第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、第1四半期マイナスとなった実質GDPが第2四半期にプラスに転じましたが、第3四半期には個人消費、住宅投資の減少を背景に再びマイナスとなるなど一進一退の状態が続きました。個人消費は名目賃金の伸び悩みや消費者マインドの悪化から低迷が続いています。設備投資は好調な企業収益を背景に回復傾向にありますが、依然として力強さに欠け、前年度駆け込み需要の反動を主因として落ち込んだ住宅投資は、住宅ローン減税の拡充、低金利等に支えられ持ち直しの動きが見られましたが、平成27年夏場以降は横這いの推移が続いています。

 中国経済の減速、原油価格、資源価格の下落に伴う新興国の経済情勢悪化等、世界経済全体に不透明感が強まっており、今後は円高と新興国の景気減速が国内の製造業の収益に与える影響が懸念される状況です。

 このような状況のもと、当社の主要顧客であるセメント業界においては、作業員不足による建設作業の遅れを主な要因とする生コンクリートの出荷の伸び悩みから、セメントの国内における生産高、販売高ともに今年度は概ね前年同月を下回る状況が継続し、当社の耐火物事業も売上高は前連結会計年度を下回りましたが、燃料価格の大幅低下によりセグメント利益は黒字を確保することができました。

 プラント事業については、設備投資環境が改善傾向にあり環境関連工事が増加しましたが、主に人件費上昇の影響により利益率が大きく低下しました。建材、舗装用材事業については工事作業員の不足と受注競争の激化に加え、予想以上の公共事業の着工遅延の影響もあり、減収減益となりました。

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は9,900百万円(前連結会計年度比0.3%減)、営業利益は303百万円(前連結会計年度比31.3%減)、経常利益は337百万円(前連結会計年度比28.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は156百万円(前連結会計年度比48.7%減)となりました。

 

 セグメントの業績は次のとおりであります。

(耐火物事業)

 耐火物事業につきましては、当連結会計年度の売上高は3,883百万円(前連結会計年度比0.7%減)、セグメント利益は27百万円(前連結会計年度は149百万円のセグメント損失)となりました。

(プラント事業)

 プラント事業につきましては、当連結会計年度の売上高は3,603百万円(前連結会計年度比4.3%増)、セグメント利益は136百万円(前連結会計年度比66.8%減)となりました。

(建材及び舗装用材事業)

 建材及び舗装用材事業につきましては、当連結会計年度の売上高は2,180百万円(前連結会計年度比6.7%減)、セグメント利益は52百万円(前連結会計年度比1.8%減)となりました。

(不動産賃貸事業)

 不動産賃貸事業につきましては、当連結会計年度の売上高は213百万円(前連結会計年度比4.2%増)、セグメント利益は116百万円(前連結会計年度比10.4%減)となりました。

(その他)

 主に、外注品等を販売する事業であり、当連結会計年度の売上高は18百万円(前連結会計年度比11.6%減)、セグメント利益は2百万円(前連結会計年度比37.0%減)となりました。

 

 なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は524百万円(前連結会計年度比20.1%)減少し、2,085百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果使用した資金は138百万円(前連結会計年度は1,356百万円の獲得)となりました。

 収入の主な内訳は、仕入債務の増加額337百万円、税金等調整前当期純利益320百万円及び減価償却費203百万円であり、支出の主な内訳は、売上債権の増加額559百万円、法人税等の支払額201百万円、たな卸資産の増加額128百万円及び未払消費税等の減少額125百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は346百万円(前連結会計年度比174.2%増)となりました。

 収入の主な内訳は、定期預金の払出による収入192百万円であり、支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出221百万円、投資有価証券の取得による支出112百万円及び定期預金の預入による支出102百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は37百万円(前連結会計年度比92.4%減)となりました。

 収入の主な内訳は、短期借入金の純増加額100百万円によるものであり、支出の主な内訳は、社債の償還による支出70百万円及び配当金の支払額62百万円によるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

耐火物事業

3,265,390

△2.8

プラント事業

2,982,746

+15.4

建材及び舗装用材事業

1,704,966

△8.6

不動産賃貸事業

その他

合計

7,953,102

+1.8

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は、製造原価によっております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注実績

 当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

耐火物事業

3,805,298

△3.3

972,761

△7.5

プラント事業

3,861,854

+5.1

1,801,752

+16.7

建材及び舗装用材事業

2,178,582

△4.8

92,822

△2.1

不動産賃貸事業

213,668

+4.2

その他

15,988

+22.2

1,678

△61.5

合計

10,075,392

△0.4

2,869,014

+6.5

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

耐火物事業

3,883,744

△0.7

プラント事業

3,603,412

+4.3

建材及び舗装用材事業

2,180,596

△6.7

不動産賃貸事業

213,668

+4.2

その他

18,667

△11.6

合計

9,900,090

△0.3

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

 今後の経営環境につきましては、原油など資源価格の下落が年度を通じて家計の所得や企業利益の押し上げに寄与し、景気の下支えとなることが期待されます。これにより雇用、所得環境の改善に伴う個人消費の増加、高水準の企業収益を背景とした設備投資の回復も予想されます。一方、資源価格の下落や米国の利上げによる新興国の経済悪化の懸念、中国の経済成長率鈍化等、世界経済にとっては不透明な環境が続くと予想されます。

 このような状況のなか、当社といたしましては、これら内外の環境変化を経営のプラス要因とすべく、従来より事業構造改革の重点方針としている「セラミックス・耐火物事業」への取組みにより、安定的収益基盤と成長基盤の強化に努め、継続的な企業価値の向上に注力いたします。「耐火物事業」は組織改革により製造・販売・技術の一体運営を図っておりますが、更なる一体運営の効果を発揮すべく、顧客ニーズの分析を深め、独自の品質を有する製品とサービスの提供により顧客満足の向上に努めるとともに、新たな市場と顧客の開拓へ向けて営業活動を強化してまいります。「プラント事業」においても、顧客の各種ニーズに対応すべく、新商品の開発を積極的に推し進め、新たな市場の創造へ向けて取り組んでまいります。「建材及び舗装用材事業」においては、公共事業の確実な受注、特に今後本格化する東京オリンピック関連の需要などを確実に受注増につなげるとともに、高機能の製品開発、新工法の開発に注力し顧客層の拡大と付加価値の向上に努めてまいります。

 各事業においてこれら戦略の確実な実現に努め、従来の事業基盤を守りつつ、新たな収益基盤の構築を図るべく、グループ会社の総合力を結集して取り組んでまいります。

 

4【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(景気及び市場の動向)

 当社の耐火物事業はセメント市場向けが主力のため、政府の公共事業政策や建設業界の動向により大きな影響を受ける可能性があります。また、プラント事業も設備投資の動向、建材及び舗装用材事業も公共事業の動向に影響を受ける度合いが大きく、これらが当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(原料、燃料価格の高騰)

 当社グループの製品製造のために調達している原料及び燃料価格が高騰し、今後もこれらの価格が高水準で推移し、または更なる高騰がある場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(災害による影響)

 当社グループの生産拠点は、岐阜県瑞浪市、愛知県半田市、三重県四日市市等にあり、各工場で製品品種ごとの分業体制を採っております。各工場とも火災、風水害等の影響を最小限とするため定期点検等の災害防止対策を講じておりますが、これら災害が発生した場合、また特に想定されている東海大地震が発生した場合、かなりの震度が予想される地域にあるだけに、当社グループの生産及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(製品の品質)

 当社グループの製品に欠陥が生じないよう品質管理基準を定め生産を行っております。また、欠陥による損害賠償等が発生した場合に備え、製造物責任保険に加入し業績への影響を最小限に抑える手段を講じております。しかし、製品の欠陥によるクレームに対処すべく製品保証、補修工事などが発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(その他)

 同業他社との競合による販売価格低下・利益率低下、環境規制の強化、社員の高齢化及び定年に伴う技術・ノウハウの伝承などが当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、①耐火物及びその関連技術、②ニューセラミックス技術、③各種工業炉及び付帯設備技術、並びに④建材及び舗装用材料・工法技術の4分野を中心に、経営基盤と事業競争力強化を実現するため研究開発に力を注いでおります。

 これらの研究開発は、当社の技術開発部、各工場、プラント部及び連結子会社の美州興産㈱技術部が連携し、耐火物事業(セラミックス・耐火物事業)、プラント事業、建材及び舗装用材事業においてそれぞれ研究テーマを設定し推進しております。当連結会計年度における研究開発費の総額は270百万円であります。

 当連結会計年度におけるセグメント別の研究開発活動のテーマは下記のとおりであります。

○耐火物事業(セラミックス・耐火物事業)

(1)耐火物の新製品開発及び既存製品の品質改良

(2)耐火物の補修技術の開発

(3)耐火物及びセラミックスの革新的製造技術の開発

(4)高機能非酸化物系ニューセラミックスの研究開発

(5)機能性酸化物系ニューセラミックスの研究開発

(6)軽量複合材料の研究開発

○プラント事業

(1)工業炉の高効率化に関する熱マネージメントシステムの開発

(2)マイクロウエーブ加熱装置の実用化技術の開発

(3)工業炉の雰囲気制御に関する開発及び改良

○建材及び舗装用材事業

(1)路面温度上昇抑制舗装用遮熱セラミックス骨材の研究開発

(2)街路・景観舗装材の材料と工法の研究開発

(3)機能性道路維持補修材の材料と工法の研究開発

(4)工場・倉庫床の高機能化に伴う床材の研究開発

(5)インフラ整備に向けたセラミックス系材料の応用技術開発

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。将来の見通しに関する部分は、事業環境等の予想し得ない変化により、実際とは異なる可能性があります。

 

(1)財政状態の分析

〔資産の状況〕

 流動資産は、現金及び預金が減少したものの、受取手形及び売掛金、有価証券、たな卸資産、繰延税金資産の増加などにより、全体としては8,485百万円(前連結会計年度比270百万円増)となりました。固定資産は、機械装置及び運搬具(純額)、繰延税金資産が増加したものの、投資有価証券の減少などにより、全体としては4,979百万円(前連結会計年度比69百万円減)となりました。その結果、資産合計では13,465百万円(前連結会計年度比200百万円増)となりました。

〔負債の状況〕

 流動負債は、支払手形及び買掛金、未払法人税等、未払消費税等が減少したものの、電子記録債務、短期借入金が増加したことなどにより、全体としては4,254百万円(前連結会計年度比367百万円増)となりました。固定負債は、役員退職慰労引当金が増加したものの、社債、退職給付に係る負債の減少などにより、全体としては1,935百万円(前連結会計年度比118百万円減)となりました。その結果、負債合計では、6,190百万円(前連結会計年度比248百万円増)となりました。

〔純資産の状況〕

 純資産は、利益剰余金が増加したものの、その他有価証券評価差額金の減少などにより7,274百万円(前連結会計年度比48百万円減)となり、自己資本比率は49.0%(前連結会計年度比1.2ポイント減)となりました。

 

(2)経営成績の分析

 1[業績等の概要] (1)業績 をご参照ください。

 

(3)キャッシュ・フローの分析

 1[業績等の概要] (2)キャッシュ・フローの状況 をご参照ください。