉とした自己資金と金融機関からの借入金により調達する計画であります。

なお、当連結会計年度末における長・短期借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は、6,163百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,523百万円であり、流動性の確保は重要な経営課題であります。

 

 6)目標とする経営指標の達成状況等

当社グループは、第7次中期経営計画(2022年度~2024年度)で、基礎事業の収益回復に向けた取り組み(Reform戦略)と中長期的な事業競争力強化に関する取り組み(Restart戦略)を策定し、取り組んでおります。

世界的なインフレを受けた利上げによる急激な円安や、ロシアによるウクライナ侵攻により、鋼材、セメントはもちろんのこと、燃料など諸物価が全体的に急激に高騰し、業績に大きな影響を与えました。

このような状況のもと、Reform戦略として、コストの削減および管理、物件別の収益管理など基本的な施策を徹底的に積み重ねてまいります。また、経営環境の大きな変化に対応するため、予算管理を中心とした社内の業務執行管理体制の強化をさらに推し進めてまいります。

Reform戦略の完遂を目指し、収益力の回復を最優先目標として経営を行ってまいりましたが、単年度の経営成績は数値目標が未達に終わりました。具体的な目標である中長期的なROE8%に対して、実績△5.4%、自己資本比率30%に対して22.8%でありました。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

当社は、2023年2月28日開催の取締役会において、当社が保有する連結子会社である日本セグメント工業株式会社の全株式を譲渡することを決議し、同日付けで株式譲渡契約を締結しました。

詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

5 【研究開発活動】

当社グループの研究開発は、コンクリート二次製品の製造販売を通じて、快適な生活基盤創りに貢献するために、当社グループ独自で、あるいは外部組織と共同体制を組んで推進しております。

主力のコンクリートパイルとその他コンクリート二次製品の研究開発及びそれらの周辺技術としての施工技術の研究開発に積極的に取り組んでおります。

当社グループの当連結会計年度における研究開発費の総額は、40百万円であります。

なお、各セグメント毎の研究開発費の区分は困難であるため、研究開発費は総額で記載しております。

当連結会計年度におけるセグメント毎の研究開発活動の状況は、次のとおりであります。

 

基礎事業

主力工法の一つであるHyperストレート工法に改良を加えた新工法の開発に注力し許認可取得に取り組んでいます。

新工法に使用する杭材料の新たな許認可取得と低コストで製造可能な高強度パイルの開発も模索しています。

また、前連結会計年度に引き続き、ICT技術を活用した施工現場における管理厳格化、施工品質の均一化及び施工管理者の省力化に取り組みます。

さらに、脱炭素技術を基礎事業に取り入れていくための活動や情報収集に取り組んで参ります。