当社グル-プの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、「全員の創意で常に新しい商品を世に問い、居住空間の創造を通して21世紀を勝ち抜く企業集団を作ろう」を経営の基本とし、人々の生活と安全を守り、快適な住環境を創り出す部材・システムを提供し、社会の発展に貢献する企業を目指し、社員一人ひとりの人間性を尊重し、働きがいのある明るい職場を作り個々の能力向上を図り、未来に向けて常時新しい感性を持って創造・開発を行い、独自の技術を結集した世界に通ずる商品を提供し続け、株主・社員・地域への還元を継続して行い、社会と共生を図ることを経営理念として活動しております。
(2) 目標とする企業像
①建設部材・システム分野での開発型企業を目指し、建築・住宅・土木の3市場での安定的な商品供給による強固な経営基盤づくりを推進してまいります。
②技術力を背景とし、品質・納期・コストの優位性を推進するオンリーワン企業を目指してまいります。
③環境保全を主眼に置いた次世代の事業を模索し、人々にやすらぎと安心を提供し、社会に貢献する取り組みを進めてまいります。
(3) 経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
わが国経済の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が第5類へ引き下げられ、社会経済活動の本格的な再開が期待される一方、各国で進む物価上昇や金融引き締め等の国内外の景気下振れリスクが存在しており、先行きの見通しが困難な状況で推移すると想定されます。建築材料業界におきましても、不確実性の高まる国内経済を背景として、建築需要の動向や製造資材コストの高止まり等、依然として厳しい状況が続くと見込まれます。
このような状況のなか、当社は質・量ともにお客様にご満足いただける製品の安定供給を最重要課題として取り組み、「やすらぎと安心の創造」を提供する企業を目指します。また、ESGに関する課題については、工場への太陽光パネルの増設等脱炭素社会の実現に向けた取り組みを進めるとともに、地域貢献活動や職場環境整備、コンプライアンスの強化を推進し、企業の社会的責任を果たしてまいります。
販売部門では、建築需要の低迷による競争激化が継続すると想定されるなか、競合製品との差別化を図るべく、環境対応パネルや素地ボードなど当社独自の高付加価値商品の積極的・戦略的な営業展開により、収益拡大を図ってまいります。生産部門では、原材料・エネルギーのみならずほぼ全ての製造コストが相次いで上昇し利益を圧迫するなか、資源高騰に耐えうる体制とするため、製造現場全体の人材育成を図り改善力を向上させ、利益確保につなげてまいります。また、お客様が満足する品質、他社が追随できない品質を実現できるよう技術力を向上させ、差別化を推進いたします。品質保証部門では、品質維持管理システムの継続的改善により「モノの状態の見える化」に取り組み、お客様の信頼の維持・向上に注力してまいります。研究開発部門では、商品開発サイクルの短期化を図り、顧客要望を捉えた商品をタイムリーに具現化するとともに、環境問題等社会的課題の解決に資する技術開発を進め、社会に貢献してまいります。管理部門では、厳しさを増す経営環境下において、財務基盤の安定化に継続して取り組み、働き方改革の推進や人事教育制度の刷新により、人的資源の最適化に努めて、強固な経営基盤を構築します。
中期経営計画では、2027年の創業130周年に向け、経営基盤の強化と事業の更なる発展を図るため、いつも新しいことを追求、全社三大戦略(※)を展開、全領域での差別化を推進し、2026年3月期 売上高経常利益率12%以上を目指します。
2024年3月期につきましては、当期も資源高の影響が続くことが想定されます。生産コスト上昇を踏まえた製品販売価格改定及びコストアップ抑制への取り組みにより、通期業績予想の経常利益率は前期並みの5.6%となる見込みですが、環境対応商品「アスロックグリーンウォール」、「アスロックソーラーパネル」、「フレキシブルシート素地シリーズ」など当社独自の高付加価値商品の積極的・戦略的な営業展開により、競合商品との差別化を図り、収益拡大を図ることで、中期経営計画に掲げた目標「2026年3月期経常利益率12%以上」の達成に向け取り組んでまいります。
(※)全社三大戦略:体質強化戦略、収益拡大戦略、飛躍成長戦略
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループは、経営指標として、売上高経常利益率を重視しております。2026年3月期売上高経常利益率12%の達成を目指しております。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(サステナビリティに関する考え方)
当社グループは「人々の生活と安全を守り、快適な住環境を創り出す部材とシステムを提供し、社会の発展に貢献する企業をめざす」及び「社員一人・一人の人間性を尊重し、働きがいのある明るい職場を作り、個々の能力向上を図る」の理念のもと、サプライチェーン全体における環境負荷低減に取り組むとともに、環境保全に貢献する技術開発と商品の提供を通じて、人々にやすらぎと安心を提供し、持続可能な社会の実現に努めております。また、中期経営計画では、経営基盤の強化と事業の更なる発展を図るため、常に新しいことを追求、「全社三大戦略プラスONE」を展開し、取り組んでおります。
※全社三大戦略:体質強化・収益拡大・飛躍成長
※プラスONE:持続可能な社会の実現に向け、企業が長期的な成長を遂げるために、「環境」「社会」
「企業統治」の3つの要素を考慮して経営を行う「ESG」経営への取組みを推進するもの
(1)ガバナンス
当社グループは、監査役会設置会社であり、株主総会、取締役会及び監査役会を設置しております。取締役会は、毎月1回定例又は必要に応じて臨時に開催されており、法令に定められた事項のほか経営に関する重要議案について決議しております。経営会議として社長、技術本部長、販売本部長、品質保証本部長、管理本部長を委嘱された取締役で構成された「本部長会」で業務執行状況や取締役会への付議事項を検討しております。「本部長会」で選出されたメンバーによるワーキングチームが、サステナビリティに関する活動を推進する機関として、重点課題の認識や施策の発案、その進捗状況の管理等具体的な活動を展開。審議内容は、「本部長会」に報告、会社方針案を策定の上、取締役会に上程し、十分な検討を実施した上で決定しております。気候変動対応については、環境推進室の室長に取締役を任命し、気候変動に対応する具体的施策の進捗状況を監視し、取締役会において監督しております。リスク管理については、法務・知的財産室を所管するリスク対策部の部長に取締役を任命し、事業に関するあらゆるリスク管理に対応し、取締役会において監督しております。
人的資本に関しては、社員の能力向上を図り、その能力を100%発揮して常に新しいことを追求・実践することで「やすらぎと安心の創造」を実現できると考えており、取締役管理本部長を責任者として、採用・教育・評価を行うこととしております。
(2)戦略
当社グループは、中期経営計画において、経営基盤の強化と事業の更なる発展を図るため、常に新しいことを追求、「全社三大戦略プラスONE」を展開し、全領域での差別化を推進しております。特に、「プラスONE」では、持続可能な社会の実現に向け、企業が長期的な成長を遂げるために、「環境(E)」「社会(S)」「企業統治(G)」の3つの要素を考慮して「ESG」経営に取り組んでおります。2050年カーボンニュートラルの実現を目指し、ワークライフバランスによる快適な職場環境づくり、リスクマネジメント及びコンプライアンスの徹底と積極的な開示による健全な企業経営をすすめております。
気候変動への対応については、環境管理基本方針「地球環境の保全と快適な生活環境の創造を両立する」 との方針のもと、サプライチェーン全体における環境負荷低減に取り組むとともに、環境保全に貢献する技術開発と商品の提供を通じて、持続可能な社会の実現に努めております。
「SBTイニシアチブ(Science Based Targets initiative)」の認定を取得し、2030年にはCo2排出量50%削減(2018年比)の実現に向け取り組んでおります。また、NEDOグリーンイノベーション基金事業「Co2を用いたコンクリート等製造技術開発プロジェクト」のコンソーシアムに参画し、カーボンニュートラル達成に向け、経営課題として取組んでおります。
人的資本に関しては、当社経営理念の土台に「常にあたらしいことを」と「人を大事に」があり、このうち「人を大事に」は、「およその事業の根源は人であり 外に顕れた業績は すべてその光に外ならない」という当社創業者の理念を源流(根本)としております。経営理念や目標とする企業像を実現するには、「人」であるとの創業者精神を受け継ぎ、社員の能力向上を図る人財育成を実施、その能力を100%発揮できる環境づくりとなる人事制度を構築することで企業価値向上を図ります。
人財育成方針では、社員の能力向上を目指し、従業員が満足できるスキルアップを実現させるため、能力に応じたスキルアップ教育として、階層別研修(各階層の基本的能力、知識習得へ)及び部門別研修(各部門専門的知識、技能習得へ)を実施しております。
社内環境整備方針では、社員の能力を100%発揮できる環境づくりとして、定量評価による公正な評価制度を行い、社歴に関係なく昇進昇格を可能とし、評価に見合った給与を得られることとしております。また、個性を活かして輝ける会社を目指し、中途採用者及び女性採用の比率をアップさせるとともに、外国人社員・障がい者等の多様な人財の採用をすすめております。また、ワークライフバランスの取組みとして、離職率低減、残業時間削減、働き方の多様性に対応する時差出勤制度、有給休暇及び男性育児休暇の取得推進を図っております。
(3)リスク管理
当社グループは、コーポレート・ガバナンスのもと、事業関連リスクへの対応と新たなリスク評価・対策を確実に実施すること及びコンプライアンスを徹底するため、法務・知的財産室を所管するリスク対策部を設置。部門長に取締役を任命し、リスク管理規程を定め同規定に従ったリスク管理体制を構築。また、コンプライアンス啓発・教育委員会を設置し、当社グループ全役職員に対する研修会開催、「コンプライアンス便り」の配布、「コンプライアンスマニュアル」を策定し行動規範を徹底する等、リスク及び機会について管理強化を図っております。
気候変動対応に関しては、対応遅れによる顧客離れ、製品開発遅れによる収益獲得機会の喪失、予想を超える風水害による事業活動停止、原燃料高騰や炭素税導入等によるコストアップ等、企業価値が毀損するリスクがあります。一方、気候変動に対応し、製品開発を早期に実現することにより収益拡大、ステークホルダーからの信認を獲得することで企業価値向上が図れると認識し、「プラスONE」で持続可能な社会・持続可能な企業の実現を図っております。
人的資本に関して、社員の能力の向上を図り、社員の能力を100%発揮して、常に新しいことを追求・実践することが「やすらぎと安心の創造」を実現する重要事項であると考えており、人口減少が進むなか、人財獲得の継続が困難になること、社員の離職による企業力低下が大きなリスクと考えております。社員が満足できるスキルアップ教育を実施し、社員の能力を100%発揮できる環境として、定量的評価による公正な制度を確立すること等により、リスク低減を図り、飛躍成長を遂げる礎としております。
(4)指標と目標
(気候変動対応)
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重要項目 |
取り組み内容 |
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Co2排出量削減 |
2050年カーボンニュートラル実現 2030年 Co2排出量50%削減(2018年度比) ・設備生産性の向上 ・工場内照明最新LED切替え ・太陽光発電システムの設置 ・輸送トラック積載率向上 目標:積載率90% |
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Co2排出量削減・固定化 |
・NEDOグリーンイノベーション基金事業 「Co2を用いたコンクリート等製造技術開発プロジェクト」のコンソーシアムに参画 ※「グリーンイノベーション基金事業」とは、2050年カーボンニュートラルの目標に向けて、官民で野心的かつ具体的な目標を共有した上で、これに経営課題として取り組む企業等に対して、10年間、研究開発・実証から社会実装までを継続して支援する事業のこと |
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Co2吸収 |
・当社所有地にて植林(北海道富良野55万㎡植林・緑化推進)Co2吸収 |
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重要項目 |
取り組み内容 |
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SBT認証取得 |
2030年に向けた当社の温室効果ガス削減目標がパリ協定に整合した科学的に根拠ある水準であると認められ、「SBTイニシアチブ(Science Based Targets initiative)※」の認定を取得しました。 ※SBTイニシアチブ(Science Based Targets initiative)とは、パリ協定の目標達成に向けた温室効果ガス削減シナリオと整合する科学的な目標の設定、実行を求める国際的なイニシアティブのこと |
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廃棄物量の削減 |
・不良品の低減 |
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環境問題・資源循環型社会に適合した技術開発 |
快適な住環境を創り出すと共に環境負荷を低減する資材・システムを提供し、社会貢献することを理念とし、この理念の下研究開発を実施 ・原料素材のリサイクル ・環境共生商品の開発 |
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環境商品の拡販 |
・既存環境商品(グリーンウォール・ソーラーウォール・レフスカイ)の拡販によるCo2排出削減に貢献 |
(人的資本)
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重要項目 |
取り組み内容 |
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多様性確保 |
多様な人財の採用により個性を活かして輝ける会社を目指して ・新卒、中途採用女性比率アップ 目標:女性採用比率50% ・外国人社員の採用推進 ・障がい者雇用の推進 インターンシップ、教職員の工場見学実施 |
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教育研修機会の確保 |
・NNPS(ノザワ・ニュー・プロダクション・システム)改善活動による問題発見解決型の人財教育 個人の能力に応じたスキルアップ教育 ・階層別研修(各階層の基本的能力、知識習得へ) ・部門別研修(各部門専門的知識、技能習得へ) |
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人事制度改定 |
・定量的評価による公正な評価制度 目標: ・社歴に関係なく昇進昇格 ・評価に見合った給与 |
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ワークライフバランスの推進 |
・残業時間の削減 目標:社員の残業45時間超ゼロ ・入社3年以内の退職者防止 ・離職率低減の取組み ・男性育児休暇取得推進 目標:対象者100%取得 ・有給休暇取得推進 目標:有給休暇取得率100% ・労働災害発生ゼロ ・「ひょうご仕事と生活の調和」推進企業宣言 (兵庫県内の企業がワークライフバランス向上に向け、職場環境の改善に取組むことを宣言するもの) ・「時差出勤制度」の導入 多様な働き方に対応し働きやすい職場づくり |
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労働安全の確保 |
・安全パトロール指摘事項(行動、設備、管理)が納期内で是正改善されたことを確認 ・作業者の安全作業実行度をパトロールで確認しゼロ災を達成する 目標:災害発生ゼロ ・ヒヤリハット報告、ヒヤットボックス活動推進によるリスク軽減 ・安全衛生教育(階層別教育、部門別教育) |
(企業統治)
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重要項目 |
取り組み内容 |
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ステークホルダーに向けたIR活動 |
・決算補足説明、株主通信、ホームページによるステークホルダーに向けた適切な情報開示 |
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コーポレート・ガバナンス・コードの遵守 |
・コーポレート・ガバナンス・コードのコンプライ比率アップ ・業務の適正を確保するための体制整備 ・内部統制システムによる財務情報の信頼性確保 |
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内部通報窓口の設置 |
・内部通報窓口の設置と内部通報者の保護 |
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企業リスクゼロへの取組み |
・四半期決算分析による問題発見と異常撲滅 ・臨床法務、予防法務による事業リスクゼロへの取組み ・コンプライアンス啓発・教育委員会設置 ・コンプライアンス便りによる啓蒙活動 |
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。リスクが顕在化する可能性の程度や時期、顕在化した場合に当社グループの経営成績等に与える影響については、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限定されるものではありません。
(1)景気変動について
当社グループの主力製品の押出成形セメント製品は、公共投資・民間設備投資及び新設住宅着工戸数等の影響を強く受けます。公共投資の動向は、公共機関の政策によって決定され安定的に推移するとは限りません。また、経済環境が悪化し民間設備投資・住宅投資が減少した場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載している方法等により対応に努めております。
(2)海外情勢について
当社グループは海外に拠点を置く連結子会社を有しており、当該国の政治経済環境の大幅な変化、法律改正等予期しえない事象が発生した場合、その結果が当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)為替変動について
当社グループは連結財務諸表作成のため、在外連結子会社の財務諸表を円貨に換算しております。外国為替相場の変動が外貨建財務諸表の円換算額に影響を与え、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)原材料価格及び調達について
当社グループの主力製品である押出成形セメント製品の主な原材料は国内調達のセメントですが、それ以外に中国・インド等からの輸入原材料も一部使用しております。また製造工程上、天然ガス・灯油・潤滑油等を使用しております。原材料及びエネルギーの価格の動向は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、自然災害等の発生や輸入原材料の生産国の法令の変更や政情不安等により禁輸措置がとられた場合、原材料の安定的な調達が困難となり、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、必要に応じて輸入原材料について一定量を備蓄するなどし、調達に支障を来さぬよう対策を講じております。また、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載している方法等により対応に努めております。
(5)貸倒リスクについて
当社グループでは、貸倒による損失を最小限にとどめるために、与信管理に十分注意を払っています。一方、金銭債権に対し貸倒引当金を充当していますが、顧客の経営状況の悪化等により更に貸倒が発生した場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、営業債権について、主要な取引先の状況を定期的にモニタリングし、取引相手ごとに期日及び残高を管理するとともに、財政状態の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図っております。
(6)投資有価証券について
当社グループは、取引先及び金融機関等の株式を保有しています。今後、経済環境及びそれらの企業の収益や財政状況によって株価が変動し評価減を行う可能性があり、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、定期的に時価や発行体(取引先企業)の財務状況等を把握し、取引先企業との関係を勘案して保有状況を継続的に見直しております。
(7)販売数量・販売価格の変動について
当社グループの主力製品の押出成形セメント製品部門における売上高は全体の75%を占め、事業の中核をなしております。従って、将来において押出成形セメント製品の販売数量及び価格の変動によっては、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載している方法等により対応に努めております。
(8)固定資産の減損会計適用について
資産がその収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合、その回収可能性に見合った帳簿価額に減額し減損損失としなければならず、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載している方法等により対応に努めております。
(9)退職給付債務について
当社グループの従業員の退職給付費用及び退職給付債務は、割引率や退職率等数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。前提条件と実際の結果が異なった場合、認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。また、割引率の低下は、当社グループの業績や財政状態に影響を与える可能性があります。
(10)繰延税金資産について
当社グループは将来の課税所得に関する見積り・仮定に基づき繰延税金資産の回収可能性の判断を行っております。将来の課税所得については、経営環境の変化等を踏まえ適宜見直しを行っておりますが、結果として繰延税金資産の一部または全部に回収可能性がないと判断された場合、当社グループの業績や財政状態に影響を与える可能性があります。
(11)石綿による健康障害について
当社グループは過去に石綿を事業に使用しており、石綿による健康障害に対する補償の発生や、損害賠償請求訴訟により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
現在、石綿含有建材にばく露して健康被害を受けたとして、建材従事者とその遺族が国及び当社を含む建材メーカーに対して損害賠償金を求める裁判が各裁判所に係属しており、現在、当社グループは損失の発生可能性が高いと認められる案件について訴訟損失引当金を計上しておりますが、今後の判決の内容により追加で費用が発生し、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(12)品質管理について
想定を超える瑕疵担保責任が発生した場合、費用が発生し当社グループ及び製品の評価を大きく毀損することとなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、「品質保証本部」において製品・施工の品質維持向上に取り組み、顧客満足度向上に努めております。
(13)災害及び感染症について
当社グループは生産拠点、研究開発拠点、営業拠点、管理部門拠点の事業所を有しております。これらの拠点で感染症の流行、地震・台風等の自然災害、設備事故や火災等、また、重大な労働災害が発生した場合には、その被害状況によっては事業活動が停止する等により、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
新型コロナウイルス感染症に関して以下の状況が発生した場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い経済活動が停滞し、建設需要が低迷した場合
・当社グループの生産拠点内で新型コロナウイルス感染症が蔓延し、生産及び出荷に支障をきたした場合
・新型コロナウイルス感染症の影響によりサプライチェーンが途絶し、販売先への製品供給が遅延、停止した場合
当社グループは、各生産拠点において、新型コロナウイルス感染症対策に充分配慮した上で、通常生産を行っております。また、各本部、各営業拠点、国内連結子会社においては、公共交通機関利用者の時差出勤・在宅勤務等の実施により、事業活動の維持に努めております。
(14)情報漏洩・不正アクセス等に係るリスク
当社グループは重要情報や個人情報を入手・使用することがありますが、自然災害・通信トラブル・コンピューターウイルスの感染・サイバー攻撃等により、情報漏洩やシステム障害が生じた場合、当社グループの社会的信用の失墜、事業活動の中断及び損害賠償請求等が生じることとなり、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、情報に対する適切なリスク管理を重要な経営課題として認知し、「情報セキュリティポリシー」を策定しております。当社グループにおいて情報を利用する当社グループの役員、社員及びその他の従業員が情報セキュリティを確保するにあたって順守すべき指針を基本方針として定めております。
(15)知的財産権に係るリスク
当社グループは、自社が製造する製品に関して、研究開発により様々な知的財産権を保有し、競争上の優位性を確保しております。これらの知的財産権については、厳正に管理しておりますが、万一、第三者から侵害を受けた場合、期待された収益が得られない可能性があります。また、当社グループは、他社の知的財産権を侵害しないように研究開発を行っておりますが、権利解釈の相違等により意図せず、第三者の知的財産権を侵害したとして、実施の差し止めや損害賠償の請求を受ける可能性があります。
知的財産については、知的財産管理室を開発部内に設置し、研究活動において得られた基本技術及び周辺技術(特許、実用新案登録)、デザイン(意匠登録)並びにブランド(商標登録)を事業展開に合わせて出願し、権利化を行うと共に、権利侵害等のリスク対策を含め適切な管理を実施しております。
(16)気候変動や環境について
当社グループは、持続可能な社会への取組みに注力しています。環境に関する様々な法令規則を遵守しておりますが、法令規則や運用に関する変更が行われた場合には、法令対応に関する費用の発生や事業活動に対する制限等によって、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、「緑ゆたかな地球の再生」を目指し、積極的に取組み、社会の一員としての責務を果たしていくため、環境行動指針を制定しております。
また、中期経営計画において「全社三大戦略プラスONE」とし、持続可能な社会の実現に向け、企業が長期的な成長を遂げるために、「環境」「社会」「企業統治」の3つの要素を考慮して経営を行う「ESG」経営への取組みを推進しております。
(17)偶発事象について
予期しえない法律・規則等の改正及び訴訟等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(経営成績)
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症抑制と経済活動の正常化の両立が進み、緩やかに持ち直しの動きが見られましたが、長期化するウクライナ情勢等による資源価格の上昇や、円安基調によりインフレが進行し、先行き不透明な状況で推移しました。建築材料業界におきましても、原材料・エネルギー価格の世界的な高騰は収まる気配がなく、取り巻く経営環境は厳しい状況が続いております。
このような状況のなか、当社グループは、「やすらぎと安心の創造」のコーポレートメッセージのもと、環境負荷低減と施工現場省力化を実現し社会に貢献するとともに、お客様のニーズに応える商品の拡充を図りました。
当社は、世界共通の課題である気候変動に対する取り組みとして、当社が掲げる温室効果ガス排出削減目標をSBTイニシアチブ(Science Based Targets initiative)に提出し、2022年12月にSBT認定を取得しました。この度の認定取得により、脱炭素の取り組みをより加速させ、持続可能な社会の発展に貢献してまいります。
新商品については、主力の押出成形セメント板「アスロック」のウッドデザインシリーズの第3弾として、多くのお客様からのご要望を受けて幅900mm品「旺実(おうざね)」を商品化、2022年11月より発売しました。大柄な木目柄によりダイナミックなイメージを際立たせながら、木目の美しさに細部までこだわったデザインに仕上がっております。なお、ウッドデザインシリーズについては、本年2月より全てのラインアップで工場塗装品対応が可能となり、工期短縮に貢献できるようになりました。また、業界初となるアスロックデザインパネル一体成型45度コーナー「タスロック45度コーナー」を本年1月に発売しました。製法上困難であったデザインパネル端部に45度の傾斜を施すことが可能となり、施工現場での省力化を実現します。
スレートボードについては、簡単な施工でコンクリート打放し風の内装仕上げが可能な「フレキシブルシート素地シリーズ」に、新意匠「つづれおり」と当社工場で無色の表面コーティングを施した「プレコート」をそれぞれ本年2月に発売し、ラインアップの充実を図りました。
当連結会計年度における「アスロック」の売上高は、上記のとおり積極的に新商品を投入するなど、顧客要望の実現に注力しましたが、アスロックの主要ターゲットである宿泊施設・商業ビル着工床面積の低迷が続いていること等から、前期を下回る状況で推移しました。住宅用商品については高遮音床材・軽量外壁材ともに前期比増収、スレートボードは「フレキシブルシート素地シリーズ」の拡販により売上高は増収となりました。生産部門では、資源価格高騰が続くなか、事業の収益性の維持・向上のため、NNPS(ノザワ・ニュー・プロダクション・システム)による改善活動を強化し、原材料・エネルギーの使用効率向上等コストダウン活動の推進に加え、お客様視点に立った商品品質の改善に取り組みました。管理部門では、従業員の労働意欲及び企業価値向上を目的として、従業員への譲渡制限付株式報酬制度の導入や従業員持株会制度の改定を実施しました。また、先行き不透明な経営環境を踏まえ、年間総額60億円のコミットメントライン契約を継続しました。マインケミカル事業では、本年1月開示の「弊社マインマグ製品の使用停止についてのお知らせ」のとおり、マインマグ製品の一部に法令の基準を超える石綿が含まれているおそれが高いことが判明したため、全てのマインマグ製品の出荷を停止しております。現在においても、第三者機関による検査で各製品とも法令の基準を超える石綿の含有の有無について検査を継続中ですが、お客様の安全を第一に考えて万全を期すために、在庫としてお客様がお持ちの全てのマインマグ製品について自主回収をしております。海外事業では、中国国内のコロナ禍による断続的な都市封鎖の影響等により、中国における「アスロック」販売は厳しい状況で推移しました。なお、中国で押出成形セメント製品の販売を行う連結子会社「野澤貿易(上海)有限公司」について、中国経済・建築市場の停滞による経営環境悪化を受けて、2022年9月に同社の解散を決議し、現在清算中であります。
これらの結果、当社グループの単一の報告セグメントである建築材料関連事業の品種別売上高については、主力の押出成形セメント板「アスロック」は101億19百万円(前期比12.6%減少)、住宅用高遮音床材は18億52百万円(前期比4.1%増加)、住宅用軽量外壁材は36億82百万円(前期比31.4%増加)となり、押出成形セメント製品合計では156億54百万円(前期比3.1%減少)に、耐火被覆等は16億34百万円(前期比68.6%増加)、スレート関連は8億31百万円(前期比8.5%増加)、肥料(マインマグ)は1億10百万円(前期比72.4%減少)となったこと等から、当連結会計年度の売上高は209億75百万円(前期比2.1%増加)となりました。
利益面については、原材料・エネルギー価格高騰の影響等により、営業利益は10億7百万円(前期比45.5%減少)、経常利益は11億47百万円(前期比42.3%減少)、親会社株主に帰属する当期純利益については、訴訟損失2億34百万円や製品自主回収関連費用2億4百万円を計上したこと等により4億86百万円(前期比71.6%減少)となりました。
(財政状態)
当連結会計年度末における当社グループの流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ、受取手形、売掛金及び契約資産が6億37百万円増加したこと等により143億88百万円(前連結会計年度末と比較して7億50百万円増加)となりました。固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ、有形固定資産が1億71百万円減少したこと等から、139億99百万円(前連結会計年度末と比較して1億70百万円減少)となりました。この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べ5億80百万円増加し283億87百万円となりました。
当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ、支払手形及び買掛金が4億3百万円増加したこと等から、56億62百万円(前連結会計年度末と比較して3億75百万円増加)となりました。固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べ、退職給付に係る負債が1億29百万円減少したものの、訴訟損失引当金が2億34百万円増加したこと等から42億44百万円(前連結会計年度末と比較して72百万円増加)となり、この結果、負債の合計額は、前連結会計年度末に比べ4億48百万円増加し99億6百万円となりました。
当連結会計年度末における純資産の残高は、利益剰余金が30百万円増加したこと等から、184億81百万円(前連結会計年度末と比較して1億32百万円増加)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は69億93百万円となり、前連結会計年度末に比べ22百万円減少いたしました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動による資金の増加は7億82百万円(前連結会計年度は21億51百万円の増加)となりました。これは売上債権の増加額6億75百万円等の資金の減少要因があった一方、税金等調整前当期純利益7億51百万円や減価償却費6億94百万円等の資金の増加要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動による資金の減少は3億33百万円(前連結会計年度は6億32百万円の減少)となりました。これは有形固定資産の取得による支出5億53百万円等の資金の減少要因があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動による資金の減少は4億74百万円(前連結会計年度は4億54百万円の減少)となりました。これは親会社による配当金の支払額4億54百万円等の資金の減少要因があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における単一の報告セグメントである建築材料関連事業の品種別生産実績は次のとおりです。
なお、その他の事業の生産はありません。
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品種 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前期比 |
|
押出成形セメント製品 |
10,306,848千円 |
7.5% |
|
スレート関連 |
507,513 |
9.7 |
|
その他 |
137,556 |
△23.0 |
|
合計 |
10,951,919 |
7.0 |
(注) 金額は製造価格による。
b.受注実績
当連結会計年度における単一の報告セグメントである建築材料関連事業のうち、工事の受注実績は次のとおりです。なお、その他の事業の受注はありません。
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工事別 |
受注高 (千円) |
前期比 (%) |
受注残高 (千円) |
前期比 (%) |
|
押出成形セメント製品工事 |
1,729,955 |
24.9% |
1,352,353 |
46.5% |
|
スレート工事 |
18,800 |
△58.7% |
5,177 |
0.5% |
|
耐火被覆等工事 |
1,397,533 |
38.9% |
792,954 |
△23.0% |
|
その他工事 |
924,484 |
2.1% |
772,877 |
9.3% |
|
合計 |
4,070,772 |
21.8% |
2,923,364 |
9.7% |
c.販売実績
当連結会計年度における単一の報告セグメントである建築材料関連事業の販売実績を品種別に示すと次のとおりである。
|
品種 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前期比 |
|
押出成形セメント製品関連 (内、アスロック) (内、住宅用高遮音床材) (内、住宅用軽量外壁材) |
15,654,067千円 (10,119,709) (1,852,201) (3,682,156) |
△3.1% (△12.6) (4.1) (31.4) |
|
スレート関連 |
831,862 |
8.5 |
|
耐火被覆等 |
1,634,283 |
68.6 |
|
肥料(マインマグ) |
110,274 |
△72.4 |
|
その他 |
2,704,278 |
22.6 |
|
合計 |
20,934,766 |
2.1 |
なお、その他の事業の販売実績は、当連結会計年度40,851千円であり、前期比△5.3%となっております。
(注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりである。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
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|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
積水ハウス㈱ |
5,170,274 |
25.2 |
6,142,239 |
29.3 |
|
伊藤忠建材㈱ |
3,090,912 |
15.0 |
2,917,189 |
13.9 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績については、以下のとおりであります。
(売上高)
主力の一般建築向けの押出成形セメント製品「アスロック」については、ウッドデザインシリーズの出荷が伸長しましたが、主要ターゲットである宿泊施設・商業ビルの着工床面積の低迷等により「アスロック」の売上高は前期比14億60百万円減の101億19百万円となりました。
スレート関連は、内装用素地ボードが前期比増となったこと等から前期比64百万円増となりました。
工事については、耐火被覆工事やALC工事が伸びて、前期比6億12百万円増となりました。
なお、肥料(マインマグ)については、本年1月開示の「弊社マインマグ製品の使用停止についてのお知らせ」のとおり、マインマグ製品の一部に法令の基準を超える石綿が含まれているおそれが高いことが判明したため、判明以降全てのマインマグ製品の出荷を停止いたしました。お客様の安全を第一に考えて万全を期すために、マインマグ製品の自主回収をさせて頂いており、これらのことから、マインマグ売上高は前期比2億88百万円減となりました。
(営業利益・経常利益)
前期より徐々に顕在化してきた原材料・エネルギー価格の高騰は当期に入りさらに上昇し、大きな影響を与えました。これら高騰に耐えうる体質とすべく、工場でのNNPS(ノザワ・ニュー・プロダクション・システム)改善活動によるコストダウンをさらに展開し、その効果として1.8億円ありました。製品値上げについても、押出成形セメント製品平均で3.8%アップし、約3億円の増益要因となっております。しかし、原材料・エネルギー価格は異常な勢いで価格が上昇しました。各要素の前期比上昇率は原材料で平均15%、ガスで63%、電力で55%、それぞれ上昇し、9.5億円の減益となりました。また、前述のとおり宿泊施設・商業ビル着工床面積の低迷等による販売数量の減少で3.8億円の減益となり、原材料・エネルギー価格上昇による影響と合わせ、前期比減益の主要因となっております。工事についても、競争激化によりノザワ商事の工事利益率が低迷し、1.2億円の減益となりました。
販管費については、運送費値上げを受け、顧客から受け取る運賃を一部値上げなど物流費の抑制を図ったこと等により、前期比1億93百万円減少の47億28百万円となりました。なお、売上高比販管費率については1.5ptダウンの22.5%となっております。これらのことから営業利益は前期比8億41百万円減少の10億7百万円となりました。
営業外収支については、前期に為替差益41百万円の計上があったことの反動等があった一方、受取配当金の増加や営業外費用の減少があったため、前期比1百万円の増加となりました。経常利益は、営業減益にこの営業外収支の増加を加味し、前期比8億40百万円減益の11億47百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
特別利益は前期比2億2百万円減少の1億51百万円となりました。投資有価証券売却益が前期比1億32百万円増加した一方、前期は為替換算調整勘定取崩益2億61百万円、製品補償引当金戻入益20百万円、火災関連損失引当金戻入益54百万円の計上があったこと等によります。特別損失は前期比4億15百万円増加の5億47百万円となりました。当期に訴訟損失2億34百万円、製品自主回収関連費用2億4百万円、関係会社清算損失36百万円を計上したこと等によります。これらに税金費用を加味し、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比12億26百万円減益の4億86百万円となりました。
当連結会計年度の財政状態については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資本の財源及び資金の流動性に係る情報については以下のとおりであります。
(財務政策)
当社グループは、主に建築材料の製造販売を行うための設備投資に必要な資金及び短期的な運転資金を必要に応じて銀行等からの借入により調達することとしています。
当連結会計年度末、借入金の残高はありません。また、資金調達の安定化、資金効率、金融収支の改善を目的として、取引金融機関と総額60億円のコミットメントライン(特定融資枠)契約を締結しておりますが、当連結会計年度末の金融機関からの借入実行残高はありません。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる見積り及び判断を行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成にあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載されているとおりであります。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載されているとおりであります。
該当事項はありません。
当社は、不燃建材メーカーとして、人々の生活と安全を守るため、快適な住環境を創り出すと共に環境負荷を低減する資材・システムを提供し、社会貢献することを理念としております。
この理念の下、研究開発活動においては、技術力を背景とした新素材・新工法・新デザインパネルの開発、カーボンニュートラル社会の実現に向けたCO2吸収型押出成形セメント板の開発、労働人口の減少を考慮した現場施工省力化対応など、総合的な技術開発を実施しております。
研究開発活動の中心となる研究開発部門は、技術本部の下、中長期的視野にたった活動を積極的に推進しております。また2022年度から国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「グリーンイノベーション基金事業/CO2 を用いたコンクリート等製造技術開発プロジェクト」を実施するコンソーシアム「CUCO(クーコ)」に参画し、外部との連携による研究開発により2030年を目標にCO2吸収型押出成形セメント板を量産化できる製造技術の確立を目指しております。
当連結会計年度の研究開発費用は
当連結会計年度における主な研究開発活動は次のとおりであります。
なお、研究開発活動はセグメント別に見ると、建築材料関連事業のみであり、その他の事業の実績はありません。
建築材料関連事業
(1) 押出成形セメント製品
・一般建築向け建材
主力商品である押出成形セメント板「アスロックNeo(ネオ)」では、木目調デザインパネルのワイド商品(幅900㎜)となる「旺実(おうざね)」を開発し、発売を開始しました。大柄な木目柄によりダイナミックなイメージを際立たせ、木目の美しさに細部までこだわったデザイン商品で好評を得ております。
また、木目調デザインパネルは全て工場塗装品による対応が可能となり、現場の塗装工事が不要化されることによる施工省力化と環境負荷低減を実現しました。
カーボンニュートラル社会の実現に向けた商品としては、AGC株式会社と協同して建物の外壁で発電を可能とする「アスロックレールファスナー太陽光パネル設置工法」を開発し、商業ビルや事務所建築などへ試験販売を開始しました。また、本商品はビル建築におけるエネルギー自給率の向上を実現するものでもあります。
その他に、アスロック発売50周年記念企画にご応募いただいた“お客様の声”を実現させた「ダブルフラットシリーズ」の発売を開始しました。この商品はパネル面幅すべてがリブ形状となった表基材厚さ2倍(ダブル)のフラットパネルです。通常の厚60㎜フラットパネルと組み合わせることで壁面段差を意匠化する新たな発想のデザイン商品です。
・住宅向け建材
住宅向け建材では、デザインニーズに合わせた商品開発及び深刻化する大工の高齢化や人手不足に対応するため、省力化に寄与する新工法の開発を他社と共同で実施しております。
(2) その他製品及び研究
・スレートボード
スレートボードでは、材料が持つ素材感をそのままに活かした「素地シリーズ」のバリエーションとして、表面保護を施した「プレコート」及びボードの表面に帯状の短冊で綴った模様をボード素材自身で表現した「つづれおり」を開発し、発売開始しました。
・基礎研究・応用研究
次世代の基幹商品を生み出す素材研究、また既存商品の品質・性能向上を目指した研究開発、及び外部との連携による開発を技術研究所・開発部を中心として進めております。
当社は今後も、市場ニーズを的確に捉えた研究開発を進めてまいります。