第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

   (1) 経営方針

 当社は、「全員の創意で常に新しい商品を世に問い、居住空間の創造を通して21世紀を勝ち抜く企業集団を作ろう」を経営の基本とし、人々の生活と安全を守り、快適な住環境を創り出す部材・システムを提供し、社会の発展に貢献する企業を目指し、社員一人ひとりの人間性を尊重し、働きがいのある明るい職場を作り個々の能力向上を図り、未来に向けて常時新しい感性を持って創造・開発を行い、独自の技術を結集した世界に通ずる商品を提供し続け、株主・社員・地域への還元を継続して行い、社会と共生を図ることを経営理念として活動しております。

 

   (2) 目標とする企業像

 ①建設部材・システム分野での開発型企業を目指し、建築・住宅・土木の3市場での安定的な商品供給による強固な経営基盤づくりを推進してまいります。

 

 ②技術力を背景とし、品質・納期・コストの優位性を推進するオンリーワン企業を目指してまいります。

 

 ③環境保全を主眼に置いた次世代の事業を模索し、人々にやすらぎと安心を提供し、社会に貢献する取り組みを進めてまいります。

 

(3) 経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 わが国経済の見通しにつきましては、世界各国で新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が始まっているものの、社会活動全般への影響は長期に及ぶことが見込まれ、景気回復には時間を要すると予測されます。建築材料業界におきましても、景気後退の影響により建設計画の延期・中止などの民間建設投資の停滞が強く懸念されることから、先行きは厳しい状況が続くと見込まれます。

 このような状況のなか、当社は質・量ともに製品の安定供給を最重要課題として取り組み、「やすらぎと安心の創造」を提供する企業を目指してまいります。

 販売部門では、新型コロナウイルス感染症の影響により市場環境と顧客ニーズが大きく変化するなか、顧客ニーズ・建築用途に即した提案を戦略的に推進し、この変化に左右されず受注率の向上・高付加価値商品の受注増につなげ、「アスロック」の需要拡大を図ってまいります。また本年4月、顧客ニーズに合致した商品を上市することを目的として、建設商品部内にマーケティング室を新設しました。顧客ニーズの収集の強化により商品アイデアの創出を促進し、アイデアをもとに生み出された商品コンセプトを検証、顧客満足を追求してまいります。ボードにつきましては、生産部門・研究開発部門と連携して、内装・土木をはじめとした各市場において顧客ごとにカスタマイズした商品を提案し、販路開拓に努めます。生産部門では、新型コロナウイルス感染症予防の徹底、資材の安定調達による操業継続を前提として、NNPS(ノザワ・ニュー・プロダクション・システム)による改善活動を推し進め、生産工場のあるべき姿である「あらゆるムダを排除し、生産効率を上げ、高品質の製品を常時出荷できる工場」を目指し、お客様の信頼に応えてまいります。品質保証部門では、商品の製造履歴や品質記録の一元管理を実施し、お客様からの信頼向上と維持に努めます。研究開発部門では、社会全体の変化を変革の契機ととらえ、マーケティング室と連携し、先行き不透明な状況にあっても販売の新たな武器となる商品開発を通じて、社会に貢献する新商品の定期的な市場投入に取り組んでまいります。管理部門では、財務基盤の安定化により不確実性が増す経営環境に対応するとともに、システム化による業務効率向上及びコスト削減の推進、問題発見解決型の人財育成を実行し、経営基盤の維持強化を図ってまいります。マインケミカル事業では、更なる販売拡大を目指し、農家様のニーズに合わせた新商品の開発に取り組むとともに、新規開拓を推進します。海外事業につきましては、今後の市場の変化をとらえた対応を検討してまいります。

 

 中期経営計画では、2027年の創業130周年に向け、経営基盤の強化と事業の更なる発展を図るため、いつも新しいことを追求、全社三大戦略(※)を展開、全領域での差別化を推進し、2023年3月期 売上高経常利益率12%以上を目指します。

  (※)全社三大戦略:体質強化戦略、収益拡大戦略、飛躍成長戦略

 

0102010_001.png

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

 当社グループは、経営指標として、売上高経常利益率を重視しております。2023年3月期売上高経常利益率12%の達成を目指しております。

 

 

 

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。リスクが顕在化する可能性の程度や時期、顕在化した場合に当社グループの経営成績等に与える影響については、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限定されるものではありません。

 

(1)景気変動について

 当社グループの主力製品の押出成形セメント製品は、公共投資・民間設備投資及び新設住宅着工戸数等の影響を強く受けます。公共投資の動向は、公共機関の政策によって決定され安定的に推移するとは限りません。また、経済環境が悪化し民間設備投資・住宅投資が減少した場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載している方法等により対応に努めております。

 

(2)海外情勢について

 当社グループは海外に拠点を置く連結子会社を有しており、当該国の政治経済環境の大幅な変化、法律改正等予期しえない事象が発生した場合、その結果が当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)為替変動について

 当社グループは連結財務諸表作成のため、在外連結子会社の財務諸表を円貨に換算しております。外国為替相場の変動が外貨建財務諸表の円換算額に影響を与え、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)原材料価格及び調達について

 当社グループの主力製品である押出成形セメント製品の主な原材料は国内調達のセメントですが、それ以外に中国・インド等からの輸入原材料も一部使用しております。また製造工程上、天然ガス・灯油・潤滑油等を使用しております。原材料及びエネルギーの価格の動向は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、自然災害等の発生や輸入原材料の生産国の法令の変更や政情不安等により禁輸措置がとられた場合、原材料の安定的な調達が困難となり、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、必要に応じて輸入原材料について一定量を備蓄するなどし、調達に支障を来さぬよう対策を講じております。

 

(5)貸倒リスクについて

 当社グループでは、貸倒による損失を最小限にとどめるために、与信管理に十分注意を払っています。一方、金銭債権に対し貸倒引当金を充当していますが、顧客の経営状況の悪化等により更に貸倒が発生した場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、営業債権について、主要な取引先の状況を定期的にモニタリングし、取引相手ごとに期日及び残高を管理するとともに、財政状態の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図っております。

 

(6)投資有価証券について

 当社グループは、取引先及び金融機関等の株式を保有しています。今後、経済環境及びそれらの企業の収益や財政状況によって株価が変動し評価減を行う可能性があり、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、定期的に時価や発行体(取引先企業)の財務状況等を把握し、取引先企業との関係を勘案して保有状況を継続的に見直しております。

 

(7)販売数量・販売価格の変動について

 当社グループの主力製品の押出成形セメント製品部門における売上高は全体の77%を占め、事業の中核をなしております。従って、将来において押出成形セメント製品の販売数量及び価格の変動によっては、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載している方法等により対応に努めております。

(8)固定資産の減損会計適用について

 資産がその収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合、その回収可能性に見合った帳簿価額に減額し減損損失としなければならず、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載している方法等により対応に努めております。

 

(9)退職給付債務について

 当社グループの従業員の退職給付費用及び退職給付債務は、割引率や退職率等数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。前提条件と実際の結果が異なった場合、認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。また、割引率の低下は、当社グループの業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(10)繰延税金資産について

 当社グループは将来の課税所得に関する見積り・仮定に基づき繰延税金資産の回収可能性の判断を行っております。将来の課税所得については、経営環境の変化等を踏まえ適宜見直しを行っておりますが、結果として繰延税金資産の一部または全部に回収可能性がないと判断された場合、当社グループの業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(11)石綿による健康障害について

 当社グループは過去に石綿を事業に使用しており、石綿による健康障害に対する補償の発生や、損害賠償請求訴訟により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 現在、石綿含有建材にばく露して健康被害を受けたとして、建材従事者とその遺族が国及び当社を含む建材メーカーに対して損害賠償金を求める裁判が、各地の地方裁判所及び高等裁判所並びに最高裁判所において係属中であり、また、一部の案件で上告が棄却され高等裁判所判決が確定したこと等から訴訟損失引当金を計上しておりますが、今後の判決の内容により追加で費用が発生し、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 なお、本件訴訟のうち2件の訴訟に関し、2021年5月17日付で最高裁判所で判決が言い渡され、当社への請求に係る部分が高等裁判所へ差し戻されました。当社グループは本件訴訟について引き続き適切に対応してまいります。

 

(12)品質管理について

 想定を超える瑕疵担保責任が発生した場合、費用が発生し当社グループ及び製品の評価を大きく毀損することとなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、「品質保証本部」において製品・施工の品質維持向上に取り組み、顧客満足度向上に努めております。

 

(13)災害及び感染症について

 当社グループは生産拠点、研究開発拠点、営業拠点、管理部門拠点の事業所を有しております。これらの拠点で感染症の流行、地震・台風等の自然災害、設備事故や火災等、また、重大な労働災害が発生した場合には、その被害状況によっては事業活動が停止する等により、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 新型コロナウイルス感染症に関して以下の状況が発生した場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

・新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い経済活動が停滞し、建設需要が低迷した場合

・当社グループの生産拠点内で新型コロナウイルス感染症が蔓延し、生産及び出荷に支障をきたした場合

・新型コロナウイルス感染症の影響によりサプライチェーンが途絶し、販売先への製品供給が遅延、停止した場合

 当社グループは、各生産拠点において、新型コロナウイルス感染症対策に充分配慮した上で、通常生産を行っております。また、各本部、各営業拠点、国内連結子会社においては、公共交通機関利用者の時差出勤・在宅勤務等の実施により、事業活動の維持に努めております。

 

(14)情報漏洩・不正アクセス等に係るリスク

 当社グループは重要情報や個人情報を入手・使用することがありますが、自然災害・通信トラブル・コンピューターウイルスの感染・サイバー攻撃等により、情報漏洩やシステム障害が生じた場合、当社グループの社会的信用の失墜、事業活動の中断及び損害賠償請求等が生じることとなり、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、情報に対する適切なリスク管理を重要な経営課題として認知し、「情報セキュリティポリシー」を策定しております。当社グループにおいて情報を利用する当社グループの役員、社員及びその他の従業員が情報セキュリティを確保するにあたって順守すべき指針を基本方針として定めております。

 

(15)気候変動や環境について

 当社グループは、持続可能な社会への取組みに注力しています。環境に関する様々な法令規則を遵守しておりますが、法令規則や運用に関する変更が行われた場合には、法令対応に関する費用の発生や事業活動に対する制限等によって、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、「緑ゆたかな地球の再生」を目指し、積極的に取組み、社会の一員としての責務を果たしていくため、環境行動指針を制定しております。

 また、中期経営計画において「全社三大戦略プラスONE」とし、持続可能な社会の実現に向け、企業が長期的な成長を遂げるために、「環境」「社会」「企業統治」の3つの要素を考慮して経営を行う「ESG」経営への取組みを推進しております。

 

(16)偶発事象について

 予期しえない法律・規則等の改正及び訴訟等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

(経営成績)

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により極めて厳しい状況で推移しました。2020年5月の緊急事態宣言解除以降、徐々に持ち直しの動きが見られたものの、12月に入り再び感染が拡大し、企業の事業活動に大きな制約をもたらしております。建築材料業界におきましても、建設各社の業績は依然として厳しい状況にあり、当業界への波及が懸念されるなど、予断を許さない状況が続いております。

 このような状況のなか、当社グループは、「やすらぎと安心の創造」のコーポレートメッセージのもと、環境負荷低減と施工現場省力化を実現し、社会に貢献する商品の拡充を目指してまいりました。

 高い意匠性と豊富なラインアップでご好評を得ている「アスロックデザインパネル」に、新しいデザインの「ジェムロック」と「トールライン」を追加、本年3月より発売いたしました。「ジェムロック」は、リブの高さと幅に変化を持たせ同じ配列を繰り返さず、一枚のパネルのなかで不規則なランダム感を表現することで、見る角度、時間帯により壁面の陰影が幻想的に変化し、建物を表情豊かに演出します。「トールライン」は、従来製品よりもリブ形状を細く高くメリハリをつけることで日射による陰影を強調し、遠目からも建物の存在感を印象的に表現します。

 当期、販売部門では、意匠性向上と工期短縮に寄与する「工場塗装品」と「アスロックタイルパネル」、超高層の厳しい環境条件をクリアし、メンテナンスフリーと工期短縮も実現するカーテンウォール「アルカス」の販売を伸ばしました。生産部門では、生産工場の安定した操業のため、新型コロナウイルス感染症への各種予防対策を実施しました。また、NNPS(ノザワ・ニュー・プロダクション・システム)による改善活動により、生産性と品質の向上及びコストダウン並びに資材の安定調達に取り組みました。管理部門では、昨今の不透明な事業環境を踏まえ、2020年8月に40億円のコミットメントライン契約を追加で締結し経営安定化を図るとともに、システム構築・改善による業務効率化の強化、テレワーク導入等の新型コロナウイルス感染症に取り組みました。マインケミカル事業では、上期においてはコロナ感染症による農産物需要減及び長雨等による農産物の作柄への影響から、農業資材節減の動きが見られました。これにより上期のミネラル肥料「マインマグ」の販売は低迷しましたが、下期は需要が回復し増販、通期では前年を上回り「マインマグ」販売は過去最高を更新しました。海外事業では、中国国内の新型コロナウイルス感染症による経済活動停滞の影響等により、中国における「アスロック」販売は厳しい状況で推移しました。なお、中国で押出成形セメント製品の製造販売を行う連結子会社「野澤積水好施新型建材(瀋陽)有限公司」について、主たる販売製品の「住宅用軽量外壁材」の供給先の閉鎖により、その供給が見込まれなくなったことから、2020年12月に同社の解散を決議しました。

 これらの結果、当社グループの単一の報告セグメントである建築材料関連事業の品種別売上高については、主力の押出成形セメント板「アスロック」は131億18百万円(前期比3.7%増加)、住宅用高遮音床材は16億10百万円(前期比6.1%減少)、住宅用軽量外壁材は24億83百万円(前期比6.8%減少)となり、押出成形セメント製品合計では172億12百万円(前期比1.1%増加)に、耐火被覆等は11億19百万円(前期比11.9%減少)、スレート関連は7億24百万円(前期比11.4%減少)、肥料(マインマグ)は3億63百万円(前期比7.1%増加)となったこと等から、当連結会計年度の売上高は223億94百万円(前期比0.4%減少)となりました。

 利益面については、主力の押出成形セメント板「アスロック」の伸長に加え、コストダウンを推進しました結果、営業利益は18億46百万円(前期比53.7%増加)、経常利益は18億69百万円(前期比53.8%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益については12億62百万円(前期比47.7%増加)となりました。

 

(財政状態)

 当連結会計年度末における当社グループの流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ、現金及び預金が11億48百万円、受取手形及び売掛金が2億99百万円増加したこと等により125億80百万円(前連結会計年度末と比較して10億58百万円増加)となりました。固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ、投資有価証券が6億39百万円、有形固定資産が1億85百万円増加したこと等から、146億84百万円(前連結会計年度末と比較して5億77百万円増加)となりました。この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べ16億36百万円増加し272億64百万円となりました。

 当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ、火災関連損失引当金が2億77百万円減少したものの、未払法人税等が1億70百万円、流動負債のその他が2億15百万円増加したこと等から、55億34百万円(前連結会計年度末と比較して10百万円増加)となりました。固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べ、訴訟損失引当金が2億79百万円増加したこと等から46億15百万円(前連結会計年度末と比較して4億32百万円増加)となり、この結果、負債の合計額は、前連結会計年度末に比べ4億43百万円増加し101億50百万円となりました。

 当連結会計年度末における純資産の残高は、利益剰余金が9億77百万円増加したこと等から、171億14百万円(前連結会計年度末と比較して11億93百万円増加)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は59億34百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億48百万円増加いたしました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において、営業活動による資金の増加は24億10百万円(前連結会計年度は6億67百万円の増加)となりました。これは売上債権の増加額3億33百万円や、仕入債務の減少額2億99百万円等の資金の減少要因があった一方、税金等調整前当期純利益15億78百万円や減価償却費6億84百万円等の資金の増加要因があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において、投資活動による資金の減少は9億68百万円(前連結会計年度は11億40百万円の減少)となりました。これは有形固定資産の取得による支出7億58百万円等の資金の減少要因があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において、財務活動による資金の減少は2億96百万円(前連結会計年度は1億21百万円の減少)となりました。これは親会社による配当金の支払額2億85百万円等の資金の減少要因があったことによるものであります。

 

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における単一の報告セグメントである建築材料関連事業の品種別生産実績は次のとおりである。なお、その他の事業の生産はない。

品種

 当連結会計年度

(自 2020年4月1日

  至 2021年3月31日)

前年同期比

押出成形セメント製品

9,860,553 千円

△5.6 %

スレート関連

422,780

△9.5

その他

161,005

△7.2

合計

10,444,339

△5.8

(注)1 金額は製造価格による。

   2 上記の金額には、消費税等は含まれていない。

 

b.受注実績

当連結会計年度における単一の報告セグメントである建築材料関連事業のうち、工事の受注実績は次のとおりである。なお、その他の事業の受注はない。

工事別

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

押出成形セメント製品工事

1,428,585

△42.5%

1,145,194

△45.4%

スレート工事

20,625

△71.2%

4,030

53.0

耐火被覆等工事

1,382,157

△10.0%

993,271

35.9

その他工事

769,154

9.3%

380,274

3.7%

合計

3,600,521

△24.9%

2,522,771

△21.3%

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれていない。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における単一の報告セグメントである建築材料関連事業の販売実績を品種別に示すと次のとおりである。

品種

 当連結会計年度

(自 2020年4月1日

  至 2021年3月31日)

前年同期比

押出成形セメント製品関連

(内、アスロック)

(内、住宅用高遮音床材)

(内、住宅用軽量外壁材)

17,212,653 千円

(13,118,692)

(1,610,818)

(2,483,142)

1.1 %

(3.7)

(△6.1)

(△6.8)

スレート関連

724,547

△11.4

耐火被覆等

1,119,977

△11.9

肥料(マインマグ)

363,212

7.1

その他

2,923,047

△2.0

合計

22,343,437

△0.4

なお、その他の事業の販売実績は、当連結会計年度50,886千円であり、前期比13.5%となっている。

※2021年3月期有価証券報告書より、従来「その他」に含めて表示していた「肥料(マインマグ)」を区分して表示している。

(注)1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりである。

相手先

前連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

積水ハウス㈱

5,034,256

22.4

4,648,666

20.8

伊藤忠建材㈱

3,388,340

15.1

3,007,861

13.4

  2 上記の金額には、消費税等は含まれていない。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度の経営成績については、以下のとおりであります。

(売上高)

 新型コロナウイルス感染症について、国土交通省の建築着工統計調査報告では2020年度の全建築物の着工床面積が前年比10.8減少と建設計画の中止、新規建設計画減少など当該感染症の影響を受ける結果となっており、当社グループにおいても下期に入りこの影響が徐々に顕在化してまいりました。

 一般建築向け「アスロック」の販売数量は、採用率の高い宿泊関連施設、旅客運輸施設などの建設計画の中止、延期による影響をうけ、前期比3.2%減となりました。数量面では減少したものの、高付加価値商品である「工場塗装品」・「アスロックタイルパネル」や、高層建築向けの「アルカス」が伸長し、日本国内向け「アスロック」売上高は前期比5.1増となっております。なお、2020年2月に発表した日本国内向け「アスロック」の販売価格改定については下期より効果が表れ、平均アップし、上記の「アスロック」増収の一因となっております。中国における「アスロック」売上高については、新型コロナウイルス感染症の影響を受け建設現場の工期延期や計画停止が発生し、前期比50.7減となりました。住宅向け商品も住宅着工数の減少により「住宅用高遮音床材」及び「住宅用軽量外壁材」合わせて前期比2億87百万円の減収となりました。

 ミネラル肥料「マインマグ」も上期は新型コロナウイルス感染症の影響で減収となっておりましたが下期に入り回復、通期で増販となり前期比23百万円増収となりました。

 スレート関連及び耐火被覆等については、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、スレート関連は前期比92百万円減収、耐火被覆等は1億51百万円の減収となりました。

 

(営業利益・経常利益)

 工場における生産性が向上し、原料使用効率の改善や人件費低減により売上原価が減少しました。販管費については、物流費高騰が一服したこと、新型コロナウイルス感染症の影響で営業活動等へ制約を受けたこと等による諸経費減少等から、前期比4億34百万円減少し、営業利益は前期比53.7増の18億46百万円、経常利益は前期比53.8増の18億69百万円となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 火災関連損失引当金戻入益、訴訟損失を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比47.7%増の12億62百万円となりました。なお、1株当たり当期純利益は110円70銭となりました。

 

 当連結会計年度の財政状態については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析・検討内容については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

 資本の財源及び資金の流動性に係る情報については以下のとおりであります。

(財務政策)

 当社グループは、主に建築材料の製造販売を行うための設備投資に必要な資金及び短期的な運転資金を必要に応じて銀行等からの借入により調達することとしています。

 当連結会計年度末、長期借入金の残高は2億45百万円であります。また、資金調達の安定化、資金効率、金融収支の改善を目的として、取引金融機関と総額60億円のコミットメントライン(特定融資枠)契約を締結しておりますが、当連結会計年度末の金融機関からの借入実行残高はありません。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる見積り及び判断を行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

 なお、連結財務諸表の作成にあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載されているとおりであります。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載されているとおりであります。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項なし。

 

5【研究開発活動】

当社は、不燃建材メーカーとして、人々の生活と安全を守るため、快適な住環境を創り出すと共に環境負荷を低減する資材・システムを提供し、社会貢献することを理念としております。

この理念の下、研究開発活動においては、技術力を背景とした差別化技術による新素材・新工法・新デザインパネルの開発、新分野・用途開拓商品の開発、工場の生産性向上から建設現場の施工合理化に至る総合的な技術開発を実施しております。

研究開発活動の中心となる研究開発部門は、技術本部の下、中長期的視野にたった研究開発活動を積極的に推進しております。また、環境問題や資源循環型社会に適合した技術開発およびSDGに貢献する技術開発に注力し、原料素材のリサイクル、環境共生商品の開発にも積極的に取り組んでいます。一方、研究開発活動においては、自社開発の他、外部との連携により外部知識を取り入れた研究開発も推進しております。

当連結会計年度の研究開発費用は283百万円であります。

当連結会計年度における主な研究開発活動は次のとおりであります。

なお、研究開発活動はセグメント別に見ると、建築材料関連事業のみであり、その他の事業の実績はありません。

 

建築材料関連事業

(1) 押出成形セメント製品

・一般建築向け建材

主力商品である押出成形セメント板「アスロックNeo(ネオ)」では、新たなデザインパネル「ジェムロック」と「トールライン」を開発、本年3月より発売を開始しました。「ジェムロック」と「トールライン」ともに陰影による見え方の変化を生かした商品となっております。いずれも600幅モジュール・900幅モジュールを取り揃えることにより、2品種4商品の同時発売としました。

建築現場の省力化への対応では、工場プレ加工および仕上げ完成品の開発により、建設現場の作業を省略可能とする商品開発を実施しております。

また、建物の内外装を演出する、新しいデザインのパネルや新たな仕上げ方法を適用したパネル等の開発を実施しております。

・住宅向け建材

住宅向け建材では、居住環境の向上に向けた商品開発および深刻化する大工の高齢化や人手不足に対応するため、省力化に寄与する工法の開発を他社と共同で実施しております。

・土木向け建材

各種インフラ整備と、工期短縮・現場省力化に対応できる土木建材の開発を実施しております。

 

(2) その他製品及び研究

・スレートボード

スレートボードでは、特定ユーザーのニーズに合わせて機能を特化したボードの開発を実施しております。また、既存商品の用途開拓・工法開発も合わせて進めております。

・肥料

マインマグシリーズでは、各地域の農協、販売店、農業法人等と連携、地域の農産物における生育、品質、施肥に係る課題に取組みました。西日本地区では、里芋の耐病害性向上、水稲の収量、食味の増進、東日本地区では高原野菜の生育向上、夏ネギの貯蔵性改善、レンコンの秀品率向上等の効果を確認、北海道では、畑作品目(麦、ビート、芋、豆類)の施用事例を追求し、馬鈴薯の収量アップを実証、麦の前作収穫前施肥により繁忙期負荷の軽減に繋がることを把握しました。また、融雪兼用資材について、市販資材との比較を含めた施肥ほ場の調査から、改めて、施肥作業効率が高く、融雪促進に有効であることを確認しました。

基礎研究・応用研究

次世代の基幹商品を生み出すための素材研究、機能特化型商品開発、付加価値商品開発、製造技術開発、工法技術開発及び、既存商品の品質・性能向上を目指した研究開発を技術研究所・開発部を中心として進めております。

 

当社は今後も、市場ニーズを的確に捉えた研究開発を進めてまいります。