文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、「人々の生活と安全を守り、快適な住環境を創り出す部材・システムを提供し、社会の発展に貢献する」を経営の基本とし、未来に向けて常時新しい感性を持って創造・開発を行い、独自の技術を結集した世界に通ずる商品を提供し続け、株主・社員・地域への還元を継続して行い、社会と共生を図ることを経営理念として活動しております。
(2) 経営戦略等
①建設部材・システム分野での開発型企業を目指し、建築・住宅・土木の3市場での安定的な商品供給による強固な経営基盤づくりを推進してまいります。
②技術力を背景とし、品質・納期・コストの優位性を推進するオンリーワン企業を目指してまいります。
③環境保全を主眼に置いた次世代の事業を模索し、人々にやすらぎと安心を提供し、社会に貢献する取り組みを進めてまいります。
(3) 経営環境及び対処すべき課題
わが国経済の見通しにつきましては、本年10月の消費増税による景気への影響、中国経済の失速懸念等、国内外に不確実性を含んでおり、今後も不透明な状況が続くと見込まれます。建築材料業界におきましても、大都市圏の再開発やインフラ等既存設備の老朽化対策など、建設需要は底堅く推移すると見込まれるものの、人手不足や建設費高騰等留意すべき問題を抱えており、予断を許さない状況が続くものと予想されます。
当社は、2018年8月1日から9月8日にかけて当社埼玉工場2号製造ラインで製造し、施工現場へ納入した一部の押出成形セメント板「アスロック」において、曲げ強度が当社の基準値を満たしていない不適合品があることが判明し、2018年12月4日及び本年1月8日にこれを公表いたしました。本件の原因は、2018年8月1日に発生した当社埼玉工場の2号製造ラインの故障による設備停止と、それに伴う製造条件の設定が不十分であったことによるものです。該当する物件の建築主様など関係各位へは個別にご説明させて頂いており、現在、お客様のご意向を踏まえ適切な処置・対応を行っております。お取引先様をはじめ、関係各位の皆様には多大なご迷惑とご心配をおかけしましたこと、心から深くおわび申し上げます。
このような状況のなか、当社はお客様の信用・信頼を取り戻すべく、質・量ともに製品の安定供給を最重要課題として取り組み、お客様をはじめステークホルダーの皆様に「やすらぎと安心」を提供する企業を目指してまいります。
製品の「質」の向上として、不適合品を二度と流出させないため、組織を改め体制を強化し、社長直轄の「品質保証部」を設置いたしました。責任をより明確にした管理体制とし、検査項目の充実、公的機関での定期的な性能評価、検査の自動化等に取り組んでまいります。加えて、「特別リスク対策部」を設置し、この度の不適合品対応を継続し、そこで得た知見をリスク対策に活用してまいります。製品の「量」の向上として、まず、埼玉工場における出荷棟新設による出荷能力アップ、工場塗装出荷能力のアップ等により、お客様の要望にお応えできる体制を構築してまいります。また、「アスロック」受注の円滑化を目的として「デリバリー統括室」を新設いたしました。納期厳守を大前提として「アスロック」を安定的に供給できる体制を構築してまいります。さらに、輸送体制の強化による「量」の向上にも取り組んでまいります。運転手不足・トラック不足への対策として、遠隔地への輸送に対し中継施設を設け、輸送を分割することで車両確保につなげてまいります。開発部門では、性能・機能・コスト等お客様のニーズに合わせた商品の開発を通じて、他社との差別化を推進します。管理部門では、人手不足や残業規制の強化等、激しさを増す経営環境に対応すべく、人員確保や業務効率化の推進、問題発見解決型の人財育成を進め、経営基盤の強化を図ってまいります。海外事業では、2018年5月に取得した押出成形セメント板としては中国国内初となる業界標準のCECS認定(工法応用技術規定)を活かして、「野澤貿易(上海)有限公司」と「野澤積水好施新型建材(瀋陽)有限公司」が連携し一般建築での拡販を図るとともに、中国で広まりつつあるプレハブ工法への参入を目指し、更なる数量拡大につなげてまいります。マインケミカル事業では、最も多くご採用いただいている水稲や、畑作品目など施用実績が充実してきた作物のPRを進め、更なる需要増を図ってまいります。また、フラノ事業所では、今後も観光スポットとして花畑の整備を行い、地域社会への貢献に取り組んでまいります。
また、2019年5月10日に、当社埼玉工場において火災が発生し、一部の有形固定資産及びたな卸資産に損害が発生いたしました。現時点においては、撤去及び復旧に係る費用並びに販売を含めた事業への影響や損害保険査定額等を合理的に見積もることは困難な状況であります。なお、埼玉工場の製造ラインにつきましては、6月25日に被災前の状態まで復旧いたしました。
また、当社グループは、建築・住宅・土木市場の三市場での商品展開を軸として、企業体質と企業競争力を強化するために、以下の項目に重点をおき経営を進めてまいります。
① 研究開発体制の強化
新商品開発のリードタイム短縮、新商品の市場定着及び次世代の新商品開発を目的とした技術研究体制の構築を図るとともに、環境問題や資源循環型社会に適合した建材及びシステムの研究を進めてまいります。また、技術本部内の知的財産管理室では、知的財産権の活用を推進してまいります。
② NNPS(ノザワ・ニュー・プロダクション・システム)の全社展開
差別化の唯一の武器として、NNPS活動を全部門に展開することにより、トータルコストダウン・リードタイムの短縮を実現し、増収増益への体質改善を行うとともに、企業を担う“人”の育成を推進しています。
③ 販売体制の強化
押出成形セメント製品関連につきましては、建設商品部・住宅建材部・建設技術部及びアルカス環境事業部並びに営業推進室の4部1室体制により市場別、商品別の責任体制を明確にし、建設商品部は、アスロックについて、地域・顧客・商品・価格別の販売戦略を基本方針とし拡販を図ってまいります。住宅建材部は、内外壁・水平部材(床・階段等)・バルコニーの隔て板・基礎等、顧客ニーズに適合した押出品及び抄造品の住宅各部位に用途拡大を展開してまいります。建設技術部は、アスロックを中心に施工品質を高める等お客様満足度向上を図ってまいります。アルカス環境事業部は、アルカス及び環境商品の施工品質向上を推進し、メーカー直工事対応商品の施工体制の構築を図ってまいります。
肥料につきましては、マインケミカル事業部が地域別市場性、農家ニーズを踏まえた拡販と商談づくりを展開してまいります。
(4) 株式会社の支配に関する基本方針について
1.当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、金融商品取引所に株式を上場している者として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大規模買付行為であっても、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、最終的には株式の大規模買付提案に応じるかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきだと考えています。
ただし、株式の大規模買付提案の中には、たとえばステークホルダーとの良好な関係を保ち続けることができない可能性があるなど、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれのあるもの、あるいは株主の皆様が最終的な決定をされるために必要な情報が十分に提供されないものもありえます。
そのような提案に対して、当社取締役会は、株主の皆様から負託された者の責務として、株主の皆様のために、必要な時間や情報の確保、株式の大規模買付提案者との交渉などを行う必要があると考えています。
2.当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取り組み
当社の中長期的な経営基本戦略等当社の目標としております企業像は下記のとおりです。
① 建設部材、システム分野での開発型企業を目指し、建築・住宅・土木の3市場での安定的な商品供給による強固な経営基盤を持つ企業
② 技術力を背景とした差別化(品質・納期・コストの絶対的優位性)を推進するオンリーワン企業
③ 環境保全を主眼においた次世代の事業を模索し、人々にやすらぎと安心を提供し、社会への貢献を企業の発展と考える企業
これらを実現するため、「安全第一、法令遵守、人権尊重、環境保全」の基本原則を大前提に、当社の経営の2本柱である中長期計画、NNPS(ノザワ・ニュー・プロダクション・システム)活動を着実に実行することによって、当社のもつ経営資源を有効に活用するとともに、様々なステークホルダーとの良好な関係を継続、発展させ、当社及び当社グループ会社の企業価値及び株主共同の利益の向上に繋げられるものと考えております。
3.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み
当社は、2008年6月27日開催の定時株主総会において、買収防衛策の導入根拠、手続き等を定めた定款変更議案及び変更された定款に基づき当社株式等の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)(以下「本プラン」といいます。)の導入について株主の皆様のご承認をいただき、また2017年6月29日開催の定時株主総会において本プランの継続についてご承認をいただき、現在に至っております。
本プランは、当社株式に対する買付が行われた際、買付に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保したり、株主の皆様のために買付者と交渉を行うこと等を可能とするものであり、当社の企業価値・株主共同の利益を毀損する買付等を阻止し、当社の企業価値・株主共同の利益を確保・向上させることを目的としております。
本プランにおきましては、(i)当社が発行者である株式等について、保有者の株式等保有割合が20%以上となる買付、または(ii)当社が発行者である株式等について、公開買付に係る株式等の株式等所有割合及びその特別関係者の株式等所有割合の合計が20%以上となる公開買付またはこれらに類似する行為(以下「買付等」と総称します。)を対象とします。
当社の株式等について買付等が行われる場合、当該買付等に係る買付者等には、買付等の内容の検討に必要な情報及び当該買付者等が買付等に際して本プランに定める手続きを遵守する旨の誓約文言等を記載した書面の提出を求めます。その後、買付者等から提出された情報、当社取締役会からの意見や根拠資料、当該買付等に対する代替案等が、経営陣から独立した者より構成される独立委員会に提供され、その評価、検討を経るものとします。独立委員会は、必要に応じて、外部専門家等の助言を独自に得たうえ、買付内容の評価・検討、当社取締役会の提示した代替案の検討、株主に対する情報開示等を行います。
独立委員会は、買付者等が本プランに規定する手続きを遵守しなかった場合、または買付者等の買付等の内容の検討、買付者等との協議・交渉の結果、当該買付等が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうおそれのある買付等である場合等、本プランに定める要件のいずれかに該当し、対抗措置を発動することが相当であると判断した場合には、当社取締役会に対して、対抗措置を発動すべき旨、または株主の意思を確認すべき旨を勧告します。当社取締役会は、この勧告または株主意思確認総会若しくは書面投票の決定に基づき、原則として新株予約権の無償割当ての実施を決議し、別途定める割当期日における当社の最終の株主名簿に記録された当社以外の株主に対し、その保有する当社株式1株につき新株予約権2個を上限として別途定める割合で、新株予約権を無償で割当てます。
当社取締役会は、上記取締役会決議を行った場合速やかに、当該決議の概要その他当社取締役会が適切と判断する事項について、情報開示を行います。
4.上記取り組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
上記2.に記載した基本方針の実現に資する特別な取り組みは、当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上に資する具体的方策であり、まさに当社の基本方針に沿うとともに、当社の株主共同の利益に資するものであり、また、当社の経営陣の地位の維持を目的とするものではありません。
また、本プランは、上記3.に記載のとおり、企業価値・株主共同の利益を確保・向上させる目的をもって導入されたものであり、基本方針に沿うものです。特に、本プランは、株主意思を重視するものであること、その内容として合理的な客観的発動要件が設定されていること、独立性の高い社外者によって構成される独立委員会が設置されており、本プランの発動に際しては必ず独立委員会の判断または株主意思の確認を経ることが必要とされていること、独立委員会は当社の費用で第三者専門家の助言を得ることができるとされていること、有効期間が3年間と定められたうえ、株主総会または取締役会でいつでも廃止できるとされていることなどにより、その公正性・客観性が担保されており、高度の合理性を有し、企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであって、当社の経営陣の地位の維持を目的とするものではありません。
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)景気変動について
当社グループの主力製品の押出成形セメント製品は、公共投資・民間設備投資及び新設住宅着工戸数等の影響を強く受けます。公共投資の動向は、公共機関の政策によって決定され安定的に推移するとは限りません。また、経済環境が悪化し民間設備投資・住宅投資が減少した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)海外情勢について
当社グループは海外に拠点を置く連結子会社を有しており、当該国の政治経済環境の大幅な変化、法律改正等予期しえない事象が発生した場合、その結果が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)為替変動について
当社グループは連結財務諸表作成のため、在外連結子会社の財務諸表を円貨に換算しており、外国為替相場の変動を受け、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)原材料価格について
当社製品の主な原料はセメントであり、また製造工程上、天然ガス・灯油・潤滑油等を使用しています。原材料及びエネルギーの価格の動向は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)貸倒リスクについて
当社グループでは、貸倒による損失を最小限にとどめるために、与信管理に十分注意を払っています。一方、金銭債権に対し貸倒引当金を充当していますが、顧客の経営状況の悪化等により更に貸倒が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)投資有価証券について
当社グループは、取引先及び金融機関等の株式を保有しています。今後、経済環境及びそれらの企業の収益や財政状況によって株価が変動し評価減を行う可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)販売価格の変動について
当社グループの主力製品の押出成形セメント製品部門における売上高は全体の77%を占め、事業の中核をなしております。従って、将来において押出成形セメント製品の価格変動によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)固定資産の減損会計適用について
資産がその収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合、その回収可能性に見合った帳簿価額に減額し減損損失としなければならず、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9)退職給付債務について
当社グループの従業員の退職給付費用及び退職給付債務は、割引率や退職率等数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。前提条件と実際の結果が異なった場合、認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。また、割引率の低下は、当社グループの財政状況と業績に影響を与える可能性があります。
(10)石綿による健康障害について
当社グループは過去に石綿を事業に使用しており、石綿による健康障害に対する補償の発生や、損害賠償請求訴訟により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)品質管理について
当社グループは品質管理には万全を期していますが、想定を超える瑕疵担保責任が発生した場合、費用が発生し当社グループ及び製品の評価を大きく毀損することとなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社が製造し施工現場へ納入した押出成形セメント板「アスロック」の一部において、製品不具合が発生し、対象となる物件への改修工事等の適切な処置・対応を行っており、本件に関する対応費用として、現時点で合理的な見積りが可能な改修費用及びその他関連する費用等について製品補償引当金を計上しております。今後の進捗により対応費用が追加で発生し当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
(12)災害に係るリスク
当社グループは生産拠点、研究開発拠点、営業拠点の事業場を複数有しており、これらの拠点のいずれかに地震等の自然災害や火災等が発生した場合、その被害状況によっては当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、万一、予期しえない要因から重大な労働災害、設備事故等が発生した場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、2019年5月10日に、当社埼玉工場において火災が発生し、一部の有形固定資産及びたな卸資産に損害が発生いたしました。現時点においては、撤去及び復旧に係る費用並びに販売を含めた事業への影響や損害保険査定額等を合理的に見積もることは困難な状況であります。
(13)情報漏洩に係るリスク
当社グループは多くの重要情報や個人情報を入手することがあり、これらの情報の外部流出が起こらないよう情報セキュリティポリシーを定め、周知徹底及び運用を図っておりますが、コンピューターウィルスによる攻撃等予期せぬ要因から外部漏洩やデータの喪失が生じた場合、当社グループの社会的信用の失墜や損害賠償請求等が生じることとなり、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(14)偶発事象について
予期しえない法律・規則等の改正及び訴訟等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業業績・雇用環境の改善を背景に、景気は緩やかな回復基調にあるものの、米中貿易摩擦に端を発する世界経済の減速などから、依然として先行き不透明な状況で推移いたしました。建築材料業界におきましては、日を追って深刻化する技能工不足や建設費高騰による建設投資の抑制懸念など、予断を許さない状況が続いております。
このような状況のなか、当社グループは、「やすらぎと安心の創造」のコーポレートメッセージのもと、環境負荷低減と施工現場省力化を実現し、社会に貢献する商品の拡充を目指してまいりました。
販売部門では、人手不足に貢献する省力化工法「アスロックLS工法」並びに「工場プレ加工」、建物の外観を美しく演出し、現場作業も短縮する「工場塗装品」の販売数量を伸ばし、「アスロック」の総販売数量は過去最高を更新しました。生産部門では、NNPS(ノザワ・ニュー・プロダクション・システム)改善活動により各工程の生産性、品質の向上に取り組み、コスト削減に努めました。管理部門では、システム構築による業務効率化、原材料の安定調達及びコストダウンに努めました。海外事業では、「アスロック」の先進的な意匠性が中国国内に着実に浸透し、大規模国際会議展示場に採用されるなど、中国における販売数量は過去最高を記録しました。マインケミカル事業では、ミネラル肥料「マインマグ」の販売数量が北海道・東日本を中心に伸びたことから、過去最高数量を更新いたしました。特に北海道では、融雪資材と肥料の撒布を省力化できる融雪兼用肥料「マインマグCb」の評価が高まったことや、麦などの畑作地域でのご採用が増加したことから、大きく販売数量を伸ばしております。また、本年度も「マインマグ」の製造拠点であるフラノ事業所の遊休地で、地元である山部商工会様のご協力を得て25,000本のひまわり畑を整備し、昨年度を上回る観光客の方に来園いただき、地域振興の一助となりました。
これらの結果、当社グループの単一の報告セグメントである建築材料関連事業の品種別売上高については、主力の押出成形セメント板「アスロック」は163億12百万円(前期比9.0%増加)、住宅用軽量外壁材は24億円(前期比3.8%増加)となり、押出成形セメント製品合計では187億13百万円(前期比8.3%増加)に、耐火被覆等は13億67百万円(前期比23.9%増加)、スレート関連は8億76百万円(前期比2.1%増加)となったこと等から、当連結会計年度の売上高は243億72百万円(前期比9.7%増加)となりました。
利益面については、「アスロック」の販売数量は過去最高を記録したものの、原材料価格・物流費・人件費の高騰などから、営業利益は23億26百万円(前期比13.6%減少)、経常利益は23億13百万円(前期比14.8%減少)となりました。また、製品補償費用を特別損失に計上したこと等から、親会社株主に帰属する当期純損失については8億92百万円(前期は18億81百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は53億93百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億75百万円増加いたしました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動による資金の増加は15億72百万円(前連結会計年度は18億57百万円の増加)となりました。これは税金等調整前当期純損失13億6百万円や、売上債権の増加額4億5百万円等の資金の減少要因があった一方、製品補償引当金の増加額21億7百万円や減価償却費5億49百万円等の資金の増加要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動による資金の減少は6億55百万円(前連結会計年度は8億71百万円の減少)となりました。これは投資有価証券の売却による収入1億37百万円があった一方、有形固定資産の取得による支出7億35百万円等の資金の減少要因があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動による資金の減少は5億21百万円(前連結会計年度は4億71百万円の減少)となりました。これは親会社による配当金の支払額5億11百万円等の資金の減少要因があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における単一の報告セグメントである建築材料関連事業の品種別生産実績は次のとおりである。なお、その他の事業の生産はない。
|
品種 |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
前年同期比 |
|
押出成形セメント製品 |
11,053,183 千円 |
5.0 % |
|
スレート関連 |
500,089 |
△1.6 |
|
その他 |
146,107 |
12.8 |
|
合計 |
11,699,380 |
4.7 |
(注)1 金額は製造価格による。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていない。
b.受注実績
当連結会計年度における単一の報告セグメントである建築材料関連事業のうち、工事の受注実績は次のとおりである。なお、その他の事業の受注はない。
|
工事別 |
受注高 (千円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (千円) |
前年同期比 (%) |
|
押出成形セメント製品工事 |
2,296,293 |
16.7% |
1,965,335 |
37.3% |
|
スレート工事 |
65,021 |
497.9% |
- |
△100.0% |
|
耐火被覆等工事 |
1,392,667 |
11.4% |
467,465 |
5.7% |
|
その他工事 |
586,437 |
△5.2% |
318,203 |
△34.5% |
|
合計 |
4,340,419 |
12.8% |
2,751,004 |
16.6% |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれていない。
c.販売実績
当連結会計年度における単一の報告セグメントである建築材料関連事業の販売実績を品種別に示すと次のとおりである。
|
品種 |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
前年同期比 |
|
押出成形セメント製品関連 |
18,713,222 千円 |
8.3 % |
|
スレート関連 |
876,045 |
2.1 |
|
耐火被覆等 |
1,367,572 |
23.9 |
|
その他 |
3,370,570 |
14.7 |
|
合計 |
24,327,411 |
9.7 |
なお、その他の事業の販売実績は、当連結会計年度45,442千円であり、前期比23.5%となっている。
(注)1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりである。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
積水ハウス㈱ |
4,959,608 |
22.3 |
4,729,703 |
19.4 |
|
伊藤忠建材㈱ |
3,425,699 |
15.4 |
3,492,323 |
14.3 |
2 上記の金額には、消費税等は含まれていない。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。なお、当社グループは退職給付に係る会計処理、税効果会計、貸倒引当金等に関して、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前期比9.7%増収の243億72百万円となりました。商品別内訳については、押出成形セメント製品関連の「アスロック」は省力化工法や工場塗装品が伸長したこと等から、販売数量が過去最高を更新し、売上高は163億12百万円(前期比9.0%増加)、住宅用軽量外壁材は24億円(前期比3.8%増加)となり、合計で187億13百万円(前期比8.3%増加)となりました。スレート関連は住宅設備市場での増販等により、売上高は8億76百万円(前期比2.1%増加)となりました。そのほかの売上高については、耐火被覆等工事が増加したこと等から、売上高は47億83百万円(前期比17.3%増加)となりました。
(営業利益・経常利益)
原材料価格・物流費・人件費の高騰などから、営業利益は前期比3億65百万円減少の23億26百万円、経常利益は前期比4億3百万円減少の23億13百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損失)
製品補償費用34億70百万円を特別損失に計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純損失は8億92百万円(前期は18億81百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。なお、1株当たり当期純損失は78円23銭となりました。
(財政状態)
当連結会計年度末における当社グループの流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ、現金及び預金が3億75百万円、受取手形及び売掛金が3億39百万円増加したこと等により130億58百万円(前連結会計年度末と比較して6億8百万円増加)となりました。固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ、投資有価証券が3億99百万円減少したものの、繰延税金資産が7億84百万円、有形固定資産が1億1百万円増加したこと等から、144億37百万円(前連結会計年度末と比較して5億13百万円増加)となりました。この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べ11億22百万円増加し274億95百万円となりました。
当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ、未払法人税等が3億19百万円減少したものの、製品補償引当金が21億7百万円、支払手形及び買掛金が5億44百万円増加したこと等から、82億円(前連結会計年度末と比較して29億13百万円増加)となりました。固定負債の残高は、長期借入金が短期への振替により2億45百万円減少したこと等から38億71百万円(前連結会計年度末と比較して2億71百万円減少)となり、この結果、負債の合計額は、前連結会計年度末に比べ26億41百万円増加し120億71百万円となりました。
当連結会計年度末における純資産の残高は、利益剰余金が14億5百万円減少したこと等から、154億23百万円(前連結会計年度末と比較して15億19百万円減少)となりました。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載されているとおりであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
a.キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ②キャッシュ・フローの状況」に記載されているとおりであります。
b.財務政策
当社グループは、主に建築材料の製造販売を行うための設備投資に必要な資金及び短期的な運転資金を必要に応じて銀行等からの借入により調達することとしています。
当連結会計年度末、1年内返済予定の長期借入金の残高は2億45百万円であります。また、資金調達の安定化、資金効率、金融収支の改善を目的として、取引金融機関と総額20億円のコミットメントライン(特定融資枠)契約を締結しておりますが、当連結会計年度末の金融機関からの借入実行残高はありません。
該当事項なし。
当社は、不燃建材メーカーとして、人々の生活と安全を守るため、快適な住環境を創り出すと共に環境負荷を低減する資材・システムを提供し、社会貢献することを理念としております。
この理念の下、研究開発活動においては、技術力を背景とした差別化技術による新素材・新工法の開発、新分野・用途開拓商品の開発、工場の生産性向上から建設現場の施工合理化に至る総合的な技術開発を実施しております。研究開発活動の中心となる研究開発部門は、技術本部の下、中長期的視野にたった研究開発活動を積極的に推進しております。また、環境問題や資源循環型社会に適合した技術開発にも注力し、原料素材のリサイクル、環境共生商品の開発にも積極的に取り組んでいます。一方、研究開発活動においては、自社開発の他、外部との連携により外部知識を取り入れた研究開発も推進しております。
当連結会計年度の研究開発費用は
当連結会計年度における主な研究開発活動は次の通りであります。
なお、研究開発活動はセグメント別に見ると、建築材料関連事業のみであり、その他の事業の実績はありません。
建築材料関連事業
(1) 押出成形セメント製品
・一般建築向け建材
主力商品である押出成形セメント板「アスロックNeo(ネオ)」では昨年度に高機能・高性能化を目的とした工法の開発が完了し、当期はそれら工法の性能品質差別化及び市場定着を目的としたフォロー開発を重点的に実施しました。この中で、高層建築向け工法「アスロックNeo-HS(ネオ・ハイスペック)」において、水密性能を5000Paにグレードアップした工法を開発、2018年10月より発売を開始しました。
さらに、人手不足に対応する更なる現場省力化を目的とする新工法の開発も実施しております。
また、建物の外観を美しく演出し、現場作業も短縮する「工場塗装品」においては、仕上り性の向上及び防汚性の向上を実現する塗膜改良開発を実施し、製品適用を行っております。
その他、一般建築向け建材では、建物デザイン、環境対策など市場のニーズに合わせた商品開発を実施しております。
・住宅向け建材
住宅向け建材では、居住環境の向上に向けた商品開発を実施しております。
・土木向け建材
各種インフラ整備と、工期短縮・現場省力化に対応できる土木建材の開発を関係会社と共同で実施しております。
(2) その他製品及び研究
・スレートボード
スレートボードでは、特定ユーザーのニーズに合わせて機能を特化したボードの開発を実施しております。また、既存商品の用途開拓・工法開発も合わせて進めております。
・肥料
マインマグシリーズでは、西日本地区の公的機関、地域農協と共同で地域性を踏まえた水稲、麦の資材試験を行い、水稲では食味向上、麦では収量アップの効果を確認、試験結果に基づく施肥を進めております。また、北海道では、馬鈴薯、長芋、豆類について、施肥効果の高い使い方も含め肥効を実証、土壌中の欠乏成分を補完した麦用資材の開発、ビートでは施用事例の集積を進め、畑作用資材として適用拡大を図っております。
・基礎研究・応用研究
次世代の基幹商品を生み出すための素材研究、機能特化型商品開発、付加価値商品開発、製造技術開発、工法技術開発及び、既存商品の品質・性能向上を目指した研究開発を技術研究所・開発部を中心として進めております。
当社は今後も、市場ニーズを的確に捉えた研究開発を進めてまいります。