第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、各種経済政策を背景に企業業績は緩やかに改善し、雇用情勢・個人消費にも底堅さが見られるものの、中国・新興国の景気減速懸念や欧州・米国経済の不確実性を受け、先行き不透明な状況で推移いたしました。建築材料業界におきましても、厳しい受注状況が続くなか慢性的な人手不足により建設費は依然として高止まりで推移するなど、予断を許さない状況が続いております。

 このような状況のなか、当社グループは、「やすらぎと安心の創造」のコーポレートメッセージのもと、環境負荷低減と施工現場省力化を実現し、社会に貢献する商品の拡充を図ってまいりました。

 押出成形セメント板「アスロック」の工場塗装品ラインナップに、デザインパネルのリブ凹凸を異なる色で塗り分けた業界初の工場塗装品「リブWコート」を追加、平成28年6月より発売いたしました。「アスロック」ならではのシャープなリブデザインとツートンカラーが調和しスタイリッシュな壁面を構成、単色塗装品との併用によりアクセントのあるオリジナルの壁面を表現することが可能となりました。また、屋上目隠し専用パネル「アスロックタフ」に、吸音材を内蔵した業界初となる吸遮音ビルトインタイプを平成28年9月より発売いたしました。騒音が問題となる建物屋上の屋外機械置場周りの目隠し壁として、遮音性能を有するアスロックに吸音材を組み込み、「遮音」と「吸音」という異なる性能の相乗効果で優れた遮音効果を発揮します。通常の外壁以上に過酷な条件下で使用される部材として安全にご利用いただける諸性能を兼ね備え、ビルトイン機能により省力化とコストダウンにも貢献いたします。

 販売部門では、高い耐候性と均一で美しい仕上がりを長期間維持しながら現場工期を短縮する「工場塗装品」、剥離の心配なくタイルでは表現できないシャープなタイル調仕上デザインで、経済性、施工効率や安全性の高さも評価されグッドデザイン賞を受賞した「グリッドデザインシリーズ」、技能工不足による工期遅延問題を解消する「アスロックLS工法」並びに「工場プレ加工」の販売数量を伸ばしました。

 生産部門では、NNPS(ノザワ・ニュー・プロダクション・システム)改善活動により各工程の生産性、品質を向上させ、コスト削減に取り組みました。管理部門では、システム構築による業務効率化、有利子負債圧縮により財務体質の改善に努めました。海外事業では、一般建築向け「アスロック」のデザインパネルとフラットパネルが織りなす陰影を現地設計者に高く評価され、国有企業の大型研究開発施設を受注いたしました。マインケミカル事業では、ミネラル肥料「マインマグ」の施用効果をお客様に高く評価いただき、マインマグユーザー様の食味コンクール受賞者数も前年比増加しております。また、ミネラル補給に加え春先の農作業省力化に役立つ融雪機能肥料「マインマグCb」についても、口コミやご紹介による増販等により、マインマグ販売数量は過去最高を更新いたしました。

 これらの結果、当社グループの単一の報告セグメントである建築材料関連事業の品種別売上高については、主力の押出成形セメント板「アスロック」は153億39百万円(前期比8.4%増加)、住宅用軽量外壁材は21億41百万円(前期比12.9%減少)となり、押出成形セメント製品合計では174億80百万円(前期比5.3%増加)に、耐火被覆等は18億90百万円(前期比15.0%増加)、スレート関連は8億88百万円(前期比5.2%減少)となったこと等から、当連結会計年度の売上高は231億18百万円(前期比5.9%増加)となり、6期連続の増収となりました。

 利益面については、主力である押出成形セメント製品が伸長したことに加え、生産性の向上、製造原価低減並びに経費削減に努めました結果、営業利益は33億16百万円(前期比4.0%増加)、経常利益は32億69百万円(前期比4.4%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は22億49百万円(前期比48.4%増加)と、連結業績における営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに過去最高となりました。

 

 (2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は44億97百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億81百万円増加いたしました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において、営業活動による資金の増加は21億55百万円(前連結会計年度は26億93百万円の増加)となりました。これは法人税等の支払額12億23百万円や、売上債権の増加額8億25百万円等の資金の減少要因があった一方、税金等調整前当期純利益32億40百万円や、仕入債務の増加額3億26百万円等の資金の増加要因があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において、投資活動による資金の減少は4億79百万円(前連結会計年度は4億2百万円の減少)となりました。これは有形固定資産の取得による支出4億64百万円等の資金の減少要因があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において、財務活動による資金の減少は9億83百万円(前連結会計年度は15億86百万円の減少)となりました。これは長期借入金の返済による支出5億15百万円や親会社による配当金の支払額2億94百万円等の資金の減少要因があったことによるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

当連結会計年度における単一の報告セグメントである建築材料関連事業の品種別生産実績は次のとおりである。なお、その他の事業の生産はない。

品種

 当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

  至 平成29年3月31日)

前年同期比

押出成形セメント製品

9,713,824 千円

2.9 %

スレート関連

552,587

△6.4

その他

114,169

18.0

合計

10,380,580

2.5

(注)1 金額は製造価格による。

   2 上記の金額には、消費税等は含まれていない。

 

(2)受注状況

当連結会計年度における単一の報告セグメントである建築材料関連事業のうち、工事の受注状況は次のとおりである。なお、その他の事業の受注はない。

工事別

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

押出成形セメント製品工事

1,810,582

1.5%

997,677

△7.3%

スレート工事

45,366

330.8%

29,900

14,850.0%

耐火被覆等工事

1,575,938

△14.9%

295,795

△51.5%

その他工事

327,960

△56.5%

343,910

△37.1%

合計

3,759,847

△14.6%

1,667,283

△25.3%

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれていない。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度における単一の報告セグメントである建築材料関連事業の販売実績を品種別に示すと次のとおりである。

品種

 当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

  至 平成29年3月31日)

前年同期比

押出成形セメント製品関連

17,480,849 千円

5.3 %

スレート関連

888,649

△5.2

耐火被覆等

1,890,247

15.0

その他

2,820,842

8.5

合計

23,080,590

6.0

なお、その他の事業の販売実績は、当連結会計年度37,465千円であり、前年同期比△2.5%となっている。

(注)1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりである。

相手先

前連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

積水ハウス㈱

5,256,738

24.1

4,947,449

21.4

伊藤忠建材㈱

2,644,065

12.1

3,079,252

13.3

  2 上記の金額には、消費税等は含まれていない。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

   (1) 経営方針

 当社は、「人々の生活と安全を守り、快適な住環境を創り出す部材・システムを提供し、社会の発展に貢献する」を経営の基本とし、未来に向けて常時新しい感性を持って創造・開発を行い、独自の技術を結集した世界に通ずる商品を提供し続け、株主・社員・地域への還元を継続して行い、社会と共生を図ることを経営理念として活動しております。

 

   (2) 経営戦略等

 ①建設部材・システム分野での開発型企業を目指し、建築・住宅・土木の3市場での安定的な商品供給による強固な経営基盤づくりを推進してまいります。

 

 ②技術力を背景とし、品質・納期・コストの優位性を推進するオンリーワン企業を目指してまいります。

 

 ③環境保全を主眼に置いた次世代の事業を模索し、人々にやすらぎと安心を提供し、社会に貢献する取り組みを進めてまいります。

 

   (3) 経営環境及び対処すべき課題

 わが国経済の見通しにつきましては、今後も世界経済は不透明な状況で推移すると見込まれ、それに伴う為替相場の変動懸念を反映して国内設備投資についても企業は慎重な姿勢を続けることが想定されるなど、予断を許さない状況が続くものと予想されます。

 このような状況のなか、当社グループは本年8月に創業120周年を迎えます。120年の長きにわたって存続することができたのはひとえに皆様のご支援の賜物と心より感謝いたします。大きな節目を迎えるとともに新たなスタートと位置付け、未来に向けて大きく発展する企業を目指してまいります。

 120周年を迎える本年、販売開始以来47年ぶりとなる押出成形セメント板「アスロック」の全面リニューアルを6月に行います。耐久性を飛躍的に向上させ、建物の資産価値向上、環境条件が過酷な高層建築の外装に安心してご利用いただくことが可能となる新素材「アスロックNeo」と、安全性をさらに高めた高層専用工法「アスロックNeo-HS(ハイスペック)」で、高層建築市場へ本格参入し、押出成形セメント板の市場規模拡大を図ってまいります。

 販売部門では、「アスロックNeo」「アスロックNeo-HS」の性能をPRし、中低層から超高層までの全ての市場で拡販するとともに、「アスロックLS工法」をはじめとした現場省力化・工期短縮を実現し、現場のコストダウンに貢献できる商品群の拡充を図ってまいります。ボードにつきましては、建築・土木をはじめとした各市場で、用途・システムの開発により顧客ニーズに合わせた付加価値を提案し、受注拡大に努めてまいります。生産部門では、NNPS改善活動により品質・コスト・納期の優位性を確立し、「アスロックNeo」のより高い安全性と信頼性をお客様に実感していただけるよう、当社独自の技術を発展させてまいります。開発部門では、「いつも新しいことを」の理念のもと、多様化する顧客ニーズや社会問題に対応し、お客様の安全を守り快適な住環境の提供を実現する技術革新に邁進してまいります。管理部門では、各部門と連携して業務改善を推進、資材調達においても安定供給と効率化をすすめトータルコストダウンに取り組み、問題発見解決型の人財を育成し経営基盤強化を図ってまいります。海外事業では、「野澤貿易(上海)有限公司」は、着実に増加している中国大都市圏での施工実績を利用した現場見学会で、施主へのPRを行い「アスロック」の採用につなげるとともに、鉄道関連建築需要、鉄骨造集合住宅など中国における特殊建築分野での受注に努めてまいります。「野澤積水好施新型建材(瀋陽)有限公司」は、中国顧客の求める品質・意匠に応えるとともに更なるコストダウンに取り組んでまいります。マインケミカル事業では、農作物の食味向上に貢献する肥料づくりを進めるとともに、一般園芸用途などへの展開により更なる拡販を図ってまいります。

 

 また、当社グループは、建築・住宅・土木市場の三市場での商品展開を軸として、企業体質と企業競争力を強化するために、以下の項目に重点をおき経営を進めてまいります。

 

   ① 研究開発体制の強化

  新商品開発のリードタイム短縮、新商品の市場定着及び次世代の新商品開発を目的とした技術研究体制の構築を図るとともに、環境問題や資源循環型社会に適合した建材及びシステムの研究を進めてまいります。また、技術本部内の知的財産管理室では、知的財産権の活用を推進してまいります。

 

   ② NNPS(ノザワ・ニュー・プロダクション・システム)の全社展開

  差別化の唯一の武器として、NNPS活動を全部門に展開することにより、トータルコストダウン・リードタイムの短縮を実現し、増収増益への体質改善を行うとともに、企業を担う“人”の育成を推進しています。

 

   ③ 販売体制の強化

  押出成形セメント製品関連につきましては、建設商品部・住宅建材部・建設技術部及びアルカス環境事業部並びに営業推進室の4部1室体制により市場別、商品別の責任体制を明確にし、建設商品部は、アスロックについて、地域・顧客・商品・価格別の販売戦略を基本方針とし拡販を図ってまいります。住宅建材部は、内外壁・水平部材(床・階段等)・バルコニーの隔て板・基礎等、顧客ニーズに適合した押出品及び抄造品の住宅各部位に用途拡大を展開してまいります。建設技術部は、アスロックを中心に施工品質を高める等お客様満足度向上を図ってまいります。アルカス環境事業部は、アルカス及び環境商品の施工品質向上を推進し、メーカー直工事対応商品の施工体制の構築を図ってまいります。

  肥料につきましては、マインケミカル事業部が地域別市場性、農家ニーズを踏まえた拡販と商談づくりを展開してまいります。

 

   (4) 株式会社の支配に関する基本方針について

1.当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

当社は、金融商品取引所に株式を上場している者として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大規模買付行為であっても、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、最終的には株式の大規模買付提案に応じるかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきだと考えています。
 ただし、株式の大規模買付提案の中には、たとえばステークホルダーとの良好な関係を保ち続けることができない可能性があるなど、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれのあるもの、あるいは株主の皆様が最終的な決定をされるために必要な情報が十分に提供されないものもありえます。
 そのような提案に対して、当社取締役会は、株主の皆様から負託された者の責務として、株主の皆様のために、必要な時間や情報の確保、株式の大規模買付提案者との交渉などを行う必要があると考えています。

 

 

2.当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取り組み

  当社の中長期的な経営基本戦略等当社の目標としております企業像は下記のとおりです。

① 建設部材、システム分野での開発型企業を目指し、建築・住宅・土木の3市場での安定的な商品供給による強固な経営基盤を持つ企業

② 技術力を背景とした差別化(品質・納期・コストの絶対的優位性)を推進するオンリーワン企業

③ 環境保全を主眼においた次世代の事業を模索し、人々にやすらぎと安心を提供し、社会への貢献を企業の発展と考える企業

これらを実現するため、「安全第一、法令遵守、人権尊重、環境保全」の基本原則を大前提に、当社の経営の2本柱である中長期計画、NNPS(ノザワ・ニュー・プロダクション・システム)活動を着実に実行することによって、当社のもつ経営資源を有効に活用するとともに、様々なステークホルダーとの良好な関係を継続、発展させ、当社及び当社グループ会社の企業価値及び株主共同の利益の向上に繋げられるものと考えております。

 

 

 

 3.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み

 

当社は、平成20年6月27日開催の定時株主総会において、買収防衛策の導入根拠、手続き等を定めた定款変更議案及び変更された定款に基づき当社株式等の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)(以下「本プラン」といいます。)の導入について株主の皆様のご承認をいただき、また平成29年6月29日開催の定時株主総会において本プランの継続についてご承認をいただき、現在に至っております。

本プランは、当社株式に対する買付が行われた際、買付に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保したり、株主の皆様のために買付者と交渉を行うこと等を可能とするものであり、当社の企業価値・株主共同の利益を毀損する買付等を阻止し、当社の企業価値・株主共同の利益を確保・向上させることを目的としております。

本プランにおきましては、(i)当社が発行者である株式等について、保有者の株式等保有割合が20%以上となる買付、または(ii)当社が発行者である株式等について、公開買付に係る株式等の株式等所有割合及びその特別関係者の株式等所有割合の合計が20%以上となる公開買付またはこれらに類似する行為(以下「買付等」と総称します。)を対象とします。

当社の株式等について買付等が行われる場合、当該買付等に係る買付者等には、買付等の内容の検討に必要な情報及び当該買付者等が買付等に際して本プランに定める手続きを遵守する旨の誓約文言等を記載した書面の提出を求めます。その後、買付者等から提出された情報、当社取締役会からの意見や根拠資料、当該買付等に対する代替案等が、経営陣から独立した者より構成される独立委員会に提供され、その評価、検討を経るものとします。独立委員会は、必要に応じて、外部専門家等の助言を独自に得たうえ、買付内容の評価・検討、当社取締役会の提示した代替案の検討、株主に対する情報開示等を行います。

独立委員会は、買付者等が本プランに規定する手続きを遵守しなかった場合、または買付者等の買付等の内容の検討、買付者等との協議・交渉の結果、当該買付等が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうおそれのある買付等である場合等、本プランに定める要件のいずれかに該当し、対抗措置を発動することが相当であると判断した場合には、当社取締役会に対して、対抗措置を発動すべき旨、または株主の意思を確認すべき旨を勧告します。当社取締役会は、この勧告または株主意思確認総会若しくは書面投票の決定に基づき、原則として新株予約権の無償割当ての実施を決議し、別途定める割当期日における当社の最終の株主名簿に記録された当社以外の株主に対し、その保有する当社株式1株につき新株予約権2個を上限として別途定める割合で、新株予約権を無償で割当てます。

当社取締役会は、上記取締役会決議を行った場合速やかに、当該決議の概要その他当社取締役会が適切と判断する事項について、情報開示を行います。

 

 

 4.上記取り組みに対する当社取締役会の判断及びその理由

 

上記2.に記載した基本方針の実現に資する特別な取り組みは、当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上に資する具体的方策であり、まさに当社の基本方針に沿うとともに、当社の株主共同の利益に資するものであり、また、当社の経営陣の地位の維持を目的とするものではありません。

また、本プランは、上記3.に記載のとおり、企業価値・株主共同の利益を確保・向上させる目的をもって導入されたものであり、基本方針に沿うものです。特に、本プランは、株主意思を重視するものであること、その内容として合理的な客観的発動要件が設定されていること、独立性の高い社外者によって構成される独立委員会が設置されており、本プランの発動に際しては必ず独立委員会の判断または株主意思の確認を経ることが必要とされていること、独立委員会は当社の費用で第三者専門家の助言を得ることができるとされていること、有効期間が3年間と定められたうえ、株主総会または取締役会でいつでも廃止できるとされていることなどにより、その公正性・客観性が担保されており、高度の合理性を有し、企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであって、当社の経営陣の地位の維持を目的とするものではありません。

 

4【事業等のリスク】

 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)景気変動について

 当社グループの主力製品の押出成形セメント製品は、公共投資・民間設備投資及び新設住宅着工戸数等の影響を強く受けます。公共投資の動向は、公共機関の政策によって決定され安定的に推移するとは限りません。また、経済環境が悪化し民間設備投資・住宅投資が減少した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)海外情勢について

 当社グループは海外に拠点を置く連結子会社を有しており、当該国の政治経済環境の大幅な変化、法律改正等予期しえない事象が発生した場合、その結果が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)為替変動について

 当社グループは連結財務諸表作成のため、在外連結子会社の財務諸表を円貨に換算しており、外国為替相場の変動を受け、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)原材料価格について

 当社製品の主な原料はセメントであり、また製造工程上、天然ガス・灯油・潤滑油等を使用しています。原材料及びエネルギーの価格の動向は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)貸倒リスクについて

 当社グループでは、貸倒による損失を最小限にとどめるために、与信管理に十分注意を払っています。一方、金銭債権に対し貸倒引当金を充当していますが、顧客の経営状況の悪化等により更に貸倒が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)投資有価証券について

 当社グループは、取引先及び金融機関等の株式を保有しています。今後、経済環境及びそれらの企業の収益や財政状況によって株価が変動し評価減を行う可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)販売価格の変動について

 当社グループの主力製品の押出成形セメント製品部門における売上高は全体の76%を占め、事業の中核をなしております。従って、将来において押出成形セメント製品の価格変動によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)固定資産の減損会計適用について

 資産がその収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合、その回収可能性に見合った帳簿価額に減額し減損損失としなければならず、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)退職給付債務について

 当社グループの従業員の退職給付費用及び退職給付債務は、割引率や退職率等数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。前提条件と実際の結果が異なった場合、認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。また、割引率の低下は、当社グループの財政状況と業績に影響を与える可能性があります。

 

(10)石綿による健康障害について

 当社グループは過去に石綿を事業に使用しており、石綿による健康障害に対する補償の発生や、損害賠償請求訴訟により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)品質管理について

 当社グループは品質管理には万全を期していますが、想定を超える瑕疵担保責任が発生した場合、費用が発生し当社グループ及び製品の評価を大きく毀損することとなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)災害に係るリスク

 当社グループは生産拠点、研究開発拠点、営業拠点の事業場を複数有しており、これらの拠点のいずれかに地震等の自然災害や火災等が発生した場合、その被害状況によっては当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、万一、予期しえない要因から重大な労働災害、設備事故等が発生した場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)情報漏洩に係るリスク

 当社グループは多くの重要情報や個人情報を入手することがあり、これらの情報の外部流出が起こらないよう情報セキュリティポリシーを定め、周知徹底及び運用を図っておりますが、コンピューターウィルスによる攻撃等予期せぬ要因から外部漏洩やデータの喪失が生じた場合、当社グループの社会的信用の失墜や損害賠償請求等が生じることとなり、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)偶発事象について

 予期しえない法律・規則等の改正及び訴訟等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項なし。

 

6【研究開発活動】

当社は、不燃建材メーカーとして、人々の生活と安全を守るため、快適な住環境を創り出すとともに環境負荷を低減する資材・システムを提供し、社会貢献することを理念としております。

この理念の下、研究開発活動においては、技術力を背景とした差別化技術による新素材・新工法の開発、新分野・用途開拓商品の開発、工場の生産性向上から建設現場の施工合理化に至る総合的な技術開発を実施しております。研究開発活動の中心となる研究開発部門は、技術本部の下、中長期的視野にたった研究開発活動を積極的に推進しております。また、環境問題や資源循環型社会に適合した技術開発にも注力し、原料素材のリサイクル、環境共生商品の開発にも積極的に取り組んでいます。一方、研究開発活動においては、自社開発の他、外部との連携により外部知識を取り入れた研究開発も推進しております。

当連結会計年度の研究開発費用は3億9百万円であります。

当連結会計年度における主な研究開発活動は次のとおりであります。

なお、研究開発活動はセグメント別に見ると、建築材料関連事業のみであり、その他の事業の実績はありません。

 

建築材料関連事業

(1) 押出成形セメント製品

・一般建築関連建材

主力商品である押出成形セメント板「アスロック」の耐久性を飛躍的に向上した「アスロックNeo(ネオ)」と高層建築向け工法「アスロックNeo-HS(ネオ・ハイスペック)」を開発しました。これら商品は、創業120周年の節目である平成29年度の6月から発売し、従来の「アスロック」から「アスロックNeo」への切り替えを行うとともに、高層建築向けの「アスロックNeo-HS」の発売により、低層から高層までの商品ラインナップを充実します。

押出成形セメント板「アスロック」の新たなデザインパネルとして、リブ凹凸を異なる色で塗り分ける業界初の工場塗装品「リブWコート」を開発、平成28年6月より発売しました。「リブWコート」は、アスロックならではのシャープなリブデザインとツートンカラーが調和し、スタイリッシュな壁面を実現します。

目隠し壁専用の押出成形セメント板「アスロックタフ」に、吸音材を内蔵した「アスロックタフ 吸遮音ビルトインタイプ」を開発、平成28年9月より発売しました。「アスロックタフ 吸遮音ビルトインタイプ」は、遮音性能を有する「アスロック」に吸音材を組み込むことで、「遮音性」と「吸音性」が相乗効果を発揮し、建物機械場周り等の騒音対策でワンランク上の遮音効果を実現します。さらに、ビルトイン機能と工場加工により、工期短縮・現場省力化を実現します。

一般建築向け建材では、建物デザイン、現場省力化、環境対策など市場のニーズに合わせた商品開発を実施しております。

・住宅向け建材

住宅向け建材では、居住環境の向上に向けた商品開発を実施しております。

・土木向け建材

既存商品の耐久性・施工性の向上、並びに各種インフラ整備と、工期短縮・現場省力化に対応できる土木建材の開発を実施しております。

(2) その他製品及び研究

・スレートボード

スレートボードでは、特定ユーザーのニーズに合わせて機能を特化したボードの開発を実施しております。また、既存商品の用途開拓・工法開発も合わせて進めております。

・肥料

マインマグシリーズでは、地域特産物に対する適性の向上や施用時期に応じた資材の確立を図るため、公的機関において、豆類・葉茎菜・麦の追肥に適した資材の評価を進めております。また、既存品種について細粒仕様を拡大し、水稲・野菜の苗づくりの他、野菜・果樹・芝などの生育促進、老化抑制を狙いとして、施用事例の集積を図っております。

基礎研究・応用研究

次世代の基幹商品を生み出すための素材研究、機能特化型商品開発、付加価値商品開発、製造技術開発、工法技術開発及び既存商品の品質・性能向上を目指した研究開発を技術研究所・開発部を中心として進めております。

 

当社は今後も、市場ニーズを的確に捉えた研究開発を進めてまいります。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。なお、当社グループは退職給付に係る会計処理、税効果会計、貸倒引当金等に関して、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

 

(2) 当連結会計年度の財政状態の分析

 当連結会計年度末における当社グループの流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ、現金及び預金が6億81百万円、受取手形及び売掛金が9億3百万円増加したこと等により114億51百万円(前連結会計年度末と比較して13億94百万円増加)となりました。固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ、投資有価証券が4億31百万円増加したこと等から、132億31百万円(前連結会計年度末と比較して3億90百万円増加)となりました。この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べ17億84百万円増加し246億83百万円となりました。

 当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ、短期借入金が5億59百万円減少したこと等から、51億10百万円(前連結会計年度末と比較して3億65百万円減少)となりました。固定負債の残高は、長期借入金が1億円減少したこと等から、41億18百万円(前連結会計年度末と比較して1億3百万円減少)となりました。この結果、負債の合計額は、前連結会計年度末に比べ4億69百万円減少し92億28百万円となりました。

 当連結会計年度末における純資産の残高は、利益剰余金が19億52百万円増加したこと等から、154億54百万円(前連結会計年度末と比較して22億54百万円増加)となりました。

 

(3) 当連結会計年度の経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度の売上高は、前期比5.9%増収の231億18百万円となりました。商品別内訳については、押出成形セメント製品関連は、主力の「アスロック」は一般建築向け高付加価値商品の販売数量が伸長したこと等により、売上高は153億39百万円(前期比8.4%増加)、住宅用軽量外壁材は21億41百万円(前期比12.9%減少)となり、合計で174億80百万円(前期比5.3%増加)となりました。スレート関連は住宅設備市場での競争の激化等により、売上高は8億88百万円(前期比5.2%減少)となりました。そのほかの売上高については、耐火被覆等工事が増加したこと等から、売上高は47億48百万円(前期比10.9%増加)となりました。

 

(営業利益・経常利益)

 増収に加え、生産性の向上、製造原価低減並びに経費削減に努めたこと等から、営業利益は前期比1億26百万円増加の33億16百万円、経常利益は前期比1億36百万円増加の32億69百万円となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 税金費用9億90百万円を計上した一方、経常利益が32億69百万円になったこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比7億33百万円増加の22億49百万円となりました。なお、1株当たり当期純利益は197円24銭、自己資本利益率は15.7%となりました。

 

(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載されているとおりであります。

 

(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

 キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載されているとおりであります。