(経営理念)
わが社は流動する変化に挑み、無限の可能性を探求し、業界の最高峰をめざす
・わが社は需要家の要望に応える製品を創造する
・わが社は社員及び株主の幸福を増進する
・わが社は社会の福祉発展に寄与する
(経営の基本方針)
当社の経営理念のもと、世界から信頼され成長し続けるカーボンメーカーとして地球環境を大切にし社会の発展に貢献するべく、企業活動を展開してまいります。
当社グループは次期連結会計年度を二年目とする三ヶ年中期経営計画「ネクストステージ2020『さらなる挑戦』」において、①収益基盤の拡大、②未来をひらくモノづくり、③次代につなぐ人・組織づくりを経営の基本方針に設定し、各期の目標の達成を目指して経営を進めてまいります。
当社グループを取巻く経営環境は、世界経済においては米中貿易摩擦による影響、中国経済の先行きなど不透明な状況が見込まれます。国内経済においては海外景気の低迷、消費増税などの懸念材料はあるものの、個人消費の持ち直し、設備投資の増加による緩やかな景気回復が引続き見込まれます。販売面では、製品需給のタイト化による価格上昇が見込まれますが、原材料価格の高騰等による影響も懸念されます。
このような経営環境の中、当社グループは、製品別ビジネス戦略の加速、品質改革の拡大、原料調達最適化の拡大、コストダウンの拡大、設備最適化の追求、成果を生み出す人・組織づくりの拡大・追求を次期の経営重点目標として、その達成を目指し全社一丸となって取り組んでまいります。そして、当社グループは企業の社会的責任を認識した上で、法令遵守を徹底し、また環境負荷の低減、コーポレート・ガバナンスの充実にも積極的に努めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する記載は、有価証券報告書提出日(2019年6月27日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 製品需要による売上変動リスクについて
当社グループが主力製品として位置づけているアルミニウム製錬用カソードブロックは、中長期的な需要の増大が見込まれますが、短期的にはアルミニウム製錬業の新増設や更新需要の動向に左右されるため需要の変動が大きくなる傾向があります。また人造黒鉛電極は、ほぼ全量電炉鋼業界向けに販売しているため電炉鋼業界の景気変動による影響を大きく受けることになります。当社グループはアルミニウム製錬用カソードブロックと人造黒鉛電極を同じラインで製造することで製造品目をフレキシブルに置き換え、需要変動に機動的に対応し工場全体の生産量の安定化を図っておりますが、予期せぬ需要の変動が生じた場合などには当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 為替変動リスクについて
当社グループの主力製品であるアルミニウム製錬用カソードブロックがアルミニウム業界の特性から100%輸出製品ということもあり、人造黒鉛電極、一部特殊炭素製品と合わせ近年の当社グループの輸出比率は総売上の5割を超える結果となっており、為替変動の影響を強く受ける体質となっております。為替変動リスクにつきましては、米ドル/日本円の為替エクスポージャーを小さくすべく、円建での輸出や米ドル以外の通貨での輸出を増やす努力をするとともに、為替予約などによるリスクヘッジを行っておりますが、当該リスクを完全にヘッジできるものではありません。
(3) 原材料価格の上昇
当社グループの使用する原材料は、石油石炭などの素材価格の上昇や需給バランスの影響を大きく受けるものが中心となっております。当社グループはコスト競争力の強化、製品価格への転嫁、より安い原材料調達と新規サプライヤーの開拓などにより業績への影響を極力抑制する努力を行っておりますが、市況に予期せぬ変動が生じた場合などには当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 特定大口販売先について
当社グループの契約先別売上上位2社のシェアは50%程度になっておりますが、2社はいずれも商社であり、取引の大部分は輸出取引で最終需要家は海外を中心に分散しております。当社グループは輸出取引の円滑化と最終需要家に対する信用リスクの軽減のためもありこれら商社を活用しております。
当社グループの国内取引につきましては、1社で10%を超える販売シェアを有する取引先はなく、特定大口販売先のリスクは限定的であります。
(5) 技術革新について
当社グループの製品群は製造期間が長く、短期間に新製品が誕生し、市場が一挙に変化するというような状況にはありません。当社グループは取引先と永年にわたる信頼関係を構築しており、その信頼に応えるべく取引先の要望に沿った製品の改良、開発に努めておりますが、取引先の環境の変化や技術革新に対応できない場合は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 重要な訴訟について
現在、当社グループは、財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす訴訟は抱えておりませんが、今後そのような訴訟等が発生した場合、業績に影響を与える可能性があります。
(7) 環境に関するリスク
当社グループは、法令遵守を基本として事業を遂行しておりますが、今後国内外でより一層厳しい規制が実施された場合、事業活動への制約拡大やコスト増加で当社グループの業績に影響が出る可能性があります。
(8) 大規模災害等
当社グループは、組織の簡素化、生産の効率化、人的資源の有効活用のため主要生産設備を京都工場に集約しております。同工場の所在する福知山地区で大地震や大規模風水害などの災害が発生した場合、生産活動に大きな影響の出る可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
また、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
当連結会計年度の世界経済は、米国、中国間における通商問題、英国のEU離脱問題、中国及び一部の新興国の景気減速等、先行き不透明な面もありましたが、欧米を中心に緩やかな回復基調は継続しており、総じて堅調に推移しました。
我が国の経済においても、企業収益及び雇用・所得環境の改善は継続しており、個人消費や設備投資も緩やかに回復していることから、景気は概ね回復基調となりました。
このような状況下、当社グループでは、コストダウン、製品の拡販及び品質向上等経営体質の強化に取り組んでまいりました。
当連結会計年度では、国内外の炭素製品市場は全般的に需要が回復しており、販売数量は増加し、販売価格も上昇しました。特に人造黒鉛電極は世界的に需給が逼迫しており、原料であるニードルコークスの価格が高騰していることから製品価格の是正に取り組みました。その結果、売上高は379億3千5百万円となり、前連結会計年度に比べて133.4%の増収となりました。
損益面に関しましては、原料の価格高騰によるコストアップはありましたが、需要回復に伴う販売数量の増加、販売価格の上昇により大幅な増益となりました。その結果、営業利益は169億2千7百万円(前連結会計年度は10億2千1百万円の営業利益)、経常利益は171億9百万円(前連結会計年度は11億5千5百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純利益は118億3千8百万円(前連結会計年度比490.6%増)となりました。
なお、当社グループは炭素製品の製造・販売を主な事業とする単一セグメントでありますが、当連結会計年度における製品別の売上高については、次のとおりであります。
・アルミニウム製錬用カソードブロック
アルミニウム製錬会社の更新需要が旺盛であったため、販売数量は増加し、販売価格も上昇しました。その結果、売上高は95億6百万円となり、前連結会計年度に比べて45.9%の増収となりました。
・人造黒鉛電極
好調な鋼材市況を背景に世界的な需給逼迫の状況は継続しました。市況の回復及び原料であるニードルコークスの価格高騰により製品価格の是正に取り組んだため、販売価格は上昇しました。その結果、売上高は237億9千1百万円となり、前連結会計年度に比べて271.7%の増収となりました。
・特殊炭素製品
全般的に特殊炭素製品の需要は好調であり、特に非鉄金属関連の販売数量が増加しました。また人造黒鉛電極と同様に製品価格の是正に取り組んだため、販売価格は上昇しました。その結果、売上高は33億5千6百万円となり、前連結会計年度に比べて46.5%の増収となりました。
・ファインパウダー及びその他炭素製品
加炭材等その他炭素製品の販売数量の増加、販売価格の上昇により、売上高は12億8千1百万円となり、前連結会計年度に比べて22.7%の増収となりました。
なお、上記金額には消費税等は含まれておりません。
生産、受注及び販売の実績は次のとおりであります。
当社グループは、単一セグメントの下で以下の製品を生産しております。
当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社製品は国内、輸出とも一部受注生産をする場合がありますが、製造期間が長いため、基本的にはユーザーの生産動向をベースにした見込生産であります。
当社グループは、単一セグメントの下で以下の製品を販売しております。
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
2 本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
総資産は、前連結会計年度末と比較して201億1千1百万円増加して、570億9千2百万円となりました。主な増加は、現金及び預金の増加100億2千4百万円、受取手形及び売掛金の増加59億6千8百万円および仕掛品の増加31億8千4百万円であり、主な減少は、建物及び構築物(純額)の減少1億5千3百万円および所有株式時価の下落による投資有価証券の減少3億3百万円です。
負債は、前連結会計年度末と比較して95億7千2百万円増加して、142億7千4百万円となりました。主な増加は、買掛金の増加27億1千8百万円、未払法人税等の増加47億5千6百万円および設備投資に伴う未払金の増加等による流動負債その他の増加10億3千9百万円です。
非支配株主持分を含めた純資産は、前連結会計年度末と比較して105億3千8百万円増加して、428億1千7百万円となりました。主な増加は、利益剰余金の増加112億2千6百万円であり、主な減少は、自己株式取得による自己株式の増加5億4百万円およびその他有価証券評価差額金の減少2億3千2百万円です。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の87.3%から75.0%となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは122億5千5百万円の収入超過、投資活動によるキャッシュ・フローは11億2百万円の支出超過、財務活動によるキャッシュ・フローは11億3千6百万円の支出超過となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ99億9千4百万円増加(189.8%増)し、152億6千1百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益169億4百万円に、減価償却費13億1千1百万円、仕入債務の増加額27億1千8百万円、未払消費税等の増加額6億6百万円等を加算し、売上債権の増加額59億6千8百万円、たな卸資産の増加額40億2千1百万円等を減算した結果、122億5千5百万円の資金の増加(対前連結会計年度は9億9千3百万円の資金の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得に9億6千1百万円を支出したこと等により、11億2百万円の資金の減少(対前連結会計年度比375.4%増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
配当金の支払に6億1千1百万円、自己株式の取得に5億4百万円を支出したこと等により、11億3千6百万円の資金の減少(対前連結会計年度比185.7%増)となりました。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は当社の開発部が中心となり、関連部署及び外部機関との連携のもと炭素材料の製造・評価に関する研究と新製品開発を積極的に進めております。
当社グループは、炭素製品の製造・販売を主な事業とする単一セグメントであります。
研究開発活動は、主に電解用電極、高温工業炉用部材、電池用等の特殊ファインパウダー及び炭素薄膜に関する基礎研究について行っております。
なお、当連結会計年度の研究開発費は
世界トップシェアの黒鉛化カソードブロックの実績をベースに、大電流・大型電解炉に対して耐摩耗性に優れた新グレード品の開発に取り組んでおります。その他、各種高機能品製造に用いられる電解用電極の研究と新グレードの開発を進めております。
高温かつ特殊ガス雰囲気にて用いられる各種黒鉛部材の長寿命化を目指し、研究開発を進めております。
永年にわたって培ってきた高度黒鉛化処理技術とファインパウダー技術を駆使し、リチウムイオン二次電池用や燃料電池部材用のさらなる高性能化に対応すべく、コスト・パフォーマンスに優れた製品の研究開発を進めております。
炭素めっき膜の形成と応用について研究しております。