国内景気は、各種政策の効果により企業収益は回復を続け、それに伴い雇用情勢・企業投資も増加し緩やかに回復していくものと思われます。しかし、海外の景気の動向によっては下振れするリスクを依然として抱えております。当社を取り巻く環境においては、新設住宅着工戸数は横ばいで推移していくと予想されますが、企業間競争の激化など、引続き厳しい状況が続くものと思われます。
このような厳しい市況環境の中、『- Quality and Safety mind - Janis は人財と商品の品質を第一に、安心を提供し、挑戦する企業であり続けます』をスローガンとし、収益力改善を最優先事項の課題として据えております。また、日本社会全体の課題であります働き方改革・人手不足に対応した設備投資をおこなっていくと共に、国内衛生機器メーカーとして高品質な商品づくりに注力し、経営理念にある独創性と活力ある人財づくりをすすめ、お客様に温かみを感じていただける商品やサービスを提供してまいります。
こうした課題に対処するため、以下の基本方針に社員一丸となって全力で取り組んでまいります。
① 85年培った技術力と開発力、一貫した国内生産体制で高品質なものづくりを基盤とし、「日本メーカー」の特色を活かした事業拡大を図ってまいります。
② 「フロントスリム」商品を中軸に安心・満足してお使いいただける、魅力ある商品と迅速なサービスを提供し、お客様にお役立ちできる企業であり続けます。
③ 新規開拓に果敢にチャレンジし、環境負荷と労働負荷、コストの低減を実現し、社員一丸となって「業績を尊重する精神」を貫き、継続的に業績を確保してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には以下のようなものがあります。なお、当社グループは、これらのリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
当社グループの営業収入は日本国内向けの売上によるものであることから、日本経済の影響を強く受けるものとなっております。具体的には、新設住宅着工戸数の影響を大きく受けております。従いまして、今後、新設住宅着工戸数が落ち込むようであれば、当社グループの経営に悪影響を及ぼす可能性があります。
衛生機器業界では、新しい競合先の台頭はあまり予想されないものの、既存競合先は海外生産及び海外からの安い商品の調達を進めており、価格競争が激化する可能性があります。また、競合先が革新的な新商品を開発し、当社グループ取扱製品の急速な陳腐化、市場性の低下をまねく可能性があります。その場合、当社グループの経営に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、売上の半分程度を得意先からの生産委託に依存しております。生産委託については、金額は定められておらず、今後、OEM生産額が減少する可能性があり、その場合、当社グループの経営に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの生産活動にあたっては、陶器原料、樹脂原料、金具部品、LNG等の燃料、ダンボール等、種々の原材料を使用し、商品を生産しております。これら原材料・燃料等の価格変動に対しましては、生産効率化等で吸収を図っておりますが、市況が高騰し、予想を上回る原材料・燃料費の上昇が起こった場合には、当社グループの経営に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの製品には、海外から仕入れているものが若干含まれているため、当社グループの経営成績に対して、円高は好影響をもたらし、円安は悪影響をもたらします。また、国内の商社等から円建てで調達している海外産の原材料や、燃料等についても、為替等の相場変動により仕入価格が上下する可能性があります。
当社グループは、厳しい品質管理基準に基づいて各種の製品を製造しております。しかし、全ての製品について欠陥がなく、将来に回収、無償修理、補償等が発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償保険については保険加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。さらに、引続き当社がこのような保険に許容できる条件で加入できるとは限りません。従いまして、大規模な製品の欠陥が発生した場合、多額のコストの発生や、当社の評価に重大な影響を与え、それにより売上が低下し、当社グループの経営に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの生産拠点は愛知県常滑市に集中しております。耐震工事等の必要な措置は講じておりますが、東海地震・東南海地震等の大規模災害が発生した場合、操業ができなくなる事態が考えられ、当社グループの経営に悪影響を及ぼす可能性があります。
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国の経済は、緩和的な金融環境と政府の経済政策により、緩やかな回復状態が続いております。国内の需要に関しては、雇用環境の着実な改善を背景として、個人消費は緩やかながら増加しております。また、企業収益の改善も維持されており、それに伴い設備投資も緩やかに増加しております。海外経済におきましては、アメリカをはじめアジア・ヨーロッパで緩やかに回復してきております。しかし、米中の貿易摩擦の激化をはじめとし、地政学的リスクや政策の不確実性の影響によっては下振れのリスクを抱えており、先行きが不透明な状況にあります。
当社関連業界におきましては、貸家の着工は緩やかに減少しておりますが、持家の着工が持ち直してきております。当連結会計年度における新設住宅着工戸数は、前年比0.7%増加しており、当面横ばいで推移していくと思われます。
こうした状況の中、お客様にお役立ちできる『提案営業』を推進し、「フロントスリム」トイレを中心とした拡販に注力してまいりましたが、OEM先に対する売上高が減少いたしました。また、採算性の低い商品の販売割合が増加し、売上総利益が減少いたしました。生産面では、2015年に更新した焼成炉により燃費率は向上し、従来より全社で取り組んでおりますコスト削減活動を進めるとともに、『業績を尊重する精神』を全社員が意識し、製造原価低減に努めてまいりました。しかし、売上高減少に伴い工場稼働率の低下及び為替変動による燃料・仕入商材の値上がりにより、製造原価が増加するという厳しい状況になりました。また、温水洗浄便座の販売増加とともにメンテナンス費用も増加しており、製造メーカーとして将来の製品保証費用を引き当てたため、販売費が105百万円増加しております。
イ.経営成績
当連結会計年度の売上高は5,179百万円(前年同期比319百万円減)、営業損失は230百万円(前年同期は営業利益71百万円)、経常損失は194百万円(前年同期は経常利益103百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は193百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益73百万円)となりました。
ロ.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて85百万年増加し、5,342百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて356百万円増加し、2,765百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて271百万円減少し2,576百万円となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて110百万円
減少し、344百万円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の減少は、64百万円(前連結会計年度は277百万円の増加)となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純損失189百万円、その他161百万円、たな卸資産の増加70百万円による資金の減少と、減価償却費163百万円、製品保証引当金の増加105百万円、仕入債務の増加80百万円による資金の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、128百万円(前連結会計年度は77百万円の減少)となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出142百万円による資金の減少と、有形固定資産の売却による収入12百万円による資金の増加によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の増加は、83百万円(前連結会計年度は269百万円の減少)となりました。主な内訳は、短期借入金の増加200百万円、長期借入による収入100百万円による資金の増加と、長期借入金の返済による支出95百万円、配当金の支払額55百万円、リース債務の返済による支出44百万円、社債の償還による支出20百万円による資金の減少によるものであります。
当社グループの事業は単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
a 生産実績
当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。
(注) 1.金額は製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b 商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績は、次のとおりであります。
(注) 1.金額は仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c 受注実績
当社グループは、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。
d 販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や合理的な方法等で処理しておりますが、引当金や資産の陳腐化等による評価減につきましては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき、財政状態及び経営成績に影響を与える見積り額にて計上しております。なお、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と見積り額が異なる場合があります。
イ.財政状態
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて120百万円増加し2,598百万円となりました。主な内訳は、未収入金(排水器具交換費用の立替)を含む流動資産その他の増加172百万円、製品の増加45百万円、電子記録債権の増加35百万円、原材料及び貯蔵品の増加17百万円と現金及び預金の減少110百万円、受取手形及び売掛金の減少49百万円であります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて35百万円減少し2,744百万円となりました。主な内訳は、有形固定資産の 減少7百万円、投資有価証券の減少31百万円であります。
この結果、総資産は前連結会計年度末に比べて85百万円増加し、5,342百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて431百万円増加し1,712百万円となりました。主な内訳は、電子記録債務の増加380百万円、短期借入金の増加200百万円、製品保証引当金の増加105百万円、1年内返済予定の長期借入金の増加101百万円と支払手形及び買掛金の減少299百万円、リース債務の減少48百万円であります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて75百万円減少し1,053百万円となりました。主な内訳は、長期借入金の減少96百万円と退職給付に係る負債の増加20百万円であります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて356百万円増加し、2,765百万円となりました。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べて271百万円減少し2,576百万円となりました。主な内訳は、利益剰余金の減少249百万円、その他有価証券評価差額金の減少24百万円であり、自己資本比率は47.3%となりました。
ロ.経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比べ5.8%減の5,179百万円となりました。これは、自社ブランドによる売上高は増加しましたが、OEM先への売上高が減少したことによるものであります。
(営業損失・経常損失・親会社株主に帰属する当期純損失)
利益面では、売上高の減少に伴い工場稼働率の低下及び為替変動による燃料・仕入商材の値上がりにより製造原価が増加し利益が減少しました。また、温水洗浄便座の販売増加と共にメンテナンス費用も増加しており製造メーカーとして将来の製品保証費用121百万円を引き当てたことにより、営業損失は230百万円(前年同期は営業利益71百万円)、経常損失は194百万円(前年同期は経常利益103百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は193百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益73百万円)となりました。
ハ.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループにおける主な資金需要は、生産活動のための原材料・部品の購入費、製品の仕入費用、労務費、製造費用、販売費及び一般管理費に係る運転資金及び生産性の向上のための設備投資資金等であります。運転資金及び設備投資資金等については、内部保留又は銀行からの借入等により調達することとしております。資金の調達については、取引金融機関との良好な関係を維持しつつ、状況に応して対応可能な体制となっております。
資金の流動性管理にあてっては、適時資金繰り計画を作成・更新して、手元流動性を維持することで、必要な流動性を確保しております。
当社は、2018年4月(第85期)から2021年3月(第87期)までを対象とした「第5次中期経営計画」を策定しており、最終年度に売上高5,750百万円、営業利益107百万円を達成することを目標として掲げております。
第5次中期経営計画の初年度である当連結会計年度は、大手OEM先への売上げが減少したことと、製品保証費用を引き当てた事により目標数値を達成できませんでした。
第5次中期経営計画の2年目以降につきましては、売上高を確保して収益力改善を最優先的事項として取り組んで参ります。
該当事項はありません。
省エネルギーを意識した商品の開発に継続して注力するとともに、エンドユーザー視点での水まわりにおける快適な生活環境づくりに貢献すべく商品展開に注力してまいりました。
温水洗浄便座においては省エネ基準達成率を、便器においては節水を意識した商品開発に取り組み、洗面化粧台においては、LED照明化粧鏡の商品設定を全面展開し、環境負荷低減に貢献する商品設定を実施しました。
また、異業態との協業も進め、今後も継続して水まわり商品の枠を拡げる活動を推進してまいります。
「省エネルギー商品」を展開していく上で、水流体の挙動を流動解析から追求し続け、シンプルな流路構造と独自形状でのさらなる便器性能の向上を図ってまいります。また、温水洗浄便座においても省エネ性と快適性を満足する開発を継続してまいります。さらに「少子高齢化」の時代に合った、省エネ商品、利便性の高い商品設定を日本の陶器メーカーとして、あらゆる顧客ニーズに対応すべく、弊社にしかできない商品研究・商品開発を積極的に取り組んでまいります。
よりよい洗浄水流を探求し、洗浄性能を最大限に引出す便器形状を追求、タンク式4.8L対応の節水トイレの更なる機能向上・改善を進めてまいりました。
また、弊社の代名詞でもある「フロントスリム」便器のラインナップを継続させ、リフォーム・リノベーションに対応すべく、商品を展開してまいりました。
本社では、これまでの温水洗浄便座の節電への取組として、内蔵する温水タンクを小型化する思想を継続し、使用する電力を削減してまいりました。
今後も、無駄な電力をこれまで以上に削減できるように改善をすると共に、機能追加、デザイン性に優れた商品開発にも継続して取組んでまいります。
今まで節水トイレ開発で研究を進めてきた水流体の挙動の最適化を狙い、流路形状を追求していくと共に、3D CAD・モデリングを活用し商品化への早期展開を実施してまいります。
日本の陶器メーカーとして、顧客・時代ニーズに対応すべく商品を展開してまいります。
当連結会計年度の研究開発費の総額は、
なお当社グループは、衛生機器の製造・販売の単一セグメントであります。