第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益及び雇用情勢の改善などが進み、景気は緩やかな回復基調が見られたものの、中国及び新興国の経済成長に対する減速懸念や原油価格下落の影響により弱含みの動きが見られました。建築材料業界におきましては、建設費高騰に伴う建設計画の延期・中止、投資マインドの低下等、先行き不透明な状況で推移いたしました。

 このような状況のなか、当社グループは、「やすらぎと安心の創造」の経営理念のもと、環境負荷低減と施工現場省力化を実現し、顧客ニーズに対応する商品の拡充を図ってまいりました。

 押出成形セメント板「アスロック」の新デザインとして、2014年度グッドデザイン賞を受賞したグリッドデザインシリーズの新柄「ミクティルB」を平成27年4月に発売いたしました。グリッドデザインにつきましてはタイル調仕上げとなっており、タイルでは表現できない規則性のある不規則グリッドによるシャープなデザインに高い評価を頂いております。また、6月にはデザインパネル「プライムライン」に900幅タイプを追加発売いたしました。デザインパネルにつきましては、プライムラインの他多数のラインナップを取り揃えており、中国上海におきましても図書館などの文化施設や金融機関に採用されるなど、好評を頂いております。更に、10月には「アスロックタイルデコ」を開発、発売いたしました。乾式タイルと「アスロック」の素地リブが調和した独創的なテクスチャーが外壁意匠の幅を広げ、コストダウンにも貢献します。工法面においては、「アスロック」に多様な仕上げ材を取り付けることのできる当社オリジナルの専用工法である「アスロックレールファスナー工法」に、大型アルミパネル仕上げに対応する「レールファスナー ストロング」を9月に発売いたしました。

 販売部門では、技能工不足・工期短縮・現場環境改善に貢献する「アスロックLS工法(Labor Saving工法)」・「ニューセフティ工法」の商談量を増やし、デザイン・性能に好評を頂いております「グリッドデザインシリーズ」・「工場塗装品」の販売数量を伸ばすとともに、北陸新幹線の駅舎への採用に続き、平成28年3月26日に開業した北海道新幹線の駅舎及び施設にも採用頂きました。生産部門では、NNPS(ノザワ・ニュー・プロダクション・システム)改善活動により、各工程の生産性を高め、品質の向上、コスト削減に努めました。管理部門では、システム構築及び改善を進め、業務の効率化につなげるとともに、有利子負債を圧縮、財務体質の改善に取り組みました。マインケミカル事業につきましては、販路の拡大に取り組みました結果、肥料の販売数量を伸ばしました。

 これらの結果、当社グループの単一の報告セグメントである建築材料関連事業の品種別売上高については、主力の押出成形セメント板「アスロック」は141億45百万円(前期比1.9%増加)、住宅用軽量外壁材は24億58百万円(前期比11.9%増加)となり、押出成形セメント製品関連合計では166億4百万円(前期比3.3%増加)に、耐火被覆等は16億43百万円(前期比30.2%増加)、スレート関連は9億36百万円(前期比2.4%減少)となったこと等から、当連結会計年度の売上高は218億21百万円(前期比4.1%増加)となりました。

 利益面については、主力である押出成形セメント製品が伸長したことに加え、生産性の向上、製造原価低減並びに経費削減に努めました結果、営業利益は31億89百万円(前期比23.2%増加)、経常利益は31億33百万円(前期比19.7%増加)と、連結業績における営業利益、経常利益とも過去最高となりました。しかしながら、中国経済の減速の影響で建設並びに住宅売買が低迷したことにより、「野澤積水好施新型建材(瀋陽)有限公司」の保有する機械装置及び運搬具等有形固定資産の全額を減損損失に計上、当社グループへの影響額が6億60百万円となったこと等から、親会社株主に帰属する当期純利益は15億15百万円(前期比10.9%減少)となりました。

 

 (2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は38億15百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億98百万円増加いたしました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において、営業活動による資金の増加は26億93百万円(前連結会計年度は18億59百万円の増加)となりました。これは法人税等の支払額10億4百万円や、売上債権の増加額1億22百万円等の資金の減少要因があった一方、税金等調整前当期純利益18億9百万円や、減損損失12億94百万円、減価償却費5億57百万円等の資金の増加要因があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において、投資活動による資金の減少は4億2百万円(前連結会計年度は2億55百万円の減少)となりました。これは有形固定資産の取得による支出3億48百万円等の資金の減少要因があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において、財務活動による資金の減少は15億86百万円(前連結会計年度は20億50百万円の減少)となりました。これは長期借入金の返済による支出11億85百万円や親会社による配当金の支払額2億27百万円等の資金の減少要因があったことによるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

当連結会計年度における単一の報告セグメントである建築材料関連事業の品種別生産実績は次のとおりである。なお、その他の事業の生産はない。

品種

 当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

  至 平成28年3月31日)

前年同期比

押出成形セメント製品

9,443,970 千円

△0.4 %

スレート関連

590,453

△9.5

その他

96,731

9.6

合計

10,131,155

△0.9

(注)1 金額は製造価格による。

   2 上記の金額には、消費税等は含まれていない。

 

(2)受注状況

当連結会計年度における単一の報告セグメントである建築材料関連事業のうち、工事の受注状況は次のとおりである。なお、その他の事業の受注はない。

工事別

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

押出成形セメント製品工事

1,784,359

32.7

1,076,668

39.9

スレート工事

10,530

△66.0

200

△99.0

耐火被覆等工事

1,852,780

31.4

610,104

52.2

その他工事

753,744

30.1

546,487

98.0

合計

4,401,414

30.8

2,233,460

52.3

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれていない。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度における単一の報告セグメントである建築材料関連事業の販売実績を品種別に示すと次のとおりである。

品種

 当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

  至 平成28年3月31日)

前年同期比

押出成形セメント製品関連

16,604,093 千円

3.3 %

スレート関連

936,947

△2.4

耐火被覆等

1,643,437

30.2

その他

2,599,090

△1.0

合計

21,783,569

4.1

なお、その他の事業の販売実績は、当連結会計年度38,409千円であり、前年同期比△1.6%となっている。

(注)1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりである。

相手先

前連結会計年度

(自 平成26年4月1日

至 平成27年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

積水ハウス㈱

4,816,409

23.0

5,256,738

24.1

伊藤忠建材㈱

2,974,620

14.2

2,644,065

12.1

  2 上記の金額には、消費税等は含まれていない。

 

3【対処すべき課題】

 わが国経済の見通しにつきましては、円高・株式市場の低迷を背景に、企業は設備投資計画に慎重な姿勢を見せるなど、先行き不透明な状況が続くものと思われます。

 このような状況のなか、当社グループは、建築・住宅・土木市場の三市場での商品展開を軸として、企業体質と企業競争力を強化するために、以下の項目に重点をおき経営を進めてまいります。

 

   (1) 研究開発体制の強化

  新商品開発のリードタイム短縮、新商品の市場定着及び次世代の新商品開発を目的とした技術研究体制の構築を図るとともに、環境問題や資源循環型社会に適合した建材及びシステムの研究を進めてまいります。また、技術本部内の知的財産管理室では、知的財産権の活用を推進してまいります。

 

   (2) NNPS(ノザワ・ニュー・プロダクション・システム)の全社展開

  差別化の唯一の武器として、NNPS活動を全部門に展開することにより、トータルコストダウン・リードタイムの短縮を実現し、増収増益への体質改善を行うとともに、企業を担う“人”の育成を推進しています。

 

   (3) 販売体制の強化

  押出成形セメント製品関連につきましては、建設商品部・住宅建材部・建設技術部及びアルカス環境事業部並びに営業推進室の4部1室体制により市場別、商品別の責任体制を明確にし、建設商品部は、アスロックについて、地域・顧客・商品・価格別の販売戦略を基本方針とし拡販を図ってまいります。住宅建材部は、内外壁・水平部材(床・階段等)・バルコニーの隔て板・基礎等、顧客ニーズに適合した押出品及び抄造品の住宅各部位に用途拡大を展開してまいります。建設技術部は、アスロックを中心に施工品質を高める等お客様満足度向上を図ってまいります。アルカス環境事業部は、アルカス及び環境商品の施工品質向上を推進し、メーカー直工事対応商品の施工体制の構築を図ってまいります。

  肥料につきましては、マインケミカル事業部が地域別市場性、農家ニーズを踏まえた拡販と商談づくりを展開してまいります。

 

(会社の支配に関する基本方針)

1.当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

当社は、金融商品取引所に株式を上場している者として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大規模買付行為であっても、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、最終的には株式の大規模買付提案に応じるかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきだと考えています。
 ただし、株式の大規模買付提案の中には、たとえばステークホルダーとの良好な関係を保ち続けることができない可能性があるなど、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれのあるもの、あるいは株主の皆様が最終的な決定をされるために必要な情報が十分に提供されないものもありえます。
 そのような提案に対して、当社取締役会は、株主の皆様から負託された者の責務として、株主の皆様のために、必要な時間や情報の確保、株式の大規模買付提案者との交渉などを行う必要があると考えています。

 

 

2.当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取り組み

  当社の中長期的な経営基本戦略等当社の目標としております企業像は下記のとおりです。

① 建設部材、システム分野での開発型企業を目指し、建築・住宅・土木の3市場での安定的な商品供給による強固な経営基盤を持つ企業

② 技術力を背景とした差別化(品質・納期・コストの絶対的優位性)を推進するオンリーワン企業

③ 環境保全を主眼においた次世代の事業を模索し、人々にやすらぎと安心を提供し、社会への貢献を企業の発展と考える企業

これらを実現するため、「安全第一、法令遵守、人権尊重、環境保全」の基本原則を大前提に、当社の経営の2本柱である中長期計画、NNPS(ノザワ・ニュー・プロダクション・システム)活動を着実に実行することによって、当社のもつ経営資源を有効に活用するとともに、様々なステークホルダーとの良好な関係を継続、発展させ、当社及び当社グループ会社の企業価値及び株主共同の利益の向上に繋げられるものと考えております。

 

 

 

 3.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み

 

当社は、平成20年6月27日開催の定時株主総会において、買収防衛策の導入根拠、手続き等を定めた定款変更議案及び変更された定款に基づき当社株式等の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)(以下「本プラン」といいます。)の導入について株主の皆様のご承認をいただき、また平成26年6月27日開催の定時株主総会において本プランの継続についてご承認をいただき、現在に至っております。

本プランは、当社株式に対する買付が行われた際、買付に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保したり、株主の皆様のために買付者と交渉を行うこと等を可能とするものであり、当社の企業価値・株主共同の利益を毀損する買付等を阻止し、当社の企業価値・株主共同の利益を確保・向上させることを目的としております。

本プランにおきましては、(i)当社が発行者である株式等について、保有者の株式等保有割合が20%以上となる買付、または(ii)当社が発行者である株式等について、公開買付に係る株式等の株式等所有割合及びその特別関係者の株式等所有割合の合計が20%以上となる公開買付またはこれらに類似する行為(以下「買付等」と総称します。)を対象とします。

当社の株式等について買付等が行われる場合、当該買付等に係る買付者等には、買付等の内容の検討に必要な情報及び当該買付者等が買付等に際して本プランに定める手続きを遵守する旨の誓約文言等を記載した書面の提出を求めます。その後、買付者等から提出された情報、当社取締役会からの意見や根拠資料、当該買付等に対する代替案等が、経営陣から独立した者より構成される独立委員会に提供され、その評価、検討を経るものとします。独立委員会は、必要に応じて、外部専門家等の助言を独自に得たうえ、買付内容の評価・検討、当社取締役会の提示した代替案の検討、株主に対する情報開示等を行います。

独立委員会は、買付者等が本プランに規定する手続きを遵守しなかった場合、または買付者等の買付等の内容の検討、買付者等との協議・交渉の結果、当該買付等が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうおそれのある買付等である場合等、本プランに定める要件のいずれかに該当し、対抗措置を発動することが相当であると判断した場合には、当社取締役会に対して、対抗措置を発動すべき旨、または株主の意思を確認すべき旨を勧告します。当社取締役会は、この勧告または株主意思確認総会若しくは書面投票の決定に基づき、原則として新株予約権の無償割当ての実施を決議し、別途定める割当期日における当社の最終の株主名簿に記録された当社以外の株主に対し、その保有する当社株式1株につき新株予約権2個を上限として別途定める割合で、新株予約権を無償で割当てます。

当社取締役会は、上記取締役会決議を行った場合速やかに、当該決議の概要その他当社取締役会が適切と判断する事項について、情報開示を行います。

 

4.上記取り組みに対する当社取締役会の判断及びその理由

上記2.に記載した基本方針の実現に資する特別な取り組みは、当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上に資する具体的方策であり、まさに当社の基本方針に沿うとともに、当社の株主共同の利益に資するものであり、また、当社の経営陣の地位の維持を目的とするものではありません。

また、本プランは、上記3.に記載のとおり、企業価値・株主共同の利益を確保・向上させる目的をもって導入されたものであり、基本方針に沿うものです。特に、本プランは、株主意思を重視するものであること、その内容として合理的な客観的発動要件が設定されていること、独立性の高い社外者によって構成される独立委員会が設置されており、本プランの発動に際しては必ず独立委員会の判断または株主意思の確認を経ることが必要とされていること、独立委員会は当社の費用で第三者専門家の助言を得ることができるとされていること、有効期間が3年間と定められたうえ、株主総会または取締役会でいつでも廃止できるとされていることなどにより、その公正性・客観性が担保されており、高度の合理性を有し、企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであって、当社の経営陣の地位の維持を目的とするものではありません。

 

4【事業等のリスク】

 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)景気変動について

 当社グループの主力製品の押出成形セメント製品は、公共投資・民間設備投資及び新設住宅着工戸数等の影響を強く受けます。公共投資の動向は、公共機関の政策によって決定され安定的に推移するとは限りません。また、経済環境が悪化し民間設備投資・住宅投資が減少した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)海外情勢について

 当社グループは海外に拠点を置く連結子会社を有しており、当該国の政治経済環境の大幅な変化、法律改正等予期しえない事象が発生した場合、その結果が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)金利変動について

 当社グループは運転資金及び設備投資資金として自己資金及び借入にて調達を行っています。当社グループは、財務体質の改善を積極的に進め、有利子負債の圧縮に努めていますが、今後の金融政策に伴い金利が上昇した場合、当社グループの経営成績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)為替変動について

 当社グループは連結財務諸表作成のため、在外連結子会社の財務諸表を円貨に換算しており、外国為替相場の変動を受け、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)原材料価格について

 当社製品の主な原料はセメントであり、また製造工程上、天然ガス・灯油・潤滑油等を使用しています。原材料及びエネルギーの価格の動向は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)貸倒リスクについて

 当社グループでは、貸倒による損失を最小限にとどめるために、与信管理に十分注意を払っています。一方、金銭債権に対し貸倒引当金を充当していますが、顧客の経営状況の悪化等により更に貸倒が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)投資有価証券について

 当社グループは、取引先及び金融機関等の株式を保有しています。今後、経済環境及びそれらの企業の収益や財政状況によって株価が変動し評価減を行う可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)販売価格の変動について

 当社グループの主力製品の押出成形セメント製品部門における売上高は全体の76%を占め、事業の中核をなしております。従って、将来において押出成形セメント製品の価格変動によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)固定資産の減損会計適用について

 資産がその収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合、その回収可能性に見合った帳簿価額に減額し減損損失としなければならず、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)退職給付債務について

 当社グループの従業員の退職給付費用及び退職給付債務は、割引率や退職率等数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。前提条件と実際の結果が異なった場合、認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。また、割引率の低下は、当社グループの財政状況と業績に影響を与える可能性があります。

 

(11)石綿による健康障害について

 当社グループは過去に石綿を事業に使用しており、石綿による健康障害に対する補償の発生や、損害賠償請求訴訟により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)品質管理について

 当社グループは品質管理には万全を期していますが、想定を超える瑕疵担保責任が発生した場合、費用が発生し当社グループ及び製品の評価を大きく毀損することとなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)災害に係るリスク

 当社グループは生産拠点、研究開発拠点、営業拠点の事業場を複数有しており、これらの拠点のいずれかに地震等の自然災害や火災等が発生した場合、その被害状況によっては当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、万一、予期しえない要因から重大な労働災害、設備事故等が発生した場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)情報漏洩に係るリスク

 当社グループは多くの重要情報や個人情報を入手することがあり、これらの情報の外部流出が起こらないよう情報セキュリティポリシーを定め、周知徹底及び運用を図っておりますが、コンピューターウィルスによる攻撃等予期せぬ要因から外部漏洩やデータの喪失が生じた場合、当社グループの社会的信用の失墜や損害賠償請求等が生じることとなり、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)偶発事象について

 予期しえない法律・規則等の改正及び訴訟等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項なし。

 

6【研究開発活動】

当社は、不燃建材メーカーとして、人々の生活と安全を守るため、快適な住環境を創り出す資材・システムを提供し、社会貢献することを理念としております。この理念の下、技術力を背景とした研究開発活動による新素材・新工法の開発、マーケティングによる新分野・用途開拓商品の開発、工場の生産性向上から建設現場の施工合理化に至る総合技術開発まで、積極的な研究開発・生産技術開発を推進しております。研究開発活動の中心となる研究開発部門は、技術本部の下、中長期的視野にたった研究開発活動を展開しております。また、環境問題や資源循環型社会に適合した技術開発にも注力し、原料素材のリサイクル開発、環境共生商品開発などにも積極的に取り組んでいます。なお、研究開発活動においては、自社開発の他、外部との連携による研究開発を推進しております。

当連結会計年度の研究開発費用は2億59百万円であります。

当連結会計年度における主な研究開発活動は次のとおりであります。

なお、研究開発活動はセグメント別に見ると、建築材料関連事業のみであり、その他の事業の実績はありません。

 

建築材料関連事業

(1) 押出成形セメント製品

・一般建築関連建材

発売以来ご好評をいただいております「グリッドデザインシリーズ」の新たなデザイン「ミクティルB」を開発、平成27年4月より発売を開始しました。「ミクティルB」は、「ミクティルA」の2種類のグリッドの配列順を変えると共に、通し目地を部分的に入れることでランダムな中にも規律性を持たせた心地よいデザインを実現しています。

押出成形セメント板「アスロック」の900幅デザインパネル 「プライムライン900」を開発、平成27年6月より発売を開始しました。「プライムライン」600幅タイプの不連続配置のリブデザインはそのままに、ダイナミックな900幅タイプの追加により、重厚感に富んだ壁面構成が可能となります。

さらに、新しいデザインタイルパネルとして、「アスロックタイルデコ」を開発、平成27年10月より発売を開始しました。「アスロックタイルデコ」は、乾式タイル独特の焼き物の風合いとセメントの素材が調和した、オリジナルのテクスチャーが、繊細で優雅な壁面を表現します。

工法面では、大型アルミパネルを取り付けることができるシステム「レールファスナー ストロング」を開発、平成27年9月より発売を開始しました。「レールファスナー ストロング」は、当社独自のパネル形状と強度低下防止構造の導入により、仕上げ材を支持する金具の取り付け耐力を向上しました。これにより、大型アルミパネルなどの仕上げ材を長スパンで取り付けることが可能となりました。

一般建築向け建材では、建物デザイン、工法省力化、環境対策など市場のニーズに合わせた商品開発を実施しております。

・住宅向け建材

プレハブ住宅向けに新たなデザインの外壁材を開発、発売を開始しております。また、共同住宅向けに仕様化している床材について、遮音性能の向上を図った床材を開発、販売を開始しております。

住宅向け建材では、居住環境の向上に向けた商品開発を実施しております。

・土木向け建材

既存商品の耐久性・施工性の向上、並びに各種インフラ整備に対応できる土木建材の開発を実施しております

(2) その他製品及び研究

・スレートボード

特定ユーザー向けの商品を開発、発売しております。

スレートボードでは、各種ユーザーのニーズに合わせて機能を特化したボードの開発を実施しております。また、既存商品の用途開拓・工法開発も合わせて進めております。

・肥料

マインマグシリーズでは、公的機関での試験において果樹の貯蔵安定性の良さについて評価を受け、マインマグを施用した酒米が酒造好適米として品質の高さを認められるなど、多様な施用効果を追求、実証するとともに、顧客ニーズに基づいた作物別専用資材の設計、開発を進めております。

 

基礎研究・応用研究

次世代の基幹商品を生み出すための素材研究・製造技術開発、新機能特化型商品開発、工法技術開発及び、既存商品の品質・性能向上を目指した研究開発を技術研究所・開発部を中心として進めております。

 

当社は今後も、市場ニーズを的確に捉えた研究開発を進めてまいります。

 

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。なお、当社グループは退職給付に係る会計処理、税効果会計、貸倒引当金等に関して、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

 

(2) 当連結会計年度の財政状態の分析

 当連結会計年度末における当社グループの流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ、現金及び預金が6億98百万円、受取手形及び売掛金が1億77百万円増加したこと等により100億57百万円(前連結会計年度末と比較して8億70百万円増加)となりました。固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ、有形固定資産が減価償却及び減損損失の計上等により14億95百万円減少したこと等から、128億41百万円(前連結会計年度末と比較して14億88百万円減少)となりました。この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べ6億17百万円減少し228億98百万円となりました。

 当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ、短期借入金が4億88百万円減少したこと等から、54億76百万円(前連結会計年度末と比較して2億53百万円減少)となりました。固定負債の残高は、長期借入金が8億41百万円減少したこと等から、42億21百万円(前連結会計年度末と比較して8億20百万円減少)となりました。この結果、負債の合計額は、前連結会計年度末に比べ10億73百万円減少し96億98百万円となりました。

 当連結会計年度末における純資産の残高は、非支配株主持分が6億98百万円減少したものの、利益剰余金が12億87百万円増加したこと等から、132億円(前連結会計年度末と比較して4億55百万円増加)となりました。

 

(3) 当連結会計年度の経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度の売上高は、前期比4.1%増収の218億21百万円となりました。商品別内訳については、押出成形セメント製品関連は、主力の「アスロック」は一般建築向け高付加価値商品が伸長したこと等により、売上高は141億45百万円(前期比1.9%増加)、住宅用軽量外壁材は24億58百万円(前期比11.9%増加)となり、合計で166億4百万円(前期比3.3%増加)となりました。スレート関連はハイパート外断熱工事は伸長したものの、住宅設備市場での競争の激化等により、売上高は9億36百万円(前期比2.4%減少)となりました。そのほかの売上高については、耐火被覆等工事が増加したこと等から、売上高は42億80百万円(前期比9.0%増加)となりました。

 

(営業利益・経常利益)

 増販による増収に加え、生産性の向上、製造原価低減並びに経費削減に努めたこと等から、営業利益は前期比6億円増加の31億89百万円、経常利益は前期比5億15百万円増加の31億33百万円となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 経常利益が31億33百万円になった一方、減損損失12億94百万円、法人税等9億89百万円、非支配株主に帰属する当期純損失6億96百万円を計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比1億84百万円減少の15億15百万円となりました。なお、1株当たり当期純利益は66円45銭、自己資本利益率は12.0%となりました。

 

(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載されているとおりであります。

 

(5) 経営戦略の現状と見通し

  当社グループは、体質強化、収益拡大、飛躍成長の各戦略の着実な実行により、強固な経営基盤を築き、更にその先の未来へ向けて大きく発展する企業を目指してまいります。

 平成28年3月にホームページを全面リニューアルいたしました。当社商品の施工例を建物用途・商品名から絞り込めるなど改良しており、当社商品がどのような場所で使われているかをわかりやすくご紹介するなど、全てのコンテンツをより「見やすく」、「わかりやすく」、「探しやすい」構成・デザインに一新しました。今後も皆様にとって使いやすいホームページを目指してまいります。

 販売部門では、高層・超高層建築物外壁に要求される機能を備えた「アルカス」や、環境負荷低減をコンセプトとした「グリーンウォール」・「ソーラーウォール」の拡販を推進するとともに、現場省力化、工期短縮に寄与する商品の販売に引き続き注力し、受注数量を更に伸ばしてまいります。ボードにつきましては、内装、土木をはじめとした各市場において新規用途の開拓・提案を行い、商品開発につなげてまいります。

  生産部門では、メーカーとして総合的な技術力の発展・深耕を推進し、NNPS改善活動により各工程の情報とモノの質を向上させ、品質・コスト・納期の差別化を追求してまいります。開発部門では、市場環境の変化と多様化する顧客ニーズに対応し、安全・安心・快適性を提供できる商品構成の充実を図ってまいります。管理部門では、業務効率化、有利子負債圧縮に加え各本部と連携した効率的な資材調達によるコスト削減を推進し、財務体質及び経営基盤の強化を図ってまいります。また、投資しやすい環境を整えることを目的として、平成28年10月1日より当社株式の単元株式数の変更及び株式併合を予定しております。マインケミカル事業では、農家・農業法人との関係強化を図るとともに、培土や配合肥料等、原料用途での提案を推進し、更なる拡販につなげてまいります。海外事業では、中国大都市圏を中心とした施主・設計院への「アスロック」のPR効果が現れ、文化施設の他、民間の大規模プロジェクトに全面採用されるなど、一般建築向けの販売数量を伸ばしております。「野澤貿易(上海)有限公司」は、今後も施主・設計院のニーズを掘り起こし提案する営業をより一層推進してまいります。「野澤積水好施新型建材(瀋陽)有限公司」は、顧客の求める品質を更に追求し、コストダウンに取り組んでまいります。

 

(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

 キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載されているとおりであります。

 

(7) 経営者の問題認識と今後の方針について

 経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」及び「第2 事業の状況 7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (5)経営戦略の現状と見通し」に記載されているとおりであります。