第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営の基本方針

当社グループは、「常に個性的な新しい価値を創造して、強い企業を構築し、オハラグループ全員の幸福と社会の繁栄に貢献する」という経営理念を制定し、グループ全体で共有するとともに、全社員の行動規範としています。

また、当社グループが今後進むべき道や未来のありたい姿を明確化すべく、以下のコーポレート・メッセージを策定しています。


 

(2) 中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標

第113期から第115期までの3ヵ年は、事業構造の立て直しと財務体質の改善を軸とした中期経営計画を策定いたしました。ナノセラム™を中心とした新製品の拡販によるエレクトロニクス事業の育成及び熔解設備の稼働率改善を実現することで、将来の収益基盤の構築を図ってまいります。また、第112期は、第101期に掲げた「長期ビジョン2020」の最終年度となることから、第113期に新たな長期ビジョンを策定し発表する予定でしたが、新型コロナウイルス感染症が経済や企業活動に与える影響は広範囲であり、今後の感染拡大や収束時期等を予想することが困難であることから、長期ビジョンの発表を延期させていただきます。新たな長期ビジョンにつきましては、足元の難局を乗り越えた後に、あらためて発表することといたします。

 

中期経営計画 (第113期~第115期)

新型コロナウイルス感染症の影響により世界経済は悪化し、経済活動が回復するまでには相応の時間を要するものと思われます。中期経営計画では、コロナ禍で落ち込んだオハラグループの業績回復を最優先課題として、『市場変化のスピードに負けない機敏性』『新陳代謝の加速』をスローガンとして事業活動に取り組んでまいります。

当社グループは、継続的な事業拡大と企業価値向上のため、売上高、営業利益、ROE(自己資本利益率)、エレクトロニクス事業売上高比率を重要指標として3ヵ年中期経営計画における目標を設定しております。

 

目標とする経営指標(第115期)

売上高                        250億円以上

営業利益                       30億円以上

ROE(自己資本利益率)           6.5%以下

エレクトロニクス事業売上高比率 50.0%以上

 

(3) 事業環境及び優先的に対処すべき課題

当社グループは、「常に個性的な新しい価値を創造して、強い企業を構築し、オハラグループ全員の幸福と社会の繁栄に貢献する」という経営理念のもと、コーポレートガバナンス(企業統治)の強化を図り、企業として社会に貢献できるよう努めるとともに、国際連合で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献すべく取り組んでまいります。

当社グループを取り巻く経営環境は、デジタルカメラ市場の縮小に伴う需要減少が今後も続くものと見込まれます。優先的に対処すべき課題としては、デジタルカメラ向け光学ガラスに変わる新しい収益基盤の確立と変化する事業構造に合わせて人員配置や生産設備を最適化することと認識しております。

 

セグメント別の事業環境及び対処すべき課題は次のとおりであります。

 

① 光事業

デジタルカメラ市場は、従前から続く需要の減少に加え、新型コロナウイルス感染症の影響により市場の縮小が進んでおります。一方、プロジェクター、監視カメラ、車載カメラなどの分野では、画像の高精細化の進展により、品質の高い光学ガラスに対するニーズが高まることが見込まれます。

こういった環境を踏まえ、ガラスモールドレンズなどの付加価値の高いレンズ加工品の販売比率を高めることに加え、モバイル、モビリティ、メディカルなど、デジタルカメラ以外の用途に向けたマーケティング活動や拡販活動に注力する事で、売上規模を確保していきます。

 

② エレクトロニクス事業

エレクトロニクス事業の関連市場においては、新型コロナウイルス感染症の影響は限定的であり、露光装置は半導体向け、FPD向けともに需要の増加が見込まれます。また、光通信市場では、第5世代移動通信システム(5G)の環境整備に向けた設備投資が見込まれます。

こういった環境を踏まえ、露光装置、宇宙・天文向け及び光通信関連については、需要動向を的確に捉え、受注を獲得していきます。耐衝撃・高硬度クリアガラスセラミックス「ナノセラム™」は、スマートフォン向けとして需要の増加が見込まれます。また、スマートフォンのみならず、素材の特性を生かした用途展開を目指し、車載用途等への拡販活動に注力していきます。リチウムイオン伝導性ガラスセラミックス「LICGC™」は、全固体電池における実用レベルの特性実現を目指すとともに、液系リチウムイオン電池の特性向上につながる添加材としての拡販を進めていきます。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 特定市場への依存リスク

光事業の売上はデジタルカメラ市場への依存度が高く、従前から続く市場の縮小がリスクとなっております。今後、デジタルカメラ市場の縮小が一層進んだり、国内外における競合他社との競争激化などにより、売上及び利益率が下落する可能性があります。今後も品質、価格、納期対応でお客様に満足していただけることを第一と考えて業務革新・効率化を推進し、高効率の生産体制を築くことで、光事業の柱を強固としていくとともに、エレクトロニクス事業の製品ラインナップを強化していくことで事業の拡大に努めてまいりますが、その成否によっては業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 特定顧客への依存リスク

当社グループは、専門性の高い光学ガラス及び特殊ガラスを供給しておりますが、高度な専門性、特殊性が故、一部の特定顧客への売上依存度が高い傾向にあります。今後も新規分野への研究開発並びに新規顧客の獲得を目指して積極的な活動を継続してまいりますが、これらの特定顧客からの発注数量が急激に減少した場合には、業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 為替相場の変動リスク

当社グループの生産及び販売活動はアジア地域を中心にグローバルに展開しており、外貨建ての取引を含んでいるため為替相場の変動による影響があります。これらのリスクに備えるため為替予約等を利用しておりますが、すべてのリスクを排除することは不可能であり、また、急激な円高は製品の価格競争力も低下させますので、業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 金利の変動リスク

当連結会計年度末における当社グループの連結有利子負債残高は7,111百万円であります。有利子負債は、前連結会計年度比で、運転資金の調達を行ったことなどにより増加しておりますが、財務体質良化のため、削減を推し進めてまいります。金利情勢やその他金融市場が急激に変動する場合には、業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 海外での事業展開に係るリスク

当社グループはアジア地域を中心として積極的な海外事業展開を図っており、海外売上高は連結売上高の約52%となっております。海外市場への事業進出には、予期しない法律又は規制の変更、税法の改定・移転価格税制などによる課税、不利な政治又は経済要因、人材の採用と確保の難しさ、テロ、戦争その他の要因による社会的混乱などのリスクが内在しており、それらが発生した場合には、業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。しかしながら、生産ライン及び営業拠点は概ね日本を含めた複数の地域で稼働させており、リスクによる影響を低減させる取組みを行っております。また2020年10月期第2四半期に顕在化した新型コロナウイルス感染症は世界中に拡大しており、今後もこの状況が継続する場合、業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 訴訟に関するリスク

一般的に、当社グループの事業活動に関し、訴訟、紛争、その他の法的手続きの対象となるリスクを排除することは不可能です。当連結会計年度において当社グループの事業に重大な影響を及ぼす訴訟等は提起されておりませんが、将来において提起された場合には、業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、当社グループの行動規範および事業活動に関する法令を周知・教育することにより、訴訟に関するリスクの低減に努めております。

 

 

(7) 資本上位会社に関するリスク

(セイコーホールディングス株式会社について)

セイコーホールディングス株式会社は当社の筆頭株主(2020年10月末現在、発行済株式総数(自己株式を除く。)に対する所有割合19.3%)であり、当社は同社の持分法適用関連会社であり、同社は当社の「その他の関係会社」であります。

当社は、同社グループから、現在社外取締役1名、社外監査役1名を受け入れておりますが、第111期、第112期において営業取引は軽微です。

一方、当社は、同社株式を、2020年10月末現在51,261株(同社発行済株式総数に対する所有割合0.1%)を保有しております。これは、将来、当社と同社グループの関係強化を目的としたものであります。

当社は同社に対し、今後も安定株主としての役割並びに将来の関係強化を期待しておりますが、今後、同社と当社の良好な関係が維持できなければ当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

(キヤノン株式会社について)

キヤノン株式会社は当社の第2位株主(2020年10月末現在、発行済株式総数(自己株式を除く。)に対する所有割合19.3%)であり、当社は同社の持分法適用関連会社であり、同社は当社の「その他の関係会社」であります。

当社は、同社グループから、現在社外取締役1名、社外監査役1名を受け入れており、第111期、第112期における取引状況は「関連当事者情報」に記載のとおりであります。なお、当社製品の販売についての価格、その他の取引条件は、市場価格、総原価などを勘案して交渉の上、決定しており、特に利益相反等は生じておりません。

一方、当社は、同社株式を、2020年10月末現在729,658株(同社発行済株式総数に対する所有割合0.1%)を保有しております。これは、当社と同社グループの取引関係の維持強化を目的としたものであります。

当社は同社に対し、今後も安定株主としての役割並びに将来の関係強化を期待しておりますが、今後、同社と当社の良好な関係が維持できなければ当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(8) 原材料に関するリスク

当社グループが使用している原材料の中には、メーカーや産地の限られているものがあり、入手困難により生産に支障が生ずる可能性があります。また、原材料価格は生産状況、為替相場、市況の変動などにより高騰する可能性があり、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。一部の原材料については、市場価格を見極めつつ、短期的な変動の影響を避けるため、在庫の保有レベルを高く設定しております。

 

(9) 地震やその他の自然災害、事故等によるリスク

当社グループでは、地震や大規模な水害、火山の噴火などの自然災害や事故、新型インフルエンザ等の感染症の流行等の発生時にも、重要な事業を継続し、企業としての社会的責任を遂行するとともに、お客様が必要とする高性能・高品質の製品やサービスの安定的供給等の当社グループの事業活動の継続のために、事業継続計画を策定しております。また、耐震対策や定期点検、防災訓練等の取り組みも実施しております。

しかし、想定を超える自然災害や事故等が発生した場合、当社グループの機能停止、設備の損壊、電力・水・ガス等の供給停止、公共交通機関や通信手段の停止、サプライチェーンへの被害等により、当社グループの事業活動の継続に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 環境問題に関するリスク

当社グループは、省エネルギー、大気・水質の汚染、化学物質の使用、廃棄物処理、リサイクル、製品含有化学物質及び土壌・地下水汚染等を規制する様々な環境法令の適用を受けながら事業を展開しており、事業活動と環境の調和を経営の重要課題のひとつとして位置付け、法規制の遵守、業界等の行動規範を遵守するとともに自主基準を制定して管理するなど、様々な環境マネジメント活動を進めております。

しかし、将来において規制強化への対応費用の増大、あるいは環境問題の発生から、損害賠償や対策費用を負担する可能性があります。

 

(11) 新型コロナウイルス感染症の拡大によるリスク

当社グループは、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、従業員その他のステークホルダーの安全を確保するため、策定したガイドラインに従って、体温確認などの健康管理、手指消毒、Web会議の導入など、日頃の感染予防対策を徹底するとともに、政府や地域行政の要請等を踏まえた不要不急の出張制限や時差出勤、在宅勤務等の対応により、事業活動への影響の低減を図っておりますが、工場の稼働停止やサプライチェーンの停滞に起因する生産の減少、営業活動の制限等、事業活動に支障をきたす事態が発生した場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、アジア、米国、欧州の各地域の景気は急速に悪化し、厳しい状況となりました。

当社グループの光事業の関連市場では、デジタルカメラは、従前から続く需要減少に加え、新型コロナウイルス感染症の影響により需要が大幅に減少しました。エレクトロニクス事業の関連市場では、半導体露光装置向けは堅調に推移したものの、FPD露光装置向けは弱含みで推移しました。また、光通信向けの需要が増加しました。

なお、当連結会計年度における米ドル及びユーロの平均為替レートは、107.61円及び121.18円となり、前年度に比べて米ドルが約1.9%の円高、ユーロは約1.7%の円高で推移しました。

このような状況のもと、当連結会計年度の業績は、次のとおりとなりました。

売上高は、光学機器用レンズ材の需要が大幅に減少したことやスマートフォン筐体向け硝材においてサプライチェーンの工程認定に遅延が生じたことなどから、17,873百万円(前年同期比23.6%減)となりました。

損益面では、売上総利益は、生産設備の稼働率が低下したことなどから、3,568百万円(同49.1%減)となりました。販売費及び一般管理費は、運送費が減少したことなどから、5,293百万円(同13.4%減)となり、営業損失は1,724百万円(前年同期は901百万円の営業利益)となりました。経常損失は、営業外収益として受取配当金及び助成金収入を計上したことなどにより、1,319百万円(前年同期は1,146百万円の経常利益)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純損失は、特別損失として減損損失を計上したことにより4,243百万円(前年同期は466百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

 

セグメントの業績は次のとおりであります。

 

なお、前連結会計年度より、事業セグメントの利益又は損失の測定方法を変更しております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご覧ください。

 

(光事業)

当事業の売上高は、光学プレス品の販売が低調に推移したことなどから、9,527百万円(前年同期比32.9%減)となりました。損益面では、生産設備の稼働率低下や子会社の清算に伴う追加費用を計上したことなどにより、営業損失は1,000百万円(前年同期は118百万円の営業利益)となりました。

 

(エレクトロニクス事業)

当事業の売上高は、光通信向けフィルター材の販売は増加したものの、FPD露光装置や宇宙・天文向け極低膨張ガラスセラミックスの販売が減少したほか、スマートフォン筐体向け耐衝撃・高硬度クリアガラスセラミックス「ナノセラムTM」について、新型コロナウイルス感染症の影響による渡航制限により、サプライチェーンの工程認定に遅延が生じたことなどから、8,345百万円(前年同期比9.3%減)となりました。損益面では、生産設備の稼働率低下、新規熔解設備への研究開発費、棚卸資産の評価減を計上したことなどにより営業損失は724百万円(前年同期は782百万円の営業利益)となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純損失や資産除去債務の履行による支出があったものの、減損損失を計上したほか、たな卸資産の減少や長期及び短期借入金の増加による収入があったことなどにより、前連結会計年度末に比べて1,318百万円増加し、当連結会計年度末には12,553百万円(前連結会計年度末比11.7%増)となりました。

 

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は2,479百万円(前年度比28.6%増)となりました。

これは、税金等調整前当期純損失3,861百万円(前年度は1,661百万円の税金等調整前当期純利益)があったものの、減損損失2,542百万円(前年度は44百万円の減損損失)を計上したほか、たな卸資産の減少1,391百万円(前年度は666百万円の増加)があったことなどが主な要因であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は2,405百万円(前年度比618.0%増)となりました。

これは、資産除去債務の履行による支出1,764百万円や、有形固定資産の取得による支出659百万円(同69.2%減)があったことなどが主な要因であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は1,380百万円(前年度は1,013百万円の支出)となりました。

これは、配当金の支払額367百万円(前年同期比49.7%減)があったものの、長期及び短期借入金の増加による収入(純額)2,072百万円(前年度は455百万円の支出)があったことなどが主な要因であります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年11月1日

至 2020年10月31日

前年同期比(%)

光事業(千円)

7,538,276

51.1

エレクトロニクス事業(千円)

9,384,237

100.8

合計(千円)

16,922,513

70.3

 

(注) 1.金額は、販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 受注実績

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年11月1日

至 2020年10月31日

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

光事業

9,670,936

73.1

2,590,474

108.3

エレクトロニクス事業

8,804,945

107.9

1,889,878

127.3

合計

18,475,881

86.4

4,480,352

115.5

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年11月1日

至 2020年10月31日

前年同期比(%)

光事業(千円)

9,527,288

67.1

エレクトロニクス事業(千円)

8,345,749

90.7

合計(千円)

17,873,038

76.4

 

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2018年11月1日

至 2019年10月31日

当連結会計年度

(自 2019年11月1日

至 2020年10月31日

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

キヤノン株式会社

3,759,142

16.1

 2,966,577

16.6

 

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 経営成績の分析

売上高

売上高は、17,873百万円(前年度比23.6%減)となり、前年度と比較して5,534百万円の減収となりました。

売上高をセグメントごとに分析すると、光事業の売上高は、9,527百万円(同32.9%減)となり、エレクトロニクス事業の売上高は、8,345百万円(同9.3%減)となっております。

光事業において、新製品の販売に努めたものの、新型コロナウイルス感染症の影響によりデジタルカメラ向け光学機器用レンズ材の需要が大幅に減少しました。

エレクトロニクス事業において、光通信向けフィルター材の販売は増加したものの、スマートフォン向け耐衝撃・高硬度クリアガラスセラミックス「ナノセラムTM」やFPD露光装置及び宇宙・天文向け極低膨張ガラスセラミックスの販売が減少しました。

・売上原価、販売費及び一般管理費

売上原価は、14,304百万円(同12.8%減)となり、前年度と比較して2,029百万円の減少となりました。グループを挙げて原価低減活動を推進したものの、光学ガラスの需要減少に伴う生産設備の稼働率低下から、減少率は売上減少率を10.9ポイント下回りました。費目別では、労務費や修繕費などの経費の削減率が売上の減少率に及びませんでした。

販売費及び一般管理費は、5,293百万円(同13.4%減)となりました。新型コロナウイルス感染症の影響により、旅費交通費や運搬費が減少しました。なお、売上高販売管理費比率は29.6%と前年度比3.5ポイント上昇しております。

・営業損失

営業損失は、1,724百万円(前年同期は901百万円の営業利益)となりました。新型コロナウイルス感染症の影響により売上高が大幅に減少し、生産設備の稼働率が低下したことなどが主な要因であります。

・営業外損益

営業外収益は、575百万円(前年度比55.0%増)となりました。これは、助成金収入を計上したことが主な要因であります。

営業外費用は、169百万円(同35.3%増)となりました。これは、為替差損を計上したことなどが主な要因であります。

・親会社株主に帰属する当期純損失

特別損失として減損損失を計上したことから税金等調整前当期純損失は、3,861百万円(前年同期は1,661百万円の税金等調整前当期純利益)となり、法人税等及び非支配株主に帰属する当期純利益を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は、4,243百万円(前年同期は466百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

 

b. 財政状態の分析

当連結会計年度末における総資産は49,621百万円(前連結会計年度末比9.8%減)となりました。これは主に、減損損失の計上により有形固定資産が減少したことや投資その他の資産において投資有価証券が時価評価により減少したことなどによるものであります。

流動資産の残高は28,438百万円(同4.6%減)となりました。これは、現金及び預金が増加したものの、電子記録債権や、たな卸資産(商品及び製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品)が減少したことなどによるものであります。

固定資産の残高は21,183百万円(同16.1%減)となりました。これは、減損損失の計上により建物及び構築物や機械装置及び運搬具などが減少したことや投資有価証券が時価評価により減少したことなどが主な要因であります。

流動負債の残高は7,147百万円(同7.4%減)となりました。これは、短期借入金が増加したものの、資産除去債務が減少したことなどが主な要因であります。

固定負債の残高は6,290百万円(同14.3%増)となりました。これは、繰延税金負債が減少したものの、長期借入金が増加したことなどが主な要因であります。

当連結会計年度末における純資産の残高は36,183百万円(同13.5%減)となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純損失を計上したことにより利益剰余金が減少したことなどが主な要因であります。

 

c. キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、税金等調整前当期純損失及び資産除去債務の履行による支出があったものの、たな卸資産及び売上債権の減少による資金回収や新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響に備え、手元資金を厚く保持するために借入金が増加したことなどから前連結会計年度末に比べて1,318百万円増加し、当連結会計年度末には12,553百万円(前連結会計年度末比11.7%増)となりました。詳細につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

d. 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。

運転資金需要のうち主なものは、原材料の仕入等の製造費用や販売費及び一般管理費等の営業費用であり、投資目的の資金需要は、設備投資等によるものであります。これらの資金につきましては、まず営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入し、不足分については主に銀行借入にて必要な資金を調達しております。

 

② 重要な会計方針の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、資産、負債、収益及び費用の報告に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は、実際の結果と異なる可能性があります。

当社グループの連結財務諸表で採用した重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、次の会計方針は、連結財務諸表における重要な見積りの判断に影響を及ぼすものと考えております。

なお、新型コロナウイルスの感染拡大の影響による会計上の見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。

a.  固定資産の減損

当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価に当たり、事業等を基礎としてグルーピング行い、収益性が著しく低下した資産グループにつきまして、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。

固定資産の回収可能価額につきまして、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の見積りに重要な変更があった場合、固定資産の減損損失が発生する可能性があります。

減損損失の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結損益計算書関係)」に記載しております。

 

 

b. 繰延税金資産の回収可能性

当社グループは、繰延税金資産につきまして、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、事業環境等の変化により課税所得の見積りが減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループの研究開発は、高品質かつ顧客満足度の高い新製品を市場に投入していくことで、グループ全体の業容拡大に資することを目的とし、当社の研究開発部門が中心となって進めております。基礎研究の分野では、約80年にわたる光学及び特殊ガラスの製造を通じて培われた材料設計のノウハウや生産技術を基盤として、光、エレクトロニクス、環境・エネルギー等の幅広い分野において競争優位性をもった新素材の研究開発を進め、また、応用化研究の分野では、より高度な生産技術を開発することで、既存製品のさらなる高性能・高品質化かつ低コスト化を進めております。

なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は952百万円であります。

 

当連結会計年度におけるセグメント別の研究開発活動の主なものは次のとおりであります。

(1) 光事業

・色収差補正に優れた光学ガラスの開発

・屈折率の温度特性に優れた光学ガラスの開発

・耐環境性に優れた光学ガラスの開発

・コスト競争力に優れた光学ガラスの開発

なお、当事業に係る研究開発費は152百万円であります。

 

(2) エレクトロニクス事業

・耐衝撃・高硬度ガラスセラミックスの開発

・リチウムイオン伝導性固体電解質の開発

・ウエアラブル用途等薄板成形技術の開発

・耐放射線ガラスの開発

・高温高速熔解技術の開発

なお、当事業に係る研究開発費は799百万円であります。