第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

  ①経営成績

 当中間連結会計期間におけるわが国経済は、コロナ禍後の入国制限の緩和や急激な円安によるインバウンド需要の拡大傾向等により景気は緩やかに回復しておりますが、緊迫度を増す世界情勢や株価・為替相場の歴史的な急落と急騰など、社会経済情勢はますます不透明な状況で推移しました。建築材料業界におきましても、物流業界や建設業界におけるいわゆる2024年問題の影響や、技能工不足を背景とした建築コスト上昇による建築需要の減退等、厳しい状況が続くものと思われます。

 このような状況のなか、当社グループは、「安らぎと安心の創造」のコーポレートメッセージのもと、お客様のニーズの多様化や、デザイン志向の広がりに対応した商品の拡充を図りました。

 新商品については、主力の押出成形セメント板「アスロック」に新たなデザインパネル「ドミノラインS」を本年5月に投入しました。「ドミノラインS」は、リブの片側をドミノが倒れていくようにだんだんと傾斜させたデザインパネルで、均一なデザイン性とグラデーション効果を持ち、建物の外観に印象深い陰影を与えます。当商品はデザインパネルのロングセラー「ストライプライン」のリブを改良したものですが、2023年11月に発売したタスロック由来の「ドミノラインT」も含め、55種類のデザインパネルやフラットパネルと組み合わせて、独創的な壁面を構成できます。

 販売部門では、「アスロック」の高付加価値商品の拡販を推進し、現場塗装では難しいとされるメタリック塗装でシャープさと重厚感を表現する「カラーフロンメタリック」の販売が伸長しましたが、建築需要は当中間連結会計期間においても低迷が続いており、「アスロック」売上高は前年同期を下回る結果となりました。また、住宅向け商品については、高遮音床材・軽量外壁材ともに堅調に推移し、前期比増収となりました。スレートボードは、簡単な施工でコンクリート打放し風の仕上げが可能な内装用ボード「フレキシブルシート素地シリーズ」が増販となりましたが、その他のボードが減少し、スレートボード全体では減収となりました。生産部門では、NNPS(ノザワ・ニュー・プロダクション・システム)改善活動により、外注費削減を目的に人員配置の見直しや手作業工程の機械化に取り組むとともに、2024年物流問題への対策として、輸送基地設置による2次配送の実施、海上輸送経路の開拓、受付から出荷までの各工程の運送会社との情報共有等により、トラックドライバーの残業規制、荷待ち時間の規制への対応に注力しました。品質保証部門では、品質検査自動化システムの構築や定期的な内部監査の実施により、各種法令・規則への適合及びお客様の要求事項を満たす製品提供に努めました。管理部門では、2年連続ベースアップを実施し、従業員エンゲージメントの向上を図るとともに、神戸市内の奨学金受給の学生に「神戸ポートタワー」チケットを贈呈するなど社会貢献活動にも取り組みました。

 これらの結果、当社グループの単一の報告セグメントである建築材料関連事業の品種別売上高については、主力の押出成形セメント板「アスロック」は、53億46百万円(前年同期比7.8%減少)、住宅用高遮音床材は10億49百万円(前年同期比3.9%増加)、住宅用軽量外壁材は23億50百万円(前年同期比3.4%増加)となり、押出成形セメント製品合計では87億46百万円(前年同期比3.7%減少)、スレート関連は4億39百万円(前年同期比4.5%減少)、耐火被覆等は5億66百万円(前年同期比33.8%減少)となったこと等から、当中間連結会計期間の売上高は111億75百万円(前年同期比7.1%減少)となりました。

 利益面については、減収の影響等により営業利益は9億37百万円(前年同期比9.8%減少)、経常利益は10億27百万円(前年同期比10.6%減少)となりました。親会社株主に帰属する中間純利益は、訴訟損失が前年同期比2億43百万円減少したこと等から5億77百万円(前年同期比80.2%増加)となりました。

 

  ②財政状態

 当中間連結会計期間末における当社グループの流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ現金及び預金が7億96百万円減少したものの、受取手形、売掛金及び契約資産が16億76百万円増加したこと等により147億94百万円(前連結会計年度末と比較して5億34百万円増加)となりました。固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ有形固定資産が67百万円減少したこと等から、151億62百万円(前連結会計年度末と比較して55百万円減少)となりました。この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べ4億79百万円増加し299億56百万円となりました。

 当中間連結会計期間末における流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ流動負債のその他が1億55百万円増加したこと等から、54億26百万円(前連結会計年度末と比較して2億3百万円増加)となりました。固定負債の残高は、訴訟損失引当金が1億33百万円増加したこと等により45億62百万円(前連結会計年度末と比較して1億17百万円増加)となり、この結果、負債の合計額は、前連結会計年度末に比べ3億21百万円増加し99億88百万円となりました。

 当中間連結会計期間末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ1億57百万円増加し199億67百万円となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は65億92百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億96百万円減少となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間連結会計期間において、営業活動による資金の増加は7百万円(前年同期は8億72百万円の増加)となりました。これは売上債権の増加額15億円等の資金の減少要因があった一方、税金等調整前中間純利益8億71百万円や減価償却費3億77百万円等の資金の増加要因があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間連結会計期間において、投資活動による資金の減少は3億94百万円(前年同期は4億48百万円の減少)となりました。これは有形固定資産の取得による支出3億81百万円等の資金の減少要因があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間連結会計期間において、財務活動による資金の減少は4億9百万円(前年同期は4億5百万円の減少)となりました。これは親会社による配当金の支払額4億2百万円等の資金の減少要因があったことによるものであります。

 

(3)経営方針・経営戦略等

 当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

 当中間連結会計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

 当中間連結会計期間の研究開発費の総額は1億57百万円であります。

 なお、当中間連結会計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

 

3【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。