文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、「全員の創意で常に新しい商品を世に問い、居住空間の創造を通して21世紀を勝ち抜く企業集団を作ろう」を経営の基本とし、人々の生活と安全を守り、快適な住環境を創り出す部材・システムを提供し、社会の発展に貢献する企業を目指し、社員一人ひとりの人間性を尊重し、働きがいのある明るい職場を作り個々の能力向上を図り、未来に向けて常時新しい感性を持って創造・開発を行い、独自の技術を結集した世界に通ずる商品を提供し続け、株主・社員・地域への還元を継続して行い、社会と共生を図ることを経営理念として活動しております。
(2) 目標とする企業像
①建設部材・システム分野での開発型企業を目指し、建築・住宅・土木の3市場での安定的な商品供給による強固な経営基盤づくりを推進してまいります。
②技術力を背景とし、品質・納期・コストの優位性を推進するオンリーワン企業を目指してまいります。
③環境保全を主眼に置いた次世代の事業を模索し、人々にやすらぎと安心を提供し、社会に貢献する取り組みを進めてまいります。
(3) 経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
わが国経済の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の社会全般への影響は長期化の様相を呈しており、収束には相当程度の時間を要するものと予測されます。加えて、ウクライナ危機等急激に変化しつつある世界情勢の動向は経済に暗い影を落とし始めており、景気の不透明感はより一層増しております。建築材料業界におきましても、エネルギー・原材料価格の高騰による利益圧迫や、企業業績の低迷による建築需要の減衰が懸念されるなど、先行きは厳しい状況が続くと見込まれます。
このような状況のなか、当社は質・量ともに製品の安定供給を最重要課題として取り組み、「やすらぎと安心の創造」を提供する企業を目指してまいります。
販売部門では、「工場塗装品」・「アスロックタイルパネル」等、高付加価値商品の販売に重点を置くとともに、木目を転写した業界初の押出成形セメント板「ウッドデザインシリーズ 彩実・糸実」及び独自の型押し技術により竹の節を連想させる「グリッドデザインシリーズ バンブーボーダーA・B」の拡販を推進してまいります。ボードにつきましても、フレキシブルシート素地シリーズを展開し、セメント素材の質感を生かした内装仕様の販路開拓を進めていきます。生産部門では、原材料の価格高騰や調達難等のコストアップ要因が存在しておりますが、NNPS(ノザワ・ニュー・プロダクション・システム)による改善活動を推し進め、生産工場のあるべき姿である「あらゆるムダを排除し、生産効率を上げ、高品質の製品を常時出荷できる工場」を目指し、利益確保を図ってまいります。また、安定的な資材調達と操業を継続し、商品の安定供給を徹底します。品質保証部門では、品質維持管理システムの継続的改善を進め、信頼の維持・向上に注力してまいります。研究開発部門では、商品開発サイクルの短期化を図り、環境問題等社会的課題の解決に資する新商品を定期的に市場投入してまいります。管理部門では、強固な財務体質の維持とともに、創業以来の「人を大事に」の精神のもと、働き方改革に努めてまいります。マインケミカル事業では、ミネラル肥料「マインマグ」の効果のPR・販売促進を継続し、増販を図ります。
中期経営計画では、2027年の創業130周年に向け、経営基盤の強化と事業の更なる発展を図るため、いつも新しいことを追求、全社三大戦略(※)を展開、全領域での差別化を推進し、2023年3月期 売上高経常利益率12%以上を目指します。
2023年3月期につきましては、原材料・エネルギー価格高騰の影響が大きく、原価の前期比上昇幅は、原材料で16%、電力で14%、ガスで20%、それぞれ上昇すると見込まれます。この影響により通期業績予想の経常利益率は7.5%に留まっておりますが、主力の「アスロック」については、高付加価値商品である「工場塗装品」・「アスロックタイルパネル」並びに環境対応商品である「アスロックグリーンウォール」・「アスロックソーラーウォール」等の販売に重点を置くとともに、前期発売の新商品「ウッドデザインシリーズ 彩実・糸実」・「グリッドデザインシリーズ バンブーボーダーA・B」の拡販を推進してまいります。スレートについては、前期に投入した新商品「フレキシブルシート 素地シリーズ」を展開し、販路拡大を進めるとともに、肥料については、「マインマグ」の効果のPR・販売促進を継続し、増販を図ってまいります。またNNPS改善活動を全社で推し進め、コストダウンに努めることで、中期経営計画に掲げた目標「2023年3月期経常利益率12%以上」の達成に向け取り組んでまいります。
(※)全社三大戦略:体質強化戦略、収益拡大戦略、飛躍成長戦略
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループは、経営指標として、売上高経常利益率を重視しております。2023年3月期売上高経常利益率12%の達成を目指しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。リスクが顕在化する可能性の程度や時期、顕在化した場合に当社グループの経営成績等に与える影響については、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限定されるものではありません。
(1)景気変動について
当社グループの主力製品の押出成形セメント製品は、公共投資・民間設備投資及び新設住宅着工戸数等の影響を強く受けます。公共投資の動向は、公共機関の政策によって決定され安定的に推移するとは限りません。また、経済環境が悪化し民間設備投資・住宅投資が減少した場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載している方法等により対応に努めております。
(2)海外情勢について
当社グループは海外に拠点を置く連結子会社を有しており、当該国の政治経済環境の大幅な変化、法律改正等予期しえない事象が発生した場合、その結果が当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)為替変動について
当社グループは連結財務諸表作成のため、在外連結子会社の財務諸表を円貨に換算しております。外国為替相場の変動が外貨建財務諸表の円換算額に影響を与え、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)原材料価格及び調達について
当社グループの主力製品である押出成形セメント製品の主な原材料は国内調達のセメントですが、それ以外に中国・インド等からの輸入原材料も一部使用しております。また製造工程上、天然ガス・灯油・潤滑油等を使用しております。原材料及びエネルギーの価格の動向は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、自然災害等の発生や輸入原材料の生産国の法令の変更や政情不安等により禁輸措置がとられた場合、原材料の安定的な調達が困難となり、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、必要に応じて輸入原材料について一定量を備蓄するなどし、調達に支障を来さぬよう対策を講じております。また、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載している方法等により対応に努めております。
(5)貸倒リスクについて
当社グループでは、貸倒による損失を最小限にとどめるために、与信管理に十分注意を払っています。一方、金銭債権に対し貸倒引当金を充当していますが、顧客の経営状況の悪化等により更に貸倒が発生した場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、営業債権について、主要な取引先の状況を定期的にモニタリングし、取引相手ごとに期日及び残高を管理するとともに、財政状態の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図っております。
(6)投資有価証券について
当社グループは、取引先及び金融機関等の株式を保有しています。今後、経済環境及びそれらの企業の収益や財政状況によって株価が変動し評価減を行う可能性があり、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、定期的に時価や発行体(取引先企業)の財務状況等を把握し、取引先企業との関係を勘案して保有状況を継続的に見直しております。
(7)販売数量・販売価格の変動について
当社グループの主力製品の押出成形セメント製品部門における売上高は全体の79%を占め、事業の中核をなしております。従って、将来において押出成形セメント製品の販売数量及び価格の変動によっては、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載している方法等により対応に努めております。
(8)固定資産の減損会計適用について
資産がその収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合、その回収可能性に見合った帳簿価額に減額し減損損失としなければならず、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載している方法等により対応に努めております。
(9)退職給付債務について
当社グループの従業員の退職給付費用及び退職給付債務は、割引率や退職率等数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。前提条件と実際の結果が異なった場合、認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。また、割引率の低下は、当社グループの業績や財政状態に影響を与える可能性があります。
(10)繰延税金資産について
当社グループは将来の課税所得に関する見積り・仮定に基づき繰延税金資産の回収可能性の判断を行っております。将来の課税所得については、経営環境の変化等を踏まえ適宜見直しを行っておりますが、結果として繰延税金資産の一部または全部に回収可能性がないと判断された場合、当社グループの業績や財政状態に影響を与える可能性があります。
(11)石綿による健康障害について
当社グループは過去に石綿を事業に使用しており、石綿による健康障害に対する補償の発生や、損害賠償請求訴訟により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
現在、石綿含有建材にばく露して健康被害を受けたとして、建材従事者とその遺族が国及び当社を含む建材メーカーに対して損害賠償金を求める裁判が各裁判所に係属しており、現在、当社グループは損失の発生可能性が高いと認められる案件について訴訟損失引当金を計上しておりますが、今後の判決の内容により追加で費用が発生し、当社の業績に影響を与える可能性があります。
なお、本件訴訟のうち2件の訴訟に関し、2021年5月17日付で最高裁判所で判決が言い渡され、当社への請求に係る部分が高等裁判所へ差し戻されました。当社グループは本件訴訟について引き続き適切に対応してまいります。
(12)品質管理について
想定を超える瑕疵担保責任が発生した場合、費用が発生し当社グループ及び製品の評価を大きく毀損することとなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、「品質保証本部」において製品・施工の品質維持向上に取り組み、顧客満足度向上に努めております。
(13)災害及び感染症について
当社グループは生産拠点、研究開発拠点、営業拠点、管理部門拠点の事業所を有しております。これらの拠点で感染症の流行、地震・台風等の自然災害、設備事故や火災等、また、重大な労働災害が発生した場合には、その被害状況によっては事業活動が停止する等により、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
新型コロナウイルス感染症に関して以下の状況が発生した場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い経済活動が停滞し、建設需要が低迷した場合
・当社グループの生産拠点内で新型コロナウイルス感染症が蔓延し、生産及び出荷に支障をきたした場合
・新型コロナウイルス感染症の影響によりサプライチェーンが途絶し、販売先への製品供給が遅延、停止した場合
当社グループは、各生産拠点において、新型コロナウイルス感染症対策に充分配慮した上で、通常生産を行っております。また、各本部、各営業拠点、国内連結子会社においては、公共交通機関利用者の時差出勤・在宅勤務等の実施により、事業活動の維持に努めております。
(14)情報漏洩・不正アクセス等に係るリスク
当社グループは重要情報や個人情報を入手・使用することがありますが、自然災害・通信トラブル・コンピューターウイルスの感染・サイバー攻撃等により、情報漏洩やシステム障害が生じた場合、当社グループの社会的信用の失墜、事業活動の中断及び損害賠償請求等が生じることとなり、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、情報に対する適切なリスク管理を重要な経営課題として認知し、「情報セキュリティポリシー」を策定しております。当社グループにおいて情報を利用する当社グループの役員、社員及びその他の従業員が情報セキュリティを確保するにあたって順守すべき指針を基本方針として定めております。
(15)知的財産権に係るリスク
当社グループは、自社が製造する製品に関して、研究開発により様々な知的財産権を保有し、競争上の優位性を確保しております。これらの知的財産権については、厳正に管理しておりますが、万一、第三者から侵害を受けた場合、期待された収益が得られない可能性があります。また、当社グループは、他社の知的財産権を侵害しないように研究開発を行っておりますが、権利解釈の相違等により意図せず、第三者の知的財産権を侵害したとして、実施の差し止めや損害賠償の請求を受ける可能性があります。
知的財産については、知的財産管理室を開発部内に設置し、研究活動において得られた基本技術及び周辺技術(特許、実用新案登録)、デザイン(意匠登録)並びにブランド(商標登録)を事業展開に合わせて出願し、権利化を行うと共に、権利侵害等のリスク対策を含め適切な管理を実施しております。
(16)気候変動や環境について
当社グループは、持続可能な社会への取組みに注力しています。環境に関する様々な法令規則を遵守しておりますが、法令規則や運用に関する変更が行われた場合には、法令対応に関する費用の発生や事業活動に対する制限等によって、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、「緑ゆたかな地球の再生」を目指し、積極的に取組み、社会の一員としての責務を果たしていくため、環境行動指針を制定しております。
また、中期経営計画において「全社三大戦略プラスONE」とし、持続可能な社会の実現に向け、企業が長期的な成長を遂げるために、「環境」「社会」「企業統治」の3つの要素を考慮して経営を行う「ESG」経営への取組みを推進しております。
(17)偶発事象について
予期しえない法律・規則等の改正及び訴訟等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。
① 財政状態及び経営成績の状況
(経営成績)
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスに関するワクチン接種が進み景気回復に期待が持たれたものの、繰り返されるウイルスの変異と流行への対応に終始し収束の見通しは立たず、景気は依然として先行き不透明な状況で推移しました。建築材料業界におきましても、当該感染症及びロシア・ウクライナ情勢の緊迫化による、世界的なエネルギー・原材料価格高騰により予断を許さない状況が続いております。
このような状況のなか、当社グループは、「やすらぎと安心の創造」のコーポレートメッセージのもと、環境負荷低減と施工現場省力化を実現し、社会に貢献する商品の拡充を目指してまいりました。
当社の主力商品「アスロック」は2021年に発売50周年を迎えることができ、ひとえに皆様のおかげと感謝し、御礼申し上げます。これを記念して「アスロック発売50周年企画」を展開し、その第一弾として、ウッドデザインシリーズの「彩実(あやざね)」と、グリッドデザインシリーズの「バンブーボーダーA」の新商品2種を、2021年に発売しました。さらに企画第二弾としてグリッドデザイン新意匠のお客様投票を実施し、最多票を獲得した意匠「バンブーボーダーB」を本年3月に発売しました。また同時に、ウッドデザインシリーズの新商品「糸実(いとざね)」を発売、力強さと柔らかさを備えた杉の板目を再現し、深い陰影と重厚感を感じさせる「彩実」に対し、「糸実」は真っすぐ平行に流れる杉の柾目を再現し、上品な質感と落ち着きのあるデザインに仕上がっており、外壁にも間仕切りにもご利用いただけます。
当連結会計年度の「アスロック」については、意匠性向上と工期短縮に寄与する「工場塗装品」売上高は高水準を維持するなど、販売部門では高付加価値品の販売に注力しましたが、商業ビル、宿泊施設の着工の減少等により「アスロック」売上高は前期を下回る状況で推移しました。住宅用商品については高遮音床材・軽量外壁材が伸長、ボードについても内装用途の販路拡大により売上高は前期比増となりました。生産部門では、各種感染予防対策を徹底し、生産工場の安定操業に努めました。また、NNPS(ノザワ・ニュー・プロダクション・システム)による改善活動により、各工程での品質の作り込み及び設備改善を実施し、コストダウンに取り組み、連結売上原価率は前期比2.1ポイントダウンしております。管理部門では、資金の効率化・安定化を目的として、総額60億円のコミットメントライン契約を継続しました。また、2022年4月より高卒、高専卒、専門学校卒の初任給を大幅に改定し、更なる優秀な人財確保と組織活性化を図りました。マインケミカル事業では、ミネラル肥料「マインマグ」の野菜への施肥効果が認められ東北・関東地方での採用が増加しました。また、2021年5月に開設したマインマグ公式SNSの効果もあり、積雪地域で評価の高い融雪兼用肥料「マインマグCb」売上高が伸長し、「マインマグ」売上高は過去最高を更新しました。海外事業では、中国国内のコロナ感染症による景気停滞の影響等により、中国における「アスロック」販売は厳しい状況で推移しました。なお、中国の連結子会社「野澤積水好施新型建材(瀋陽)有限公司」の清算手続きを前期より進めておりましたが、2021年9月に清算が結了いたしました。
これらの結果、当社グループの単一の報告セグメントである建築材料関連事業の品種別売上高については、主力の押出成形セメント板「アスロック」は115億80百万円(前期比11.7%減少)、住宅用高遮音床材は17億79百万円(前期比10.5%増加)、住宅用軽量外壁材は28億2百万円(前期比12.8%増加)となり、押出成形セメント製品合計では161億62百万円(前期比6.1%減少)に、耐火被覆等は9億69百万円(前期比13.4%減少)、スレート関連は7億66百万円(前期比5.8%増加)、肥料(マインマグ)は3億98百万円(前期比9.8%増加)となったこと等から、当連結会計年度の売上高は205億46百万円(前期比8.3%減少)となりました。
利益面については、減収の影響があったものの、工場の生産性向上や全社的なコストダウンを推進し、売上原価及び販管費が減少したこと等により、営業利益は18億48百万円(前期比0.1%増加)、経常利益は19億87百万円(前期比6.3%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益については、中国の連結子会社清算に伴う特別損益の計上があったこと等により17億13百万円(前期比35.8%増加)となりました。
(財政状態)
当連結会計年度末における当社グループの流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ、現金及び預金が10億81百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が2億74百万円増加したこと等により136億37百万円(前連結会計年度末と比較して10億56百万円増加)となりました。固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ、投資有価証券が2億1百万円、有形固定資産が1億56百万円減少したこと等から、141億70百万円(前連結会計年度末と比較して5億14百万円減少)となりました。この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べ5億42百万円増加し278億7百万円となりました。
当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ、支払手形及び買掛金が1億65百万円、火災関連損失引当金が54百万円減少したこと等から、52億87百万円(前連結会計年度末と比較して2億47百万円減少)となりました。固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べ、長期借入金が2億45百万円減少したこと等から41億71百万円(前連結会計年度末と比較して4億43百万円減少)となり、この結果、負債の合計額は、前連結会計年度末に比べ6億91百万円減少し94億58百万円となりました。
当連結会計年度末における純資産の残高は、利益剰余金が13億68百万円増加したこと等から、183億48百万円(前連結会計年度末と比較して12億34百万円増加)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は70億16百万円となり、前連結会計年度末に比べ10億81百万円増加いたしました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動による資金の増加は21億51百万円(前連結会計年度は24億10百万円の増加)となりました。これは未払消費税等の減少額1億97百万円や仕入債務の減少額1億5百万円等の資金の減少要因があった一方、税金等調整前当期純利益22億10百万円や減価償却費7億15百万円等の資金の増加要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動による資金の減少は6億32百万円(前連結会計年度は9億68百万円の減少)となりました。これは有形固定資産の取得による支出6億48百万円等の資金の減少要因があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動による資金の減少は4億54百万円(前連結会計年度は2億96百万円の減少)となりました。これは親会社による配当金の支払額3億41百万円等の資金の減少要因があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における単一の報告セグメントである建築材料関連事業の品種別生産実績は次のとおりである。なお、その他の事業の生産はない。
|
品種 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比 |
|
押出成形セメント製品 |
9,592,120千円 |
△2.7 % |
|
スレート関連 |
462,604 |
9.4 |
|
その他 |
178,539 |
10.9 |
|
合計 |
10,233,265 |
△2.0 |
(注) 金額は製造価格による。
b.受注実績
当連結会計年度における単一の報告セグメントである建築材料関連事業のうち、工事の受注実績は次のとおりである。なお、その他の事業の受注はない。
|
工事別 |
受注高 (千円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (千円) |
前年同期比 (%) |
|
押出成形セメント製品工事 |
1,384,996 |
△3.1% |
922,894 |
△19.4% |
|
スレート工事 |
45,535 |
120.8% |
5,150 |
27.8% |
|
耐火被覆等工事 |
1,005,982 |
△27.2% |
1,029,704 |
3.7% |
|
その他工事 |
905,652 |
17.7% |
707,057 |
85.9% |
|
合計 |
3,342,165 |
△7.2% |
2,664,806 |
5.6% |
c.販売実績
当連結会計年度における単一の報告セグメントである建築材料関連事業の販売実績を品種別に示すと次のとおりである。
|
品種 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比 |
|
押出成形セメント製品関連 (内、アスロック) (内、住宅用高遮音床材) (内、住宅用軽量外壁材) |
16,162,059千円 (11,580,674) (1,779,309) (2,802,075) |
△6.1% (△11.7) (10.5) (12.8) |
|
スレート関連 |
766,903 |
5.8 |
|
耐火被覆等 |
969,549 |
△13.4 |
|
肥料(マインマグ) |
398,967 |
9.8 |
|
その他 |
2,205,895 |
△24.5 |
|
合計 |
20,503,375 |
△8.2 |
なお、その他の事業の販売実績は、当連結会計年度43,147千円であり、前期比△15.2%となっている。
(注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりである。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
積水ハウス㈱ |
4,648,666 |
20.8 |
5,170,274 |
25.2 |
|
伊藤忠建材㈱ |
3,007,861 |
13.4 |
3,090,912 |
15.0 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績については、以下のとおりであります。
(売上高)
主力の押出成形セメント製品「アスロック」については、逆風のなかでも「工場塗装品」の売上高を高水準で維持するなど高付加価値商品の販売に注力いたしましたが、宿泊施設・商業ビルの着工の低迷等により「アスロック」の売上高は前期比15億38百万円減の115億80百万円となりました。
「アスロック」売上高のうち販売・工事の内訳については、販売は前期比7億63百万円減、工事(主に子会社)は前期比7億74百万円減となっております。販売・工事ともに建設計画の中止・延期等による着工減の影響を受け、厳しい状況で推移しました。また、中国における「アスロック」販売についても、コロナ感染症による景気停滞等により厳しい状況が続きました。
住宅向けの押出成形セメント板は堅調に推移し、「住宅用高遮音床材」は前期比1億68百万円増、「住宅用軽量外壁材」は前期比3億18百万円増となり、押出成形セメント板合計では前期比10億50百万円減の161億62百万円となりました。
スレート関連は、内装用ボードで伸長したこと等から前期比42百万円増となりました。
ミネラル肥料「マインマグ」については当期も堅調に推移し、主力である「マインマグC」の野菜での採用増、積雪地方で好評の融雪兼用肥料「マインマグCb」の拡販等により前期比35百万円増となりました。
一方、子会社が行う工事「耐火被覆等」については前期比1億50百万円減となり、「アスロック」工事の大幅減とともに主な減収の要因となりました。
(営業利益・経常利益)
工場における生産性が向上し、原料使用効率の改善や人件費低減により製造原価を4%ダウンさせることができた一方、下期に入り原材料・エネルギー価格の高騰が徐々に顕在化し、改善活動によるコストダウン効果を打ち消す結果となりました。販管費については、物流費の改善等により、前期比1億45百万円減少し、営業利益は前期比0.1%増の18億48百万円、経常利益は前期比6.3%増の19億87百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
中国の連結子会社清算に伴う特別損益等を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比35.8%増の17億13百万円となりました。なお、1株当たり当期純利益は150円28銭となりました。
当連結会計年度の財政状態については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析・検討内容については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資本の財源及び資金の流動性に係る情報については以下のとおりであります。
(財務政策)
当社グループは、主に建築材料の製造販売を行うための設備投資に必要な資金及び短期的な運転資金を必要に応じて銀行等からの借入により調達することとしています。
当連結会計年度末、借入金の残高はありません。また、資金調達の安定化、資金効率、金融収支の改善を目的として、取引金融機関と総額60億円のコミットメントライン(特定融資枠)契約を締結しておりますが、当連結会計年度末の金融機関からの借入実行残高はありません。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる見積り及び判断を行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成にあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載されているとおりであります。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載されているとおりであります。
該当事項なし。
当社は、不燃建材メーカーとして、人々の生活と安全を守るため、快適な住環境を創り出すと共に環境負荷を低減する資材・システムを提供し、社会貢献することを理念としております。
この理念の下、研究開発活動においては、技術力を背景とした差別化技術による新素材・新工法・新デザインパネルの開発、新分野・用途開拓商品の開発、工場の生産性向上から建設現場の施工合理化に至る総合的な技術開発を実施しております。
研究開発活動の中心となる研究開発部門は、技術本部の下、中長期的視野にたった研究開発活動を積極的に推進しております。また、温室効果ガス排出削減などの環境問題や資源循環型社会に適合した技術開発およびSDGSに貢献する技術開発に注力し、CO2固定化技術、原料素材のリサイクル、環境共生商品の開発にも積極的に取り組んでいます。研究開発活動においては、NEDOグリーンイノベーション基金事業「CO2を用いたコンクリート等製造技術開発プロジェクト」のコンソーシアムに参画し、外部との連携により外部知識を取り入れた研究開発も推進しております。
当連結会計年度の研究開発費用は
当連結会計年度における主な研究開発活動は次のとおりであります。
なお、研究開発活動はセグメント別に見ると、建築材料関連事業のみであり、その他の事業の実績はありません。
建築材料関連事業
(1) 押出成形セメント製品
・一般建築向け建材
主力商品である押出成形セメント板「アスロックNeo(ネオ)」では、新たな木目調デザインパネル「彩実(あやざね)」と「糸実(いとざね)」を開発し、発売を開始しました。ともに実物の木目板から型取りを行う製法により、木目本来の美しさを細部にまで再現し、アスロックNeoの特長を活かした今までにないデザイン商品です。
その他に、タイル調のシャープで上質感のある意匠性を再現した「バンブーボーダー」を開発し、発売開始しています。この商品は、要望の多いボーダー調タイルをモチーフとし、竹の節を連想するランダムなグリッド割を再現しており、表層の凹凸を2色に塗り分ける工場塗装対応ができます。
環境負荷低減への対応については、カーボンネガティブコンクリート技術の活用技術開発等、新たな押出成形セメント板の研究開発に着手しています。
・住宅向け建材
住宅向け建材では、デザインニーズに合わせた商品開発および深刻化する大工の高齢化や人手不足に対応するため、省力化に寄与する新工法の開発を関係会社と共同で実施しております。
(2) その他製品及び研究
・スレートボード
スレートボードでは、素材感をそのままに活かした「素地シリーズ」を商品化し、一般市場向けに販売を開始しました。更なるシリーズ拡充のため開発を実施しております。
・肥料
マインマグシリーズでは、各地の農協、販売店、農業法人等とともに、農産物の生育、品質向上に向けた取組みを行いました。
北海道では、ニンジン用のミネラル資材として青果取扱事業者を通して道東地域の生産者に提案、秀品率の向上を確認しました。また、農業法人のニーズに基づき、麦の施肥省力化と生育増進を考えた混合肥料を試作し、試験を進めております。
東日本地区では、ネギ大産地の販売店や優れた栽培技術を持つ農業法人と連携し、ネギ用資材として生産者に推奨、根張りや秀品率の向上などの肥効事例が増え、当社資材に対する認知度アップに繋がりました。北陸地区では、有機栽培の水稲用資材として、地域農協で試験を実施、病害の軽減や収量増などの施用効果が確認されました。
・基礎研究・応用研究
次世代の基幹商品を生み出すための素材研究、機能特化型商品開発、付加価値商品開発、製造技術開発、工法技術開発及び、既存商品の品質・性能向上を目指した研究開発を技術研究所・開発部を中心として進めております。
当社は今後も、市場ニーズを的確に捉えた研究開発を進めてまいります。