当事業年度におけるわが国経済は、好調な企業収益を背景に設備投資は緩やかに回復し、雇用情勢も失業率が3%台で推移するなど着実に改善を続けております。一方で、消費者マインドの悪化で個人消費は足踏み状態が続いており、中国をはじめとするアジア地域の下振れ等により、わが国経済の景気が影響を受けるリスクを依然として抱えております。
当社関連業界におきましては、前年落ち込んだ新設住宅着工戸数が緩やかに回復してきておりましたが、夏場以降は一進一退の横ばいで推移しております。今後は、雇用や所得環境が改善していく中で底堅く推移していくものと思われます。
こうした状況の中、第4次中期経営計画を策定し、お客様にお役立ちできる『提案営業』を推進し、「フロントスリム」トイレを中心とした拡販に注力し、売上高の拡大を図ってまいりました。7月には新商品セカンド化粧台・洗面器「アルテ シリーズ(Alte Series)」を発売し、ライフスタイルに合わせて2階等への2台目の洗面・手洗いスペースの設置を提案してまいりました。生産面では、46年ぶりとなる衛生陶器の焼成炉更新により、燃費効率向上を図ることで製造原価の低減させるとともに環境負荷を低減させてまいりました。また従来より全社で取り組んでおりますコスト削減活動を進めるとともに、『業績を尊重する精神』を全社員が常に意識し、製造原価低減を中心に収益率の向上に努めてまいりました。
その結果、当事業年度の売上高は、5,216百万円(前年同期比142百万円増)、営業利益は、上期の円安による原材料費高騰による影響等によ影響から85百万円(前年同期比103百万円減)、経常利益は113百万円(前年同期比92百万円減)となりました。また焼成炉を更新した事により撤去費用等を特別損失として計上したことと繰越欠損金の解消により税負担が増加したため、当期純利益は10百万円(前年同期比174百万円減)となりました。
なお当社は、衛生機器の製造・販売の単一セグメントであります。
※連結決算開始について
当社は、平成28年4月1日に給排水栓の製造及び販売を行っている株式会社ファインテック高橋の全株式を取得した事により、平成29年3月期より連結決算を開始いたします。
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べて14百万円増加し、548百万円となりました。
当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動による資金の増加は、436百万円(前事業年度は217百万円の増加)となりました。主な内訳は、減価償却費190百万円、たな卸資産の減少144百万円、税引前当期純利益72百万円、固定資産除売却損益40百万円、仕入債務の増加29百万円、退職給付引当金の増加23百万円による資金の増加と、売上債権の増加91百万円による資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動による資金の減少は、283百万円(前事業年度は143百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動による資金の減少は、138百万円(前事業年度は161百万円の減少)となりました。主な内訳は、長期借入金の返済による支出134百万円、短期借入金の減少130百万円、リース債務の返済による支出69百万円、配当金の支払額56百万円、自己株式の取得による支出28百万円、社債の償還による支出20百万円による資金の減少と、長期借入れによる収入300百万円による資金の増加によるものであります。
当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
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衛生機器事業 |
2,327,460 |
△7.0 |
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合計 |
2,327,460 |
△7.0 |
(注) 1.金額は製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当事業年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
仕入高(千円) |
前年同期比(%) |
|
衛生機器事業 |
1,611,005 |
+8.0 |
|
合計 |
1,611,005 |
+8.0 |
(注) 1.金額は仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社は、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
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衛生機器事業 |
5,216,936 |
+2.8 |
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合計 |
5,216,936 |
+2.8 |
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前事業年度 |
当事業年度 |
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販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
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タカラスタンダード㈱ |
1,419,204 |
28.0 |
1,595,289 |
30.6 |
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㈱ハウステック |
661,046 |
13.0 |
685,217 |
13.1 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
国内景気は、各種政策の効果により企業収益は回復を続け、それに伴い雇用情勢・企業投資も増加し緩やかに回復していくものと思われます。しかし、海外の景気の動向によっては下振れするリスクを依然として抱えております。当社を取り巻く環境は、新設住宅着工戸数は底堅く推移していくと思われますが、企業間競争の激化など、引続き厳しい状況が続くものと思われます。
このような厳しい市況環境の中、平成27年4月から平成30年3月までを対象とした第4次中期経営計画を策定し、『需要を創造し、社会に広く認知されたJanisブランドの構築』をスローガンとし、大型設備投資による製造原価低減と国内衛生陶器メーカーとして高品質な商品づくりに注力し、経営理念にある独創性と活力ある人材づくりをすすめ、お客様視点で高付加価値商品やサービスをご提供してまいります。
こうした課題に対処するため、以下の基本方針に社員一丸となって全力で取り組んでまいります。
① 『日本ブランド』の衛生陶器メーカーとして、国内外の特色ある企業とのコラボレーションを推進し、事業基盤の拡大を図ってまいります。
② トイレメーカーとしてコア技術に磨きを掛け、安全で品位ある『フロントスリム』商品をご提供すると共に、安心で迅速なサービス対応を通じてお客様のニーズを事業運営に反映してまいります。
③ 国内メーカーとして環境負荷とコストを低減し、お客様にお役立ちできる『提案営業』を推進し、社員一同『業績を尊重する精神』を貫き、継続的に業績を確保してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には以下のようなものがあります。なお、当社は、これらのリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
当社の営業収入は日本国内向けの売上によるものであることから、日本経済の影響を強く受けるものとなっております。具体的には、新設住宅着工戸数の影響を大きく受けております。従いまして、今後、新設住宅着工戸数が落ち込むようであれば、当社の経営に悪影響を及ぼす可能性があります。
衛生機器業界では、新しい競合先の台頭はあまり予想されないものの、既存競合先は海外生産及び海外からの安い商品の調達を進めており、価格競争が激化する可能性があります。また、競合先が革新的な新商品を開発し、当社取扱製品の急速な陳腐化、市場性の低下をまねく可能性があります。その場合、当社の経営に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、売上の半分程度を得意先からの生産委託に依存しております。生産委託については、金額は定められておらず、今後、OEM生産額が減少する可能性があり、その場合、当社の経営に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社の生産活動にあたっては、陶器原料、樹脂原料、金具部品、LNG等の燃料、ダンボール等、種々の原材料を使用し、商品を生産しております。これら原材料・燃料等の価格変動に対しましては、生産効率化等で吸収を図っておりますが、市況が高騰し、予想を上回る原材料・燃料費の上昇が起こった場合には、当社の経営に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社の製品には、海外から仕入れているものが若干含まれているため、当社の経営成績に対して、円高は好影響をもたらし、円安は悪影響をもたらします。また、国内の商社等から円建てで調達している海外産の原材料や、燃料等についても、為替等の相場変動により仕入価格が上下する可能性があります。
当社は、厳しい品質管理基準に基づいて各種の製品を製造しております。しかし、全ての製品について欠陥がなく、将来に回収、無償修理、補償等が発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償保険については保険加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。さらに、引続き当社がこのような保険に許容できる条件で加入できるとは限りません。従いまして、大規模な製品の欠陥が発生した場合、多額のコストの発生や、当社の評価に重大な影響を与え、それにより売上が低下し、当社の経営に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社の生産拠点は愛知県常滑市に集中しております。耐震工事等の必要な措置は講じておりますが、東海地震・東南海地震等の大規模災害が発生した場合、操業ができなくなる事態が考えられ、当社の経営に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、平成28年3月22日開催の取締役会において、株式会社ファインテック高橋の株式を取得し、子会社化することについて決議し、同日付で株式譲渡契約を締結し、平成28年4月1日に既存株主より株式会社ファインテック高橋の全株式を取得いたしました。なお、この株式取得により、株式会社ファインテック高橋は当社の連結子会社となります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」をご参照ください。
お客さまにお役立ちできる「提案営業」を推進する上で、「省エネルギー商品の開発」に今期も引続き注力してまいりました。
温水洗浄便座においては省電力化、便器においては節水化に向けた商品開発に取り組み、水栓においては節湯タイプ開発に着手し、環境負荷低減に貢献する商品展開を進めてまいりました。
今後も「省エネルギー商品」を展開していく上で、水流体の挙動を流動解析から追求し、シンプルな構造と形状でさらなる便器性能を向上させてまいります。また、温水洗浄便座においても省エネ性と快適性を満足する開発を継続してまいります。
さらに「リフォーム・リノベーション」,「高齢化対応」も顧客ニーズとして強く求められており、弊社においてもリフォーム・リノベーション、高齢化対応商品の商品研究・開発を積極的に取り組んでまいります。
本来、洗浄水流の力を損なうことなく洗浄性能を最大限引出す便器形状を追い求め、ローシルエット4.8L対応節水トイレを引き続き開発いたしました。
また、弊社の代名詞でもある「フロントスリム」便器のラインナップを充実させ、リフォーム・リノベーションに対応すべく「スマートセレクト」を組み込んだUniCleanを商品化してまいりました。
弊社では、これまでの温水洗浄便座の節電への取組として、内蔵する温水タンクを小型化することで保温に使用する電力を削減してまいりました。
これからの取組みは、常に温水を保温するのではなく、使用するときだけ使用する温水量のみを過熱して使用する様にし、無駄な電力をこれまで以上に削減できるように改善を進めてまいります。
今まで節水トイレ開発で研究を進めてきたCAE(流動解析)にて最適形状を追求していくとともに、3D CADを活用し商品化の更なるスピードアップを図ってまいります。
ライフスタイルに合わせたリフォーム・リノベーションにおいて、セカンド洗面化粧台「アルテシリーズ」を発売し、2階への設置、手洗いスペースへの新たなる提案等を薦めてまいりました。
また、陶器製薄型洗面ボウル開発に取り組み、足元空間を最大限広く確保し、車椅子対応できる洗面化粧台を開発し、少子高齢化市場に対応してまいります。
当事業年度の研究開発費の総額は、91,933千円であります。
なお当社は、衛生機器の製造・販売の単一セグメントであります。
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や合理的な方法等で処理しておりますが、引当金や資産の陳腐化等による評価減につきましては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき、財政状態及び経営成績に影響を与える見積り額にて計上しております。なお、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と見積り額が異なる場合があります。
当事業年度の経営成績の概要は、前記「1 業績等の概要 (1)業績」に記載のとおりでありますが、そのポイントは次のとおりであります。
売上高につきましては、既存の得意先への売上が増加した結果、5,216百万円となり前年同期比142百万円(2.8%)増加しました。
営業利益につきましては、85百万円となり前年同期比103百万円減少し,経常利益につきましては、113百万円となり前年同期比92百万円減少しました。売上高は堅調に増加しましたが、原材料等の高騰に加え、為替による影響がかさみ、製造原価が膨らみ営業利益・経常利益とも減益となりました。
当期純利益につきましては、10百万円となり前年同期比174百万円減少しました。
当社の資金の状況は、次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度の217百万円の収入に対して、436百万円の収入となりました。主な内訳は、減価償却費190百万円、たな卸資産の減少144百万円、税引前当期純利益72百万円、固定資産除売却損益40百万円、仕入債務の増加29百万円、退職給付引当金の増加23百万円による資金の増加と、売上債権の増加91百万円による資金の減少によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度の143百万円の支出に対して、283百万円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度の161百万円の支出に対して、138百万円の支出となりました。主な内訳は、長期借入金の返済による支出134百万円、短期借入金の減少130百万円、リース債務の返済による支出69百万円、配当金の支払額56百万円、自己株式の取得による支出28百万円、社債の償還による支出20百万円による資金の減少と、長期借入れによる収入300百万円による資金の増加によるものであります。
これらの活動の結果、現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末に比べて14百万円増加し、当事業年度末には548百万円となりました。
なお、財務状況に関する主要指標の推移は次のとおりであります。
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|
24/3期 |
25/3期 |
26/3期 |
27/3期 |
28/3期 |
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自己資本比率(%) |
50.0 |
53.2 |
53.7 |
55.4 |
51.6 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
50.5 |
60.6 |
55.9 |
55.8 |
57.1 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
1.7 |
1.3 |
2.0 |
2.8 |
1.8 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
58.8 |
102.8 |
107.9 |
58.0 |
97.7 |
自己資本比率 : 自己資本 / 総資産
時価ベースの自己資本比率 : 株式時価総額 / 総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 : 有利子負債 / キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ : キャッシュ・フロー / 利払い
※1.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
※2.キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを利用しております。
※3.有利子負債は貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
衛生機器事業は新設住宅着工戸数の影響を大きく受けております。従いまして、今後、新設住宅着工戸数が落ち込むようであれば、当社の経営に悪影響を及ぼす可能性があります。また、衛生機器業界では、新しい競合先の台頭はあまり予想されないものの、既存競合先は海外生産及び海外から安い商品の調達を進めており、価格競争が激化する可能性があります。
今後の見通しにつきましては、景気は緩やかに回復していくものと思われます。そして企業収益の回復に伴い、雇用情勢の改善、設備投資の増加もしていくものと思われます。しかし海外の景気の動向によっては下振れするリスクを依然として抱えております。当社を取り巻く事業環境としましても、新設住宅着工戸数は底堅く推移していくものと思われますが、企業間競争の激化など、厳しい状況が続くものと思われます。
このような厳しい状況に対応するため、当社は、営業面では、Janisブランドを構築すると共にメンテナンス網を充実させ、サービスの向上を図ってまいります。また、OEM専属部署を細分化し、営業提案を強化することにより安定的な売上基盤を構築してまいります。そして、需要創造する提案営業をより一層推進し、新規事業を開拓してまいります。
生産面では、焼成炉更新により製造原価と共に環境負荷を低減し、日本メーカーとして絶対品質と品位を追求し、ブランド構築を図ってまいります。またモノづくり研究を未来思考でおこない、素材・機能・意匠・製法などを追求し、今までにない価値ある挑戦的な商品を作り出してまいります。
これらの対策を実施しながら、大手にはできない商品・サービスを提供することにより、当社の企業価値を高め、将来の景気に左右されることのない、継続的かつ安定的な収益を確保できる事業体制を整えていく所存であります。