(経営理念)
わが社は流動する変化に挑み、無限の可能性を探求し、業界の最高峰をめざす
・わが社は需要家の要望に応える製品を創造する
・わが社は社員及び株主の幸福を増進する
・わが社は社会の福祉発展に寄与する
(経営の基本方針)
当社の経営理念のもと、世界から信頼され成長し続けるカーボンメーカーとして地球環境を大切にし社会の発展に貢献するべく、企業活動を展開してまいります。
当社グループは次期連結会計年度を初年度とする新三ヶ年中期経営計画「トランスフォーム2023成長軌道へ」を策定しました。その中で①成長基盤の強化、②盤石なモノづくり、③変化を生み出す人・組織づくりを経営の基本方針に設定し、売上高・営業利益の向上、予算収支計画の達成を目指して経営を進めてまいります。
世界経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大の影響により、経済活動の先行きが不透明な状況にあります。日本経済も同様に、新型コロナウイルス感染症の影響により、経済活動の先行きの見通しが厳しい状況となっています。
このような経営環境の中、当社グループは、次代につながる成長戦略の推進、信頼される品質づくり、盤石な設備管理の確立、原料調達の構造改革、コストダウンの深耕、人材力・組織力の強化を次期の経営重点目標として、その達成を目指し全社一丸となって取り組んでまいります。そして、当社グループは企業の社会的責任を認識した上で、法令遵守を徹底し、また環境負荷の低減、コーポレートガバナンスの充実にも積極的に努めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する記載は、有価証券報告書提出日(2021年6月29日)現在において当社グループが判断したものであります。
「市場に関するリスク」
(1) 製品需要による売上変動リスクについて
当社グループが主力製品として位置づけているアルミニウム製錬用カソードブロックは、中長期的な需要の増大が見込まれますが、短期的にはアルミニウム製錬業の新増設や更新需要の動向に左右されるため需要の変動が大きくなる傾向があります。また人造黒鉛電極は、ほぼ全量電炉鋼業界向けに販売しているため電炉鋼業界の景気変動による影響を大きく受けることになります。当社グループはアルミニウム製錬用カソードブロックと人造黒鉛電極を同じラインで製造することで製造品目をフレキシブルに置き換え、需要変動に機動的に対応し工場全体の生産量の安定化を図っておりますが、予期せぬ需要の変動が生じた場合等には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 為替変動リスクについて
当社グループの主力製品であるアルミニウム製錬用カソードブロックがアルミニウム業界の特性から100%輸出製品ということもあり、人造黒鉛電極、一部特殊炭素製品と合わせ近年の当社グループの輸出比率は総売上の5割を超える結果となっており、為替変動の影響を強く受ける体質となっております。為替変動リスクにつきましては、米ドル/日本円の為替エクスポージャーを小さくすべく、円建での輸出や米ドル以外の通貨での輸出を増やす努力をするとともに、為替予約等によるリスクヘッジを行っておりますが、当該リスクを完全にヘッジできるものではありません。
(3) 原材料価格の上昇
当社グループの使用する原材料は、石油石炭等の素材価格の上昇や需給バランスの影響を大きく受けるものが中心となっております。当社グループはコスト競争力の強化、製品価格への転嫁、より安い原材料調達と新規サプライヤーの開拓等により業績への影響を極力抑制する努力を行っておりますが、市況に予期せぬ変動が生じた場合等には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 特定大口販売先について
当社グループの契約先別売上上位2社のシェアは50%程度になっておりますが、その内1社は商社であり、取引の大部分は輸出取引で最終需要家は海外を中心に分散しております。当社グループは輸出取引の円滑化と最終需要家に対する信用リスクの軽減のためもありこれら商社を活用しております。
当社グループの国内取引につきましては、1社で10%を超える販売シェアを有する取引先はなく、特定大口販売先のリスクは限定的であります。
「事業活動に関するリスク」
(1) 環境規制の変更
当社グループは、法令遵守を基本として事業を遂行しておりますが、今後国内外でより一層厳しい規制が実施された場合、事業活動への制約拡大やコスト増加で当社グループの業績に影響が出る可能性があります。
(2) 大規模災害の発生
当社グループは、組織の簡素化、生産の効率化、人的資源の有効活用のため主要生産設備を京都工場に集約しております。同工場の所在する福知山地区で大地震や大規模風水害等の災害が発生した場合、生産活動に大きな影響の出る可能性があります。
当社グループの従業員に新型コロナウイルス、インフルエンザ、ノロウイルス等の感染が拡大した場合、一時的に操業を停止する等、当社グループの事業活動や業績に影響を与える可能性があります。
(4) 重要な訴訟について
現在、当社グループは、財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす訴訟は抱えておりませんが、今後そのような訴訟等が発生した場合、業績に影響を与える可能性があります。
「中長期の視点から事業に影響を及ぼす可能性のあるリスク」
当社グループの製品群は製造期間が長く、短期間に新製品が誕生し、市場が一挙に変化するというような状況にはありません。当社グループは取引先と永年にわたる信頼関係を構築しており、その信頼に応えるべく取引先の要望に沿った製品の改良、開発に努めておりますが、取引先の環境の変化や技術革新に対応できない場合は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
上記以外にも事業活動を進めていく上で、様々な外的・内的要因リスクが当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、こうしたリスクを回避、またはその影響を最小限に抑えるため、取締役会で毎年重要リスクを選定し、当該リスクの管理状況を定期的にモニタリングしています。また、大規模な事故、災害、感染症拡大等が発生した場合に、人的な安全と事業の継続を確保する為の施策を種々講じています。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度の世界経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響により、急速に悪化し、極めて厳しい状況となりました。
我が国の経済においても、同様に新型コロナウイルス感染症の影響は大きく、個人消費、輸出入、生産、企業収益などが急速に悪化し、経済活動は一段と抑制されました。一部に持ち直しの動きが見られるものの、依然として厳しい状況は継続しました。
このような状況下、当社グループでは、コストダウン、製品の拡販及び品質向上等経営体質の強化に取り組んでまいりました。
当連結会計年度では、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動停滞を背景として、全般的に炭素製品市場の需給バランスは悪化しました。特に人造黒鉛電極においては、世界的に電炉鋼における鉄鋼生産が低調となっていることにより、販売数量が大幅に減少しました。その結果、売上高は212億9千9百万円となり、前年同期に比べて39.4%の減収となりました。
損益面に関しましては、販売数量減少に加え、工場の稼働率低下に伴う固定費の負担増加によって製品原価が高止まりしている影響、また棚卸資産評価損を計上したことから、大幅な減益となりました。
その結果、営業利益は30億8千1百万円(前年同期比77.7%減)、経常利益は34億9千3百万円(前年同期比75.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は24億9千6百万円(前年同期比74.1%減)となりました。
なお、当社グループは炭素製品の製造・販売を主な事業とする単一セグメントでありますが、当連結会計年度における製品別の売上高については、次のとおりであります。
・アルミニウム製錬用カソードブロック
世界的な景気減速を背景に、アルミニウム製錬会社の更新需要も低調となり、販売数量が減少しました。その結果、売上高は117億7千5百万円となり、前年同期に比べて11.0%の減収となりました。
・人造黒鉛電極
世界的に電炉鋼における鉄鋼生産が低調となっており、需給バランスは悪化しました。また、顧客での在庫調整も長引いていることから、販売数量が大幅に減少しました。その結果、売上高は56億3千8百万円となり、前年同期に比べて65.8%の減収となりました。
・特殊炭素製品
世界的な景気減速を背景に、特殊炭素製品の需給バランスは悪化しており、販売数量が減少しました。その結果、売上高は30億3千5百万円となり、前年同期に比べて28.2%の減収となりました。
・ファインパウダー及びその他炭素製品
その他炭素製品である加炭材等の販売数量が減少しました。その結果、売上高は8億5千万円となり、前年同期に比べて27.9%の減収となりました。
なお、上記金額には消費税等は含まれておりません。
生産、受注及び販売の実績は次のとおりであります。
当社グループは、単一セグメントの下で以下の製品を生産しております。
当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社製品は国内、輸出とも一部受注生産をする場合がありますが、製造期間が長いため、基本的にはユーザーの生産動向をベースにした見込生産であります。
当社グループは、単一セグメントの下で以下の製品を販売しております。
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
2 本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
総資産は、前連結会計年度末と比較して10億4千1百万円減少して、587億2千2百万円となりました。主な増加は、未収入金の増加等による流動資産その他の増加7億8千5百万円、建設仮勘定の増加6億1千1百万円および投資有価証券の増加24億8千8百万円であり、主な減少は、受取手形及び売掛金の減少16億8千4百万円、仕掛品の減少16億7千万円および原材料及び貯蔵品の減少13億円です。
負債は、前連結会計年度末と比較して43億3千2百万円減少して、52億4千5百万円となりました。主な増加は、繰延税金負債の増加7億7千5百万円であり、主な減少は、買掛金の減少28億9千万円、未払法人税等の減少16億8千4百万円および設備関係未払金の減少等による流動負債その他の減少4億6千2百万円です。
非支配株主持分を含めた純資産は、前連結会計年度末と比較して32億9千1百万円増加して、534億7千6百万円となりました。主な増加は、利益剰余金の増加14億7千9百万円およびその他有価証券評価差額金の増加17億6千7百万円です。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の84.0%から91.1%となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは33億6千7百万円の収入超過、投資活動によるキャッシュ・フローは19億4千3百万円の支出超過、財務活動によるキャッシュ・フローは10億3千2百万円の支出超過となりました。以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ3億7千5百万円増加(2.3%増)し、163億8千5百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益35億9百万円に、減価償却費14億7千3百万円、売上債権の減少額16億8千4百万円、たな卸資産の減少額31億5千8百万円等を加算し、仕入債務の減少額28億9千万円、法人税等の支払額33億4千万円を減算した結果、33億6千7百万円の資金の増加(対前連結会計年度比22.8%減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得に19億2百万円を支出したこと等により、19億4千3百万円の資金の減少(対前連結会計年度比23.6%減)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
配当金の支払に10億1千5百万円を支出したこと等により、10億3千2百万円の資金の減少(対前連結会計年度比0.7%減)となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、当社グループの資金需要のうち主なものは、原材料費等の製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに設備投資等によるものであります。当社グループの運転資金および設備投資資金は、内部資金または借入により資金調達することとしております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当社グループにおける過去の実績等を踏まえ合理的に見積りを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、特に重要と考えるものは以下のとおりであります。
(たな卸資産の評価)
当社グループは、棚卸資産の評価に関する会計基準に従い、収益性の低下により正味売却価額が帳簿価額を下回っているたな卸資産の帳簿価額を、正味売却価額まで切り下げる会計処理を適用しております。
会計処理の適用にあたっては、基本的には決算月における実績の販売価格から直接販売費を控除した正味売却価格と簿価との比較により評価損の金額を計算しておりますが、市況の著しい変化等により期末日以降に販売価格の重要な変動があった場合には、契約書など客観的情報に基づいて正味売却価格に反映させております。
当社グループの製品の生産リードタイムは比較的長く、このためたな卸資産残高は多額となっております。また、製品の販売価格や原材料の購入価格は、景気変動等による市場の需給状況に応じて大きく上下するという特徴があります。特に原材料の市場価格下落局面においては、下落前に仕入れた原材料を使用し製造した製品を販売する時にはすでに販売価格が大きく下降している場合もあり、棚卸資産の評価損が多額になる可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関する仮定の情報については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は当社の開発部が中心となり、関連部署及び外部機関との連携のもと炭素材料の製造・評価に関する研究と新製品開発を積極的に進めております。
当社グループは、炭素製品の製造・販売を主な事業とする単一セグメントであります。
研究開発活動は、主に電解用電極、高温工業炉用部材、電池用等の特殊ファインパウダー及び炭素薄膜に関する基礎研究について行っております。
なお、当連結会計年度の研究開発費は
世界トップシェアの黒鉛化カソードブロックの実績をベースに、大電流・大型電解炉に対して耐摩耗性に優れた新グレード品の開発に取り組んでおります。その他、各種高機能品製造に用いられる電解用電極の研究も進めております。
高温かつ特殊ガス雰囲気にて用いられる各種黒鉛部材の長寿命化を目指し、研究開発を進めております。
永年にわたって培ってきた高度黒鉛化処理技術とファインパウダー技術を駆使し、リチウムイオン二次電池用や燃料電池部材用のさらなる高性能化に対応すべく、コスト・パフォーマンスに優れた製品の研究開発を進めております。
炭素めっき膜の形成と応用について研究しております。